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「最近お酒の量が増えている」「健康診断で肝機能の数値が悪い」そんな方は、アルコール性肝硬変のリスクがあるかもしれません。 アルコール性肝硬変は、長年の大量飲酒が肝細胞を繰り返し傷つけることで、組織が線維化・硬化していく進行性の疾患です。 初期は自覚症状が乏しいものの、進行すると倦怠感・むくみ・腹水・黄疸などの症状が現れ、最終的には肝不全や肝がんへ進行するリスクもある深刻な疾患です。 飲酒習慣があり肝硬変が心配な方に向けて、本記事ではアルコール性肝硬変の原因・症状から治療法・予防法まで、分かりやすく解説します。 また進行してしまった肝硬変に対しては、再生医療という治療方法があります。 アルコール性肝硬変に対する \再生医療という選択肢/ アルコール性肝硬変に対して既存の治療で改善が難しい場合、 再生医療が新たな選択肢となることがあります。 再生医療とは、ご自身の細胞(幹細胞など)を用いて、傷ついた肝臓の機能回復や組織修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても倦怠感・むくみ・腹部の張りが改善しない 利尿剤や禁酒療法を続けても肝機能数値が下がらない 薬の副作用がつらい・これ以上薬を増やしたくない 肝移植以外の選択肢を探している 慢性的な倦怠感・黄疸・腹水で日常生活・仕事に支障が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 治療法については以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=Dc0ftyAzLoASrI5o 「禁酒・投薬を続けているのに改善の実感が乏しい」という方は、まずは当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。 アルコール性肝硬変の改善を目指すなら、まずは無料相談! アルコール性肝硬変とは? 日頃から多くお酒を飲む方の場合、アルコール性肝硬変のリスクに注意する必要があります。 アルコール性肝硬変の特徴は以下のとおりです。 長期間の飲酒による肝臓疾患で症状が進んだもの 前段階としてアルコール性肝炎がある アルコール以外で発症する肝硬変との違い 肝硬変について詳しくは以下の記事をご参照ください。 長期間の飲酒による肝臓疾患で症状が進んだ状態 アルコール性肝硬変とは、肝硬変のうち5年以上の長期間にわたる大量の飲酒によって肝臓が硬くなる疾患を指します。お酒に含まれるアルコールには「アセトアルデヒド」と呼ばれる有害物質があり、通常は肝臓で分解された後に体外に排出される仕組みです。 しかし、普段から大量のお酒を飲んでいる場合は、肝臓でアセトアルデヒドが分解しきれずに蓄積します。このアセトアルデヒドが肝細胞を傷つけて破壊すると、傷ついた部分は硬い組織(線維)に置き換わります。この硬化が肝臓全体に広がった状態が肝硬変です。 なお、日本では肝硬変の原因としてアルコール摂取が最も多いことを示す研究結果もあります。(文献1) 前段階としてアルコール性肝炎がある アルコール性肝硬変は、普段の大量の飲酒がきっかけで短期的に発生するわけではありません。日頃からの過剰な飲酒でアルコールを体内に多く摂取すると、肝臓で代謝するなかで中性脂肪が蓄積されます。この中性脂肪が肝臓に溜まった状態が「アルコール性脂肪肝」です。 アルコール性脂肪肝ができてもアルコールの摂取量を減らさない場合、中性脂肪の蓄積がさらに進んでアルコール性肝炎へと発展します。このアルコール性肝炎がより重篤になった疾患がアルコール性肝硬変です。 アルコール性肝炎には、肝細胞の膨張や黄疸、腹痛などの症状が見られます。詳細は以下の記事を参考にしてください。 アルコール以外で発症する肝硬変との違い 肝硬変にはアルコール以外で発症する、「非アルコール性肝硬変」と呼ばれるものもあります。アルコール性肝硬変と非アルコール性肝硬変との違いは、「発症の原因がアルコールかそれ以外か」です。 非アルコール性肝硬変の場合、以下の原因が挙げられます。 肥満や糖尿病などの生活習慣病 B型・C型肝炎ウイルスによる感染 自己免疫疾患 薬剤や有害物質 これらのアルコール以外の要因で肝臓疾患になり、その症状が進行して肝硬変になったものが、「非アルコール性肝硬変」に分類されます。 アルコール性肝硬変の原因 アルコール性肝硬変は、主に長期に及ぶ大量のアルコール摂取が原因です。摂取したアルコールを分解する際に発生するアセトアルデヒドが継続的に肝臓を傷つけることで、肝細胞が損傷・破壊されます。肝細胞の破壊が進むと、肝臓内で硬い部分が広がって肝機能が衰え、肝炎や肝硬変などの症状に発展します。 なお、「長期に及ぶ大量のアルコール摂取」の目安は、男性で1日60g以上、女性で1日40g以上のアルコールを10年以上に渡り摂取している状態です。また、上記の目安に達していなくても短期間で大量飲酒を繰り返す場合も、アルコール性肝硬変のリスクがあります。 ほかにも生活習慣病や遺伝的要因を抱えている状態で、大量にアルコールを摂取する生活を続けている方も注意が必要です。 アルコール性肝硬変の症状 アルコール性肝硬変の症状には、次のようなものが見られます。 肝機能やアルコール分解能力の低下 黄疸(おうだん) 腹水 吐血 肝臓がんを発症するケースも 命に関わる症状もあるため、事前に知識を深めておくことが大切です。 肝機能やアルコール分解能力の低下 アルコール性肝硬変になると、肝臓の働きが悪くなり、アルコールを分解する能力も落ちます。これは、お酒に含まれる有害物質(アセトアルデヒド)が肝臓の細胞を傷つけて壊すためです。毎日お酒を飲み過ぎると、肝臓の細胞が傷つき、最終的には肝臓の線維化が進み硬くなります。 肝機能やアルコール分解能力の低下が続けば、肝臓に中性脂肪が溜まるようになります。この状態が続くと、アルコール性肝炎を起こし、さらに進行するとアルコール性肝硬変になります。 アンモニア臭が発生する アルコール性肝硬変になった人は、アンモニア臭を発生させることがあります。 食事を通じて体内に取り込まれたアンモニアは、本来であれば肝臓で無毒化された上で、尿として排出されます。しかし、肝硬変になった人は肝機能が衰えているため、アンモニアの解毒作用がはたらきません。その結果、残留したアンモニアが血管内に流出し、吐き出す息にもアンモニアのにおいが伴います。 なお、血液中のアンモニア濃度の上昇が脳に影響し、肝性脳症による意識障害を引き起こすケースもあります。 黄疸(おうだん) 黄疸(おうだん)、この黄色に染めるものの正体は、赤血球に含まれるビリルビンです。 赤血球は古くなると肝臓に送られて分解されます。その際に赤血球に含まれるビリルビンも、胆汁とともに排出されます。 しかし、肝機能が低下するとビリルビンがうまく排出されず、血液中に増えてしまいます。そのため、皮膚や目の白い部分が黄色く染まってしまうのです。 腹水 腹水とは、胃などのお腹周りの臓器と、それらを包む膜の間に広がる腹腔に水が溜まる症状を指します。そして腹水も、アルコール性肝硬変がある程度進んだ場合に見られる症状です。 体内の水分バランスは、肝臓で作られる「アルブミン」というたんぱく質が調整しています。しかし、アルコール性肝硬変が進行するとアルブミンの生成量が減り、血管内の水分が腹腔へと流れ出て腹水になります。 なお、腹水が膨らむと呼吸困難のような重篤な状態になるケースもあります。 吐血 吐血もアルコール性肝硬変で見られる症状です。 アルコール性肝硬変では肝臓に向かう血管が狭くなったり閉塞したりするため、血流が低下します。加えて、行き場を失った血液は食道の静脈へと向かうため、圧力がかかり食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)という血管の瘤(こぶ)ができます。 アルコール性肝硬変による吐血は、多くの場合、この食道静脈瘤がいきみや咳などの刺激で破裂することで起こります。 肝臓がんを発症するケースも アルコール性肝硬変になった場合、肝臓がんを発症することもあります。肝硬変から肝臓がんになるのは、肝細胞が損傷と再生を繰り返す過程で、突然変異によってがん細胞に変化するためです。 肝臓がんを発症すると、肺やリンパ節など他の臓器に転移する場合があります。また、他の臓器のがんが肝臓に転移してくるケースもある点にも注意が必要です。 アルコール性肝硬変の末期症状は?余命はどの程度? アルコール性肝硬変が末期になると、肝臓が著しく縮小し、肝機能は大幅に低下します。加えて、腹水による呼吸困難や吐血、肝性脳症による昏睡のリスクが高まるため、非常に危険な状態です。 末期症状とともに気にされることの多い余命については、医学的な重症度分類に基づいた研究では、症状が重度まで進んだ肝硬変患者の3年後も生存している割合は約31%と報告されています。(文献2) ただし、実際の経過は患者様の年齢、他の病気の有無、治療への反応などにより大きく異なります。また、適切な治療を継続し、禁酒を徹底することで病気の進行を遅らせることが期待できるため、諦めずに治療を続けることが大切です。 アルコール性肝硬変の診断方法 アルコール性肝硬変の早期発見・治療には、適切な診断が重要です。 主な診断方法として、以下があります。 飲酒歴や生活習慣の聞き取り 血液検査 腹部超音波検査・画像診断 肝生検 医師は患者さんの症状や状態に応じて、これらの診断方法を選択して検査を行います。 飲酒歴や生活習慣の聞き取り アルコール性肝硬変について診断する際は、医師が飲酒歴や生活習慣を聞き取ります。飲酒歴の場合、以下の項目を尋ねるのが一般的です。 お酒を飲んでいる年数 週に飲む日数 1日に飲む量 アルコール濃度 お酒の種類 アルコール性肝硬変かどうかは、5年以上にわたって1日に60g以上(女性は40g以上)の純アルコールを摂取しているかが基準とされます。ただし肥満が見られる人については、摂取量が基準に満たない場合でもアルコール性肝硬変を疑われます。 なお、飲酒歴は本人だけでなく、家族からも聴取します。加えてアルコール依存症の有無も確認される項目です。 飲酒以外にも、普段の食事や運動の状況・体重の変化・服薬の有無・健康状態も問診します。健康状態については、黄疸など明確な症状の有無のほか、倦怠感や食欲不振など本人が感じている症状も聞きます。 血液検査 血液検査では、肝機能を示すASTやALTなどの指標を調べます。アルコール性肝硬変が疑われる場合、これらの数値が異常値を示すことが多く、診断の重要な手がかりとなります。 なお、会社や自治体の健康診断で肝機能の異常が見つかった場合は、その結果を医師に持参して詳しい検査を受けることが大切です。 腹部超音波検査・画像診断 血液検査で異常が見られた場合、より精密な検査として腹部超音波検査や画像診断が必要です。 腹部超音波検査は超音波を使って肝臓の状況を確認します。肝臓のサイズや表面の凹凸の状態、脂肪の蓄積具合などを見ることで、肝臓の線維化の程度や病気の進行度を調べる方法です。 腹部超音波検査とともに、振動波で肝臓の硬さをチェックする手段もよく用いられます。振動波は硬い物体ほど速く伝わるため、その原理を利用した装置で肝硬変の進み具合を見ます。 画像診断は実際の肝臓の状態を直接目で確認できる手段で、MRIやCTによる方法が一般的です。基本的にはこれらの装置を使った方法と、今までの血液検査や問診の結果を総合して最終的な診断を下します。 肝生検 アルコール性肝硬変の診断には、肝生検と呼ばれる方法を用いるケースもあります。肝臓組織の一部を切り取った上で、顕微鏡で観察して病状を確認する方法です。 ただし、すでに説明した超音波などによる検査や画像診断が主流になってきている上に、出血や感染症などの合併症のリスクがあることから、必要性が高いときにのみ実施されます。 アルコール性肝硬変の治療法 アルコール性肝硬変の主な治療法は以下のとおりです。 【最重要】断酒 栄養療法・食事療法 薬物治療 アルコール依存症の治療 肝移植 再生医療 アルコール性肝硬変の治療法について知り、本格的な治療に臨みましょう。 断酒 アルコール性肝硬変の治療においては、お酒を全く飲まない「断酒」が重要です。症状が出ている中で飲酒を続けた場合、アセトアルデヒドによる肝細胞の損傷・破壊や、脂肪の蓄積が進みます。その結果、肝硬変の症状が悪化するため、命の危機に直面する可能性もあります。 アルコール性肝硬変の治療を始めるのであれば、すぐに断酒しましょう。 栄養療法・食事療法 肝機能の回復には十分な栄養補給が必要ですが、アルコール性肝硬変の方は長期の飲酒により、栄養状態が悪化していることが多くあります。そのため、食事内容の見直しが必要です。 医師の指導を受けながら、主食・主菜・副菜で構成される、栄養バランスを考慮した献立で食事をとりましょう。エネルギーやたんぱく質の不足を克服するためにも、高エネルギー・高たんぱく質のメニューにします。 たんぱく質は肉だけでなく魚介類や大豆類などでバランスよくとることが大切です。加えて、野菜や果物などからのビタミンや食物繊維の摂取もポイントに挙げられます。ただしどんなに体に良い栄養素でも、食べ過ぎは禁物です。 一方で、腹水の症状がある方は、塩分や水分を制限します。塩分や水分を多く摂取すると、腹腔に腹水が多く溜まるためです。とくに塩分は1日5~7g以内が推奨されます。(文献3) 薬物治療 薬物治療では、アルコール性肝硬変の症状緩和や合併症の管理を目的として薬剤が用いられます。ただし、肝機能が低下している状態では、薬物の代謝も困難になるため、使用する薬や量は慎重に選択されます。 具体的には、腹水に対して利尿剤、肝細胞の保護には肝保護薬(ウルソデオキシコール酸など)、肝性脳症に対してはラクツロースなどが使用されます。 アルコール性肝硬変の治療で薬物は、あくまでも補助的な意味合いで使われるものと理解すると良いでしょう。 アルコール依存症の治療 アルコール性肝硬変を発症する方には、アルコール依存症にかかっている方も多くいます。生活上の不安や不満などをお酒の力を借りて紛らわそうとするあまり、お酒が手放せない状態になってしまう状態です。 アルコール自体も中毒性を伴う物質であるため、依存症まで発症すると自力での断酒は困難です。そのため、治療を進める中で精神科や心療内科の専門医のカウンセリングを受ける必要があります。 肝移植 断酒や食事療法などによる治療が難しい場合は、肝移植を検討します。肝移植は70歳※までの健康な成人の肝臓の一部を移植する方法です。※日本肝臓学会の基準。施設により異なる場合があります。 移植された肝臓の一部は、高い再生能力で元の形状や大きさに戻ります。 アルコール性肝硬変の治療では、本人が一定期間継続して断酒しているなどの条件を満たすことが欠かせません。加えて自身の体に合う肝臓があることも重要です。 ほかにも移植しなかった場合の余命の長さも、肝移植するかどうかの判断材料になります。肝移植は、ほかの内科的治療では改善が困難な場合に検討されます。 再生医療 近年では、アルコール性肝硬変をはじめとする肝臓疾患に対して、再生医療という新たな選択肢が注目されています。 再生医療とは、患者様ご自身の細胞を活用し、傷ついた肝臓の組織修復や肝機能の改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても倦怠感・むくみ・腹部の張りが改善しない 利尿剤や禁酒療法を続けても肝機能数値が下がらない 薬の副作用がつらい・これ以上薬を増やしたくない 肝移植以外の選択肢を探している 慢性的な倦怠感・黄疸・腹水で日常生活・仕事に支障が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 投与された幹細胞は血流を通じて弱った肝臓へ届き、炎症の鎮静化や線維化した組織の修復、肝機能改善が期待されます。 また従来の治療では、生活習慣の改善や薬物療法によって進行を抑えることが中心でしたが、再生医療は肝臓そのものの修復を目指すアプローチが期待できます。 「肝硬変の進行が不安」「今の治療だけでよいのか迷っている」「肝機能の改善を目指したい」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 アルコール性肝硬変の改善を目指すなら、まずは無料相談! 実際の肝硬変に対する再生医療の治療例については、当院の症例をご覧ください。 アルコール性肝硬変の予防法 アルコール性肝硬変は予防可能な疾患です。 症状が現れる前の早期対策が重要で、主に以下の方法で予防できます。 適量の飲酒・禁酒 栄養バランスのとれた食事 定期健診 発症して厄介な事態になる前に、これらの予防法で早めに対策しましょう。 適量の飲酒・禁酒 アルコール性肝硬変の予防には、適量の飲酒や禁酒への意識が大切です。お酒とうまく付き合いつつ、アルコール性肝硬変も予防するには、お酒の適正量を知っておくと役に立ちます。 お酒の適正量は厚生労働省によると、純アルコールを1日約20gに留めるのが目安です。これはビールであればアルコール度数5%で中瓶1本500ml、清酒であれば15%で1合(180ml)に相当します。(文献4) 肝機能に特別な問題のない方は、上記の摂取量の範囲でお酒を飲むことが、アルコール性肝硬変の予防につながります。加えて、週に1~2日は休肝日を設け、肝臓を休ませましょう。 一方で肝硬変や、その前段階である脂肪肝・アルコール性肝炎が疑われるときは、肝機能が安定するまでは禁酒が必要です。 栄養バランスのとれた食事 栄養バランスのとれた食事も有効な予防法です。食事でアルコール性肝硬変を予防する場合も、基本的には主食・主菜・副菜の構成で、良質なたんぱく質や食物繊維などを積極的に摂取します。また、塩分の取りすぎには注意しましょう。 加えて、食事の回数は1日3回を心掛け、適切な量をよく噛んで食べることも大切です。食事の回数が少ないと、肝臓が貯蔵してある栄養分でエネルギーを補てんしようとするため、余計な負担をかけます。よく噛まなかったり食べすぎたりする習慣も、肝臓への負担や脂肪肝の蓄積の原因になるため、避けるべきです。 定期健診 定期健診は、アルコール性肝硬変の早期発見と予防に重要な役割を果たします。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期段階では自覚症状がほとんど現れないため、定期的な健診で確認しましょう。 血液検査で数値に異常が見られた場合は、早期の段階で飲酒量の見直しや生活習慣の改善を行うことで、肝硬変への進行を防ぐことができます。 とくに日常的に飲酒する習慣がある方は、定期的な肝機能検査を受けることで、肝臓の状態を把握し、適切なタイミングで予防対策を講じることが可能です。 まとめ|アルコール性肝硬変は飲酒を見直すことが不可欠 アルコール性肝硬変は、長期間の大量飲酒が原因で発症する重篤な肝疾患です。 初期は自覚症状がほとんどありませんが、進行すると黄疸や腹水、吐血などの深刻な症状が現れ、命に関わる場合もあります。 飲酒を続ける限り肝臓の損傷は進行し続けるため、症状の改善や進行の抑制には完全な禁酒が欠かせません。 断酒と併せて、栄養バランスの取れた食事療法や合併症に対する薬物治療も重要な役割を果たします。 一方で、「断酒や投薬を続けても肝機能数値が改善しない」「肝移植以外の選択肢を知りたい」という方の新たな選択肢として、再生医療が注目されています。 再生医療は、患者様ご自身の幹細胞を活用し、従来の「進行を抑える治療」から一歩進んで、肝臓そのものの修復を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても倦怠感・むくみ・腹部の張りが改善しない 利尿剤や禁酒療法を続けても肝機能数値が下がらない 肝移植以外の選択肢を探している 慢性的な倦怠感・黄疸・腹水で日常生活・仕事に支障が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 「今の治療だけで本当に大丈夫なのか」「肝機能の改善を目指したい」という方は、まずは当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。 アルコール性肝硬変の改善を目指すなら、まずは無料相談! 肝硬変とアルコールのよくある質問 肝硬変とアルコールのよくある質問と回答は、以下のとおりです。 アルコール性肝硬変は治るのか? 肝硬変でお酒をやめないとどうなる? 肝硬変になるアルコール摂取量はどのくらい? アルコール性肝硬変は治るのか? アルコール性肝硬変は、症状が軽いうちであれば治る見込みは十分にあります。とくに健康診断の段階で肝機能に異常が見られたり、肝臓で脂肪肝や炎症が見つかったりしたときには、すぐにでもお酒を控えるなどの対策が治る確率を高めます。 なお、アルコール性肝炎が治るかどうかは、以下の記事も参考にしてください。 肝硬変でお酒をやめないとどうなる? 肝硬変でお酒をやめなかった場合、脂肪の蓄積やアルコールの作用で、さらに肝臓の線維化が進行します。しかも、肝臓がんや肝性脳症のような合併症のリスクも高まるため、注意が必要です。 なお、医学的な重症度分類に基づいた研究では、症状が重度まで進んだ肝硬変患者の3年後も生存している割合は約31%と報告されています。(文献2) ただし、実際の経過は患者様の年齢、他の病気の有無、治療への反応などにより大きく異なります。また、適切な治療と生活習慣の改善により、病気の進行を遅らせることが期待できます。 肝硬変になるアルコール摂取量はどのくらい? 肝硬変は、一般的に男性で1日約60g以上、女性で約40g以上のアルコールを摂取する生活を5年以上継続した場合に発症するとされています。(文献4) ただし、飲む側の体質によって発症する摂取量はさまざまです。また、肥満体質の場合は上記よりも少ないアルコールの摂取を数年続けた結果、肝硬変になる場合があります。 参考文献 (文献1) Hirayuki Enomoto et al. (2024) Etiological changes of liver cirrhosis and hepatocellular carcinoma-complicated liver cirrhosis in Japan: Updated nationwide survey from 2018 to 2021, Hepatol Res.2024 (文献2) 肝硬変患者の生命予後の検討|厚生労働省 (文献3) 肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)|日本消化器病学会・日本肝臓学会 (文献4) アルコール|厚生労働省
2025.12.13 -
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健康診断で肝硬変を疑われる数値が出てきた場合、より精密な検査を受けながら対策を進めていくことが欠かせません。 肝臓は自覚症状が出にくいため、血液検査の数値が早期発見の手がかりになります。 特に肝硬変まで進行すると、線維化した肝臓組織は現在の標準治療では元の状態に戻らないとされており、糖尿病や動脈硬化、肝がんといった重大な合併症リスクも高まります。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に症状について無料相談する そのため検査で使われる数値の意味や目安を理解しておくことは、早期対応や予防のために欠かせません。 本記事では、肝硬変が疑われる数値や目安、対策・予防法を解説します。 なお、肝硬変の血液検査で用いられる指標や、正常とされる数値の目安は日本臨床検査医学会の基準をもとにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 \肝硬変・肝臓疾患に対する再生医療という選択肢/ 食事療法や薬物療法を続けても肝機能数値の改善が見られない場合、また線維化が進んで既存の治療では対応が難しくなってきた場合、再生医療が新たな選択肢となります。 再生医療とは、患者さまご自身の脂肪から採取した幹細胞を活用し、炎症や線維化が進んだ肝臓組織の修復環境を整えることを目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 検査数値(AST・ALT・γ-GTP)がなかなか改善しない 食事療法・薬物療法を続けても肝機能の低下が止まらない 脂肪肝・慢性肝炎から肝硬変への進行が心配 肝硬変と診断されたが「元に戻らない」と言われ途方に暮れている 肝がんへの進行リスクを少しでも下げたい >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 肝硬変の症状や改善策については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/LsZ6bJ8R4-w?si=Z3NOErCiTOhJ8n5z 「今の治療で本当に大丈夫なのか知りたい」「肝機能の低下を少しでも食い止めたい」とお考えの方は、まずは当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談をご利用ください。 まずは無料相談! 肝硬変の血液検査の指標・正常な数値の目安 肝硬変の疑いで血液検査を受ける際に、検査に使われる指標や正常な数値の目安を知っていると、結果を踏まえての対策や心の準備に役立ちます。 検査で肝機能を調べる際の指標として、以下に挙げるものが一般的です。 AST(GOT) ALT(GPT) γ-GTP(γ-GT) LDH(LD) ALP 血小板数 総ビリルビン 以上の指標を、日本臨床検査医学会の基準を参考に肝硬変が疑われる数値の目安とともに解説します。(文献1) 本章で紹介する血液検査の数値は肝硬変の可能性を示唆するものですが、確定診断には医師による総合的な判断と追加検査が必要です。数値の異常があっても自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。 肝硬変の原因や症状について詳しくは、以下の記事が参考になります。 AST(GOT) 下限値 上限値 13 30 単位:U/L (文献1) ASTは肝細胞がアミノ酸を生成する際に使われる酵素です。肝細胞内に多く含まれているのが特徴で、肝臓疾患をはじめとする原因で肝細胞が壊れると、血液中に漏れ出ます。 このため、高い値が出るときは、肝臓でなんらかの問題が起きていることが疑われます。ただし、ASTは心筋や骨格筋にも多く含まれるため、肝機能の検査では次に触れるALTの数値とともに確認します。 標準とされる目安は13~30単位です。ASTとALTの両方が150単位以下で、そのうちASTが高い場合は肝硬変の疑いがあります。 ALT(GPT) 下限値 上限値 8 36 単位:U/L (文献1) ALTも肝細胞に多く含まれる酵素です。全体の9割程度が肝細胞に含まれているため、チェックする際に数値が極端に高いときは、肝機能の問題が疑われます。 基準値は8~36単位です。 γ-GTP(γ-GT) 下限値 上限値 9 47 単位:U/L (文献1) γ-GTPは肝臓や胆管に多い酵素で、たんぱく質の分解や解毒に役立ちます。肝細胞や胆管細胞がなんらかの原因で破壊されると、血液中に流出して数値が上昇する仕組みです。 とくにアルコールに強く反応するため、日頃お酒を大量に飲む人であれば、たとえ肝障害がなくても数値が上昇します。加えて、すでに脂肪肝があったり薬剤を服用したりする方も、数値が上がるケースがあるために注意が必要です。 基準値は9~47単位で、50単位を上回っていれば肝臓の疾患が疑われます。 LDH(LD) 下限値 上限値 124 222 単位:U/L (文献1) LDH(LD)は、肝細胞のほかに心筋や赤血球などに多い酵素です。通常は体内のブドウ糖をエネルギーに変換する際に活動するものの、疾患をはじめとする原因で肝細胞が破壊された際には血中に流出します。 基準値は124~222単位で、数値が高いほど肝硬変を含む肝臓疾患や心筋梗塞の疑いがあります。 ALP 下限値 上限値 38 113 単位:U/L (文献1) ALPは肝臓や骨、腸などで生成され、リン酸化合物の消化のはたらきがある酵素です。ALPも胆管や肝臓になんらかの異常が発生した際に、血中に流れ出て数値が上昇します。 ALPの基準値は38~113単位で、それ以上高くなると肝硬変が疑われます。 血小板数 下限値 上限値 158 348 単位:10³μL (文献1) ケガをした際に出血を止めるはたらきをする血小板の数も、肝硬変をチェックする際に使われる指標です。肝硬変は症状が進むと、肝臓の線維化(肝臓の組織が硬く変化すること)に併せて血小板の数が減っていくためです。 通常は15.8万個から34.8万個で基準とされる一方、10万個を下回った場合は肝硬変が疑われます。 総ビリルビン数 下限値 上限値 0.4 1.5 単位:mg/dL (文献1) ビリルビンは古くなった赤血球を肝臓で破壊する際に生成される色素です。色が黄色であるのが特徴で、肝機能が低下すると血中に多く見られるようになります。 肝硬変の症状の1つで、皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)は、血中のビリルビンの量が増えることで発生する仕組みです。なお総ビリルビンの基準値は0.4~1.5㎎で、それ以上増えると肝臓疾患が疑われます。 数値で肝硬変が疑われるときの検査 もし、健康診断の数値で肝硬変の疑いがあるときには、より詳しく分析するために次のような検査が行われます。 腹部超音波検査 フィブロスキャン検査 肝生検 胃カメラ 以下の検査についても知っておくと、事前に心の準備をする上で役に立つでしょう。 腹部超音波検査 腹部超音波検査とは、機械が発する超音波を使って肝臓全体を観察・検査する方法です。とくに肝臓の形状の変化や表面の凸凹、脂肪肝が見られるときには肝硬変が疑われます。 ほかにも、肝臓がんが発生しているときには、がん細胞も観察できます。 フィブロスキャン検査 フィブロスキャン検査(肝硬度測定)は、肝臓の硬さを測定する検査です。肝臓に振動波を伝えることで、振動速度から肝臓の硬さを数値として検出します。(文献2) なお、振動速度は肝臓の硬さと密接に関わっていて、硬いほど速度が速くなる傾向です。 肝生検 肝生検は肝臓に直接針を刺すやり方で組織の一部を採取し、実際に顕微鏡で観察する方法です。直接の観察によって肝臓の組織がどの程度硬くなっているのかや、炎症が出現しているのかを医師が自らの目で確認します。 ただ近年では、超音波検査が主要な検査の手段になってきているため、取り扱っていない医療機関も増えています。 胃カメラ 胃カメラも肝硬変の精密検査で推奨される手法の1つです。肝硬変を発症すると、食道や胃の血管が膨らんでこぶ状になる静脈瘤(じょうみゃくりゅう)が発生するケースがあるため、胃カメラでの検査を勧められます。 この食道・胃静脈瘤は、発生する原因の大半が肝硬変の進行によるものと考えられています。しかも、静脈瘤は膜が非常に薄い分、ちょっとしたはずみで大量出血や吐血、黒い便のリスクがあるために、細心の注意が必要です。以上の理由から、肝硬変の疑いがあるときは、胃カメラを使った検査も一緒に受けると良いでしょう。 肝硬変が疑われる数値が出たときの対策・予防法 もし健康診断で肝硬変が疑われる数値が出てきた場合、さまざまな対策や予防法で肝硬変のこれ以上の悪化に備えられます。主な対策や予防法は以下のとおりです。 休肝日を設けるなどして飲酒の量を調整 食事の栄養バランスや量に注意 便秘対策 適度な運動の習慣 以上の方法を活用しながら、少しでも状況を良くしていくことが大切です。 また肝機能の低下や今後の悪化が不安な方は、一般的な治療に加え再生医療についてもご案内していますので、当院(リペアセルクリニック)の無料相談またはお電話でお問い合わせください。 ▼肝硬変の治療にお悩みの方へ再生医療という新たな選択肢について無料相談! >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 休肝日を設けるなどして飲酒の量を調整 肝硬変の予防には、禁酒や休肝日を設けるなどの対策が欠かせません。肝硬変は日頃から大量のお酒を飲むことによるアルコールの大量摂取が大きな要因であるためです。実際に近年の研究では、わが国で発症する肝硬変の原因で最も多いのがアルコール摂取であることも報告されています。(文献3) アルコールを大量に摂取すると、肝臓で分解されるアセトアルデヒドや、肝臓に蓄積される中性脂肪が処理しきれなくなります。これらを放置すると、肝臓だけでなく他の消化器官にも多大な負担をかけるため、注意が必要です。 肝硬変の疑いがあるときは、ただちに飲酒をやめて適切な治療に臨みましょう。また、現在のところ肝硬変の可能性が低い方も、週に2~3回は休肝日を設けて肝臓をいたわるべきです。 食事の栄養バランスや量に注意 肝硬変の治療や予防には、食事の栄養バランスや量への注意も有効な対策として挙げられます。 主食・主菜・副菜を一通りそろえた献立での食事のほか、損傷が進んだ肝臓の回復に欠かせないたんぱく質の意識的な摂取がポイントです。具体的には肉類だけでなく、魚介類・卵類・大豆類を使った料理を口にするのがおすすめです。 栄養バランス以外にも、食事の量や回数も意識します。食べすぎると肝臓に脂肪肝が蓄積され、より肝硬変を悪化させる原因になるためです。このため腹八分目程度がちょうど良いでしょう。 食べる回数も1日3回が基本です。朝食を抜くなどして1日の食事回数を減らすと、肝臓が蓄えていた栄養分で足りないエネルギーを補てんしようとするため、ただでさえ弱っている肝臓に負担がかかります。 便秘対策 肝硬変が疑われる場合は便秘対策も大切です。便秘になると腸内でアンモニアを発生させる細菌が優位になり、健康な人であればそのアンモニアは肝臓で解毒されます。しかし、肝硬変では肝機能の低下でアンモニアが解毒されないため、アンモニアが血中に流出した上に、脳に達すると肝性脳症を発症する場合があります。 アンモニアの解毒も肝臓に大きな負担をかけるものであるため、肝硬変の疑いがある場合は便秘対策が欠かせません。普段から野菜や果物、きのこ類のようなビタミンや食物繊維を多く含むものを摂取して、お通じを良くしましょう。 適度な運動の習慣 適度に運動する習慣も肝硬変対策に役立ちます。とくにアルコール以外の原因で肝硬変の疑いがある場合は、肝硬変の原因物質である脂肪肝を減らすことで、症状の改善が期待できます。 1日30分以上の運動を、週3回以上行う程度がおすすめです。運動の内容も、ウォーキングやジョギング、サイクリングのような少し汗をかく程度の有酸素運動が良いでしょう。なお、途中に休憩を挟みながらやる方法でも問題ありません。ただし、肝硬変対策に運動を取り入れる際には、事前に担当の医師と運動の頻度や量をよく相談しましょう。 まとめ|肝硬変が疑われる数値の把握と予防が大事 血液検査などによる肝硬変や肝機能に関する数値の把握は、今後の肝硬変の治療や予防には欠かせません。もし、血液検査で肝硬変が疑われる数値が出てきたときは、すぐにより詳しい検査を受けることが大切です。 実際に肝硬変の診断を受けたり、医師からなりかけていることを指摘されたりしたら、禁酒や節酒でお酒を控えながら、食事や運動などの生活習慣を見直しましょう。肝硬変に関係する数値に向き合うことで、肝硬変のこれ以上の悪化や将来なる可能性を防ぐ上で重要です。 しかし、以下のような悩みを抱えながら治療を続けることは、精神的にも大きな負担となります。 そのような方に再生医療という新たな選択肢がございます。 再生医療は患者さまご自身の脂肪から採取した幹細胞を活用し、ダメージを受けた肝臓の修復・機能回復へのアプローチが期待できる治療です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 生活習慣を改善しているのに、肝機能の数値がなかなか回復しない 肝硬変と診断され、今後の進行が不安でたまらない 薬による治療を続けているが、根本的な改善が見られない 肝臓の状態をこれ以上悪化させたくないが、何をすべきかわからない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 「今の治療だけで本当に大丈夫なのか不安」「再生医療について詳しく話を聞いてみたい」という方は、まずはお電話ください。 まずは無料相談! 肝硬変が判明した方は、再生医療による症例記事も参考までにご覧ください。 肝硬変の数値に関するよくある質問 肝硬変の診断基準は? 肝臓の数値がどのくらいであれば入院が必要? 肝臓の数値が急に上がる原因は? 肝臓で高い数値が出るのはストレスが原因? 肝硬変の診断基準は? 肝硬変の診断基準は、血液検査で肝機能などに関係するASTやAGTなどを確認します。もし数値が正常値を逸脱している場合は、腹部超音波検査をはじめとするより精密な検査を行います。血液検査や精密な検査の結果を総合して、肝硬変かどうかを判断する流れです。 肝臓の数値がどのくらいであれば入院が必要? 肝臓の数値で入院が必要な目安は以下のとおりです。 項目 入院が必要な目安 (参考)正常とされる数値 AST 500U/L以上 13~36U/L ALT 500U/L以上 8~36U/L γ-GTP 500U/L以上 9~47U/L ALP 400U/L以上 38~113U/L 総ビリルビン数 10㎎/dL以上 0.4~1.5㎎/dL ただしこれらは参考値であり、実際の治療方針は医師が全身状態を総合的に判断して決定します。 肝臓の数値が急に上がる原因は? 肝臓の数値が急に上がる原因には肝臓の疾患のほか、過度な飲酒や服用している薬剤の影響、栄養バランスの偏った食事などさまざまな要因が挙げられます。必ずしも肝臓疾患によるものではないものの、場合によっては医師への相談がおすすめです。 肝臓で高い数値が出るのはストレスが原因? ストレスが原因で肝臓の数値が上がる場合はあり、ASTとALTが上昇します。ストレスを受けると交感神経が優位になる一方、肝臓を動かす際に欠かせない副交感神経が機能しないためです。副交感神経が機能しないことで肝細胞が損傷し、中に含まれるASTやALTが血液中に流出すると数値が高くなります。 参考文献 (文献1) 臨床検査のガイドライン JSLM2024|日本臨床検査医学会 (文献2) 関谷千尋・矢崎 康幸・高橋 篤・沼崎 彰・並木 正義 (1979) 腹腔鏡による肝硬度測定に関する研究 ―新しい肝硬度計の試作― | 日本消化器内視鏡学会雑誌 (文献3) Hirayuki Enomoto et al. (2024) Etiological changes of liver cirrhosis and hepatocellular carcinoma-complicated liver cirrhosis in Japan: Updated nationwide survey from 2018 to 2021, Hepatol Res.2024
2025.12.13 -
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「糖尿病はもう治らないのだろうか」 「iPS細胞は糖尿病を治せると聞いたことがある」 糖尿病は成人のおよそ10人に1人が抱える国民病とも言える生活習慣病の一つです。食事療法やインスリン注射などで血糖値をコントロールすることは可能ですが、現在の治療法では根本的な完治には至らず、将来への不安を抱える患者も少なくありません。 しかし近年、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療の研究が進み、インスリンを分泌する膵β細胞を再生して体内で血糖を自律的に調整できる治療法の開発が進められています。 実現すればインスリン注射の回数が減る、もしくはインスリン注射自体の必要がなくなる可能性があり、患者様のQOL(生活の質)の大幅な向上につながると考えられます。 本記事では、現役医師がiPS細胞と糖尿病治療の関係性を詳しく解説します。実用化後の可能性や課題について紹介し、記事の最後には、iPS細胞と糖尿病に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。糖尿病について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 iPS細胞とは?糖尿病治療にどう使われるのか iPS細胞(induced pluripotent stem cells)は人工的に作られた多能性の幹細胞で、京都大学の山中伸弥教授らが2006年に世界で初めて作製に成功、6年後の2012年にはノーベル医学・生理学賞を受賞しました。 人間の皮膚や血液などから採取した体細胞に特定の遺伝子を導入し「どんな細胞にも変身できる」ように作られた万能な細胞です。 糖尿病治療においては膵島細胞の作製および移植によって、インスリン分泌機能を再建できると期待されています。 なぜ1型糖尿病でiPS細胞治療が期待されているのか これまでの糖尿病治療は、内服薬やインスリン注射によって血糖を抑える「管理中心の治療」が主流でした。近年注目されるiPS細胞治療は、失われた膵β細胞を再生し、体が自らインスリンを分泌できる状態を取り戻すのが主眼です。 現在は研究段階にありますが、既存の薬物療法や生活療法と併用することで、将来的にはインスリン注射や薬への依存を減らせる可能性が期待されています。 安定性やコストなどの課題は残るものの、糖尿病治療が「症状の管理」から「機能の回復」へと進化する大きな転換期を迎えつつあります。 1型糖尿病はインスリンを作る細胞が壊れる病気 1型糖尿病は血糖値を下げる役割を持つホルモンの一種「インスリン」を分泌する膵臓の細胞が破壊される病気です。 本来であれば自分の体を守るべき免疫系によって膵臓のβ細胞が破壊されるのが特徴ですが、発症のメカニズムは完全には解明されていません。 小児や若い方が発症するイメージを持たれがちですが、実際には成人が発症するケースも少なくありません。 インスリンの不足により高血糖の状態が続くと最悪のケースでは命にかかわるため、生涯にわたりインスリン注射などの治療を続ける必要があります。 既存のドナー膵島移植との違い 1型糖尿病の治療法の1つとして膵島移植(すいとういしょく)が知られています。 亡くなられたドナーの膵臓からインスリンの分泌に関わる膵島と呼ばれる組織のみを摘出し、点滴を用いて肝臓の血管(門脈)へ移植する点が特徴です。 2020年より保険適用の対象となり患者様の経済的な負担が減少しましたが、ドナー不足や拒絶反応のリスクなどの問題があります。 iPS細胞の場合は自分の皮膚や血液から採取した細胞を利用するため、拒絶反応のリスクが低く、ドナー不足の問題もない点がメリットです。 iPS細胞による1型糖尿病の治験状況 国内では現在、京都大学医学部附属病院の主導により、1型糖尿病を対象にiPS細胞由来の膵島細胞シートを腹部の皮下に移植する治験が進行中です。 治験が実用化されれば、1型糖尿病の患者様自らが行うインスリン注射の回数が減少したり、注射の必要がなくなったりする可能性があり、QOL(生活の質)の大幅な向上につながるのではないかと期待されています。 京都大学病院の治験の概要(開始時期・対象・移植方法) 京都大学医学部附属病院では2025年の1月より肝胆膵移植外科と連携し、1型糖尿病患者を対象にiPS細胞由来の膵島シートの安全性を確認するための治験を開始しました。 治験で用いられるiPS細胞由来の膵島細胞は、糖尿病モデルの動物を用いた実験において血糖値の正常化、および耐糖能の向上が認められています。(文献1) 人間を対象とした治験では全身麻酔下でiPS細胞由来膵島細胞シートを糖尿病患者の腹部皮下に移植し、安全性および有用性を検証します。 1例目の移植結果と経過 京都大学医学部附属病院は2025年の2月に、1型糖尿病患者にiPS細胞由来の膵島シートを移植する国内初の手術を実施したと発表しました。 治験の対象となったのは40代の女性で手術は無事終了し、移植したiPS細胞由来の膵島シートからのインスリンの分泌が確認されています。 手術後1カ月の時点で安全性上の大きな問題は見られなかったため退院済みで、以後は自己注射をしながら定期的に外来通院し、将来的に注射の投与量を減らすべく経過を見守っています。(文献3) 今後のスケジュール 京都大学医学部附属病院では第1症例の評価を踏まえ、第2症例目の移植に向けた準備を進行中です。 2、3例目では移植する細胞数を段階的に増やす予定で、2026年には3例の手術の安全性に関する中間報告を行う予定です。(文献2) 治験全体の目標は安全性・有効性(インスリン分泌能改善、血糖コントロール安定化)の検証で、2030年代の実用化を目指しています。 iPS細胞由来の膵島シート「OZTx-410」提供元のオリヅルセラピューティクスでは、別途2027年度をめどに日米で新たな臨床試験開始を計画しています。 iPS細胞は2型糖尿病にも使えるのか iPS細胞由来の膵島シートを移植する手術は、医療界のみならず糖尿病患者にとっても画期的な治療法ですが、主に1型糖尿病を対象に研究・治験が進行しています。 ここでは、1型糖尿病と2型糖尿病の違いや、2型糖尿病に対するiPS細胞関連の研究の現状、および1型糖尿病に比べて研究が遅れている理由などを解説します。 1型と2型糖尿病の違い 1型糖尿病は本来であれば自分の体を守るべき免疫系により膵臓のβ細胞が破壊され、血糖値を下げる役割を持つインスリンが分泌されなくなる点が特徴です。 2型糖尿病は乱れた食習慣や肥満、内臓脂肪の蓄積などが原因でインスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)、膵臓の機能が低下したりして血糖値の上昇を招きます。 1型糖尿病の場合は「細胞の欠損」、2型は「抵抗性+機能低下」の二重構造のため、細胞移植だけでは不十分で治療設計が複雑になる傾向にあります。 2型に関する研究の現状 2型糖尿病を対象としたiPS細胞関連の研究は1型糖尿病に比べて件数が少なく、世界的にも幹細胞治療試験の中では少数派です。(文献5) 中国では2024年、59歳の2型糖尿病患者に対して、患者自身の細胞から作製した幹細胞由来の膵島組織を移植する手術が実施され、インスリンの使用を中止できたと報告されています。(文献4) なお、この治療は狭義のiPS細胞移植とは異なる技術(内胚葉幹細胞:EnSC)を用いたものである点には注意が必要です。 アメリカのハーバード大学関連機関では、ヒトiPS細胞でインスリン抵抗性モデルを構築する基礎研究を報告しています(治療ではなく病態解明・創薬目的)。(文献6) なぜ1型より研究が遅れているのか 1型糖尿病はなんらかの原因により膵臓のβ細胞が破壊される自己免疫疾患の一種で、年齢を問わず発症するのが特徴です。 一方、2型糖尿病は遺伝的な体質だけでなく暴飲・暴食、肥満、加齢、ストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合った結果として発症するため、1型のような単純な病態モデルを再現しにくい傾向にあります。 2型糖尿病に関してはすでに食事療法・運動療法・投薬治療などの選択肢が確立しており、根治療法への優先度が1型ほど高くなりにくいため、iPS細胞移植の優先度が低いのが現状です。 iPS細胞を使った糖尿病治療を開発している企業・研究機関 iPS細胞を使った糖尿病治療を開発している企業・研究機関として、以下3つの研究所や企業が挙げられます。 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とT-CiRA オリヅルセラピューティクス Vertex Pharmaceuticals社 それぞれについて解説します。 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とT-CiRA 京都大学iPS細胞研究所CiRA(サイラ:Center for iPS Cell Research and Application)は、iPS細胞の基礎研究や医療応用に向けた技術開発を進める国内を代表する研究機関です。 2010年の4月に設置された同研究所には「未来生命科学開拓部門」や「増殖分化機構研究部門」をはじめとする5つの部門があり、さまざまな角度からiPS細胞の研究に取り組んでいるだけでなく、京大病院の治験で使用するiPS細胞ストックを提供しています。 「CiRA」と武田薬品工業による共同研究プログラムである「T-CiRA」では、iPS細胞から膵島様細胞であるiPICを作製する分化誘導工程や、純度・安全性を高める技術が開発されました。 オリヅルセラピューティクス オリヅルセラピューティクスは細胞移植による再生医療等製品の開発、およびiPS細胞関連技術を利活用した創薬研究支援・再生医療研究基盤整備を事業内容とする企業です。 2021年の4月9日に創立されたオリヅルセラピューティクスでは、T-CiRAで開発されていた心筋細胞・膵島細胞プロジェクトの臨床応用や事業化を進め、iPS細胞由来の膵島シート「OZTx-410」を開発しました。 OZTx-410は、京都大学医学部附属病院が実施する医師主導治験に提供されています。 2026年3月の報道では、2027年度をめどに日本と米国で新たな治験を開始する計画が発表されました。 Vertex Pharmaceuticals社 Vertex Pharmaceuticals社(バーテックス・ファーマシューティカルズ)は、アメリカのマサチューセッツ州に本社を置くバイオ医薬品企業です。 アメリカ国内で行われた臨床試験において、同社の開発による幹細胞由来の膵島細胞療法「zimislecel(ジミスレセル:旧開発名VX-880)」が用いられました。 1型糖尿病患者を対象とした第1/2相試験では、zimislecelの全量投与を受け365日間追跡された12名のうち、10名(83%)が外因性インスリンを必要としない状態になったと報告されています。(文献16) zimislecelはFDA(アメリカ食品医薬品局)からファストトラック指定などを受け、臨床開発で先行している一方、免疫抑制療法が必要で、長期的な有効性や安全性は現在も検証段階にあります。 iPS細胞治療はいつ実用化する?今後の見通し iPS細胞を用いた糖尿病治療は治験(臨床試験)段階ですが、京都大学医学部附属病院では安全性・有効性の検証を経て、2030年代の実用化を目指すと発表しています。 iPS細胞由来の膵島シート「OZTx-410」を提供するオリヅルセラピューティクスは、2027年度をめどに日本・米国で新たな治験開始を計画していると2026年に報道されました。 アメリカのVertex Pharmaceuticals社が開発したzimislecel(VX-880)に関しては、2025年6月時点の臨床試験結果を受け、FDAへの申請時期を当初予定の2030年から2026年に前倒しする方針としています。 zimislecel(VX-880)は、FDAからファストトラック指定を受けています。また、2026年の承認申請が予定されており、報道では、審査が順調に進んだ場合には早ければ2027年に米国で利用可能になる可能性があるとされています。 ただし、現時点では未承認であり、日本での承認・実用化時期も未定です。 糖尿病に対してiPS細胞治療を行うメリット iPS細胞による糖尿病治療は、失われた膵β細胞を再生して身体が自らインスリンを分泌できるようにし、インスリン注射や薬への依存を減らして血糖コントロールを安定させることを目指しています。 また、自分の細胞を用いるため免疫拒絶のリスクも低く、将来的にはより自然な血糖管理が可能になると考えられています。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。糖尿病について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 糖尿病にお悩みの方は、以下の糖尿病に対する再生医療の症例もご覧ください。 膵β細胞の再生によるインスリン分泌機能の回復 人間の体内では、膵β細胞がインスリンを分泌して血糖値を調整しています。しかし、とくに1型糖尿病ではこの細胞が失われ、体内で十分なインスリンを作ることができなくなります。 iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、成人の体細胞を再プログラミングして多能性を持たせたものです。この多能性とは、さまざまな細胞に分化できる能力を指します。 現在、iPS細胞を用いた膵β細胞の再生を目指す研究が、世界中で進んでいます。(文献7) 近年では、ヒトiPS細胞から膵β細胞を生成し、動物モデルへ移植して血糖値が改善したという報告もあり、将来的に自らの身体でインスリンを生み出せる可能性が期待されています。(文献7) インスリン注射や薬への依存を減らせる可能性 iPS細胞を用いた糖尿病治療では、体内に膵β細胞や膵島を補うことで、自らインスリンを分泌する力を取り戻し、注射や薬への依存を減らせる可能性が注目されています。 現在の治療は、インスリンの不足を注射や薬で補う方法が中心です。しかし、iPS細胞由来の膵島細胞を移植することで、外部からの補充量を減らすことが期待されます。 実際に、1型糖尿病患者に化学的に誘導したiPS細胞由来膵島細胞を腹部に移植した臨床試験では、移植後75日でインスリンを使わずに済んだ例が報告されています。(文献8) 血糖コントロールが安定し合併症のリスクを軽減できる可能性 iPS細胞から作られた膵β細胞が正常に機能すると、インスリン分泌が改善され、血糖値を安定して保ちやすくなります。 血糖が生理的範囲に近づくほど合併症の発症リスクは低下し、実際に「HbA1c値が1%改善されると、糖尿病関連の合併症および死亡リスクが約21%低下した」という報告があります。(文献9) こうした成果から、iPS細胞による膵β細胞再生は合併症の進行を抑える可能性が示されているのです。 ただし、研究レビューでは「血糖改善や合併症抑制が期待されるものの、現時点では確立された治療法ではない」とされています。(文献10) 自己細胞を用いることで拒絶反応のリスクを低減できる可能性 iPS細胞(人工多能性幹細胞)の大きな利点のひとつは、患者自身の体細胞(皮膚や血液など)から作製できる点です。 そのため、「本人の細胞=自分のもの」として移植でき、他人の細胞を使う場合に比べて免疫が異物と認識するリスク、拒絶反応の可能性を理論上、低く抑えられます。(文献11) ただし、自己由来のiPS細胞であっても、分化の過程で免疫が反応しうる異常なタンパク質や遺伝子変化が生じる可能性があり、拒絶反応を完全に防止できるわけではありません。(文献12) ドナー不足の解消につながる可能性 糖尿病に対してiPS細胞治療を行うメリットとしては、ドナー不足の解消につながる可能性がある点も挙げられます。 既存のドナー膵島移植は2020年に保険収載されましたが、慢性的なドナー不足により国内での実施は年間数例にとどまっているのが現状です。 iPS細胞は理論上無限に増やして製造できるため、ドナーに依存しない細胞供給を実現できる可能性があります。 iPS細胞による糖尿病治療の課題 iPS細胞を用いた糖尿病治療は大きな期待を集めていますが、まだ以下に挙げる課題が残っています。 移植した細胞の長期的な安定性が確認されていない 免疫拒絶反応の完全な抑制は難しい 実用化後もインスリンや薬物治療を不要にできるとは限らない iPS細胞を用いた糖尿病治療は現在のところ治験(臨床試験)段階で、安全性・有効性に関しては今後の検証が待たれます。 国内外で行われた治験では外因性インスリンが不要になるなどの例も見られますが、長期的な安定性に関しては通院治療をしながら確認し続ける必要があります。 また、免疫拒絶反応の完全な抑制は難しく、実用化後もインスリンや薬物治療が不要になるとは限りません。 移植した細胞の長期的な安定性が確認されていない iPS細胞を用いた糖尿病治療では、移植された膵β細胞や膵島が免疫反応や代謝ストレスなどの体内環境に適応し、長期にわたり機能を維持することが求められます。 しかし、幹細胞由来の治療では移植後に機能低下が起きる例が、動物実験や初期臨床研究で報告されています。(文献13) また、高血糖や酸化ストレス、血管新生不良などにより細胞が疲弊し、時間とともに働きが弱まる可能性も課題のひとつです。(文献14) さらに、移植部位で十分な血流や栄養が確保されない環境や、わずかに残る免疫反応も、移植細胞の長期生存と機能維持を困難にしています。(文献13) 国内ではじめて実施された糖尿病に対するiPS細胞治療は2025年の2月と比較的最近の話で、手術は無事に終了しましたが、定期的に外来通院している段階です。 将来的に注射の投与量を減らせるか見守るだけでなく、移植した細胞により不具合が生じないか確認し続ける必要があります。 免疫拒絶反応の完全な抑制は難しい iPS細胞による糖尿病治療の課題としては、免疫拒絶反応の完全な抑制が難しい点も挙げられます。 拒絶反応は他人の細胞や臓器を移植した際に、自己の免疫系が異物とみなして攻撃する現象を意味します。 患者自身の細胞から作るiPS細胞の場合は、拒絶反応のリスクが低い点がメリットの一つです。 ただし、細胞作製の過程で生じるタンパク質の変化や、移植部位ごとの免疫環境の違いにより、拒絶反応を起こす可能性があります。 HLA操作や免疫遮断コーティングなど、免疫耐容化を目指す技術は開発されていますが、現段階では完全な免疫反応の抑制は実現しておらず、安定性評価の途上といえます。(文献15) 実用化後もインスリンや薬物治療を不要にできるとは限らない 実用化後にインスリンや薬物治療が不要になるとは限らない点も、iPS細胞による糖尿病治療の課題の一つです。 iPS細胞による糖尿病治療にはメリットが多くありますが、移植細胞の生着や働きには個人差があり、インスリン分泌の回復にばらつきが生じる可能性があります。 細胞の生着に成功しても、インスリンを長期にわたり分泌し続けられるかどうかは現在も検証段階です。 自己由来の細胞を利用する治療法ではあるものの、免疫拒絶反応のリスクを減らすための措置を講じる必要があります。 糖尿病が進行したり合併症を起こしたりすれば、当然のことながらiPS細胞以外の治療も必要です。 現在のところiPS細胞による糖尿病治療は技術発展の途上段階にあり、既存治療との併用が現実的な選択と言えます。 iPS細胞を用いた糖尿病治療を受ける方法 iPS細胞を用いた糖尿病治療を受ける方法は以下のとおりです。 医師との相談 臨床研究・治験の募集を探す 適格性の確認 同意と登録 移植・治験開始 iPS細胞を用いた糖尿病治療は現在のところ治験段階にあり、誰でも希望すれば受けられるわけではありません。 まずは医師との面談をおこない、糖尿病の状態や治療内容を確認し、iPS細胞治療の対象となる可能性を確認する必要があります。 医師がiPS細胞治療の対象となると判断した場合、大学病院などで実施中の臨床研究・治験の情報を確認し、適格性(糖尿病のタイプ、既往歴、年齢、健康状態など)を確認します。 その後、担当医やカウンセラーによる説明を受けた上で、治療法や通院・検査の必要性に納得すれば、治験の参加者として登録する流れです。 iPS細胞は糖尿病の根本的治療への新たなアプローチ iPS細胞を用いた糖尿病治療は、失われた膵β細胞を再生し、体内でのインスリン分泌機能の回復を目指す新しい治療法として注目されています。 従来の治療が血糖コントロールを中心としていたのに対し、身体の働きを根本から立て直す点が特徴です。 現在はまだ研究段階ですが、国内外で臨床試験が進められており、実用化への期待が高まっています。今後、安定性と有効性が確立されれば、糖尿病治療のあり方を大きく変える可能性があります。 ここまでご紹介したiPS細胞治療とは別に、幹細胞が持つ「さまざまな組織の細胞へ変化する能力(分化能)」や「組織の修復に関わる働き」を活かした再生医療もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、投与する治療をご提供しています。iPS細胞のように人工的に作製した細胞を用いる治療とは異なり、ご自身の幹細胞をそのまま活用する点が特徴です。 糖尿病についてお悩みの方は、当院の公式LINEにご登録ください。公式LINEでは再生医療の情報を発信しており、LINEから当院へお問い合わせいただくことも可能です。 iPS細胞と糖尿病に関するよくある質問 糖尿病の治療でiPS細胞のみに期待するのは適切でしょうか? 現時点で、iPS細胞治療にのみ効果を期待するのは適切ではありません。iPS細胞を用いた糖尿病治療は、将来的に根本的な回復につながる可能性を持つ一方で、まだ研究や臨床試験の段階にあり、一般的な医療としては確立していません。 現在の糖尿病治療(食事・運動・薬物・インスリン療法など)は、血糖コントロールと合併症の予防に欠かせません。引き続き継続することが大切です。 以下の記事では、糖尿病予防に効果的な運動について詳しく解説しています。 iPS細胞の治療が適用できないケースはありますか? iPS細胞治療は、現在主に1型糖尿病でインスリン分泌がほとんどない患者を対象に研究が進められています。 2型糖尿病や重い合併症がある場合、免疫抑制が難しい場合などは現時点で適用外です。これらは限られた条件下で行われる研究段階の治療であり、すべての患者が受けられるわけではありません。 https://www.youtube.com/watch?v=XGCb17slyO8 1型糖尿病のiPS細胞治験に参加できますか? 1型糖尿病のiPS細胞治験は、病気の治療法を見つけるための重要な研究です。しかし、1型糖尿病に関するiPS細胞治療は端緒を開いたばかりであり、希望すればだれでも受けられる訳ではありません。 まずは厚生労働省が運用するjRCT(臨床研究実施計画・研究概要公開システム)で1型糖尿病の治験が募集されているか確認し、参加したい治験があればかかりつけ医もしくは専門医に相談してください。 その後、適格性の確認を経て担当医もしくはカウンセラーの説明を受け、十分に理解・納得した上で同意書に署名して参加する流れです。 参考文献 (文献1) 【1型糖尿病の最新情報】iPS細胞から作った膵島細胞を移植 日本でも治験を開始 海外には成功例も|糖尿病ネットワーク (文献2) 「iPS由来膵島細胞シート移植に関する医師主導治験」の開始について|京都大学医学部附属病院 FOUNDED IN 1899 (文献3) ヒトiPS細胞由来膵島細胞を1型糖尿病患者に移植 医師主導治験の第1症例目を実施 京都大学病院|糖尿病診療・療養指導のための医療情報ポータル 糖尿病リソースガイド (文献4) 《Cell》 全球首例自體iPS細胞療法逆轉第一型糖尿病、可生成胰島素1年多|Global Bio (文献5) From bench to bedside: future prospects in stem cell therapy for diabetes|BMC Part of Springer Nature (文献6) Scientists create human model of insulin resistance using iPS cells|HSCI HARVARD STEM CELL INSTITUTE (文献7) Stepwise differentiation of functional pancreatic β cells from human pluripotent stem cells|PMC PubMed Central® (文献8) Transplantation of chemically induced pluripotent stem-cell-derived islets under abdominal anterior rectus sheath in a type 1 diabetes patient|PubMed (文献9) Association of glycaemia with macrovascular and microvascular complications of type 2 diabetes (UKPDS 35): prospective observational study|PubMed (文献10) Treatment of Diabetes Mellitus Using iPS Cells and Spice Polyphenols|PMC PubMed Central® (文献11) Autologous Induced Pluripotent Stem Cell–Based Cell Therapies: Promise, Progress, and Challenges|PubMed (文献12) The Immunogenicity and Immune Tolerance of Pluripotent Stem Cell Derivatives|frontiers (文献13) Islet Cell Replacement and Regeneration for Type 1 Diabetes: Current Developments and Future Prospects|Springer Nature Link (文献14) Stem cell therapy for diabetes: Advances, prospects, and challenges|PMC PubMed Central® (文献15) Fit-For-All iPSC-Derived Cell Therapies and Their Evaluation in Humanized Mice With NK Cell Immunity|frontiers (文献16) Stem Cell–Derived, Fully Differentiated Islets for Type 1 Diabetes|PubMed
2025.12.13 -
- 肝疾患
- 内科疾患
肝硬変は、肝炎やアルコール性肝疾患、脂肪肝などが進行した結果、肝臓に線維化が起こり機能が低下する病気です。初期段階では自覚症状が見られないため、症状が現れた時には既にかなり進行していることがあります。 肝機能の悪化や肝がんへの進行を防ぐには、早期発見・早期治療が重要です。 本記事では肝硬変の原因・症状・治療法・予防法について解説します。 なお、肝硬変を含む肝臓疾患に対しては再生医療という治療法があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しているので、肝臓疾患でお悩みの方はぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝硬変とは?肝臓が線維化して機能が低下する重篤な疾患 肝硬変とは、肝臓が長期に及ぶ慢性的な飲酒やさまざまな疾患などにさらされた結果、肝臓が線維化と再生結節の形成により機能が衰える疾患を指します。肝臓は再生能力の高い臓器で、約7割を切除しても再生されるのが特徴です。 ただ、飲酒や疾患の影響で日常的に損傷を受け続けた場合、肝臓に炎症が発生します。炎症が発生した際にも修復は進むものの、その際にたんぱく質の一種であるコラーゲンが生成されます。コラーゲンが過剰に増えて肝臓自体が全体的に線維化が進んだ状態が肝硬変です。 肝硬変の原因 肝硬変の原因には、さまざまな要素が考えられるため、日頃から十分な注意を要します。肝硬変の原因としてよく挙げられるものが、以下のものです。 長期の過剰なアルコール摂取 乱れた生活習慣 ウイルス感染 薬物による肝障害 以上の原因をあらかじめ知った上で、肝硬変のリスクを下げることが大切です。 長期の過剰なアルコール摂取 肝硬変の原因の一つに、長期にわたる過剰なアルコールの摂取があります。 アルコールは肝臓で代謝されますが、その過程でアセトアルデヒドという有害物質が生成され、肝細胞を傷つけます。継続的な大量飲酒により肝細胞の損傷が繰り返されると、肝臓に慢性的な炎症が生じ、やがて肝硬変に進行します。 アルコール性肝疾患は段階的に肝硬変に進行する疾患です。まず肝臓に脂肪が蓄積するアルコール性脂肪肝が起こり、飲酒を続けることでアルコール性肝炎へと進行、最終的にアルコール性肝硬変に至ります。 なお、2018年から2021年の調査によると、日本国内における肝硬変の原因の内訳は以下のとおりです。 アルコール性肝疾患:35.4% C型肝炎:23.4% NASH:14.6% B型肝炎:8.1% (文献1) このように、近年はアルコール性肝疾患が肝硬変の大きな原因となっています。(文献1) 肝硬変に進行する前のアルコール性肝炎の初期症状について解説している以下もご覧ください。 乱れた生活習慣 乱れた生活習慣も肝硬変の原因の一つです。具体的には、日頃の過度なストレスや運動不足、バランスの取れていない食生活などが挙げられます。 生活習慣が乱れて肥満や糖尿病のような生活習慣病を発症すると、肝臓に脂肪肝ができるケースがあります。この脂肪肝も何の対策もせずに放置すると、肝炎を経て肝硬変に発展するリスクがあるため、注意が必要です。 ウイルス性肝炎 ウイルス性肝炎から肝硬変への進行は、一般的に感染から20~30年程度の経過を経て起こります。とくにC型肝炎が肝硬変まで進行した場合、肝がんへの進展リスクが高くなるため注意が必要です。 近年、C型肝炎に対する抗ウイルス薬治療の進歩により、ウイルスの排除が可能となっています。早期にウイルスを排除することで、肝硬変や肝がんへの進行を大幅に抑制できるため、感染が判明した場合は専門医による適切な治療を受けることが重要です。 B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎は、肝硬変の主要な原因の一つです。これらのウイルスが長期間にわたって肝臓に炎症を起こし続けることで、肝細胞の壊死と再生が繰り返され、最終的に肝硬変に進行します。 とくに、高齢者や糖尿病の方は肝臓がんまで進行するリスクが高いため、注意が必要です。 薬物による肝障害 薬物の影響で発症した肝障害が肝硬変の原因になる場合があります。医薬品やサプリメントなどを適正用量を超えて摂取すると、肝臓は損傷を受けます。 また、薬物性肝障害には個人の体質が大きく関わるケースが多く、同じ薬剤でも人によって反応が全く異なります。体質に合わない薬剤では、服用量に関係なく肝障害が起こることがあり、事前の予測は非常に困難です。 肝硬変の症状 肝硬変は進行度により「代償性肝硬変」と「非代償性肝硬変」に分類されます。 代償性肝硬変とは、肝臓の一部が損傷を受けていても、残った健康な肝細胞が機能を補っている状態のことです。この段階では重篤な症状は現れず、多くの患者さんは無症状です。ただし、倦怠感・疲労感・食欲不振などの軽微な症状を感じることがあります。 これらの症状は風邪や日常的な疲労と区別がつきにくく、肝硬変と気づかずに見過ごされることが多いため、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。 病気がさらに進行し非代償性肝硬変になると、以下のような症状が現れます。 腹水 黄疸(おうだん) 食欲不振や体重減少 くも状血管腫 手掌紅斑(しゅしょうこうはん) こむら返り 女性化乳房 これらの症状について解説します。 腹水 腹水はお腹を包む膜(腹膜)とお腹周りの臓器の間にある腹腔に、過剰に水が溜まる症状です。肝硬変の場合、門脈(血管)における圧力の高まりと、血液中のアルブミンの低下が腹水の主な要因です。 肝硬変の進行によって肝臓の機能が衰えると、消化器官から肝臓に向かう血管である門脈の圧力が高まって、流れが悪くなります。すると血液に含まれる成分の血漿(けっしょう)が血管の外に漏れるため、腹水を生じます。 また、肝機能の低下は、血液に含まれるアルブミンと呼ばれるたんぱく質を減少させます。アルブミンには血液中の水分を維持するはたらきがあるのが特徴です。もしアルブミンが減少すると、水分が血管から腹腔に漏れ出て腹水が発生します。 黄疸(おうだん) 黄疸とは、疾患の影響で皮膚や、目の白い部分である眼球結膜が黄色くなる症状です。黄疸もまた、肝硬変の症状が進んだ際に見られます。 黄疸の発生には、赤血球に含まれるビリルビンと呼ばれる色素が関係しています。血液に含まれる赤血球は古くなって機能しなくなると、肝臓で分解されるのが一般的です。赤血球の分解で現れたビリルビンは体外に排出されますが、肝臓の機能が衰えると血液中のビリルビンが増加します。そのために皮膚や眼球結膜が黄色くなります。 なお、皮膚などが黄色くなるほかにも、尿が異常に濃い点や便が白くなる点も特徴です。 食欲不振や体重減少 肝機能が低下した結果、食物に含まれる栄養素の消化吸収能力が衰えるとともに、食欲不振も起こります。十分な栄養を摂取できないため、体重減少や筋肉量の低下、慢性的な疲労・倦怠感が生じます。 くも状血管腫 くも状血管腫とは、皮膚上に発生する、毛細血管が赤い点からクモの足のように広がって見える症状です。肝硬変の場合、首や肩、二の腕などの上半身に起こります。 肝硬変によってくも状血管腫が発生する流れは、具体的には解明されていません。ただ、肝機能の低下でホルモンの代謝が進まなくなったことで発生すると考えられています。 手掌紅斑(しゅしょうこうはん) 手掌紅斑(しゅしょうこうはん)とは、手の親指や小指の付け根部分をはじめ、手のひらに生じる赤い斑点です。紅斑自体に痛みなどの特別な症状はないものの、肝硬変が進んでいるサインとして出現するケースがあります。 こむら返り 夜中寝ている間などに足がつるこむら返りも、肝硬変によって生じる症状です。肝硬変の進行で肝機能が低下すると、体内の水分のバランスや電解質の調整がうまくいかなくなります。 加えて、肝硬変が進むと必須アミノ酸メチオニンの消費量が減ります。メチオニンは筋肉を動かす際に欠かせないタウリンやカルニチンを生み出すのに必要です。しかし、メチオニンの消費量が減る分、2つの物質の生成量も減るため、こむら返りが起きるケースが増えると考えられています。 以下の記事では、こむら返りと肝硬変との関係性について解説しているので、あわせてご覧ください。 女性化乳房 女性化乳房とは、男性の乳房や乳首が肥大化する症状です。男性にも女性ホルモンのエストロゲンはあるものの、通常であれば肝臓の機能によって分解されるため、乳房などは肥大化しません。 しかし、肝硬変を抱えている男性の場合、エストロゲンの分解能力も衰えています。このため、残ったエストロゲンのはたらきによって、男性の乳房や乳首が肥大化する女性化乳房が発生する仕組みです。 肝硬変患者の余命|腹水が溜まった場合は? 肝硬変を診断された際の余命は、病気の進行度によって大きく異なります。腹水が溜まるなどの症状が見られる場合は、肝硬変がある程度進行した状態です。 医学的な重症度分類に基づいた研究では、肝硬変患者の3年後も生存している割合は以下のように報告されています。(文献2) 症状が中程度まで進んだ場合:約71% 症状が重度まで進んだ場合:約31% ただし、実際の経過は患者様の年齢、他の病気の有無、治療への反応などにより大きく異なります。また、腹水などの症状が現れていても、適切な治療を継続することで症状の改善や病気の進行を遅らせることが期待できます。 肝硬変の検査・診断方法 肝硬変への対策には、こまめに検査や診断を受けることが大切です。肝硬変に対して用いられる検査や診断には、次のような方法があります。 血液検査 画像診断 腹腔鏡検査・肝生検検査 それぞれの検査や診断の特徴を知り、有効活用しましょう。 血液検査 血液検査では、肝機能に関する複数の指標を測定し、肝硬変の診断や病態の評価を行います。主な検査項目と基準値は以下のとおりです。 指標 指標が意味するもの 正常値 異常値 AST ・肝細胞の破壊度 ・肝臓の炎症の程度 13~36U/L 51U/L以上 ALT ・肝細胞の破壊度 ・肝臓の炎症の程度 8~36U/L 51U/L以上 γ-GTP ・アルコール性肝障害 ・胆汁の分泌がうまくいっているかどうか 9~47U/L 101U/L以上 血小板数 ・肝臓の線維化の程度 ・門脈圧亢進の指標 15.8~34.8 10⁴/μL 9.9以下・40.0以上 10⁴/μL アルブミン値 ・肝臓でつくられるたんぱく質の量 4.1~5.1g/dL 3.6g/dL以下 (文献3)(文献4) なお、血液検査は会社や自治体、学校の健康診断の一環でも行われています。定期的な健康診断の受診も、肝硬変対策として大切です。 画像診断 血液検査で肝機能の数値に異常がある場合、より精密な画像診断が必要です。画像診断はCTやMRI、腹部超音波など専門の機械によって確認されます。 診断時に撮影された画像をもとに、肝臓のサイズの変化や表面の凹凸、異常な血管の有無をチェックします。肝臓のサイズや形、表面がゴツゴツしているなどの変化が見られる場合、肝硬変の疑いが考えられます。 腹腔鏡検査・肝生検 画像診断とともに腹腔鏡検査や肝生検も行われます。腹腔鏡検査ではお腹に穴を空けた上で、腹腔鏡(内視鏡)を入れて、肝臓の状況を医師が映像で確認する検査方法です。この方法と今までの他の診断結果から肝硬変かどうかを総合的に判断します。 一方、肝生検は、肝臓組織の一部を採取して顕微鏡で観察する方法です。ただし、現在では画像や映像、超音波を用いた方法が主流になっており、肝生検には出血リスクがあることから採用されるケースは必要性が高い場合に限られています。 肝硬変の治療法 肝硬変の診断を受けた場合は、なるべく早い段階での治療が重要です。主な治療法として、以下の方法が挙げられます。 生活習慣の見直し 肝炎の治療 腹水の治療 肝臓の移植 再生医療 肝硬変の治療法を知れば、今後どのように肝硬変を治していくのかをイメージできます。 生活習慣の見直し 肝硬変の治療では、生活習慣の見直しが欠かせません。肝硬変になった際に生活習慣を見直す方法として、以下が挙げられます。 禁酒 食事療法 軽めの運動 肝硬変になっている場合は、禁酒が重要です。とくにアルコール性肝硬変を診断された場合は、それ以上の飲酒は症状をさらに悪化させ、合併症や命の危険のリスクを高めます。肝機能の数値が正常値に下がるまでお酒は控えましょう。 また、肝硬変を改善するためには普段の食事内容の見直しも大切です。野菜や果物でビタミン・食物繊維を、大豆類で良質なタンパク質を摂取しましょう。1日3回、腹八分目でよく噛んで食べると肝臓への負担を軽減できます。 とくに腹水やむくみが見られる場合は、これ以上腹水が増えないように1日に摂取する水分や塩分の制限も大切な要素です。水分は1日1リットル、塩分は1日5~7gに抑えます。(文献5) 運動は軽めに留めることが大切です。肝機能が低下している状態では、激しい運動は体調悪化を招く可能性があります。ただし、休んでいるだけでは筋肉が衰えるため、軽い体操などで筋力を維持しましょう。 肝炎の治療 肝硬変の治療では、原因に応じた肝炎の治療も行います。一言で肝炎といってもさまざまな原因があるため、それぞれに対して適切な方法で治療する必要があるためです。(文献6) 原因 投与する薬剤 B型肝炎ウイルス 抗ウイルス薬の投与: エンテカビルやテノホビルアラフェナミドフマル酸塩など C型肝炎ウイルス 経口抗ウイルス薬 (医師との相談が必要) 脂肪性肝炎 禁酒・食事療法・運動療法 自己免疫性肝炎(免疫異常による肝炎) 副腎皮質ステロイドの投与 なおB型肝炎やC型肝炎の原因ウイルスに対して抗ウイルス薬の効果が見られないときは、肝細胞の破壊を抑える薬剤の投与や、体内の鉄分を減らす瀉血(しゃけつ)療法がとられます。 腹水の治療 腹水が溜まっている状況であれば、塩分の制限とともに、利尿内服薬やアルブミン剤も投与されます。利尿内服薬は尿の生成を促し、体内の余分な水分の排出が期待できる薬剤です。もし通常の利尿内服薬で効果が見込めない場合は、より強力な利尿作用があるトルバプタンなどを使用します。 アルブミン製剤も腹水の改善によく使われる薬剤で、点滴で投与するのが一般的です。腹水を発症している状態は体内の水分量を調整するアルブミンが減少しているため、補うことで腹水の改善効果が期待できます。 肝臓の移植 薬剤の投与などの方法で症状の改善が期待できないときは、肝臓移植を行います。条件に合致する健康な親族の肝臓の一部を移植し、肝硬変自体の改善を図る方法です。 移植の判断は、病状の深刻度や移植しなかった場合に予想される死亡率をもとに判定されます。 再生医療 肝硬変の治療には再生医療をもあります。再生医療では「幹細胞治療」と「PRP(多血小板血漿)療法」と呼ばれる手法が一般的です。 幹細胞治療では、患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養してから、患部に投与します。また、PRP療法は患者様の血液から採取した血漿を遠心分離によって血小板の濃度を高め、患部に注射する治療法です。 幹細胞は培養に1カ月ほどかかりますが、施術はどちらも短時間で終了します。入院・手術を必要としないのも特徴です。 当院リペアセルクリニックの肝硬変に対する治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 また、再生医療についての詳細は、以下のページをご覧ください。 肝硬変の予防法 肝硬変を予防し、肝疾患の進行を防ぐには、日常生活での取り組みが重要です。 以下の予防法を実践して、肝臓の健康を守りましょう。 適量の飲酒 バランスのとれた食事 定期的な健康診断の受診 これらの生活習慣を継続することで、肝疾患のリスクを大幅に減らせます。 適量の飲酒 普段から飲酒の習慣がある方は、飲む量の調整が欠かせません。多量のアルコールは肝臓を傷つけるとともに、脂肪肝から症状が進行すれば肝硬変になるリスクがあります。 発症のリスクを抑えるには、お酒と上手に付き合うことが大切です。1日に飲むお酒の量に上限を設けたり、週に1、2日は休肝日を設けて肝臓をいたわるのがポイントです。 なお、厚生労働省では「節度ある適度な飲酒」として、アルコール度数5%のビールであれば1日に中瓶1本分(500ml)、アルコール度数15%の清酒であれば1合180mlとしています。(文献7) バランスのとれた食事 無理な飲酒を抑えるとともに、栄養バランスのとれた食事を心掛けることも肝硬変の予防に役立ちます。 食事のメニューは主食・主菜・副菜の組み合わせを意識し、食物繊維や良質なたんぱく質の多い食材を使った料理を食べることが大切です。 なお食べる量や回数も、すでに肝硬変を発症している場合と同じく、1日3回・腹八分目を心掛けます。 一方で脂肪や塩分の多い食事は、肝臓を傷つける恐れがあるため、なるべく避けるべきです。添加物を多く含むインスタント食品も推奨できません。 定期的な健康診断の受診 肝硬変を予防するために、定期的な健康診断を受けましょう。肝硬変は症状が現れにくいため、血液検査により脂肪肝や慢性肝炎の段階で早期発見することが大切です。 健康診断で肝機能異常が見つかった場合は、専門医による詳しい検査を受けて原因を特定します。 脂肪肝であれば生活習慣の改善により改善可能で、ウイルス性肝炎の場合は抗ウイルス薬による治療でウイルスを排除できます。これらの治療により、肝硬変への進行を防ぐことができます。 年1回の健康診断を欠かさず受診し、異常が指摘された場合は早めに医療機関を受診しましょう。 まとめ|肝硬変の治療は早めの定期検診や生活習慣の見直しで対策を 肝硬変は、肝炎やアルコール性肝疾患、脂肪肝などが進行した病気です。症状が進行するまでほとんど自覚が無く、黄疸や腹水などのはっきりした症状が現れる頃には、病気が進行しています。さらに肝硬変まで進行すると完治が難しく、命にもかかわることがあるため、定期的な健康診断による早期発見・早期治療が重要です。 肝硬変の治療法には、食事や飲酒量などの生活習慣の改善や薬剤の投与、肝臓移植、再生医療などの手段もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、肝硬変を含む肝臓疾患に対する再生医療を提供しております。肝硬変でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEにご登録いただき、再生医療に関する症例をご確認ください。 肝硬変に関するよくある質問 肝硬変の原因で最多のものは? 近年の研究では、国内で発症する肝硬変の原因として過剰なアルコール摂取が最多である結果が出ています。 アルコール性肝疾患:35.4% C型肝炎:23.4% NASH:14.6% B型肝炎:8.1% (文献1) 肝硬変を予防するためには、アルコールの摂取量を適切な範囲に抑えることが大切です。 肝硬変で死ぬ前は苦しい? 進行した肝硬変では多くの場合、苦しさを伴う症状が現れます。 肝硬変の末期症状は腹水や黄疸、浮腫(むくみ)などが深刻化している状態です。なかでも腹水は症状の進行によって腹部が膨らみ、呼吸困難さえも引き起こします。 また肝機能の低下で体内のアンモニアが分解されないまま脳に達すれば、肝性脳症に陥る場合もあります。肝性脳症では昏睡状態になるケースさえあるほど危険な症状です。 参考文献 (文献1) Hirayuki Enomoto et al. (2024) Etiological changes of liver cirrhosis and hepatocellular carcinoma-complicated liver cirrhosis in Japan: Updated nationwide survey from 2018 to 2021”| Hepatol Res. (文献2) 肝硬変患者の生命予後の検討|厚生労働省 (文献3) 臨床検査のガイドライン JSLM2024|日本臨床検査医学会 (文献4) 判定区分 2025年度版|日本人間ドック・予防医療学会 (文献5) 肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)|日本消化器病学会・日本肝臓学会 (文献6) 肝臓病の理解のために |日本肝臓学会 (文献7) アルコール|厚生労働省
2025.11.26 -
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関節の腫れや痛み、朝のこわばりが続いて「もしかしてリウマチ?」と、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。 関節リウマチは自己免疫の異常によって関節に炎症が起こる慢性疾患で、進行すると関節の破壊や変形につながるケースがあるため注意が必要です。 本記事では、関節リウマチの特徴や原因、診断方法、治療の選択肢などをわかりやすく解説します。 症状の悪化を防ぎながら生活の質を維持したい方、予防したい方は参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、治療の選択肢の一つ「再生医療」の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチとは 関節リウマチとは、自己免疫の異常によって関節の滑膜(関節を包む薄い膜)に炎症が起こり、腫れや痛み、こわばりを生じる慢性疾患です。 炎症が続くと軟骨や骨が破壊され、関節の変形や機能障害が進行します。 手指や手首、足首など小さな関節から症状が現れるケースが多く、全身の倦怠感や微熱を伴うことも少なくありません。 とくに女性に多く、30〜50歳代での発症が目立つのが特徴です。 関節リウマチの治療には長い期間を要する場合があるものの、早期に診断・治療を開始すれば、関節の破壊を予防して日常生活の質を維持できる可能性があります。 なお、似ている言葉に「リウマチ熱」がありますが、リウマチ熱は溶連菌感染が原因で起こる病気であり、関節リウマチとの関係性はありません。 関節の炎症が起こる仕組みについては、以下の記事も参考になります。 関節リウマチの初期症状 関節リウマチは、発症初期から指の関節のこわばりや関節の腫れといった、体に特徴的なサインが現れます。 もっとも多いのが指の関節のこわばりで、とくに朝起きた直後に手指が動かしにくくなる「朝のこわばり」が典型的な初期症状です。 こわばりは30分以上続く場合もあり、症状が進むと日常動作に支障をきたします。 また、関節の腫れも初期からよく見られる症状です。 手指や手首、足首などの小関節が赤く腫れて押すと痛みを伴うほか、倦怠感や微熱、食欲低下など全身症状が併発するケースもあります。 炎症によって関節が熱を持ち、左右対称に症状が出るのも特徴です。 指や手首の違和感や腫れが数週間以上続く場合は、早めにリウマチ専門医を受診しましょう。 初期段階で適切な治療を開始すれば、関節破壊や変形の進行防止を目指せます。 【関連記事】 関節リウマチの初期症状|どんな痛みが出る?チェックリストで確認 【医師監修】関節炎とは|原因・症状・治療法からリウマチとの違いを徹底解説 関節リウマチの原因・メカニズム 関節リウマチを発症する原因には、おもに以下3つの要因が考えられています。 自己免疫疾患 滑膜(かつまく)の炎症 遺伝的な素因 関節リウマチは自己免疫疾患の一種であり、本来は体を守る免疫が誤って自分自身の組織を攻撃し、発症します。 関節を覆う滑膜が標的となり、炎症が持続するのが特徴です。 滑膜は関節の動きを滑らかに保つ役割を持ちますが、炎症によって厚く腫れると関節内に炎症細胞や異常な組織が増殖します。 炎症が続くと組織が軟骨や骨を破壊し、関節の破壊や変形を引き起こすのです。 さらに、炎症物質が血流を介して全身に広がると、倦怠感や微熱、貧血などの全身症状を伴うケースもあります。 発症には遺伝的な素因も関与しており、特定のHLA遺伝子型を持つ人では発症リスクが高いことが知られています。 ただし、遺伝だけでなく喫煙や感染症、ホルモンバランスの変化など環境要因も複雑に関係している点も見逃せません。 また、やや専門的になりますが、体内で炎症が起こると「IL-6」や「TNFα」などのサイトカインという物質が過剰に分泌され、さらに炎症を悪化させる点も押さえておきましょう。 なお、関節リウマチの原因については以下の記事でも詳しく解説しています。 関節リウマチになりやすい人 関節リウマチは誰にでも発症の可能性がありますが、特定の年齢層や生活習慣を持つ人で発症率が高いことが知られています。 遺伝的素因と環境要因の組み合わせが影響しており、生活習慣や性別、年齢によってリスクが異なるのです。 ここでは、関節リウマチになりやすい人の特徴を解説します。 30~50代の女性 関節リウマチを発症する男女比は約1:4と女性に多く、とくに30〜50代の発症が目立ちます。(文献1) 女性が多い背景には、女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。 女性ホルモンのエストロゲンには免疫調整作用がありますが、分泌が減少すると免疫異常が起こりやすくなるのです。 妊娠や出産、更年期などでホルモンバランスが変化する時期には、関節リウマチの早期発見に敏感になることも対策の一つといえるでしょう。 喫煙している人 喫煙は、関節リウマチの発症リスクを高める重要な要因の一つと考えられています。 タバコの煙に含まれる有害物質が免疫細胞を刺激し、自己抗体の産生を促進するとされているのです。 また、喫煙は発症後の病状悪化や治療効果の低下とも関連します。 禁煙すればリスクを低下させる効果が期待できるため、予防や症状管理の観点からも有効です。 喫煙が関節リウマチに与える影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。 関節リウマチの診断基準 関節リウマチの診断には、米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)が2010年に策定した分類基準が用いられます。(文献2) 診断は以下の表のように臨床所見と血液検査、症状の持続期間を点数化し、合計6点以上で関節リウマチと診断されます。 項目 内容 点数 関節の腫脹 1関節〜10関節以上で加点 0〜5 血清学検査 RFや抗CCP抗体の有無・値 0〜3 炎症反応 CRPや赤沈(ESR)の異常 0〜1 症状の持続期間 6週間以上で加点 0〜1 ただし、上記の診断基準は、あくまで早期から治療を開始するための目安であり、必ずしもすべての症例に当てはまるわけではありません。 実際には、医師による総合的な判断によって診断されます。 関節リウマチの検査 関節リウマチの検査では、症状の確認に加えて複数の検査を組み合わせます。(文献1) 早期発見・治療のためには、血液検査や画像検査などを総合的に評価することが重要であるのが理由です。 ここでは、関節リウマチのおもな検査方法を紹介します。 血液検査 血液検査は、炎症の有無や自己抗体の存在を調べるために行われます。 代表的な検査項目は以下の通りです。 検査項目 目的 リウマトイド因子 自己抗体の値を確認するため 抗CCP抗体 免疫異常の有無をチェックするため CRP(C反応性タンパク) 関節リウマチによる関節炎の度合いを確認するため 赤沈 慢性炎症の有無を評価するため 以下の記事では、関節リウマチにおける血液検査の種類や数値について医師が詳しく解説しています。 尿検査 尿検査は関節リウマチそのものの診断よりも、病気や治療による腎機能への影響を確認する目的で行われ、蛋白尿や潜血の有無を調べて腎臓の健康状態を評価します。 とくに、抗リウマチ薬や生物学的製剤を使用している場合は、副作用の早期発見に有用です。 画像検査 画像検査は、関節や骨の状態を直接評価する方法です。 X線やCT検査は、おもに治療開始後の関節破壊を評価するために行われます。 MRIは、より早期の炎症や骨の損傷を捉えられるのに役立ち、超音波検査は滑膜の炎症や関節液の貯留をリアルタイムで観察可能です。 上記のさまざまな画像検査の組み合わせにより、発症初期から進行度までを的確に把握し、治療方針を決定します。 関節リウマチの治療 関節リウマチの治療は、日常生活の質を維持しながら関節の破壊を防ぐことが主な目的です。薬による治療が中心ですが、生活習慣の改善や自然療法、さらには再生医療まで選択肢は広がっています。 ここでは、「薬物療法」「自然療法」「再生医療」について見ていきましょう。 薬物療法 関節リウマチの治療は、炎症を抑えて関節破壊を防ぐのが目的であり、薬物療法が基本です。 以下のような薬を用います。 抗リウマチ薬:免疫の異常を根本的に抑える 非ステロイド性抗炎症薬:炎症や痛みを軽減する 副腎皮質ステロイド:急性期の症状緩和に用いる また、近年は生物学的製剤やJAK阻害薬など、特定の炎症物質に作用する治療薬も選択肢となっています。 関節機能を長く保つには、これらの薬を症状や進行度に応じて組み合わせ、早期に治療を開始することが必須です。 関節リウマチの薬については、以下の記事でも取り上げています。 「薬を飲まないとどうなのか」なども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 自然療法 関節リウマチの治療には、以下の3つの方法による自然療法もあります。 方法 内容 炎症コントロール 抗炎症食材(青魚、野菜など)を積極摂取し、炎症を悪化させる赤身肉、加工食品は控える 腸内環境の改善 免疫細胞の約7割が集まる腸を整えることで、免疫システム全体の正常化を図る。プロバイオティクスや消化酵素の補充が有効。 免疫システムの調整 ホルモンバランスの調整、デトックス、薬用キノコ(椎茸など)による免疫バランスの正常化を行う。 これらのアプローチは数ヶ月単位の継続が必要ですが、体質改善を目指せます。 再生医療 再生医療では、患者様自身の幹細胞や血液を利用する治療法です。 治療法 内容 幹細胞治療 患者様から幹細胞を採取・培養して患部に投与 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用する治療 PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮した液体を作製して患部に投与 血小板に含まれる成長因子が炎症を抑える働きを活用する治療 PRP療法は炎症に対するアプローチであり、根本的な原因に対する治療ではないという点には注意が必要です。 以下では関節リウマチに対する再生医療について紹介しています。あわせてご覧ください。 関節リウマチのしてはいけない10項目 関節リウマチでは、日常生活での工夫が症状の悪化や関節破壊の進行を防ぐうえで重要です。 とくに以下に挙げた10項目は、関節に負担をかけたり、炎症を悪化させたりする可能性があります。 1.激しい運動を避ける 2.関節を冷やさない 3.和式トイレを使わない 4.高さのある枕を使用しない 5.体重増加に気を付ける 6.正座しない 7.重い物を持たない 8.ストレスを溜めない 9.喫煙しない 10.加工食品の摂取を控える 激しい運動や重い物を持つ動作は、関節に大きな負担をかけます。 また、冷えや過剰な体重は炎症を悪化させる要因となるため、十分に注意しなければなりません。 日々の生活習慣においては喫煙や加工食品の摂取を避け、ストレスをためないように心がけることも大切です。 避けるべき生活習慣を見直すことは、結果的に炎症や関節破壊の進行を抑え、日常生活の質を維持しやすくなります。 とくに症状が不安定な時期は、無理をせず関節をいたわる生活を心がけましょう。 関節リウマチのしてはいけない生活習慣については、以下の記事でも詳しく解説しています。 より理解を深めたい方はチェックしてみてください。 まとめ|関節リウマチは早期に対処しよう 関節リウマチは自己免疫の異常で関節に炎症が起こり、進行すると関節破壊や変形を引き起こします。 しかし、早期診断と適切な治療により、症状の改善や進行抑制を目指すことも可能です。 指や手首のこわばり、腫れが続く場合には放置せず、速やかに医療機関を受診しましょう。 また、関節の機能を守るための生活習慣の見直しも欠かせません。 当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEにて再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、以下のLINEボタンからお気軽にお問い合わせください。 関節リウマチに関するよくある質問 何科を受診すれば良いですか? 関節リウマチが疑われる場合は、専門的に診療できるリウマチ科を受診しましょう。 また、整形外科や内科から専門医を紹介してもらう方法もあります。 関節リウマチに市販薬はありますか? 薬局では痛み止めを購入できますが、長期的な症状緩和を目的に市販薬を使い続けることは避けてください。 かえって症状を悪化させる恐れもあるため、必ず医師の診断と治療を受けましょう。 関節リウマチは発熱しますか? 関節リウマチでは、炎症の影響で微熱や発熱を伴う場合があります。 発熱が続くなら感染症の可能性も考慮し、早めに受診し医師の診断を受けましょう。 参考文献 (文献1) 関節リウマチ|大正製薬 (文献2) 関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)|慶應義塾大学病院 健康情報ひろば・KOMPAS
2025.08.31 -
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- 内科疾患、その他
「圧迫骨折が治ったあとに痛みが取れないのはなぜ?」 「痛みが取れないのはどんな後遺症?」 結論として、胸椎や腰椎などの圧迫骨折では、痛みの慢性化やしびれなどの神経症状が後遺症として発生することがあります。 その原因はさまざまなので、原因に応じた治療を行うことが重要です。 本記事では、圧迫骨折の後遺症による痛みの原因について詳しく解説します。 痛みの原因とその治療方法を理解するために役立ててください。 また、圧迫骨折の痛みに関するお悩みを今すぐ解消したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \骨折の後遺症に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症にも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 3ヶ月以上続く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みだけでなく、しびれや脱力感がある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 再生医療は、圧迫骨折の長引く痛みだけでなく、後遺症による神経症状(しびれなど)にも有効な場合があります。 具体的な治療法については、当院リペアセルクリニックで無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! 圧迫骨折の後遺症による痛みについて 圧迫骨折が治っても、後遺症として痛みが現れることがあります。(文献1) 後遺症として痛みが現れる原因は、円背(えんぱい:背中が丸くなる)や偽関節(ぎかんせつ:骨がくっついていない状態)など、人によってさまざまです。 痛みが続くと、家事や社会活動、娯楽などあらゆる日常生活の動作の妨げになります。 その結果、身体機能だけでなく、生活の質まで低下してしまいます。こうした悪化を防ぐためにも、痛みの原因に応じた適切な治療を行うことが大切です。 なお、圧迫骨折の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療で改善する可能性があります。 効果が見込めるかどうかは骨折の状態や後遺症によって異なるため、「圧迫骨折の後遺症をなんとか治したい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 圧迫骨折後に痛みが取れない5つの原因 圧迫骨折後に痛みが取れない主な5つの原因は以下の通りです。 円背が起きている 骨が正常にくっついていない 筋肉が硬くなっている 痛み信号が誤って脳に送られている ストレスや不安を感じている それぞれの詳細を解説します。 1.円背が起きている 背骨(椎体)が押し潰されるように圧迫骨折が起きると、背中が猫背のように曲がった状態を指す「円背」になる可能性があります。 円背は重症になると、神経が圧迫されて以下のような症状が現れます。 手足の痛みやしびれ 筋力の低下 膀胱直腸障害 歩行障害 骨粗鬆症による椎体圧迫骨折が原因の円背は、胃や食道の逆流現象や膀胱直腸障害(排尿や排便のコントロールが難しくなる状態)などを引き起こすことがあります。(文献2) なお、円背による神経圧迫の痛みやしびれには、損傷した神経の改善が期待できる「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 重症化して日常生活に影響が出る前に、適切な治療を受けることが重要です。 >>円背による痛みの治療法を確認する 2.骨が正常にくっついていない 圧迫骨折後に、骨癒合(こつゆごう:骨がくっつくこと)が得られず、偽関節という状態になることがあります。とくに高齢者は偽関節になりやすい傾向です。(文献4)圧迫骨折において、偽関節の状態になってしまうと以下のような症状が現れます。 慢性的な痛み 下肢の麻痺 歩行障害 偽関節のままリハビリテーションをしてしまうと、かえって運動能力が低下する恐れがあるため推奨できません。リハビリテーションの前に適切な治療を受けることが大切です。 3.筋肉が硬くなっている 圧迫骨折では、長期間の安静による動きの制限や痛みによる不自然な姿勢によって筋肉が硬直し、痛みが長引くことがあります。(文献1)筋肉が硬くなると、関節の可動域も制限されてしまいます。その結果、日常生活の動作に悪影響を及ぼします。 4.痛み信号が誤って脳に送られている 圧迫骨折が治ったあとも、中枢神経(脳から全身に指令を送る神経)が痛みの信号を誤って送り続けてしまうことがあります。(文献1)また、骨折中に大量の痛み信号を送り続けていた結果、痛みに対して、過敏になっている場合もあります。 このような痛みは、神経痛と呼ばれ、痛み止めなどが効きづらいのが特徴です。神経痛は早期から治療を始めると、多くの場合は予防できるとされています。 「骨折の治癒後1カ月以上痛みが続いている」「痛みの種類が変わってきた」という場合は、神経痛を疑い一度医師に相談しましょう。 5.ストレスや不安を感じている ストレスや不安、抑うつなど心理的な要因により痛みが長引くこともあります。(文献1)そもそも骨折による痛みそのものがストレスを増大させるため、適切な痛みの管理が必要です。 また、圧迫骨折を含む外傷の痛みによるストレスは、以下のようなさまざまな有害事象を引き起こすリスクもあります。 血圧上昇 不整脈 高血糖 免疫機能の低下 消化器機能の低下 治療中の痛みのケアはもちろん、不安や抑うつ気分を解消して、ストレスの軽減を図る必要があります。 圧迫骨折の後遺症による痛みの治療法【原因別】 圧迫骨折の後遺症による痛みには、原因に応じた治療を行うことが重要です。 本章では、圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法を原因別で解説します。 円背の場合 偽関節の場合 その他の原因の場合 以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。 円背の場合 円背がある場合は、保存療法と手術療法が検討されます。 保存療法の内容は、痛み止めの処方やコルセットによる矯正、リハビリテーションなどです。 リハビリテーションでは、腹部をへこませて体幹を鍛えるドローインなどの体幹トレーニングを行います。また。腰回りの筋肉を鍛えて体幹を安定させることで、腰の痛みの改善が期待できます。 下肢の痛みやしびれなどの神経症状が現れている場合は、手術を検討しなければなりません。(文献3) 円背の状況に沿った手術が検討されますが、代表的な方法は以下のとおりです。 手術方法 詳細 椎体形成術 潰れてしまった椎体に風船を入れて膨らませる。風船を取り出して空いたスペースにセメントを入れて椎体を形成する。 後方・後側方固定術 スクリューを用いて脊椎を安定させる方法。椎体形成術のみでは、固定が弱い場合または骨が脆弱である場合に行われる。 また、円背の神経圧迫による痛みには、先端医療の一つである「再生医療」による治療もご検討ください。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、長引く痛みや神経損傷の後遺症にも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 3ヶ月以上続く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みだけでなく、しびれや脱力感がある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療に関する無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! 偽関節の場合 偽関節の場合も保存療法や手術療法が検討されます。偽関節に対する保存療法は、偽関節の周囲に仮骨ができるまで、長期間硬いコルセットを装着する方法です。そのため、患者様は長期間の辛抱強い協力が不可欠です。 手術においては、円背と同様に椎体形成術が検討されます。痛みの他に遅発性麻痺(骨折後しばらくしてから現れる麻痺)が現れている場合は、セメントの代わりにハイドロキシアパタイト(骨の原料になる素材)を椎体内に入れて、さらにスクリューで固定する方法を行うこともあります。 その他 その他の痛みの原因に対しては、それぞれ以下のような治療方法を検討します。 原因 治療方法 詳細 筋肉の硬直・痛み信号の誤送信 神経ブロック注射 痛みの原因となっている周辺に局所麻酔の注射をして、痛みを緩和させる方法。一時的に痛み信号を遮断して、血流や筋肉の硬直が改善する。 ストレスや不安 薬物療法 抗うつ薬や抗てんかん薬により神経を整えることで痛みを軽減させる。 カウンセリング 感情的な側面の理解を通して痛みを軽減させる。 認知行動療法 痛みの捉え方や行動を修正して痛みを軽減させる。 まとめ|適切な治療やリハビリを受けて痛みを軽減しよう 圧迫骨折で痛みが取れない場合、円背や偽関節による後遺症として痛みが生じている可能性があります。 後遺症による痛みを改善させるには、保存療法、手術療法、ブロック注射など、痛みの原因に合わせた治療が必要です。 痛みの状況や症状をできるだけ正確に医師に伝えて、適切な治療やリハビリテーションを受けましょう。 圧迫後遺症による痛みやしびれを早く治したい方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、圧迫骨折の長引く痛みや後遺症の改善が期待できます。 以下のような方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 長引く圧迫骨折の痛みを早く治したい 痛みやしびれなどの後遺症に悩まされている 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 「具体的な治療法を知りたい」「圧迫骨折の後遺症を早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼まずは圧迫骨折の治療について無料相談! 参考文献 (文献1) 滋賀医大病院ニュースTOPICS|滋賀医科大学医学部附属病院ホームページ (文献2) 脊椎圧迫骨折は円背をもたらす|厚生労働科学研究成果データベース (文献3) 成人脊柱変形|昭和学士雑誌 (文献4) 骨粗鬆症性椎体骨折(偽関節)|福島県立医科大学
2025.07.31 -
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更年期に入ってから「肩こりがひどくなった」と感じる方は少なくありません。 これは主に、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れ、筋肉の血流が悪化することが原因と考えられています。 さらに、姿勢の悪さや運動不足、ストレスなども症状を悪化させる一因です。 しかし、肩こりの根本的な原因を正しく理解し、自宅でのケアや医療機関での治療を適切に組み合わせれば、快適な日常を取り戻すことも可能です。 本記事では、更年期の肩こりが起こるメカニズムから自宅でできるケア方法、病院での治療法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ひどい肩こりの症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期で肩こりがひどくなるのはなぜ?メカニズムを解説 更年期に肩こりが悪化するのは、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れるのが主な原因です。 エストロゲンには自律神経を安定させる働きがありますが、更年期に入るとホルモンの分泌量が大きく減少します。 その結果、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血管の収縮や筋肉の緊張が続きやすくなるのです。 とくに、肩や首まわりの筋肉が緊張すると血行不良が起こり、肩こりが慢性化する可能性があります。 また、加齢による筋力低下やストレスが蓄積すると、肩こりがさらに強まることも少なくありません。 更年期の肩こりは、ホルモンと神経系の変化が深く関わってひどくなるメカニズムである点を押さえておきましょう。 更年期の肩こりが起こる7つの原因 更年期に差しかかると、肩こりを訴える女性が増加します。 単なる疲労や年齢の影響だけでなく、ホルモンバランスの変化や生活習慣、自律神経の乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み、肩こりになりやすい時期なのです。 ここでは、更年期に特有の肩こりの原因を7つに分類し、それぞれ詳しく解説します。 血流の悪化 更年期になると血流の巡りが悪くなり、肩の筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。 血行不良が老廃物の蓄積や筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの症状を悪化させる原因となるのです。 さらに、冷えやすい体質も血流に悪影響を及ぼします。 血流不足が続くと肩や首の筋肉が硬直し、慢性化した痛みへと進行する恐れもあるため注意しなければなりません。 エストロゲンの減少 更年期に入って卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 ホルモンは血管の拡張や筋肉の柔軟性の維持に深く関与しており、不足すると筋肉が硬くなりやすく、肩こりの原因となるのです。 また、骨密度や関節の状態にも影響し、身体の可動域が狭くなりやすい傾向があります。 肩こりがホルモンの変動が原因の場合、単なるマッサージでは改善しにくい点も懸念材料です。 自律神経の乱れ 更年期の肩こりは、自律神経の乱れも原因の一つです。 エストロゲンが減少して自律神経のバランスが崩れると、交感神経が過剰に優位になって血管の収縮や筋肉の緊張が起こります。 その結果、血流の悪化と相まって肩周辺の筋肉がこわばり、肩こりを引き起こしやすくなります。 また、不眠や倦怠感といった他の更年期症状と肩こりが互いに影響し合うこともあるため、体と心の両方からケアしていくことが大切です。 姿勢の悪さ 日常生活における姿勢の悪さも、更年期の肩こりを悪化させる要因となります。 たとえば、長時間のスマートフォンの使用やパソコン作業により、猫背や前傾姿勢が癖になっていると肩甲骨周辺の筋肉が常に引っ張られた状態になってしまうのです。 姿勢の悪い状態を続けると筋肉の緊張で血流が妨げられ、肩こりが慢性化します。 とくに、更年期は筋肉量の低下も重なって姿勢を支える力が弱まっているため、肩こりを感じやすくなる傾向がある点に留意しておきましょう。 ストレス 更年期は体調の変化に加え、仕事や家庭での役割の変化、将来への不安など精神的ストレスが増す時期です。 ストレスが蓄積すると交感神経が活性化し、筋肉が硬直しやすくなります。 さらに、ストレスによって不眠や疲労感が増幅されて筋肉の回復が妨げられると、肩こりが慢性化しやすくなるのです。 リラクゼーションや趣味の時間を確保し、ストレス緩和と肩こりの軽減につなげていく意識が大切です。 心のケアが、体の不調と深く結びついている点を認識しておきましょう。 運動不足 加齢とともに運動量が減ると、肩こりが起こりやすくなるため注意が必要です。 運動不足になると筋肉量の減少と柔軟性の低下が進み、血流も悪化します。 とくに肩周りの筋肉は使わないと硬くなりやすく、日常の動作だけでも疲労しやすくなるのです。 また、筋肉が弱ると正しい姿勢を維持できなくなり、肩こりを引き起こす要因になります。 定期的なストレッチや軽い運動を習慣化し、肩こり予防につなげていきましょう。 ひどい肩こりは病気の可能性も 慢性的に肩こりが続き、以下のような症状がある場合には他の疾患が関与している可能性があります。 痛みが強い 頭痛や吐き気を伴う 手のしびれがある たとえば、頸椎症や椎間板ヘルニア、高血圧や内臓疾患などが肩こりの原因となるケースもあるため要注意です。 とくに、更年期は体調が変化しやすいため「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 更年期の肩こりを和らげる自宅ケア方法・治し方 更年期に入ると肩こりが慢性化し、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 医療機関での治療も大切ですが、日常的なセルフケアによって症状を和らげることも十分可能です。 ここでは、自宅で簡単に取り組める更年期の肩こり対策を紹介します。 ツボ押し 肩こりに効くツボを刺激することで、血流を促進し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 正しい位置と押し方を確認した上で、毎日の習慣に取り入れてみましょう。 肩こり解消に適した主なツボには、以下のようなものがあります。 肩井(けんせい):首の根元と肩先との真ん中にあるツボ 天柱(てんちゅう):髪の毛の生え際付近で、首の太い骨の外側にあるツボ (文献1) 指の腹でゆっくりと5秒間押すのを数回繰り返すことで、心地良い刺激となって肩まわりの筋肉がほぐれやすくなります。 ただし、強く押しすぎると逆効果になるため、心地良いと感じる程度の力加減がツボ押しのポイントです。 十分な睡眠 十分な睡眠は自律神経を整え、筋肉の回復を促すために不可欠です。 とくに、更年期にはホルモンの変化によって不眠や眠りの質が低下しやすいため、以下のような対策を心がけましょう。 就寝前1時間はスマートフォンを見ない 寝室を暗く静かに保つ 毎日同じ時間に寝起きする 睡眠中は筋肉が緩んで血流も改善されるため、質の高い睡眠は肩こりの軽減に直結します。 また、十分な睡眠は肩こりの軽減だけでなく、全身の健康維持にも重要です。 ぬるま湯で入浴 38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると、自律神経のバランスを整えやすくなります。 入浴によって体温が上がると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなるのです。 以下のポイントを意識して実践してみましょう。 15〜20分程度の半身浴 入浴剤を使用してリラックス効果をアップ また、就寝前に入浴すると入眠しやすくなる効果もあるため、睡眠の質向上にもつながります。 患部を温める 肩こりの原因が肩まわりの血行不良である場合、外から温めると症状が改善するケースがあります。 温めることで局所の血行が促進され、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 とくに、冷房の効いた環境に長時間いると肩が冷えやすくなるため、温熱ケアは積極的に取り入れたい肩こり対策の一つです。 以下のような方法を試してみましょう。 蒸しタオルや温熱シートを使って肩を温める 冬場はカイロや温熱パッドを活用してしっかり温める ただし、炎症を伴うような強い痛みや熱を持っている場合は、温めると逆効果になる点に留意しておきましょう。 ストレッチ 肩まわりの筋肉をやさしく動かすストレッチは、肩こりの予防と解消に効果が期待できます。 なかでも、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチを試してみてください。 手順は以下の通りです。 1.両ひじを曲げて肩より上に上げ、手は軽く握って鎖骨のあたりに置いて腕がV字になるようにする 2.両ひじをゆっくりと後ろに引き、5秒かけて息を吐く。ひじの位置はできるだけ下げないように注意し、肩甲骨を背骨に向かって寄せる意識で強めに引き寄せる 3.肩甲骨を寄せたまま「ひじを下げてから脱力する」を5回繰り返す (文献2) 起床時と就寝時に5回ずつ、上記の肩甲骨ストレッチを習慣にしてみましょう。デスクワークの合間などに行うのもおすすめです。 ただし、無理な動きは避け、心地よく感じる範囲でストレッチしてください。 入浴後など、身体が温まっている時間帯に行うと効果を高められます。 生活習慣の見直し 日常生活の中で、肩こりの原因となる習慣を見直す意識も大切です。 とくに、更年期に入ると日々の体調が変化しやすくなるため、規則正しい生活リズムを心がけましょう。 たとえば、以下のような点に注意してください。 長時間同じ姿勢を避け、1時間に一度は体を動かす スマートフォンやパソコンの画面を目線の高さに合わせる バランスの良い食事を心がける また、カフェインやアルコールの摂取を控えると、自律神経を安定させる効果が期待できます。 これらの生活習慣の改善は、肩こりの軽減だけでなく全身の健康維持にもつながります。 更年期の肩こりの治療法 更年期の肩こりは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが主な原因であり、症状が長引く場合は医療機関での適切な治療が必要です。 ここでは、更年期の肩こりに対する代表的な治療法を2つ紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを補う治療法です。 エストロゲンの補充によって自律神経のバランスを整え、肩こりや腰痛の緩和を目指します。(文献3) ただし、更年期障害の中でも重い症状に対して実施される治療法であり、副作用のリスクがある点に注意が必要です。 持病がある場合には、医師の診察と管理のもとで慎重に治療を行う必要があります。 漢方療法 漢方療法は、全身のバランスを整えることを目的とした治療法です。 多種多様な漢方の中から個々の体質や症状に合わせて処方され、肩こりや腰痛だけでなく疲れやすさや冷え、不眠といった更年期特有のさまざまな症状の軽減を目指します。 漢方は副作用が比較的少ないため、長期的な体調改善を目的とする方におすすめです。 また、西洋医学との併用も可能で、症状に合わせて柔軟な治療が行える点もメリットです。 更年期の肩こりだけでなく、腰痛にもお悩みの方は以下の記事もご覧ください。 まとめ|更年期に肩こりが悪化しやすい原因を理解して改善に取り組もう 更年期に肩こりが悪化しやすいのは、エストロゲンの急激な減少による自律神経の乱れや血流の悪化が主な要因です。 また、姿勢の悪さや運動不足、ストレスの蓄積なども複合的に影響しています。 肩こりの原因を正しく理解し、自宅でできるケアや生活習慣の見直しから無理なく始めてみてください。 改善が見られない場合は、ホルモン補充療法や漢方治療といった医療的なアプローチの検討も重要です。 早めの対策と継続的なケアで、更年期の肩こりを無理なく和らげていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っております。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録してぜひ一度ご利用ください。 参考文献 (文献1) 肩こりの解消法③ かんたんなツボ押し|大原薬品 (文献2) 肩こりにおすすめ!肩甲骨ストレッチ|沢井製薬 (文献3) 更年期相談室|更年期の症状!肩こりや腰痛、背中の痛みの原因と対策
2025.07.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「最近、心臓がドキドキする回数が増えた」「急に息苦しくなり、不安を感じるときがある」 このような不調が増えたなら、更年期のホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。 更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少により、自律神経の働きが不安定になりやすく、不整脈や動悸などの症状が現れる場合があるのです。 本記事では、更年期に起こる不整脈や動悸の原因から、症状、診断方法、予防・対処法までわかりやすく解説します。 とくに、心と体の不調を抱える更年期世代の方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期と不整脈の関係性 更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 エストロゲンが減ると自律神経のバランスが乱れ、動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状が現れやすくなるのです。 ただし、更年期だからといって誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります。 また、不整脈の症状は更年期障害によるものだけでなく、心疾患など他の病気が原因の可能性もあるため、自己判断せず医療機関での正確な診断が重要です。 更年期に起きる動悸の症状 更年期における動悸の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった不快感として現れます。 日常生活の中で突然出現し、数秒から数分で収まる場合が多いのが特徴です。 動悸に伴って、息切れや胸の圧迫感、不安感を同時に感じるケースもあります。 とくに安静時や夜間に起こりやすく、寝つきが悪くなる原因になる場合も少なくありません。 動悸の頻度や持続時間には個人差がありますが、継続的に「何もしていないのに心臓が急に速くなる」と感じる場合は注意が必要です。 自律神経のバランスの乱れが原因で心拍調整がうまくいかなくなっている可能性があり、早期に医療機関で検査・診断を受けましょう。 脈が飛ぶ不整脈「期外収縮」とは 「期外収縮」とは、心臓が通常よりも早く1回だけ拍動し、そのあとに一拍の休止が生じる不整脈を指します。 脈が一瞬抜けたように感じられるのが特徴です。(文献1) 正常な心拍に混じって突然早い拍動が起こり、その後に長めの休止が生じるため、脈が一瞬抜けたように感じられます。 多くの場合、健康な人にも見られる良性の不整脈であり、一時的であれば治療の必要はありません。 しかし、更年期の女性はホルモンバランスの変化や自律神経の不調が関与し、頻度が増す場合があります。 また、胸の違和感や不安感を伴う場合は心臓疾患の可能性があるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期に起こりやすい不整脈・動悸・息切れの原因 更年期に見られる不整脈、動悸、息切れの主な原因は、エストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れです。 エストロゲンは心血管系の安定にも関与しており、減少すると交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心拍の変動を引き起こしやすくなります。 また、次のような要因も症状を悪化させる要素です。 ストレスや不安:更年期には心理的な影響を受けやすく、緊張や不安が心拍数を上昇させる 睡眠障害:ホルモン変動によって睡眠の質が低下し、夜間の動悸や不整脈の発生リスクが高まる 体力の低下や運動不足:筋力や心肺機能の低下が息切れや動悸を助長する原因となる カフェインやアルコールの摂取:刺激物の影響で心拍が不規則になる 上記の要因は単独でも症状を引き起こしますが、複数が重なると症状が強く現れる場合があります また、更年期には血圧の変動が激しくなる傾向もあり、血圧の急激な上昇や下降が息切れの原因となる点にも留意しておきましょう。 症状が慢性化する前に生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。 更年期に起こりやすい不整脈の診断・治療 更年期に起こる不整脈の診断では症状の詳細な問診に加え、心電図やホルター心電図(24時間心電図)などの検査を行います。(文献2) 不整脈の種類や頻度、持続時間を確認し、危険性の有無を評価するのが目的です。 必要に応じて血液検査や心エコー検査も追加され、心疾患や甲状腺機能異常など他の疾患との区別も行われます。 治療は不整脈の種類や症状の重さによって異なり、軽度であれば経過観察やストレス管理、規則正しい生活、適度な運動といった生活習慣の改善が中心です。 重症で日常生活に支障をきたす場合は、抗不整脈薬などの薬物療法が行われます。 いずれにしても不整脈が気になるなら、深刻な状態になる前に医療機関で適切な診断を受けましょう。 更年期の不整脈による動悸・息切れの対処法・予防法 更年期における不整脈や動悸、息切れの症状は、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 症状に応じた適切な対処法を知り、予防につなげていく意識が大切です。 ここでは、代表的な対処・予防法を解説します。 ホルモン補充療法 更年期の不整脈がエストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れが原因と判断されると、ホルモン補充療法(HRT)が提案される場合があります。 ホルモン補充療法とは、更年期症状の改善を目的とした治療の一つです。(文献3) 飲み薬や貼り薬、塗り薬などの方法があり、身体の状態に合わせて選択されます。 ただし、副作用として不正出血・乳腺の張り・頭痛、さらに子宮体がんや乳がん、血栓症のリスクがあるため定期的な検診が必要です。 リスクを十分に把握した上で、医師に相談しながら検討しましょう。 漢方薬 漢方薬は、体質や症状に応じて処方される自然由来の治療法です。 副作用が比較的少なく、子宮体がんや乳がんなどの持病があってホルモン補充療法が難しい方や、軽症の方の選択肢の一つとなります。 漢方は全身のバランスを整えることを目的としており、体質や症状に応じて処方されるため、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や眠気などさまざまな更年期の不調に対して用いられる場合があります。 生活習慣を見直す 更年期中のストレス・疲労・睡眠不足は、不整脈による動悸・息切れの症状を悪化させる恐れがあります。 不整脈の負担を減らすべく、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。 食事:バランスの良い食事を1日3食摂り、イソフラボンやビタミンE・C・食物繊維の摂取を意識する 睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠・起床を心掛ける ストレス管理:趣味やリラックス時間を確保し、精神的負荷を減らす 上記のような生活習慣が自律神経を安定させる基盤となり、軽微な動悸・息切れの症状悪化を防ぐことにつながります。 無理のない範囲で、家族の協力も得ながら実践していきましょう。 運動する 有酸素運動は心肺機能を高めて血行を促進し、自律神経の調整にも効果が期待できます。 ウォーキング・サイクリング・水中運動などを週に3~5回、各30分程度だけでも続けてみましょう。 また、運動は生活習慣病予防や体力維持にもつながります。 無理のない範囲で日常的に取り入れてみましょう。 飲酒や喫煙を控える アルコールは中性脂肪やコレステロールを増やし、タバコは動脈硬化を進行させます。 微小血管の機能低下を招き、動悸や息切れ、胸痛などを悪化させる可能性があるため控えるべきです。 また、飲酒と喫煙は自律神経に刺激を与え、とくにタバコは血管の収縮を促進し、心臓への負担を大きくします。 更年期の不整脈による動悸・息切れを悪化させる原因にもなるため、控えましょう。 こんな症状があったら要注意|更年期の不整脈セルフチェック 更年期の不整脈や動悸・息切れが気になる場合、自覚症状の客観的な把握が重要となります。 自己チェックの方法の一つが、「簡略更年期指数(SMI)」です。 更年期障害の症状を点数化するチェック表で、動悸や息切れを含む10項目に対して自己評価を行います。 症状 強 中 弱 なし 顔がほてる 10 6 3 0 汗をかきやすい 10 6 3 0 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0 息切れ・動悸がする 12 8 4 0 寝つきが悪い・眠りが浅い 14 9 5 0 起こりやすく、イライラする 12 8 4 0 くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0 頭痛・めまい・吐き気がよくある 7 5 3 0 疲れやすい 7 4 2 0 肩こり・腰痛・手足の痛みがある 7 5 3 0 症状の程度に応じて自分で〇をつけ、点数を計算しましょう。 症状の強弱の目安は以下の通りです。 強:毎日のように出現 中:毎週みられる 弱:症状として強くはないがある 合計点を以下と照らし合わせ、医療機関を受診する際の目安にしてください。 0~25点:上手に更年期を過ごしており、これまでの生活態度を続けていきましょう 26~50点:食事や運動に注意しながら、無理のない生活を心掛けましょう 51~65点:医師の診察を受け、生活指導・カウンセリング・薬物療法を受けましょう 66~80点:半年以上長期間の計画的な治療が必要な状態でしょう 81~100点:精密検査を受け、更年期障害のみの場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう (文献4) ただし、簡略更年期指数はあくまで目安です。 点数が50点以下の場合でも、具合が悪いときは医療機関を受診してください。 まとめ|更年期の不整脈による動悸を予防しよう 更年期に見られる不整脈や動悸は多くの場合、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れに起因しています。 突然の胸のドキドキや脈の乱れが起こると不安になりますが、早期に対処すれば日常生活に大きな影響もなく過ごすことも可能です。 症状が続く場合には、婦人科や循環器科で検査・診断を受けましょう。 更年期の動悸は体からのサインです。 放置せず、自身の身体と向き合いながら適切なケアを心がけてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断が受けられます。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度ご利用ください。 更年期の動悸や不整脈に関するよくある質問 更年期の不整脈が気になる場合は何科を受診すれば良いですか? 更年期に不整脈や動悸が気になる場合は、まず「婦人科」でホルモンバランスを確認します。 ただし、症状が軽度であれば婦人科で問題ありませんが、胸痛や強い動悸がある場合は心疾患の可能性もあるため「循環器内科」を受診しましょう。 更年期の動悸はどれくらい続きますか? 動悸の持続期間は個人差があるため一概にいえないものの、2~3年以上続く場合もあります。(文献5) エストロゲンの変動が大きい50歳前後の更年期に動悸が起こりやすいですが、60歳を過ぎても持続するケースがある点に留意しておきましょう。 一般的には、更年期の終わりとともに軽快する傾向があるとされています。 症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師機関を受診してください。 動悸が治らないときはどうすれば良いですか? 動悸が継続する場合は、まず医療機関で精密検査を受けましょう。 心電図やホルター心電図により、心臓由来の異常かどうかが判断されます。 心疾患でない場合は更年期障害として判断され、ホルモン補充療法や漢方薬による対処法が一般的です。 また、生活習慣の見直しも重要になります。 男性にも更年期障害はあるのですか? 男性にも、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる更年期障害が起こる場合があります。 男性ホルモンであるテストステロンの分泌低下により、疲労感や抑うつ、不眠、性機能低下などが現れるのが特徴です。 症状が気になる場合は、泌尿器科または男性更年期に詳しいクリニックに相談しましょう。 参考文献 (文献1) 「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も。受診の目安は?|家庭画報.com (文献2) 不整脈の診断・治療|キタ・クリニック (文献3) ホルモン療法とは?更年期対策でやるべき3つの理由|更年期相談室 (文献4) 簡略更年期指数PDF|東京大学医学部附属病院 (文献5) 更年期の動悸や息切れの原因、対処法。症状セルフチェック法や不整脈など他の病気との違いも丁寧に解説。|白金高輪海老根ウィメンズクリニック
2025.07.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
更年期に入ると、突然視界にチカチカとした光が現れたり、ギザギザした模様が見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」に不安を感じる方が少なくありません。 一時的な視覚異常であるケースが多いものの、女性ホルモンの急激な変化や脳・眼の病気が隠れている場合もあります。 とくに、40代〜60代の女性はホルモンバランスの乱れが血管や神経に影響を与えやすく、閃輝暗点を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。 本記事では、更年期における閃輝暗点の原因・症状・治療法・予防法に加え、誤認しやすい他の疾患や注意点について詳しく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 閃輝暗点と更年期の関係性 突然視界にギザギザした光が現れる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と更年期の関係において、現在のところ明確な医学的根拠は確認されていません。 しかしながら、更年期に入っている50代女性に閃輝暗点の発症が見られる傾向がある、という報告もあります。(文献1) ホルモンバランスの変化や血管の収縮・拡張が影響している可能性があり、体調の変化として注意が必要です。 症状が続く場合は、医師に相談することを推奨します。 更年期の方が閃輝暗点を発症する原因 更年期に入ると体の変化によってさまざまな症状が起こり、閃輝暗点による視覚異常を経験する人も少なくありません。 更年期と閃輝暗点に医学的な因果関係は示されていませんが、更年期の女性に多く見られる傾向があることから、いくつかの要因が影響していると考えられています。 ここでは、脳の血管の収縮・拡張、ストレス、食生活の観点から閃輝暗点の原因を解説します。 閃輝暗点の初期症状や治療法など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】閃輝暗点とは|放置によるリスクから初期症状・治療法まで詳しく解説」をご覧ください。 脳の血管の収縮・拡張 閃輝暗点は、視覚をつかさどる脳の後頭葉で一時的に血流が乱れることによって生じると考えられています。 この血流の乱れの背景には、脳の血管が急激に収縮したあと、反動的に拡張するという変化があります。 こうした血管の変動が、視覚情報を処理する神経細胞に一時的な興奮を引き起こし、視界にチカチカとした光やギザギザ模様が現れるのです。 とくに更年期の女性においては、エストロゲンの分泌が急激に低下することによって血管の柔軟性が失われやすくなり、自律神経による血流調整も不安定になりがちです。 そのため、血管の収縮や拡張が起こりやすくなり、結果として閃輝暗点が発生しやすい状態になると考えられています。 このように、ホルモン変動や自律神経の乱れといった体の変化が血管の不安定さを招き、閃輝暗点の原因となる可能性があります。 ストレス 更年期はホルモンバランスの変化だけでなく、仕事や家庭の環境の変化とも重なるケースが多く、精神的なストレスが蓄積しやすい時期でもあります。 ストレスが自律神経を介して血管の収縮や拡張を促進し、結果的に閃輝暗点の原因となる可能性があるため注意しなければなりません。 また、慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与え、閃輝暗点を繰り返し発症するリスクを高めると考えられています。 更年期に入ってから視覚に異常を感じるようになった場合、日常生活において精神的な負荷がかかっていないか振り返る習慣も大切です。 食生活 日々の食生活も閃輝暗点の発症と深く関係しているとされています。 たとえば、チーズや赤ワイン、チョコレートなどに含まれるチラミンやフェニルエチルアミンなどの物質は血管を刺激する作用があり、発作の引き金となる可能性があるとされているのです。 また、更年期の女性はカルシウムやマグネシウムが不足する傾向があり、神経伝達や筋肉の収縮に影響を及ぼす可能性が指摘されています。 さらに、基礎代謝の低下によって血糖値の変動も不安定になりがちです。 とくに、高血糖になると脳の血管にダメージを与えやすく、閃輝暗点のリスクが高まります。 バランスの取れた食事を心がけ、急激な血糖値の変化を避ける意識を心がけましょう。 閃輝暗点の症状 閃輝暗点は、突然視界にギザギザとした光や模様が現れる視覚異常です。 視野の中心や端にチカチカとした光が現れ、暗点や視界の欠けが生じる場合があります。 多くは20~30分で自然に消失しますが、人によっては日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。 閃輝暗点の見え方については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。 片頭痛との関連性 閃輝暗点は、片頭痛と深い関わりがあることが知られています。 「前兆のある片頭痛(片頭痛の前に視覚異常が起きるタイプ)」では、閃輝暗点が典型的な前兆症状として出現します。 閃輝暗点の後に、脈に合わせてズキンズキンと激しい頭痛が続くのが特徴です。 ただし、すべての閃輝暗点が片頭痛を伴うわけではありません。 視覚症状だけが単独で現れるケースもあり、とくに更年期以降の女性に多く見られます。 また、月経周期との関連も報告されており、女性ホルモンの変動が神経系に影響を与えている可能性もあるため、発症したら早期に診断を受けましょう。(文献2) 閃輝暗点を放置するとどうなるのか 閃輝暗点そのものは一時的な症状であり、重篤な疾患ではないと考えられがちです。 ただし、繰り返し発症する、頻度が増すといった場合には、脳の血流異常や神経系の障害が進行している可能性も否定できません。 また、一過性脳虚血発作などの視覚異常を起こす他の疾患との鑑別も重要になります。(文献3) とくに高血圧や動脈硬化などの既往がある場合は、脳血管障害の前兆の可能性もあるため注意が必要です。 症状が繰り返される、あるいはこれまでにない状態で出現した場合には、放置せず専門医を受診しましょう。 閃輝暗点の治療法 閃輝暗点の症状は一時的で自然に消失するケースが多いため、ほとんどの場合で特別な治療を必要としません。 しかし、症状が繰り返し現れる、あるいは日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と対処が必要です。 閃輝暗点が片頭痛と関連しているなら、医師の診察のもとで鎮痛剤や制吐剤などを処方される場合があります。(文献4) また、睡眠の質やストレス管理、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、発作のリスクを減らせる可能性があります。 はじめて閃輝暗点を経験したり、これまでと異なる症状が出現したりした場合は自己判断で済ませず、「脳神経内科」または「脳神経外科」を受診しましょう。 MRIやCTなどの画像診断で脳の異常を確認できれば、重篤な疾患の早期発見にもつながります。 閃輝暗点の予防法 閃輝暗点の予防には、生活習慣の見直しが必要です。 とくに、更年期の女性はホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、徹底した体調管理が求められます。 たとえば、以下のような生活習慣を取り入れてみましょう。 規則正しい睡眠と十分な休養を確保する リラックスできる環境を整える バランスの良い食生活を心がける 長時間のパソコン作業や強い光の刺激を避ける 適度に運動する まず、規則正しい生活を送ることが基本です。 睡眠不足や過度な疲労、急な気温変化などが発症の引き金となるため、十分な休息と体調管理が欠かせません。 また、ストレスも大きな要因の一つであり、過度の緊張や精神的負荷は自律神経のバランスを崩し、発作を誘発しやすくします。 適度な運動や趣味の時間を持つなど、ストレスを溜め込まないように工夫をこらしましょう。 さらに、食事の内容にも注意が必要です。 たとえば、チョコレートやアルコール、コーヒーのカフェインなどは血管を刺激する物質を含むため、摂取を控えたほうが良いとされています。(文献5) 更年期の方が閃輝暗点と誤解しやすい目の病気 更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって身体や精神面にさまざまな症状が現れやすくなります。 突然視界に光が見えたり、欠けて見えたりといった目に関する現象は閃輝暗点として認識される場合が多いですが、実際には他の病気が原因であるケースも少なくありません。 見た目の症状が似ているからと自己判断で済ませてしまうと、重大な疾患を見逃す可能性があるため注意しましょう。 ここでは、閃輝暗点と誤認されやすい代表的な疾患について、それぞれの特徴を解説します。 網膜剥離 網膜剥離は、眼球内の網膜がはがれることで視野に異常が現れる病気です。 放置すれば失明に至る危険もある緊急性の高い疾患であり、視界に突然光が走るほかに、黒い影が出現する「光視症」や「飛蚊症」が前兆として現れる場合があります。(文献6) 閃輝暗点の視覚の異常が突然はじまる症状に類似していますが、網膜剥離は時間とともに悪化する傾向があり、視野の欠損が拡大するため注意が必要です。 視野に異常が続く場合はすぐに眼科を受診しましょう。 頭蓋内疾患 更年期以降は、脳の病気との鑑別も重要です。 脳腫瘍や脳動脈瘤、一過性脳虚血発作などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)を発症すると、視覚異常が現れる場合があります。 とくに、片側だけの視野障害や持続的な頭痛を伴う場合は頭蓋内疾患の可能性があり、見逃せません。 発症年齢や既往歴からもリスクが高いと判断される場合には、脳神経内科や脳神経外科を早急に受診してください。 飛蚊症 飛蚊症(ひぶんしょう)は視界に浮遊物が見える症状で、閃輝暗点のような光の刺激は少なく、黒い影や点が動いて見えるのが特徴です。 多くは加齢に伴う生理的変化によるものですが、病気が原因のケースもあります。 突然症状が現れたり、数が急増したりする場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前兆の恐れもあるため要注意です。 光視症 光視症(こうししょう)は、視界に閃光や稲妻のような光が見える症状です。 閃輝暗点と同じく光が見える症状では似ていますが、光視症は数秒から数分と比較的短時間で消える傾向があります。 ただし、網膜裂孔や網膜剥離の前兆のケースもあるため、決して軽視できません。(文献3) 片眼だけに生じる場合が多く、症状が繰り返されるなら精密検査を受けましょう。 まとめ|更年期の閃輝暗点を放置しないように注意 更年期は心身にさまざまな変化が生じやすく、閃輝暗点のような視覚異常が現れるケースも少なくありません。 一見すると軽い症状に見えても、脳や目の病気が隠れている可能性があるため、安易に自己判断せず適切な医療機関で診断を受けましょう。 症状を繰り返す、長引く、不安を感じるといった場合は、脳神経内科や眼科での受診を検討してください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、ぜひ一度ご利用ください。 更年期の方の閃輝暗点に関するよくある質問 閃輝暗点は女性ホルモンと関係ありますか? 閃輝暗点は、女性ホルモンやエストロゲンの変動と関係があるとされ、月経や更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすい傾向があります。 ホルモンの乱れによって脳内の血流や神経伝達に影響が及ぶと、閃輝暗点が現れるきっかけとなる可能性があるのです。 40代・50代・60代で閃輝暗点を発症し、頭痛なしのケースはありますか? 閃輝暗点は、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。 40代以降の女性の場合、視覚異常のみが現れて頭痛を伴わないケースがあります。 ただし、閃輝暗点は加齢や更年期による神経・血管の変化が影響しているため、頭痛がないからといって安心せず、症状が繰り返される場合は医師の診察が必要です。 閃輝暗点を発症した人の脳梗塞になる確率は? 閃輝暗点自体が、脳梗塞を直接引き起こす原因になるとの医学的根拠は現在のところありません。 ただし、閃輝暗点を持つ人に脳梗塞が見つかった症例もわずかながら報告されています。(文献7) とくに、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある方は注意が必要です。 また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆の可能性もあるため、繰り返す場合は早めに受診してください。 閃輝暗点の発症に、即効性のある治し方はありますか? 閃輝暗点に即効性のある治し方はなく、症状自体に直接作用する特効薬もありません。 発症した際には、以下のような対処法が症状の軽減につながる可能性があるので、試してみましょう。 目を閉じて安静にする 暗い場所で休む 水分を摂る 強い光やストレス、疲労を避ける なお、片頭痛を伴う閃輝暗点の場合は、症状を緩和させる薬物を処方されるケースがあります。 閃輝暗点と肩こり・首こりは関係ありますか? 肩こりや首こりによる血流障害や筋肉の緊張が、脳への血流を不安定にして閃輝暗点の引き金になる場合があります。 とくに、長時間のデスクワークや下を向く姿勢でスマートフォンを使用し続けると、症状が悪化する恐れがあるため気を付けましょう。 正しい姿勢を保つように意識するほか、適度なストレッチで首や肩の緊張をほぐすと予防につながるので試してください。 参考文献 (文献1) 閃輝暗点と更年期障害の関連性|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 (文献2) 急に視界の一部が見えない:閃輝暗点の原因・症状・対処法|溜池山王 伊藤眼科 (文献3) 閃輝暗点|医療法人脳神経外科たかせクリニック (文献4) 閃輝暗点(せんきあんてん)とは?概要・原因・治療法・予防方法を紹介|わかさ生活 (文献5) 目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説|医療法人社団慶月会 経堂こうづき眼科 (文献6) 網膜剥離|公益財団法人日本眼科学会 (文献7) 閃輝暗点が脳梗塞である確率|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
2025.07.31 -
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「更年期に入ってから腰が痛い」 「更年期と腰痛は関係がある?」 「長引く腰痛は受診したほうが良い?」 更年期になるとホルモンバランスの乱れや長年の腰への負担により、腰痛が起きることがあります。腰痛には、椎間板ヘルニアや化膿性脊椎炎(かのうせいせきついえん)などの病気が隠れている場合もあるため注意が必要です。 本記事では、更年期と腰痛の関係性をはじめとし、更年期に腰痛が起きる原因、腰痛の特徴、腰痛を引き起こす病気、受診すべき症状、治療方法などを解説します。腰痛の対処法も解説しているため、中高年以降の方は参考にしてください。 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。腰痛のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 更年期と腰痛の関係性について 更年期になると、女性だけでなく男性もホルモンバランスが乱れやすくなり、腰の痛みを感じやすくなります。これは、女性ホルモン(エストロゲン)や男性ホルモン(テストステロン)が、骨・筋肉・関節の健康を保つ働きにも関わっているためです。加えて、仕事や家事で腰に積み重なってきた負担が、更年期をきっかけに表面化するのも、腰痛が悪化する要因と考えられます。 つまり更年期の腰痛は、ホルモンの変化と日々の生活による負担という、複数の要因が組み合わさって起こると考えられます。また、長年の腰への負担や加齢によって、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの病気を発症している可能性もあるため注意が必要です。 更年期に腰痛が起きる原因 更年期に腰痛が起きる原因として、以下が考えられます。 女性ホルモンバランスの乱れ 継続的なストレス 自律神経の乱れ 筋力の低下 ここからは、腰痛が起きる原因を詳しく解説します。 ホルモンバランスの乱れ 更年期に腰痛が起きる大きな要因の一つが、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量の低下です。エストロゲンは骨・筋肉・神経・血管など全身のさまざまな機能を調整することで、女性の体の健康を保っています。 エストロゲンが低下すると、筋力や骨密度、柔軟性の低下により腰への負担が高まり、結果として腰痛が起きやすくなってしまうのです。男性も同様にテストステロン(男性ホルモン)が低下すると、筋肉量などが減少してしまい、腰痛が起きやすくなります。 継続的なストレス 継続的な心理的ストレスは、更年期の腰痛を引き起こす要因の一つです。ストレスが長く続くと、脳の痛みを感知する機能に影響を与え、腰痛につながることがあります。 現代社会では、以下のようにさまざまなことでストレスを感じやすいです。 仕事の責任 職場の人間関係 介護・育児の疲れや不安 将来に対する不安 継続的なストレスは、腰痛だけでなく抑うつ症状やめまい、息苦しさ、下痢、頭痛などさまざまな症状を引き起こすきっかけになります。ストレスをため込まないよう、一人で抱え込まずに誰かに相談したり、十分な休息を取りリフレッシュしたりするなど対策を取ることが大切です。 自律神経の乱れ 自律神経の乱れが原因で腰痛が起きることがあります。自律神経とは、体温や血流、内臓の働きなどを無意識のうちに調整している神経のことです。エストロゲンの変動による影響を受けやすい特徴があります。 自律神経が乱れると血流が悪くなりやすく、腰まわりの筋肉に十分な血液が届かなくなることで、こわばりや痛みが生じやすくなると考えられています。こうした自律神経の乱れによる血流の変化も、更年期に腰痛が起きやすくなる理由の一つです。 筋力の低下 加齢に伴う筋力の低下は、更年期の腰痛を引き起こす要因の一つです。腰を支えているのは骨だけではなく、お腹や背中、お尻まわりの筋肉であり、これらの筋肉が衰えると腰椎(腰の骨)への負担が増えてしまいます。 更年期になると活動量が減りやすくなる方も多く、筋力の低下がさらに進みやすい時期です。また、エストロゲンの低下により筋肉量が減少しやすい点も関係します。 更年期における腰痛の特徴とその他の症状 腰痛の感じ方は人によりさまざまです。 一般的な腰痛の感じ方・現れ方と更年期障害の症状をまとめると以下のとおりです。 腰痛の感じ方 腰に感じる痛みや張り 腰痛の現れ方 ・ベッドからの起き上がり時や立ち上がり時 ・中腰など特定の姿勢のあと ・長時間立ったり歩いたりしたあと 更年期障害の症状 肩こり、手足の痛み、ほてり、発汗、腰や手足の冷え、息切れ、動悸、不眠、抑うつ気分、頭痛、めまい、疲れやすさ、吐き気など 腰痛の他にも更年期障害の症状が現れている場合は、エストロゲンの低下が関係している可能性があります。 腰痛を引き起こす病気 更年期の腰痛の多くは、検査をしても原因をはっきりと特定できない非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)と呼ばれるタイプで、全体の85%ほどを占めるとされています。一方、残りの15%ほどは、腰痛の原因となる病気が判明している特異的腰痛であり、なかには注意が必要なものも含まれています。 腰痛の原因として挙げられる主な病気は以下のとおりです。 腰椎椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・圧迫骨折 子宮筋腫(しきゅうきんしゅ) その他の病気 それぞれについて詳しく解説します。 腰椎椎間板ヘルニア 腰椎椎間板ヘルニアは、原因がはっきりとわかる腰痛のなかでも比較的多く見られる病気の一つです。背骨と背骨の間にある椎間板というクッションの組織が外側に飛び出し、近くを通る神経を刺激することで痛みが生じます。 腰の痛みだけでなく、お尻から脚にかけて広がるしびれや痛み(坐骨神経痛)が主な症状として現れることが多いです。痛みのために体が横に傾いたままになってしまうこともあります。 椅子に浅く腰掛けた状態で、片足を伸ばしたまま少しずつ上げてみて、脚のしびれや痛みが強まるようであれば、椎間板ヘルニアが疑われる一つの目安になります。このような症状がある場合は、自己判断せずに医療機関で相談することをおすすめします。 脊柱管狭窄症 脊柱管狭窄症も、更年期以降に多く見られる病気です。加齢によって背骨の中にある神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、お尻や脚にしびれや痛みが生じます。 特徴的なのは、立っていたり歩いていたりすると脚の症状が強まり、少し前かがみになって休むと再び歩けるようになる間欠跛行(かんけつはこう)と呼ばれる症状です。歩いている途中で何度も休みたくなるような脚の痛みやしびれがある場合は、脊柱管狭窄症の可能性も考えて受診を検討しましょう。 骨粗鬆症・圧迫骨折 骨粗鬆症やそれに伴う圧迫骨折も、更年期以降に注意したい腰痛の原因の一つです。更年期にエストロゲンが低下すると骨密度が減り、骨がもろくなる骨粗鬆症になりやすくなります。押しつぶされるように骨が変形する圧迫骨折を起こしやすくなるのです。 骨粗鬆症になると、なにかにぶつかったり、転んだりした拍子に骨折してしまうリスクが高まります。骨粗鬆症を予防するには、日頃のカルシウムの摂取や日光浴、適度な運動などが大切です。 【関連記事】 【医師監修】骨粗鬆症とは|症状から治療法まで詳しく解説 高齢者の脊椎圧迫骨折|治療方法と期間・予防法を医師が解説 子宮筋腫 女性特有の病気である子宮筋腫が、腰痛の原因になることもあります。子宮筋腫とは、女性の子宮にできる良性の腫瘍でがんではありません。30歳以上の女性は、30%前後の割合で子宮筋腫が起きるとされています。(文献1) 腰痛の他にも、月経痛や月経過多、貧血、腹痛、頻尿などの症状が現れることがあります。治療すべきかどうかは、子宮筋腫の場所や症状の程度によって異なります。疑われる症状がある場合は、婦人科に相談しましょう。 その他の病気 その他に腰痛を引き起こす病気として、以下が挙げられます。 病気 主な特徴 化膿性脊椎炎 細菌感染により背骨に炎症が起こり、背中や腰に激しい痛みと発熱などが現れる 悪性腫瘍の骨転移 がんが骨に転移した状態で、腰痛が現れることがある 大動脈解離 動脈硬化などにより大動脈が裂ける病気で、急激で激しい背中の痛みが特徴である 尿路感染症 尿道から腎臓までの尿路に起きる感染症で、腰や背中に痛みが現れることがある 尿路結石 尿路に石ができる病気で、腰背部から脇腹にかけて激しい痛みが現れる こうした病気はいずれも頻度は高くありません。しかし、安静にしても改善しない痛みなど、いつもの腰痛と違う様子があるときは早めに医療機関を受診しましょう。 受診を検討すべき腰痛の特徴と他の症状 受診を検討すべき腰痛の特徴とその他の症状として、以下が挙げられます。 受診を検討すべき症状 詳細 安静にしても痛みが引かない 内臓や血管の病気が疑われる 痛みが徐々に悪化する 進行性の病気を発症している可能性がある 足のしびれや尿・便の失禁がある 神経が障害されている可能性がある 発熱がある 脊椎などに感染症が起きている可能性がある こうした症状に心当たりがある場合は、自己判断はしないで早めに医療機関を受診しましょう。 更年期における腰痛の治療方法 更年期における腰痛の治療方法として、以下が挙げられます。 薬物療法 漢方療法 ホルモン補充療法(HRT) 再生医療 それぞれについて詳しく解説します。 薬物療法 危険な腰痛ではないと判断された場合、多くのケースで鎮痛剤の服用や湿布などで少し様子を見ます。多くの腰痛は発症後、数日から1週間が痛みのピークで、それ以降は徐々に痛みが軽くなる傾向です。 腰痛が改善しない場合や痛みが悪化する場合は、さらに詳しい検査を行います。原因がはっきりした場合は、病状別に薬物療法を行ったりときには手術を検討したりもします。 漢方療法 更年期障害の治療において、漢方薬もホルモンのバランスを整えるために使われます。腰痛の改善効果が期待される漢方としては、八味地黄丸があります。 腰痛以外にも、以下のようにさまざまな症状に効果が期待できます。 種類 適応症状 八味地黄丸(はちみじおうがん) 腰痛、疲れ、だるさ、頻尿 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 疲れやすさ、足腰の冷え 加味逍遙散(かみしょうようさん) 肩こり、疲れやすさ、不安 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 不眠、うつ症状 抑肝散(よくかんさん) イライラ感、不眠 漢方薬であっても、副作用のリスクや飲み合わせに注意が必要なケースがあります。服用を検討する際は、自己判断を避け事前に医師へ相談しましょう。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法は、不足しているエストロゲンを補う治療です。腰痛だけでなく、更年期に起こるさまざまな症状の軽減が期待できます。 ホルモン補充療法が有効な症状として以下が挙げられます。 関節痛 気分の落ち込み のぼせ ほてり 発汗 うるおいの低下 骨粗鬆症の改善も期待できるため、圧迫骨折の予防にもつながります。ただし、がんの既往歴や血栓リスク、肥満などがある方は、慎重に投与を検討または投与できない場合があるため注意が必要です。 再生医療 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの特定の病気が関連している場合は、再生医療も選択肢の一つです。再生医療とは、患者様自身の細胞を患部に投与し、人間の身体が本来持っている自然治癒力を引き出す治療方法です。 再生医療の種類としては、幹細胞治療(かんさいぼうちりょう)があります。組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を採取・培養して患部に投与する治療方法です。幹細胞治療は注射や点滴によって行うため、手術以外の治療を希望される方にとっても治療の選択肢になります。 当院「リペアセルクリニック」が行っている椎間板ヘルニアに対する再生医療について、詳しくは以下の症例記事を参考にしてください。 【症例紹介】 【手術せずに改善!】 腰椎椎間板ヘルニア 60代女性 【手術せずに痛みが消失!】腰部脊柱管狭窄症 60代女性 更年期における腰痛の対処法 更年期における腰痛の対処法として、主に以下が挙げられます。 ストレッチにより筋肉をほぐす 適度な運動により筋力を高める バランス良く栄養を摂取する 医療機関の受診を検討する それぞれについて詳しく解説します。 ストレッチにより筋肉をほぐす ストレッチにより、腰回りの筋肉をほぐすことは腰痛の改善・予防につながります。 以下のようなストレッチを取り入れてみましょう。 ストレッチの種類 手順 腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチ ①足を前後に開いて後ろ足の膝を床につける ②前足の膝に両手を置いて上体をゆっくり前方にスライドさせる ③元に戻して反対側も行う 腰方形筋(ようほうけいきん)のストレッチ ①四つん這いの姿勢になる ②息を吐きながら背中を丸める ③吸いながら反らす動きをゆっくりと交互に行う ④5回繰り返す 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)のストレッチ ①椅子に座って背筋を伸ばす ②ゆっくりと腰を後ろにひねる ③深呼吸しながら20秒キープ ④元に戻して反対側も行う 適度な運動により筋力を高める 適度な運動は腰まわりの筋力が高まり腰椎を安定させるため、腰痛の改善・予防が期待できます。 以下のような体操を取り入れて、腰痛に関係する筋肉を鍛えましょう。 腰痛体操の種類 手順 腹筋体操 ①仰向けになる ②あごを引いたままゆっくりと上体を起こす ③45°の位置で5秒間キープする 背筋体操 ①うつ伏せになりおへそより下に枕をはさむ ②あごを引いてゆっくりと上体を起こす ③10cmほど上げたところで5秒間キープする 腹筋体操と背筋体操のどちらも、無理に上体を起こす必要はありません。できる範囲で行ってください。1日の目安は、2種類の運動10回ずつを1セットとして1日2セット行いましょう。 バランス良く栄養を摂取する 腰痛を改善・予防するには、バランス良く栄養を摂ることも大切です。 以下を参考にして栄養バランスの良い食事を摂りましょう。 栄養素 役割 豊富に含まれる食品 タンパク質 筋肉の材料となる 鶏肉、牛肉、豚肉、マグロ、サバ、納豆、豆腐 カルシウム 骨の材料となる 牛乳、チーズ、干しエビ、ヨーグルト ビタミンD カルシウムの吸収を助ける 紅鮭、乾燥しいたけ、さんま、鶏卵 ビタミンK 骨を形成・維持する働きがある 乾燥わかめ、納豆、ほうれん草、ブロッコリー 医療機関の受診を検討する 腰痛が長引く場合は医療機関の受診を検討しましょう。とくに安静にして治まらない腰痛や発熱、しびれなどが現れている場合は注意が必要です。 「最近疲れやすい」「怒りっぽい」「気力が出ない」などの更年期障害が疑われる症状が現れている方も、がまんしないで医師に相談することをおすすめします。 更年期におけるひどい腰痛でお悩みの方は当院にご相談ください 更年期に腰痛が起きる原因は、ホルモンバランスの乱れや継続的なストレス、自律神経の乱れなど複数の要因が関係しています。長期間続くまたは悪化する腰痛や脚のしびれ、発熱などの症状が現れている場合は、なんらかの病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。 原因が特定できない腰痛は、鎮痛剤や湿布などで様子を見ますが、改善が見られない場合はさらに詳しい検査が必要です。更年期障害が疑われる場合は、ホルモン補充療法なども検討されます。日頃のストレッチや腰痛体操、バランスの良い食事なども腰痛改善に役立ちます。 なお、腰痛の原因によっては、再生医療も治療選択肢の一つになります。 腰痛のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 更年期の腰痛に関するよくある質問 更年期障害によりひどい腰痛は起きますか? 腰痛の程度は人によって異なるため、一概にはいえません。長引くまたは悪化する腰痛や発熱、脚のしびれ、失禁などの症状が現れている場合は、なんらかの病気の可能性があるため医療機関の受診を検討してください。 更年期の腰痛はどんな痛みですか? 腰痛の感じ方は個人差があります。肩こりやのぼせ、ほてり、発汗、気分の落ち込みなどの症状が現れている方は、更年期障害が関係している可能性があります。 更年期の腰痛に効く薬はありますか? 鎮痛剤や漢方薬などがあります。どのような薬を使用すべきかはその人の状態によるため、医師に相談してみましょう。 参考文献 (文献1) 日本産科婦人科学会|子宮筋腫
2025.07.31 -
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「更年期に入ってから手指の調子が悪い」 「朝起きると指が動かしづらい」 「ビンのふたを開けたり物を持ったりすると指が痛い」 このような症状は、女性ホルモン(エストロゲン)の低下が原因の可能性があります。エストロゲンが低下し始めると、関節を保護する働きが弱まり、痛みや腫れが現れることがあります。 また、更年期はエストロゲンの低下に伴い、へバーデン結節やドケルバン病などの手指の病気のリスクが高まるため注意が必要です。本記事では、更年期に指が痛い原因や起きやすい手指の病気、指の痛みに対する治療方法、自分でできる対処法を解説します。中年以降の女性は参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。関節の痛みなどで気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期に指が痛い原因 更年期に指が痛くなる原因として、エストロゲンの低下や自律神経の乱れが挙げられます。 40歳代後半以降は卵巣の働きが低下し始め、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減ります。(文献1)また、このホルモンバランスの変化により、自律神経も乱れやすくなるのです。 ホルモンの変化や自律神経の乱れが原因による更年期の女性の手の不調を「メノポハンド」と呼び、以下のような症状が現れます。 早朝に手指がこわばる 手指に痛みやしびれがある ここからは、それぞれの原因がどのように指の痛みにつながるかを解説します。 なお、指の痛みに対する具体的な治療方法を先に知りたい方は、のちほど紹介する治療方法の項目を確認してみてください。 >>治療法はこちら<< 女性ホルモンの減少 指の痛みの大きな原因の一つが、女性ホルモンであるエストロゲンの低下です。エストロゲンには骨や軟骨、関節を保護する働きがあり、関節周囲の組織のうるおいを保つ役割を担っています。 更年期になると、卵巣の機能が低下して、このエストロゲンの分泌量が減ってしまい、関節を守る力が弱まります。その結果、手指だけでなく膝や腰など、さまざまな関節に痛みやこわばりが出やすくなるのです。 自律神経の乱れ 指の痛みやこわばりは、自律神経の乱れが関係している場合もあります。自律神経とは、血の巡りや体温調整など、体のさまざまな働きを意識せずに自動でコントロールしている神経のことです。 更年期には、ホルモンバランスが変化するため自律神経が不安定になりやすいです。自律神経が乱れると、手足に痛みやしびれといった症状が現れることがあります。 加えて、更年期以降は筋力も低下しやすくなり、関節にかかる負担が増えることも指の痛みが発生する要因となり得ます。 手指の痛みに関連する更年期に起きやすい病気 エストロゲンの低下は、痛みだけでなく以下のような特定の病気の発症リスクを高めることがあります。 母指CM関節症 ヘバーデン結節 ブシャール結節 手根管症候群 ばね指 ドケルバン病 それぞれについて詳しく解説します。 母指CM関節症 母指CM関節症とは、親指の付け根にある関節(CM関節)が傷んでしまう病気です。ビンのふたを開けたり、物をつまんだりするときに、親指の付け根あたりに痛みを感じるのが特徴です。進行すると痛みだけでなく腫れや変形が起きることもあります。 CM関節は、親指を他の指と向き合わせてつまむ動作ができるように、もともと大きく動く構造になっています。その分、使い過ぎや加齢によって関節の軟骨がすり減りやすく、年齢を重ねるほど発症しやすい病気です。さらにエストロゲンが低下すると関節への負担が増し、発症リスクが高まる可能性があります。 【関連記事】 CM関節症の原因とは?主な症状や治し方を徹底解説 母指CM関節症は自然治癒する?治療法・症状・予防法を解説 ヘバーデン結節 ヘバーデン結節は、指先から数えて1番目の関節(第1関節)が変形してしまう病気です。関節の背側に小さなこぶのようなふくらみが2つできるのが特徴です。 人差し指から小指にかけて起こりやすく、関節が赤く腫れたり曲がったりして、痛みを伴うこともあります。進行すると、関節の近くに水ぶくれのような透明なふくらみ(ミューカスシスト)ができる場合もあります。 はっきりした原因はわかっていませんが、40歳代以降の女性に多く、手をよく使う人ほどなりやすい傾向です。エストロゲンが低下すると、関節が腫れたり、軟骨が摩耗しやすくなったりするため更年期に起きやすいと考えられます。 ブシャール結節 ブシャール結節は、ヘバーデン結節と同じ仕組みで起こる病気で、痛みが出る場所が異なります。ヘバーデン結節が指先側の第1関節に起こるのに対し、ブシャール結節は手のひらに近い第2関節に症状が現れます。 更年期の女性に多く見られる点もヘバーデン結節と同様です。発症の仕組みも共通しており、エストロゲンが低下すると関節が腫れたり、軟骨が摩耗しやすくなったりするため発症すると考えられています。 【関連記事】 指を曲げると痛い第二関節はブシャール結節のサイン?初期症状を紹介 ブシャール結節におけるやってはいけないことは?症状緩和を図るマッサージも紹介 手根管症候群 手根管症候群は、手首にある「手根管」というトンネルの中で神経が圧迫されて起こる病気です。初期には人差し指や中指にしびれや痛みが現れ、進行すると親指から薬指の親指側まで広い範囲がしびれるようになります。 とくに明け方に症状が強く出やすく、目が覚めたときに手のしびれや痛みで気づくことも多いのが特徴です。はっきりした原因は不明で、妊娠・出産期や更年期の女性に多く見られる病気です。 エストロゲンが低下すると腱・腱鞘(筋肉をつなぐ組織とその通り道)が腫れやすくなり、その腫れにより神経が圧迫されて起こると考えられています。使い過ぎや怪我による腫れも発症の原因の可能性があります。 【関連記事】 手根管症候群の症状とは?セルフチェックの仕方や治療方法を現役医師が解説 【医師監修】手根管症候群の原因とは?悪化を招く習慣を含めて解説 ばね指 ばね指は、指を曲げる腱とそれを包む組織(腱鞘)に炎症が起こり、指の動きに引っかかりが出る病気です。指の付け根の腱鞘に炎症が起こることで「腱鞘炎」が起きて、腱の動きがスムーズでなくなり、痛みや腫れ、熱っぽさを感じるようになります。 進行すると、指を曲げ伸ばしする際に引っかかるばね現象が起こり「ばね指」となり、さらに悪化すると指が動かせなくなることもあります。親指や中指に多く発症する傾向です。 朝方に症状が強く出やすく、日中は指を使っているうちに楽になることもあります。更年期の女性や妊娠・出産期の女性に多く見られるほか、手をよく使う仕事やスポーツをする人、糖尿病やリウマチのある人にも起こりやすいとされています。 【関連記事】 ばね指の原因は女性特有のものもある?妊娠・出産や更年期との関係性を現役医師が解説 【医師監修】バネ指を放置するとどうなる?自然に治るケースと受診すべきサインを解説 ドケルバン病 ドケルバン病は、手首の親指側を通る2本の腱とその通り道(腱鞘)に炎症が起こる病気です。親指を広げたり動かしたりするときに、手首の親指側へ強い痛みが走るのが特徴です。 妊娠・出産期や更年期の女性に多く発生します。手をよく使う仕事やスポーツをしている人も注意が必要です。 【関連記事】 【医師監修】ドケルバン病とは|症状・原因・治療法を徹底解説 ドケルバン病になったら病院へ行くべき?放置するリスクを現役医師が解説 更年期による指の痛みに対する治療方法 更年期による指の痛みは、背景に手指に関連する病気が隠れていなければ、女性ホルモン補充療法やセルフケアで改善できる可能性があります。 しかし、手指に関連する病気を発症している場合は、以下のように病状別に治療が必要です。 病名 装具療法 薬物療法 手術療法 母指CM関節症 軟性装具や包帯で固定 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、切除関節形成術 ヘバーデン結節 テーピング 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、骨棘切除術 ブシャール結節 テーピング 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、骨棘切除術 手根管症候群 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射、ビタミンB12製剤 手根管開放術 ばね指 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射 腱鞘切開術 ドケルバン病 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射 腱鞘切開術 それぞれの治療方法を解説します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法とは、減少したエストロゲンを薬で補う治療方法です。すべての関節痛がエストロゲンと関係しているわけではありませんが、人によっては手の痛みやこわばりなどが改善することもあります。 その他に、更年期障害による骨粗鬆症や気分の落ち込み、のぼせ、ほてりなどさまざまな症状の改善が期待できます。ただし、がん既往や肥満、血栓リスクなどがある方は投与できない、または慎重に投与を検討しなければなりません。 エストロゲンの低下による更年期障害があり、その症状によって生活に支障がある場合は保険適用となります。ホルモン補充療法は、現在の健康状態や病歴、その人の体質や希望に合わせて投与方法を検討します。 不正出血や吐き気、おりものなどの副作用が起きることもあるため、医師と相談しながら検討しましょう。 装具療法 装具療法とは、痛みのある関節を固定して動きを制限し、負担を軽くする治療方法です。例えば、母指CM関節症では、CM関節を保護する軟性装具を着けたり、固めの包帯を親指から手首にかけて8の字に巻いて動きを制限します。 ヘバーデン結節や手根管症候群、ばね指などにおいても、関節の安静を保つためにテーピングやシーネ固定を行います。 薬物療法 薬物療法は、関節の痛みや炎症を抑えるための治療です。病状に応じて飲み薬や湿布、塗り薬の消炎鎮痛剤が処方され、症状が強い場合は注射を行うこともあります。 装具療法と安静によって症状が治まらない場合は、薬物療法も検討されます。手根管症候群では、神経の修復のためにビタミンB12が処方されます。 手術療法 装具療法や薬物療法で症状が改善しない場合、または高度に変形が進んでしまった場合には手術が検討されます。 行われる手術の一例は以下のとおりです。 手術の種類 詳細 関節固定術 関節を削りスクリューやプレートで固定する 切除関節形成術 関節を削り人工の靱帯で固定する 骨棘切除術 コブを切除する 手根管開放術 手根管を解放して圧迫を解除する 腱鞘切開術 腱鞘を切って広げる 再生医療 母指CM関節症やヘバーデン結節などの指の痛みに関する治療には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、患者様自身の細胞を患部に投与し、人間の身体が本来持っている自然治癒力を引き出す治療方法です。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 (かんさいぼうちりょう) 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 手術以外の治療を希望される方にとって、再生医療は選択肢の一つです。当院「リペアセルクリニック」の母指CM関節症の症例については、以下を参考にしてください。 【症例紹介】 看護師の仕事を続けながら両手の痛み改善! 両母指CM関節症 70代女性 “リペア幹細胞” 右手の痛み10が1に!料理も家事も不自由なく!両変形性膝関節症・CM関節症 60代 女性 更年期の指の痛みに対する対処法 更年期の指の痛みに対する対処法としては、以下が挙げられます。 医療機関に相談する 手指に負担をかけない 温めるまたは冷やす それぞれについて詳しく解説します。 医療機関に相談する 指の痛みが続く場合は、医療機関に相談することをおすすめします。母指CM関節症やヘバーデン結節などの病気を発症している場合は、セルフケアだけでは対処しきれないことがあるためです。 例えば、以下のような症状には注意が必要です。 手首と母指の付け根あたりに痛みがある 手指の第1関節または第2関節に痛みや腫れがある 人差し指や中指に痛みやしびれがある 指の付け根に痛みや腫れと曲げ伸ばしに引っかかり感がある 親指を広げると付け根あたりに強い痛みが走る これらの症状が現れている場合は、なんらかの手指の病気が隠れている可能性があります。気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。 手指に負担をかけない 指の痛みを悪化させないためには、手指への負担をできるだけ減らすことが大切です。とはいえ、日常生活や仕事において、特定の動作を完全に制限するのは難しいです。 以下のように、手指にできるだけ負担を与えないように意識しましょう。 重い物を持つときは両手を使う 指先ではなく手のひら全体で物をもつようにする 手作業をする場合はこまめに休憩をする フタを開けるときは道具を使う テーピングなどにより手指を保護することも有効です。テーピングの巻き方などがわからない場合は、医療機関に相談しましょう。 温めるまたは冷やす 一般的に関節に痛みがあっても、熱や腫れなど炎症の徴候が見られない場合は、入浴やホットパックで温めて血流を良くするのが有効と考えられています。一方、熱や腫れがあり炎症の徴候が見られる場合は、保冷剤などで冷やすことが有効です。 日常の対応方法としてヘバーデン結節を例にすると、症状が安定しているときは「入浴で手指を温める」「冬場はカイロや手袋を活用する」などで手指を温めます。手先を使うスポーツをした直後や重い荷物を運んだ直後は、手指を冷やすようにします。 ただし、温めるべきか冷やすべきかは病状により異なります。判断できない場合は医療機関に相談しましょう。 更年期の指の痛みは病状に応じて適切な治療と対処をしよう 更年期に指が痛くなる原因には、エストロゲンの低下や自律神経の乱れなどがあります。ヘバーデン結節や母指CM関節症など、手指に関連する病気を発症している可能性もあるため注意が必要です。 手指に関連する病気を発症していなければ、女性ホルモン補充療法やセルフケアなどで改善できる可能性があります。しかし、手指に関連する病気が発症している場合は、装具療法や薬物療法などの適切な治療が必要です。 指の痛みが悪化または長期間におよび、腫れや熱っぽさなどの症状が現れている場合は医療機関の受診を検討しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、母指CM関節症などに対する再生医療のご相談を受け付けております。詳しくは以下の公式LINEをご覧ください。 更年期における指の痛みに関するよくある質問 指の関節痛とリウマチの違いはなんですか? 関節リウマチは、免疫の異常により関節に炎症が起きる病気です。 更年期の指の痛みは、エストロゲンの低下によって関節を保護する働きが低下して起きます。詳しくは以下を参考にしてください。 更年期における指の痛みはいつ治るのですか? 更年期における指の痛みの強度や経過は個人差があります。なんらかの手指の病気を発症している場合は、セルフケアだけでは対処しきれないことがあります。 痛みが長引くまたは悪化する場合は医療機関を受診しましょう。 更年期における指の痛みに効くサプリメントはありますか? 更年期の不調の改善に役立つとされているのが、エクオールを含むサプリメントです。 エストロゲンに似た構造を持ち、更年期の不調を和らげる効果が期待されています。ただし、体内でエクオールを産生できるかどうかには個人差があるため、サプリメントの効果も人によって異なります。 手のこわばりや指の痛みに漢方薬は効きますか? 一部の漢方は指の痛みの改善効果が期待できます。 実際に明確な診断がつかない指の痛みがある中高年女性に、加味逍遙散(かみしょうようさん)や桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)を服用してもらったところ、1週間後に改善したと報告があります。(文献2) 更年期の男性も指が痛くなりますか? 男性にも更年期障害はあり、原因のはっきりしない関節の痛みや筋肉の痛みなどの症状が現れることがあります。 男性更年期障害について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。 更年期で指が痛い場合は何科を受診すべきですか? 関節の痛みやこわばりがある場合は、整形外科や内科に受診しましょう。 だるさや怒りっぽさ、不眠、憂うつな気分などの症状がある場合は婦人科を受診してください。 参考文献 (文献1) 更年期世代の女性の健康支援に関する学習資材|厚生労働省 (文献2) 中年女性を中心とした明確な診断がつかない 手指痛の東洋医学的特徴と漢方治療|東洋医学雑誌
2025.07.31 -
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バナナには、男性更年期障害の症状緩和をサポートする栄養素が含まれています。 ただし、バナナだけで症状が改善するわけではなく、生活習慣全体の見直しが欠かせません。 本記事では、男性更年期障害にバナナが利くのか真偽を解説します。バナナの栄養効果や症状緩和に役立つと言われる食材もまとめているので、男性更年期障害にお悩みの方は参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 バナナが男性更年期障害に効果的とする科学的根拠はない バナナが男性更年期障害によるうつ症状に効果的とする明確な科学的根拠は、現時点で確認されていません。ただし、バナナには「幸せホルモン」(文献1)と呼ばれるセロトニンを生成するトリプトファンやビタミンB6が含まれています。 セロトニンはうつ症状の緩和に寄与すると考えられており、自律神経を安定させる働きが見込めます。 食生活の一部としてバナナを取り入れることは、間接的なサポートになる可能性が考えられるでしょう。 とはいえ、バナナの摂取によってうつ症状が直接改善するわけではない点に注意が必要です。 現実的な症状の改善・緩和には、医師による診断と適切な治療を受けることが重要です。 バナナにテストステロンの分泌を促す作用はない バナナは、男性更年期障害の治療手段としては不十分です。バナナには、テストステロンの分泌を促進する作用はないためです。そもそも、男性更年期障害はテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの減少が原因といわれています。 一般的に、テストステロンは中年以降、加齢とともに減少します。男性更年期障害の改善を目指す上では、テストステロンの分泌促進が効果的です。 腎臓が悪い場合はバナナの摂取には注意が必要 腎臓が悪い場合は、バナナの摂取を控えましょう。バナナには、カリウムが多く含まれているためです。 腎機能が低下していると、カリウムを適切に排出できず、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。 特にカリウムの制限が必要な方はバナナを食べるのは避け、別の方法で症状対策を行いましょう。 男性更年期障害に効くと言われているバナナの栄養成分 バナナには、男性の心身の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。 男性更年期障害による精神的な不調に対して、有効な栄養素を見ていきましょう。 トリプトファン バナナには「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸が含まれています。トリプトファンは、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の材料です。セロトニンは、気分の安定や睡眠リズムに関わる物質として知られています。なお、トリプトファンは体内で合成できないため、バナナをはじめとする食べ物からの摂取が必要です。 ビタミンB6 ビタミンB6は、エネルギー代謝の補酵素として働くビタミンで、トリプトファンをセロトニンに変えるときに必要な栄養素です。動物性たんぱく質と炭水化物、ビタミンB6を一緒に摂取すると、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。 また、ビタミンB6には神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、精神的な健康を支える役割があります。バナナにはうつ症状の緩和が期待できるトリプトファンとビタミンB6の両方が豊富に含まれています。 マグネシウムやカリウム マグネシウムとカリウムは、いずれも健康維持に欠かせない必須ミネラルです。マグネシウムはストレス反応の調整に関与し、カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の安定化を助ける栄養素になります。 また、カリウムは疲労軽減にも関与します。いずれも自律神経の安定を促し、精神的な不調の軽減に寄与します。男性更年期障害を緩和するためには、ホルモンバランスだけでなく、健康的な生活も必要です。 したがって、マグネシウムやカリウムが豊富に含まれているバナナの摂取が効果的といわれています。 炭水化物 炭水化物はトリプトファンの脳内移行を促進し、セロトニン合成の効率を高める栄養素です。つまり、トリプトファンは炭水化物などの補助栄養素を組み合わせると、効果的にセロトニンの合成を促します。 また、エネルギーが不足すると、夜間に低血糖に陥る可能性があり、睡眠の質を低下させる可能性があります。テストステロンは夜間にもっとも多く作られるため、分泌量を増やすには質の良い睡眠が欠かせません。 男性更年期障害に効果的なバナナの食べ方 男性更年期障害の症状を緩和するためには、効果的にバナナを摂取することがポイントです。 ここでは、効果的なバナナの食べ方を3つ解説するので、参考にしてください。 バナナを食べるなら1日1本が目安 バナナは食べ過ぎると血糖値の急上昇や肥満リスクにつながる可能性があるため、1日1本が適量の目安です。 バナナ1本あたりには、約21gの糖質が含まれています。(文献2) 医師に制限されている場合を除いて、バナナは継続的に食べても問題ありません。ただし、食べすぎは逆効果となるため、十分注意が必要です。 朝食に取り入れると自律神経の安定につながる バナナの効果が期待できるタイミングは、朝食です。トリプトファンから合成されるセロトニンは、日中に生成されます。 朝食でバナナを食べると、日中における自律神経の安定につながります。また、日中に生成されたセロトニンは、夜には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンに変化するため、質の良い睡眠が期待できるのです。 つまり、バナナを朝食に取り入れると心の安定をサポートできるだけでなく、睡眠の質にも良い影響をもたらします。 亜鉛やたんぱく質と組み合わせる バナナは、亜鉛やたんぱく質など、ほかの栄養素と組み合わせると効果の向上が期待できます。たんぱく質は筋肉量の増加が期待できるだけでなく、男性ホルモンを強化するのに役立つ栄養素です。 亜鉛は男性ホルモンの分泌を促す作用があるため、男性更年期障害の際に積極的に摂取すべき栄養素といえます。 例えば、朝バナナを食べる際、ヨーグルトとナッツを組み合わせて食べるのが効果的です。ヨーグルトにはたんぱく質、ナッツには少量ではあるものの、亜鉛が含まれています。栄養素を組み合わせて、吸収率をアップさせることがバナナの効果的な食べ方です。 バナナ以外に取り入れたい男性更年期障害におすすめの食べ物 男性更年期障害の改善には、ホルモン合成に関わる栄養素をしっかり摂る食生活が重要です。 ここでは、バナナ以外に取り入れたい男性更年期障害におすすめの食べ物を紹介します。 牡蠣・レバー 牡蠣とレバーには、テストステロンの生成に必要不可欠な亜鉛が豊富に含まれています。 亜鉛は精巣の機能維持に関与してホルモンバランスの正常化を助け、レバーは鉄分やビタミンA・B群が豊富です。 また、亜鉛には貧血や疲労感の軽減が見込めます。 とくに、男性ホルモンの減少は亜鉛不足と密接に関係しているため、定期的に摂取するのがおすすめです。 肉・魚・卵 動物性たんぱく質は、テストステロンの合成に必要な栄養素です。赤身肉には鉄分やビタミンB12、魚はオメガ3脂肪酸、卵には良質なたんぱく質やビタミンDが豊富に含まれています。 とくに、ビタミンDは血中テストステロン濃度の維持に役立つといわれています。過剰な摂取は避けつつバランス良く取り入れると、更年期症状の軽減につながるでしょう。 山芋・里芋 山芋や里芋には、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群と、消化を助ける食物繊維が含まれています。 また、山芋に含まれるジオスゲニンという成分は、ホルモンの前段階の物質になるとされ、体調維持や疲労回復に役立つといわれています。 粘り気のある成分には胃腸の保護作用もあり、栄養の吸収を助けるため、男性更年期障害にお悩みの方におすすめの食材です。 きのこ きのこ類は低カロリーながらビタミンDや食物繊維、β-グルカンといった免疫調整成分が豊富です。 ビタミンDは男性ホルモンの合成に関与し、とくに干し椎茸やまいたけに多く含まれます。 きのこに含まれる多糖類は腸内環境の改善にも役立つため、免疫機能と精神面の安定に適した食材です。 海藻・納豆 海藻にはヨウ素やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、甲状腺機能を整える働きがあります。 納豆は発酵食品として腸内環境を整えるとともに、大豆イソフラボンによるホルモンバランスの調整作用を発揮するのが特徴です。 ブロッコリー ブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれ、体内の余分なエストロゲンの代謝を促進する働きが知られています。 男性更年期障害の改善には、エストロゲンとテストステロンのバランスを整えることが大切です。ブロッコリーのスルフォラファンは、このホルモンバランスの調整をサポートしてくれます。 また、ブロッコリーは抗酸化作用も高く、細胞の老化を防ぐ効果が見込める食材です。 バナナ以外に取り入れたい男性更年期障害におすすめの飲み物 男性更年期障害の改善には、食べ物だけでなく飲み物からも栄養素を摂取することがポイントです。 ここからは、バナナ以外に取り入れると効果的なおすすめの飲み物を紹介します。 野菜ジュース・青汁 野菜ジュースや青汁には、ビタミン類やポリフェノール、食物繊維が含まれており、抗酸化作用や腸内環境の改善に寄与します。 たとえば、青汁にはクロロフィルやカルシウムなど、現代人に不足しがちな栄養素が含まれているのが特徴です。 プロテイン プロテインは、効率的にたんぱく質を摂取できます。 筋肉量の減少はテストステロンの分泌低下を促進するため、適度な運動とともにたんぱく質の補給が重要です。 朝食時や運動後の摂取が推奨されており、筋力維持とホルモンバランスの改善を手軽に行えます。 発酵飲料 発酵飲料には、乳酸菌や酵母など腸内環境を整える微生物が含まれており、免疫機能の調整に加えて精神的なストレス軽減につながります。 甘酒や乳酸菌飲料などの継続的な摂取によってストレス耐性を高めると、更年期特有のイライラや不安感の軽減にもつながるのが特徴です。 バナナ以外に効果的な男性更年期障害の乗り越え方 男性更年期障害の症状を軽減するには医療機関での治療や食事の見直しだけでなく、日常生活の質を高める意識も大切です。 生活習慣の改善ポイントには、以下の5つが挙げられます。 筋力トレーニングや有酸素運動を行う 睡眠の質を高める ストレス緩和を図る 漢方薬を飲む サプリを活用する 男性更年期障害を乗り越えたい方は、ぜひ実践してみてください。 筋力トレーニングや有酸素運動を行う 筋力トレーニングや有酸素運動は、テストステロンの分泌量を増やす効果があります。テストステロンが減少する理由には、加齢だけでなく、運動不足やストレスが含まれているためです。 適度な運動は、テストステロンの増加が期待できるため、男性更年期障害を乗り越えるのに役立ちます。特に、筋トレはテストステロンの分泌を促進するのに効果的です。 テストステロンの分泌を促すおすすめの運動は、以下の通りです。 スクワット プランク ウォーキング ウォーキングなどの有酸素運動では、全身の血行が促進されるため、テストステロンの分泌に必要な栄養素が全身に届きやすくなります。 睡眠の質を高める 男性更年期障害を乗り越えるためには、睡眠の質を高めることが重要です。テストステロンは夜間に分泌量が増加するため、睡眠の質に影響をおよぼします。 睡眠時間が短ければ、テストステロン濃度が低くなる傾向にあることがアメリカの成人男性を対象とした調査で報告されています。(文献3) つまり、テストステロンの分泌を促すには、睡眠の質と睡眠時間が大切です。睡眠の質を高めるためには、次の方法が挙げられます。 就寝前のスマホ利用を控える 朝の光を浴びる 入浴は入眠の1時間以上前にぬるめのお湯に浸かる また、生活サイクルを一定にする習慣を身に付けることも、睡眠の質向上に欠かせません。 ストレス緩和を図る ストレス緩和も、男性更年期障害を乗り越える方法です。ストレスは、テストステロンの分泌を妨げる原因につながります。自分に適したストレス解消方法で、こまめにストレスを発散することが男性更年期障害を改善するうえで重要です。 ストレス発散方法には、次のものが挙げられます。 瞑想や深呼吸をする 趣味に没頭する 甘いものを食べる 運動をする 自分の気持ちを書き出す 入浴する 友人と出かける ただし、ストレス発散として、スマートフォンを長時間使用したり衝動的な買い物をしたりするのは逆効果です。かえってストレスを増やす可能性があるため、注意しましょう。 漢方薬を飲む 漢方薬とは、生薬を組み合わせて作られた薬です。男性更年期障害では、男性ホルモンの低下や自律神経の乱れが原因といわれているため、漢方を飲むことで症状の緩和をサポートする可能性があります。 漢方は、組み合わせることでさまざまな症状に対応できます。男性更年期障害で使用される代表的な漢方薬は、以下の通りです。 漢方の種類 男性更年期障害の症状 八味地黄丸(はちみじおうがん) 冷え 尿もれ 残尿感 性機能の衰え 足腰の衰えや痛み 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 倦怠感 食欲不振 貧血 皮膚の乾燥 気力低下 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 不安 イライラ 抑うつ 不眠 動悸 めまい 症状や体質によって適した漢方は異なるため、医師や薬剤師に相談した上で選びましょう。 サプリを活用する 男性更年期障害における症状の緩和には、亜鉛やたんぱく質、ビタミンB6などの栄養素をとることが大切です。食事で不足しがちな栄養素は、サプリを活用して補うのも効果的です。 男性更年期障害に効果的な成分には、次のものが挙げられます。 亜鉛 アミノ酸 トリプトファン ビタミンB6 たんぱく質 サプリを選ぶ際は、テストステロンの材料となる栄養素が含まれているか確認することがポイントです。ただし、サプリは補助食品で男性更年期障害の治療薬ではありません。摂取しすぎると、体調を崩す可能性もあるため注意しましょう。 バナナで男性更年期障害が改善しない場合は専門機関に相談するのも選択肢 バナナには、男性更年期障害の症状を緩和するサポートが期待されています。しかし、バナナを摂取しても効果を感じない場合は、専門機関に相談するのも選択肢の1つです。 男性更年期障害と似た症状には、生活習慣病やうつ病などがあります。専門機関では診断に基づき、個々の症状や原因にあった治療方法を提案してくれます。 また、ほかの病気の早期発見につながる可能性もあるため、男性更年期障害にお悩みの方は専門機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。男性更年期障害にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 バナナを含む食事と生活習慣を見直して男性更年期障害の改善を目指そう 男性更年期障害の改善には、バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6といった栄養素の摂取も一助となります。しかし、食生活全体の見直しも男性更年期障害の症状緩和に重要です。 亜鉛やビタミンD、良質なたんぱく質を含む多様な食品を取り入れながら、ホルモンバランスの維持を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。男性更年期障害にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 男性更年期障害に関連するよくある質問 男性更年期障害に効くサプリはある? テストステロンを直接的に増やす効果が科学的に証明されたサプリメントは現在のところ存在しません。 ただし、バナナに含まれている亜鉛やビタミンD、マグネシウムなどの栄養素は、食事からの摂取が難しいならサプリメントでも補えます。 とはいえ、できるだけ食事から摂取し、サプリメントはあくまで補助的な手段として位置づけましょう。 男性更年期障害だけどアルコールはOK? 他の疾患で主治医に禁止されている場合を除き、適量のアルコールであれば問題はありません。 ただし、過度の飲酒はホルモンバランスを乱し、肝機能や精神面にも悪影響を及ぼすため、節度を持った摂取が求められます。 飲む量や頻度に注意しながら、たしなむ程度に留めましょう。 男性更年期障害に終わりのサインはありますか? 男性更年期障害は発症時期や症状の出方に個人差があり、明確な終わりのサインを把握するのは困難です。 症状が軽快し、日常生活に支障がなくなる状態が一つの目安となりますが、最終的な判断は医師による適切な評価を受けることが重要です。 男性更年期障害にお茶は効く? お茶に男性更年期障害を改善する直接的な効果は、認められていません。 ただし、緑茶やハーブティーなどにはリラックス効果があり、イライラや不眠といった自律神経の乱れを和らげる手助けになる場合があります。 日常的に手軽に取り入れやすい工夫としてはおすすめです。 バナナが男性機能に効果ある? バナナにはマグネシウムやカリウム、ビタミンB群が含まれているなど、筋肉や神経の働きを支える栄養素が豊富です。 ただし、男性機能を直接的に高める効果は確認されていません。 健康的な体作りには寄与しますが、過度な期待は禁物です。 男性更年期障害を疑う場合は何科に受診? 男性更年期障害が疑われる場合は、「泌尿器科」または「男性更年期外来(LOH症候群外来)」を受診するのが一般的です。 症状に応じてホルモン検査や心理的評価が行われ、必要な治療方針が決定されます。(文献4) 女性の更年期障害にバナナは効果ある? 男性と同様、女性にもバナナに直接的な更年期障害の改善効果は認められていません。 ただし、ビタミンB6をはじめとする栄養素が豊富に含まれているため、ホルモンバランスを整えるサポートとなる可能性があります。 あくまで補助的な役割と考えておきましょう。 参考文献 (文献1) 「幸せホルモン(幸福物質)4つ」ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・βエンドルフィンとは?|国立消化器・内視鏡クリニック (文献2) バナナの栄養・栄養素|スミフル (文献3) 睡眠障害は米国成人男性における低テストステロンと関連する:国民健康栄養調査の結果【JST・京大機械翻訳】|J-GLOBAL (文献4) < 女性だけじゃない!「男性更年期」を知ろう >|Mint+(あすか製薬株式会社)
2025.07.31







