- 変形性股関節症
- 脊椎
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 股関節
- 腰部脊柱管狭窄症
【医師監修】股関節と腰の痛みが同時に生じる理由とは|対処法や治療法もあわせて解説
「腰と股関節、両方とも痛い」
「医療機関で異常なしと診断されたけれど、痛みが続いている」
「大きな病気の前ぶれではないだろうか」
このような不安をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
股関節と腰の痛みは、人体の構造上同時に生じやすい症状です。レントゲンやCT、MRIといった画像検査で異常がないにもかかわらず、痛みが生じるケースもあります。
本記事では、股関節と腰の痛みが同時に発生する理由や原因となる疾患、痛みへの対処法について詳しく解説します。
治療方法についてもお伝えしますので、自分に合った治療法を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
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股関節痛および腰痛にお悩みの方や、再生医療に興味関心のある方は、お気軽にご登録ください。
目次
股関節と腰の痛みが同時に生じる理由
股関節痛と腰痛が同時に生じる理由としてあげられるものは、主に以下の4点です。
- 股関節と腰が連動して負担が広がるため
- 関連痛によって離れた部位に痛みが出るため
- 代償動作によって負担が別の部位に移るため
- 筋力低下や良くない姿勢によって両方に負担がかかるため
股関節と腰が連動して負担が広がるため
股関節と腰、骨盤は、日常生活において連動して動く部位です。どこか1カ所に不調が生じると、その部位をカバーするため他の部位に負担が集中します。
とくに股関節の可動域が低下すると、腰に負担が集中して腰痛が起こりやすくなります。
前かがみや立ち上がりで腰が痛い方は、股関節の動きが悪くなっている可能性もあります。
関連痛によって離れた部位に痛みが出るため
関連痛とは、原因とは別の場所に痛みを感じる現象です。股関節に問題がある場合、脚の付け根だけではなく、お尻や太もも、膝に不調が出ることもあります。(文献1)
「腰が痛い=腰に原因がある」とは限りません。股関節に問題があるときも、腰痛が生じるケースがあります。
痛みだけで原因を見分けることは難しいものです。痛む範囲だけで判断せず、「どんな動作をすると痛みが生じるか」も確認しましょう。
代償動作によって負担が別の部位に移るため
代償動作とは、正常な動作とは異なる運動パターンで目的の動作を行うことです。(文献2)
股関節痛があるときに、無意識に体を傾けて歩くことも代償動作の1つです。この状態が続くと、腰やお尻など、本来問題のない部位にも痛みが広がります。
海外の文献では、股関節の機能低下により、腰椎の動きが増加して腰痛が生じる事例が紹介されています。(文献3)
筋力低下や良くない姿勢によって両方に負担がかかるため
股関節まわりの筋力が低下すると、骨盤が不安定になり腰への負担が増します。
また、お尻の筋肉が弱くなると、立つ動作や歩く動作で骨盤が左右に揺れやすくなり、腰に負担がかかります。猫背や反り腰といった姿勢の崩れは、股関節と腰の両方に影響します。
「長時間座るとつらい」「立ち姿勢が崩れている」と感じる場合は、姿勢や筋力の見直しが必要です。
【パターン別】股関節痛と腰痛の原因
股関節痛および腰痛の場合、股関節や腰そのものに原因があるケースと、検査で異常がないケースがあります。
それぞれ詳しく解説します。
腰由来の症状が疑われるケース
腰由来の代表的な疾患は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症です。これらの疾患では、腰痛や下半身のしびれ、脱力がみられ、歩行で腰痛が悪化します。(文献4)(文献5)
「片脚に痛みやしびれがある」「歩くと腰が痛み、休むと楽になる」といった症状は、腰由来の疾患が関係している可能性があります。
股関節由来の症状が疑われるケース
股関節由来の代表的な疾患は、変形性股関節症です。この疾患の特徴は、立ち上がりや歩き始めに生じるそけい部(脚の付け根)の痛みです。(文献6)
進行すると、寝ているときも痛みが生じたり、日常生活上の動作に支障をきたしたりします。
「脚の付け根が痛い」「股関節をひねると痛い」場合は、股関節が関係している可能性があります。
検査で異常がなくても痛みが出るケース
検査で異常が見つからなくても、関節の使い方や筋力のバランスによって腰痛や股関節痛が生じる場合があります。考えられるケースが、仙腸関節障害や大転子部痛症候群などです。
仙腸関節とは背骨と下半身の間にある関節で、上半身と下半身の力を伝える重要な役割を担っています。仙腸関節が障害されると、姿勢を変えたときに鼠径部やお尻に痛みが生じます。(文献7)
股関節痛および腰の痛みへの対処法
この章では、股関節痛や腰痛が強いときの対処法と、痛みが軽減されたときに行えるセルフケアを中心に解説します。
セルフケアで改善しないときに見直すポイントも、あわせて紹介します。
痛みが強いときの対処法
痛みが強いときは完全に寝込むのではなく、痛みを悪化させる動作を避けながら過ごしましょう。前かがみや深くしゃがむ動作、長時間の立ち姿勢は、股関節や腰に負担をかけます。
股関節痛や腰痛が急に現れたときは、保冷剤や冷たいタオルで冷やすと痛みが和らぎます。
市販の痛み止めを使用する際は、副作用や他の薬との飲み合わせを確認するため、薬剤師に相談しましょう。あわせて、薬に添付されている説明書も必ず確認してください。(文献8)
以下の記事では、鎮痛消炎剤について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
痛みが軽減されたときに行えるセルフケア
痛みが落ち着いてきたら、股関節や腰まわりを少しずつ動かしていきましょう。セルフケアとしては、お尻や足の付け根、もも裏のストレッチ、体幹およびお尻の筋力運動があげられます。
最初から多くの種目を行う必要はありません。痛みが出ない範囲で短時間から始めることが大切です。
運動中に鋭い痛みが出る、しびれが強くなるといった場合は、無理に続けず中止してください。
以下の記事では、6種類のストレッチを紹介しています。あわせてご覧ください。
セルフケアで改善しないときに見直すポイント
セルフケアを続けても改善しない場合は、ケアの方法やタイミングが症状に合っていない可能性があります。
腰と股関節は連動して動くため、股関節が原因の腰痛が生じる、あるいはその逆のケースも珍しくありません。
腰痛の原因が股関節である場合、腰だけをケアしても改善しないことがあります。
セルフケアのタイミングも、改善を妨げる原因です。腰痛や股関節痛が強いときに、ストレッチや筋力運動などを行うと、かえって悪化します。
セルフケアで改善しない場合は、一度ケアを中止し、医療機関を受診しましょう。
股関節と腰の痛みに対する受診が必要となるケース
股関節と腰痛において、受診が必要となるケースは主に以下の3種類です。
- すぐに受診すべき危険サイン
- 早めの受診が望ましいケース
- 内臓疾患の可能性があるケース
すぐに受診すべき危険サイン
以下の症状がある場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
- 尿が出ない、もしくは失禁する
- 会陰部がしびれる
- 歩行困難である
- 転倒後に強い股関節痛が生じている
- 発熱を伴う強い痛みがある
- 背部や腹部が激しく痛む
これらの症状は、神経障害や感染症、骨折、大動脈疾患などが原因の可能性があります。放置すると後遺症が残ったり、命に関わったりするケースもあります。
とくに、背部や腹部の痛みがある場合は、迷わず救急外来を受診してください。
早めの受診が望ましいケース
緊急ではないものの、早めの受診が必要な状況を以下に示しました。
- 痛みが4~6週間以上続く
- セルフケアを続けても痛みが改善しない
- 歩けるが痛みが続く
- 股関節痛が徐々に強くなる
このような場合は、整形外科で原因を確認しましょう。早期受診で適切な治療につながります。
内臓疾患の可能性があるケース
腰痛および股関節痛が、内臓疾患由来の場合もあります。想定される症状を以下に示しました。
- 安静にしていても持続する
- 発熱や吐き気、血尿を伴う
- 激しい痛みが突然始まる
これらの症状の場合、尿路結石や感染症、大動脈疾患などの可能性があります。筋肉や関節の痛みとは異なり、姿勢で変わりにくい点が特徴です。
異変を感じた場合は早めに内科を受診しましょう。内科で異常がない場合は、整形外科が受診先となります。
以下の記事で、内臓由来の腰痛について解説していますので、あわせてご覧ください。
股関節と腰の痛みの主な治療法
股関節痛と腰痛の治療法としては、主に以下の3点があげられます。
- 保存療法
- 手術療法
- 再生医療
保存療法
保存療法は、股関節痛および腰痛に対する第一の選択肢です。薬物療法やブロック注射、運動療法、体重管理および杖の使用を含めた生活指導などにより、痛みの軽減を目指します。
腰痛では運動や生活改善、股関節痛では負担を減らしながら筋力や可動域を保つことが重要です。
ただし、保存療法を続けても症状が改善しない場合や悪化する場合は、治療方針の見直しが必要です。
手術療法
手術療法は、腰椎や股関節の変形が進んでいる場合、神経の圧迫によって歩行障害やしびれなどがある場合に検討されます。股関節では人工股関節置換術、腰では脊柱管狭窄症に対する除圧術や、必要に応じた固定術などが主な選択肢です。
症状の著しい改善が期待できる一方で、入院やリハビリ、合併症のリスクも伴います。症状の強さだけでなく、画像所見や生活への影響、保存療法の効果なども踏まえた上での選択が必要です。
慢性腰痛の手術については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
再生医療
保存療法を続けても十分な改善が得られない場合や、すぐに手術を選びたくない場合は、再生医療も選択肢になり得ます。
再生医療とは、ヒトが持っている「再生する力」を用いた治療法です。
当院では、幹細胞治療(腹部の脂肪から幹細胞を採取)やPRP療法を実施しています。ただし、人工関節置換術後は再生医療を受けられません。
股関節と腰の痛みのメカニズムを把握して適切なケアを行おう
股関節痛と腰の痛みは、同時に現れることも珍しくありません。股関節や骨盤、腰の連動、関連痛、代償動作などが関係しているためです。
そのため、痛みの部位だけで、原因を判断するのは困難です。
軽い痛みであればセルフケアで様子を見ることも可能ですが、痛みが長引く場合や悪化する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。原因を把握した上で適切な治療を選ぶことが大切です。
当院リペアセルクリニックでは、公式LINEによる簡易オンライン診断や再生医療の情報提供を行っています。
股関節痛や腰痛でお悩みの方や、治療法について相談したい方は、お気軽にご登録ください。
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股関節と腰の痛みに関するよくある質問
股関節が左側だけ急に痛むのはなぜですか?
片側の股関節痛は、日常生活における姿勢や動作の癖、もしくはリウマチや大腿骨頭壊死といった疾患が原因として考えられます。また、内臓疾患が隠れている可能性もあります。
いずれにしても放置せず、整形外科を受診しましょう。整形外科で異常がない場合は、内科を受診してください。
以下の記事では、片側だけに股関節痛が生じる原因について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
股関節や腰に痛みがあるときにストレッチをしても良いですか?
強い痛みやしびれがあるときは、無理なストレッチは禁物です。
痛みがある程度和らいだときは、お尻や足の付け根、もも裏を軽く伸ばす程度のストレッチが役立ちます。
ただし、ストレッチ中に鋭い痛みが出たりしびれが増えたりする場合は、無理に続けず中止しましょう。
参考文献



















