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- 内科疾患
- 内科疾患、その他
突然の腹痛は誰にでも起こりうる症状です。 主な原因は便秘や食あたり、食べ過ぎ、ストレス、月経痛など多岐にわたりますが、症状の改善がみられず長引いている場合、別の疾患が隠れている可能性があります。 この記事では、即効性が期待できる腹痛の原因別対処法や病院を受診すべき危険なサイン、腹痛が起きやすい人の予防法を解説します。 考えられる原因に合わせた対処法をまずは試し、改善しない場合は医療機関を受診しましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腹痛について気になることがある方は、お気軽にご登録ください。 【原因別】腹痛の治し方 腹痛の原因が明確な場合、状態に適したケアを行うことで、痛みの緩和に即効性が期待できます。 それぞれの対策を実施する前に、まずは衣服やベルトを緩めて腹部への圧迫を減らしてください。膝を曲げて横になると、痛みが軽減することもあります。 会社のオフィスや電車内などの横になれない場所で腹痛が生じたときは、背もたれに深く腰掛ける、前かがみで机や膝に手をついて体を丸めるなどの姿勢をとると、痛みが和らぐかもしれません。 楽になれる姿勢がとれたら、本章で紹介する原因別の対処法をとってみましょう。 便秘|温罨法・腹部マッサージで腸の動きを促す 便秘による腹痛は、腸内に停滞した便やガスが腸を内側から圧迫することで生じます。 腹痛の原因である便やガスが排出されれば痛みが軽減されるため、マッサージや温熱刺激で腸の動きを促すことが有効です。(文献1) 治し方 概要 腹部マッサージ へそ周りを「の」の字を書くように優しくマッサージする (痛みが強いときはさする程度で良い) 温罨法(おんあんぽう) 温タオルやカイロなどで腹部をあたためる へその両脇、指3本分の位置にある「天枢(てんすう)」と呼ばれるツボも、便秘に良いといわれています。(文献2) 便秘を放置してしまうと腸閉塞といった合併症を引き起こしかねません。排便のない状態が1週間以上続いている、腹痛が強い、対処法を試しても改善しないなどの場合は、消化器内科の受診を検討してください。 食あたり・ウイルス感染|胃腸を休めて脱水を防ぐ 食あたりやウイルス感染による腹痛は、細菌やウイルスが腸に感染して炎症を起こすことで生じます。脱水が進むと症状が悪化するため、水分と電解質の補給を優先し、できる限り横になって体力消耗を防ぎましょう。 また、嘔吐や吐き気があるときに無理に食事をとると、嘔吐を繰り返し脱水を引き起こすおそれがあります。症状が落ち着くまで固形物は避け、胃腸を休ませてください。 内関(ないかん)という手首内側の横じわの中央から肘に向かって指3本分のところにあるツボも、吐き気を伴う腹痛に効果があるといわれています。(文献3) 水分摂取ができないほど症状が強い場合は、迷わず医療機関を受診してください。 食べ過ぎ|右向きで横になる 胃に大量の食べ物が入ると消化が追いつかず、胃が膨張して腹痛が生じます。以下のような方法で胃から腸へスムーズに食べ物を送り出すと、腹痛の軽減が期待できます。(文献4) 対処法 詳細 右向きで横になる 胃の出口(幽門)が右側にあるため、右を下にすると消化を助けやすくなる 胃を休める 消化不良の状態で食べ物を追加すると負担が増すため、胃を十分に休ませる 中脘(ちゅうかん:みぞおちとおへその中間)のツボを優しく押す 消化機能の改善によって腹痛が和らぐ効果が期待できる 暴飲・暴食によって手術が必要となったケースも報告されているため、激しい腹痛や嘔吐がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。(文献5) 特定の食事や飲み物|胃を保護して刺激を避ける 胃粘膜を直接刺激する飲食物は、胃酸分泌を過剰にします。胃酸過多によって胃粘膜が傷つくと炎症や痛みが生じるため、刺激物を避けて胃を休めることが重要です。 とくに以下のような食材で腹痛を訴える方は少なくありません。 辛いもの(唐辛子、わさび、カレーなど) 脂っこいもの(揚げ物、焼肉、ラーメンなど) 炭酸飲料 カフェインを含む飲み物 アルコール 特定の食品で頻繁に腹痛が起こる場合、食物アレルギーや好酸球性消化管疾患の可能性があります。(文献6) なかでも牛乳で腹痛が起きやすい場合は「乳糖不耐症」もしくは「牛乳アレルギー」も考えられます。繰り返す場合は消化器内科やアレルギー専門医を受診してください。(文献7) 緊張・ストレス|深呼吸でリラックスする 緊張やストレスによる腹痛は、自律神経の乱れが原因です。 ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、腸の動きが過剰になったり逆に停滞したりするケースがあります。こうしたストレスが引き金となり、慢性的な腹痛や下痢、便秘を繰り返す疾患は「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」と呼ばれています。(文献8) 緊張状態にある腸を落ち着かせるには、以下のような対策が有効です。腸の緊張をほぐすことで、腹痛の緩和に即効性が期待できる可能性があります。 治し方 概要 深呼吸をする 自律神経のバランスを整え、腸の過剰な動きを抑える リラックスできる環境でゆったりする 交感神経の緊張を緩和し、ストレスによる腸の異常な動きを改善する 過敏性腸症候群は、朝の通勤・通学前や大事な会議・試験の前など、決まった時間帯やストレスの高い場面で症状が出るケースが少なくありません。繰り返す場合は医療機関の治療が必要となる場合もあるため、消化器内科への相談を検討してみてください。(文献8) 月経|下腹部を温める 月経に伴う腹痛(月経困難症)は、子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」が子宮を強く収縮させたり、強い子宮の収縮によって血流が低下したりするために生じるといわれています。(文献9) そのため、子宮の血流の改善によって痛みの緩和が期待できます。 治し方 概要 下腹部を温める 血行を改善することで子宮の過剰な収縮が緩和される 鎮痛剤(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)を服用する プロスタグランジンの生成を抑え、子宮収縮による痛みを軽減する 30分ほどで効くケースもあり、即効性を期待しやすい 軽い運動をする 血流促進によって骨盤周りの血液循環が改善され、痛みの緩和が期待できる 月経痛の緩和には、内くるぶしの一番出っ張っている部分から、指4本分膝寄りにある三陰交(さんいんこう)というツボが効果を示すかもしれません。(文献10) なお、激しい痛みによって日常生活に支障がある場合、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の疾患が隠れている可能性もあります。一度婦人科で相談してみると良いでしょう。 腹痛ですぐに病院を受診すべきケース 急激に発症した激しい腹痛を総称して「急性腹症」といいます。(文献11)腹痛の総称であるため、腹痛以外に伴う症状もさまざまです。 腹痛に加えて以下の症状がある場合には、緊急性の高い疾患の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。 気が遠くなりそうなほど腹痛が激しい 痛みが軽くならない、どんどん強くなる 吐血や嘔吐、血便がある 熱がある 腹部が硬い、張りが強い これらは胃・十二指腸や肝臓・胆のうなどの消化器系の臓器に異常が起きているサインである可能性も考えられます。速やかに医療機関を受診するか、動けない場合は救急車を呼びましょう。 腹痛を予防するための生活習慣 特定の場面や飲食物で腹痛が起きやすい場合、生活習慣の見直しで予防できる可能性があります。日常的に腹痛に悩まされている方は、自身の生活習慣を振り返りつつ、できることから対策してみましょう。 食生活の見直し 胃腸への負担を減らし、腹痛のリスクを下げるためには、日々の食習慣を見直すことが重要です。主な対策として、以下があげられます。(文献12)(文献13) 規則正しい食事時間を守る(朝・昼・夕の3食) よく噛んでゆっくり食べる 暴飲暴食を避ける 刺激物(辛い・冷たい・脂っこいものなど)を控える 食物繊維(そば、さつまいも、ごぼう、海藻類など)を適度に取り入れる アルコール・カフェインは適量にとどめる また、スマートフォンやテレビを見ながらの「ながら食べ」は、咀嚼がおろそかになりやすく、食べ過ぎや消化不良の原因となります。(文献14) 食事の時間は味や香りを楽しみ、リラックスして過ごすよう心がけましょう。 ストレスケア ストレスは自律神経に影響を与え、腸の動きを乱す原因となります。即効性はやや薄いものの、過敏性腸症候群をはじめとするストレス性の腹痛を防ぐには、以下のような日常的なストレスケアが必要です。 十分な睡眠をとる 趣味の時間を確保する リラクゼーション(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れる これらを実践しても腹痛が繰り返される場合は、消化器内科や心療内科で専門的な治療を受けることを検討しましょう。 適度な運動 運動によって血行が良くなると、胃腸の働きが活性化し、便秘による腹痛の予防効果が期待できます。また、適度な運動はストレス発散にもつながり、自律神経の乱れからくるお腹の不調にも役立ちます。 まずは、1日5〜10分、軽い散歩やストレッチから始めてみましょう。慣れてきたら徐々に時間や強度を増やしていくのがポイントです。 運動時間や内容は体調に合わせて調整し、習慣化することを意識してください。 特にデスクワークが多い方は腸の動きが停滞しやすいため、意識的に体を動かす時間を作りましょう。 腹痛の治し方は原因ごとに異なる!改善しないときは医療機関に相談しよう 腹痛の多くは、即効性が期待できる対処法を試すことで、痛みが和らぎます。便秘や食べ過ぎ、ストレスなど、原因がはっきりしている場合は、本記事で紹介した対処法をすぐに実践してみましょう。 ただし、対処法を試しても症状が改善しない場合や、徐々に痛みが強くなる場合は、自己判断せず消化器内科を受診してください。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腹痛を繰り返す、症状が長引いているといった気になる症状がある方は、お気軽にご登録ください。 腹痛の治し方に関するよくある質問 急な腹痛に市販薬を服用しても良いでしょうか? 以下のように腹痛の原因が特定できており、症状が軽度の場合は、市販薬の使用も即効性が期待できる選択肢の一つです。 食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃もたれ あきらかな便秘 月経痛(生理痛) ただし、市販薬を使用しても改善しない場合や、発熱や血便などを伴うケースでは、早めに消化器内科を受診してください。 重大な病気が原因だった場合、発見が遅れるリスクがあります。 腹痛があるときにしてはいけないことはありますか? 腹痛がある際に以下の行動をとると、症状を悪化させたり診断を困難にしたりする可能性があります。 激しい運動 刺激物の摂取 入浴(炎症性疾患の場合) 虫垂炎が疑われる場合の温罨法 原因不明の激しい痛みに対する鎮痛剤の多用 とくに激しい腹痛や発熱を伴う場合は、自己判断での対処を避け、速やかに医療機関を受診しましょう。 腹痛で考えられる疾患は何ですか? 腹痛を引き起こす主な疾患には、以下のようなものがあげられます。(文献15) 分類 主な疾患 消化器系 急性虫垂炎、胃・十二指腸潰瘍による穿孔、急性膵炎、憩室炎、腸閉塞など 心血管系 急性冠症候群、心筋炎、心外膜炎、大動脈解離、大動脈瘤破裂など 呼吸器系 肺炎、胸膜炎、膿胸、気胸、肺動脈血栓塞栓症など 筋骨格系 椎間板ヘルニア、腸腰筋膿瘍、神経根症、脊椎の変形性関節症、ACNES(前皮神経絞扼症候群)など 泌尿・生殖器系 精索捻転、精巣上体炎、ヘルニア嵌頓、痔核、痔瘻など 血液・膠原病 IgA血管炎(Henoch-Schönlein purpura)、全身性エリテマトーデス、鎌状赤血球症、急性白血病、食物アレルギー 内分泌代謝 糖尿病性ケトアシドーシス、急性副腎不全、甲状腺機能亢進症、ポルフィリア、尿毒症など 感染症 帯状疱疹、連鎖球菌咽頭炎、水痘、結核、toxic shock syndromeなど その他 急性緑内障、腹性片頭痛、精神疾患、熱中症、排卵痛など 腹痛の原因は多岐にわたるため、自己判断が難しいケースも少なくありません。激しい痛みや長引く症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 参考文献 文献1 便秘のセルフケア・・・がん治療中も快適に|北海道医療センター 文献2 セルフケアですっきり!便秘・下痢に効くツボ|東洋医療専門学校 文献3 漢方・鍼灸だよりNo.23|東海大学医学部付属病院東洋医学科 文献4 第30回パワー不足を解消する漢方(鍼灸)|東海大学 文献5 急性胃拡張による胃壊死をきたした上腸間膜動脈症候群の1例|山名浩樹ら 文献6 食後の腹痛が頻繁におこります。アレルギーの可能性もあるのでしょうか?|藤田医科大学総合アレルギーセンター 文献7 「乳糖不耐症」と「牛乳アレルギー」|一般社団法人長野県医師会 文献8 過敏性腸症候群|関西医科大学附属病院 文献9 (1)月経困難症 |日本産婦人科医会 文献10 毎月憂うつ…月経痛やPMSに鍼灸が効く?|森ノ宮医療大学 文献11 急性腹症 | KOMPAS – 慶應義塾大学病院 文献12 噛むことが大切な4つの理由|神奈川県歯科医師会 文献13 食物繊維の必要性と健康|厚生労働省 文献14 糖尿病を防ぐ食生活~「ちょっと血糖値が高め」の方へ~|とうきょう健康ステーション 文献15 急性腹症ガイドライン2015第IX章急性腹症の鑑別診断|日本腹部救急医学会、日本医学放射線学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本産科婦人科学会、日本血管外科学会
2026.01.31 -
- 内科疾患
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左脇腹の痛みが突然起こると「危険な症状ではないか」「病気が隠れているのでは?」と不安になる方も多いでしょう。 つるような痛みやチクチクした違和感、動くと痛む症状など、似た経験をしたことがある人は少なくありません。 左脇腹の痛みは原因が多岐にわたり、緊急を要する場合もあれば、様子を見ながら受診を検討できるケースもあります。落ち着いて症状を観察し、緊急性の有無を見極めることが大切です。 本記事では、左脇腹の痛みで考えられる原因や受診の目安について詳しく解説します。今あらわれている症状から、今取るべき対応を冷静に判断するための参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。左脇腹の痛みについて気になる点があればぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【セルフチェック】左脇腹の痛みで受診すべき目安 左脇腹の痛みには、すぐに医療機関を受診すべきケースと、緊急性は高くないものの早めに相談した方が良いケースがあります。 ここでは、左脇腹の痛みで注意したい症状を中心に、受診の目安を解説します。痛みの強さや経過、ほかに伴う症状をもとに、今すぐ受診が必要かどうかを見極めましょう。 すぐに受診すべきケース 次のような症状がみられる場合は、緊急性が高い可能性があるため、早めに医療機関を受診することが重要です。 我慢できないほど強い痛みが急に出た場合 発熱、吐き気、嘔吐、冷や汗などを伴う場合 時間の経過とともに痛みが強くなっている場合 安静にしても痛みがまったく軽減されない場合 日常生活が困難になるほどの痛みがある場合 状態によっては、早期の治療が必要となるケースも考えられます。自己判断せず、できるだけ早く医師の診察を受けてください。 必要に応じて受診すべきケース 以下のような症状は、緊急受診のサインではないケースが多いものの、早めに医療機関を受診することをおすすめします。 軽度の痛みが数日以上続いている場合 つるような痛みやズキズキする痛みを繰り返す場合 動くと痛む、伸ばすと痛む状態が改善しない場合 痛み以外に違和感や体調不良が続いている場合 痛みの原因に心当たりがなく不安が強い場合 朝だけ腹痛が起こるなど、一定のパターンがある場合 これらは緊急性は高くないものの、早めに医療機関へ相談することで、原因の特定や今後の対応を考えやすくなるケースが多い傾向です。 症状が続く場合や気になる点があるときは、無理に我慢せず受診するようにしましょう。 また、左脇腹の痛みは、大腸がんをはじめとする重篤な病気が背景にあるケースもゼロではありません。より詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 左脇腹の痛みで考えられる主な原因 左脇腹の痛みは、病気だけでなく、姿勢やストレスなど日常生活の過ごし方が影響して起こることもあります。 ここでは、左脇腹の痛みで比較的よくみられる原因について解説します。思い当たる節のある方は参考にしてみてください。 筋肉や姿勢 長時間同じ姿勢で座り続ける、片側だけで荷物を持つなど体の使い方に偏りがあると、脇腹周辺の筋肉に負担がかかりやすくなり、筋肉痛のような症状を感じるケースも少なくありません。 また、筋肉が緊張してつるような痛みや一時的な違和感があらわれるケースもあります。特にデスクワークの方や、無意識に同じ側へ重心をかけている方は、日頃の姿勢や体の使い方を一度振り返ってみましょう。 これらが原因で左脇腹の痛みが出ている場合、安静にすることや姿勢を見直すことで改善が期待できます。 ただし、痛みが長引いたり強くなったりする場合には、別の原因が関係している可能性もあるため、自己判断せずに医療機関の受診を検討しましょう。 ストレスや自律神経の乱れ ストレスが続くと体が緊張状態になり、自律神経のバランスが乱れると、左脇腹をはじめとする腹痛を引き起こす場合があります。自律神経は、腸の動きと深く関係しているためです。(文献1) ストレスや自律神経の乱れによる腹痛の代表例として、「過敏性腸症候群(IBS)」が挙げられます。過敏性腸症候群とは、強いストレスや緊張などが原因で腹痛や下痢・便秘症状を繰り返す状態です。(文献2) ただし、腹痛の原因がすべてストレスによるものとは限りません。症状の出方や経過には個人差があるため、痛みが続く場合や悪化する場合には、経過を観察しながら医療機関で相談することを検討しましょう。 なお、朝だけ腹痛が出るパターンも、ストレスや自律神経の乱れが一因となっている可能性があります。詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。 消化器や内臓の異常 左脇腹の周辺には、胃や腸などの消化器、腎臓などの泌尿器が位置しています。これらの内臓が関係している場合、筋肉の痛みとは異なり、鈍い痛みや持続的な違和感として症状があらわれることがあります。 また、発熱や吐き気、食欲不振など、ほかの症状を伴う場合には注意が必要です。内臓由来の痛みが疑われるときは、病気が関係している可能性も考えられます。 左脇腹の痛みで考えられる病気の種類 左脇腹の痛みは、さまざまな病気が関係している可能性があります。原因を大きく整理することで、自分の症状を客観的に捉えやすくなるでしょう。 本章では、左脇腹の痛みから考えられる病気の種類について解説します。 ただし、紹介している内容はあくまで可能性の一例です。痛みの位置や感じ方だけで原因や病気を特定することは困難なため、症状が続く場合や不安がある場合は医療機関へ相談してください。 胃腸(消化器)の病気 胃や腸などの消化器が関係する場合、左脇腹から上腹部・下腹部にかけて痛みを感じることがあります。 考えられる疾患 痛むことが多い部位の例 症状の傾向 胃炎・胃潰瘍 左上腹部から脇腹 食後に腹部が痛むケースが多い 急性膵炎 左脇腹からみぞおち 痛みが徐々に強くなるケースが多い 過敏性腸症候群 左脇腹を含む腹部 腹痛や便通異常を繰り返すケースが多い 痛みの感じ方は多岐にわたり、鈍い痛みやズキズキする痛みだけでなく、チクチクした違和感としてあらわれることも少なくありません。 腎臓(泌尿器)の病気 腎臓や尿路に異常がある場合、背中から左脇腹、腰にかけて痛みを感じることがあります。筋肉の痛みと異なり、動作による影響を受けにくいのが特徴です。 以下は、左脇腹の痛みに関連して考えられる泌尿器系の疾患と、痛みが出やすい部位や症状の傾向の一例です。 考えられる疾患 痛むことが多い部位の例 症状の傾向 尿路結石 脇腹から背中 ・強い痛みを感じるケースがある ・血尿や吐き気を伴うことがある 腎盂腎炎 左脇腹や背中・腰 ・発熱やだるさなどの全身症状を伴うことがある ・膀胱炎に似た症状(残尿感や排尿痛など)を伴うことがある 腎外傷 脇腹 脇腹の痛みのほか、血尿を伴うことがある 泌尿器の病気が関係している場合、左脇腹の痛みだけでなく、血尿や排尿時の違和感など、尿に関する症状を伴うことも少なくありません。 腎臓の病気が疑われるときは、脇腹の痛みとあわせて、尿の変化にも目を向けてみましょう。 筋肉・神経の病気 筋肉や神経が関係する場合に可能性のある病気は以下の通りです。 考えられる疾患 痛むことが多い部位の例 症状の傾向 肋間神経痛 脇腹付近・胸から背中 鋭い痛みを感じることが多い 帯状疱疹 全身(脇腹に多く見られる) 皮膚にピリピリする痛みを感じたり水疱ができたりするケースが多い 肉離れ 足の筋肉・腹筋 筋肉が切れる感覚や音で気づき、その後痛みを感じるケースが多い 筋肉や神経が関係する場合は、動かしたときや姿勢を変えたときに痛みが強くなることがあります。筋肉や神経からくる病気の可能性を疑う際は、整形外科への受診を検討しましょう。 【女性の場合】婦人科系の病気 女性の場合、女性ホルモンの影響や体調の変化によって、左脇腹や下腹部に痛みを感じることがあります。 女性ホルモンに関する痛みには婦人科系の疾患が関係している可能性もあるため、注意が必要です。可能性のある疾患と症状の傾向は、以下のとおりです。 考えられる疾患 痛むことが多い部位の例 症状の傾向 子宮筋腫 左下腹部から脇腹 下腹部で圧迫痛を感じることもある 子宮外妊娠 下腹部から脇腹 下腹部の激しい痛みや不正出血を伴うことがある 子宮内膜症 下腹部 生理中に痛みが強くなるケースがある 婦人科系の疾患は、月経周期やホルモンバランスが影響することもあります。痛みが続く場合や強くなる場合は、早めに婦人科へ相談しましょう。 左脇腹の痛みを和らげるための対処法 左脇腹の痛みの原因が緊急を要する病気でない場合、生活習慣や体の使い方を少し工夫するだけで、不快な症状が軽減される可能性も少なくありません。 本章では、自宅ですぐに取り組める具体的な対処法について解説します。 また、東洋医学的なアプローチとしてツボ押しが痛みの緩和に役立つこともあります。詳細な方法は以下の記事も参考にしてください。 姿勢や動き方を見直して痛みの悪化を防ぐ 筋肉疲労や神経圧迫が痛みの原因となっている場合、患部への物理的な負担を減らすことが第一の対処法となります。 特にデスクワークや長時間の運転など、同じ姿勢が続くと血行不良を招き、筋肉が凝り固まって痛みを悪化させる要因となりかねません。 日頃から以下のポイントを意識し、特定の部位に負荷が集中しないよう心がけることが大切です。 痛みが出る動作は無理に続けない 長時間同じ姿勢を避け、適度に姿勢を変える 急な動きや無理なストレッチを控える 寝る姿勢を工夫する 痛みが強い時は安静が原則ですが、動ける範囲で姿勢を調整することは、筋肉の過度な緊張を解くうえで有効です。無理のない範囲で、日々の生活動作を見直してみてください。 自分に合ったリラックス方法を取り入れる 精神的なストレスや緊張状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、痛みに対する感受性が高まってしまうことがあります。 特に左脇腹には大腸の一部が存在するため、ストレスによる腸の蠕動(ぜんどう)運動の異常が、痛みの引き金になるケースも珍しくありません。以下のような習慣を取り入れ、ストレスをため込まないよう心がけることが大切です。 ウォーキングなどで血行を促し、筋肉をほぐす 瞑想や深呼吸で、意識的に呼吸を整え、心の緊張を和らげる ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、副交感神経を優位にする 就寝前のスマホを控え、質の高い睡眠を確保する 自身のライフスタイルに合わせ、継続しやすい方法を取り入れていきましょう。 左脇腹の痛みの対処法とあわせて、より詳しい治療法やケア方法を知りたい方は、以下のページもご覧ください。 左脇腹の痛みの原因と症状をチェックして適切に対処しよう 左脇腹の痛みは、筋肉や姿勢、ストレスなど日常生活が関係している場合もあれば、消化器や腎臓など病気が関係していることもあります。自己判断で決めつけず、まずは症状を整理し、緊急性があるかどうかを確認することが大切です。 痛みが軽く一時的なものであれば、姿勢の見直しやリラックスなどのセルフケアで様子を見る選択も考えられます。ただし、痛みが続く場合や不安が強い場合は、早めに医療機関へ相談するようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する情報提供や簡易的なオンライン診断を行っています。腹痛の症状について気になることや不安がある方は、情報収集の一つとして、公式LINEのご案内も参考にしてみてください。 左脇腹の痛みに関するよくある質問 左脇腹がつるように痛むのはなぜですか? 左脇腹がつるように痛む原因のひとつに、筋肉の緊張や神経への刺激が挙げられます。長時間同じ姿勢を続けていたり、急な動きによって筋肉が緊張したりすると、脇腹周辺に一時的なつっぱり感やつるような痛みを感じることがあります。 また、腹部にガスがたまることでも、腸が内側から押されるような感覚が生じ「つるような違和感」としてあらわれる場合も少なくありません。特に食生活の乱れやストレスが続いていると、こうした症状が起こりやすくなることがあるため、注意が必要です。 痛みが頻繁に起こる場合や強くなる場合は他の原因が関係している可能性もあるため、医療機関への受診も検討してみてください。 お腹の左側が痛むのはストレスが原因ですか? お腹の左側の痛みは、ストレスが関係しているケースも少なくありません。ストレスが続くと自律神経のバランスが乱れて腸の動きに影響が出て腹痛や違和感としてあらわれることがあるためです。 ただし、左側の腹痛がすべてストレスによるものとは限りません。筋肉や姿勢の影響、消化器や泌尿器の不調など、他の原因が関係しているケースもあります。痛みが続く場合や、発熱・吐き気などの症状を伴う場合は、ストレスだけと決めつけず、医療機関で相談することも大切です。 参考文献 (文献1) 自律神経と消化器症状|本郷 道夫 (文献2) 日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン 2020―過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版)|日本消化器病学会
2026.01.31 -
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大腸がんの治療中に「何を食べれば良いのか」「手術前後で食事はどう変わるのか」と悩む方は少なくありません。 医師から食事制限のアドバイスをされても、具体的にどのような食材を選べば良いのかわからず、不安を感じることもあるでしょう。 食事管理は大腸がん治療を支える重要な要素のひとつです。適切な食事を心がけることで体への負担を抑え、回復を後押しできます。 本記事では、治療段階ごとの食事の注意点や取り入れたい食品・避けたい食品、さらに取り入れやすいレシピまで解説します。正しい食事管理を知り、より適した治療を行うための参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。気になる方は今すぐ登録して、内容をチェックしてみてください。 大腸がんにおける「食事」の重要性 大腸がんの治療では、手術や抗がん剤といった医療行為だけでなく、日々の食事が体調や回復を左右する重要な要素となります。 ここでは、大腸がんの治療段階ごとに、食事でとくに気をつけたいポイントを解説します。本章を参考に、該当する治療段階の食事の注意点を把握しましょう。 手術前後|腸への負担軽減と合併症(腸閉塞)予防 大腸がんの手術前後は、腸への負担を抑え、腸閉塞などの合併症を防ぐことが重要です。 手術前は、過度な食物繊維や高脂肪食、胃腸に負担のかかる食品を控え、消化の良い食事を心がけましょう。手術前日は食事を中止することが多いため、医師の指示の確認が必要です。 手術後は腸が回復途中のため、引き続き腸への刺激を避けた食事管理が必要です。入院中は流動食から始めて徐々に常食へ移行しますが、その後も海藻やきのこ、ごぼうなど食物繊維を多量に含む食品や揚げ物、刺激物は控えましょう。 退院後も術後3カ月程度は腸の動きが不安定なため、水分を十分に摂り、よく噛んでゆっくり食べることが大切です。とくに便秘や下痢の症状が生じているときは、こまめな水分補給を心がけましょう。 抗がん剤治療中|副作用による食欲不振対策・体力の維持 抗がん剤治療中は、薬の副作用として食欲不振や味覚の変化などが起こりやすく、普段どおりの食事が難しくなる場合があります。 副作用が強い日は無理に食べようとせず、こまめな水分補給が優先されます。また、抗がん剤の副作用は人によって異なるため、症状に合わせて以下のように食事の摂り方を工夫するのもおすすめです。 症状 対応方法の例 食欲低下 1回量を少なめにし、回数を増やして少量ずつ食べる 味覚異常 甘さや酸味など、味覚の変化に合わせた味付けを試す このような対策を取り入れながら、無理のない範囲で栄養不足を防ぎ、体力の維持を心がけましょう。 予防・再発防止|発症リスクを下げるための腸内環境づくり 大腸がんの予防や再発防止を目的とする場合、腸内環境を整える生活習慣と食事が重要です。過度な飲酒や喫煙は大腸がんの発症リスクを高めるため、できるだけ控えましょう。 食事面では、カルシウムや食物繊維の適切な摂取が、腸内環境の改善や大腸がんリスク低下につながるとされています。(文献1)(文献2) ただし、治療中や術後は腸閉塞を招く恐れがあるため、食物繊維には注意が必要です。治療中は控え、医師の許可が出てから予防・再発防止として取り入れるようにしましょう。 また、ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉の過剰摂取は控えることが推奨されます。加工肉に含まれる亜硝酸塩や、調理・加工の過程で生成される発がん性物質が大腸に悪影響を及ぼすリスクがあるためです。 予防や再発防止の観点から、加工肉の摂取は意識的に減らしていきましょう。 大腸がんの治療・予防におすすめの食事 治療や予防のための食事では、消化が良く栄養バランスの整った食品を選ぶことが大切です。とくに治療中や術後は、腸への負担を抑えながら、体力の回復や維持に役立つ食材を意識して取り入れましょう。 以下は、大腸がんの治療中や術後におすすめの食品例です。 食品群 おすすめの食品例 たんぱく質類 ・鶏ささみ ・卵 ・乳製品(ヨーグルト・牛乳など) 果物 ・バナナ ・桃 ・りんご ※缶詰を使う、軟らかく加熱調理するなどの工夫がおすすめ 主食 ・おかゆ ・うどん ・食パン とくに術後は腸への負担を考慮しながら、消化に良く体力の回復に役立つ食品を毎食に少しずつ取り入れるようにしましょう。 また、大腸がんの予防には全粒穀類(玄米やオートミールなど)、食物繊維を含む食品、乳製品などを積極的に取り入れるのもおすすめです。 大腸がんの治療・予防のために避けたい食事 大腸がんの治療中や術後、また予防・再発防止を意識する段階では、腸に負担をかける食事を避けることが重要です。治療・予防のいずれの場合でも、以下のような食品は腸への負担となりやすいため、過度な摂取は控えましょう。 高脂肪食(揚げ物、脂身の多い肉など) アルコール・カフェインを含む飲み物 辛味や塩味が強い刺激物 その他、とくに注意したいのが食物繊維を過剰に含む食品です。海藻類・きのこ類・ごぼう・たけのこなどは食物繊維が豊富で、予防の観点では有用とされています。(文献2)ただし、治療中や術後は腸内で詰まりやすく、腸閉塞のリスクを高める恐れがあるため控えましょう。 また、大腸がんの予防の観点では、赤肉と呼ばれる牛、豚、羊、馬、ヤギの肉も、過剰摂取を控えるべきとされています。 病状や治療内容によって必要な食事制限は異なります。医師や管理栄養士から個別に指示がある場合は、それを最優先で守るようにしましょう。 大腸がんの食事でおすすめのレシピ ここからは、治療や目的の段階に応じたおすすめレシピの一例をご紹介します。 手術前後の場合 抗がん剤治療中の場合 発症予防・再発防止が目的の場合 それぞれの体調や治療状況に合わせ、毎日の食事づくりの参考にしてください。 手術前後の場合 大腸がんの手術後は、消化に負担をかけない食品から始め、腸の回復を促す段階的な食事が大切です。とくに食物繊維や消化の悪い食品は控える必要があります。 以下は、手術前後に取り入れやすい消化に優しいメニューの一例です。 分類 メニュー例 主食 おかゆ、食パン 主菜 ロールキャベツ、魚の塩焼き 汁物 ポトフ、味噌汁 食事は1日3食を基本に、小分けにして少量ずつ摂ると腸への負担がさらに軽減します。退院後も腸の状態に合わせて少しずつ通常の食材や食感へ戻していきましょう。 医師や管理栄養士から個別に栄養指導があった場合は、その内容・方針を厳守してください。 抗がん剤治療中の場合 抗がん剤治療中は、副作用として食欲不振や味覚の変化、吐き気などが出やすく、普段の食事が負担に感じられることがあります。 治療中で食事に支障を感じている場合は、症状に合わせて食べやすいメニューを選ぶことが大切です。以下は、症状別に取り入れやすいレシピの一例です。 症状 おすすめのレシピ例 食欲不振・吐き気 ・麺類 ・豆腐や卵料理 ・塩分抑えめの漬物や酢料理 味覚障害 ・蒸し野菜(好みの味のソースやタレをかける) ・酢料理 ・だしを効かせた料理 また、調理の際は食材を細かく刻んだり、とろみをつけたりすることで、のど越しが良くなり摂取しやすくなります。 副作用が強いときは体調に合わせて食べられそうなものを選び、少量を数回に分けて食べることを心がけましょう。 発症予防・再発防止が目的の場合 大腸がんの発症予防や再発防止を目指す場合、腸に負担をかけにくい食品を基本に、栄養バランスの整った食事を継続することが大切です。 糖質や脂質を過度に摂り過ぎないよう注意しながら、たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランス良く取り入れましょう。 以下は、予防を意識したメニューの一例です。 分類 メニュー例 主食 雑穀ご飯、玄米入りご飯 主菜 焼き魚、豆腐ハンバーグ 副菜 納豆、温野菜 汁物 具材を豊富に入れた味噌汁 大腸がんの発症または再発予防を目的とした食事は、日々の食習慣の積み重ねが大きく影響します。無理に特別な食品を増やさずに毎日の食事でバランスを意識し、手に入れやすい食材で続けられる食生活を心がけましょう。 正しい食事管理で大腸がんの治療を支えよう 正しい食事管理は、大腸がんの治療や合併症の予防、生活の質を支える重要な要素です。手術前後や抗がん剤治療中など、それぞれの段階に合った食事を選び、必要な栄養を補う食習慣を身につけましょう。 本記事でご紹介した内容が、ご自身やご家族の治療中・治療後の食生活を支える一助になれば幸いです。 栄養管理や治療後の体調に不安のある方は、再生医療を専門とするリペアセルクリニックの公式LINEでの無料相談もご活用ください。 大腸がんの食事についてよくある質問 食事が原因で大腸がんになることはある? 大腸がんは、特定の食品を「1つ食べたら必ず発症する」といった単純な原因で起こるものではありません。ただし、長年にわたる食習慣は、発症リスクに影響する懸念があるとされています。(文献3) たとえば以下のような食事を多く摂る生活が続くと、発症リスクが高まる可能性が考えられます。 ハムやソーセージなどの加工肉 糖質・甘味料が過剰に含まれた飲み物(清涼飲料水等) 揚げ物やステーキなどの高脂肪食 これらの食品を日常的に摂り過ぎないよう意識し、栄養バランスの整った食事を心がけることが、大腸がん予防につながります。 なお、大腸がんの原因については以下の記事にてより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。 大腸がんの予防におすすめの食事は? 予防におすすめの食事は以下の通りです。 おすすめの食事 具体例 食物繊維が豊富な野菜・果物 ※ 大腸がんの治療中や術後など、腸に負担をかけたくない時期は控える ・野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど) ・根菜類(にんじん、ごぼうなど) ・果物(バナナ、りんごなど) カルシウム・ビタミンDが豊富な食材 ・牛乳 ・小魚 発酵食品 ・納豆 ・味噌 ・ヨーグルト 大腸がんの予防は、一時的な食事制限ではなく、日々の食習慣の積み重ねでリスクを下げていくことが大切です。 バランスの良い食事は、体の免疫力や回復力を高める土台にもなります。無理なく続けられる食品選びと調理方法を意識し、健康な食生活を目指しましょう。 生活習慣の改善は大腸がん予防の基本ですが「体の内側から免疫機能を高めたい」とお考えの方には、再生医療を活用する選択肢もあります。 リペアセルクリニックでは、免疫細胞の働きに着目した再生医療(免疫細胞療法)に関する情報提供を行っております。再生医療についての情報は、公式LINEで受け取ることができます。「まずは情報だけ知りたい」「自分や家族の状態でも相談できるのか不安」とお考えの方は、ぜひ登録してみてください。 大腸がんの手術後、食事制限はいつまで続きますか? 大腸がんの手術後の食事制限は、一般的に3カ月程度が目安です。術後は腸の機能がまだ十分に回復していないため、食物繊維を多量に含む食品や消化しにくい食べ物は控えましょう。 手術直後の入院中から重湯やおかゆなどの消化の良い食事から開始し、腸の状態を確認しながら段階的に食事内容を進めていくのが一般的です。問題がなければ、徐々に普通食へと戻します。 ただし、食事制限が必要な期間は、切除した腸の範囲や手術方法、術後の回復状況によって個人差があります。食事について医師から指示があれば、必ず従いましょう。 参考文献 文献1 Dietary calcium, vitamin D, and the risk of colorectal cancer - PubMed 文献2 食物繊維摂取と大腸がん罹患との関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 文献3 Dietary patterns and colorectal cancer risk in middle-aged adults: A large population-based prospective cohort study - PubMed
2026.01.26 -
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なぜ「65歳以上の大腸がんの内視鏡検査はやめなさい」という意見があるのでしょうか。それは高齢になるほどに、腸閉塞や腸穿孔などの合併症のリスクが高まるためであると考えられます。 本記事では「65歳以上の大腸がんの内視鏡検査はやめなさい」という意見がある理由の詳細をはじめとして以下を解説します。 高齢者の検査のリスク 検査を受ける必要性 検査を受けられない人 検査の流れと費用 大腸がんの予防方法 検査を受けるべきかどうかは、その人の健康状態によって異なります。リスクを考慮した選択をするために本記事を参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 がん予防に関する再生医療について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 なぜ「65歳以上の大腸がんの内視鏡検査はやめなさい」という意見があるのか 「65歳以上の大腸がんの内視鏡検査はやめなさい」という意見がある理由は、高齢者に対する内視鏡検査は、身体に与える負担や合併症のリスクが高いためと考えられます。 年齢が上がるほどリスクも増加し合併症の発生率は50〜64歳の方と比較して、75〜85歳の方は3倍ほど高いとの報告があります。(文献1)検査の利益がリスクを上回らない場合もあるため、慎重な選択をしなければなりません。 高齢者の大腸内視鏡検査のリスク 高齢者は大腸内視鏡検査により、以下のような合併症のリスクが高まるため、慎重に判断する必要があります。 腸閉塞 腸管穿孔 敗血症 それぞれの合併症について詳しく解説します。 腸閉塞 腸閉塞とは、なんらかの原因により腸管が塞がれてしまった状態のことです。もともと腸が狭くなっている方は、検査前に下剤や腸管洗浄剤を服用することで腸閉塞が誘発されるリスクがあります。 腸閉塞を疑う症状は以下の通りです。 冷汗 腹痛 吐き気・嘔吐 腹部の張り とくに自宅で下剤を服用する場合は、これらの徴候が見逃されるおそれがあります。検査前に腸管の通過障害がないか確認が必要です。 腸管穿孔 腸管穿孔とは、胃や腸に穴があいてしまった状態のことです。前処置で行う下剤や腸管洗浄剤を服用したことにより、腸管の内圧が急激に上昇して引き起こされることがあります。 腸管穿孔が起きると以下のような症状が現れます。 激しい腹痛 腹部の張り 吐き気・嘔吐 発熱 こちらも腸管の通過障害がリスクとなるため、検査の前に評価をしなければなりません。 敗血症 敗血症とは、感染症がきっかけとなり体の防御反応が過剰に働いてしまうことで、全身に深刻な影響が及ぶ状態を指します。 進行すると意識障害や全身への血流低下などが現れ、命に関わる危険な状態になるおそれがあります。大腸内視鏡検査においては、腸閉塞や腸管穿孔が起きた際に敗血症が発症するリスクがあります。 腸閉塞や腸管穿孔により、腸管を保護する機能が壊れてしまい、腸管の細菌や毒素が体内に巡ってしまうためです。敗血症のリスクもあるため、腸閉塞や腸管穿孔を疑う症状には十分な注意が必要です。 65歳以上の方が大腸内視鏡検査を受ける必要性 大腸がんの発症率は40歳代あたりから上昇します。とくに50歳代以降からは年齢が上がるにつれて、発症率が高くなっています。(文献2)しかし、65歳以上の方が大腸内視鏡検査を受けるかどうかの必要性は、本人の健康状態と医師の判断によります。 なお、国立がん研究センターによる有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン(2024年度版)においては、大腸内視鏡検査を対策型検診(公共政策として行う検診)として実施しないことを推奨しています。(文献1) これは年代関係なく初回の大腸内視鏡検査が「異常なし」であったにも関わらず、大腸内視鏡検査を継続的に受けることは、得られる利益よりも不利益が上回るためです。さらに、利益と不利益に関する情報について検査を受ける人と医療者で、適切に共有して判断できる仕組みを整えることが必要だと言われています。 大腸内視鏡検査を受けられない人 以下に該当する方は、腸閉塞や腸管穿孔のリスクがあるため大腸内視鏡検査を受けることは困難です。 急激に発症した腹痛がある方 腹膜に炎症がある方 腸管の通過障害がある方 そのほかにも、検査への協力が困難な障害者や認知症の患者様は、検査方法を個別に検討する必要があります。 一般的な大腸内視鏡検査の流れと費用 大腸内視鏡検査には、入院して下剤を服用する院内法と自宅で下剤を服用する在宅法があります。 下剤や腸管洗浄剤を服用して、準備が整ったら以下のように検査は進みます。 検査着に着替えて検査室に案内してもらう 腸の働きを抑える鎮痙剤(ちんけいざい)を注射する 体の左側を下にして検査台に横になる 肛門から内視鏡を挿入して腸管内を観察する 鎮痛剤や鎮静剤を投与した場合は、検査終了後にリカバリールームで1時間ほど安静にする 検査が始まると内視鏡を適切に挿入するために体の向きを変えたり、腹部を押さえたりすることもあります。強い痛みが現れた際は医師に伝えてください。 検査自体は通常15〜30分程度で終了します。便潜血検査で陽性となり、医師が検査を必要と判断した場合は保険が適用され自己負担は3割になります。費用は医療機関によって異なるため、受診予定の医療機関のホームページなどを確認してください。 大腸がんの予防方法 大腸がんの予防方法として以下が挙げられます。 定期的に検診を受ける 食生活の乱れを改善する 免疫力を高める それぞれの詳細を解説します。 定期的に検診を受ける 大腸がんを予防するには、定期的に検診を受けることが重要です。便潜血検査では、微量な出血でもポリープを発見できる可能性があるためです。がん化するおそれのあるポリープを早期に発見して、取り除くことができれば大腸がんの予防につながります。 日本においては、40歳以上の方は年に1回の便潜血検査が推奨されています。(文献3)便潜血検査で陽性反応が出た場合は、大腸内視鏡検査や大腸CT検査が選択肢として挙げられます。 食生活の乱れを改善する 大腸がんは食生活と密接に関連しており、食生活の改善で予防できる可能性があります。 以下のポイントを参考にして食生活の改善を心がけましょう。 食生活の改善のポイント 詳細 食物繊維を十分に摂る ・十分な量の食物繊維の摂取は大腸がんの予防効果があるとされている ・しかし、多数ある食物繊維に関する研究結果は一致していない 肉類の過剰摂取は避ける ・赤身肉を多量に摂取すると大腸がんのリスクが高まる ・赤身肉の摂取量は週に500gまでとする 加工肉の摂取は極力避ける ・ソーセージやハム、ベーコンなどはがんのリスクを高める ・1日50gの摂取で大腸がんのリスクが1割増加すると報告がある お酒を飲み過ぎない ・毎日2合以上お酒を飲む人は飲まない人と比較して、2.1倍の大腸がんのリスクがある ・飲酒しないことが最も良いとされている (文献4)(文献5)(文献6) そのほかにも適正体重の維持や適度な運動習慣も重要とされています。 免疫力を高める 免疫力が低下すると、発生したがん細胞を消滅させることができなくなり、がんの発症リスクが高まります。免疫力を高めるには、前述した食生活の改善などが重要です。 また、免疫力を高める食生活の一例として以下が挙げられます。 炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取する 青魚に豊富に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の摂取割合を増やす 強い抗酸化作用のある緑黄色野菜や淡色野菜などを積極的に摂取する ほかにも、免疫力を高める再生医療という選択肢もあります。当院「リペアセルクリニック」では、がん予防のために免疫力を高める再生医療を行っています。詳しくは、以下のページをご覧ください。 まとめ|65歳以上の方で大腸内視鏡検査を受けるかは医師に相談しよう 65歳以上の方が大腸内視鏡検査を受けるべきかは、本人の健康状態と医師の判断によって異なります。年齢が上がるほどに、検査時の腸閉塞や腸管穿孔、敗血症などのリスクが高まります。これらのリスクを考慮して、自身で納得できる判断をしなければなりません。 また、入院をする院内法を選択すれば、合併症を疑う症状が現れた際に迅速な対応ができます。しかし、自宅で下剤を服用して検査を受ける在宅法の場合は、医療機関に到着するまで対応が遅れることを考慮する必要があります。これらの検査の受け方も十分に検討しましょう。 65歳以上の大腸内視鏡検査に関するよくある質問 Q.高齢者が受けるには入院が必要? 大腸内視鏡検査では、自宅で下剤を服用する在宅法と、入院して下剤を服用する院内法を選択できます。院内法では、医療者が患者様の状態を確認できるため、合併症が疑われた際に迅速な対応が可能です。 Q.70、80、90歳代でも受けるべき? 70歳以上の方が受けるべきかどうかは、その人の健康状態と医師の判断によります。検査による利益と不利益を考慮して、医師と相談しながら検討する必要があります。 Q.異常なしから何年後に受けるべき? 大腸内視鏡検査を受けたあと「異常なし」と診断された場合は、通常の検診に戻ります。ポリープが発見された場合は、数や大きさによって大腸がんのリスクが高まるため、1〜5年後の間で再度大腸内視鏡検査を受けることを推奨されます。 Q.何歳まで受けられるのか? 日本の場合は年齢制限を設けていません。任意であれば何歳でも受けることができます。しかし、高齢であるほどに事前の診察と医師との相談が重要になります。 参考文献 (文献1) 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版|国立がん研究センター (文献2) 大腸がんとは|国立がん研究センター (文献3) 大腸がん検査について|国立がん研究センター (文献4) がん予防|厚生労働省 (文献5) 大腸がん予防及び治療後の再発予防のための食事|耳原総合病院 (文献6) 米飯摂取と大腸がんとの関連について|がん対策研究所
2026.01.26 -
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大腸がんは日本で死亡数・罹患率ともに上位にある深刻な疾患です。「余命はどれくらいなのか」と不安を抱える方は少なくありません。とくに家族は何を知り、本人をどう支えるべきか悩む場面も多いでしょう。 大腸がんの余命は進行度で大きく異なりますが、現代では治療法の選択肢が広がり、末期でも延命や苦痛緩和が期待できます。 この記事では余命の目安や末期症状、治療法から家族ができる支援をまとめて解説します。正しい情報を得て、納得のいく治療の選択にお役立てください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。気になる方はぜひご登録し、内容をチェックしてみてください。 大腸がんの余命は進行度(ステージ)で変わる 大腸がんの余命(生存率)は、がんが大腸の壁のどこまで進み、リンパ節や遠隔臓器に転移しているかで大きく変わります。 具体的には、進行具合によって次のような5つのステージで分類されます。(文献1)(文献2) ステージ 定義 余命 (5年生存率) ステージ0 がんが大腸の粘膜内にとどまっている状態 93~97.6% ステージ1 がんが固有筋層の深さまで広がっている状態 93.1% ステージ2 がんが固有筋層を越えて、大腸の外側近くまで浸潤している状態 76.4~88.3% ステージ3 がんの深さにかかわらず、周囲のリンパ節に転移が認められる状態 65.8~91.5% ステージ4 がんの深さにかかわらず、他の臓器に転移が認められる状態 26.7% 5年生存率はステージが早いほど高く、他の臓器への転移を伴うステージ4では大きく低下します。ただし、生存率は多数の患者をまとめた統計上の目安であり、年齢や全身状態、合併症などによって個人差が生じます。 余命の数字にとらわれすぎず、主治医と現在の状態や治療の目的を共有し、最適な方針を検討することが大切です。 【ステージ別】大腸がんの余命(5年生存率)と主な症状 大腸がんは、ステージによって余命の目安や症状が異なります。本章では、ステージ別の余命と進行度ごとに目立つ症状・注意点を解説します。 ご自身やご家族の状況を理解し、適切な治療選択やサポートの参考にしてください。 ステージ1|93.1% ステージ1は、がんが大腸壁の比較的浅い層にとどまっている段階で、リンパ節や他臓器への転移は認められません。早期がんに分類される病期です。(文献1) この段階では自覚症状が認められないことが多く、健康診断や大腸内視鏡検査をきっかけに偶然発見されるケースが少なくありません。血便や便秘・下痢などの便通異常がみられることもありますが、症状が軽いため見過ごされやすい点が特徴です。 治療は外科的切除や内視鏡治療など、手術が中心となります。(文献3)適切にがんを切除できれば、術後は定期的な経過観察により再発リスクは低く抑えられます。 定期的な経過観察を行うことで、良好な予後を期待できるステージと言えるでしょう。 ステージ2|88.3~76.4% 固有筋層を越えてがんが広がっているものの、リンパ節への転移は認められない段階が、ステージ2です。ステージ2では便通異常に加え、腹痛や全身の倦怠感、息切れなどの症状が生じることがあります。 ステージ2の大腸がんの治療は手術がメインです。がん本体と、がんが広がっている可能性のある大腸部分、その周辺のリンパ節の切除(リンパ節郭清)を行います。(文献3) 5年生存率はがんがどの程度の深さまで進行しているかによって異なり、76.4〜88.3%とされています。ステージ1より5年生存率は低いものの、早期の治療により良好な予後が期待できるステージです。 ステージ3|91.5~65.8% 周囲のリンパ節に転移が認められる段階が、ステージ3です。 ステージ3では、ステージ2でみられる症状に加えて、体重減少や食欲不振といった症状が出現します。また、腫瘍の進行により腸閉塞を起こすと、強い腹痛や嘔吐、腹部の膨満感などの症状がみられることもあります。 ステージ3では、がん部分の大腸や転移が認められたリンパ節を手術で切除した上で、再発予防を目的とした抗がん剤治療を行うのが一般的です。(文献3)リンパ節転移の数や範囲によって予後は大きく異なり、再発リスクも高くなります。5年生存率はがんの浸潤している深さによって65.8~91.5%と幅がありますが、定期検査と適切な治療を継続することで、予後の改善が期待できるでしょう。 ステージ4|26.7% ステージ4はがんの深さに関わらず、肝臓や肺など他臓器への転移が認められる状態です。ステージ3までにみられた腹部の症状に加え、転移した部位に応じて黄疸や咳・呼吸困難などの症状が出現することがあります。 ステージ4では根治を目指す治療が難しいケースが多く、5年生存率は26.7%と、他のステージと比較して低い数値です。 延命や症状の緩和を目的として、手術や抗がん剤治療、免疫療法、放射線療法を組み合わせた治療が行われます。 ステージ4の大腸がんは余命(生存率)が大きく下がる 前述のとおり、ステージ4の大腸がんでは、5年生存率が大きく下がります。ただし、治療の選択や本人との関わり方によって、生活の質(QOL)や過ごし方は大きく変わる可能性があります。 本章では、ステージ4について症状や治療法をより詳しく解説します。 大腸がんのステージ4でみられる症状 大腸がんがステージ4まで進行すると、全身に影響を及ぼすようになり、日常生活の質が低下しやすくなります。進行した大腸がんでは、これまでの局所的な症状に加え、全身症状が目立つようになるのが特徴です。 ステージ4でみられる主な末期症状には、以下のようなものがあります。 血便や便秘・下痢などの消化器症状 体重減少や強い倦怠感 食欲の低下や疲れやすさ これらの症状により、これまで通りの生活を送ることが難しくなるケースも少なくありません。 さらに、転移した部位に応じた特有の症状が生じることがあります。肝臓に転移した場合は黄疸や腹部の張り、肺に転移した場合は咳や息切れ、呼吸困難、胸の痛みなどが代表的です。 大腸がんステージ4の主な治療法 大腸がんステージ4では、治療の目的が根治よりも「延命」と「症状の緩和」に置かれるケースが多いのが特徴です。 病状や本人の希望に応じて、以下のような複数の治療法を組み合わせながら進めていきます。(文献3) 治療法 詳細 手術 ・症状の改善や合併症の予防を目的として、がんのある部分を切除する ・がんが広がっている場合には、周辺の腸管やリンパ節、他臓器の一部を切除するケースもある 抗がん剤治療 ・手術後の再発予防や、手術でがんを取り切れない場合に行われる ・一般的には、複数の薬を組み合わせて治療する ・副作用が強く出た場合には、減量や一時的な中止など、体調に応じた調整が行われることもある 免疫療法 ・がん細胞に作用する抗がん剤とは異なり、体内の免疫細胞に働きかけてがんを抑える ・すべての患者が対象となるわけではなく、がんの性質や遺伝子の特徴によって適応が判断される(文献4) 緩和ケア ・痛みや不安感などの身体的・精神的苦痛を和らげ、生活の質(QOL)を高めることを目的とした治療である ・症状の緩和だけでなく、気持ちの落ち込みや経済的な不安への支援も含まれる ・患者本人だけでなく、家族の負担やつらさを和らげる役割もある これらの治療は、病状や体調、本人の希望によって選択や組み合わせが異なるため、主治医と十分に相談しながら方針を決めることが大切です。 大腸がんから転移しやすい部位と余命 大腸がんは、血流やリンパの流れに乗って転移しやすく、進行すると他の臓器へ広がることがあります。(文献2) とくにステージ4では、転移の有無や部位が余命や治療方針に大きく影響します。大腸がんで比較的多くみられる転移先は、以下の臓器です。(文献5) 肝臓 肺 腹膜播種 これらの部位に転移が認められた場合でも、すべてが予後不良とは限りません。転移の数や広がりが限られており、外科的に切除できる場合には、長期生存が期待できるケースも報告されています。 実際に、転移部位を切除した症例では、以下のような5年生存率が報告されています。 転移部位 切除できた場合の5年生存率 肝臓 (文献3) 35〜58% 肺 (文献6) 約60% このように、大腸がんは転移があっても、病状に応じた適切な治療を行うことで予後が変わる可能性があります。 転移の部位や数、全身状態を踏まえ、主治医と十分に相談しながら治療方針を検討することが重要です。 大腸がんで余命宣告された患者の家族ができること 大腸がん患者の家族ができることとして、以下の3つがあります。 治療方針の選択は本人の意思を尊重する 病院と密にコミュニケーションをとる 日常生活をサポートする 患者と家族が納得のいく時間を過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。 治療方針の選択は本人の意思を尊重する 本人が告知を受けている場合は、できるだけ患者本人の意思を尊重することが望ましいとされています。 治療において何を優先したいかは人それぞれです。延命を重視したいのか、症状の緩和を大切にしたいのかなど、考え方は異なります。 家族は「代わりに決めてあげる」のではなく、本人の気持ちを丁寧にくみ取り、寄り添いながら意思決定を支える姿勢が大切です。 一方で、看病や療養生活が長引くと、家族自身が心身ともに疲れてしまうことも少なくありません。患者だけでなく家族自身も無理をせず、自分を大切にできる選択を心がけましょう。 病院と密にコミュニケーションをとる 診察時には余命や治療について向き合う上で、担当医や医療スタッフとの連携が大切です。治療を進める際は、以下の点を意識しながら、病院とこまめに情報共有を行いましょう。 不安点があれば医師や看護師に伝え、疑問点を解消する 自宅での過ごし方や体調の変化、症状の有無を具体的に共有する 治療の目的や選択肢、今後の見通しについて、家族も情報を理解し、医療スタッフと一緒に治療やケアの方針を考えていくことが大切です。家族が気づいた変化を共有することで、より本人に合った治療につなげられるでしょう。 日常生活をサポートする 日常生活において、患者本人ができることは見守りながら、必要な場面でサポートする姿勢が大切です。衣食住のサポートや通院の付き添いなど、無理のない範囲で本人の体調や様子を観察しながら支えていきましょう。 また、身体的な支えだけでなく、共感をもって話を聞き、気持ちに寄り添うことも大切です。病気の話題に限らず、これまで通りの会話を心がけることは、患者が「普段の自分」でいられることにつながります。 一方で、家族も無理をしすぎないことを意識し、必要に応じて外部の支援を頼ることが大切です。 たとえば、全国の医療機関に設置されている「がん相談支援センター」では、治療や療養生活の不安、介護や経済面の相談などを無料で受け付けています。(文献7)こうした支援機関を活用し、家族だけで抱え込まないような工夫も大切です。 なお、大腸がん治療中に適した食事については以下の記事にて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 大腸がんの余命を把握して納得のいく治療を選択しよう 大腸がんの余命は、ステージや転移の有無、治療内容によって大きく異なります。進行するほど5年生存率は低下するため、数字だけをみると不安になる方も多いかもしれません。 余命は「どのように病気と向き合い、どんな治療を選ぶか」を考えるための大切な判断材料です。 治療の選択肢は一つではありません。患者本人の価値観や希望を大切にしながら家族との気持ちをすり合わせ、納得できる方針を主治医と相談するようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。治療の選択肢について情報を集めたい方や、今後の方向性に悩んでいる方は、ひとつの相談先としてご活用ください。 大腸がんの余命についてよくある質問 大腸がんステージ4が完治することはある? 大腸がんステージ4は、一般的に根治が難しい段階です。ただし、早い段階から主治医と相談し、病状や希望に応じた治療を検討することで予後が良好となるケースもみられます。 また、早期に治療を行うことで症状の進行を抑え、生活の質(QOL)を維持しながら過ごせる期間を延ばせる可能性もあります。 大腸がんにならないための予防策は? 大腸がんの予防と早期発見には、定期的な「検診」と「生活習慣の改善」の両方が重要です。 年齢や家族歴に応じて、自治体が実施する大腸がん検診を定期的に受けましょう。もし異常が見つかった場合は、必ず大腸カメラによる精密検査を受けてください。 あわせて、栄養バランスの良い食事、節酒・禁煙、適度な運動習慣の実践なども、大腸がんのリスク低下に効果的です。これらを並行して行いましょう。 なお、大腸がんの検査については以下の記事にて詳しく解説しています。気になる方はこちらもあわせてご覧ください。 大腸がんになりやすい年代は? 大腸がんは加齢とともに発症リスクが高まる病気で、統計的には50代から80代前半まで罹患率が上昇し始めます。死亡率についても60代から増加し、それ以降の年代でも高くなる傾向があります。 50歳を過ぎたら自覚症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが大切です。もし気になる症状があれば、早めに消化器内科を受診してください。 大腸がんの進行速度と年齢の関係についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 参考文献 文献1 大腸がんのステージ(病期)について | 国立がん研究センター 中央病院 文献2 大腸がんファクトシート 2024 | Colorectal Cancer Factsheet 2024 | 国立がん研究センター 文献3 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版|大腸癌研究会 文献4 免疫療法 もっと詳しく:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] 文献5 Stage IV大腸癌の診療実態と予後|日本消化器外科学会雑誌 文献6 結腸・直腸癌肺転移における肺切除後予後予測因子に関する 臨床病理学的検討|日呼外会誌 文献7 「がん相談支援センター」とは:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
2026.01.26 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「健康診断を受けたら便潜血が陽性だった。精密検査はどんな内容なのだろう」 「大腸がんの検査では、どのようなことをするの?」 このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 大腸がんは、早期発見・治療により、治癒が見込まれる疾患です。そのためには、定期的な検査と、必要に応じた精密検査が欠かせません。 この記事では、大腸がんの主な検査方法やその流れ、費用の目安、受けるべきタイミングなどをわかりやすく解説します。大腸がん検査の全体像を把握することで、不安を払拭し、早期受診への一助となれば幸いです。 なお、当院リペアセルクリニックでは、がんの予防医療の観点から、公式LINEによるご相談も受け付けております。「将来的なリスク管理として相談先を確保したい」「最新の医療情報を定期的に得たい」とお考えの方はぜひご登録ください。 大腸がんの検査の種類 大腸がんの検査にはいくつかの種類があり、目的や方法、負担の大きさが異なります。代表的な検査方法は以下の通りです。 便潜血検査 直腸指診 大腸内視鏡検査 注腸X線検査 CT検査、MRI検査、超音波検査 PET検査 以下に詳しく解説します。 便潜血検査 会社の健康診断や人間ドックなどの集団検診で広く行われているのが、便潜血検査です。(文献1) 便潜血検査は、肉眼では確認できない微量な血液が便に混じっていないかを調査するものです。大腸がんやポリープなどの病変によるわずかな出血を捉え、病変の有無をスクリーニングします。 なお、便潜血検査には主に以下の2種類が存在します。 化学法 免疫法 日本で主流となっているのは、食事や服薬の制限のない「免疫法」です。痛みがなく、自宅での検体採取が可能な点が特徴です。 定期的に受けることで大腸がんによる死亡リスクを下げる効果が報告されており、最初のスクリーニング検査として有効といえます。(文献2) 直腸指診 直腸指診は、医師が指を挿入し、直腸および周囲のしこりや硬結(硬さ)等の異常を触診によって確認する検査です。(文献1)事前準備が不要かつ短時間で実施できるため、必要に応じて初期の診察時に取り入れられることがあります。(文献3) 直腸指診は肛門に近い直腸の病変を見つける目的で行われますが、検査の範囲は指の届く範囲に限られるため、大腸の奥のほうにある病変までは確認できません。 大腸内視鏡検査 症状があるときや、便潜血検査で陽性となったときは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でより詳しく調べます。 カメラのついた細い管を肛門から挿入し、大腸全体の粘膜を直接観察します。ポリープやがんがあればその場で切除したり、組織の一部を採取する「生検」を行って詳しく調べたりすることも可能です。(文献1) 検査前には下剤を服用した腸管洗浄を行い、大腸内を空にする前処置が必要です。 注腸X線検査 注腸X線検査は、大腸に造影剤(バリウム)を注入してX線撮影を行い、腸の形や狭くなっている部分、腫瘍の有無などを確認する検査です。 大腸の全体像を確認したい場合や、腹部の手術歴・大腸の状態などによって内視鏡が奥まで入りにくい場合などに選択されます。 ただし、凹凸の少ないがんや小さな病変は見つけにくい傾向があり、内視鏡のように検査をしながらの大腸の組織採取はできない点はデメリットです。 なお、正確な検査のためには、大腸内視鏡検査と同様に、事前に下剤を服用して大腸を空にする必要があります。(文献1) CT検査、MRI検査、超音波検査 CTやMRI、超音波検査といった画像検査は、大腸がんの正確な位置や周囲への広がりの程度を評価するために行われます。 これらの検査は、がんの「ステージ(病期)」を判定するために欠かせません。がんの深さや、リンパ節・他の臓器への転移の有無などを確認し、治療方針を決める上で重要な情報を得る役割を果たします。(文献1) PET検査 PET検査は、がん細胞がブドウ糖を活発に取り込む性質を利用し、全身のがんの広がりを一度に調べる画像検査です。「形」を見るCTやMRIと異なり、「がん細胞の活動性」を調べられる点がPET検査の特徴です。 一般的には、がんが疑われたあと、ステージ(病期)の分類や治療方針の決定、転移・再発の確認などに用いられます。 検査当日は、5〜6時間前から糖分を含む飲食物の摂取を控える必要があります。正確な検査の実施のためにも、医師や技師の指示を必ず守りましょう。(文献4) 大腸がんの検査にかかる費用の目安 大腸がんの検査費用は、保険診療の自己負担3割の場合で以下のとおりです。 検査 自己負担3割の場合の費用 便潜血検査 数百円 直腸指診 診察料に含まれる 大腸内視鏡検査 約6,000円 注腸X線検査 約5,000円 CT・MRI 約10,000円 超音波検査 約2,000円 PET検査 数万円(保険適用は限られる) ただし、実際にかかる費用は、医療機関の方針や検査内容、造影剤の使用の有無などによって変わります。 便潜血検査は自治体によるがん検診でも広く取り入れられており、保険適用にはならないものの0円~1,000円程度で受診できるケースが多く見られます。 補助を受けずに自主的に検診を受ける場合の費用は、1,000円~2,000円程度が目安です。具体的な検査費用は、受診前に医療機関へ確認しておきましょう。 大腸がんの検査の流れ 大腸がんの検査の一般的な進め方と所要時間は、以下の通りです。(文献1) ステップ 検査内容 所要時間 1 健康診断で便潜血検査を実施、または症状を医師に伝える 採便:数分(自宅で実施) 結果:数日〜1週間 2 便潜血が陽性、または症状がある場合は精密検査へ進む ・大腸内視鏡検査 ・注腸X線検査(大腸バリウム) ・大腸CT検査(CTコロノグラフィー) ・大腸内視鏡検査:10〜30分(※前処置含め半日程度) ・注腸X線検査(大腸バリウム):約15〜30分 ・大腸CT検査(CTコロノグラフィー):約10〜20分 3 大腸内視鏡検査で異常が確認されたらポリープ切除や生検を実施し、がんであるかの確定診断を行う ポリープ切除を含む大腸内視鏡検査:15〜30分 結果:1~2週間 4 CTや超音波検査によりがんの広がりやステージを確認、治療方針を決定する ・腹部CT検査:10〜30分 ・腹部超音波検査(エコー検査):10~15分 なお、それぞれの検査によって事前の準備や注意点、所要時間は異なるため、受診前には必ず医師や医療機関からの指示をよく確認しておきましょう。 大腸がんの検査を受けるタイミング 検査を受ける目安は、年齢や症状の有無などによって異なります。ここでは、以下のような代表的な目安を解説します。 40歳を超えたら1年に1回 健康診断で「要精密検査」となったとき 便に血が混じる、いつもと便が違うなどの症状が現れたとき 本章を参考に、ご自身の適切な受診タイミングをご検討ください。 40歳を超えたら1年に1回 日本のがん検診ガイドラインでは、40歳以上の成人に対して年に1回の便潜血検査が推奨されています。大腸がんは、早期の場合、自覚症状がないケースも多いため、定期的な検診が重要です。(文献5) 毎年の検査を習慣にすることで、早期発見による治癒率の向上が期待できます。 健康診断で「要精密検査」となったとき 健診や人間ドックで「要精密検査」や「便潜血陽性」といった判定を受けた場合は、速やかに医療機関を受診してください。 便潜血検査で陽性だった場合は、大腸内視鏡検査をはじめとする精密検査が必要です。(文献6)がん以外の要因で便に血が混じっている可能性もありますが、放置すると重大な病気を見逃す恐れがあります。 不安を放置せず、医学的な診断を得ることが精神的な安定にもつながるでしょう。 便に血が混じる、いつもと便が違うなどの症状が現れたとき 血便や排便時の出血、細くなった便など、便の様子に変化が見られるときは、早めの受診がすすめられます。また、便秘と下痢を繰り返す、腹痛、貧血気味などの症状も見逃せません。(文献1) このような変化は、大腸がんの症状のひとつでもあります。とくに40代以降でこうした症状が続く場合は、がんの有無にかかわらず、一度しっかりと検査を受けておくと安心です。 便の異常と大腸がんの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 大腸がん検査による早期発見の重要性 大腸がんは、早期発見によって治癒率を高められ、体への負担も最小限に抑えられます。本章では、大腸がんのステージ基準や早期発見できた場合の予後について解説します。 大腸がん検査で判定される進行度(ステージ)の基準 大腸がんの進行度は、「ステージ(病期)」と呼ばれる分類で判断されます。これは、がんの大きさや深さ、リンパ節や遠隔臓器への転移の有無によって決まるものです。(文献1) ステージ 状態 ステージ0 がんが粘膜の中にとどまっている ステージⅠ がんが大腸の壁にとどまっている ステージⅡ がんが大腸の壁の外まで広がっている ステージⅢ がんがリンパ節に転移している ステージⅣ 腹腔内でがん細胞が散らばる、あるいは広範囲への転移が認められる ステージの進行度に応じて、がんが腸の壁を越えて周囲に広がったり、他の臓器に転移したりするリスクが高まります。このステージ分類は、今後の治療方針を決める上でも重要な指標です。 大腸がんの進行速度については、以下の記事を参考にしてください。 検査で早期発見できれば予後は良好 大腸がんは、早期に見つかれば治る可能性の高いがんとされています。 下の表は、大腸がんのステージ別の5年生存率です。5年生存率とは、「がんと診断されてから5年後に生存している人の割合」を指します。(文献1) ステージ 5年生存率 ステージⅠ 92% ステージⅡ 84% ステージⅢ 65~81% ステージⅣ 21% がんを早期に発見することで、命にかかわるリスクを大きく減らせます。定期的に大腸がん検査を受診しましょう。 大腸がんは治療後も定期的な検査が必要 大腸がんは、治療が終わったあとも再発に注意が必要です。治療後も5年ほどは定期的な検査や経過観察が欠かせません。再発が見つかった場合は、再治療を行い治癒を目指します。(文献7) 治療が終わっても安心せず、医師の指示に従って定期検査を継続することが、長期的な健康維持につながります。 大腸がん検査を受けて早期発見・早期治療につなげよう 大腸がんは、早期の段階で見つかれば治療の選択肢も広がり、良好な経過が期待できる病気です。症状が出にくいがんでもあるため、定期的な検査を受けておくことが、健康を守る上で重要です。 とくに40歳を過ぎた方や、ご家族に大腸がんの既往がある方、便に異常を感じた方は、早めに医療機関での検査をご検討ください。 検査によって現在の状態を正確に把握することが、安心にもつながります。 当院では、大腸がんに関する相談を受け付けています。受診に関するご相談は、公式LINEからも受け付けておりますので、「検査について詳しく知りたい」「不安なことを気軽に相談したい」といった方は、お気軽にお問い合わせください。 大腸がんの検査に関するよくある質問 大腸がんの検査は何科を受診すれば良いですか? 大腸がんの検査を希望する場合は、「消化器科」や「胃腸科」「肛門科」といった専門の診療科を受診するのが一般的です。 受診先に迷う場合は、かかりつけの内科に相談するのも一つの選択肢です。必要に応じて、検査ができる専門機関を紹介してもらえる場合があります。 また、市区町村など自治体が実施しているがん検診を活用するのも良いでしょう。対象年齢や検査内容、費用の助成制度などが設けられている場合もあるため、お住まいの自治体の広報や保健センターの案内を確認してください。(文献8) 大腸がん検査でひっかかったらどうすれば良いですか? 健康診断や自治体のがん検診で便潜血検査が「陽性」と判定された場合は、できるだけ早めに精密検査を受けることが大切です。(文献6) 通常は、消化器内科や胃腸科などを受診し、大腸内視鏡検査を行う流れになります。内視鏡検査では、がんやポリープなどの異常があった場合、その場で組織を採取する「生検」や、必要に応じてポリープの切除を行うことも可能です。 検査後は、採取した組織を病理検査で詳しく調べた上で、数日後に結果が説明されます。 大腸がんとポリープの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版|大腸癌研究会 (文献2) 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024 年度版|国立がん研究センター がん対策研究所 (文献3) 1.大腸がん検診検査法のまとめ|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター (文献4) PET検査とは|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター (文献5) 「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2024年度版|国立がん研究センターがん対策研究所 (文献6) 大腸がん検査について|国立がん研究センター中央病院 (文献7) 大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療|がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター (文献8) 大腸がん検診|前橋市
2026.01.26 -
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「便に血が混じる」 「お腹の調子が悪い日が続いている」 「検診で要精密検査と言われた」 このような症状や検査結果に、不安を感じていませんか。 大腸がんは、日本人でもっとも罹患数が多いがんですが、早期に発見できれば治癒率が高いことが知られています。一方で、初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。 この記事では、大腸がんの主な症状や原因、検査方法、治療について解説します。 病院を受診すべきか迷っている方や検診結果を正しく理解したい方は、ぜひ参考にしてください。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 大腸がんについて気になることがある方は、お気軽にご登録ください。 大腸がんとは 大腸がんは、大腸の粘膜から発生するがんの総称です。(文献1) 大腸の壁は、内側から「粘膜」、「粘膜下層」、「固有筋層」、「漿膜(しょうまく)下層」、「漿膜」の5つの層でできており、がんは粘膜から発生して次第に深い層へと侵入していくのが特徴です。(文献1) がんの中でも新たに診断される頻度が高く、推計では全がんの中でもっとも罹患数が多い部位として大腸がんは報告されています。(文献2) ここでは、大腸がんの発生部位とその分類、進行度合によって判別されるステージ分類について解説します。 大腸がんの発生部位と分類 大腸は、長さ約1.5〜2mの臓器で「結腸」と「直腸」に分けられ、結腸はさらに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に細かく分かれます。(文献1) 発生した部位によってがんの呼び名は変わり、日本人の大腸がんの多くは「直腸がん」と「S状結腸がん」です。(文献1) 大腸がんは、その広がり方(深達度)によって「早期がん」と「進行がん」に分類されます。(文献3) 早期がん:がんが粘膜または粘膜下層にとどまっている状態 進行がん:がんが固有筋層に達している状態 また、顕微鏡で見たがん細胞の様子によっても細かく分けられ、その多くは「腺がん」と呼ばれる種類です。(文献1) 大腸がんのステージ(病期)分類 大腸がんの治療方針を決める上で、がんがどのくらい進行しているかを示す「ステージ(病期)」分類は重要な指標です。 ステージは、以下の3つの要素を組み合わせて総合的に判断されます。(文献4) T因子:がんの深さ(壁への広がり、深達度) N因子:リンパ節への転移の有無 M因子:他の臓器やがんができた場所から離れたリンパ節への転移(遠隔転移)の有無 これらをもとにステージ0からステージIVまでの5段階に分類されます。(文献4) ステージ T因子(がんの深さ) N因子(リンパ節転移) M因子(遠隔転移) がんの状態 0 Tis(粘膜内) なし なし 粘膜の一番浅い層にとどまっている Ⅰ T1、T2(粘膜下層~固有筋層) なし なし 粘膜下層または固有筋層まで達しているが、リンパ節転移はない Ⅱ T3、T4(漿膜下層~他臓器へ浸潤) なし なし 大腸の壁の外まで広がっている可能性があるが、リンパ節転移はない Ⅲ T1~T4(深さは問わない) あり なし がんの深さに関わらず、リンパ節への転移が認められる Ⅳ T1~T4(深さは問わない) N因子の有無は問わない あり 肝臓や肺など、大腸から離れた他の臓器への転移(遠隔転移)が認められる ステージによってがんの状態や適した治療は異なるため、正確な治療にはステージ診断が欠かせません。 大腸がんの症状 大腸がんの早期にはほとんど症状が出ない一方、進行すると血便や腹痛など、日常生活に影響する症状があらわれます。 とくに血便は大腸がんで頻度の高い症状でありながらも、痔などがん以外の疾患でも起こるため、「一時的なもの」と放置する方も少なくありません。(文献1) 大腸がんをできる限り早期に発見するためにも、気になる症状があれば早めの受診が推奨されます。本章では、初期症状の特徴と、進行に伴ってあらわれるサインを詳しく解説します。 自覚症状が少ない初期症状の特徴 粘膜内にとどまる0期のがんや、粘膜下層までの早期大腸がんの多くは無症状です。「症状がない自分が大腸がんになることはない」と考えて何も対策しないと、もしがんができていた際に発見が遅れる恐れがあります。 無症状のうちにがんを見つける唯一の方法は、市区町村や健康保険組合などでおこなわれる「がん検診」です。 検診でおこなわれる便潜血検査は、目には見えない微量の血液を検出でき、大腸がんの死亡率を減少させるといわれています。 日本では40歳以上の方に、症状がなくても1年に1回検診を受けることが推奨されています。(文献5) 進行に伴ってあらわれる症状 大腸がんが進行すると、出血や腸の通過障害によってさまざまな症状があらわれます。 自覚症状のなかで高頻度で現れるものが、血便や下血(肛門から血液が排出されること)です。(文献1)出血が慢性的に続くと貧血を起こし、めまいやふらつきなどを自覚する場合もあります。 また、がんが大きくなることで腸の内側の通り道(内腔)が狭くなると、便の通過が妨げられ、次のような症状がみられるようになります。(文献1) 便秘や下痢が続く 便が細くなる 便が残る感じがある おなかが張る さらに進行して腸が塞がると「腸閉塞」を起こし、便が出なくなったり、強い腹痛や嘔吐が出現したりすることもあります。このような症状があらわれた際は、早急な受診が必要です。(文献1) 大腸がんの原因 大腸がんの発生には、遺伝的要因と環境的要因、その他の要因が関与しています。(文献6)(文献7) 大腸がんの要因 具体例 環境的要因 ・肥満 ・加齢 ・過度の飲酒 ・喫煙 ・運動不足 ・高身長 ・赤肉(牛・豚・羊など)の過剰摂取 ・加工肉(ハム・ソーセージなど)の過剰摂取 遺伝的要因 ・家族性大腸腺腫症 ・リンチ症候群 その他の要因 ・炎症性腸疾患 大腸がんは誰にでも起こりうる疾患です。しかし、生活習慣の改善によってリスクを下げたり検診によって早期発見できたりもします。ご自身に当てはまる要因がないかを確かめ、必要に応じて医療機関で相談しましょう。 【関連記事】 大腸がんの原因は?なりやすい人の特徴や症状・検査・治療方法を解説 | リペアセルクリニック東京院 大腸がんと痔の血便や出血の違いとは?見分け方のポイントを解説 大腸がんの検査と診断 大腸がんが疑われる場合におこなう検査の種類と目的は、以下のとおりです。(文献8) 検査の種類 目的 直腸指診 直腸内のしこりや異常の有無を確認する 注腸造影検査 がんの位置や大きさ、形、腸の狭さを調べる 大腸内視鏡検査・生検 大腸全体を詳しく観察し、組織を採取して確定診断する CT検査・MRI検査・腹部超音波検査 周囲臓器への広がりや転移の有無を調べる PET検査 がんの活動性を調べる (他の検査で転移や再発が確定できないケースでおこなう) がん遺伝子検査 薬物療法の選択に役立てる 腫瘍マーカー検査 経過観察や治療効果の判定に用いる 大腸がんの診断は、大腸内視鏡検査で病変を確認し、生検(病理検査)で確定する流れが一般的です。(文献8) がんと確定したあとにCT検査やMRI検査などで、がんの広がりや転移の有無を調べ、治療方針を決めます。 大腸がんの治療に関しては以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。 大腸がんの治療法 大腸がんの治療には、内視鏡治療や外科治療(手術)、薬物療法、放射線治療など、さまざまな選択肢があります。(文献9) 治療の種類 適応・目的 内視鏡治療 がんが粘膜下層の浅部にとどまり(浸潤が1mm未満)、リンパ節転移の可能性が低い場合 外科治療(開腹・腹腔鏡・ロボット手術) 内視鏡治療が難しい場合に、がんとリンパ節を切除 薬物療法 薬を使用して手術後の再発予防や進行がんの治療をおこなう場合 免疫療法 特定の遺伝子検査で適応となった場合は、免疫チェックポイント阻害薬を使用 放射線治療 局所の進行抑制や痛み・嘔吐などのコントロール、直腸がんの術前治療 どの治療が推奨されるかは、がんの深さ(深達度)、転移や浸潤の有無、腹膜播種の有無などから総合的に判断して決定します。本章で、大腸がんの治療法について詳しくみていきましょう。 内視鏡治療 内視鏡治療は、がんが大腸の粘膜内や浅い層にとどまっている早期の場合におこなわれる治療法です。(文献9) 高周波メスや「スネア」と呼ばれる細いワイヤとカメラが一体となった大腸内視鏡を使って、大腸の内側から病変部を切除し、腹部を切らずに治療できる点が特徴です。 病理検査の結果、がんの広がりが浅くリンパ節転移のリスクが低いと判断された場合は、内視鏡治療のみで治療が完結するケースもあります。 一方で、切除後の結果によっては、追加の外科治療が必要になる場合もあります。(文献9) 外科治療(開腹・腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術) 外科治療は大腸がん治療の中心となる治療法で、がんを含む腸管と周囲のリンパ節を切除するいわゆる「手術」です。(文献9) 手術方法には、開腹手術や腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術があり、がんの進行度や患者の状態に応じて選択されます。 また、直腸がんの外科治療では、一時的もしくは永久的な「人工肛門(ストーマ)」を造るケースもあります。(文献9) 薬物療法 大腸がんの薬物療法は、手術後の再発予防や、大腸がんの進行・再発治療としておこなわれます。(文献9) 主に使用される薬は、以下のとおりです。(文献9) 種類 作用 細胞障害性抗がん薬 細胞が増える仕組みの一部を阻害して、がんを攻撃する薬 分子標的薬 がん細胞の増殖にかかわるタンパク質や特徴的な分子を狙って作用する薬 免疫チェックポイント阻害薬 免疫のブレーキを解除し、からだの免疫力でがんを攻撃しやすくする薬 薬物療法の内容は、がんの進行度や遺伝子検査の結果、全身状態などを考慮して決定されます。副作用の種類や程度には個人差があるため、体調の変化を医師に相談しながら治療を進めます。 免疫療法 免疫療法とは、患者自身の免疫機能を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。大腸がん治療における免疫療法は、先述の「免疫チェックポイント阻害薬」が用いられるため、薬物療法の一種ともいえます。(文献9) 免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫のブレーキをかける仕組みを解除し、免疫細胞が腫瘍を認識・攻撃しやすくする薬です。すべての大腸がん患者に適応されるわけではなく、がんの遺伝子検査の結果をもとに適応が判断されます。 例えば、DNAミスマッチ修復機能欠損(dMMR)や高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)といった分子的特徴があるタイプの大腸がんでは、一部の従来の標準的な薬物療法では十分な効果が得られにくいことがあります。このようなケースでは、免疫チェックポイント阻害薬が有効です。(文献9)(文献10) また、細胞培養技術を活用し、ご自身の免疫作用に着目した取り組み(再生医療)をおこなう場合もあります。大腸がんの治療として直接結びつくものは2025年12月時点で多くありませんが、再生医療は標準治療の代替ではなく、治療を受ける過程での体調管理や治療を助ける選択肢の一つとして検討されるものです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報提供に加え、簡易的なオンライン診断を実施しています。 大腸がん治療中の体調管理や、再生医療について気になる点がある方は、情報収集の一環として公式LINEをご活用ください。 放射線治療 放射線治療は、主に直腸がんで用いられる治療法です。(文献9)手術前におこなってがんを小さくする目的や、手術後の再発予防、症状を和らげる目的でおこなわれることがあります。 また、肝臓や肺、脳などへ転移したがんによる症状にも効果が期待できます。 放射線治療は、大腸がん全体では適応が限られますが、がんの位置や進行度によっては重要な選択肢です。放射線治療をおこなうかどうかは、手術や薬物療法との組み合わせを含めて総合的に判断されます。 大腸がんの早期発見には検診が必須 大腸がんは早期のうちに自覚症状がほぼないため、検診によって早期発見できるかが治療や予後に影響します。(文献5) 日本では40歳以上を対象に、便潜血検査と問診による大腸がん検診が市区町村単位で実施されています。 便潜血検査は目には見えない微量の血液を検出できる検査です。(文献5)検査は食事制限の必要もなく、2日間に分けて便を採取するだけで済み、からだへの負担がありません。 結果が「要精密検査」となった場合は必ず消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査を受けましょう。1回の検診ではがんが見つからないこともあるため、症状がなくても毎年検診を受けることが推奨されます。 大腸がんの予防法 大腸がんの予防には、がんのリスクを上げる日常生活における要因(環境的要因)の改善が重要です。(文献7) 禁煙する 過度な飲酒をひかえる バランスの良い食事をとる 適度に運動する 肥満を防ぐ 感染を予防する とくに運動は、大腸がんの予防に効果的です。食事では食物繊維やカルシウムの摂取を心がけ、赤肉や加工肉を過剰にとらないよう意識しましょう。(文献7) 大腸がんで気になる症状があれば消化器内科を受診しよう 大腸がんは、早期には自覚症状がほとんどなく、検診や検査によって初めて見つかることが多い病気です。 一方で、早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、からだへの負担を抑えた治療が可能になる場合もあります。 血便や便通の変化、おなかの張りなど、これまでと違う症状に気づいた場合は、自己判断せず消化器内科を受診しましょう。また、症状がなくても40歳を過ぎたら、定期的に大腸がん検診を受けることが早期発見につながります。 治療を検討する過程では、標準治療を理解した上で、自分に合った選択肢を知ることも大切です。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報提供に加え、簡易的なオンライン診断をおこなっています。治療や体調管理について情報を集めたい方は、選択肢を知る手段として公式LINEをご活用ください。 大腸がんに関するよくある質問 大腸がんの余命(生存率)はどのくらいですか? 大腸がんの予後は、発見時のステージによって異なります。大腸がんのステージごとの5年生存率(ネット・サバイバル:がんのみが死因となる状況)は、以下のとおりです。(文献11) ステージ ネット・サバイバル Ⅰ期 92.3% Ⅱ期 85.5% Ⅲ期 75.5% Ⅳ期 18.3% ステージⅠの大腸がんにおける5年後の生存率は90%以上であり、早期発見ができれば、治癒率も高い傾向といえるでしょう。 ただし、これらの数値はあくまで統計的なデータであり、実際の余命は個々の状態や治療への反応によって異なります。 大腸がんに気づいたきっかけは何が多いですか? 大腸がんに気づくきっかけは、早期がんと進行がんで異なります。早期がんは自覚症状がほとんどないため、検診でおこなう便潜血検査で発見されるケースが多く見られます。 一方、進行がんでは、以下のような症状などがきっかけで受診し、発見されることもあります。(文献1) 血便 下血 便の変化や残便感 おなかの張り 原因不明の貧血やめまい ただし、大腸がんに症状としてよく見られる「血便」は、痔をはじめとする良性の病気でも起こるため、受診して出血の原因を明らかにすることが重要です。気になる症状がある場合は自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 大腸がんの初期症状でおならに変化はありますか? 大腸がんの初期は、多くの場合で自覚症状がありません。初期のうちはおならに変化がないケースもあります。 ただし、がんが進行すると腸の内腔が狭くなってガスの通りが悪くなり、おならの回数や量が変化したり、おなかの張りを感じたりするケースもみられます。 おなかの張りや排便習慣の変化、血便などの症状が気になる場合は、自己判断せずに消化器内科を受診してください。 参考文献 文献1 大腸がん(結腸がん・直腸がん)について|がん情報サービス 文献2 最新がん統計|がん情報サービス 文献3 早期大腸がんの低侵襲な内視鏡治療 | 国立がん研究センター 中央病院 文献4 大腸がんのステージ(病期)について | 国立がん研究センター 中央病院 文献5 大腸がん検診について|がん情報サービス 文献6 大腸がんとは|国立がん研究センター 中央病院 文献7 大腸がん(結腸がん・直腸がん)予防・検診|がん情報サービス 文献8 大腸がん(結腸がん・直腸がん)検査|がん情報サービス 文献9 大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療|がん情報サービス 文献10 大腸癌治療ガイドライン医師用2022年版の改定ポイントとミスマッチ修復機能欠損大腸癌の話題|日本外科系連合学会誌 文献11 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|がん情報サービス
2026.01.26 -
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「いつも寒くなると血圧が上がる」 「なぜ寒いと血圧が上がるのだろう?」 「一度病院にかかる方が良いのだろうか?」 このような疑問や不安を抱えながら、寒い時期を過ごされている方も少なくありません。 寒くなると、もともと高血圧ではない方も血圧が上がりやすくなります。 しかし、寒い時期の血圧上昇を放置すると、思わぬ病気を引き起こすリスクがあります。主な例として挙げられるのは、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の疾患、そしてヒートショックです。 本記事では、寒くなると血圧が上がるメカニズムや医療機関受診が必要なサインなどについて解説します。ヒートショックの予防法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 寒い時期の血圧上昇について気になる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 寒いと血圧が上がる理由 寒いと血圧が上がる主な理由は、血管の収縮と自律神経の変化です。自律神経の変化とは、交感神経の活発化を指します。 寒さによる血管収縮と血圧上昇のメカニズム 寒いときには、体内からの熱放散を抑えるために、血管が収縮します。そのため皮膚への血流量が低下し、結果として体表面の温度も低下します。体表面と気温との差を小さくして、熱の放散を抑制するしくみです。(文献1) 末梢血管が収縮すると、血液がスムーズに流れにくくなります。血液をスムーズに流すため、動脈内の血液が血管壁を強く押します。これが血圧上昇のメカニズムです。(文献2) 寒さによる自律神経の変化と血圧への影響 寒い時期は交感神経が活発になり、以下のような現象が生じます。 血管の収縮 腎臓からのナトリウム排泄抑制に伴う体内の水分量増加 血液量増加 心拍数の増加 交感神経の活発化によるこれらの現象が、血圧を上昇させる因子です。 寒いと血圧はどのくらい上がるのか この章では、気温と血圧変動の関係と血圧が上がりやすい時間帯について解説します。 気温と血圧変動の関係 外国の論文においても、温かいところから寒いところに移動すると、収縮期血圧と拡張期血圧の両方が著しく上昇したとの報告があります。(文献3) イギリスでの研究では、リビングルームの温度が1℃低下すると、収縮期血圧が1.3mmHg、拡張期血圧が0.6mmHg上昇するとの結果が示されました。日本人高齢者15人を対象とした研究では、平均外気温が1℃低下すると、収縮期血圧が0.43mmHg、拡張期血圧が0.29mmHg上昇しました。(文献3) 血圧が上がりやすい時間帯と日常生活シーン 血圧が上がりやすい時間帯は早朝で、血圧上昇の要因は以下の通りです。 夜間高血圧:夜間に上昇した血圧が朝も維持されるもの モーニングサージ:早朝、起床前後に生じる一過性の血圧上昇 モーニングサージは、心筋梗塞や脳血管疾患との関連性が深いとされる現象です。 日常生活においては、あたたかいところから寒いところへ急に移動すると、血圧上昇のリスクがあります。 部屋があたたまっていないときにトイレに行く、薄着で外出する(ゴミ出しや散歩、雪かきなど)などの行動は避けましょう。 寒さで血圧が上がったときの受診サイン 寒さで血圧が上がった場合、医療機関受診が必要なケースがあります。主な受診サインは以下のとおりです。 高血圧とされる数値が続く場合 高血圧以外に自覚症状がある場合 高血圧とされる数値が続く場合 高血圧とは、繰り返し測っても血圧が正常より高い状況を指します。 日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン2019で示している、異なる測定法における高血圧基準値は以下のとおりです。(文献4) 測定法 収縮期血圧 拡張期血圧 診察室血圧 140mmHg以上 90mmHg以上 家庭血圧 135mmHg以上 85mmHg以上 自由行動下血圧 24時間 130mmHg以上 80mmHg以上 昼間 135mmHg以上 85mmHg以上 夜間 120mmHg以上 75mmHg以上 自由行動下血圧とは、24時間自動血圧計を装着して15〜30分間隔で行う血圧測定のことです。この間の日常生活は基本的に自由ですが、入浴や激しい運動は控えてください。 家庭血圧で高値が続く場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。高血圧を放置すると、脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気を発症する可能性があるためです。また、徐々に腎機能が低下して、人工透析を受ける可能性もあります。 血圧の正常値については、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 高血圧以外に自覚症状がある場合 高血圧に加えて以下のような症状がある場合も、医療機関を受診しましょう。 頭痛(とくに早朝) めまい 肩こり ふらつき 呼吸困難 足の冷え これらの症状は、高血圧の合併症である可能性が高いためです。 寒い時期における高血圧対策 寒い時期における主な高血圧対策としては、以下の4つがあげられます。 室温管理と防寒対策 塩分を控えたバランスの良い食事 適度な運動 家庭での定期的な血圧測定 高血圧の予防および改善については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 室温管理と防寒対策 あたたかいところから急に寒いところへ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。 冬は室温と外気の差が激しいため、温度差が5度以上開かないように対処しましょう。外出時は手袋やマフラー、帽子、マスクなどで防寒してください。 居間と浴室、居間と廊下、居間とトイレなどは、室内でも温度差が生じやすいため、寒い場所には暖房設備を整えると良いでしょう。 塩分を控えたバランスの良い食事 食塩の過剰摂取は、血圧上昇と深い関連があります。(文献4)食塩に含まれるナトリウムには、血圧を上げる作用があるためです。血圧が高めの方の場合、1日の食塩量の目標は6g未満です。 減塩食の工夫としては、以下のようなことがあげられます。 汁物を具だくさんにする 減塩しょうゆや減塩みそを使う ハムやソーセージといった加工食品を減らす 塩分の排出をうながすカリウムを積極的にとる カリウムは、緑黄色野菜や海藻類、豆類などに多く含まれます。 バランスの良い食事とは、主食(炭水化物)、主菜(タンパク質や脂質)、副菜(ビタミン、ミネラル)をまんべんなく取り入れたものです。 適度な運動 高血圧患者の生活習慣改善法の1つが、適度な運動です。身体を動かす時間を増やすと、血圧低下に加えて体重や体脂肪の減少などがみられます。(文献4)目安としては、1日30分程度です。(文献5) ウォーキングのような有酸素運動やストレッチ、スクワットのような筋トレなどを組み合わせて実施しましょう。 体調が悪いときや天候がよくないときは、運動を控えてください。 家庭での定期的な血圧測定 日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインにおいても、高血圧の判定は家庭血圧が診察室血圧よりも優先されています。(文献4) 家庭では、朝と夜、椅子に座った姿勢で血圧を測定し、血圧手帳に記録しておきましょう。体を動かしたあとは血圧が上がりやすいので1〜2分程度安静にしてから測るようにしてください。 家庭で血圧を測るときは、正確な数値が出やすいタイプがおすすめです。上腕(肘の上)にカフを巻くタイプを選びましょう。家庭で測定した血圧の記録は、病院受診時に必ず主治医へ見せてください。 寒さによる血圧上昇とヒートショックのリスク 寒さによる血圧上昇と関係が深い体調変化が、ヒートショックと呼ばれるものです。 本章では、ヒートショックの概要と予防について解説します。 温度差による血圧変動とヒートショック ヒートショックとは、温度差に伴う血圧変動により、心筋梗塞や脳梗塞といった血管の疾患を起こす現象です。(文献6) ヒートショックの可能性が高いのは、入浴時です。あたたかい室内では血圧が安定していますが、寒い脱衣所では血管の収縮により血圧が上昇します。浴室が寒い場合、さらに血圧が上昇します。その後熱めの浴槽に浸かると、血圧が低下してしまうのです。 ヒートショックの好発時期は、11月~2月頃です。 65歳以上の高齢者や、高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある方、肥満気味の方はヒートショックを起こしやすいとされています。 日常生活でのヒートショック予防法 日常生活でのヒートショック予防法としてあげられるものは、主に以下のとおりです 脱衣室と浴室をあたためる。 お湯の温度を41℃以下に設定する 入浴前に水分補給する 浴槽から出るときはゆっくりと立ち上がる 食事直後や飲酒後の入浴を控える 脱衣室と浴室をあたためる方法としては、脱衣室に暖房器具を設置したり、浴室にシャワーをかけてあたためたりするなどがあります。 寒いと血圧があがる理由を理解した上で高血圧対策を実践しよう 寒いと血圧が上がるメカニズムには、血管や自律神経が関係しています。室内と屋外の温度差は血圧上昇および、心筋梗塞や脳梗塞を発症する可能性を高める要因の1つです。 血圧上昇予防のためにも、室温管理と防寒対策を心がけましょう。 寒さで血圧が上がっている方は、自分でも気づかないうちに高血圧を発症している可能性があります。朝と夜、家庭で血圧を測り、自分が高血圧かどうかを理解しておきましょう。 寒さと血圧の関係で考えると、ヒートショックも危険です。とくに入浴時は、室内と浴室、脱衣室の温度差を少なくするように工夫するように心がけましょう。 高血圧によって引き起こされる脳梗塞の後遺症改善や再発予防を目的とした治療法として、再生医療という選択肢があります。脳梗塞に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 当院リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高血圧に関してお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 寒いと血圧が上がることに関するよくある質問 足が冷えると血圧が上がるのですか? 血圧の変動は足元からの高さによって異なるとの研究結果があります。(文献7) 室内で高さ1.1mの部分の室温が10℃下がると、血圧が5mmHg上昇しました。高さ0.1mの部分の室温が高いと血圧が9mmHg上昇したとの結果も出ています。 室温が適温でも、足元が冷えていると血管が収縮し、末梢に血液を送る心臓の負担が増えるために血圧が上がる仕組みです。 寒い部屋での血圧測定は良くありませんか? 寒い部屋での血圧を測ると、血圧が高くなりやすくなります。そのため、正確な血圧かどうかわかりにくい状況です。 血圧を測るときは、少なくとも室温を20℃以上に設定しましょう。 参考文献 (文献1) 寒冷下におけるヒトの体温調節と運動時低体温症の発症メカニズム|新潟医療福祉会誌 (文献2) 血圧の生理学|動物の循環器 (文献3) Winter Hypertension: Potential mechanisms|PubMed Central (文献4) 高血圧治療ガイドライン2019|日本高血圧学会 (文献5) 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子高血圧の話|日本高血圧学会ほか (文献6) 冬場に多発‼温度差で起こるヒートショック|社会福祉法人恩賜財団済生会 (文献7) 第19回「足元のひえにご注意!気温感受性高血圧とは?」~気温と血圧、循環器病の関係~|公益財団法人日本心臓財団
2025.12.13 -
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「圧迫骨折が治ったあとに痛みが取れないのはなぜ?」 「痛みが取れないのはどんな後遺症?」 結論、胸椎や腰椎などの圧迫骨折では、痛みの慢性化やしびれなどの神経症状が後遺症として発生することがあります。 その原因はさまざまなので、原因に応じた治療を行うことが重要です。 本記事では、圧迫骨折の後遺症による痛みの原因について詳しく解説します。 痛みの原因とその治療方法を理解するために役立ててください。 また、圧迫骨折の痛みに関するお悩みを今すぐ解消したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \骨折の後遺症に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症にも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 3ヶ月以上続く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みだけでなく、しびれや脱力感がある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は、圧迫骨折の長引く痛みだけでなく、後遺症による神経症状(しびれなど)にも有効です。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 圧迫骨折の後遺症による痛みについて 圧迫骨折が治っても、後遺症として痛みが現れることがあります。(文献1)後遺症として痛みが現れる原因は、円背(えんぱい:背中が丸くなる)や偽関節(ぎかんせつ:骨がくっついていない状態)など、人によりさまざまです。 痛みが続くと、家事や社会活動、娯楽などあらゆる日常生活の動作の妨げになります。その結果、身体機能だけでなく、生活の質まで低下してしまいます。こうした悪化を防ぐためにも、痛みの原因に応じた適切な治療を行うことが大切です。 圧迫骨折後に痛みが取れない5つの原因 圧迫骨折後に痛みが取れない主な5つの原因は以下の通りです。 円背が起きている 骨が正常にくっついていない 筋肉が硬くなっている 痛み信号が誤って脳に送られている ストレスや不安を感じている それぞれの詳細を解説します。 1.円背が起きている 圧迫骨折が起きると、椎体(ついたい:背骨を構成する円柱の骨のこと)が潰れて円背になってしまうことがあります。円背は重症になると、神経が圧迫されて以下のような症状が現れます。 下肢の痛み しびれ 筋力の低下 尿失禁 歩行障害 骨粗鬆症による椎体圧迫骨折が原因の円背は、胃や食道の逆流現象や膀胱直腸障害(排尿や排便のコントロールが難しくなる状態)などを引き起こすことがあります。(文献2)これらの症状は、日常生活の動作を低下させる大きな要因になってしまいます。 2.骨が正常にくっついていない 圧迫骨折後に、骨癒合(こつゆごう:骨がくっつくこと)が得られず、偽関節という状態になることがあります。とくに高齢者は偽関節になりやすい傾向です。(文献4)圧迫骨折において、偽関節の状態になってしまうと以下のような症状が現れます。 慢性的な痛み 下肢の麻痺 歩行障害 偽関節のままリハビリテーションをしてしまうと、かえって運動能力が低下する恐れがあるため推奨できません。リハビリテーションの前に適切な治療を受けることが大切です。 3.筋肉が硬くなっている 圧迫骨折では、長期間の安静による動きの制限や痛みによる不自然な姿勢によって筋肉が硬直し、痛みが長引くことがあります。(文献1)筋肉が硬くなると、関節の可動域も制限されてしまいます。その結果、日常生活の動作に悪影響を及ぼします。 4.痛み信号が誤って脳に送られている 圧迫骨折が治ったあとも、中枢神経(脳から全身に指令を送る神経)が痛みの信号を誤って送り続けてしまうことがあります。(文献1)また、骨折中に大量の痛み信号を送り続けていた結果、痛みに対して、過敏になっている場合もあります。 このような痛みは、神経痛と呼ばれ、痛み止めなどが効きづらいのが特徴です。神経痛は早期から治療を始めると、多くの場合は予防できるとされています。 「骨折の治癒後1カ月以上痛みが続いている」「痛みの種類が変わってきた」という場合は、神経痛を疑い一度医師に相談しましょう。 5.ストレスや不安を感じている ストレスや不安、抑うつなど心理的な要因により痛みが長引くこともあります。(文献1)そもそも骨折による痛みそのものがストレスを増大させるため、適切な痛みの管理が必要です。 また、圧迫骨折を含む外傷の痛みによるストレスは、以下のようなさまざまな有害事象を引き起こすリスクもあります。 血圧上昇 不整脈 高血糖 免疫機能の低下 消化器機能の低下 治療中の痛みのケアはもちろん、不安や抑うつ気分を解消して、ストレスの軽減を図る必要があります。 圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法 圧迫骨折の後遺症の痛みに対しては、原因に応じた治療を行わなければなりません。 ここからは、圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法を原因別で解説します。 円背の場合 円背がある場合は、保存療法と手術療法が検討されます。 保存療法の内容は、痛み止めの処方やコルセットによる矯正、リハビリテーションなどです。 リハビリテーションでは、腹部をへこませて体幹を鍛えるドローインなどの体幹トレーニングを行います。ドローインは、腰回りの筋肉を鍛えて体幹を安定させることで、腰の痛みの改善が期待できます。 下肢の痛みやしびれなどの神経症状が現れている場合は、手術を検討しなければなりません。(文献3) 円背の状況に沿った手術が検討されますが、代表的な方法は以下の通りです。 手術方法 詳細 椎体形成術 潰れてしまった椎体に風船を入れて膨らませる。風船を取り出して空いたスペースにセメントを入れて椎体を形成する。 後方・後側方固定術 スクリューを用いて脊椎を安定させる方法。椎体形成術のみでは、固定が弱い場合または骨が脆弱である場合に行われる。 また、円背の神経圧迫による痛みには、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、長引く痛みや神経損傷の後遺症にも改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く圧迫骨折の痛みを早く治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 偽関節の場合 偽関節の場合も保存療法や手術療法が検討されます。偽関節に対する保存療法は、偽関節の周囲に仮骨ができるまで、長期間硬いコルセットを装着する方法です。そのため、患者様は長期間の辛抱強い協力が不可欠です。 手術においては、円背と同様に椎体形成術が検討されます。痛みの他に遅発性麻痺(骨折後しばらくしてから現れる麻痺)が現れている場合は、セメントの代わりにハイドロキシアパタイト(骨の原料になる素材)を椎体内に入れて、さらにスクリューで固定する方法を行うこともあります。 その他 その他の痛みの原因に対しては、それぞれ以下のような治療方法を検討します。 原因 治療方法 詳細 筋肉の硬直・痛み信号の誤送信 神経ブロック注射 痛みの原因となっている周辺に局所麻酔の注射をして、痛みを緩和させる方法。一時的に痛み信号を遮断して、血流や筋肉の硬直が改善する。 ストレスや不安 薬物療法 抗うつ薬や抗てんかん薬により神経を整えることで痛みを軽減させる。 カウンセリング 感情的な側面の理解を通して痛みを軽減させる。 認知行動療法 痛みの捉え方や行動を修正して痛みを軽減させる。 まとめ|適切な治療やリハビリを受けて痛みを軽減しよう 圧迫骨折で痛みが取れない場合、円背や偽関節による後遺症として痛みが生じている可能性があります。 後遺症による痛みを改善させるには、保存療法、手術療法、ブロック注射など、痛みの原因に合わせた治療が必要です。 痛みの状況や症状をできるだけ正確に医師に伝えて、適切な治療やリハビリテーションを受けましょう。 圧迫後遺症による痛みやしびれを早く治したい方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症の改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みやしびれなどの後遺症に悩まされている 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 「具体的な治療法を知りたい」「圧迫骨折の後遺症を早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 参考文献 (文献1) 滋賀医大病院ニュースTOPICS|滋賀医科大学医学部附属病院ホームページ (文献2) 脊椎圧迫骨折は円背をもたらす|厚生労働科学研究成果データベース (文献3) 成人脊柱変形|昭和学士雑誌 (文献4) 骨粗鬆症性椎体骨折(偽関節)|福島県立医科大学
2025.07.31 -
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更年期に入ってから「肩こりがひどくなった」と感じる方は少なくありません。 これは主に、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れ、筋肉の血流が悪化することが原因と考えられています。 さらに、姿勢の悪さや運動不足、ストレスなども症状を悪化させる一因です。 しかし、肩こりの根本的な原因を正しく理解し、自宅でのケアや医療機関での治療を適切に組み合わせれば、快適な日常を取り戻すことも可能です。 本記事では、更年期の肩こりが起こるメカニズムから自宅でできるケア方法、病院での治療法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ひどい肩こりの症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期で肩こりがひどくなるのはなぜ?メカニズムを解説 更年期に肩こりが悪化するのは、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れるのが主な原因です。 エストロゲンには自律神経を安定させる働きがありますが、更年期に入るとホルモンの分泌量が大きく減少します。 その結果、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血管の収縮や筋肉の緊張が続きやすくなるのです。 とくに、肩や首まわりの筋肉が緊張すると血行不良が起こり、肩こりが慢性化する可能性があります。 また、加齢による筋力低下やストレスが蓄積すると、肩こりがさらに強まることも少なくありません。 更年期の肩こりは、ホルモンと神経系の変化が深く関わってひどくなるメカニズムである点を押さえておきましょう。 更年期の肩こりが起こる7つの原因 更年期に差しかかると、肩こりを訴える女性が増加します。 単なる疲労や年齢の影響だけでなく、ホルモンバランスの変化や生活習慣、自律神経の乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み、肩こりになりやすい時期なのです。 ここでは、更年期に特有の肩こりの原因を7つに分類し、それぞれ詳しく解説します。 血流の悪化 更年期になると血流の巡りが悪くなり、肩の筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。 血行不良が老廃物の蓄積や筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの症状を悪化させる原因となるのです。 さらに、冷えやすい体質も血流に悪影響を及ぼします。 血流不足が続くと肩や首の筋肉が硬直し、慢性化した痛みへと進行する恐れもあるため注意しなければなりません。 エストロゲンの減少 更年期に入って卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 ホルモンは血管の拡張や筋肉の柔軟性の維持に深く関与しており、不足すると筋肉が硬くなりやすく、肩こりの原因となるのです。 また、骨密度や関節の状態にも影響し、身体の可動域が狭くなりやすい傾向があります。 肩こりがホルモンの変動が原因の場合、単なるマッサージでは改善しにくい点も懸念材料です。 自律神経の乱れ 更年期の肩こりは、自律神経の乱れも原因の一つです。 エストロゲンが減少して自律神経のバランスが崩れると、交感神経が過剰に優位になって血管の収縮や筋肉の緊張が起こります。 その結果、血流の悪化と相まって肩周辺の筋肉がこわばり、肩こりを引き起こしやすくなります。 また、不眠や倦怠感といった他の更年期症状と肩こりが互いに影響し合うこともあるため、体と心の両方からケアしていくことが大切です。 姿勢の悪さ 日常生活における姿勢の悪さも、更年期の肩こりを悪化させる要因となります。 たとえば、長時間のスマートフォンの使用やパソコン作業により、猫背や前傾姿勢が癖になっていると肩甲骨周辺の筋肉が常に引っ張られた状態になってしまうのです。 姿勢の悪い状態を続けると筋肉の緊張で血流が妨げられ、肩こりが慢性化します。 とくに、更年期は筋肉量の低下も重なって姿勢を支える力が弱まっているため、肩こりを感じやすくなる傾向がある点に留意しておきましょう。 ストレス 更年期は体調の変化に加え、仕事や家庭での役割の変化、将来への不安など精神的ストレスが増す時期です。 ストレスが蓄積すると交感神経が活性化し、筋肉が硬直しやすくなります。 さらに、ストレスによって不眠や疲労感が増幅されて筋肉の回復が妨げられると、肩こりが慢性化しやすくなるのです。 リラクゼーションや趣味の時間を確保し、ストレス緩和と肩こりの軽減につなげていく意識が大切です。 心のケアが、体の不調と深く結びついている点を認識しておきましょう。 運動不足 加齢とともに運動量が減ると、肩こりが起こりやすくなるため注意が必要です。 運動不足になると筋肉量の減少と柔軟性の低下が進み、血流も悪化します。 とくに肩周りの筋肉は使わないと硬くなりやすく、日常の動作だけでも疲労しやすくなるのです。 また、筋肉が弱ると正しい姿勢を維持できなくなり、肩こりを引き起こす要因になります。 定期的なストレッチや軽い運動を習慣化し、肩こり予防につなげていきましょう。 ひどい肩こりは病気の可能性も 慢性的に肩こりが続き、以下のような症状がある場合には他の疾患が関与している可能性があります。 痛みが強い 頭痛や吐き気を伴う 手のしびれがある たとえば、頸椎症や椎間板ヘルニア、高血圧や内臓疾患などが肩こりの原因となるケースもあるため要注意です。 とくに、更年期は体調が変化しやすいため「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 更年期の肩こりを和らげる自宅ケア方法・治し方 更年期に入ると肩こりが慢性化し、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 医療機関での治療も大切ですが、日常的なセルフケアによって症状を和らげることも十分可能です。 ここでは、自宅で簡単に取り組める更年期の肩こり対策を紹介します。 ツボ押し 肩こりに効くツボを刺激することで、血流を促進し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 正しい位置と押し方を確認した上で、毎日の習慣に取り入れてみましょう。 肩こり解消に適した主なツボには、以下のようなものがあります。 肩井(けんせい):首の根元と肩先との真ん中にあるツボ 天柱(てんちゅう):髪の毛の生え際付近で、首の太い骨の外側にあるツボ (文献1) 指の腹でゆっくりと5秒間押すのを数回繰り返すことで、心地良い刺激となって肩まわりの筋肉がほぐれやすくなります。 ただし、強く押しすぎると逆効果になるため、心地良いと感じる程度の力加減がツボ押しのポイントです。 十分な睡眠 十分な睡眠は自律神経を整え、筋肉の回復を促すために不可欠です。 とくに、更年期にはホルモンの変化によって不眠や眠りの質が低下しやすいため、以下のような対策を心がけましょう。 就寝前1時間はスマートフォンを見ない 寝室を暗く静かに保つ 毎日同じ時間に寝起きする 睡眠中は筋肉が緩んで血流も改善されるため、質の高い睡眠は肩こりの軽減に直結します。 また、十分な睡眠は肩こりの軽減だけでなく、全身の健康維持にも重要です。 ぬるま湯で入浴 38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると、自律神経のバランスを整えやすくなります。 入浴によって体温が上がると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなるのです。 以下のポイントを意識して実践してみましょう。 15〜20分程度の半身浴 入浴剤を使用してリラックス効果をアップ また、就寝前に入浴すると入眠しやすくなる効果もあるため、睡眠の質向上にもつながります。 患部を温める 肩こりの原因が肩まわりの血行不良である場合、外から温めると症状が改善するケースがあります。 温めることで局所の血行が促進され、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 とくに、冷房の効いた環境に長時間いると肩が冷えやすくなるため、温熱ケアは積極的に取り入れたい肩こり対策の一つです。 以下のような方法を試してみましょう。 蒸しタオルや温熱シートを使って肩を温める 冬場はカイロや温熱パッドを活用してしっかり温める ただし、炎症を伴うような強い痛みや熱を持っている場合は、温めると逆効果になる点に留意しておきましょう。 ストレッチ 肩まわりの筋肉をやさしく動かすストレッチは、肩こりの予防と解消に効果が期待できます。 なかでも、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチを試してみてください。 手順は以下の通りです。 1.両ひじを曲げて肩より上に上げ、手は軽く握って鎖骨のあたりに置いて腕がV字になるようにする 2.両ひじをゆっくりと後ろに引き、5秒かけて息を吐く。ひじの位置はできるだけ下げないように注意し、肩甲骨を背骨に向かって寄せる意識で強めに引き寄せる 3.肩甲骨を寄せたまま「ひじを下げてから脱力する」を5回繰り返す (文献2) 起床時と就寝時に5回ずつ、上記の肩甲骨ストレッチを習慣にしてみましょう。デスクワークの合間などに行うのもおすすめです。 ただし、無理な動きは避け、心地よく感じる範囲でストレッチしてください。 入浴後など、身体が温まっている時間帯に行うと効果を高められます。 生活習慣の見直し 日常生活の中で、肩こりの原因となる習慣を見直す意識も大切です。 とくに、更年期に入ると日々の体調が変化しやすくなるため、規則正しい生活リズムを心がけましょう。 たとえば、以下のような点に注意してください。 長時間同じ姿勢を避け、1時間に一度は体を動かす スマートフォンやパソコンの画面を目線の高さに合わせる バランスの良い食事を心がける また、カフェインやアルコールの摂取を控えると、自律神経を安定させる効果が期待できます。 これらの生活習慣の改善は、肩こりの軽減だけでなく全身の健康維持にもつながります。 更年期の肩こりの治療法 更年期の肩こりは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが主な原因であり、症状が長引く場合は医療機関での適切な治療が必要です。 ここでは、更年期の肩こりに対する代表的な治療法を2つ紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを補う治療法です。 エストロゲンの補充によって自律神経のバランスを整え、肩こりや腰痛の緩和を目指します。(文献3) ただし、更年期障害の中でも重い症状に対して実施される治療法であり、副作用のリスクがある点に注意が必要です。 持病がある場合には、医師の診察と管理のもとで慎重に治療を行う必要があります。 漢方療法 漢方療法は、全身のバランスを整えることを目的とした治療法です。 多種多様な漢方の中から個々の体質や症状に合わせて処方され、肩こりや腰痛だけでなく疲れやすさや冷え、不眠といった更年期特有のさまざまな症状の軽減を目指します。 漢方は副作用が比較的少ないため、長期的な体調改善を目的とする方におすすめです。 また、西洋医学との併用も可能で、症状に合わせて柔軟な治療が行える点もメリットです。 更年期の肩こりだけでなく、腰痛にもお悩みの方は以下の記事もご覧ください。 まとめ|更年期に肩こりが悪化しやすい原因を理解して改善に取り組もう 更年期に肩こりが悪化しやすいのは、エストロゲンの急激な減少による自律神経の乱れや血流の悪化が主な要因です。 また、姿勢の悪さや運動不足、ストレスの蓄積なども複合的に影響しています。 肩こりの原因を正しく理解し、自宅でできるケアや生活習慣の見直しから無理なく始めてみてください。 改善が見られない場合は、ホルモン補充療法や漢方治療といった医療的なアプローチの検討も重要です。 早めの対策と継続的なケアで、更年期の肩こりを無理なく和らげていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っております。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録してぜひ一度ご利用ください。 参考文献 (文献1) 肩こりの解消法③ かんたんなツボ押し|大原薬品 (文献2) 肩こりにおすすめ!肩甲骨ストレッチ|沢井製薬 (文献3) 更年期相談室|更年期の症状!肩こりや腰痛、背中の痛みの原因と対策
2025.07.31 -
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「最近、心臓がドキドキする回数が増えた」「急に息苦しくなり、不安を感じるときがある」 このような不調が増えたなら、更年期のホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。 更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少により、自律神経の働きが不安定になりやすく、不整脈や動悸などの症状が現れる場合があるのです。 本記事では、更年期に起こる不整脈や動悸の原因から、症状、診断方法、予防・対処法までわかりやすく解説します。 とくに、心と体の不調を抱える更年期世代の方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期と不整脈の関係性 更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 エストロゲンが減ると自律神経のバランスが乱れ、動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状が現れやすくなるのです。 ただし、更年期だからといって誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります。 また、不整脈の症状は更年期障害によるものだけでなく、心疾患など他の病気が原因の可能性もあるため、自己判断せず医療機関での正確な診断が重要です。 更年期に起きる動悸の症状 更年期における動悸の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった不快感として現れます。 日常生活の中で突然出現し、数秒から数分で収まる場合が多いのが特徴です。 動悸に伴って、息切れや胸の圧迫感、不安感を同時に感じるケースもあります。 とくに安静時や夜間に起こりやすく、寝つきが悪くなる原因になる場合も少なくありません。 動悸の頻度や持続時間には個人差がありますが、継続的に「何もしていないのに心臓が急に速くなる」と感じる場合は注意が必要です。 自律神経のバランスの乱れが原因で心拍調整がうまくいかなくなっている可能性があり、早期に医療機関で検査・診断を受けましょう。 脈が飛ぶ不整脈「期外収縮」とは 「期外収縮」とは、心臓が通常よりも早く1回だけ拍動し、そのあとに一拍の休止が生じる不整脈を指します。 脈が一瞬抜けたように感じられるのが特徴です。(文献1) 正常な心拍に混じって突然早い拍動が起こり、その後に長めの休止が生じるため、脈が一瞬抜けたように感じられます。 多くの場合、健康な人にも見られる良性の不整脈であり、一時的であれば治療の必要はありません。 しかし、更年期の女性はホルモンバランスの変化や自律神経の不調が関与し、頻度が増す場合があります。 また、胸の違和感や不安感を伴う場合は心臓疾患の可能性があるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期に起こりやすい不整脈・動悸・息切れの原因 更年期に見られる不整脈、動悸、息切れの主な原因は、エストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れです。 エストロゲンは心血管系の安定にも関与しており、減少すると交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心拍の変動を引き起こしやすくなります。 また、次のような要因も症状を悪化させる要素です。 ストレスや不安:更年期には心理的な影響を受けやすく、緊張や不安が心拍数を上昇させる 睡眠障害:ホルモン変動によって睡眠の質が低下し、夜間の動悸や不整脈の発生リスクが高まる 体力の低下や運動不足:筋力や心肺機能の低下が息切れや動悸を助長する原因となる カフェインやアルコールの摂取:刺激物の影響で心拍が不規則になる 上記の要因は単独でも症状を引き起こしますが、複数が重なると症状が強く現れる場合があります また、更年期には血圧の変動が激しくなる傾向もあり、血圧の急激な上昇や下降が息切れの原因となる点にも留意しておきましょう。 症状が慢性化する前に生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。 更年期に起こりやすい不整脈の診断・治療 更年期に起こる不整脈の診断では症状の詳細な問診に加え、心電図やホルター心電図(24時間心電図)などの検査を行います。(文献2) 不整脈の種類や頻度、持続時間を確認し、危険性の有無を評価するのが目的です。 必要に応じて血液検査や心エコー検査も追加され、心疾患や甲状腺機能異常など他の疾患との区別も行われます。 治療は不整脈の種類や症状の重さによって異なり、軽度であれば経過観察やストレス管理、規則正しい生活、適度な運動といった生活習慣の改善が中心です。 重症で日常生活に支障をきたす場合は、抗不整脈薬などの薬物療法が行われます。 いずれにしても不整脈が気になるなら、深刻な状態になる前に医療機関で適切な診断を受けましょう。 更年期の不整脈による動悸・息切れの対処法・予防法 更年期における不整脈や動悸、息切れの症状は、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 症状に応じた適切な対処法を知り、予防につなげていく意識が大切です。 ここでは、代表的な対処・予防法を解説します。 ホルモン補充療法 更年期の不整脈がエストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れが原因と判断されると、ホルモン補充療法(HRT)が提案される場合があります。 ホルモン補充療法とは、更年期症状の改善を目的とした治療の一つです。(文献3) 飲み薬や貼り薬、塗り薬などの方法があり、身体の状態に合わせて選択されます。 ただし、副作用として不正出血・乳腺の張り・頭痛、さらに子宮体がんや乳がん、血栓症のリスクがあるため定期的な検診が必要です。 リスクを十分に把握した上で、医師に相談しながら検討しましょう。 漢方薬 漢方薬は、体質や症状に応じて処方される自然由来の治療法です。 副作用が比較的少なく、子宮体がんや乳がんなどの持病があってホルモン補充療法が難しい方や、軽症の方の選択肢の一つとなります。 漢方は全身のバランスを整えることを目的としており、体質や症状に応じて処方されるため、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や眠気などさまざまな更年期の不調に対して用いられる場合があります。 生活習慣を見直す 更年期中のストレス・疲労・睡眠不足は、不整脈による動悸・息切れの症状を悪化させる恐れがあります。 不整脈の負担を減らすべく、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。 食事:バランスの良い食事を1日3食摂り、イソフラボンやビタミンE・C・食物繊維の摂取を意識する 睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠・起床を心掛ける ストレス管理:趣味やリラックス時間を確保し、精神的負荷を減らす 上記のような生活習慣が自律神経を安定させる基盤となり、軽微な動悸・息切れの症状悪化を防ぐことにつながります。 無理のない範囲で、家族の協力も得ながら実践していきましょう。 運動する 有酸素運動は心肺機能を高めて血行を促進し、自律神経の調整にも効果が期待できます。 ウォーキング・サイクリング・水中運動などを週に3~5回、各30分程度だけでも続けてみましょう。 また、運動は生活習慣病予防や体力維持にもつながります。 無理のない範囲で日常的に取り入れてみましょう。 飲酒や喫煙を控える アルコールは中性脂肪やコレステロールを増やし、タバコは動脈硬化を進行させます。 微小血管の機能低下を招き、動悸や息切れ、胸痛などを悪化させる可能性があるため控えるべきです。 また、飲酒と喫煙は自律神経に刺激を与え、とくにタバコは血管の収縮を促進し、心臓への負担を大きくします。 更年期の不整脈による動悸・息切れを悪化させる原因にもなるため、控えましょう。 こんな症状があったら要注意|更年期の不整脈セルフチェック 更年期の不整脈や動悸・息切れが気になる場合、自覚症状の客観的な把握が重要となります。 自己チェックの方法の一つが、「簡略更年期指数(SMI)」です。 更年期障害の症状を点数化するチェック表で、動悸や息切れを含む10項目に対して自己評価を行います。 症状 強 中 弱 なし 顔がほてる 10 6 3 0 汗をかきやすい 10 6 3 0 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0 息切れ・動悸がする 12 8 4 0 寝つきが悪い・眠りが浅い 14 9 5 0 起こりやすく、イライラする 12 8 4 0 くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0 頭痛・めまい・吐き気がよくある 7 5 3 0 疲れやすい 7 4 2 0 肩こり・腰痛・手足の痛みがある 7 5 3 0 症状の程度に応じて自分で〇をつけ、点数を計算しましょう。 症状の強弱の目安は以下の通りです。 強:毎日のように出現 中:毎週みられる 弱:症状として強くはないがある 合計点を以下と照らし合わせ、医療機関を受診する際の目安にしてください。 0~25点:上手に更年期を過ごしており、これまでの生活態度を続けていきましょう 26~50点:食事や運動に注意しながら、無理のない生活を心掛けましょう 51~65点:医師の診察を受け、生活指導・カウンセリング・薬物療法を受けましょう 66~80点:半年以上長期間の計画的な治療が必要な状態でしょう 81~100点:精密検査を受け、更年期障害のみの場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう (文献4) ただし、簡略更年期指数はあくまで目安です。 点数が50点以下の場合でも、具合が悪いときは医療機関を受診してください。 まとめ|更年期の不整脈による動悸を予防しよう 更年期に見られる不整脈や動悸は多くの場合、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れに起因しています。 突然の胸のドキドキや脈の乱れが起こると不安になりますが、早期に対処すれば日常生活に大きな影響もなく過ごすことも可能です。 症状が続く場合には、婦人科や循環器科で検査・診断を受けましょう。 更年期の動悸は体からのサインです。 放置せず、自身の身体と向き合いながら適切なケアを心がけてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断が受けられます。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度ご利用ください。 更年期の動悸や不整脈に関するよくある質問 更年期の不整脈が気になる場合は何科を受診すれば良いですか? 更年期に不整脈や動悸が気になる場合は、まず「婦人科」でホルモンバランスを確認します。 ただし、症状が軽度であれば婦人科で問題ありませんが、胸痛や強い動悸がある場合は心疾患の可能性もあるため「循環器内科」を受診しましょう。 更年期の動悸はどれくらい続きますか? 動悸の持続期間は個人差があるため一概にいえないものの、2~3年以上続く場合もあります。(文献5) エストロゲンの変動が大きい50歳前後の更年期に動悸が起こりやすいですが、60歳を過ぎても持続するケースがある点に留意しておきましょう。 一般的には、更年期の終わりとともに軽快する傾向があるとされています。 症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師機関を受診してください。 動悸が治らないときはどうすれば良いですか? 動悸が継続する場合は、まず医療機関で精密検査を受けましょう。 心電図やホルター心電図により、心臓由来の異常かどうかが判断されます。 心疾患でない場合は更年期障害として判断され、ホルモン補充療法や漢方薬による対処法が一般的です。 また、生活習慣の見直しも重要になります。 男性にも更年期障害はあるのですか? 男性にも、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる更年期障害が起こる場合があります。 男性ホルモンであるテストステロンの分泌低下により、疲労感や抑うつ、不眠、性機能低下などが現れるのが特徴です。 症状が気になる場合は、泌尿器科または男性更年期に詳しいクリニックに相談しましょう。 参考文献 (文献1) 「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も。受診の目安は?|家庭画報.com (文献2) 不整脈の診断・治療|キタ・クリニック (文献3) ホルモン療法とは?更年期対策でやるべき3つの理由|更年期相談室 (文献4) 簡略更年期指数PDF|東京大学医学部附属病院 (文献5) 更年期の動悸や息切れの原因、対処法。症状セルフチェック法や不整脈など他の病気との違いも丁寧に解説。|白金高輪海老根ウィメンズクリニック
2025.07.31 -
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更年期に入ると、突然視界にチカチカとした光が現れたり、ギザギザした模様が見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」に不安を感じる方が少なくありません。 一時的な視覚異常であるケースが多いものの、女性ホルモンの急激な変化や脳・眼の病気が隠れている場合もあります。 とくに、40代〜60代の女性はホルモンバランスの乱れが血管や神経に影響を与えやすく、閃輝暗点を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。 本記事では、更年期における閃輝暗点の原因・症状・治療法・予防法に加え、誤認しやすい他の疾患や注意点について詳しく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 閃輝暗点と更年期の関係性 突然視界にギザギザした光が現れる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と更年期の関係において、現在のところ明確な医学的根拠は確認されていません。 しかしながら、更年期に入っている50代女性に閃輝暗点の発症が見られる傾向がある、という報告もあります。(文献1) ホルモンバランスの変化や血管の収縮・拡張が影響している可能性があり、体調の変化として注意が必要です。 症状が続く場合は、医師に相談することを推奨します。 更年期の方が閃輝暗点を発症する原因 更年期に入ると体の変化によってさまざまな症状が起こり、閃輝暗点による視覚異常を経験する人も少なくありません。 更年期と閃輝暗点に医学的な因果関係は示されていませんが、更年期の女性に多く見られる傾向があることから、いくつかの要因が影響していると考えられています。 ここでは、脳の血管の収縮・拡張、ストレス、食生活の観点から閃輝暗点の原因を解説します。 閃輝暗点の初期症状や治療法など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】閃輝暗点とは|放置によるリスクから初期症状・治療法まで詳しく解説」をご覧ください。 脳の血管の収縮・拡張 閃輝暗点は、視覚をつかさどる脳の後頭葉で一時的に血流が乱れることによって生じると考えられています。 この血流の乱れの背景には、脳の血管が急激に収縮したあと、反動的に拡張するという変化があります。 こうした血管の変動が、視覚情報を処理する神経細胞に一時的な興奮を引き起こし、視界にチカチカとした光やギザギザ模様が現れるのです。 とくに更年期の女性においては、エストロゲンの分泌が急激に低下することによって血管の柔軟性が失われやすくなり、自律神経による血流調整も不安定になりがちです。 そのため、血管の収縮や拡張が起こりやすくなり、結果として閃輝暗点が発生しやすい状態になると考えられています。 このように、ホルモン変動や自律神経の乱れといった体の変化が血管の不安定さを招き、閃輝暗点の原因となる可能性があります。 ストレス 更年期はホルモンバランスの変化だけでなく、仕事や家庭の環境の変化とも重なるケースが多く、精神的なストレスが蓄積しやすい時期でもあります。 ストレスが自律神経を介して血管の収縮や拡張を促進し、結果的に閃輝暗点の原因となる可能性があるため注意しなければなりません。 また、慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与え、閃輝暗点を繰り返し発症するリスクを高めると考えられています。 更年期に入ってから視覚に異常を感じるようになった場合、日常生活において精神的な負荷がかかっていないか振り返る習慣も大切です。 食生活 日々の食生活も閃輝暗点の発症と深く関係しているとされています。 たとえば、チーズや赤ワイン、チョコレートなどに含まれるチラミンやフェニルエチルアミンなどの物質は血管を刺激する作用があり、発作の引き金となる可能性があるとされているのです。 また、更年期の女性はカルシウムやマグネシウムが不足する傾向があり、神経伝達や筋肉の収縮に影響を及ぼす可能性が指摘されています。 さらに、基礎代謝の低下によって血糖値の変動も不安定になりがちです。 とくに、高血糖になると脳の血管にダメージを与えやすく、閃輝暗点のリスクが高まります。 バランスの取れた食事を心がけ、急激な血糖値の変化を避ける意識を心がけましょう。 閃輝暗点の症状 閃輝暗点は、突然視界にギザギザとした光や模様が現れる視覚異常です。 視野の中心や端にチカチカとした光が現れ、暗点や視界の欠けが生じる場合があります。 多くは20~30分で自然に消失しますが、人によっては日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。 閃輝暗点の見え方については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。 片頭痛との関連性 閃輝暗点は、片頭痛と深い関わりがあることが知られています。 「前兆のある片頭痛(片頭痛の前に視覚異常が起きるタイプ)」では、閃輝暗点が典型的な前兆症状として出現します。 閃輝暗点の後に、脈に合わせてズキンズキンと激しい頭痛が続くのが特徴です。 ただし、すべての閃輝暗点が片頭痛を伴うわけではありません。 視覚症状だけが単独で現れるケースもあり、とくに更年期以降の女性に多く見られます。 また、月経周期との関連も報告されており、女性ホルモンの変動が神経系に影響を与えている可能性もあるため、発症したら早期に診断を受けましょう。(文献2) 閃輝暗点を放置するとどうなるのか 閃輝暗点そのものは一時的な症状であり、重篤な疾患ではないと考えられがちです。 ただし、繰り返し発症する、頻度が増すといった場合には、脳の血流異常や神経系の障害が進行している可能性も否定できません。 また、一過性脳虚血発作などの視覚異常を起こす他の疾患との鑑別も重要になります。(文献3) とくに高血圧や動脈硬化などの既往がある場合は、脳血管障害の前兆の可能性もあるため注意が必要です。 症状が繰り返される、あるいはこれまでにない状態で出現した場合には、放置せず専門医を受診しましょう。 閃輝暗点の治療法 閃輝暗点の症状は一時的で自然に消失するケースが多いため、ほとんどの場合で特別な治療を必要としません。 しかし、症状が繰り返し現れる、あるいは日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と対処が必要です。 閃輝暗点が片頭痛と関連しているなら、医師の診察のもとで鎮痛剤や制吐剤などを処方される場合があります。(文献4) また、睡眠の質やストレス管理、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、発作のリスクを減らせる可能性があります。 はじめて閃輝暗点を経験したり、これまでと異なる症状が出現したりした場合は自己判断で済ませず、「脳神経内科」または「脳神経外科」を受診しましょう。 MRIやCTなどの画像診断で脳の異常を確認できれば、重篤な疾患の早期発見にもつながります。 閃輝暗点の予防法 閃輝暗点の予防には、生活習慣の見直しが必要です。 とくに、更年期の女性はホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、徹底した体調管理が求められます。 たとえば、以下のような生活習慣を取り入れてみましょう。 規則正しい睡眠と十分な休養を確保する リラックスできる環境を整える バランスの良い食生活を心がける 長時間のパソコン作業や強い光の刺激を避ける 適度に運動する まず、規則正しい生活を送ることが基本です。 睡眠不足や過度な疲労、急な気温変化などが発症の引き金となるため、十分な休息と体調管理が欠かせません。 また、ストレスも大きな要因の一つであり、過度の緊張や精神的負荷は自律神経のバランスを崩し、発作を誘発しやすくします。 適度な運動や趣味の時間を持つなど、ストレスを溜め込まないように工夫をこらしましょう。 さらに、食事の内容にも注意が必要です。 たとえば、チョコレートやアルコール、コーヒーのカフェインなどは血管を刺激する物質を含むため、摂取を控えたほうが良いとされています。(文献5) 更年期の方が閃輝暗点と誤解しやすい目の病気 更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって身体や精神面にさまざまな症状が現れやすくなります。 突然視界に光が見えたり、欠けて見えたりといった目に関する現象は閃輝暗点として認識される場合が多いですが、実際には他の病気が原因であるケースも少なくありません。 見た目の症状が似ているからと自己判断で済ませてしまうと、重大な疾患を見逃す可能性があるため注意しましょう。 ここでは、閃輝暗点と誤認されやすい代表的な疾患について、それぞれの特徴を解説します。 網膜剥離 網膜剥離は、眼球内の網膜がはがれることで視野に異常が現れる病気です。 放置すれば失明に至る危険もある緊急性の高い疾患であり、視界に突然光が走るほかに、黒い影が出現する「光視症」や「飛蚊症」が前兆として現れる場合があります。(文献6) 閃輝暗点の視覚の異常が突然はじまる症状に類似していますが、網膜剥離は時間とともに悪化する傾向があり、視野の欠損が拡大するため注意が必要です。 視野に異常が続く場合はすぐに眼科を受診しましょう。 頭蓋内疾患 更年期以降は、脳の病気との鑑別も重要です。 脳腫瘍や脳動脈瘤、一過性脳虚血発作などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)を発症すると、視覚異常が現れる場合があります。 とくに、片側だけの視野障害や持続的な頭痛を伴う場合は頭蓋内疾患の可能性があり、見逃せません。 発症年齢や既往歴からもリスクが高いと判断される場合には、脳神経内科や脳神経外科を早急に受診してください。 飛蚊症 飛蚊症(ひぶんしょう)は視界に浮遊物が見える症状で、閃輝暗点のような光の刺激は少なく、黒い影や点が動いて見えるのが特徴です。 多くは加齢に伴う生理的変化によるものですが、病気が原因のケースもあります。 突然症状が現れたり、数が急増したりする場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前兆の恐れもあるため要注意です。 光視症 光視症(こうししょう)は、視界に閃光や稲妻のような光が見える症状です。 閃輝暗点と同じく光が見える症状では似ていますが、光視症は数秒から数分と比較的短時間で消える傾向があります。 ただし、網膜裂孔や網膜剥離の前兆のケースもあるため、決して軽視できません。(文献3) 片眼だけに生じる場合が多く、症状が繰り返されるなら精密検査を受けましょう。 まとめ|更年期の閃輝暗点を放置しないように注意 更年期は心身にさまざまな変化が生じやすく、閃輝暗点のような視覚異常が現れるケースも少なくありません。 一見すると軽い症状に見えても、脳や目の病気が隠れている可能性があるため、安易に自己判断せず適切な医療機関で診断を受けましょう。 症状を繰り返す、長引く、不安を感じるといった場合は、脳神経内科や眼科での受診を検討してください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、ぜひ一度ご利用ください。 更年期の方の閃輝暗点に関するよくある質問 閃輝暗点は女性ホルモンと関係ありますか? 閃輝暗点は、女性ホルモンやエストロゲンの変動と関係があるとされ、月経や更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすい傾向があります。 ホルモンの乱れによって脳内の血流や神経伝達に影響が及ぶと、閃輝暗点が現れるきっかけとなる可能性があるのです。 40代・50代・60代で閃輝暗点を発症し、頭痛なしのケースはありますか? 閃輝暗点は、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。 40代以降の女性の場合、視覚異常のみが現れて頭痛を伴わないケースがあります。 ただし、閃輝暗点は加齢や更年期による神経・血管の変化が影響しているため、頭痛がないからといって安心せず、症状が繰り返される場合は医師の診察が必要です。 閃輝暗点を発症した人の脳梗塞になる確率は? 閃輝暗点自体が、脳梗塞を直接引き起こす原因になるとの医学的根拠は現在のところありません。 ただし、閃輝暗点を持つ人に脳梗塞が見つかった症例もわずかながら報告されています。(文献7) とくに、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある方は注意が必要です。 また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆の可能性もあるため、繰り返す場合は早めに受診してください。 閃輝暗点の発症に、即効性のある治し方はありますか? 閃輝暗点に即効性のある治し方はなく、症状自体に直接作用する特効薬もありません。 発症した際には、以下のような対処法が症状の軽減につながる可能性があるので、試してみましょう。 目を閉じて安静にする 暗い場所で休む 水分を摂る 強い光やストレス、疲労を避ける なお、片頭痛を伴う閃輝暗点の場合は、症状を緩和させる薬物を処方されるケースがあります。 閃輝暗点と肩こり・首こりは関係ありますか? 肩こりや首こりによる血流障害や筋肉の緊張が、脳への血流を不安定にして閃輝暗点の引き金になる場合があります。 とくに、長時間のデスクワークや下を向く姿勢でスマートフォンを使用し続けると、症状が悪化する恐れがあるため気を付けましょう。 正しい姿勢を保つように意識するほか、適度なストレッチで首や肩の緊張をほぐすと予防につながるので試してください。 参考文献 (文献1) 閃輝暗点と更年期障害の関連性|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 (文献2) 急に視界の一部が見えない:閃輝暗点の原因・症状・対処法|溜池山王 伊藤眼科 (文献3) 閃輝暗点|医療法人脳神経外科たかせクリニック (文献4) 閃輝暗点(せんきあんてん)とは?概要・原因・治療法・予防方法を紹介|わかさ生活 (文献5) 目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説|医療法人社団慶月会 経堂こうづき眼科 (文献6) 網膜剥離|公益財団法人日本眼科学会 (文献7) 閃輝暗点が脳梗塞である確率|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
2025.07.31







