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- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
- 関節リウマチ
- 膝の慢性障害
膝の水が溜まって痛みがある。 溜まっている膝の水を、できるなら自分で抜きたい。 膝に溜まった水が気になり、抜く方法を知りたいと考えていませんか。しかし、膝の水を抜くのは癖になってしまうという話を聞いて、不安になっている方もいるかもしれません。 膝の水を抜く方法は「病院」と「セルフケア」で2種類ありますが、自分でできるストレッチやマッサージは負担軽減の側面が大きいため、根本的な改善に至らないこともある点には注意が必要です。 この記事では【医師監修】のもと、病院で行われる膝の水を抜く処置の具体的な流れや注意点、そしてご自身でできるストレッチ・マッサージといったセルフケア方法を詳しく解説します。 「癖になるって本当?」「自分でできることはないの?」といった疑問にもお答えしていきますので、あなたの膝の悩みを解消するための一歩として、ぜひ最後までお読みください。 また、リペアセルクリニック公式YouTubeでも「膝の水を抜く方法」について詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。 病院で膝の水を抜く方法 膝の水を抜く方法のひとつとして、病院での処置をイメージする方も多いでしょう。 本章では、病院での処置や注意点について解説します。本章を参考に膝の水を抜くかどうかを検討してください。 処置には注射器を使う 病院では主に整形外科にて、注射針を関節に刺して膝の水を抜く「関節穿刺」を行う場合があります。(文献1) 膝の水の正体は「滑液(かつえき)」です。滑液が膝に溜まることで関節を圧迫し、膝の痛みを悪化させる可能性があります。そのため、膝の水を抜くと症状の緩和が期待できます。 膝の水を抜く際、注射針を刺した直後以外に激しい痛みを伴うケースは稀です。ただし人によっては痛みが気になる方もいるため、処置後に違和感がある場合は、担当の医師に相談しましょう。 症状に応じてヒアルロン酸を注入する 膝の水を抜いた後や変形性膝関節症では、症状を和らげる目的でヒアルロン酸を注入することがあります。通常、週に1度あるいは数週間に1度の頻度でヒアルロン酸を注入し、効果がみられれば継続します。 病院でのヒアルロン酸の注入は保険適応になるケースが多いため、治療費を抑えられるメリットも期待できるでしょう。 ヒアルロン酸の注入は一時的に痛みや炎症を抑える効果がありますが、持続的ではないため定期的な通院が必要です。 また、根本的な原因疾患の治療でないため、医師の指示に従いリハビリや運動療法など根本的な原因を改善する治療と並行しましょう。 病院で膝の水を抜いた直後は安静にする 病院で膝の水を抜いた直後は、安静にして過ごすように指導されます。処置を行った当日は、以下の2点は行わないように注意しましょう。 激しい運動 入浴 また、処置の後には以下の合併症のリスクがあります。 合併症 症状 感染症 注射部位の腫れや熱感、痛みが長時間続く、または症状の悪化 出血 注射部位を圧迫しても止血しない 上記のような症状があらわれたら、早めに受診するようにしましょう。 膝の水を抜いた後の注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 自分で膝の水を抜く方法は?ストレッチやマッサージ方法を紹介 病院で処置してもらう以外にも、自分でストレッチやマッサージを行って膝の水を抜くことも可能です。 本章では、セルフケアで膝の水を抜く方法と注意点を解説します。 「できるなら自分で膝の水を抜きたい」という方は、本章を参考に、ストレッチやマッサージを行ってみましょう。 ①パテラセッティング:膝のお皿周りの筋肉を刺激する パテラセッティングは、膝を支える重要な筋肉である太もも前側(大腿四頭筋)を、比較的膝関節に負担をかけず安全に鍛えることができる基本的な運動です。 この運動は、膝関節自体を大きく動かさずに大腿四頭筋を刺激できるため、膝に痛みがある場合でも比較的行いやすいトレーニングです。 膝のお皿(膝蓋骨)が少し上に動くのを確認しながら行うと効果的です。 ② 太もも前側(大腿四頭筋)のストレッチ:膝を支える筋肉の柔軟性を高める 膝の曲げ伸ばしに大きく関わる太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)を伸ばし、柔軟性を高めることで膝への負担を軽減するストレッチです。 膝自体に痛みがある場合は、曲げる角度を調整するか、このストレッチを控えてください。 筋肉が温まっているお風呂上りなどに行うとより効果的です。 ③ お尻周りのストレッチ:股関節から膝への負担を軽減する お尻周りの筋肉(殿筋群)の柔軟性を高めることで股関節の動きをスムーズにし、結果的に膝への負担を軽減する効果が期待できるストレッチです。 股関節や膝に痛みがある場合は、無理のない範囲で行いましょう。 デスクワークの合間などにも手軽に取り入れやすいストレッチです。 ④ 膝周り・太もものマッサージ:血行を促進し筋肉をほぐす 膝周りや太ももの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、膝の不快感の軽減や動きの改善をサポートするマッサージです。 マッサージは、筋肉がリラックスしている入浴中や入浴後に行うのが効果的です。 オイルやクリームを使うと滑りが良くなり、肌への負担も軽減できます。 注意点:痛みや違和感がある場合は無理に動かさない 痛みや違和感があるときは、炎症が起こっているサインです。 むやみに触ると悪化する可能性があるため、ストレッチやマッサージなどのセルフケアはおすすめできません。無理に動かさず、早めに医療機関へ行きましょう。 マッサージやストレッチは血の巡りをよくする効果が期待できますが、誤った方法で無理に行うと、症状が悪化する恐れもあります。 また、痛みを感じるときは、膝に負担をかけないよう歩行や荷物の持ち運びなどの動作にも注意しましょう。 膝の水が溜まる原因は「炎症による関節液の過剰分泌」 膝の水が溜まる原因は、炎症反応によって「関節液」が余分に分泌されるためです。 関節液は、関節がスムーズに動くための潤滑油のような役割をしています。関節液は常につくられながら吸収され、一定量になるよう調整されています。 しかし、以下のような疾患によって炎症が起こると、いつもより早いペースで関節液がつくられ、膝の水が溜まります。(文献2) 半月板損傷 変形性関節症 靭帯損傷 痛風、偽痛風 骨折 感染や外傷 膝の水を根本的に改善するには、水を抜く処置をして痛みを緩和しつつ、原因となる病気を治療することが大切です。 近年の治療では、半月板損傷や変形性膝関節症に対して、自己細胞を用いた「再生医療」による治療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した膝軟骨や半月板の再生・修復を促し、膝疾患の根本改善が期待できる治療法です。 以下では、当院リペアセルクリニックの再生医療によって、半月板損傷が改善した症例をご紹介します。 【半月板損傷の症例】 60代の女性は、右膝の半月板損傷で膝に水がたまり、定期的に水を抜いてステロイド注射を受けていました。 注射の効果が数日しか持たなくなり、手術も検討していたものの、術後の変形性膝関節症への進行を懸念して踏み切れずにいました。 当院で幹細胞治療を受けたところ、3ヶ月で痛みが改善し、水抜きやステロイド注射からも解放されました。 >>この患者さまの治療経過を詳しく見る 膝に水が溜まる原因についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 まとめ|膝の水を抜くなら医療機関に相談しよう 今回の記事では膝の水を抜く方法やセルフケアを中心に解説しました。 症状が出現した際に、自己判断で放置したり誤ったセルフケアを行ったりすると、悪化する可能性があります。 膝の水を適切な方法で抜きたい場合は、医療機関に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、膝に水がたまる原因となる半月板損傷や変形性膝関節症に対する再生医療(幹細胞治療・PRP療法)に対応しています。 手術を行わず、関節内への注射による治療が可能です。 膝の水に関してよくある質問 膝の水を抜くと癖になりませんか? 膝の水を何度も抜くのが原因で、癖になるわけではありません。 膝の水を抜いても再び溜まってしまうのは、関節に炎症が起こっている根本的な原因の病気が改善されていないためです。 原因の病気として、半月板損傷や変形性関節症などが知られています。痛みを和らげるためには、原因の病気の治療をしながら膝の水を抜くことも大切です。 膝の水は自然に抜けますか? 稀に自然治癒する場合もあります。長期期間放置しても、必ず自然治癒するわけではありません。 放置すると関節が固まって動きにくくなった「拘縮状態」に陥るリスクもあります。 拘縮状態になると膝の曲げ伸ばしが辛くなり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。そのため、1カ月以上膝の水の溜まりを放置するのはおすすめできません。 膝の水を自然に抜けるまで長期間待たずに、早めに受診するようにしましょう。 参考文献一覧 文献1 水原寛康. 関節穿刺. 医学書院 医療情報サービス. 2024年10月18日. 文献2 斉藤 聖二,関節痛(炎):診断と治療の進歩1.関節の構造と関節痛(炎)の原因, 日本内科学会雑誌, 1994年, 第83巻, 第11号, p1871-1875
2022.06.29 -
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膝の人工関節置換術は、変形性膝関節症などで進行した関節疾患に対する代表的な外科的治療の一つです。 注射などの薬物療法やリハビリなどの保存療法では十分な改善が見られない場合に選択される手術で、痛みの軽減や運動機能の改善を目指します。 本記事では、膝の人工関節置換術の手術内容や対象となる症状、合併症リスク、術後のリハビリまでをわかりやすく解説します。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、手術を伴わない治療法の「再生医療」に関する情報の提供や簡易オンライン診断を実施しています。 人工関節を避けたい方や、再生医療について興味がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 膝の人工関節置換術とは? 膝の人工関節置換術は、傷んだ関節の表面を人工の関節に置き換える手術です。 関節の機能を回復させ、再び自分の足で快適に歩けるようにすることを主な目的としています。 ここでは、膝の人工関節置換術の対象となる方、手術で得られる効果、そして保存療法との違いについて解説します。 なお、そもそも人工関節とは何なのか、詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。 どんな人が対象になるのか 膝の人工関節置換術は、膝の痛みや関節の変形が進み、日常生活に支障を感じている方が主な対象です。 とくに次のような症状がある場合は、膝の軟骨や骨が大きく傷んでいる場合が多く、自然に元に戻ることは難しいとされています。 膝の痛みが強く歩行や立ち上がりが困難になっている 階段の上り下りや正座ができないなど動作の制限がある 膝の変形が進行しO脚が目立つようになってきた 夜間の痛みで眠れない・安静時にも痛む 膝の可動域が狭く動かすと強い痛みを感じる 上記の症状が続く場合、まずは整形外科を受診して膝の状態を詳しく調べてもらいましょう。 手術以外の選択肢が見つかる場合もあるため、医療機関へ早めに相談することが大切です。 膝の人工関節置換術で得られる主な効果 膝の人工関節置換術を受けることで、長年悩まされていた膝の痛みが軽くなり、動作がスムーズになる方が多く見られます。 具体的には、次のような効果が期待できます。 膝の痛みが大幅に軽減し歩行や立ち上がりが楽になる 階段の上り下りや外出がしやすくなり行動範囲が広がる 旅行や買い物など、以前は避けていた活動を再び楽しめるようになる 日常生活の質(QOL)が向上し毎日の動作にゆとりが生まれる 痛みや不安が減ることで気持ちが前向きになりストレスが軽減する ただし、効果の感じ方には個人差があります。 手術後のリハビリや筋力回復への取り組み方が、満足度を左右する大切なポイントです。 人工関節置換術と保存療法の違い 膝の痛みに対しては、まず痛みを和らげて関節の動きを保つことを目的とした「保存療法」が行われます。 保存療法では、主に次のような治療法が用いられます。 薬物治療:消炎鎮痛薬や外用薬で炎症や痛みを抑える ヒアルロン酸注射:関節の潤滑を保ち、動きをなめらかにする 温熱療法:温めて血流を促し、こわばりを軽減する 筋力トレーニング:太ももの筋肉を鍛えて膝への負担を減らす 保存療法は、初期〜中期の膝関節症には効果的ですが、軟骨の摩耗や変形が進むと効果が十分に得られない場合があります。 一方、膝の人工関節置換術は、傷んだ関節部分を人工の関節に置き換え、痛みの根本的な原因を取り除く治療です。 つまり、保存療法が「痛みを抑える治療」だとすれば、人工関節置換術は「痛みを生み出す原因を改善する治療」といえます。 膝の人工関節置換術の種類と手術の流れ 膝の人工関節置換術には、関節の状態に応じていくつかの方法があります。 ここでは、膝の人工関節置換術の方法と、実際の手術までの流れについて解説します。 人工関節の種類 膝の人工関節置換術には、「全置換術」と「部分置換術」の2種類があります。 どちらも痛みを取り除き、関節の動きを取り戻すことを目的としていますが、対象となる症状や手術の範囲が異なります。 全置換術 全置換術は、膝関節の傷んだ部分をすべて人工関節に置き換える手術です。 軟骨のすり減りや変形が広範囲に及び、関節全体が傷んでいる場合に行われます。 金属や樹脂でできた人工関節を大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)に固定し、滑らかな動きを再現します。 痛みの改善効果が高く、長期的な安定性も得られることが特徴です。 部分置換術 部分置換術は、膝の中でも損傷が進んでいる一部分だけを人工関節に置き換える方法です。 関節の損傷範囲が限られている場合に選ばれる手術方法で、健康な軟骨や骨をできるだけ残せるのが大きな特徴です。 手術の負担が小さく、回復が早い傾向がありますが、残っている関節部分が将来的に悪化する可能性もあるため、定期的な経過観察が必要です。 人工関節置換術(膝)前の検査・準備 膝の人工関節置換術を安全に行うためには、事前の検査や準備が欠かせません。 手術前は全身の状態を確認するため、主に次の検査や準備を行います。 血液検査 心電図 レントゲン 感染症の有無 感染予防(手術部位の皮膚を清潔に保つなど) また、糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、事前に数値を安定させておくことも大切です。 人工関節置換術(膝)にかかる時間と入院期間の目安 膝の人工関節置換術の手術時間は、一般的に2〜4時間程度が目安です。 ただし、症状の程度や手術方法によって多少前後する場合があります。 手術後は安静期間を経てリハビリを始めるため、入院期間はおおよそ2〜3週間程度が一般的です。 回復のスピードには個人差がありますが、医師や理学療法士の指導のもとでリハビリを続けると、無理なく日常生活に戻ることができます。 人工関節置換術(膝)の対象となる代表的な4つの疾患 膝の人工関節置換術は、さまざまな原因で関節が傷み、痛みや変形が進行した場合に行われます。 手術の対象となる代表的な疾患には、次の4つが挙げられます。 変形性膝関節症 関節リウマチ 大腿骨顆部壊死症 外傷後の膝関節障害 それぞれの疾患について、詳しくみていきましょう。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の関節にある軟骨がすり減り、炎症や痛みを引き起こす慢性的な疾患です。 膝の人工関節置換術を受ける方の多くが、この変形性膝関節症と診断されています。 主な原因は加齢や長年の膝への負担、肥満や筋力の低下、O脚なども影響するといわれています。 症状が進むと、歩行や階段の上り下りが難しくなり、関節が変形してしまう場合もあります。 関節リウマチ 関節リウマチは、免疫の異常によって自分の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患です。 関節に慢性的な炎症が起こり、軟骨や骨が少しずつ破壊されていきます。 手や足など複数の関節に症状が現れるのが特徴で、膝関節が変形すると歩行が困難になる可能性もあります。 薬で炎症を抑えても痛みや変形が進む場合、人工関節置換術によって関節の機能を回復させることが検討されます。 大腿骨顆部壊死症 大腿骨顆部壊死症は、太ももの骨(大腿骨)の関節部分への血流が悪くなり、骨の一部が壊死してしまう病気です。 壊死した部分の骨が沈み込むことで関節面が変形し、強い痛みが生じるようになります。 発症の原因は明確でないこともありますが、ステロイド薬の長期使用や過度な飲酒などが関係するといわれています。 関節の破壊が進んだ場合は、人工関節置換術で壊死した部分を人工の関節に置き換えることで、痛みの改善が期待できます。 外傷後の膝関節障害 交通事故やスポーツ外傷などで膝の骨折や靭帯損傷を経験した場合、時間の経過とともに関節の変形が進む場合があります。 外傷後の膝関節障害は、ケガの後遺症として関節の軟骨がすり減り、痛みや動かしにくさが残るのが特徴です。 保存療法で痛みの改善が見られない場合や、関節の変形が強く進行している場合には、人工関節置換術が検討されます。 膝の人工関節置換術で起こり得る合併症リスク 膝の人工関節置換術は一般的に安全な手術とされていますが、まれに合併症が起こる場合もあります。 主な合併症には、次の3つがあります。 傷口や人工関節周囲で起こる感染症 関節脱臼 人工関節のゆるみ ここで、それぞれの合併症について詳しく解説します。 傷口や人工関節周囲で起こる感染症 膝の人工関節置換術後でとくに注意したいのが、傷口や人工関節の周囲に細菌が入り込むことで起こる感染症です。 軽い場合は抗生物質の投与で治まりますが、炎症が強いと膝が腫れたり、熱を持ったりする場合があります。 まれに人工関節の内部まで感染が広がると、人工関節を入れ替える再手術が必要になる可能性もあります。 感染を防ぐためには、手術前後の体調管理や清潔な環境を保つことが重要です。 医療スタッフと連携して感染予防に努めましょう。 関節脱臼 人工関節を入れたあと、関節が正しい位置から外れてしまう「脱臼」が起こる場合があります。 これは、急に膝をひねったり、深く曲げすぎたりすることで発生しやすく、術後すぐの時期はとくに注意が必要です。 脱臼が起きると膝の痛みや不安定感が強くなるため、すぐに医師の診察を受けることが大切です。 リハビリの段階で医師や理学療法士の指導を守り、正しい姿勢や動作を心がけると脱臼のリスクを減らせます。 人工関節のゆるみ 人工関節は年月の経過による摩耗や、膝に強い負担がかかる生活動作が原因で、少しずつ骨との結合部分が緩んでくる場合があります。 人工関節がゆるむと、痛みや違和感、膝のぐらつきが生じることがあり、放置すると歩行に支障をきたす場合もあります。 症状が出た際は早めに受診し、必要に応じて人工関節を入れ替える「再置換術」を検討します。 定期的な診察を受け、膝の状態を確認しておくことが長く快適に過ごすためのポイントです。 膝の人工関節置換術後の生活とリハビリ 膝の人工関節置換術後、安静期間を経て、少しずつ体を動かすリハビリが始まります。 膝の動きを取り戻すためには、焦らず段階を踏んで回復を目指すことが大切です。 ここでは、術後のリハビリの流れや、日常生活で気をつけたいポイントについて解説します。 術後すぐの安静とリハビリ開始時期 人工関節置換術のあと、手術当日は安静に過ごし、翌日からリハビリを始めるのが一般的です。 初めはベッドの上で足首を動かしたり、膝を少しずつ曲げ伸ばししたりなどの軽い運動からスタートします。 数日後にはベッドから立ち上がる練習を行い、歩行器や杖を使って短い距離を歩く練習へと進みます。 この早期リハビリは、膝が硬くなる「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」を防ぎ、回復をスムーズに進めるうえでとても大切です。 医師や理学療法士と相談しながら、無理のない範囲で体を動かすことが回復につながります。 日常生活への復帰までの流れ 膝の人工関節置換術後しばらくは、歩行補助具を使っての移動から始まり、数週間かけて自力歩行を目指します。 リハビリでは、膝の曲げ伸ばしだけでなく、太ももやお尻の筋肉を鍛える運動も行い、膝にかかる負担を減らしていきます。 退院後は、家の中での生活動作に慣れることが次のステップです。 階段を使うときは手すりを活用し、床に座る動作を避けて椅子中心の生活を心がけます。 一般的に、手術から1〜3カ月ほどで日常生活を送れるようになる方が多く、6カ月ほどで旅行や軽い運動を楽しめるようになるケースもあります。 焦らずに自分のペースでリハビリを続けることが、膝の機能を長く保つポイントです。 注意すべき動作や生活習慣 人工関節を長く快適に使うためには、膝に大きな負担をかけない生活を意識することが大切です。 とくに、正座やあぐらのように膝を深く曲げる姿勢は避けるようにしましょう。 また、床に直接座るよりも椅子に腰かける習慣をつけると、関節への負担を軽減できます。 階段を使う際は、必ず手すりを利用し、急いで動作しないことも重要です。 さらに、体重が増えると膝への負担が大きくなるため、食事内容を見直したり、ウォーキングや水中運動など無理のない運動を取り入れたりするのがおすすめです。 再手術の可能性について 人工関節には寿命があり、一般的には15〜20年ほど使用できるといわれています。 ただし、長期間の使用や膝への過度な負担によって、人工関節が摩耗したり、骨との結合がゆるんだりする場合があります。 その際は、再び人工関節を入れ替える「再置換手術」が必要になることもあります。 再置換手術は初回よりも難易度が高いため、人工関節をできるだけ長く保つことが重要です。 人工関節を長く使用するためにも、定期的に検診を受けて膝の状態を確認し、違和感や痛みを感じたときは早めに医師へ相談しましょう。 手術を伴わない治療法「再生医療」について 膝の人工関節置換術は、関節の変形や軟骨の損傷が進行した場合に有効な治療法ですが、「できれば手術を避けたい」「入院や大きな負担をかけずに治療したい」という方も少なくありません。 そうした方にとって、手術を伴わない再生医療は、膝の状態や生活の質を保つための新しい選択肢の一つといえます。 再生医療は、自分自身の体から採取した細胞や血液の成分を利用し、もともと体に備わっている修復力に着目した治療法です。 膝関節の機能を整えることを目的とし、入院や全身麻酔を必要としないため、日常生活への影響が少ないのが特徴です。 ただし、人工関節置換術後に再生医療を行うことはできません。 再生医療を検討する場合は、人工関節手術を受ける前の段階で医師に相談することが大切です。 人工関節手術を選択せず、再生医療による治療を受けた症例については、以下の記事をご覧ください。 まとめ|膝の人工関節置換術を正しく理解して納得のいく治療法を選択しましょう 膝の人工関節置換術は、進行した関節の損傷によって歩行や立ち上がりが難しくなった方に行われる治療法です。 手術やリハビリを通して少しずつ動きが戻ることで、外出や趣味を再び楽しめるようになる方も多くいます。 また、手術を検討する前の段階では、リハビリや注射といった保存療法のほかに、再生医療という新しい治療の選択肢もあります。 自分の体の状態や生活スタイルに合わせて、どの方法が適しているかを見極めることが大切です。 不安や疑問を一人で抱えず、信頼できる医療機関で納得のいく説明を受けながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。
2022.06.21 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 関節リウマチ
- 膝部、その他疾患
朝起きたときだけ膝が痛い、しばらく歩くと徐々に楽になる、このような症状に心当たりはありませんか。 寝ている間は膝をほとんど動かさないため、起床直後は膝まわりがこわばり、動き始めに痛みを感じることがあります。ただし、単なるこわばりだけでなく、変形性膝関節症や関節リウマチなどの病気が関係しているケースもあるため、注意が必要です。 とくに「年齢のせいなのか」「このまま放置して良いのか」と不安を感じながらも、受診のタイミングがわからず様子を見ている方は多いのではないでしょうか。 本記事では、寝起きや朝に膝が痛くなる主な原因や考えられる疾患などについてわかりやすく解説します。 また、変形性膝関節症や半月板損傷に対しては、再生医療も治療の選択肢の一つです。膝の痛みのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 寝起き・朝だけ膝が痛くなる原因 寝起きや朝起きた直後だけ膝が痛くなり、しばらく動くと楽になる場合は、睡眠中の膝の状態や日頃の生活習慣、病気やケガなどが関係している可能性があります。 一時的なこわばりによることもありますが、症状が繰り返すときは、膝の関節や周囲の組織に変化が起きていることも考えられます。 寝起き・朝だけ膝が痛くなる主な原因は、以下のとおりです。 睡眠中に膝を動かさないことによるこわばり 関節液の循環や血流の変化 運動不足による筋力低下 病気やケガが関係している場合もある 順番にみていきましょう。 また、寝起きの膝の痛みが続いて「すぐに相談したい」とお悩みの方は、以下より当院へお気軽にご相談ください。症状を伺ったうえで、お一人おひとりに合った治療方針をご提案いたします。 睡眠中に膝を動かさないことによるこわばり 睡眠中は同じ姿勢が続き、膝を動かす機会がほとんどありません。そのため、膝の周囲にある筋肉や腱(筋肉と骨をつなぐ組織)が一時的に硬くなり、朝起きて最初に立ち上がったり歩き始めたりした際に、膝の痛みや動かしにくさを感じることがあります。 軽いこわばりであれば、無理のない範囲で体を動かすうちに膝まわりの筋肉がほぐれ、症状が和らぐことがあります。一方で、寝起きの膝の痛みを繰り返す際や症状が強くなる場合は、病気が関係している可能性もあるため注意が必要です。 関節液の循環や血流の変化 睡眠中は関節をほとんど動かさないため、起床直後は関節液の循環や膝周辺の血流が一時的に低下し、関節が動きにくくなることがあります。 関節液は、関節の動きを滑らかにし、軟骨へ栄養を届ける液体です。 歩いたり軽く膝を曲げ伸ばししたりすると、関節液や血流の循環が徐々に改善し、関節の動きが滑らかになることで、痛みや違和感が軽減する場合があります。 運動不足による筋力低下 運動不足が続くと、膝を支える太ももの筋肉などが弱くなり、関節への負担が大きくなります。膝が痛いからと運動を控え続けると、かえって筋力の低下が進み、悪循環に陥ることもあります。 痛みのない範囲でウォーキングやストレッチなどを取り入れ、無理のない運動習慣を続けましょう。 病気やケガが関係している場合もある 寝起きの膝の痛みが長期間続く場合や、朝だけでなく日中も痛みがあるときは、病気やケガが原因かもしれません。 変形性膝関節症や関節リウマチ、半月板損傷では、朝の動き始めに痛みやこわばりが現れることもあります。 症状を繰り返す際や、腫れ・熱感・歩きにくさを伴う場合は、早めに整形外科を受診しましょう。次の章では、寝起きの膝の痛みの原因として考えられる主な疾患について詳しく解説します。 寝起きに膝が痛い原因として考えられる疾患 寝起きに膝が痛い原因として考えられる主な疾患は以下のとおりです。 変形性膝関節症 関節リウマチ 半月板損傷 それぞれの疾患について解説します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減ることで関節に炎症が起こり、痛みや動かしにくさが生じる病気です。 とくに50歳以上の女性に多くみられ、加齢に伴う変化や体重の増加、日常生活での膝への負担などが重なって発症すると考えられています。(文献1) 初期症状のひとつに、朝起きたときや長時間動かなかった後に膝がこわばり、痛みを感じやすいことが挙げられます。歩き始めると徐々に痛みが軽くなる場合でも、関節の変化が進行している可能性は否定できません。 変形性膝関節症が進行すると膝の変形や可動域の制限が起こり、日常生活に支障をきたすこともあります。 関節リウマチ 関節リウマチは、免疫の異常によって自分の関節を攻撃してしまい、炎症や痛み、腫れが生じる病気です。40代〜60代の女性に多くみられ、男女比はおよそ7:3で女性に多く発症するとされています。(文献2) 本来、体を守るはずの免疫機能が誤って関節を攻撃するために炎症が続き、放置すると関節の変形につながることもあります。 関節リウマチは、朝起きたときに関節がこわばり、動かしづらい状態が長く続く点が特徴です。また、変形性膝関節症と異なり、左右の関節に同時に症状が出やすい傾向があります。 朝のこわばりが1時間以上続く場合などは、関節リウマチの可能性も考えられるため注意が必要です。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な体質に加え、喫煙や感染症などの環境要因が関係すると考えられています。 半月板損傷 半月板損傷とは、膝関節の中にあるクッションの役割を持つ半月板が加齢や外傷などによって傷ついた状態を指します。半月板は、膝への衝撃を吸収し、関節の動きを滑らかにする組織です。 損傷が起こると、朝起きたときに膝の痛みや違和感が出て、動き始めると徐々に軽減するケースもあります。 半月板損傷の主な症状は、以下のとおりです。 膝の痛み 引っかかる感じ 曲げ伸ばしがスムーズにできない 動作の途中で膝が一時的に動かしにくくなる 半月板損傷の原因は、スポーツなどの強い外力による損傷のほか、加齢によって半月板が弱くなり、日常生活の軽い負荷でも傷つくことがあります。 また、半月板は血流が乏しい組織のため自然に修復しにくく、放置すると変形性膝関節症につながることもあります。 寝起きに膝が痛むときにやってはいけないこと 寝起きの膝の痛みがあるときは、症状を悪化させる可能性のある行動を避けましょう。 痛みを我慢して無理に動いたり、自己判断で放置したりすると、膝への負担が増えて症状が長引く場合があります。 ここでは、とくに注意したい行動を紹介します。 痛みを我慢して無理に動き続ける 寝起きは膝の関節や筋肉がこわばっているため、痛みを我慢して急に歩き始めたり、無理に動き続けたりすると膝への負担が大きくなります。 とくに、強い痛みがあるにもかかわらず長時間歩き続けたり、階段を何度も上り下りしたりすることは避けましょう。 深くしゃがむ・正座など膝に負担のかかる動作を続ける 深くしゃがむ動作や正座、長時間のしゃがみ姿勢は、膝関節に大きな負担をかける動作です。寝起きで痛みがある状態では、症状が悪化する原因になることもあります。 仕事や家事で膝を深く曲げる動作が必要な場合は、できるだけ負担の少ない姿勢を選び、痛みが強いときは無理をしないようにしましょう。 痛み止めだけで様子を見る 市販薬や処方された痛み止めによって痛みが和らぐことはありますが、薬だけで原因が改善したわけではありません。 寝起きの膝の痛みを繰り返すときや、徐々に悪化している際は、原因に応じた治療が必要になることがあります。痛み止めだけで様子を見続けず、整形外科を受診しましょう。 寝起きの膝の痛みを軽減する方法 寝起きの膝の痛みは、日常生活の工夫や適切なセルフケアによって軽減できるケースがあります。 ただし、痛みが強いときや症状が長く続く際は、無理にセルフケアだけで改善を目指さず、医療機関を受診しましょう。 寝起きは膝をゆっくり動かす 朝起きてすぐは、ベッドの上で膝をゆっくり曲げ伸ばししたり、足首を動かしたりして、膝まわりをほぐしてから立ち上がりましょう。 また、歩き始めは小さな歩幅を意識し、痛みがあるときは手すりや杖などを活用して膝への負担を減らすことも有効です。 痛みを我慢して無理に動き続けると、症状が悪化する可能性があるため注意しましょう。 膝を冷やさず温める 冷えによって膝まわりの筋肉や関節がこわばっている場合は、膝を温めることで血流が良くなり、動き始めの痛みや違和感が和らぐことがあります。 起床後に蒸しタオルで膝を温めたり、入浴で体を温めたりするほか、寒い時期はサポーターを活用して膝を冷やさないようにしましょう。 自己判断で温め続けるのではなく、温めても改善しないときや腫れや熱感が続く際は、整形外科を受診しましょう。 適度な運動習慣を心がける 運動によって太ももの筋肉が鍛えられると、膝関節を支える力が高まり、関節への負担軽減が期待できます。 自宅で取り組みやすい運動の一つである、タオル潰し運動を紹介します。 膝を伸ばして座る 膝の下に丸めたタオルを置く 両手を体の後ろにつく タオルを押しつぶすように膝を伸ばし、太ももの前側に力を入れる 痛みのない範囲で10回程度を1セットの目安として行い、無理のない範囲で続けましょう。かかとが少し浮いても問題ありません。 なお、運動中に痛みが強くなる場合や、膝が腫れている際は無理に続けず、医師や理学療法士に相談してください。 体重を管理する 寝起きの膝の痛みが続く場合は、体重の管理を見直しましょう。 体重が増えると膝関節にかかる負担が大きくなり、痛みが現れたり悪化したりする原因になることがあります。 そのため、過度な食事制限や激しい運動ではなく、栄養バランスの取れた食事と無理のない運動を継続し、適正な体重の維持が重要です。 膝への負担を軽減して、痛みの改善や症状の進行予防につなげましょう。 【受診目安】寝起きに膝が痛いときに確認すべき症状 受診を検討したい症状は、以下のとおりです。 歩けない 体重をかけられないほど痛い 膝に腫れや熱感がある 朝のこわばりや痛みを繰り返す 手指や手首など膝以外の関節にもこわばりや腫れがある 膝が引っかかる 曲げ伸ばしがしにくい 安静にしていても痛みが改善しない 症状が悪化する 膝の痛みが続くと、歩行や階段の上り下りなど日常生活にも影響を及ぼすことがあります。気になる症状が続くときは早めに受診しましょう。 寝起きの膝の痛みに対する治療・改善方法 寝起きの膝の痛みの治療は、原因となっている病気や症状の程度によって異なります。 まずは問診や診察を行い、必要に応じてレントゲンやMRI、血液検査などで原因を確認し、治療方針を決定します。 食事管理や運動療法などの保存療法 寝起きの膝の痛みが比較的軽い場合や、変形性膝関節症の初期では、手術を行わない保存療法が選択されることがあります。 保存療法では、体重管理や食生活の見直し、太ももの筋肉を鍛える運動療法やストレッチなどを行い、膝への負担軽減を目指します。医師や理学療法士の指導のもと、自分の症状に合った方法の継続が大切です。 以下の記事では、変形性膝関節症の保存療法について解説しているので参考にしてください。 痛みや炎症を抑える薬物療法 痛みや炎症が強い場合には、薬物療法が行われることがあります。 主な治療は、以下のとおりです。 湿布や塗り薬、飲み薬による痛みのコントロール 症状に応じて関節内への注射 薬物療法は日常生活を送りやすくするために痛みを和らげることが目的で、症状や体の状態に合わせて治療内容が決定されます。 症状が進行している場合の手術療法 保存療法や薬物療法を行っても症状の改善が難しい場合や、日常生活に大きな支障が出ているときには、手術が検討されることがあります。 手術方法は原因となる病気によって異なり、傷んだ半月板を切除・縫合する「半月板切除術・縫合術」や、傷んだ関節を人工関節に取り替える「人工膝関節置換術」などが代表的です。 どの治療法が適しているかは、年齢や生活スタイル、症状の程度などを総合的に判断して決定されます。 変形性膝関節症の手術については、以下の記事で紹介しているので参考にしてください。 再生医療も選択肢の一つ 寝起きの膝の痛みが長期間続く場合や、薬物療法やリハビリテーションなどを続けても改善がみられない際は、再生医療という治療の選択肢があります。 たとえば、変形性膝関節症や半月板損傷などに対しては、自己脂肪由来幹細胞治療やPRP療法が治療選択肢の一つとして提供されています。 自己脂肪由来幹細胞治療は、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養して使用する治療法です。幹細胞には、さまざまな細胞へ変化する「分化能」と呼ばれる性質があり、再生医療で活用されています。 一方、PRP療法は、ご自身の血液から採取した血小板を濃縮して用いる治療法です。血小板には、細胞の修復や再生を助ける「成長因子」と呼ばれる成分が含まれており、この働きを活用します。 また、自己脂肪由来幹細胞治療・PRP療法はいずれも入院を必要とせず、日帰りで施術を受けられる点も特徴です。 「朝の階段の上り下りや日常動作がつらく、このまま症状が進まないか不安」「手術を勧められたものの、できれば避けたい」といった悩みを抱えている方も少なくありません。 気になる症状が続く場合は、医師に相談しながら治療方法を検討しましょう。 当院「リペアセルクリニック」で行った再生医療については、以下の症例をご確認ください。 【症例記事】 10年来の両膝痛から解放! 両膝変形性関節症 60代女性 | リペアセルクリニック東京院 関節リウマチ・高濃度PRPで手首の痛みが激減! | リペアセルクリニック東京院 3カ月で痛み完全消失! 半月板損傷 60代女性 | リペアセルクリニック東京院 寝起きの膝の痛みでお悩みの方は当院へご相談ください 寝起きの膝の痛みは、一時的なこわばりによる場合もありますが、変形性膝関節症や関節リウマチ、半月板損傷などが原因となっていることもあります。 症状が繰り返したり、徐々に悪化したりするときは、自己判断で放置せず、整形外科で原因を確認することが大切です。また、起きた直後の動き方の工夫や適度な運動、体重管理などを日頃から意識して、膝への負担軽減につなげましょう。 膝の痛みにおいて、手術以外の選択肢を持ちたいと考えている方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。治療の選択肢の一つである再生医療に関する情報を提供しています。 寝起きの膝の痛みに関するよくある質問 20代〜30代で朝起きたら膝が痛い原因は? 20代〜30代の膝の痛みは、スポーツによる関節や靭帯の損傷が原因であるケースが多くみられます。ただし、スポーツをしていない場合でも、半月板損傷や膝蓋大腿関節症などがみられることもあります。 また、関節リウマチはスポーツや外傷とは関係なく発症する病気で、30代でも発症がみられるため注意が必要です。症状が続く場合や、腫れ・熱感を伴う場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。 40〜50代で朝起きたら膝が痛い原因は? 40〜50代で、朝起きたら膝が痛い場合は、関節リウマチや変形性膝関節症などのおそれがあります。痛みの他にこわばりや違和感がある場合は医療機関の受診を検討してください。 横向きで寝ると膝が痛い原因は? 変形性膝関節症や半月板損傷がある場合、寝返りなどで膝がねじれたり圧迫されたりすることで痛みが現れることがあります。また、疾患がなくても、横向きの姿勢で膝が長時間圧迫されることで一時的な痛みが生じることもあります。 原因を自己判断せず、医療機関で適切な診断を受けてください。 寝ているときに膝に激痛が現れる原因は? 急に痛みが現れる病気としては、急性の関節炎を引き起こす痛風や偽痛風、化膿性膝関節炎などのおそれがあります。病状ごとに適切な治療が必要であるため、医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 変形性関節症|WHO (文献2) 関節リウマチ ― リウマチ・アレルギー情報第6章|厚生労働省
2022.06.17 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
- 関節リウマチ
- 膝部、その他疾患
「歩くと膝の裏が痛い」「しゃがむとピキッと違和感がある」足の不快な症状にお悩みの方は多いのではないでしょうか。 膝の裏の痛みは、加齢や運動不足によるものから、半月板損傷や血栓などの病気が隠れているケースまで、さまざまな原因が考えられます。自己判断で放置してしまうと、悪化して日常生活に支障が出ることもあるため注意が必要です。 この記事では、膝の裏が痛いときに考えられる原因、受診目安、検査方法を解説します。ご自身の症状に当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてみてください。 また、変形性膝関節症や半月板損傷に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、膝の疾患に対する再生医療の情報を提供しております。入院・手術を変形性膝関節症や半月板損傷のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 膝の裏が痛いときに考えられる10の原因【一覧表】 膝の裏が痛いときに考えられる主な原因は、以下のとおりです。 原因 特徴 変形性膝関節症 歩きはじめに痛む 半月板損傷 曲げ伸ばし時のひっかかり感 ベーカー嚢腫 触れる腫れやしこりがある 膝裏の筋肉の損傷 膝裏が重だるい 靭帯損傷 膝の不安定感 エコノミークラス症候群 片足だけ腫れている、または腫れが目立つ 関節リウマチ 左右対称に関節がこわばる 腰椎ヘルニア・坐骨神経痛 お尻から足先にかけての痛みやしびれ リンパの滞り 腫れや重だるさ、張り感など 反張膝 膝が後ろに反っている 膝の裏の痛みは関節のトラブルだけでなく、筋肉や靭帯、血管・神経の問題など、さまざまな疾患が背景にあります。どの疾患があてはまりそうか、一覧表を見ながら気になる症状を確認してみましょう。 変形性膝関節症|軟骨がすり減って起こる痛み 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで関節に負担がかかり、痛みや腫れを引き起こす疾患です。 変形性膝関節症は、以下のような方に現れやすい傾向にあります。(文献1)(文献2) 50代以降 女性 体重が重い 過去に膝をケガしたことがある 膝へ負担のかかりやすい仕事や動作が多い また、以下の症状がある場合は、変形性膝関節症の可能性があります。 歩き始めるときに膝がこわばる 階段の上り下りがつらい 正座やしゃがむ動作で痛みが強くなる 変形性膝関節症は自然に元の状態へ戻ることは難しく、放置すると痛みが慢性化して日常生活に支障が出るおそれがある疾患です。症状が軽いうちに対応すれば、進行の抑制が期待できます。 当院で行った変形性膝関節症に対する再生医療の症例を以下で紹介しています。ぜひ参考にしてください。 【関連記事】 変形性膝関節症の初期症状とは?原因や治療方法もわかりやすく解説 | リペアセルクリニック東京院 半月板損傷|半月板に傷がついて起こる痛み 半月板は、膝関節の中で太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間にあり、ショックを吸収し、膝の安定性を保つクッションのような役割を果たす線維軟骨組織です。半月板に亀裂や断裂が生じると、膝裏や膝関節に痛みや不安定感などの症状が出やすくなります。 主な原因は野球やジョギングなどのスポーツで膝関節に強いねじれや衝撃が加わることや加齢、肥満などです。(文献3)(文献4) 半月板損傷の症状は、以下のとおりです。 膝の内側または裏側に痛みや違和感がある 膝を曲げ伸ばしするときに引っかかる感じがする 水がたまったような張り感・むくみがある 膝を完全に伸ばせない、または伸ばすと痛みが走る 半月板の損傷が治らないまま炎症が続くと、膝の軟骨にも負担がかかり、将来的に変形性膝関節症を招くおそれがあります。医師による検査や治療、リハビリを受けることで痛みの改善や再発防止が期待できます。 当院で行った半月板損傷に対する再生医療の症例を以下で紹介しています。ぜひ参考にしてください。 【関連記事】 半月板損傷とは?原因・症状・治療法・やってはいけないこと | リペアセルクリニック東京院 ベーカー嚢腫|膝裏に水が溜まって腫れる ベーカー嚢腫は、膝関節内の炎症や損傷によって関節液が膝裏に溜まって腫れた状態を指します。変形性膝関節症や関節リウマチなど、膝関節に炎症や損傷がある場合やスポーツによって膝を使いすぎた際に起こりやすいことが知られています。 ベーカー嚢腫の主な症状は、以下のとおりです。 膝の裏にしこりや腫れがある 膝を曲げ伸ばしすると圧迫感や違和感がある 嚢腫が大きくなると、ふくらはぎにだるさや痛みが出ることもあるため注意が必要です。 進行すると、嚢腫が破裂して袋の中に溜まっていた滑液が周囲へしみ出し、周辺の組織に刺激を与えて炎症が広がることがあります。 ベーカー嚢腫は膝裏の腫れそのものであり、根本原因である膝関節の炎症や損傷を放置すると再発や症状悪化につながることがあります。そのため、膝関節の状態をしっかり評価し、必要に応じて治療を受けることが大切です。 以下の記事ではベーカー嚢腫について解説しているので参考にしてください。 【関連記事】 【膝裏の腫れ】ベーカー嚢腫の症状とは?治し方を解説 | リペアセルクリニック東京院 膝裏の筋肉の損傷|筋肉を痛めて起こる膝裏の痛み 膝裏の筋肉である膝窩筋(しっかきん)の損傷は、スポーツや日常動作で膝周囲の筋肉に過度の負荷がかかったときに起こります。 ジャンプやダッシュ、急な方向転換などの動作や筋肉の柔軟性が低下した際に損傷しやすい傾向にあります。 膝裏の筋肉の損傷した際の特徴的な症状は、以下のとおりです。 膝裏が重だるい 膝裏を押すと痛みがある 立ったり歩いたりすると痛む ふくらはぎの上部も痛む 軽度であれば安静やストレッチで改善する場合がありますが、痛みが長引く場合や動作に支障が出る際は医療機関での診察を受けましょう。 靭帯損傷|膝を支える靭帯が傷ついて起こる痛み 靭帯損傷の主な原因は、スポーツ中の急なターン・接触・転倒などで靭帯にかかる過度の負荷です。 以下の症状がある場合は、靭帯損傷が疑われます。 膝が不安定に感じる、ぐらつく感覚がある 損傷直後に「ブツッ」と音がしたことがある 触れると温かい 膝裏が腫れて張ったように感じる 靭帯損傷を放置すると膝の不安定性が慢性化し、変形性膝関節症を引き起こすおそれがあります。症状が出たら早めに受診しましょう。 当院で行った靭帯損傷に対する再生医療の症例を、以下でご紹介しているので参考にしてください。 【関連記事】 【医師監修】靭帯損傷とは|症状・原因・全治までの期間を現役医師が解説 | リペアセルクリニック東京院 エコノミークラス症候群|血流が滞って起こる膝裏の張りや痛み エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢で座っていることで下肢の血流が滞り、静脈に血栓ができる状態です。多くの場合はふくらはぎの痛みや腫れとして現れますが、血栓の位置によっては膝の裏に痛みが出ることもあります。 以下のような症状があれば、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)の可能性があります。自分の脚の状態をチェックしてみてください。 膝裏、ふくらはぎ、または脚全体に張りやだるさを感じる 片足だけ腫れている、または腫れが目立つ 息切れや胸・背中の痛み これらの症状が見られる場合は放置すると血栓が肺に移動して肺塞栓症を引き起こし、命に関わることもあります。重篤な状態になる前に医療機関での診察を受けましょう。 関節リウマチ|関節に炎症が起きて生じる痛みや腫れ 関節リウマチは、免疫システムの異常により膝を含む複数の関節に炎症が起こる病気です。滑膜と呼ばれる関節の内側を覆う組織が主に攻撃されます。 発症年齢は40〜60代が中心で、女性に多く発症する傾向があります。(文献5) 関節リウマチの主な症状は、以下のとおりです。 膝の裏や関節周囲の腫れ、熱感、こわばりが見られる 朝起きた直後の関節のこわばりが30分以上続く 両膝など左右の関節に同時に症状が出る 炎症が長期間続くと関節破壊が進行し、変形や可動域の制限が起こる可能性があります。早期に治療を開始できれば症状の進行を抑え、生活の質を保つことが可能です。 当院で行った関節リウマチに対する再生医療の症例を、以下でご紹介しているので参考にしてください。 【関連記事】 関節リウマチとは?初期症状・原因・診断・治療・生活上の注意 | リペアセルクリニック東京院 腰椎ヘルニア・坐骨神経痛|神経が圧迫されて起こる痛み 腰椎(椎間板)ヘルニアや坐骨神経痛は、腰の骨(腰椎)で椎間板がつぶれたり飛び出したりして神経が圧迫されることで、腰・お尻・太ももの後ろ・膝裏・ふくらはぎ・足先にかけて痛みやしびれが現れる状態を指します。 主な原因は、加齢による椎間板の変性や体重過多、繰り返す腰への負荷や重労働などです。 以下の症状は、神経が圧迫されているサインかもしれません。 お尻から足先にかけての痛みやしびれがある 立ちっぱなしの姿勢が続くとつらく感じる 腰を反らしたときに、足にしびれや痛みが走る 前かがみになると痛みが悪化する 腰椎ヘルニアや坐骨神経痛を放置すると、下肢のしびれや痛みが慢性化して歩行、立ち上がり、階段昇降などに支障が出るおそれがあります。初期のうちに適切に対応すれば、重症化を防いで快適な生活を取り戻せる可能性が高くなります。 当院で行った腰椎椎間板ヘルニアに対する再生医療の症例を、以下でご紹介しているので参考にしてください。 【関連記事】 腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いを解説|疼痛期間や治し方を紹介 | リペアセルクリニック東京院 リンパの滞り|リンパの流れが悪くなって起こる膝裏の腫れや重だるさ リンパ液は、毛細血管から漏れ出た余分な水分や老廃物を回収し、血流に戻す働きをしています。 リンパの循環が滞ると脚や膝裏などに水分が溜まりやすくなり、腫れや重だるさ、張り感などの症状が現れることがあります。 リンパの流れが悪くなりやすい主な条件は、以下のとおりです。 リンパ管・リンパ節の異常や機能低下 長時間立ちっぱなし・座りっぱなし 加齢 ビタミンやミネラル不足 むくみや腫れには血液の流れの問題や他の疾患が関わることもあるため、気になる場合は医療機関での診断を検討してください。 反張膝|膝が反りすぎて起こる膝裏の負担と痛み 反張膝(はんちょうひざ)は、立ったときや歩行時に膝関節がまっすぐな状態を超えて後ろに反る状態です。膝関節や周囲の筋肉、靭帯に長期的な負担がかかるため、膝裏の痛みや不安定感が生じやすくなります。 原因としては、バレエや新体操などの膝を伸ばす動きが多いスポーツや靭帯の損傷、生まれつきの関節の柔らかさなどが挙げられます。 反張膝の特徴は、以下のとおりです。 鏡の前で立ったときに、膝が後ろに反っているように見える 立った状態で膝を伸ばすと反り過ぎた感じがする 膝の鈍い痛み 膝が崩れるような感覚がある 反張膝は見た目だけの問題ではありません。放置すると、将来的に関節が変形する可能性があります。 膝の裏が痛いときの受診目安 膝の裏が痛いときの受診目安は、以下のとおりです。 安静にしていても強く痛む 膝裏の腫れが大きい 熱感や赤みがある 膝の曲げ伸ばしが難しい 数日経っても症状が続く とくに痛み・腫れ・熱感が強い場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 ふくらはぎの強い腫れ・片脚だけのむくみ・息苦しさを伴うなどの症状がある場合は、血栓症が疑われるため内科での評価が必要になることもあります。 当てはまるかどうか確認しながら、受診の判断に役立ててください。 膝裏の痛みの検査方法 膝裏の痛みに対する主な検査方法は、以下のとおりです。 検査 内容 主な病気 X線(レントゲン) 骨の形状、隙間、変形の有無を調べる 変形性膝関節症 MRI 軟骨のすり減り、骨の変形などを調べる 半月板損傷・靭帯損傷 超音波 膝裏の腫れの中身(液体・嚢腫など)、筋損傷、靭帯の損傷をリアルタイムで確認 ベーカー嚢腫 血液検査 炎症反応、リウマチ因子などを確認 関節リウマチ 膝裏の痛みは原因が幅広く、関節・靭帯・筋肉・神経・血管など、どの組織がトラブルを起こしているかで必要な検査が異なります。 膝裏の痛みは原因が重複して見た目だけでは判断できない場合があります。そのため、気になる症状が続くときは整形外科で検査を受けましょう。 膝の裏が痛いときの治療法 膝の裏が痛いときの治療法は、以下のとおりです。 保存療法 手術療法 再生医療 どの治療が適しているかは、原因の病気・損傷の範囲・年齢・生活スタイルによって異なります。それぞれの治療法について詳しく解説します。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに痛みや炎症を抑え、膝の機能改善を目指す治療法です。多くの膝裏の痛みに対して最初に選択され、症状の程度や生活スタイルに合わせて複数の方法を組み合わせて行います。 主な治療方法は以下のとおりです。 薬物療法:抗炎症薬や鎮痛薬、湿布などを用いて痛みや炎症を抑える 理学療法:理学療法士によるストレッチ、筋力トレーニング、バランス訓練などで膝の機能を高める 注射療法:ヒアルロン酸やステロイドを膝の関節内や周囲に注射し、痛みの緩和を図る 保存療法を適切に続けることで、日常生活での負担軽減や再発予防にもつながります。 手術療法 手術療法は、保存療法を続けても改善が乏しい場合や、安静にしても強い痛みが続く、歩行が難しいといった際に検討される治療法です。 膝裏の痛みに関係する主な手術は、以下のとおりです。 手術名 内容 主な病気 関節鏡視下術 小さな切開でカメラを挿入し、損傷した組織を修復・部分切除する 半月板損傷 高位脛骨骨切り術 骨の角度を調整して膝の負担を和らげる 変形性膝関節症(初期〜中等度) 人工膝関節置換術 傷んだ関節面を人工関節に置き換える 変形性膝関節症(重度) 手術には、血栓や感染症、出血、再手術のリスクがありますが、適切に選択することで膝の機能改善や痛みの軽減が期待できます。どの手術が最適かは膝の状態や生活スタイルによって異なるため、医師と十分に相談し、納得した上で判断しましょう。 再生医療 膝裏が痛むときの治療法として、再生医療も選択肢の一つです。再生医療には、幹細胞治療とPRP療法があります。 治療法 内容 幹細胞治療 他の細胞に変化する能力「分化能」を持つ幹細胞を患部に投与 PRP療法 血液に含まれる血小板を濃縮した液体を作製して患部に投与 どちらも手術・入院を必要としないのが特徴です。 再生医療は、以下のようなお悩みがある方に向いています。 膝の痛みや腫れがあり、炎症を抑えたい 手術を避けたい方 変形性膝関節症 半月板や軟部組織の損傷 膝裏の痛みが慢性的に続いている 以下で当院「リペアセルクリニック」の再生医療の症例をご紹介しています。ぜひ参考にしてください。 変形性膝関節症だけでなく膝の痛みが原因の疾患で手術に悩んでいる方は、当院へご相談ください。 患者様の状況を伺って一人ひとりにあわせた治療方針を提案いたします。 膝の裏が痛いときのセルフケア方法 膝の裏が痛いときのセルフケア方法は、以下のとおりです。 安静にする 温める ストレッチをする 生活環境を見直す マッサージをする テーピングやサポーターを使用する 症状や痛みの程度に合わせて、無理のない範囲で取り入れましょう。 痛みが強い・腫れや熱感がある・しびれや動かしにくさを伴う場合は、自己判断せず早めに整形外科や内科を受診してください。症状の原因を正確に把握して、適切な治療やケアにつなげましょう。 安静にする 膝の裏に痛みを感じたら、まずは無理に動かさず安静を保つことが重要です。 膝に負担をかけすぎると症状が悪化する可能性があるため、痛みが強い間は運動や長時間の立位・歩行を控えましょう。 安静にする際のポイントは以下のとおりです。 膝を高く保つ:腫れや血流の滞りを防ぐため、横になるときは膝下にクッションや枕を挟み、少し持ち上げる 痛みが強いときは動かさない:歩行や階段の昇降、膝に負荷がかかる動作は避ける 数日経っても改善しない場合は受診:安静にしても症状が続く場合は、早めに整形外科で原因を確認 安静を意識することで、膝の炎症や筋肉の過度な緊張を抑え、回復のサポートにつながります。 温める 膝裏の痛みの原因に冷えや血行不良が関わっている場合は、患部を適度に温めることが大切です。温めることで血流が改善し、酸素や栄養が行き渡りやすくなるほか、老廃物の排出も促進されます。 温める際のポイントは、以下のとおりです。 タイミング:腫れ・赤み・熱感がある場合は温めずに冷やす 方法:入浴、温熱パッドなど 時間の目安:38~40度のお湯に15分程度、温熱パッドは低〜中温で15〜20分程度 日常的に取り入れることで、膝裏の痛みの予防につながります。 ストレッチをする 膝の裏が痛いときは、膝周りのストレッチも有効です。適切なストレッチは、筋肉の柔軟性を高めて血流を促すだけでなく、痛みの軽減や膝関節の可動域維持にもつながります。 膝裏の痛みに役立つ、太ももの裏(ハムストリング)とふくらはぎを同時に伸ばせるストレッチは、以下のとおりです。 床やベッドに座り、片方の足を前に伸ばす 反対の足裏を、伸ばした足の太ももの内側に軽く当てる つま先は天井方向へ向ける 背筋を伸ばしたまま、上半身を前にゆっくり倒して10秒ほどキープ 左右を交互に行い、片側10回を目安に 太ももの裏からふくらはぎにかけてじんわりと伸びる感覚が得られます。余裕がある場合は、伸ばしている足先に手を伸ばしてみましょう。強く引っ張る必要はなく、心地よく伸びていると感じられる範囲で行うことが大切です。 怪我や疾患がある場合は、ストレッチを行う前に医師に相談してください。 生活環境を見直す 膝裏の負担を減らすためには、日常生活や職場、寝室の環境を整えることも大切です。 見直したいポイントは、以下のとおりです。 椅子の高さ:膝への無理軽減のため、座ったときに膝が90度程度に曲がる高さを目安に調整する デスクワークや長距離移動:1時間に1回、数分〜10分ほど体を休める時間を取る(文献6) 寝具の硬さや枕の高さ:自分の体格や姿勢に合った寝具を選ぶ 日常の環境を少し見直すだけでも膝裏の痛みの予防・改善につながるため、気づいたところから取り入れましょう。 マッサージをする マッサージは、膝裏の痛み緩和や血流の促進に役立ちます。 膝の後ろからふくらはぎにかけて、手のひらで円を描くようにゆっくりさすったり、ふくらはぎをやさしく揉んだりすると、筋肉のこわばりがほぐれ、膝裏への負担が軽くなりやすくなります。1回あたり3分程度を目安に、無理のない力加減で続けることが大切です。 膝に強い腫れや熱感がある場合は無理に行わず、症状が続くときには整形外科への相談を検討してください。 テーピングやサポーターを使用する テーピングやサポーターは、膝裏の痛みを和らげ、動作時の負担を減らすために役立ちます。 テーピングやサポーターを使用する際の注意点は、以下のとおりです。 テーピングには専門的な知識が必要になるため、最初は専門医に相談する 長時間の使用は筋力低下や血行不良につながることがある 圧迫しすぎると痛みやしびれの原因になるため、きつく巻きすぎない 使用中に痛み・しびれ・違和感が出た場合はすぐ中止する テーピングやサポーターはあくまで痛みを軽減する補助として用いるもので、根本的な治療はできません。不安がある場合や痛みが続く場合には、適切な使用方法も含めて、整形外科で相談しながら進めましょう。 膝の裏の痛みが続くときは迷わず専門医に相談しよう 膝裏の痛みは、変形性膝関節症・関節リウマチ・靭帯損傷など、原因によって必要な対応が大きく変わる症状です。長引いている・悪化していると感じたら、整形外科を受診して原因を明らかにしましょう。 当院リペアセルクリニックでは、膝関節や靭帯の損傷に対してアプローチできる再生医療をご案内しています。膝裏の痛みを軽くしたい方や治療方法の選択肢を広げたい方は、電話相談からでもお気軽にご相談いただけます。 膝の裏の痛みに関するよくある質問 歩きすぎが原因で膝裏が痛くなることはありますか? 長時間の歩行は膝に負担がかかるため、膝裏の痛みを引き起こす可能性があります。とくに、硬い地面を歩いたり、無理なペースで歩行したりすると痛みが起こりやすいです。 長時間歩くときには、適切な靴を履き、歩行姿勢に気をつけることがポイントです。歩行する前後でストレッチや軽いマッサージをすると、筋肉の緊張を和らげて膝への負担軽減につながります。 膝の裏が痛いのは冷えが原因でしょうか? 冷えが原因で膝裏が痛むことはありますが、必ずしもそれだけとは限りません。 冷えによって血流が低下すると膝まわりの筋肉がこわばり、痛みとして感じやすくなります。ただし、膝裏の痛みは変形性膝関節症や関節リウマチ、靭帯・半月板のトラブルなど、より明確な疾患が隠れている場合もあるため注意が必要です。 痛みが続く・腫れがある・動かすと強く痛むといった場合は、早めに医療機関で原因を確認しましょう。 膝の裏が痛い場合、何科にいけば良いですか? 膝の裏に痛みがある場合は、まず整形外科の受診がおすすめです。 整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像検査で原因を特定し、関節や靭帯、筋肉、神経など幅広く診てもらえます。スポーツによるケガや変形性膝関節症、半月板損傷など整形外科領域の疾患が多く、適切な治療やリハビリの提案を受けられます。 早期の受診で、症状の悪化や後遺症を防ぎましょう。 参考文献 (文献1) 変形性膝関節症診療ガイドライン2023の概説|日大医学会誌 (文献2) 変形性関節症|WHO (文献3) 半月板病変による初回入院のリスク要因 - 30年間の追跡期間を持つ集団ベースのコホート研究|BMC Musculoskeletal Disorders (文献4) 体格指数と半月板裂:観察研究のメタアナリシスとメンデルランダム化の証拠|PubMed (文献5) 関節リウマチ ― リウマチ・アレルギー情報第6章|厚生労働省 (文献6) 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン|厚生労働省
2022.06.07 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
関節リウマチは、関節の痛みや腫れを引き起こす慢性疾患で、日常生活に大きな影響を及ぼす場合もあります。 近年では、関節リウマチの治療法も進化し、とくに注射による薬物療法として高い効果が期待できる「生物学的製剤」の使用が広まりつつあります。 一方で、副作用についても気になるところです。 従来薬と比べてどう違うのか、どんな点に注意すべきなのかを知っておくことはとても大切です。 今回は、関節リウマチの注射治療における副作用や生物学的製剤と従来薬との違いについてわかりやすく解説していきます。 関節リウマチの注射治療の役割と主な副作用 関節リウマチは、免疫の異常によって関節が慢性的に炎症を起こす病気です。 放っておくと関節の変形や機能障害を引き起こし、日常生活にも支障をきたす可能性があります。 そのため、早期の治療と炎症のコントロールが非常に重要とされています。 関節リウマチの治療には、内服薬に加えて注射薬が使われるケースが増えてきました。 注射治療が選ばれる主な理由には、以下のような点があります。 即効性や効果の持続時間が期待できる 内服薬に比べて消化器への負担が少ない 自己注射が可能な薬もあり、通院の負担を減らせる とくに重症例や、内服薬だけでは効果が不十分な場合には、生物学的製剤やステロイド注射による治療が効果的な選択肢となります。 生物学的製剤は、免疫システムの特定の部分だけをターゲットにして炎症を抑える先進的な薬剤です。 一方、ステロイド注射は急性の炎症を素早く鎮める目的で使用され、特に痛みの強い関節に直接注入されることが多いのが特徴です。 こうした注射薬は高い治療効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要です。 たとえば、注射部位に腫れや赤みが出ることがあり、発熱や頭痛、倦怠感などの全身症状が出る場合もあります。 副作用の出方は個人差があり、すべての人に起こるわけではありませんが、使用前には医師と十分に相談し、定期的な経過観察が欠かせません。 関節リウマチの治療で使われる生物学的薬剤とは? 関節リウマチの治療は、主に抗リウマチ薬などの従来薬が中心でしたが、近年では「生物学的製剤」と呼ばれる新しい治療薬が広く使われるようになってきました。 本章では、以下3つの項目について解説します。 生物学的製剤と従来薬との違い 生物学的製剤の種類 どのように体に作用するのか 生物学的製剤と従来薬との違い 従来薬は、免疫全体の働きを広く抑制して炎症をコントロールする薬で、内服薬を中心とした治療方法のため、効果の発現に時間がかかる傾向があります。 一方、生物学的製剤は、炎症に関与する特定の物質(サイトカイン)や細胞にピンポイントで作用するため、即効性があり、より高い効果が期待されます。 しかし、生物学的製剤は注射や点滴による投与が必要で、治療費も高額になる傾向があります。 そのため、まずは従来薬で治療を開始し、効果が不十分な場合に生物学的製剤へ切り替えるという流れが一般的です。 生物学的製剤の種類 関節リウマチの注射治療に使われる生物学的製剤には、いくつかのタイプがあり、それぞれ炎症の原因となる免疫の働きに対して、異なるアプローチで作用します。 代表的な生物学的製剤は以下の4つです。 抗TNFα抗体(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブなど) 炎症を引き起こす「TNF-α」という物質をブロックし、関節の腫れや痛みを抑えます。 IL-6阻害薬(トシリズマブなど) 炎症に関与する「IL-6」というサイトカインの働きを抑制します。 T細胞共刺激阻害薬(アバタセプトなど) 免疫細胞同士の過剰な活性化をブロックし、炎症の連鎖を断ちます。 B細胞抑制薬(リツキシマブなど) 抗体を産生するB細胞の働きを抑えて免疫反応を和らげます。 それぞれの製剤には特徴や適応があり、患者様の病状や体質、他の合併症の有無などに応じて使い分けられます。 どのように体に作用するのか 生物学的製剤は、関節リウマチの炎症に関わる免疫反応の一部を「選択的に抑える」ことで効果を発揮します。 たとえば、関節内で過剰に分泌されるサイトカインに結合してその作用をブロックしたり、特定の免疫細胞の働きをコントロールすることで、関節の腫れや痛みを軽減します。 このような選択的な作用により、高い治療効果が得られる一方、免疫の一部を抑えるために感染症への注意が必要です。 治療を受ける際は、定期的な血液検査や医師の管理のもと、安全性にも十分配慮した継続的なフォローが行われます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用と生物学的製剤の注意点について 関節リウマチの注射治療として使用される生物学的製剤は、効果が高い反面、副作用や注意すべき点もあります。 ここでは、注射治療にともなう副作用やリスクについて詳しく解説します。 関節リウマチ注射のよくある副作用 関節リウマチの注射治療で比較的よくみられる副作用には、以下のようなものがあります。 注射部位の反応(発赤、腫れ、かゆみ、痛みなど) 倦怠感や軽度の発熱 頭痛、吐き気、筋肉痛 これらの副作用は、多くの場合は一時的で、自然に治ることがほとんどです。 とくに皮下注射(薬液を皮膚と筋肉の間にある皮下組織に注入する方法)の生物学的製剤では、注射部位に炎症反応が出ることがありますが、冷やすなどの対処で落ち着くこともあります。 関節リウマチ注射のまれに起こる重篤な副作用 一方で、まれではありますが、注意が必要な重篤な副作用も存在します。 代表的なものは以下の4つです。 感染症のリスク増加(肺炎、尿路感染症、帯状疱疹など) アレルギー反応(アナフィラキシー):急な呼吸困難や発疹、血圧低下などを伴うことがある 肝機能障害や血液異常(肝酵素の上昇、白血球や血小板の減少) 心不全の悪化や間質性肺炎の誘発(既往がある場合) 上記の副作用は頻度こそ低いものの、早期に対応することが重要です。 症状が出た場合は、自己判断で放置せず、必ず主治医に相談しましょう。 関節リウマチ注射の副作用が出やすいタイミングやリスク要因 副作用が出やすいタイミングとしては、投与開始直後や投与変更後の数回目までがとくに注意が必要です。 初回投与では、体が薬に慣れていないため、副作用が出やすくなる傾向があります。 また、以下のようなリスク要因がある場合、副作用の出現や重症化の可能性が高まります。 高齢者 免疫力が低下している人(糖尿病や慢性疾患がある場合など) 他の免疫抑制薬を併用している場合 感染症の既往がある、または現在感染している場合 肝機能や腎機能に問題がある場合 生物学的製剤は、免疫機能に直接働きかける薬のため、「副作用が出るかも」と事前に想定しておくことが大切です。 治療開始前には十分な検査や医師との相談を行い、使用中も定期的なモニタリングを続けることで、安全に治療を継続することができます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用に対する予防策と対処法 関節リウマチの注射治療には高い効果が期待できますが、副作用が心配という声も少なくありません。 副作用を防ぐため、治療前には血液検査や感染症の有無を確認する検査が行われます。 肝機能や腎機能のチェック、結核やB型肝炎などの検査を通して、安全に治療を始められるよう準備が整えられます。 注射後に、注射部位の赤みやかゆみ、軽い発熱などが出ることがありますが、多くは一時的なもので心配はいりません。 ただし、息苦しさや高熱、強い倦怠感などが出た場合は、副作用の可能性もあるため、早めに医師へ相談しましょう。 また、副作用が出やすいのは治療開始初期や、薬を変えた直後のため、体調の変化を記録し、気になる症状があれば遠慮せず医師に伝えることが大切です。 事前の検査と早めの対応によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 正しい知識と備えで、安心して注射治療に取り組みましょう。 まとめ|関節リウマチ注射の効果と副作用を正しく理解して治療に臨もう 関節リウマチの注射治療は、症状の進行を抑え、関節の機能を保つために非常に有効な手段です。 生物学的製剤の登場により、これまでコントロールが難しかった症状にも対応できるようになってきました。 一方で、副作用のリスクがあることも事実です。 しかし、治療前の適切な検査や準備、治療中の体調管理によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 また、万が一症状が現れた場合でも、早期に対応することで重症化を防ぐことが可能です。 大切なのは、注射治療の効果と副作用の両方を正しく理解し、自分の体と向き合いながら医師と協力して治療を進めることです。不安なことがあれば、一人で抱え込まず、医師に相談しましょう。 しっかりと情報を得て備えることで、安心して治療に臨み、日常生活の質を高める一歩につながります。
2022.02.25 -
- 肘関節
- 関節リウマチ
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 手部
- 足部
「人工関節の手術は痛みをなくすために必要なのはわかるけれど、合併症や後遺症が心配でなかなか踏み切れない……」そのような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 肩の人工関節置換術は、つらい痛みを和らげ、生活の質を取り戻す有効な方法です。 しかし一方で、手術には特有のデメリットやリスクがあるのも事実です。 本記事では、肩人工関節の手術に伴う代表的な7つのデメリットを整理して解説します。 それぞれのリスクの特徴や発生しやすい条件、予防の工夫についても触れますので、正しくリスクを理解し、後悔のない治療選択につなげましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。肩の痛みや人工関節について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肩の人工関節の7つのデメリット・リスク 肩人工関節手術は、痛みを軽減し生活の質を取り戻す有効な方法ですが、肩は可動域が広く、膝や股関節とは異なるリスクを抱えやすい部位です。 そのため、手術を受ける前に想定される合併症を理解しておくことが大切です。 ここでは代表的な7つのリスクを紹介します。 感染症や血栓症といった生命に関わるものから、脱臼や可動域制限、再手術の必要性といった長期的に影響するものまで、それぞれ確認していきましょう。 なお、人工関節とは何か詳しく知りたい方には、以下の記事が参考になります。あわせてご覧ください。 感染症リスク 肩の人工関節手術で最も注意すべき合併症の一つが感染症です。 人工関節は体内に異物を入れるため、いったん細菌が侵入すると自然には治りにくく、再手術が必要になることもあります。 感染症には大きく2つのタイプがあります。手術後すぐに起こる「早期感染」と、数年後に発症する「遅発感染」です。 早期感染では発熱や患部の強い痛み、腫れなどがみられ、遅発感染では軽い痛みや動かしにくさが長く続く形で現れることがあります。 感染症リスクを高める要因としては以下が知られています。 糖尿病 関節リウマチ 免疫抑制剤を使用している 肥満 喫煙習慣 これらの条件がある方は、感染の危険性が高まるため、手術前に十分な準備や対策を行うことが重要です。 感染症にかかった場合の治療は、まず抗菌薬による点滴が行われます。症状が強い場合や感染が広がっている場合には、人工関節を入れ替える再手術が必要になることもあります。 予防策としては、手術前に虫歯や皮膚炎などの感染源を治療しておくこと、手術時には抗菌薬を予防的に投与することが有効とされています。 また、清潔な環境での手術操作と手術後の適切なリハビリ管理も重要です。 血栓症の危険性 肩人工関節の手術では、血栓症も重要なリスクの一つです。血栓症とは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて血流を妨げる状態を指します。 とくに脚の深い血管にできる深部静脈血栓症(DVT)と、血栓が肺に飛んで血管を詰まらせる肺塞栓症は、命に関わることもある合併症です。 症状としては、脚の腫れや赤み、強い痛みが現れる場合があります。 肺塞栓症では、急な息切れ、胸の痛み、めまいなどが起こり、緊急対応が必要になります。 リスクを高める要因には次のようなものがあります。 高齢 肥満 がんなどの悪性疾患 血栓症の既往歴 長時間の手術や手術後の安静 手術後の体調に異変を感じた場合は、すぐに医療スタッフに伝えましょう。 脱臼リスクと動作制限 肩は体の関節の中でも最も動きの幅が広い構造を持っています。 そのため、人工関節に置き換えると、特定の動作で脱臼が起こりやすくなる特徴があります。 注意が必要なのは、次のような動作です。 背中に手を回す(帯を結ぶ、ポケットに手を入れるなど) 腕を大きく上げる(洗濯物を干す、高い場所に物を取るなど) 手を体の内側に大きくひねる動作 これらは人工関節に強い負担をかけ、脱臼のリスクを高めるとされています。 予防のためには、手術後のリハビリで正しい動かし方を学ぶことが欠かせません。 一度脱臼すると再発しやすい傾向があるため、手術後は慎重な管理で脱臼を防ぎましょう。 生活の中では脱臼しやすい姿勢を避けたり、無理に腕を伸ばさない工夫も必要です。 理学療法士による生活指導も受けて、動作の工夫を取り入れてください。 摩耗・ゆるみによる再置換の可能性 人工関節は一度入れれば一生使えるわけではありません。 時間の経過とともに摩耗や「ゆるみ」が起こり、再手術(再置換)が必要になる場合があります。 人工関節の摩耗は、金属やポリエチレンといった部品同士が繰り返し擦れ合うことで進行します。 その結果、関節の安定性が低下し、痛みや腫れ、動かしにくさが再び現れてきます。 また、摩耗によって生じた微細な粉が骨を刺激し、骨が少しずつ体に吸収されて弱くなることで、人工関節がゆるみやすくなります。 再置換が必要となる主な兆候は以下の通りです。 関節の痛みが再発する 肩を動かしたときに違和感や異常な音がある X線検査でインプラントの位置がずれている 再置換手術は、初回の手術よりも難易度が高く、合併症のリスクも大きくなります。 人工関節の寿命は一般的に15〜20年程度とされますが、患者様の年齢や生活スタイルによって大きく変わります。 若い方や活動量が多い方は、再置換の可能性が高まるため、長期的な視点で手術を検討しましょう。 神経損傷と機能障害のリスク 肩人工関節手術では、周囲を走行する重要な神経を傷つけてしまう可能性があります。神経は細く繊細で、一度損傷すると回復が難しい場合があるため、とても注意が必要です。 代表的な神経損傷には次のようなものがあります。 神経 働き・役割 腋窩神経(えきかしんけい) 三角筋を通っており、損傷すると腕を横に持ち上げる(外転)動作ができなくなります。 筋皮神経(きんぴしんけい) 上腕二頭筋を通り、肘を曲げる力が弱くなるほか、前腕の外側の感覚が鈍くなることがあります。 これらの神経は肩関節のすぐ近くを通っているため、人工関節の設置や手術器具の操作中に影響を受けやすい位置にあります。 神経損傷が起こると、日常生活の質に大きな影響を与えます。 このため、手術を担当する医師が肩の解剖を熟知していること、また術後の神経症状を見逃さずに早期対応する体制が整っていることがとても重要です。 可動域制限による生活動作の困難 肩人工関節手術の後、多くの患者様が直面する課題の一つが可動域の制限です。 とくにリバース型人工関節では、肩の構造を反転させて安定性を高めるため、どうしても動かせる範囲が狭くなります。 代表的に制限されやすい動きは以下の通りです。 動作 難しくなる動き・事例 屈曲(前に腕を上げる) 洗濯物を干す、高い棚に手を伸ばすといった動作が難しくなる。 外転(横に腕を広げる) 荷物を持ち上げる、体操で両手を広げるといった動きに制限が出る。 内旋(腕を内側にひねる) 背中に手を回す動作が困難となる。 外旋(腕を外にひねる) 洗髪や髪を後ろで束ねる動作がしにくくなる。 研究報告では、リバース型人工関節は痛みの改善や安定性の向上に有効である一方、背中に手を回す動作(内旋)や頭上動作の制限が残ることが多いと示されています。(文献1) このため、術後にはどの動きが難しくなるのかを事前に理解し、理学療法士と一緒に日常生活に適した代替動作を学ぶことが重要です。 たとえば、衣服の着脱では前開きの服を選ぶ、入浴では入浴補助具を活用するなど、生活を工夫することで制限の影響を軽減できます。 再手術が必要になる可能性 肩人工関節は、痛みを和らげ生活の質を改善する有効な治療法ですが、一度の手術で一生使えるとは限りません。 感染、脱臼、摩耗・ゆるみなどの問題が生じると、再手術(再置換や再固定)が必要になる場合があります。 再手術は初回の手術に比べて難易度が高く、以下の課題があります。 骨の欠損や変形:人工関節の取り外しにより骨がさらに損なわれ、固定が難しくなる。 合併症の増加:感染や神経損傷、血栓症などのリスクが高まる。 回復期間の延長:リハビリが長引き、日常生活への復帰に時間がかかる。 とくに高齢者の場合、再手術時には体力や合併症の影響が大きくなるため、初回手術の段階で将来の再手術の可能性を念頭に置いて計画を立てることが大切です。 肩の人工関節の種類別デメリット|従来型とリバース型 肩人工関節には、大きく分けて「アナトミカル型(従来型)」と「リバース型」の2種類があります。 それぞれの構造や適応が異なるため、発生しやすいデメリットにも違いがあります。以下の通りです。 アナトミカル型(従来型) リバース型 特徴 自然に近い動きを再現しやすい 若年層や活動性の高い患者にも用いられる 腱板損傷があっても施術可能 脱臼リスクあり デメリット 腱板が損傷している場合は安定性が低い 脱臼リスクが比較的高い 可動域制限が生じやすい 負荷をかける動作で脱臼リスクがある 主な適応 腱板が保たれている場合に適応 腱板断裂性関節症、高齢者 このように、肩の人工関節はどちらを選ぶかで将来の生活に与える影響が変わります。 担当医と十分に相談し、自分の症状や生活スタイルに合った方法を選択することが重要です。 肩の人工関節手術の概要とポイント 肩人工関節手術は、保存療法で改善が得られない患者様に行われる治療法です。 損傷した関節を人工関節に置き換えることで、痛みを和らげ、生活の質を高めることを目的としています。 手術は全身麻酔で行われ、入院は一般的に2〜4週間程度です。術後はリハビリを通じて徐々に可動域と筋力を回復させていきます。 肩の人工関節手術の適応疾患別リスク 肩人工関節手術は、基礎疾患によって手術後のリスクや経過が異なります。主な疾患ごとの特徴を以下の表にまとめました。 疾患名 手術が適切と判断される特徴 主なリスク・注意点 変形性肩関節症 関節のすり減りによる痛み・可動域制限 高齢者では感染や血栓症リスクが高い 関節リウマチ 炎症で関節が破壊される 免疫抑制薬の影響で感染リスクが上昇 腱板断裂性関節症 腱板が損傷し肩を動かせない リバース型が多く、可動域制限や脱臼が残りやすい 上腕骨頭壊死 骨への血流障害で壊死が進行 若年者でも起こり、再手術の可能性が比較的高い 疾患ごとのリスクを理解しておくことで、手術後の生活に備えられます。 変形性肩関節症のリスクについては、以下の記事で詳細に解説しておりますので、気になる方はご確認ください。 肩の人工関節手術の入院期間と回復までの流れ 肩人工関節手術は、入院から退院後のリハビリまで一定の流れがあります。以下の表に一般的な目安をまとめました。 時期 主な内容 ポイント 手術当日〜翌日 全身麻酔で手術、安静 痛み止めや感染予防の管理が行われる 1週目 基本的なリハビリ開始 医師や理学療法士の指導で可動域訓練を少しずつ開始 2〜3週目 入院リハビリ 日常生活に必要な動作(更衣・洗面など)の練習 退院後(1〜3カ月) 外来リハビリ中心 洗濯物を干す・棚に手を伸ばすなど生活動作を徐々に回復 半年以降 社会生活復帰 家事・趣味・軽いスポーツが可能となる例もある 入院は平均で2〜3週間程度ですが、年齢や合併症によって延びることもあります。完全な回復には半年ほどかかるケースもあるため、焦らず段階的にリハビリを続けることが大切です。 肩の人工関節手術にかかる費用目安 手術費用については、自己負担3割の場合、おおむね50万〜60万円前後が一つの目安になります。 例として、ある病院では人工肩関節置換術(入院8日)で約56万円と案内されています。 医療機関や入院日数、個室利用などで上下しますが、総医療費が200万〜250万円に達するケースもあり、その場合の3割負担は約60万〜75万円もあります。 ただし、高額療養費制度を併用すれば自己負担は月ごとの上限額までに抑えられる仕組みです。 以下は、肩の人工関節手術で費用が掛かる項目についてまとめたものです。 費用項目 概要 確認ポイント 手術料・麻酔料 人工関節本体を含む外科手技と麻酔管理の費用 保険適用範囲、インプラントの種類、術式の違い 入院費 病室・投薬・処置・検査などの入院管理費 入院日数、個室か大部屋か、食事療養費の扱い リハビリ費 急性期から外来期までの理学療法費 入院中の頻度、退院後の通院回数と期間 術後外来・投薬 創部チェック、画像検査、疼痛コントロール 通院間隔、画像検査の種類と回数 装具・消耗品 スリング、保護材、創部ケア用品 自費分の有無、交換頻度 公的制度 高額療養費制度、限度額適用認定証、医療費控除 手続き方法、自己負担上限、対象外費用の確認 費用を抑えるには、公的制度の活用が鍵となります。高額療養費制度などを活用して、人工関節手術の費用を抑えましょう。 肩疾患の人工関節に再生医療は適用される? 再生医療は、すでに人工関節を入れた肩には適用されません。しかし、人工関節手術を行う前の段階であれば、症状や画像所見、生活背景などを総合して、手術前の選択肢として検討されることがあります。 再生医療は、患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与する治療法です。入院や手術を行わずに受けられます。ただし、対象疾患や期待できる経過には個人差があり、医師の評価が前提となります。 以下は、当院リペアセルクリニックで行った肩腱板断裂に対する再生医療の症例です。左肩の痛みに悩む70代の男性が再生医療により症状が改善した事例を紹介しているので、参考までにご覧ください。 患者様の状態によって、再生医療の実施可否、治療計画、想定される経過、リスクなどが異なります。 詳細については、当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 まとめ|肩人工関節のデメリットを理解して後悔のない治療選択を 肩に人工関節を入れるかどうかの判断は、リスクの理解から始まります。 本記事では、感染症・血栓症・脱臼・摩耗やゆるみ・神経損傷・可動域制限・再手術の7点を軸に整理しました。 人工肩関節置換術後に変形性肩関節症などの合併症が起こるリスクは、患者様の年齢や基礎疾患、手術方法、術後の過ごし方によって変わります。 また、使用する人工関節が従来型かリバース型かによって、術後に残る機能制限や日常生活での注意点も異なります。 人工肩関節置換術後の入院はおおむね2〜3週間が目安で、外来リハビリを経て数カ月かけて生活を整える流れになります。 費用は複数の項目で構成されるため、高額療養費制度などの公的支援も視野に入れて、見積もりの内訳を早めに確認しましょう。 迷いが残るときは、専門医に相談して診察を受けるのが一番の解決策です。 手術を避けたいとお考えの場合は再生医療の選択肢もあるので、お悩みの方はぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 リペアセルクリニックでは再生医療に精通した医師が、患者様の状態に応じて個別に治療方針を提案いたします。 参考文献 (文献1) 肩関節リバース型人工関節置換術後の可動域と機能評価|日本リハビリテーション医学会誌
2021.12.20 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
関節リウマチとは、免疫の異常により、関節の内側を覆う膜(滑膜)などに炎症が起きる病気です。典型的な初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みが数週間続くことです。 「年齢のせいかもしれない」「しばらく様子を見てもよいのか」と迷い、受診のタイミングでお悩みの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、初期症状のセルフチェックや痛みが出やすい関節、似ている病気との見分け方、受診の目安について解説します。手指や足の関節の違和感が続いている方は、ぜひ参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチの痛みに悩んでいる方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 関節リウマチの初期症状【セルフチェック】 関節リウマチの初期症状は、こわばり・腫れ・痛みが特定の関節に数週間以上続くことが特徴です。気になる症状がある方は、以下の項目を確認してみてください。 チェック欄 項目 ▢ 朝や昼寝のあとに手指がこわばり、動かすうちに楽になる ▢ 指の付け根・指の第二関節・手首・足の指が腫れて痛む ▢ 腫れた関節を触ると、熱っぽくぶよぶよしている ▢ 腫れや痛みが数週間以上続いている ▢ 痛む関節が増えたり、日によって移り変わったりする ▢ 微熱やだるさが続いている 当てはまる項目がある方は、医療機関での相談をおすすめします。一方、「指の第一関節だけが硬く腫れる」「動かしたときだけ痛い」場合は、別の病気の可能性もあります。 このチェックはあくまで受診の目安です。関節リウマチの診断には、血液検査や画像検査が必要です。 ここからは、代表的な初期症状を詳しく解説します。 以下の記事では、関節リウマチの症状について詳しく解説しています。 朝のこわばり 朝のこわばりとは、関節を動かし始めるときに硬くて動かしにくく、使ううちに楽になる状態です。起きたときにもっとも強く感じるため、この名前で呼ばれます。 昼寝のあとや、長時間座っていたあとなど、関節を動かさなかった後にも起こります。関節の痛みより先に、最初の症状として現れることもあります。 「ぞうきんが絞りにくい」「物を握りにくい」といった形で気づく方も多いです。こわばりが長く続くほど、病気の勢いが強いと考えられてきました。 なお、以前の基準では「1時間以上続く朝のこわばり」が項目の一つでした。現在の分類基準には含まれていないため、時間の長さだけで判断しないことが大切です。(文献1) 関節の腫れ 関節リウマチの腫れは、関節の内側の膜(滑膜)に炎症が起きたり、関節に液体がたまったりすることで生じます。 腫れた部分は触ると柔らかく、弾力があります。熱っぽさを伴うこともあります。はっきり腫れていなくても、「なんとなく腫れぼったい」と感じる程度で始まることもあります。 はじめは痛みだけで腫れがない場合もありますが、通常は腫れを伴います。一方、骨のように硬い腫れは、関節の軟骨がすり減る変形性関節症でよくみられる特徴です。 関節の痛み 関節の痛みは、1つから数カ所の関節で始まり、数週間から数カ月のあいだに次々と別の関節に広がることがあります。いつも同じ関節とは限らず、かわるがわる痛むこともあります。 炎症を伴うため、熱をもったような痛みが特徴です。長い経過では左右の同じ部位に出ることが多いものの、必ず左右対称になるわけではありません。初期は片側だけのこともあります。 また、痛みは天候に左右されやすく、天気が崩れる前や雨の日、寒い日に強まりやすい傾向があります。季節では、春から梅雨にかけて悪化しやすいとされています。(文献2) 全身のだるさ・微熱 関節の症状と並行して、だるさや微熱、食欲の低下など全身の症状が出ることがあります。 関節リウマチは関節だけでなく、全身に炎症が起きる病気です。そのため、指の痛みに全身の症状が加わる場合は、指だけに起きる病気(ヘバーデン結節など)よりも、関節リウマチなどを疑う手がかりになります。 「疲れがたまっているだけ」と見過ごしやすい症状のため、関節の症状とあわせて記録しておきましょう。 関節リウマチの初期症状が出やすい関節・出にくい関節 関節リウマチかどうかを考えるときは、「どこの関節が痛むか」が大きな手がかりになります。出やすい関節と出にくい関節は以下のとおりです。 分類 主な関節 出やすい関節 ・指の付け根 ・指の第二関節(指先から2番目の関節) ・手首 ・足の指の付け根 ほかの病気で症状が出やすい関節 ・指の第一関節(指先に一番近い関節) ・親指の付け根(手首寄りの関節) ・足の親指の付け根 これらの関節は、変形性関節症(足の親指の付け根は痛風も)でよく症状が出ます。そのため関節リウマチを見分ける手がかりになりにくく、関節リウマチかどうかを判断する目安となる基準(分類基準)でも、評価の対象から外されています。(文献1) 第一関節だけに症状がある場合は、ヘバーデン結節など別の病気を考えます。ここでは、部位ごとの特徴を解説します。 手指・手首 関節リウマチの初期症状は、指の付け根や指の第二関節、手首に出やすいのが特徴です。 手指の症状は、日常の細かい動作で気づくことが多いです。 ボタンをかけにくい ペットボトルや瓶のふたを開けにくい 小さな物をつまみにくい 指輪がきつくなった こうした変化が数週間続く場合は、腫れている関節の場所を確認してみてください。 足の指・足の裏 関節リウマチは、足の指の付け根や足の裏の痛みから始まることもあります。 「少し歩くと足先や足の裏が痛い」といった症状は、靴が合わないせいや外反母趾のせいと思い込みやすいものです。 靴を替えても痛みが続く場合や、足の指の付け根が腫れている場合は、関節リウマチの可能性も考えて受診を検討しましょう。 膝・肘・肩 関節リウマチは、肘や膝など大きな関節から始まることもあります。 現在は60歳代の発症がもっとも多く、高齢で発症する方も増えています。(文献3)そのため、膝などの痛みを「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。 一方、両肩や首、腰の筋肉の痛みとこわばりが中心の場合は、リウマチ性多発筋痛症という別の病気も考えられます。後述の「関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方」で詳しく解説します。 関節リウマチと初期症状が似ている病気と見分け方 関節の腫れや痛みが出る病気は、関節リウマチ以外にもたくさんあります。痛む場所と腫れの質感を比べると、見分ける手がかりになります。 主な病気の違いは以下のとおりです。 病名 痛む場所 腫れの質感 こわばりの特徴 多い年代 関節リウマチ 指の付け根・第二関節・手首・足の指 柔らかく熱っぽい 朝や安静後に強く、動かすと楽になる 60歳代が最多、女性に多い ヘバーデン結節・ブシャール結節 指の第一関節・第二関節 骨のように硬い 軽いことが多い 閉経期前後の女性 ばね指(腱鞘炎) 手のひら側の指の付け根 押すと痛むしこり 朝に指が引っかかりやすい 手をよく使う方、中高年の女性 リウマチ性多発筋痛症 両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉 関節の腫れは目立ちにくい 朝が最もつらく、午後に軽くなる 50歳以上、70〜80歳代に多い 全身性エリテマトーデス 手指など複数の関節 腫れは軽いことが多い 朝のこわばりが出ることがある 20〜40歳代の女性 乾癬性関節炎 指の第一関節を含む手足の関節 指全体が腫れることがある 朝のこわばりが出ることがある 乾癬(皮膚の病気)のある方 自己判断は難しいため、表はあくまで目安としてご覧ください。それぞれの病気について解説します。 ヘバーデン結節・ブシャール結節(変形性手指関節症) ヘバーデン結節・ブシャール結節は、指の関節が骨のように硬く腫れて変形する病気です。第一関節に起こるものをヘバーデン結節、第二関節に起こるものをブシャール結節と呼びます。 女性に多く、閉経期前後に発症しやすいとされています。初期に赤みや痛みが出ることもありますが、腫れは骨のように硬いのが特徴です。血液検査の炎症の値は、正常であることが多いです。(文献4) 腫れが柔らかく熱をもつ関節リウマチとは、この点が見分けの手がかりになります。 ばね指(腱鞘炎) ばね指は、指を曲げ伸ばしするときに引っかかる症状が特徴です。手のひら側の指の付け根に、押すと痛むしこりができることが多いです。 関節そのものではなく、指を動かす腱の通り道に炎症が起きる病気です。主に1本の指に起こります。 ただし、関節リウマチの初期にも腱鞘炎(ばね指)が起こることがあります。複数の指で繰り返す場合や、関節の腫れを伴う場合は、医療機関を受診しましょう。 リウマチ性多発筋痛症 リウマチ性多発筋痛症は、両肩・首・腰やお尻まわりの筋肉に痛みとこわばりが出る病気です。50歳以上で発症し、70〜80歳代に多くみられます。 比較的急に始まり、2週間以内に典型的な症状がそろうことが多いです。朝がもっともつらく、午後には軽くなる傾向があります。発熱を伴うこともあります。(文献5) 手指の小さな関節が中心の関節リウマチとは、痛む場所が異なります。 以下の記事では、リウマチ性多発筋痛症について詳しく解説しています。 乾癬性関節炎 乾癬性関節炎とは、皮膚に赤みやかさぶた状のはがれが出る「乾癬」に、関節炎が合併した病気です。 関節リウマチでは起こりにくい指の第一関節にも炎症が起こる点が、見分けのポイントです。特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 皮膚の症状 ・皮膚が赤くなり、白っぽくはがれ落ちる 爪の変化 ・爪に小さなくぼみができる ・爪が分厚くなり、水虫のような見た目になる 皮膚の症状より先に、関節の症状が出ることもあります。関節の痛みとあわせて皮膚や爪の変化がある場合は、その点も医師に伝えましょう。 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデスとは、全身に炎症症状が現れる自己免疫疾患(免疫が自分の体を攻撃してしまう病気)です。発症には、遺伝や感染症、紫外線などが関わると考えられています。 関節リウマチと似ている症状は、関節の痛みや腫れです。ただし、関節リウマチとは異なり骨や軟骨の破壊は起きにくいのが特徴です。20〜40歳代の女性に多い病気です。 特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 蝶形紅斑 (ちょうけいこうはん) ・鼻から両頬にかけて蝶の羽のように現れる発疹 ・目立つ赤色が特徴でかゆみはない 円板状ループス ・顔面や頭、耳たぶなど円盤状に現れる発疹 ・かゆみはなく経過に伴い白くカサカサした状態になる 日光を浴びるとこれらの症状が出現または悪化するおそれがあります。 初期症状を放置するとどうなる?関節リウマチの進行過程 関節リウマチは、こわばり・腫れ・痛みといった初期症状から始まり、軟骨の破壊、骨の破壊、関節の変形へと進みます。進行すると、日常生活に支障が出ることもあります。 症状は2年を過ぎると、治療をしても完全な回復が難しくなります。そのため、できれば半年以内に治療を始めることが必要です。(文献2) 医師は進行の程度を「関節破壊の程度(ステージ)」と「日常生活への影響(クラス)」の2つで判断します。進む速さには個人差がありますが、ここではそれぞれの目安を解説します。 関節破壊の進行度(ステージⅠ〜Ⅳ) ステージは、レントゲン検査で関節の壊れ具合を確認して判断するものです。自覚症状だけでは判断できません。各ステージの目安は以下のとおりです。 ステージ 関節の状態 自覚しやすい変化 ステージⅠ(初期) 骨や軟骨の破壊はない こわばり・腫れ・痛み ステージⅡ(中等期) 軟骨が薄くなり、関節のすき間が狭くなる 痛みや動かしにくさが続く ステージⅢ(高度進行期) 骨と軟骨が壊れる 関節の変形が目立ち始める ステージⅣ(末期) 関節が壊れて動かなくなる 関節がほとんど動かせない 初期症状が出ている段階は、ステージⅠにあたることが多いです。この時期に治療を始めることが、関節を守るうえで大切です。 日常生活への影響(機能障害のクラスⅠ〜Ⅳ) クラスは、関節リウマチが日常生活にどの程度影響しているかを示す目安です。ステージと違い、ある程度はご自身でも判断できます。 クラス 生活の状態 クラスⅠ 健康な人とほぼ同じように生活や仕事ができる クラスⅡ 多少の障害はあるが、普通の生活ができる クラスⅢ 身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要 クラスⅣ 寝たきりや車いすの生活で、身の回りのことがほとんどできない 「ボタンがかけにくい」「箸が使いにくい」と感じ始めたら、生活への影響が出始めているサインです。早めに医師へ伝えましょう。 中期以降に起こる関節の変形 関節リウマチが進行すると、関節の骨や軟骨が壊れて変形し、関節を動かせる範囲が狭くなります。主な変形は以下のとおりです。 起こりうる関節の変形 特徴 尺側偏位(しゃくそくへんい) 手の指が小指側に傾いた状態 スワンネック変形 指の第二関節が反り、第一関節が曲がった状態 ボタンホール変形 指の第二関節が曲がり、第一関節が反った状態 外反母趾(がいはんぼし) 足の親指が外側に曲がり、足の人差し指にぶつかったり乗り越えたりした状態 ハンマートー 足の指が折れ曲がったような状態 屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく) 膝や肘が伸ばしきれなくなった状態 首の関節がずれやすくなると、後頭部の痛みや手のしびれ、手に力が入りにくいといった症状が出ることもあります。また、肘の外側や腰骨の上など、圧迫されやすい部位の皮膚の下にしこり(リウマチ結節)ができることがあります。 一度変形した関節は、手術以外で元に戻すのが難しいとされています。 関節以外の症状 関節リウマチは、関節以外にも症状が出ることがあります。全身の症状としては、疲れやすさや脱力感、体重減少、食欲低下などがみられます。 肺に炎症が起きて硬くなる間質性肺炎を合併すると、息切れや、痰を伴わない咳(から咳)が出ます。肺のまわりに水(胸水)がたまることもあります。 涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群を伴う場合もあります。 まれに、血管に炎症が起きて発熱などを引き起こす「悪性関節リウマチ」というタイプもあります。なお、関節の症状が強いリウマチを指す言葉ではありません。 以下の記事では、関節リウマチの合併症である間質性肺炎について詳しく解説しています。 関節リウマチが疑われるときの受診の目安と検査 関節リウマチは、早く見つけて早く治療を始めるほど、関節を守りやすい病気です。「何科に行けばよいのか」「どのような検査をするのか」がわかると、受診のハードルも下がります。 ここでは、受診の目安と、医療機関で行う検査について解説します。 何科を受診する?受診の目安 医療機関で行う主な検査 診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR) 受診前にメモしておきたい4つのこと それぞれ詳しく解説します。 何科を受診する?受診の目安 関節リウマチが気になる場合は、リウマチ科・膠原病内科、またはリウマチ専門医のいる整形外科に相談しましょう。膠原病内科は、免疫の異常で全身に炎症が起きる病気(膠原病)を診る内科です。 近くの専門医は、日本リウマチ財団の医療機関検索で探せます。 受診の目安となる症状は以下のとおりです。 関節の腫れや痛みが数週間続いている 痛む関節の数が増えてきた 朝のこわばりが毎日のように続いている 関節の症状に加えて、微熱やだるさがある 1つでも当てはまる場合は、早めに受診しましょう。 医療機関で行う主な検査 関節リウマチの診断では、血液検査と画像検査を組み合わせて判断します。主な検査は以下のとおりです。 検査 わかること リウマトイド因子(RF) ・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる ・健康な人でも陽性になることがあり、高齢者では4〜5人に1人が陽性 抗CCP抗体 ・関節リウマチに特徴的な自己抗体 ・関節リウマチの方の70〜80%程度で陽性になる ・関節リウマチ以外で陽性になることは少ない CRP・赤沈(赤血球沈降速度) ・炎症があると値が上がる血液検査で、体の中の炎症の強さを調べる 画像検査 ・レントゲンで骨が欠けていないか(骨びらん)を確認する ・関節エコーやMRIでは、より早い段階の炎症を確認できる RFが陽性でも、関節リウマチとは限りません。反対に、高齢で発症した関節リウマチでは、RFも抗CCP抗体も陰性のことが多いとされています。(文献6) 診断に使われる分類基準(2010年ACR/EULAR) 関節リウマチの診断の目安として、2010年に米国と欧州のリウマチ学会が合同で発表した分類基準が広く使われています。以前の1987年の基準では、早い段階の患者様を診断しにくかったためです。 1カ所以上の関節に腫れを伴う炎症があり、ほかの病気が除外できる場合に、以下の4項目を点数化します。 症状がある関節の数 RF・抗CCP抗体の値 CRP・赤沈の値 症状が6週以上続いているか 合計6点以上で関節リウマチと分類されます。(文献1)最終的な診断と治療の開始は、診察や画像検査の結果もあわせて医師が判断します。 4項目のうち「関節の数」と「症状が続いている期間」は、ご自身でも記録できます。 受診前にメモしておきたい4つのこと 受診前に症状をメモしておくと、診察で症状を正確に伝えやすくなります。分類基準の項目にあわせて、以下の4つを記録しておきましょう。 腫れや痛みのある関節の場所と数(手足の絵に印をつけると伝わりやすい) 症状が始まった日(6週以上続いているか) 朝のこわばりが続く時間 発熱やだるさの有無、家族に関節リウマチの方がいるか、喫煙や歯周病の有無 関節の腫れは、日によって引いていることもあります。腫れているときにスマートフォンで写真を撮っておくと、受診日に症状が落ち着いていても伝えやすくなります。 関節リウマチの治療方法 関節リウマチの治療は、早い段階で抗リウマチ薬を始め、症状がほとんどなく病気が落ち着いた状態である「寛解(かんかい)」を目指すのが基本です。 近年は薬の進歩により、病気の進行を抑えられるようになってきました。生物学的製剤やJAK阻害薬も、抗リウマチ薬の一種です。主な治療方法は以下のとおりです。 薬物療法 生活指導・リハビリテーション 再生医療 ここでは、それぞれの概要を解説します。 薬物療法 薬物療法は、関節リウマチの治療の中心です。主に使われる薬は以下のとおりです。 薬の種類 治療上の特徴 従来型の抗リウマチ薬 ・免疫の異常に働きかけ、病気の進行を抑える ・治療の基本となる薬で、代表的な有効成分はメトトレキサート(製品名:リウマトレックスなど) 生物学的製剤 ・炎症を引き起こす物質の働きを抑える注射や点滴の薬 ・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う ・代表的な有効成分はアダリムマブ(製品名:ヒュミラ)、トシリズマブ(製品名:アクテムラ)など JAK阻害薬 ・炎症を伝える体内の信号を抑える飲み薬 ・従来型の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合に使う ・代表的な有効成分はトファシチニブ(製品名:ゼルヤンツ)、バリシチニブ(製品名:オルミエント)など 痛みを抑える補助薬 ・痛み止め(消炎鎮痛薬)やステロイドで、痛みや炎症を一時的に和らげる ・病気の進行を抑える薬と組み合わせて使う 治療を始めたあとも定期的に効果を確認し、目標に届かない場合は薬の種類や量を見直します。 生活指導・リハビリテーション 生活指導とリハビリテーションは、薬で炎症を抑える治療と並行して行うものです。 炎症が強い時期は、関節を休ませることが大切です。腫れや痛みが落ち着いたら、関節を動かして動く範囲を保ちましょう。関節は保温を心がけ、冷房の風を直接当てないようにします。 日常生活では、太い持ち手のペンや瓶のふたを開ける道具など、関節に負担をかけにくい道具を使うのも一つの方法です。 リハビリテーションでは、関節の動く範囲や握力を保つ軽い運動を行います。関節への負担を減らし、変形を防ぐための装具を使うこともあります。 再生医療 再生医療は病気の進行を抑える薬の代わりにはなりませんが、薬で炎症を抑えても関節の痛みが残る場合に選択肢の一つとしてご検討いただけます。再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。 当院で行っている再生医療は以下のとおりです。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 患者様の脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に投与する治療方法 PRP療法 患者様の血液から血小板を濃縮し、患部に投与する治療方法 いずれも入院の必要はなく、日帰りで受けられます。症状や状態によって適応が異なり、効果には個人差があるため、医師とご相談のうえ検討することが大切です。 当院で行った関節リウマチに対する再生医療の症例については、以下の記事をご覧ください。 【症例記事】 関節リウマチで膝関節の痛みが取れない・40代女性 関節リウマチ・高濃度PRPで手首の痛みが激減! 関節リウマチの治療を続けても関節の痛みが残ってお悩みの方は、当院の公式LINEからお気軽にご相談ください。 関節リウマチになりやすい人 関節リウマチは男性より女性に多く、男性の約3倍とされています。以前は30〜50代の女性に多いといわれていましたが、2020年代では60歳代の発症がもっとも多くなっています。高齢で発症する場合は、男女差が小さくなります。(文献3) 原因は完全にはわかっていません。免疫の異常に、遺伝や感染したウイルス・細菌の影響が関わると考えられています。また、喫煙や歯周病も発症のリスクを高めます。 「若くないから」「男性だから」関節リウマチではない、と思い込まないことが大切です。禁煙や丁寧な歯磨きなど、日頃の生活習慣にも気を配りましょう。 朝のこわばりや指の腫れが続いたら早めにリウマチ科を受診しよう 関節リウマチの初期症状は、朝のこわばりと、指の付け根・指の第二関節・手首・足の指の腫れや痛みです。指の第一関節だけが硬く腫れる場合は、ヘバーデン結節など別の病気の可能性もあります。 放置すると軟骨や骨の破壊が進み、関節が変形することがあります。できれば半年以内に治療を始めることが大切です。腫れや痛みが数週間続く方、痛む関節が増えてきた方は、リウマチ科や膠原病内科などを早めに受診しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。関節リウマチの痛みでお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 関節リウマチの初期症状に関するよくある質問 ここでは、関節リウマチの初期症状についてよくいただく質問にお答えします。 関節リウマチの前兆となる症状は? 朝のこわばりが、関節の痛みより先に最初の症状として現れることがあります。 また、だるさや微熱などの全身の症状が先に出ることもあります。気になる症状がある方は、本記事のセルフチェックで確認してみてください。 片側の指だけが痛い場合も関節リウマチの可能性はある? 片側の指だけでも、関節リウマチの可能性はあります。 初期は1つから数カ所の関節から始まることが多く、必ず左右対称に症状が出るわけではありません。片側だけでも、腫れが数週間続く場合は受診をおすすめします。 血液検査でリウマトイド因子が陰性ならリウマチではない? 陰性でも、関節リウマチではないとは言い切れません。 リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性になるのは、関節リウマチの方の70〜80%程度です。とくに高齢で発症した場合は、どちらも陰性のことが多いとされています。 診断は、症状や診察、画像検査の結果をあわせて判断します。 関節リウマチでしてはいけないことは? 腫れて熱をもつ関節を無理に使うことは避けましょう。炎症が強い時期に関節を酷使すると、痛みや腫れが悪化するおそれがあります。 そのほか、以下の点にも注意が必要です。 関節を冷やす(冷房の風を直接当てるなど) 喫煙を続ける 自己判断で受診を先延ばしにする 自己判断で薬をやめる 気になることがあれば、主治医に相談しながら治療を続けましょう。 参考文献 (文献1) 関節リウマチ新分類基準(ACR/EULAR2010)|日本リウマチ学会 (文献2) 初めから起こる症状|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献3) 関節リウマチについて|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献4) 変形性関節症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献5) リウマチ性多発筋痛症|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター (文献6) 診断のための検査|日本リウマチ財団 リウマチ情報センター
2021.12.10







