トピックスtopics
  • HOME
  • トピックス
  • 変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット

変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット

変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット

変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗を起因に膝に慢性炎症を引き起こし、その結果つらい痛みが起こる病気です。膝が炎症を起こす仕組みは、膝の関節軟骨や半月板が加齢や怪我から摩耗し、軟骨のかけらが関節を覆っている滑膜という組織を刺激するためです。

変形性膝関節症は進行性の病気です。発症した初期には膝関節の違和感や軽い痛みだったものが次第に痛みが増強したり、膝が変形したりします。変形性膝関節症の治療では、少しでも進行を遅らせるように、膝に負担がかからないように過ごし、リハビリテーションなどで膝周囲の筋肉を鍛えることが大切です。

膝に負担の無い生活スタイルを見直し、リハビリをはじめ、運動療法に取り組んでも改善がみられない場合には、手術を勧められます。

手術と聞くと不安を抱かれる方も多いはずです。そこで、この記事では、変形性膝関節症の手術を検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて、ポイントを絞り解説します。

変形性膝関節症の手術

変形性膝関節症の手術の種類

変形性膝関節症の手術には、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工関節置換術といった3種類があります。どの手術を実施するかは、変形の進行度や痛みの程度、年齢を考慮し選択することになります。

  • 変形性膝関節症で行われる手術の種類
  • ・関節鏡視下手術
  • ・高位脛骨骨切り術
  • ・人工関節置換術
  • ※手術の選択:変形の進行、痛みの程度、年齢で判断される

手術で痛みが消えるのか?

この問いに対しては、「膝の手術を受けると、痛みは軽くなったり、なくなったりする可能性が高い」といえます。特に人工関節置換術を受けると、ほとんどの場合に痛みは改善し、膝を痛める以前のような歩行ができます。

ただし、どのような手術でも少なからず体の負担になること、術後はある程度の期間の入院が必要で、リハビリに励む必要があること、人工関節置換術の実施後は正座ができなくなる可能性が高いことなど日常生活に少なからず影響がでることを念頭に置かねばなりません。

変形性膝関節症の手術

変形性膝関節症の手術後は、痛みが無くなることが多いのですが油断はできません。膝を気にせず、関節に負担がかかるような姿勢や動作をしていては、痛みの再発だけでなく、再手術の可能性が高まるからです。膝の3つの手術について以下、簡単にご説明します。

1.関節鏡視下手術

  • ・変形性膝関節症で比較的初期に適応される手術は「関節鏡視下手術」です。
  • ・関節鏡視下手術では、炎症を引き起こす原因の軟骨のかけらを取り除く。
  • ・傷んだ半月板の形を整える。
  • ・しかし、脚の変形や軟骨のすり減りが悪化することで、痛みが出現すれば再手術になる可能性がある。

2.高位脛骨骨切り術

  • ・高位脛骨骨切り術は脚の変形を矯正し、関節にかかる偏った負担をなくす手術。
  • ・変形が進行しきっていないことが条件で、人工関節置換術を受ける方より年齢が若い60歳未満の方に適応されることが多い。
  • ・高位脛骨骨切り術により。O脚やX脚などの脚の変形を矯正しても、軟骨のすり減りや、痛みが再発する可能性がある。
  • ・将来定期には再手術を必要とする場合があります。

3.人工関節置換術

  • ・人工関節置換術は変形性が進行した末期、または60歳以上の方に適応されます。
  • ・年齢が重要視される理由は、人工関節の耐久性(20年前後)を考慮して、再手術をしなくても良いように考えられているため。
  • ・人工関節置換術をすると、軟骨がすり減る心配をしなくて済むほか、痛みを気にせずに過ごせる可能性が高くなる。
  • ・しかし、膝に負担がかかるような過ごし方を続けると、人工関節に破損や緩みが出てきて耐久年数に関わらず再手術の可能性が高まります。

変形性膝関節症の手術をしても、膝の状態が悪くなれば再び手術が必要です。

とくに高位脛骨骨切り術後に再手術が必要な場合、膝の変形は進行し、ある程度加齢していることが予想されるため、人工関節置換術が選択されるケースが多くなります。ただし、人工関節置換術を受けると、膝を完全に曲げることができなくなります。痛みの改善は期待できる分、少なからず可動域が狭まることで日常動作に制限がかかり、日常生活に少なからず不自由さがでます。

膝の手術について最低限知っておきたいメリットとデメリットを以下にまとめました。

  • 手術のメリット

  • ・起床時に膝のこわばりがなくなる
  • ・痛みなく階段を上り下りできる
  • ・膝を気にすることなくスッと歩き出せる
  • ・膝を気にすることなく好きなところに出掛けられる
  •  
  • 手術のデメリット

  • ・手術そのもので合併症の危険性
  • ・膝の曲げ伸ばしに違和感
  • ・重い荷物は避ける
  • ・正座ができない
  • ・かがめない、かがみにくくなる
  • ・生活習慣の変化を受け入れる
  • ・スポーツに支障(膝に負担を掛けない前提で判断)

手術後、最終術を防ぐために!

変形性膝関節症の手術をうける上で大切なことは、再手術を防ぐことです。膝の状態の悪化を防ぐには、生活に中で膝への負担をかけないように過ごし、運動療法により膝を安定させることです。そのためには、継続したリハビリ、運動療法が大切になります。

  • 手術後に気をつけること
  • ・上記のデメリットに気を付ける
  • ・正座や深くしゃがむ動作を避ける
  • ・膝に負担のかかるような激しい動作はしない
  • ・手術前と同じようにリハビリ、運動療法は継続する
  • ・定期的に医療機関を受診し、常に膝の状態を確認する

まとめ・変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット

変形性膝関節症は、膝に痛みや変形を及ぼす病気で、進行すると痛みから普通の生活を送れなくなります。

治療の基本はリハビリとしての保存療法となりますが効果がみられなければ手術という選択肢になります。当然、手術はメスを入れることになり、体の負担になるだけでなく「術後に痛みが消えなければどうすべきか」と、不安を感じる方もいるはずですが「手術を受けるれば痛みは改善する可能性は高い」と思われます。

ただし、痛みの改善はあくまで膝関節に焦点を当てた話になります。手術をしても、膝周囲の皮膚の癒着、関節の拘縮、筋力低下、術操作による神経の損傷など、さまざまな理由で痛みが残存することもあります。そのため、術後に取り組むリハビリテーションは非常に重要です。それでも膝の状態によっては、どの手術を選択しても将来、再手術のリスクがあります。

例えば人工関節は耐久年数があり、個人差はありますが概ね15年前後と言われています。その時点で高齢な場合、再び体に負担がかかり、リハビリをはじめ精神的に前向きに取り組めるか心配にもなります。そうならないためにも術後に膝の痛みが取れても、無理は禁物。過度な膝への負担を避け、リハビリテーションをはじめとして適度な運動を継続することが再手術を防ぐポイントになります。

手術で痛みは消える可能性は高いと考えられます。ただし、リハビリや適切な運動を継続し、膝の健康を保つことが大切です!

以上、変形性膝関節症の手術を決断する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて解説させて頂きました。

参考にしていただければ幸いです。

 

No.045

監修:医師 坂本貞範

再生医療の幹細胞治療なら変形性膝関節症を手術を避けて治療が可能です
変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で症状を改善するには! 

 

▼以下も参考にされませんか
変形性膝関節症の手術で高齢者が受けるリスク

 

カテゴリ

人気記事ランキング

イメージ画像トップ