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内側側副(ないそくそくふく)靭帯損傷は、内側側副靭帯という膝の内側の安定性を保っている靭帯が何らかの原因で損傷を受けることです。 今回は、医師の目線から、内側側副靭帯損傷の症状や治療法について解説します。 内側側副靭帯損傷(MCL)とは? 内側側副(ないそくそくふく)靭帯損傷(MCL)とは、膝関節の裏側にある内側側副靭帯によくみられる外傷です。 靭帯が何らかの原因で損傷を受けた状態を指します。 内側側副靭帯損傷は、後述しますが珍しいものではありません。 自力での治療は難しいため、症状が疑われた場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。 また、放置してしまうと悪化する恐れがあるので、早めに受診しましょう。 内側側副靭帯の役割 内側側副靭帯は、膝の裏側にあって、関節が必要以上に開かないようにおさえる役割を果たします。 この靭帯は、膝関節に関わる腿骨と脛骨をつないでいます。 しかし、2つの骨は、決して衝撃に強くありません。 しかし内側側副靭帯があることで、外部からの衝撃に耐性を発揮できます。 結果として、この靭帯により、強い衝撃があっても必要以上に関節が開かないようになります。 なお、膝関節には、前十字靭帯と後十字靭帯という靭帯があり、関節の外側には内側側副靭帯が外側側副靭帯があります。 その中でも、内側側副靭帯は、特に膝の内側の安定性を保つ役割を持ちます。 内側側副靭帯損傷(MCL)の原因とは? スポーツ外傷や、交通事故などで、膝に外反強制(がいはんきょうせい:すねを無理に外側に向けられること)するような大きな力が加わった際に、内側側副靭帯損傷(MCL損傷)が起こりやすいとされています。 内側側副靭帯損傷は、膝の靭帯損傷の中で最も多いとされています。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靭帯損傷の4つの症状 次に、内側側副靭帯損傷に多い以下4つの症状に関して解説します。 ・痛みや腫れ ・膝の不安定感 ・運動動作が困難になる ・可動域の低下 内側側副靭帯損傷があると、上記する症状によって、スポーツへの参加や日常生活に支障が生じます。 それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 内側側副靭帯損傷の症状①痛みや腫れ 急性期(怪我をしてから3週間頃)に、膝の痛みと可動域制限がみられます。 しばらくして腫れ(関節内血腫)が目立ってくることもあります。 急性期が過ぎると、重症度にもよりますが、一般的に痛みや腫れ、可動域制限は軽快してきます。 内側側副靭帯の損傷の症状②膝の不安定感 この頃になると損傷部位によっては膝の不安定感が徐々に目立ってくることがあります。 ひねり動作の際にはっきりすることが多いです。 内側側副靭帯損傷の場合は、膝の内側の不安定感が出ます。 この状態のまま放置しておくと、新たに半月(板)損傷や軟骨損傷などを生じ、慢性的な痛みや腫れ(水腫)になってしまうこともあります。 内側側副靭帯の損傷の症状③運動動作が困難になる さらに、以下のような形で運動動作を取るのが困難になります。 ・痛みや腫れによって、ランニング、ジャンプなどがしにくくなる ・症状が重い場合は歩きにくくなる ・膝の安定感が失われ、思うように方向転換できなくなる スポーツの参加はもちろん、日常生活でも感じる方が多いです。 また、トレーニングができなくなるため、筋力が低下するという問題もあります。 内側側副靭帯の損傷の症状④可動域の低下 内側側副靭帯の損傷によって、動かせる関節の範囲が限られます。 膝をまっすぐにしたり、自由に曲げたりするのが難しくなります。 膝が固くなったようにも感じられます。その結果、足を引きずったような歩き方になるかもしれません。 内側側副靭帯損傷の重症度 内側側副靭帯損傷は、American Medical Associationの分類によって、1〜3度に分かれます。 ・1度 軽症ですが、治療とリハビリを行うことが推奨されます。 ・2度 中等症で、膝の外反動揺性つまりぐらぐら感を中程度に認めます。 初期治療(ギ プス固定、装具療法など)が重要となります。 ・3度 重症で、膝の外反動揺性が顕著であり、手術を要する場合が多いです。 内側側副靭帯損傷の検査方法 それでは、次に内側側副靱帯の検査方法について解説します。 ストレステスト 診察では膝関節にストレスを加えて緩みの程度を健側と比較します。 ① 外反ストレステスト(valgus stress test) 患者が仰向けになり、膝を伸ばした姿勢と30°膝に曲げた姿勢の2パターンでチェックをします。 医師などの検査者が膝関節の外側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に外反強制力、つまりすねを内側に向ける力を加え、膝関節の外反不安定性をみます。 この際、30°屈曲位で外反不安定性があれば、MCL損傷を疑います。 MCL単独損傷では伸展位での不安定性は認めません。 ② 内反ストレステスト(varus stress test) 外反ストレステストとは逆に、医師などの検査者が膝関節の内側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に内反強制力、つまりすねを外側に向ける力を加え、膝関節の内反不安定性をみます。 この際、30°屈曲位で内反不安定性があれば、内側側副靱帯損傷を疑います。 画像検査 画像診断ではMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)が有用です。 X線(レントゲン)写真では靭帯は写りませんがMRIでは損傷した靭帯を描出できます。 また、半月(板)損傷合併の有無も同時に評価できます。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靭帯損傷の治療法 内側側副靭帯損傷の治療法は、損傷の程度や症状に基づいて決められます。 保存的治療 内側側副靭帯の単独靱帯損傷の場合には、手術ではなくリハビリテーション治療による保存的治療が選択されます。 受傷後急性期には、 RICE(安静または短期の固定、冷却、弾力包帯などによる圧迫、患肢の挙上)処置に引き続いて、できるだけ早期から筋力訓練を開始します。 サポーター装着 膝に不安定性がある場合は、損傷靱帯保護の目的で支柱付きのサポーター装用を考慮します。 手術療法 前十字靭帯や半月板との混合損傷や、重症度3度であり保存的治療では治らないことが予想される場合には手術療法が行われます。 膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。 関連記事:次世代の再生医療とは メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靱帯損傷についてよくある質問 Q1:内側側副靱帯損傷は自然に治りますか? A1 :内側側副靱帯損傷は、損傷の程度が軽い場合や部分的な断裂では、膝関節周囲の血流が豊富で栄養供給が行われやすいため、治癒しやすく保存療法が行いやすいといえます。 しかし完全な断裂など、重症の場合は自然治癒は期待しがたいので、靭帯の再腱術を行うことが必要になります。 Q2:内側側副靱帯損傷の固定期間はどれくらいですか? A2:個人差はありますが、約1〜2週間程度ギプスシーネやニーブレースなどで固定後、靭帯矯正サポーターを装着し、リハビリテーションとして可動域、歩行訓練を行っていきます。 膝装具は一般的には約6週間以上装着します。 膝の可動域と不安定性が、怪我をしていない方の膝と同じレベルまで改善したらスポーツ復帰が可能となります。 まとめ|内側側副靭帯損傷(MCL)とは?早く治す方法を現役医師が解説 今回の記事では、内側側副靭帯損傷の症状や治療法について解説しました。 内側側副靱帯損傷が起こると、その治療には数週間を要する場合が多いです。 しかしながら、再生医療によって、治療期間や回復までの時間を短くできる可能性があります。 こちらの動画も是非ご覧ください。 https://youtu.be/ZYOV-Er0mnU?si=ka6C0oujvcAaaLKY 膝の靭帯のメカニズムと再生医療について解説。 また当院では、自己脂肪由来幹細胞治療を行うことで、膝の靭帯損傷をより早く治し、筋力低下などを防ぐための再生医療を提供しています。 ご興味のある方は、ぜひ一度当院の無料相談を受けてみてください。 この記事がご参考になれば幸いです。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら No.S146 監修:医師 加藤 秀一 参考文献 膝の最前線|理学療法科学23(2):335−340,2008.p336 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/2/23_2_335/_pdf 「膝靭帯損傷」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/ligament_injury_of_th_knee.htm 膝のスポーツ外傷・障害と装具 東京女子体育大学小出清一|日本技師装具学会誌4(4):291〜295,1988.p292 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo1985/4/4/4_4_291/_pdf/-char/en スポーツ理学療法で必要となる 整形外科徒手検査と徴候|理学療法科学23(2):337−362,2008.p361 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/3/23_3_357/_pdf スポーツにおける膝外傷・障害に対する リハビリテーション治療 p1029 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/12/56_56.1027/_pdf
最終更新日:2024.11.06 -
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鵞足炎と変形性膝関節症の違い、症状とその原因を解説 日常生活において、膝に痛みろいった症状が出現したことはありませんか。 ひざが痛む原因となるのは膝に慢性的な炎症を引き起こす病気があるためで、その代表例として「鵞足炎」や、「変形性膝関節症」がありますが、この名前をご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。 今回は、この鵞足炎や変形性膝関節症が一体どのような病気なのか、また両者の相違点について詳しく解説してまいりましょう。 鵞足炎とは ・過度のスポ―ツ活動や運動などによって引き起こされる ・膝の鵞足部における「滑液包炎」であると考えられてる 変形性膝関節症とは ・肥満や加齢などで膝の軟骨部分がすり減ることで発症 ・膝に強い痛みを引き起こす進行性の病気 鵞足炎(がそくえん)とは、どういった病気なのか そもそも鵞足(がそく)という言葉は、普段聞き慣れない方も多いかと思います。膝関節の下に存在している脛骨に連続している三個の腱組織の形状がまるでガチョウの足のように見える事から「鵞足」と名付けられた経緯があります。 人体の膝関節は日常生活において頻繁に曲げ伸ばしといった運動が行われている部位です。何らかの原因で靱帯や腱が、膝を屈曲伸展させる際に骨と摩擦することによって時に炎症といた所見を引き起こすことがあります。その結果として、膝の内側の下方周辺に痛みといった症状が現れた場合は、鵞足炎(あるいは鵞足滑液包炎)を発症して痛みを自覚している可能性があります。 この疾患は、普段の生活の中で過度のランニングなどのスポーツ活動によってひざ関節を使いすぎ(オーバーユース)、酷使する事が発症原因であると言われています。 それ以外にも、自分の足に合っていない靴で運動する、あるいは膝部分の怪我などの、外傷によっても引き起こされる可能性があります。 変形性膝関節症とは、どういった病気なのか 変形性膝関節症という病気は、加齢に伴って慢性的、機械的な刺激が膝部分に加わることで骨が変形して発症すると考えられています。特に40代を過ぎた女性に発生することが多く、加齢、肥満、外傷などの要素が変形性膝関節症の発症に関与していると言われています。 変形性膝関節症では、膝の関節内でクッションの役割をしている関節軟骨がすり減って、骨と骨が摩擦を起こして膝関節が変形すると捉えられています。 元来より日本人は一般的にO脚の人が多いとされており、膝が外へずれるために、その内側に負担がかかりやすくなります。こうしてO脚では、外側部分の筋肉と内側の筋肉のバランスが崩れることになります。 悪化すると軟骨がすり減り、痛みが生じるようになります。このように膝関節を支えている半月板も徐々に質が変化して、少しのストレスで容易に切れてしまうことが指摘されています。 膝関節を支持する重要な役割を担っている半月板が切れてしまうとその位置がずれて膝のクッションの役目を果たさなくなり、膝関節の変形につながり変形性膝関節症を罹患することになります。 ▼変形性膝関節症についてはこちらもご覧ください 膝の痛み/変形性膝関節症のおススメの最新治療法 鵞足炎と変形性膝関節症の違い ここまで簡単に「鵞足炎」や、「変形性膝関節症」に関する病気の特徴を紹介してきました。 鵞足炎は、変形性膝関節症と似たような膝の部位に痛みを起こすことから両者は非常に混同されやすい「似て非なる疾患」と言えますが、お分かりのように膝部の痛みを引き起こす原因がそれぞれ違っています。 鵞足炎の特性としては、膝関節の少し下に圧痛があり、関節部分の腫れを伴うこともあるものの、骨の変形は基本的には認められない、そして変形性膝関節症と比較して半月板組織のすり減りが原因で起こるのではなく筋肉の炎症によって症状がもたらされるという点があります。 したがって、膝関節における半月板の場所と鵞足部の筋肉部位が違うことと同様に、痛みや炎症を起こしている圧痛点がそれぞれ異なる点で両者を鑑別できると言えるでしょう。 鵞足炎の場合には、根本的に症状を改善していくためには、過剰な膝関節部のオーバーユースを回避して足のねじれを取る工夫をすることが必要となります。 変形性膝関節症においては、大腿骨と、その下の骨である脛骨の間で発症します。典型的な症状として最初は膝関節が強ばるなどの違和感から始まって、徐々に階段を上り降りする際や立ち上がったときに膝が痛むという具合に次第に症状が強くなって悪化していきます。 変形性膝関節症の原因は、関節部の軟骨が加齢で弾力性が低下したり、使いすぎ、肥満などが原因と言われています。 その他にも靭帯損傷や、半月板損傷、骨折などの外的要因によるもの、一部には化膿性関節炎の後遺症としても発症すると言われます。 御存知の通り、膝という部位は体重から受ける負担が大きくかかる場所であり、変形性膝関節症の発症を防ぐためには体重を増やしすぎないようにコントロールすることが重要であり、さらに膝周囲の筋力をしっかりと保持することが膝の負担を減らすために有効です。 また、病院などで変形性膝関節症と診断された方は鎮痛剤などの投薬、湿布貼付が選択肢になることがありますし、関節部に比較的多く水が貯留しているケースでは患部を注射して水成分を抜く処置が必要となることもあります。 鵞足炎の症状 ・膝関節の少し下に圧痛 ・関節部分の腫れを伴うことがある ・骨の変形は基本的には認められない 原因 ・筋肉の炎症によって発症する 変形性膝関節症の症状 ・階段の昇り降りで膝に痛み ・進行すると平地での歩行にも痛み ・膝関節が強ばる等、違和感から、徐々に悪化、進行進行する ・関節は、変形し、硬くなり、曲げ伸ばしに支障 原因 ・加齢や肥満、靱帯損傷、半月板損傷、骨折等の外傷、化膿性関節炎等の後遺症 まとめ・鵞足炎と変形性膝関節症の違い、その症状と原因を解説 膝関節部の痛みを呈する病気として代表的なものに変形性膝関節症や鵞足炎が挙げられます。 両者は類似的に膝の痛みを引き起こす原疾患として知られているがゆえに、これまでひざ痛の原因が変形性膝関節症だと思っていた場合でもよくよく調べてみると実は鵞足炎だったという場合も考えられます。 レントゲン検査だけで両者を鑑別することは難しく、正しい診断に繋がらないこともあろうかと思いますので、膝が痛い時には詳細に検査をして確実に原因を精査して的確な治療を実践できれば長期的に悩んでいたひざ痛が改善できる可能性があります。 心配であれば、最寄りの整形外科クリニックや専門病院などの医療機関を受診して相談してみることも考慮してみましょう。今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼ 再生医療が変形性膝関節症等膝の治療を根本から変える! 変形性膝関節症は、再生医療の幹細胞治療で手術せず、入院不要で改善できます ▼鵞足えんについてはこちら参考にしていただけます 鵞足炎は、膝の酷使が原因に!その痛みと治療法とは
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変形性膝関節症の再生医療(PRP療法)の治療と体験談を公開します こんにちは Dr.サカモトです。 今回はPRP療法(PRP治療)が実際どのように行われるかを、患者さんの声を交えながら解説していきます。それでは行ってみましょう! PRP治療での注射方法 PRP治療では、膝のお皿の外から関節の中にめがけて注射をします。膝の関節の中にはちょうど袋がありまして、その中にPRPを注射するという形になります。痛みもそれほど痛いものではないと思います。 PRP療法がオススメの症状 実際どういった方がPRP治療を受けられるかというと、以下のような方々がPRP治療を選択されています。 変形性膝関節症でPRP療法を選ばれた方 ・保険診療のヒアルロン酸注射が効かなくなった方 ・薬を飲んでも痛みが取れない方 ・スポーツや仕事に早く復帰したい方 ・薬剤アレルギーが怖い方 ・手術を避けたい方 ・長期入院ができない方 PRP療法は短期間で痛みも少ない治療法 PRP治療などの再生医療は、すごく難しいことをするんじゃないの?といった声もよく聞かれますが、実際は大げさなことは何もなく、短時間で痛みも少ない方法です。だから手術も入院も不要という医療分野といえるのです。 実際のPRP治療の流れは、まず腕から少し採血をし、それを特殊な機械で約30分ほど分離します。それを膝の関節に注射をするだけの治療なので、それほど痛いものでもなく時間も30分ほどで終わります。 このようにPRP治療はとてもシンプルなので何か大きな準備をしなきゃいけないだとか何か大変な検査をしなきゃいけないということはありません。特に身構えなくても大丈夫なのでご安心ください。 ▼変形性膝関節症をPRPで治療/その効果を動画で解説 PRP治療の体験談をご紹介 では実際にPRP治療を受けられた方の実例がありますのでご紹介します。 (PRP治療を受けられた女性) 「テレビで再生医療についての特集を見たり、プロ野球選手が再生医療で治ったという話を人から聞いたりして興味はあったのですが、私は車いすの状態だったので、本当に再生医療で歩けるようになるの?と思っていました。 採血をして少し時間を置いて、いつものような膝の注射をしただけだったので、つらい気持ちは全然感じる感じることなく、スムーズに治療を受けられました」 この方は、もともと膝がとても痛くて歩行困難が見られ、ヒアルロン酸の注射をしても1日しかもたないということで、PRPの治療を選択されました。かなり膝の変形も強く、人工関節をしてもおかしくない方だったのですが、手術はどうしても避けたいということで注射をしました。 (PRP治療を受けられた女性) 「PRP注射は6回していただいたのですが、1~3回目に関しても少しずつ効いているなという感じはしていたのですが、4回目のときには杖なしで自分の足で立つことができるようになっていて、 自分でもすごくびっくりしました。『すごく効いた』という実感があってとてもうれしかったです」 はじめ10あった痛みが、4回注射した後には、2か3になり、もともと杖で歩かれていたのですが、その杖も必要ないぐらい痛みが軽快し、ぎこちないながらもスムーズに歩けるようになりました。 その後、数ヶ月様子を見ていましたが痛みの程度が始め10あったものの、2~3に落ちて、その後5ぐらいには戻ってはきましたが、5でとても安定しておられます。 (PRP治療を受けられた女性) 「今までは料理のときも杖をついたり椅子に座ったりしていましたが、PRP治療後は立ったまま料理や家の片付けができるようになりました。 友だちとUSJに遊びにいったり、ひとりで旅行したり色々なところに自分の足でいきたいと思います」 このように色々と個人差はありますが持続期間も長く認めてますので、かなりPRPの効果はあったと思われます。今まで再生医療と出会う前は、このように劇的に注射で痛みが取れるということは考えられませんでした。 PRP治療の注意点 以上、いかがでしたでしょうか? 私もPRP治療でこれほど歩けるようになるのかとビックリしました。PRPは、痛みを取るために非常に有効で、ご自身の血液を使った治療法なので安全性も高く、入院も手術も不要です。患者さん自身も本当に喜んでおられたのが印象的でした。 ただし、知っていて欲しいのは、「PRP療法には、すり減った軟骨を再生する力は無い」ということです。確かに痛みを止める効果には優れていますが「根本的な解決策ではないので注意が必要」です。そのため、いずれかの段階で痛みが戻って来る可能性があります。 痛みを止め、軟骨レベルで再生を目指すなら、同じ再生医療の分野でもう一歩踏み込んだ治療法として「幹細胞治療」というものがあります。これはPRP療法のように即日実施できるというものではありませんが非常に優れた手法です。 もちろん、手術や入院は不要です。 患者さんの脂肪、米粒2~3粒を専門施設で幹細胞を抽出して培養、患部に戻すことで、これまで不可能と言われてきた軟骨の再生を即する手法です。根本的な治療を望まれるな以下で詳しく説明しましたのでご参照下さい。 ▼こちらもご覧ください PRP療法について、そのメリットとデメリットについて まとめ・変形性膝関節症の再生医療(PRP療法)の治療と体験談 いかがでしたでしょうか? 今回は、PRP治療の流れとPRP治療を受けた方の実際の声をご紹介しました。PRP治療が画期的な治療だと思われた方は多くいらっしゃると思います。実際受けてみたい方、そしてまだ疑問がある方はお問合せください。 以上、変形性膝関節症|PRP療法の治療効果と体験談について記しました。PRPはもちろん、幹細胞治療に興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。お悩みをお伺いして詳しくご説明させていただきます。 ▼PRP療法(再生医療)をもっと詳しく PRPによる治療は、これまでない画期的な治療法です ▼以下もご参考にしていただけます 変形性膝関節症のガイドラインと痛みを緩和する運動について
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変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点 この記事は、「膝の痛みを緩和してくれる装具が欲しい」と自分にあった装具を探している。そんなあなたに書いています。装具は、足などの弱った部分に装着して、その部分を支えることで痛みを軽減したり、運動の能力を補助して向上させる目的で行うものをいいます。 変形性膝関節症は、膝のクッションの役割を担う関節軟骨のすり減りが起因となって膝に痛みなどの障害を感じる疾患です。進行すると関節が変形したり、安静時にも痛みを感じるようになることから、日常生活だけでなく、健康寿命まで脅かす病気です。 そんな変形性膝関節症の治療は大きく外科的療法と、保存的療法の2つに分けることができます。外科的療法では、関節鏡視下手術・骨切り術・人工関節置換術があります。 また、保存的療法には運動療法・薬物療法・物理療法、そして膝や足底に装具をつけることで、痛みの緩和や運動機能の補助を目的とする装具療法があります。変形性膝関節症による膝の痛みでお悩みの方に向けて装具療法とその種類について参考になればと記させて頂きました。 膝の痛みの緩和や、歩行などの動くために、どんな装具にしたら良いのかと、迷われている方はぜひご覧ください。 変形性膝関節症の治療 1.外科的療法: → 関節鏡視下手術 → 骨切り術・人工関節置換術 2.保尊療法: → 運動療法 → 薬物療法 → 物理療法 → 装具療法 変形性膝関節症に対する装具と注意点 変形性膝関節症に対する装具は、大きく分けてサポーターとインソールといった2つがあります。 サポータを装着することで、不安定になった関節を安定させます。変形性膝関節症では膝を安定させる大腿四頭筋をはじめ、膝周囲の筋肉が弱まることで膝を支えることができずに膝が不安定な状態になります。 不安定な膝に対して不規則な負担が繰り返されると、軟骨がすり減り痛みにつながるのですが、サポーターで膝を支え、安定性を高めて痛みを減らします。サポーターで膝が支えられると安心感が増すため、精神的にも効果が上がります。 サポーター ただし、安心だから、楽だからとサポーターに頼りっぱなしになるのはオススメできません。 サポーターはあくまで筋肉の代わりをする補助的な役割を果たしているだけで、痛みがないのにも関わらずサポーターを常に装着していては、かえって膝の筋力が低下しかねないからです。 サポーターは、薬局、ドラッグストアに置いてあるような市販のサポーターから、健康保険を適応して医療機関から入手できるモノまであります。市販のものは膝を一周覆うような簡易的なものが特徴です。 医療機関で入手できるものは、膝の両側、または片側に支柱が付いている特徴があり、装着に際して医療的見地から個人に合ったものをフィットさせてくれる特徴があります。 支柱タイプのサポーターは、簡易的なものと比べ高価なものが多いですが、市販のものと比べ安定感は強いです。支柱は金属やプラスティックでできており、荷重の偏りを減らすほか、太ももから膝下までの範囲をサポートしてくれます。 最近は、支柱タイプのサポーターであってもインターネットを使えば入手することが可能ですが、自分にフィットする保証が無いだけに心配です。膝の変形が強いほど、サポーターの支柱にかかる負担も大きくなるため、膝に支柱が当たることで皮膚にすり傷ができるなどのケガをする可能性があります。 簡単な擦り傷でも、サポーターを着けると、傷にあたって痛むため、あたらないようにかばっていると不自然な力が入って、悪化しかねません。これでは痛みを取るための装具としての意味が無くなってしまいかねません。 装具は、できるだけ医師に相談し、あなたの症状はもちろん、膝のサイズに合ったサポーターを購入しましょう。 こちらでもサポーターについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点 インソール 膝内側への負荷を減らすインソールは、別名「ラテラルウェッジ(外側くさび状)型足底板」と呼ばれます。 下肢に体重がかかるラインを荷重線またはミクリッツ線(大腿骨頭と足関節の中心を結んだライン)といい、通常であれば膝の中央を通ります。しかしO脚(内返膝)になると荷重線は膝の内側を通るようになります。 そこで、インソールを用いることにより荷重線を膝の中心へ近づけるように、膝の角度、すなわち荷重線を調整することで、内側軟骨のすり減りや痛みを減らせます。 変形性膝関節症のほとんどの方は、O脚になってしまいます。 O脚になると体重が小指側に乗りやすく、膝の内側部に負荷がかかることで痛みを感じます。 小指側を高く持ち上げるように足裏にインソールを挿入することで、親指側へ体重が乗るように膝の角度を調整します。すると小指ではなく親指側へ荷重が抜けるような歩行ができるほか、膝内側にかかる過剰な負担を軽減させ、痛みを緩和します。 X脚を抱えた方の場合は、その逆に親指側を持ち上げる装具があります。 一般的にインソールは屋外で履く靴に使用しますが、屋内で使用できるタイプや、足に直接装着するタイプもあります。 インソールもサポーター同様、市販で購入できるものよりも、健康保険が適応される医療機関での購入をお勧めします。 病院で購入できるインソールは、市販のものより高価になりがちですが、あなたの膝の状態に合わせて採寸することで、症状に合わせて矯正が可能になります。治療効果を得て頂くためにも国家資格である義肢装具士に依頼できるよう、かかりつけ病院の担当医に相談されてはいかがでしょうか。 まとめ・変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点 いかがでしたでしょうか?変形性膝関節症の装具療法、サポーターとインソールについて、その種類や効果について解説しました。 サポーターをすることで、筋肉の代わりに膝の安定性を高める効果があります。サポーターの種類には、支柱がないものと、支柱があるものに分けられます。支柱タイプのサポーターは、膝にかかる荷重の偏りを防げますが、時には支柱が膝に接触し、痛みを伴うことがあります。 インソールは膝の固定はしないものの、O脚やX脚のように偏った荷重線に対して膝の中央ラインを通るように膝の角度を調整し、関節への負担を軽減させます。 サポーター、インソールともに薬局など市販で購入できます。しかし変形性膝関節症の変形の度合いは一人ひとり違うこと、進行に伴い角度が変わることから、医療機関であなたにあったサポーター・インソールを購入されることをオススメします。 以上、変形性膝関節症の装具療法と、その種類について、を記させていただきました。自分に合った装具を身につけて心身ともに前向きな生活を見つけましょう。 ▼以下の記事もご参照ください 変形性膝関節症の治療は整骨院でできるか?改善可能なのか!
最終更新日:2024.11.06 -
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変形性膝関節症の人が増えている!その原因から予防のヒントを探りました 近年、膝痛(変形膝関節症)の患者さんが急増しています。 2005年に東京大学医学部の研究グループが行った疫学調査によると、日本における「中高年の膝痛の患者数は約2400万人」と推測されるそうです。 その後も患者数は増加し続けており、現在では、膝痛の患者さんと、その予備軍を含めると実に約3000万人にのぼると推測されています。そして、膝痛を訴える患者さんののうち約9割以上が「変形性膝関節症」が原因と考えられています。 そこで今回は、この「変形性膝関節症」に悩まれている人が増えてる理由を解説。その理由を通じて予防のヒントをつかんで頂ければと思います!また、リハビリとして運動療法を行う際に注意したいことを併せて記しました。 変形性膝関節症|膝の痛みの原因 変形性膝関節症は長年、膝が受け続けた負担によって膝の軟骨がすり減り、炎症が起きた結果、しだいに関節が変形してしまう病気です。 私たちの膝は、この世に生を受けて、はじめて歩行を始めてから現在まで、日常生活はもちろん、労働や運動を通じて様々な負担をかけ暮らしてきました。 普段、何もなければ膝を意識することはありませんが、膝は立っているだけでも体重を受け止め、歩くと体重の5倍以上もの負荷が実際に掛かることが分かっています。 この負荷を受け続けると膝関節の軟骨は、徐々にすり減り、最終的に炎症を起こす可能性があるのです。 膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の末端が接合する部分で、その間には、「クッションのような役割をしている関節軟骨」や、「半月板という軟骨組織」から出来ています。 この関節軟骨や半月板が、年齢を重ねることで徐々にすり減り、その過程で削れた摩耗粉が関節包の内側に滞留し、膝を覆っている「滑膜」を刺激するようになります。 すると、この摩耗粉を体は異物とみなして免疫反応を起こしてしまうのです。その結果、滑膜の細胞から「炎症性サイトカイン」という、生理活性物質(体の働きを調整する役割のある物質)の一種が分泌されます。 この炎症性サイトカインは本来、細菌やウイルスが体に侵入した際、それら異物を撃退して体を守るため、重要な働きをする物質です。 それが意に反して摩耗粉を異物と認識して分泌されることで炎症が起こり、痛みが現れるということです。 これが膝が痛む原因です。 変形性膝関節症|膝痛で悩む患者さんが急増している原因 原因|その① 膝にお悩みの患者さんが増えた第一の理由は、本格的な「高齢社会」が到来したことです。2019年におけるわが国の総人口は前年よりも26万人少なくなっているにもかかわらず、65歳以上の高齢者は32万人も増加し、3588万人と過去最高となっています。 日本人の平均寿命も、男性81.25歳、女性87.32歳(2019年)と年々長生きになっており、高齢者の人口は、これからもますます増加していくものと思われます。 変形性膝関節症は高齢者ほど発症しやすく、日本では、60歳以上の人の約6割が変形性膝関節症というデータもあり、高齢者が増加する傾向はまだ当分続くと考えられるため、変形性膝関節症で悩まれている患者さんは、今後も増えるものと考えられます。 原因|その② 膝にお悩みの患者さんが増えた第二の理由は「運動不足」です。現代社会では自動車や電車など便利な交通機関が発達し、さらにはエレベーターやエスカレーターといった移動を楽にする設備が普及しています。 その結果、歩いたり、階段を上り下りする機会が減り、現代人はあまり体を動かさなくなってしまいました。また、高齢になると移動が億劫になり、家に引きこもりがちとなり、運動不足になってしまいます。 膝関節を支える骨や軟骨、筋肉や靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)は、日頃から体を動かし適度な刺激を与えていないと、少しずつ衰えていきます。 現代人としては、意識して運動をすることが大切です。けして、激しい運動である必要は無く、適度な刺激を筋肉や軟骨などに与えることで膝関節の健康を維持することが可能になり、膝の健康はもちろん、心身の健康のためにも重要です。 また、膝にためは運動以外にも日ごろからストレッチやウォーキングなどの習慣化も大切です。 原因|その③ 膝にお悩みの患者さんが増えた第三の理由は「肥満」です。運動不足は肥満を招きがちです。体重が増えると、立ったり歩いたりするだけで膝関節に大きな負荷がかかってしまうことはご想像頂けるろ思います。 肥満は、体重の増加により、膝痛の原因となる軟骨や半月板を、通常より圧迫するリスクが増し、傷めやすくなってしまいます。そのため、膝痛を予防するためには、普段から適度な運動をして、適正体重を維持することが重要です。 膝の痛み|誤解(安静にしずぎに注意) 以前、膝痛の患者さんに対して「安静にすること」が勧められていました。 鎮痛薬で痛みを和らげた上で膝に負担をかけないように安静にして、自然の回復力にまかせ、治癒するのを待っていたのですがこれでは次のような問題が生じます。 膝の痛み|安静にし過ぎて起こる膝の衰えという問題 ・膝が痛いからと、安静にばかりしていると、体重が増えがちとなります。 ・膝周辺の筋肉や靭帯などが、どんどん衰えていきます(廃用性症候群という) ・膝を支えている筋肉や靭帯が衰えると、膝を支えることができなくなります。 ・その結果、軟骨への負荷が余分にかかり、軟骨の摩耗が進む悪循環に陥ってしまいます。 ------------------------------------ 安静に加えて鎮痛薬を使うと ・膝の痛みは治まります。ただし、痛みが出ないため、膝を以前と同じように使います ・膝を支える筋肉や靭帯が衰えているため、しばらくするとまた発症してしまいます。 従来の安静にするという治療法では、こうした「炎症サイクルの悪循環」に陥りやすいのです。特に肥満の場合は、膝に対する負担が大きいため更に注意が必要です。 膝の痛み|運動療法(リハビリの活用) リハビリでの「運動療法を活用」すれば、2〜3週間ほどで痛みが軽減した上、楽に歩けるようになることがあります。膝の周囲の筋肉が膝を支えることができるようになるためです。 それによって日常生活の活動性が増すと、膝周囲の筋肉や靭帯が自然に鍛えられ、結果として関節軟骨の摩耗が抑えられるようになります。その結果、膝関節の炎症が起こりにくくなり、痛みもどんどん軽減します。 痛みが軽減すれば、さらに患者さんの悩みは薄れていき、行動は活発となり、膝関節の安定性は一段と高まることで膝痛は遠ざかります。 この好循環に導くことができれば「膝痛から卒業できる可能性」が上がります。 膝の痛みを予防するヒント! これまでの記事で変形性膝関節症が増えてる理由についてご理解は進みましたでしょうか?簡単に要約すると高齢化社会の到来ということで、発症率が高い高齢者の人口が多いため、カウント数が伸びたということ。 加えて運動不足と、肥満という理由があげられています。ここから分かるのは、「適度な運動をすることで体重の増加を止め、その結果若々しくいれば変形性股関節症を発症するリスクを低くできる」ということで、これは予防のヒントになります。 簡単に要約しましたが、膝の痛みの予防は、難しく考えないことが大切です。加齢は誰にも訪れることで仕方がありません。年齢があがると、どうしても体は衰えるもので自然の摂理です。思い悩みすぎずに気持ちを明るく、前向きにすごされることが大切です。 気持ちが前向きになれば、体に負担のない範囲という条件のもと、簡単でも軽めの運動を継続的に心がける動機になりえます。家に籠ることなく、外に出かけて色々な人と会ったり、景色を見たり、そんな何気ない行動だけでも運動になります。 もちろん、もっと積極的にウォーキングを行うことも効果的です。日課にして継続的に行いうことを強くお勧めします。尚、体重の増加が気になる方は体重計を用意しカレンダーに記録したり、食べたモノを書き出したりして体重を意識することから始めてみてはいかがでしょうか! ただ。前向きになりすぎて体を痛めてしまわないように見定めてください。できれば医療機関などで医師から助言を受けて取り組まれることをおススメします。 変形膝関節症・予防のヒント ・前向きな気持ち ・体重コントール(肥満を防いで適正体重を維持する) ・軽めの運動を継続して行うようにする(外に出かけよう) ・無理はしすぎないように ・運動内容、量は医療機関にて助言を得ましょう 運動療法(リハビリ) 変形性膝関節症の運動療法について 「変形性膝関節症患者には、定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域拡大訓練を実施し、かつこれらの継続と奨励する」としており、「筋力強化訓練」「有酸素運動」「可動域拡大」の3つを効果的なリハビリとして推奨しています。 (参照:日本整形外科学会による変形性膝関節症診療ガイドラインより) リハビリとしての筋力強化訓練では、太ももの前面の筋肉「大腿四頭筋」の家庭での強化、有酸素運動については、激しい運動ではなく穏やかな無理のない運動が推奨されています。 可動域拡大については、膝関節を動かさないでいると可動域が狭くなり柔軟性が失われてしまうためリハビリの目的としながらも無理をしない範囲で訓練するようにします。 膝は、無理のない程度に動かすことで、炎症を起こしている滑膜や軟骨の細胞に一定のソフトでも力が作用し、以下の様な3つの効果を得ることができます。 適切なリハビリの効果 ① 炎症の原因:炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の産生を抑える作用 ② 炎症を鎮める効果:抗炎症性サイトカインが分泌される作用 ③ 膝関節の軟骨成分:膝関節の組織修復に必要なコラーゲン、プロテオグリカンが増加する作用 変形性膝関節症の予防|運動療法(リハビリ)の注意点 膝関節を適度に動かすことが膝痛を改善に導くとはいえ、膝にあまり強い力をかけてしまうと、むしろ症状が悪化し、痛みも強まることになってしまいます。 リハビリの一環としての運動は必要ですが膝を動かす場合には激しい運動は禁物です。適度な運動であれば①〜③の効果が得られ、関節内の炎症を抑えられます。さらには組織の新陳代謝が促され、効果的に膝痛の改善が期待できることになります。 運動が良いとなると早く治したい、また予防する意識が強すぎて限度を超えた運動に取り組む方がおられますが、過度な運動は逆効果です。できれば整形外科などのリハビリに通ったり、運動方法のアドバイスを受けて適切な方法と必要な運動量を確保しましょう。 適切な運動を無理なく、継続しましょう! まとめ・変形性膝関節症の人が増えている原因から予防のヒントを探る 変形性膝関節症の増えている理由は、高齢化社会、運動不足、肥満などさまざまな要因が絡み合っています。しかし、それらの理由を探り、ヒントにすれば適切な対策が分かり、予防や改善が可能なのです。 何より膝に負担を掛けない適正な体重を維持する意識を持ちましょう。 そのためには前向き意識で適度な運動を続け、関節や筋肉を健康に保つことができれば膝痛を予防することが可能です。ただ、既に症状を発症してしまったのなら適切なリハビリや、運動療法を行いましょう。 リハビリは無理に無い範囲で適切に行うことで症状の改善を期待することができますが、治りたい意識が強すぎて過度な運動は避けるようにするべきです。 そのためにも、膝の痛みに悩んでおられるなら、医師や専門家の助言を受けて適切な運動や、治療方法を試みましょう。 自分の体に合った方法で、健康な膝を維持しましょう。 以上、変形性膝関節症が急増した原因から予防や治療のヒントを探してみました。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する なってしまった変形性膝関節症は、再生医療により症状を改善することができます ▼以下のご参照ください 変形性膝関節症に東洋医学の鍼灸(はり、おきゅう)治療は効くのか
最終更新日:2024.11.06 -
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変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 膝の痛みが進み、変形性膝関節症になると、症状が進行するごとに痛みを感じる頻度が増えます。痛みを我慢して日常生活を送っているのはとても辛いですから、何とかして痛みを和らげたいものです。 変形性膝関節症は、中期から末期になると痛みが強くなり、末期には膝が変形するほどの症状となります。 そうなると日常生活を送るのこと自体が難しくなります。何よりも歩くことが難しくなると運動不足になり、結果として肥満が進んだり、内臓の働きが悪くなって様々な病気を引き起こす原因にもなります。 そのためにも膝の痛みや違和感は我慢せず、早めに病院等、医療機関を受診してください。 今回は、膝の痛み・変形性膝関節症について、これまでの治療法と、新たに注目されている「最新の治療法」についてご紹介します。 膝の痛み、変形膝関節症の初期の対処法 変形膝関節症は、初期の段階で炎症を悪化させないようにすることが大切です。 初期~中期の前半あたりでは、3日から1週間ほどなるべく安静にし、膝に負担をかけない生活を送ることを心がけてください。炎症が収まり、痛みも引く場合があります。 安静にしていても膝の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診してください。専門医による適切な治療を受けることをおすすめします。 変形性膝関節症の従来の治療法 変形性膝関節症の従来の治療では、症状が軽いうちは、生活習慣の改善と内服薬での治療がメインとなります。もう少し進行するとリハビリも取り入れた治療となり、症状が重い末期では手術を行うこともあります。 生活習慣の改善 症状が軽い場合は、日常生活における膝の負担軽減を目的として、生活習慣の改善を行います。具体的には普段の動作を見直す、肥満であれば減量するといった内容です。 膝への負担を減らす目的での体重管理は、大切ですが、自己流では難しいものです。できれば、診察を受けている病院等にて指導を受けて取り組まれることお勧めします。 運動療法(リハビリテーション) 運動によって脚に筋力をつけ、膝周辺の筋肉を強化し、膝関節を保護します。良くある誤解は、運動をすると膝の痛みが強くなるのでは?という疑問です。 この点に関して不安になる患者さんもいらっしゃいますが、適切・適度な運動を行うことで膝周囲の筋肉強化が可能になります。筋肉が強化されると、膝関節の負担を軽減することができるため前向きにお取組みください。 ただし、自己流は逆に膝を傷めることもあります。病院のリハビリ等、専門家の指導を受けて無理のない範囲で行いましょう。 薬物療法 痛みのある患者さんには、内服薬や外用薬を使った痛み止め治療を行います。 装具療法 歩行や立ち上がりの際の膝への負担を軽減するため、膝サポーターや足底(インソール)への装具着用を行います。 物理療法 膝周辺を温めて血行を促したり、炎症が酷く腫れている場合は冷やすなどします。 外科手術 症状が進行した場合、外科的治療が必要になることがあります。具体的には、内視鏡を使った関節鏡視下手術や、骨を切って変形を矯正する高位脛骨(けいこつ)骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。 膝の症状が進行し、変形性膝関節症で辛い思いをしている患者さんは少なくありません。特に、投薬や注射でも改善しない痛みが続く末期の患者さんは日常生活に支障をきたしています。そのような場合、次のような方法が選択肢となります。 ・関節鏡視下手術 ・高位脛骨(けいこつ)骨切り術 ・人工膝関節置換術※ ※人工膝関節置換術とは 変形性膝関節症の人工膝関節置換術では、特殊な金属とポリエチレンから作られる人工関節を設置することで、膝関節の動きをサポートすることができます。 術後はそれまでの膝関節の痛みがなくなる、もしくは大きく和らぎ、膝の痛みが軽くなることで、運動もできるようになることが多くあります。人工関節置換術によって痛みは和らぎ、日常生活の不便も少なくなりますが、やはり手術には注意点やリスクがあります。 例えば、人工関節が外れたり、異物を入れたことによる細菌感染が起きるといったリスクがあり、時間の経過に伴い人工関節が緩むこともあります。 ですから、変形性膝関節症で最新治療を受ける場合は、信頼できる病院を選ぶこと、また、術後も定期的に受診をし、適切な検査を受けることが必要です。 変形性膝関節症のおすすめ最新治療「再生医療」 保存療法や手術に代わる、新しい選択肢としておすすめしたいのが「再生医療」です。 膝の痛みの原因のひとつ、膝軟骨のすり減りに対しては、軟骨を再生させることはこれまで不可能と言われてきました。それが先端医療の再生医療では、患者さんの幹細胞を培養して軟骨を再生することができるようになりました。 再生医療は大掛かりな手術を必要とせず、本人の細胞を利用することで患部の再生を促す医療で、保存療法よりも早期の治療効果が期待でき、しかも確実性が高く、従来の手術法よりも体への負担が少ない治療法として注目されています。 再生医療の中でもおすすめは、自分の幹細胞を培養して用いる治療法で培養するための時間は必要ですが手術することなく、入院の必要もなく、日常生活に復帰できる点が評価されている治療法です。 再生医療は新しい医療分野だけに、医師であっても知見に乏しいことがあります。ご相談される場合は、一般の病院等ではなく再生医療専門医のいるクリニック等にてご相談されることをおすすめします。 当院でも、再生医療による変形性膝関節症の治療をおこなっています。是非一度お問い合わせください。 https://youtu.be/zmcafuxHyTw?si=tmnJuLE99nvDVlQc > その他、変形性膝関節症の事例を動画で見る まとめ・変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 軽度な変形性膝関節症は、外科手術を必要としなくても進行を抑えることが可能ですが、進行してしまうと外科的手術が必要になる場合があります。しかし、末期の変形性膝関節症でも「最新治療」によって運動が可能になるほど症状を緩和することが可能です。 最新治療を検討する場合、変形性膝関節症の治療実績の高い病院やクリニックで整形外科を選ぶこと、また、術後のトラブルを防ぐためにも、定期的な受診を怠らず検査をきちんと受けるようにしましょう。 変形性膝関節症は、早期治療が何よりも大切、膝に痛みや違和感を感じたら自己判断せずに病院等にて診察を受けられることをおすすめいたします。 以上、変形性膝関節症で悩まれている方に向けて新たに注目されている最新の治療法である再生医療を記しました。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼ 変形性膝関節症でオススメの再生医療は、幹細胞治療です 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善できます ▼以下の参考にご覧ください 変形性膝関節症の手術|知っておきたい手術のメリットとデメリット
最終更新日:2024.11.06 -
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変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット 変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗を起因に膝に慢性炎症を引き起こし、その結果つらい痛みが起こる病気です。膝が炎症を起こす仕組みは、膝の関節軟骨や半月板が加齢や怪我から摩耗し、軟骨のかけらが関節を覆っている滑膜という組織を刺激するためです。 変形性膝関節症は進行性の病気です。発症した初期には膝関節の違和感や軽い痛みだったものが次第に痛みが増強したり、膝が変形したりします。変形性膝関節症の治療では、少しでも進行を遅らせるように、膝に負担がかからないように過ごし、リハビリテーションなどで膝周囲の筋肉を鍛えることが大切です。 膝に負担の無い生活スタイルを見直し、リハビリをはじめ、運動療法に取り組んでも改善がみられない場合には、手術を勧められます。 手術と聞くと不安を抱かれる方も多いはずです。そこで、この記事では、変形性膝関節症の手術を検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて、ポイントを絞り解説します。 変形性膝関節症の手術の種類 変形性膝関節症の手術には、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工関節置換術といった3種類があります。どの手術を実施するかは、変形の進行度や痛みの程度、年齢を考慮し選択することになります。 変形性膝関節症で行われる手術の種類 ・関節鏡視下手術 ・高位脛骨骨切り術 ・人工関節置換術 ※手術の選択:変形の進行、痛みの程度、年齢で判断される 手術で痛みが消えるのか? この問いに対しては、「膝の手術を受けると、痛みは軽くなったり、なくなったりする可能性が高い」といえます。特に人工関節置換術を受けると、ほとんどの場合に痛みは改善し、膝を痛める以前のような歩行ができます。 ただし、どのような手術でも少なからず体の負担になること、術後はある程度の期間の入院が必要で、リハビリに励む必要があること、人工関節置換術の実施後は正座ができなくなる可能性が高いことなど日常生活に少なからず影響がでることを念頭に置かねばなりません。 変形性膝関節症の手術 変形性膝関節症の手術後は、痛みが無くなることが多いのですが油断はできません。膝を気にせず、関節に負担がかかるような姿勢や動作をしていては、痛みの再発だけでなく、再手術の可能性が高まるからです。膝の3つの手術について以下、簡単にご説明します。 1.関節鏡視下手術 ・変形性膝関節症で比較的初期に適応される手術は「関節鏡視下手術」です。 ・関節鏡視下手術では、炎症を引き起こす原因の軟骨のかけらを取り除く。 ・傷んだ半月板の形を整える。 ・しかし、脚の変形や軟骨のすり減りが悪化することで、痛みが出現すれば再手術になる可能性がある。 2.高位脛骨骨切り術 ・高位脛骨骨切り術は脚の変形を矯正し、関節にかかる偏った負担をなくす手術。 ・変形が進行しきっていないことが条件で、人工関節置換術を受ける方より年齢が若い60歳未満の方に適応されることが多い。 ・高位脛骨骨切り術により。O脚やX脚などの脚の変形を矯正しても、軟骨のすり減りや、痛みが再発する可能性がある。 ・将来定期には再手術を必要とする場合があります。 3.人工関節置換術 ・人工関節置換術は変形性が進行した末期、または60歳以上の方に適応されます。 ・年齢が重要視される理由は、人工関節の耐久性(20年前後)を考慮して、再手術をしなくても良いように考えられているため。 ・人工関節置換術をすると、軟骨がすり減る心配をしなくて済むほか、痛みを気にせずに過ごせる可能性が高くなる。 ・しかし、膝に負担がかかるような過ごし方を続けると、人工関節に破損や緩みが出てきて耐久年数に関わらず再手術の可能性が高まります。 変形性膝関節症の手術をしても、膝の状態が悪くなれば再び手術が必要です。 とくに高位脛骨骨切り術後に再手術が必要な場合、膝の変形は進行し、ある程度加齢していることが予想されるため、人工関節置換術が選択されるケースが多くなります。ただし、人工関節置換術を受けると、膝を完全に曲げることができなくなります。痛みの改善は期待できる分、少なからず可動域が狭まることで日常動作に制限がかかり、日常生活に少なからず不自由さがでます。 膝の手術について最低限知っておきたいメリットとデメリットを以下にまとめました。 手術のメリット ・起床時に膝のこわばりがなくなる ・痛みなく階段を上り下りできる ・膝を気にすることなくスッと歩き出せる ・膝を気にすることなく好きなところに出掛けられる 手術のデメリット ・手術そのもので合併症の危険性 ・膝の曲げ伸ばしに違和感 ・重い荷物は避ける ・正座ができない ・かがめない、かがみにくくなる ・生活習慣の変化を受け入れる ・スポーツに支障(膝に負担を掛けない前提で判断) 手術後、最終術を防ぐために! 変形性膝関節症の手術をうける上で大切なことは、再手術を防ぐことです。膝の状態の悪化を防ぐには、生活に中で膝への負担をかけないように過ごし、運動療法により膝を安定させることです。そのためには、継続したリハビリ、運動療法が大切になります。 手術後に気をつけること ・上記のデメリットに気を付ける ・正座や深くしゃがむ動作を避ける ・膝に負担のかかるような激しい動作はしない ・手術前と同じようにリハビリ、運動療法は継続する ・定期的に医療機関を受診し、常に膝の状態を確認する まとめ・変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット 変形性膝関節症は、膝に痛みや変形を及ぼす病気で、進行すると痛みから普通の生活を送れなくなります。 治療の基本はリハビリとしての保存療法となりますが効果がみられなければ手術という選択肢になります。当然、手術はメスを入れることになり、体の負担になるだけでなく「術後に痛みが消えなければどうすべきか」と、不安を感じる方もいるはずですが「手術を受けるれば痛みは改善する可能性は高い」と思われます。 ただし、痛みの改善はあくまで膝関節に焦点を当てた話になります。手術をしても、膝周囲の皮膚の癒着、関節の拘縮、筋力低下、術操作による神経の損傷など、さまざまな理由で痛みが残存することもあります。そのため、術後に取り組むリハビリテーションは非常に重要です。それでも膝の状態によっては、どの手術を選択しても将来、再手術のリスクがあります。 例えば人工関節は耐久年数があり、個人差はありますが概ね15年前後と言われています。その時点で高齢な場合、再び体に負担がかかり、リハビリをはじめ精神的に前向きに取り組めるか心配にもなります。そうならないためにも術後に膝の痛みが取れても、無理は禁物。過度な膝への負担を避け、リハビリテーションをはじめとして適度な運動を継続することが再手術を防ぐポイントになります。 手術で痛みは消える可能性は高いと考えられます。ただし、リハビリや適切な運動を継続し、膝の健康を保つことが大切です! 以上、変形性膝関節症の手術を決断する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて解説させて頂きました。 参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療なら変形性膝関節症を手術を避けて治療が可能です 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で症状を改善するには! ▼以下も参考にされませんか 変形性膝関節症の手術で高齢者が受けるリスク
最終更新日:2024.11.06 -
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変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫と、運動のすすめ! 変形性膝関節症は、加齢・外傷・肥満・遺伝・日常における膝の負担になるような生活様式など、さまざまな要素が関与して発症する病気です。 変形性膝関節症になると、膝の関節に痛みや変形が出現するほか、膝を動かすと「関節から音(関節軋轢)」が鳴ったり、可動域制限がかかったりします。また、炎症が起きると「膝に水がたまる関節水腫」がみられます。 そんな変形性膝関節症の治療は、なずは運動療法によって膝の周りの筋力をあげて関節を安定させることが大切です。しかし、膝に痛みがあると、満足に運動に取り組めなくなるため、日頃から膝に負担がかからないような生活も大切になります。 この記事では、「変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫」を細かく解説します。膝の痛みでお困りの方はぜひご覧ください。 膝に負担がかからない生活を心がける 日常から膝に負担がかかる生活は、関節軟骨のすり減りや軟骨下骨の新陳代謝に異常を及ぼします。さらに、すり減った軟骨のかけらが滑膜を刺激し痛みを感じるようになります。膝に痛みがあると、これまで通りの生活にも支障をきたすため、できる限り膝に優しい生活をしましょう。 膝に負担が掛かると ・膝関節内の軟骨がすり減る ・軟骨の下、軟骨下骨の新陳代謝に異常が起こる ・すり減った軟骨のかけらが滑膜を刺激し痛む これらを避けるため、膝に負担を掛けない優しい生活とは。どのようなモノなのでしょうか?以下ご説明してまいります。 和式から、洋式へ!生活スタイルを変える 膝の痛みは生活スタイルを変えるだけでも緩和します。 地べたで過ごす和式から、椅子で過ごす洋式へ変えるのがおすすめです。 洋式での生活は、正座や低い位置からの立ち上がりを必要とせず、膝の負担を軽減・痛みの緩和が期待できます。 膝に負担のかかる運動は避ける 体を動かすことは、膝の筋肉強化や健康増進が期待できるものの、膝に負担となる運動は禁物です。 たとえば、テニス・卓球・ゴルフ・社交ダンスなど、急な方向転換・発進や停止・繰り返される膝の屈伸運動やジャンプを必要とする運動は要注意です。 減量(ダイエット)する 肥満であることは膝に大きな影響を与えます。 立つ・歩く・座るなど、いかなる動作においても膝へ負担がかかっています。 二足歩行をする人間は、体重の半分を片脚で支えているだけでなく、歩くと体重の3倍は負担がかかると言われています。つまり、体重が重たいと、膝にかかる負担も大きく、軟骨のすり減りを進行させてしまうため、肥満傾向の方は減量に取り組みましょう。 背筋を伸ばす!綺麗な姿勢に改善する 姿勢が悪ければ膝への負担になります。 理想的な立ち方は、目線は正面を向き、肩を開き、骨盤を軽く前傾させることです。 鏡などで確認した際に、足の外くるぶしから耳までが一直線になっていれば綺麗な姿勢を取れています。 また、綺麗な立ち方をしても、歩き出した途端に姿勢が崩れるようではいけません。 歩行中に意識するのはもちろん、定期的に自分の姿勢を鏡で確認すると良いでしょう。 杖を使う 杖を使って、膝への負担を減らします。 杖は痛みがある方と反対側の手で持ち、痛みがない脚と杖に重心を乗せることで、痛みのある膝に体重がかからないようにします。 膝の痛みから、外出の機会が減っていたり、歩行に気乗りがしなかったりするときには、杖がおすすめです。 中には、杖を使うのに抵抗がある方もいらっしゃいます。しかし、杖を使用すると、姿勢を伸ばすだけでなく、膝への負担を減らせるので、ずいぶんと楽に歩けるはずです。最近では、デザインが施されていたり伸縮機能があったりと、いろんな杖がありますので、自分に合った杖を選びましょう。 足に合った靴を履く 足に合っている靴を履いて、膝を安定させます。 靴はヒールやサンダルではなく、スニーカーがおすすめです。 靴選びで失敗してしまうと、膝の安定性を高めるための歩行がかえって負担になるのです。 さらに、外反母趾・膝痛・腰痛・股関節痛などのように、痛みが全身に広がる可能性まであります。 靴選びのポイント ・足のサイズに見合ったもの ・クッション性が高いもの ・足首までしっかり覆われているもの ・靴紐やテープで足首をしっかり固定できるもの 手すりを使う 玄関・お風呂・階段などに手すりをつけ膝への負担を軽減します。 階段を昇るときには、手すりを支えにして痛くない方の脚から出し、降りるときも同様に手すりを支えにしますが、痛みがある方の脚から下ろすのがポイントです。 また、運動で階段を昇り降りされる方がいらっしゃいますが、階段昇降時には体重の6〜7倍もの負荷がかかります。負荷が大きいほど、トレーニングの効果は期待できますが、余計に傷める可能性もあり注意が必要です。 特に変形性膝関節症の方は、膝に負担がかかりやすい足運びをされているケースがあるため、まずは水中歩行・地上でのウォーキング・室内でできるトレーニングをおすすめします。 継続して運動に取り組むこと 膝への負担を下げるには、関節を安定させている筋肉を鍛えることが大切です。太もも前面にある大腿四頭筋をはじめ、太もも後面にあるハムストリングスなど、バランスよくトレーニングします。 水中運動 浮力がある水中では、膝への負担を減らしながら運動ができます。 水中での歩行をはじめ、クロールで使うバタ足も膝のトレーニングには有効です。 泳ぎが得意ではない場合、プールサイドに腰をかけたり、つかまったりしながら脚をバタバタと動かすだけでも効果的です。 地上でのウォーキング 屋外での歩行で足腰を鍛えます。 ウォーキングは、筋力トレーニングと比べて充分な運動に感じないかも知れません。 しかし、ウォーキングを1年半継続すると、生活への支障や痛みに対して、トレーニングと同程度改善することがわかっています。 ただし、ただ歩くだけではなく、靴選びにこだわり、歩行中は姿勢を意識し、必要であれば杖を使用して安定した歩行をしましょう。 ビタミンD 変形性膝関節症を進行させるリスクに、ビタミンD不足があります。 ビタミンDは、日光を浴びると体内で活性化される栄養素のため、屋外での運動は膝周囲の筋力を鍛え、変形を進行させるリスクも抑えます。 自宅でできるトレーニング 雨の日や外に出るのが億劫な場合、自宅でできる運動を紹介します。 大腿四頭筋トレーニング ① 椅子に腰をかけて、片側の脚を伸ばしきります ② 座面と水平になるように脚を持ち上げて、10秒間キープします ③ ゆっくり脚を下ろし3秒間休憩します (①〜③を20回繰り返して、脚を入れ替えます。) 大腿四頭筋・ハムストリングスのトレーニング ① 椅子の背を両手で持ち、脚は肩幅に広げます ② つま先と膝の向きはまっすぐ向くようにします ③ 膝を前に出さず、お尻を後ろに突き出すように上体を落とします (① 〜③を1セット5〜10回、1日3セットします。) 痛みがあるときには無理をしない 膝に痛みがあるときは、無理をせずに休息します。痛みに対しての対処法ですが、熱感や腫れがある場合には、冷やして炎症を抑え、慢性的な痛みには温めて血の流れを促します。痛みが強い場合には、病院を受診し、痛み止めの薬を処方してもらいましょう。 痛みの緩和は薬だけでなく、鍼灸治療やマッサージでも効果的だとわかっています。薬をできる限り飲みたくない場合や、薬でも効果が見られないときには、鍼灸やマッサージといった手段も覚えておきましょう。 膝の痛みの緩和にグルコサミンやコンドロイチンを服用する方がいらっしゃいます。両者は膝に軟骨に含まれる成分で、痛みの緩和を期待され服薬しますが、信頼度の高い研究は行われていないのが現状です。服用を検討している方は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。 まとめ・変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫と運動のすすめ! 変形性膝関節症はさまざまな原因が組み重なって発症・進行してく病気です。膝の状態を悪化させないためには、膝に負担がかからないように生活をして、継続して運動に取り組みます。 日頃から膝に負担をかけていると、軟骨が摩耗するだけでなく、変形を進行させてしまいます。地べたではなく椅子に座るなど、できることから取り組みましょう。 運動療法に取り組む際は、くれぐれも無理は禁物です。痛みを我慢したまま続けてしまうと余計に悪化するため、膝の痛みがあるときは、炎症を起こしているのか、慢性的な痛みなのか判断し適切な対処が必要です。しかし自分では膝がどのような状態なのかわからない場合があります。そのような時は自己判断をせず病院を受診し、適切な処置を受けることが変形性膝関節症の悪化を防ぐことと覚えておきましょう。 以上、変形性膝関節症を悪化させないために日常生活においてできる工夫について記しました。 参考にしていただければ嬉しく思います。 ▼ 再生医療の幹細胞治療で変形性膝関節症を治療する 手術不要、入院不要の変形性膝関節症の新たな治療法。再生医療の幹細胞治療で症状を改善できます ▼以下も参考になれば幸いです 膝の病気!鵞足炎と変形性膝関節症についてと、その違いを解説!
最終更新日:2024.11.06 -
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鵞足炎(がそくえん)とは「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近で起こる炎症です。鵞足炎は、ランニングや坂道の上り下りなどで膝を酷使すると発症しやすくなります。 ある日突然、膝の内側が痛み出した場合、鵞足炎の可能性も視野に入れていきましょう。 本記事では、鵞足炎の症状や原因を詳しく解説します。治療法も紹介しているので、鵞足炎の疑いがある方は参考にしてみてください。 鵞足炎(がそくえん)とは 鵞足炎とは、滑液包の内部に強い炎症が起こっている状態です。鵞足炎を発症していると膝の屈曲や股関節を内転する動きで膝に痛みを覚えます。 「鵞足」と呼ばれる部位は、膝から5㎝程度足側に存在している脛骨という骨の内側部分に位置しています。一般的には縫工筋、半腱様筋、薄筋という三種類の筋肉に付着している腱がその脛骨にくっついている場所を指しています。 鵞足炎は、膝を酷使するマラソンランナーに多い外傷です。それ以外でもトップアスリートなどプロスポーツ選手に生じやすいといわれており、打撲などの外傷を契機に発症する可能性もあります。 鵞足炎の原因 鵞足炎を引き起こす主な原因を以下にまとめました。 長距離を走ったりダッシュしたりする 不適切なトレーニングをする 運動前にストレッチを怠る 急な坂道を急激に長時間走る 肥満体形で膝に負担がかかっている このように鵞足炎という病気は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつです。 以下の記事では、膝の痛みを伴う外傷を一覧で紹介しています。鵞足炎以外の可能性を感じている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の症状 鵞足炎を発症すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位が痛くなり、その部位を押すとさらに強い痛みをともないます。また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、さらに病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じる場合もあります。 鵞足炎と似ている症状に「変形性膝関節症」という外傷があります。以下の記事では、鵞足炎と変形性膝関節症の違いを詳しく解説しているので、ほかの外傷の可能性を視野に入れている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の治療法 鵞足炎に有効な3つの治療法を紹介します。 理学療法 ステロイドによる注射治療 テーピング・サポーター 1つずつ順番に見ていきましょう。 理学療法 鵞足炎の治療で多いのは理学療法です。 理学療法ではストレッチによるケアを重点的におこなう場合があります。なぜなら、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると膝の症状が悪化しやすく、ストレッチで筋肉部の緊張を和らげるのが有効だからです。 注意点としては、炎症が強くて痛み症状が顕著な時期にストレッチ運動を過剰に実践してしまうと、逆に膝の痛みが悪化する原因になりかねないとの指摘もあります。 したがって、症状がひどい際には軽めのストレッチに留めておき、十分な安静を保持して、患部のアイシングや消炎鎮痛剤の服薬などの対処策を検討していきます。 ステロイドによる注射治療 鵞足炎の治療では、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する方法もあります。 ステロイドによる注射治療は、すぐに症状が軽快するケースが多く認められます。しかし、数か月経過すると膝の痛みが再燃する可能性もあります。 テーピング・サポーター テーピングやサポーターには、動きを制限させる働きがあります。安静が必要な時期に活用すれば、膝周りの動きを制限して炎症の沈静化を早められるでしょう。 テーピング・サポーターの利用は早期回復を促進する上で、有効なアイテムといえます。 スポーツや仕事をしているときに膝の内側に痛みを感じたら、弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。スポーツ外傷や加齢による腱や靭帯の損傷・炎症の治療に詳しいドクターが、患者さまに合った治療法を一緒に考えていきます。 まとめ|鵞足炎にならないように日頃からケアしよう 鵞足炎は、マラソンや坂道の上り下りといった膝を酷使する運動で発症しやすい外傷です。身体を動かしていて膝の内側が痛み出したら、鵞足炎の可能性を視野に入れましょう。 鵞足炎は再発しやすい外傷ともいわれています。そのため、担当医師や理学療法士の指導や助言のもと、焦らず治療を進めていく姿勢が大切です。 「膝の内側が痛み出したけど、どの医療機関を受診すればいいのかわからない…」という方は弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。スポーツ外傷に詳しいドクターが、患者さまの状態や症状に合った治療法を一緒に考えていきます。 監修:医師 加藤 秀一 鵞足炎に関するよくある質問 鵞足炎に関するよくある質問と回答をまとめます。 鵞足炎はどのくらいで治りますか? 鵞足炎が治るまでにかかる期間は、2週間前後といわれています。鵞足炎は、炎症反応が沈静化し、痛みが取れたら回復です。 鵞足炎を早く治す方法はありますか? 鵞足炎を早く治すためには、運動を控えて安静に過ごすのがもっとも効果的です。炎症を起こしている状態で無理に動けば、患部に負担がかかり回復を遅らせます。 ストレッチは鵞足炎の予防や改善に効果がありますか? ストレッチは鵞足炎に有効です。 先述のとおり、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると症状が悪化しやすくなります。そのため、太ももの筋肉をほぐすストレッチが 予防と改善に効果的です 太もものストレッチには「長座体前屈」がおすすめです。 太ももの裏側が伸び、筋肉の緊張がほぐれます。 鵞足炎になってもスポーツはできる? 鵞足炎を発症している最中は、運動を控えて安静に過ごしましょう。炎症が悪化して、痛みや腫れといった症状が強く現れる可能性があります。 炎症が沈静化して、症状が落ち着いたらスポーツを再開して問題ありません。ただし、急に動くと膝に負担がかかり再発リスクを伴うので、様子を見ながら少しずつ運動量を調整していきましょう。
最終更新日:2024.11.06 -
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変形性膝関節症の進行を予防!膝の負担を減らす効果的な運動と注意点 ご存知でしょうか?膝の痛みに悩まれている方は非常に多い事実を!特に中高年以降の女性に頻発する疾患が「変形性膝関節症」です。 変形性膝関節症は、年齢とともに罹患率が高まり、潜在的なものを含めると国内だけで3000万人もの患者がいるとされています。実に日本国民の四分の一もの数になります。 変形性膝関節症になると、膝に痛みを感じるだけでなく、進行し、末期になると手術をせざるを得なくなる場合もあります。 そんな変形性膝関節症が発症する主な原因は、「軟骨のすり減り」です。軟骨がすり減る要因には、「加齢・外傷・肥満・遺伝」などのほか、普段から何げなくしている「膝に負担のかかりやすい姿勢や動作」などもその原因となりえます。 この記事では、膝関節の構造、変形性膝関節症を予防するための方法、気を付けるべきことを紹介してまいります。 膝関節の構造 変形性膝関節症を予防するために、まずは膝関節の構造を理解することが大切です。 膝関節は、太ももの大腿骨・すねの脛骨・膝のお皿の膝蓋骨からなる関節です。それぞれの骨には関節軟骨が覆われているほか、大腿骨と脛骨の隙間には内側・外側に合計2枚の半月板が存在します。 関節軟骨と半月板の両者を合わせて、「膝の軟骨」と言います。膝の軟骨の役割は、滑らかに膝を動かし、立つ・座る・歩くなどの動作で膝にかかる衝撃を分散させて膝を守ることです。 膝関節の主体となる運動は、膝を曲げ伸ばしする屈伸運動です。ほかに、わずかな回旋(まわす)運動がありますが、曲げすぎや伸ばしすぎ、急な回旋運動では軟骨に大きな負担になるのです。 膝に負担がかかる動作の積み重ねが、関節軟骨の弾力性を徐々に失われていき、変形性膝関節症を発症させるきっかけになります。 膝に負荷がかかる姿勢や動作 膝に負担が掛かる動作としては、以下のようなものがります。 ・正座など深く膝を曲げてしゃがむ ・両脚を横に投げ出して座る(横座り) ・あぐらをかく ・歩いたり、走ったりするときの急な方向転換 膝の関節を安定させている組織に、大腿四頭筋・ハムストリングスといった筋肉があります。膝周囲の筋肉が働くことにより、膝の曲げ伸ばしなどの動作を安定して行えます。 これら膝の周囲の筋肉が弱ることでも、膝の安定性は低下し、結果的に軟骨への負担が上がります。つまり、変形性膝関節症を予防するには、膝に負担がかからないよう工夫をし、同時に筋肉を鍛えることが大切なのです。 変形性膝関節症の進行を予防する方法 変形性膝関節症を予防するには、膝関節への負荷を下げて、膝の安定性を高めると良いです。具体的には、日常生活の見直しやダイエット・筋力トレーニングを実施します。それぞれについて解説していきます。 生活習慣の見直し 膝に負担がかからない過ごし方をします。膝の負担を減らすには、椅子とテーブルを用いた洋式の生活スタイルへ変更することがおすすめです。 和式のように地べた生活では、どうしても頻繁に膝が曲げ伸ばしされるほか、膝が深く曲がる正座、あぐらや脚を横に投げ出す座り方といった膝の負担になる動作が多くなります。また、布団で寝ると地面から立ち上がる時に膝への負担になるため、ベッドへの変更も効果的です。 ダイエット 体重が重いほど膝に負担がかかります。普通に歩くだけでも体重の2〜3倍の負荷がかかり、走ると3〜5倍もの負荷がかかることため、体重が重たいほど膝への負担も増します。 肥満傾向の方は、ダイエットに取り組み膝への負担を軽減させましょう。 筋力トレーニングや体操 関節の安定性を向上させ、膝への負担を軽減させます。また、変形性膝関節症につながる半月板損傷といった外傷を防止します。 いざ変形性膝関節症になると、膝の痛みをかばって運動療法ができないケースがあります。そうなると筋力や関節の可動域は低下し、さらに膝への負担があがるため、余計に痛みが悪化します。 痛みがないうちから筋力トレーニングや可動域訓練に取り組み、関節の安定性や柔軟性を高めることが大切です。 変形性膝関節症の予防に効果的な運動 大腿四頭筋を鍛える ① 椅子に座ります ② 片側の膝を伸ばします ③ 5〜10秒そのまま保持します ④ 反対側も同様に行います 膝の可動域を保つ ① お風呂で両脚を伸ばします ② 片側の太ももを抱えながら、かかとを引き寄せ膝を曲げます ③ かかとを滑らせて、できる限りかかとを伸ばします どちらの体操も、無理なく痛みの出ない範囲で行いましょう。 運動を行う上で気を付けたいこと 筋力トレーニングやダイエットを実施し、膝にかかる負荷を軽減することは予防に効果的ですが、無理に行うことで悪化してしまうこともあります。 無理なく自分のペースで行うことが大切です。以下のことに気を付けながら取り組みましょう。 無理なく継続できる負荷の設定 筋力トレーニングは、月に一回ほどの運動頻度では思ったような効果は期待できません。また、運動に慣れていないのに高い負荷を体に課すと、膝を痛めてしまったり、運動後の疲労が抜けず、休息に時間を取られてしまったりと、筋力はつきにくいでしょう。 予防のために実施する筋力トレーニングで、大切なのは継続です。運動の負荷は、無理なく継続できる程度の負荷に設定しましょう。 トレーニング中は呼吸を止めない 運動時は呼吸を止めて行うと、血圧が上昇し、体への負担になります。呼吸を止めた方が力は入るような感じがしても、くれぐれも呼吸は止めず実施しましょう。 膝の痛みや違和感|医療機関を受診する 変形性膝関節症の初期には、立ち上がりや歩きはじめに膝に痛みや違和感を覚えます。 しかし、しばらくすると痛みはなじんでくることが多いため、痛みが治まったからと言って安心はできません。異変があれば迷わず病院で診てもらいましょう。 まとめ・変形性膝関節症の進行を予防!膝の負担を減らす効果的な運動と注意点 変形性膝関節症になると、これまで当たり前にできていたことができなくなります。変形が進行すると、膝の手術がすすめられますが、体への負担になることから決断することは難しいはずです。 たとえ、手術をせずに運動療法などの保存療法に取り組んだとしても、痛みが悪化すれば満足に運動が継続できず、ますます身体機能が低下します。やがては外出するのも億劫になり、寝たきり生活を余儀なくされる場合があります。 これまで通りの生活を続けるには、変形性膝関節症にならないように予防が重要です。変形性膝関節症を予防するには、膝への負担を避けながら、筋力トレーニングで関節を安定させるように、バランスの取れた予防に取り組みましょう。 また可動域訓練では、関節を柔らかくし、負担が偏らないようにします。今後の人生を考えて、痛みがないうちから行動を起こすことが将来の健康のためには大切です。 以上、変形性膝関節症の予防法・膝の負担を減らすための工夫についてご説明させていただきました。ご参考していただければ幸いです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療で変形性膝関節症を治療 変形性膝関節症の新たな選択肢、手術、入院不要な再生医療で症状の改善を目指す ▼以下もご覧ください 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由
最終更新日:2024.11.06 -
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- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の原因、スポーツから発症するリスクについて説明します 変形性膝関節症は、重症化すると歩行などの動作に支障をきたす厄介な病気です。また、この病気を発症する原因の1つに「運動」が挙げられます。今回は、運動と変形性膝関節症の関係についてまとめました。 膝関節は、私達の日常動作をスムーズにしてくれています。例えば、歩くのはもちろんですし、立ったり座ったり、飛び上がったり踏ん張ったり…これらの動作をするのにも欠かすことができない部分です。 このように膝関節が稼働することで日常生活以外でもスポーツなどではランニングやマラソンといった走る競技はもとより、水泳、野球、バスケットボール、ラクビー、スキー、テニス、ゴルフと数え上げればきりがないほど膝の動きは大切です。 膝のスムーズな曲げ伸ばしや、稼働に重要なのが働きをしているのが膝関節の軟骨です。しかし、この膝関節の軟骨は、年齢を重ねるごとに、すり減ってしまうことを知っておきましょう。 膝関節を酷使するスポーツ(例) ・ランニング、マラソンなどの陸上競技全般 ・野球、バスケットボール、ラクビー、スキー、テニス、ゴルフなどの球技 ・水泳、水球 ・スキー、スノーボード、スケートなどのウインタースポーツ ・その他ス多くのスポーツで膝は使われます 変形性膝関節症|発症リスクが高い注意すべき人 運動やスポーツを頑張りすぎた場合、「膝の軟骨がすり減って変形性膝関節症になる」と聞いたりすると「だったら運動はやめておこう」という極端な人も出てくるかもしれません。ですが健康な体や、正常な関節を維持するためにはある程度の運動は必要で精神的にも体を動かすことは大切です。気を付けたいのは痛みを感じた時の対処法です。 例えば変形性膝関節症は急に症状が進行したり、急に痛くて歩けなくなることは無いからです。この病気の場合は、段階を経て重症化していくため、痛みが出た時に適切な対処法を心がけることが必要です。 運動で発症リスクが高い人 ・今、現役で競技もしくは、日常的にスポーツに取り組んでいる人 ・若い頃、膝に強い負荷がかかるようなスポーツをしていた人、競技スポーツなど日頃から激しい運動をしていた人 ・肥満体型など常に膝に負荷をかけ続けている人(軽いスポーツでも膝への負担が大きい) 変形性膝関節症に気を付けたいスポーツ ・膝に強い負荷が掛かるスポーツ(ウエイトリフティング、登山ほか) ・激しく膝をつかうスポーツ(陸上競技、サッカー、ラグビー、テニス、バスケットボールほか) ・肥満体体形の場合、日常的に膝に大きな負担が掛かっているため、そのようなスポーツでも注意が必要 普段「運動している人」が注意すべきこと 普段から運動する習慣がある人は、多少の痛みを感じても無視してしまいがちな傾向があります。そのため、炎症に気が付かず運動を続けてしまい、症状が悪化する可能性が高いです。 痛みが一晩休めば治まる程度であれば、さほど問題はありませんが、翌日まで続くようであれば、一旦運動をお休みし、安静にしましょう。 休む期間は3日から1週間。休んでいる間に痛みが治まったら運動を再開しても良いですが、以前と同じレベルの運動をいきなり再開するのではなく、痛む前の半分程度の運動から始めると良いでしょう。 休んでも痛みが治まらない、運動を再開したら再度痛みが出たというような場合は、変形性膝関節症の症状が進行している可能性があります。早めに病院を受診してください。 普段「運動しない人」が注意すべきこと 普段ほとんど、或いは全く運動しない人は、急に長時間の運動をする時に注意が必要です。 例えば、登山やハイキングなどで長時間歩くというようなことをすると、急に膝関節に大きな負担がかかるため、軟骨がすり減り炎症が起きる、つまり変形性膝関節症を発症する可能性があります。 急な炎症が起きると、炎症による痛みや膝の腫れ、水がたまるなどの症状が出ることもあります。 もし、運動の最中に痛みを感じたら、それ以上の運動は控えてください。そして安静にしましょう。痛みが長く続くようであれば、早めに医師の診察を受けてくださいね。 変形性膝関節症|注意は必要だが、適度な運動は大切 運動することによって、変形性膝関節症を発症しやすくなるという場合もありますが、適度な運動を無理なく行うことは変形性膝関節症を予防する効果もありますし、健康そのもの維持に役立ちます。 具体的に、「変形性膝関節症を防ぐには、脚に筋力をつけることがポイント」です。筋肉が鍛えられると膝の関節が安定するので、自然と軟骨のすり減りも抑えられるのです。 運動は毎日無理なく続けましょう 運動は無理のない範囲で、そして出来れば毎日行うことが望ましいです。 ウォーキングや軽めのジョギング、水泳なども良いでしょう。運動するのは苦手、外を出歩くのはあまり好きではないという方は、ラジオ体操やスクワット、テレビで放送されるテレビ体操などにチャレンジしてみるのも良いでしょう。 ただし、無理は禁物!運動中に膝が痛み出した場合は、運動を中断し、安静にするよう心掛けてください。 まとめ・変形性膝関節症の原因、スポーツから発症するリスク 変形性膝関節症の発症には、スポーツを通じた運動が関係します。しかし、運動をすることは健康維持のために必要不可欠です。しかも「変形性膝関節症の予防」にも繋がります。 ただ一方、変形性膝関節症は、運動によって発症リスクが高まるという面があり、注意が必要なです。膝関節は日常生活はもちろん、スポーツにおいて重要な役割を果たします。 変形性膝関節症は、軟骨のすり減りが進行することで発症リスクが高まります。日常生活に加えてスポーツで激しい運動を行うと軟骨に悪い影響が出る場合があります。 そこで、スポーツを日常的に行うなどの発症リスクが高い人に注意すべき点、予防方法などについて解説しました。特に、運動を積極的に行っている人は、痛みや違和感を感じた時には適切な対処をすることが重要です。 ただ、病気を注意するために運動やスポーツをしないのはお勧めできません。 運動は無理のない範囲で行うこと、予防する意識を持つことが大切です。 注意しながら取り組みましょう。 ▼ 再生医療が変形性膝関節症の治療を変える 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善します ▼以下のご覧になりませんか 変形性膝関節症!痛みが取れない、治らない理由と対処法
最終更新日:2024.11.06