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減圧症では、体内にできた気泡が神経や関節、血流に影響を与えることで、治療後もさまざまな症状が続くことがあります。 とくに重症例や治療までの時間が長かった場合には、後遺症として症状が長引くこともあります。 しかし、後遺症といっても必ずしも一生続くわけではなく、経過観察やリハビリによって回復が見込めるケースも少なくありません。 本記事では、減圧症の後遺症として現れやすい症状の例や回復までの目安、再発を防ぐための注意点などについてわかりやすく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 減圧症の後遺症で主な症状とその特徴 減圧症は早期に治療を受けることで多くの場合改善が期待できますが、重症度や治療までの時間、個人の体質などによっては後遺症が残る場合があります。 ここでは、減圧症の後遺症としてよく見られる主な症状と、その特徴について解説します。 関節痛・筋力の低下 減圧症の後遺症で比較的多く見られるのが、関節や筋肉に痛みや違和感が残るケースです。 これは関節内にできた気泡や周囲の組織へのダメージが原因とされ、軽い痛みが長引く可能性があります。 さらに重症化すると、筋力の低下やしびれが進行して歩行障害を引き起こす場合もあり、日常生活に支障をきたすことがあります。 手足のしびれや感覚異常 手足のしびれや感覚の鈍さは、減圧症の後遺症としてみられる症状のひとつです。 とくに指先や足先など、末端部分に症状が出やすく、これは神経内に発生した気泡や血流の障害が原因とされています。 軽い場合は数日から数週間で自然に軽快することもありますが、長く続く場合には神経にダメージが残っている可能性も考えられます。 めまい・疲労感・集中力の低下 脳や中枢神経系に気泡ができた場合には、めまいや頭痛、慢性的な疲労感、集中力の低下といった症状が後遺症として残る場合があります。 上記症状は一見すると減圧症とは結びつきにくいため、「なかなか疲れが取れない」「集中できない」といった変化を見過ごしがちです。 さらに、精神的なだるさや注意力の低下は日常生活や仕事に影響を及ぼすため、放置すると生活の質を下げる原因にもなります。 後遺症が残るケースの特徴 減圧症の後遺症が残るかどうかは、さまざまな要因によって変わります。 治療を始めるまでの時間が長いほど、気泡による組織へのダメージが進行し、後遺症が残りやすくなるとされています。 また、重症度が高かったケースや、高齢者は回復力が低下していることもあり、症状が長引く傾向があります。 適切な治療を早期に受けること、経過観察を怠らないことが後遺症を軽減するための重要なポイントです。 後遺症は自然に治る?回復の目安と経過観察のポイント 減圧症の後遺症は、症状の種類や重症度、治療を始めたタイミングなどによって回復の経過は大きく変わります。 ここでは、自然に改善するケースと、長期的な経過が必要なケース、それぞれの対応やポイントについて解説します。 数日〜数週間で改善する場合 減圧症による軽度の神経症状や感覚異常は、治療後に数日から数週間程度で自然に回復するケースが多いです。 たとえば、軽いしびれや関節の違和感は、血流の回復や神経の炎症が落ち着くことで徐々に改善します。 ただし、症状が軽いからといって自己判断で経過を見続けるのではなく、医師の指導のもとで様子をみることが大切です。 経過観察により後遺症を早期に発見すれば、適切な処置が受けられます。 後遺症が長期的に続く場合の対応 減圧症の後遺症は、短期間で症状が回復するケースがある一方で、症状が長期的に続くケースもあります。 重症度が高い場合や治療開始が遅れた場合、神経や関節などの組織にダメージが残りやすく、数か月から年単位で経過を見る必要が出てきます。 このような場合は、定期的な神経検査による評価や、後遺症の進行を抑えるための経過観察が重要です。 また、高気圧酸素治療を追加で行ったり、理学療法やリハビリを通じて筋力や可動域を維持・改善したりすることも有効です。 医療機関と連携し、根気強く対応することが回復を支えます。 早期治療が後遺症リスクを減らす 減圧症では、発症から治療までの時間が後遺症のリスクに大きく影響します。 後遺症を防ぐためには症状が軽く見えても油断せず、早めに医療機関を受診することが大切です。 不安を感じたらすぐに相談する姿勢を持ちましょう。 減圧症の後遺症が疑われるときの対処法 減圧症の後遺症が疑われる場合は、以下のような症状が現れていないか確認しましょう。 激しい頭痛やめまいが続く 意識がぼんやりする、混乱が見られる 手足の麻痺や強いしびれが進行している 呼吸が苦しい、胸の痛みを伴う 歩行が困難になるほどの筋力低下 これらの症状は、神経や循環器の深刻な障害が関係している可能性があり、放置すると後遺症が悪化するおそれがあります。 気になる症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。 また、後遺症が疑われるときは、減圧症を診療した経験のある医療機関を受診するのが望ましいです。 高気圧酸素治療を行っている専門施設をはじめ、神経内科では神経症状の評価や治療を、整形外科では関節痛や運動機能の評価を、リハビリテーション科では機能回復や生活指導を担当します。 症状の内容や重症度によって適切な診療科は変わるため、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらう方法も有効です。 減圧症の再発を防ぐためにできること 減圧症は一度発症すると、体の状態やダイビングの習慣によっては再発のリスクが高まる場合があります。 後遺症が残る不安を減らし、安全にダイビングを楽しむためには、日頃からの対策が欠かせません。 ここでは、減圧症の再発を防ぐために意識したい3つのポイントを紹介します。 安全なダイビング計画を立てる 健康状態の自己管理 後遺症がある人のダイビング再開はまず専門家に相談する それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。 安全なダイビング計画を立てる 減圧症を防ぐための基本は、無理のない安全なダイビング計画を立てることです。 急浮上を避け、適切な浮上速度を守る、安全停止を確実に行うなど、ダイビング中の基本動作を徹底しましょう。 また、無減圧潜水時間や水深なども十分に管理し、複数ダイブを行う際はしっかりと間隔を空けるなど、計画段階からリスクを減らす工夫が重要です。 健康状態の自己管理 身体のコンディションは減圧症のリスクに大きく影響します。 脱水状態や過度な疲労、風邪などの体調不良は、血液循環や代謝を乱し、気泡の排出を妨げる要因となります。 ダイビング前日は十分な睡眠をとり、飲酒は控え、水分補給をしっかり行うなど、自分の健康状態を万全に整えることが再発予防には欠かせません。 後遺症がある人のダイビング再開はまず専門家に相談する すでに減圧症の後遺症が残っている場合、再発リスクを最小限に抑えるためには慎重な判断が必要です。 自分の判断だけでダイビングを再開するのではなく、担当医や高気圧酸素治療の専門医など、専門家への相談を強くおすすめします。 症状の程度や体調、潜水計画を含めた総合的なリスク評価を受けることで、安全性を高め、安心して趣味を続けられる可能性が広がります。 まとめ|減圧症の後遺症は放置せず専門家に相談することが大切 減圧症は適切な治療を受けることで多くの場合は改善しますが、場合によっては手足のしびれや関節痛、めまいや集中力の低下などの後遺症が残る可能性があります。 こうした症状を「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、回復が遅れたり、生活への支障が大きくなったりする場合があります。 大切なのは、気になる症状が続く場合や変化を感じたとき、迷わず医療機関を受診し専門家に相談することです。 早期の対応や経過観察、リハビリを通じて後遺症のリスクを減らし、安心してダイビングを続けるためにも、正しい知識を持ち、適切な行動を心がけましょう。
2024.01.25 -
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減圧症とは、潜水や高圧環境から急に浮上・減圧した際に、体内のガスが気泡化して起こる疾患です。 潜水からの急浮上に伴うものが代表的であるため、「潜水病」と呼ばれることもあります。減圧症の症状は、軽い関節痛から、神経障害・麻痺などの重症例までさまざまです。 本記事では、減圧症の治し方や応急処置の手順、再圧治療(高気圧酸素療法)などの基本的な治療法を医師がわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 減圧症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 減圧症の治し方|応急処置の基本 減圧症が疑われたときに大切なのは、焦らずにできる範囲で正しい応急処置を行うことです。 専門的な治療ができる医療機関へ搬送されるまでの対応で、その後の回復にも大きな差が出ます。 ここでは、意識や呼吸の状態に応じた基本の対処法を紹介します。 意識なし・呼吸なしの場合 意識も呼吸もない場合は、すぐに心肺蘇生(CPR)を始めます。 胸の中央を押す胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返し、AED(自動体外式除細動器)があればすぐに使いましょう。脳の障害を防ぐため、頭を下げた姿勢にはしないよう注意します。 救助者が複数いる場合は、圧迫と呼吸を交代しながら続けましょう。 意識なし・呼吸ありの場合 呼吸はあるけれど意識がない場合は、回復体位(上図参照)をとらせます。 これは、舌が喉をふさいだり嘔吐物で窒息したりしないようにする体勢です。下あごを少し前に出し、顔を横に向けて寝かせましょう。 呼吸のリズムや顔色を観察し、変化があればすぐに知らせるようにします。体温が下がらないようにブランケットなどで保温することも大切です。 意識がある場合 意識がある場合は、まず安静にさせます。 頭を下げず、仰向けで横になりましょう。可能であれば酸素を吸わせてください。酸素は体の中に残った窒素を外に出す働きがあり、症状の悪化を防ぎます。 意識がしっかりしていれば、少しずつ水分をとるのも良いですが、むせ込みそうなときは控えます。 応急処置に関する注意点 応急処置の際は、設備がある場合に限り、高濃度の酸素を投与します。 ただし、呼吸がない場合は心肺蘇生を最優先で行います。酸素には体内の窒素を洗い出す働きがあるため、早めの対応が回復に役立ちます。 また、頭を下げる体勢は脳圧を上げる原因になるため避けましょう。体を冷やさず、毛布などでしっかり保温することも大切です。 なお、再度潜水をして症状軽減をはかる「ふかし」は絶対に行ってはいけません。ふかしは窒素の排出効率が悪く、再浮上時に症状が悪化するおそれがあります。 必ず潜水を中止し、救急搬送を優先してください。 減圧症の治療法|医療機関での対応 減圧症の疑いがある場合は、できるだけ早く高気圧治療を行える医療機関を受診することが大切です。 応急処置で症状を落ち着かせても、体の中にはまだ気泡が残っていることがあります。 医療機関では、症状の程度に応じて「再圧治療」や「酸素投与」などの治療が行われます。 ここでは主な治療法を紹介します。 再圧治療(高気圧酸素療法) 減圧症の治療の原則は「再圧治療」です。(文献1) 再圧治療の主な流れは以下の通りです。 1.治療を受ける人は、専用の治療タンク内に入ります 2.タンク内の気圧を水中で受けるほどの高い圧まで上げます 3.純酸素を吸入し、体内の気泡を圧縮して再び血液や組織中に溶かします 4.その結果、血流が改善し、組織への酸素供給が効率的に行われます 高気圧環境で純酸素を吸入すると、血液中の酸素濃度が高まり、体のすみずみまで効率よく酸素が行き渡ります。 酸素が十分に届くことで、体内に残っていた窒素が少しずつ洗い出され、肺を通して体の外へ排出されていきます。 治療では、一定時間高い気圧を維持したあと、ゆっくりと減圧していきます。これは、再び気泡ができるのを防ぐためです。 治療時間や減圧については、世界的に標準治療として使用されている「米海軍酸素再圧治療表6」に従って行うことが原則です。 1回の治療で症状が軽くなることを目指しますが、回復の程度によっては複数回にわたって再圧治療を行うこともあります。 その他の補助療法(酸素投与・輸液など) 再圧治療がすぐに行えない場合や、治療の補助として行われるのが酸素投与と輸液です。 酸素投与は、高濃度の酸素を吸入することで体内の窒素を洗い出し、気泡の縮小や血流の改善を助けます。 特別な装置がなくても、できるだけ早く酸素吸入を始めることが重要です。 また、輸液(点滴)は脱水を防ぎ、血液の流れを保つ目的で行われます。これにより、気泡が血管内で詰まるリスクを軽減し、再圧治療の効果を高めることが期待されます。 そのほかにも、体を温かく保ち、安静を維持することが回復を助ける基本的なケアになります。 減圧症の後遺症と治し方 減圧症では、早期に治療を行えば多くの場合は後遺症を残さず回復できますが、治療が遅れたり重症化したりすると、神経や関節などに障害が残ることがあります。 後遺症は症状の出た部位によって異なり、感覚の鈍さや手足の動かしづらさ、耳鳴り、めまいなどが代表的です。 これらの後遺症は、適切な治療とリハビリを行うことで少しずつ改善が期待できます。再圧治療をはじめ、酸素療法や薬物療法を組み合わせて、損傷した組織の回復を促します。 また、体の状態に合わせた運動療法や生活の見直しも、回復に向けて大切なステップです。 主要な後遺症の種類 減圧症による後遺症は、障害を受けた部位によって症状が大きく異なります。 以下は代表的な5つの後遺症です。 後遺症の種類 特徴 内耳障害 耳鳴りやめまい、平衡感覚の乱れが起こる。 対麻痺 下半身が動かしにくくなる。脊髄の障害による運動機能低下。 膀胱直腸障害 排尿・排便のコントロールが難しくなる。 感覚障害 手足のしびれや感覚の鈍化がみられる。 片麻痺 体の片側に力が入らない、動かしにくいなどの症状。 減圧症後のリハビリと生活管理 減圧症の治療が終わったあとも、体に残る影響を少しずつ回復させるためにリハビリが欠かせません。 筋力低下や感覚の鈍化が残る場合は、医師や理学療法士の指導のもと、関節を動かす訓練や筋力を維持する運動を続けることが大切です。 また、十分な睡眠と栄養、水分補給を意識し、体の回復をサポートしましょう。 潜水を再開する際は、再発を防ぐために無理のない計画を立て、浮上速度や休憩時間を十分にとるよう心がけてください。 さらに、減圧症の急性期を乗り越えても、時間が経ってから骨壊死(とくに大腿骨頭壊死)を発症することがあります。これは、骨の血流障害が原因で一部の骨が壊死し、股関節痛や歩行障害を引き起こすものです。 初期は無症状のことも多く、発見が遅れるケースもあります。 治療後もしばらくは定期的に検査を受け、違和感や痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 後遺症の悪化を防ぐには、適切な経過観察と生活管理が大切です。 減圧症(潜水病)の後遺症は治せるのか?再生医療の可能性について 近年、医療分野では「再生医療」という新しい治療法が進んでいます。 減圧症によって神経や関節などに後遺症が残った場合にも、この再生医療が選択肢のひとつとして検討されるようになってきました。 再生医療では、「幹細胞」と呼ばれる細胞を利用します。 幹細胞には、体内でさまざまな細胞へと変化する「分化能」という能力があり、研究分野ではこの性質を活かして損傷した組織をサポートする取り組みが行われています。 当院で扱う「自己脂肪由来幹細胞治療」は、患者様自身の脂肪から幹細胞を採取・培養し、点滴で体内に戻す方法です。自分の細胞を用いるため、アレルギーや免疫反応を起こしにくいのが特徴です。 また、「PRP(多血小板血漿)療法」という方法もあります。これは、患者様の血液から血小板を抽出し、濃縮して使用するものです。血小板に含まれる成長因子には、炎症を抑える働きがあるとされています。 どちらの治療も入院や手術を必要とせず、日帰りで行うことが可能です。これらの治療法は、減圧症の後遺症によって日常生活に支障がある方にとって、医療の選択肢となります。 実際に適応できるかどうかは、医師による診察と検査の上で判断されます。 ▼脊髄損傷に対する幹細胞治療についてはこちらの動画をご覧ください。 まとめ|減圧症を正しく理解し早期対応で後遺症を防ごう 減圧症は、症状の出方が人によって違い、軽い痛みやしびれから始まることもあります。放っておくと後遺症につながるおそれがあるため、早めの対応がとても大切です。 潜水後に少しでも体の異変を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。 また、再発を防ぐためには、潜水の前後で十分な休息と水分補給を心がけることも重要です。正しい知識を持ち、早期に対応することで、後遺症のリスクを大きく減らすことができます。 安全な潜水を続けるためにも、体のサインを見逃さず、適切に対処する意識を持ちましょう。 以下の減圧症の後遺症についての記事もあわせてご覧ください。 参考文献 (文献1) 潜水による障害,再圧治療|高気圧酸素治療法入門第6版
2024.01.22 -
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「最近、ダイビング後に体の不調が気になる……」 「もしかして減圧症かも?でも、どうすれば良いのかわからない……」 ダイビング後の体調不良や、減圧症かもしれないという不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 減圧症は、ダイビングなどで深い位置から浅い位置に急浮上した際に起こる病気です。高圧の環境で血液や組織に溶け込んでいた窒素が気泡となり、さまざまな症状をもたらします。 本記事では、減圧症の原因から症状、有効な治療法まで、専門医が詳しく解説します。正しい知識を身につけて、ダイビングを楽しむための参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。再生医療について詳しくは、公式LINEをご確認ください。 減圧症とは?急激な気圧の変化で起こる疾患 減圧症とは、ダイビングや高所作業など、周囲の圧力が急激に低下する環境で発症する病気です。 体内に溶け込んでいた窒素が圧力の低下により気化し、気泡となって血管や組織を傷つけることで、さまざまな症状を引き起こします。(文献1) 減圧症を引き起こす現象は、ダイバーだけでなく、高所での建設作業員や航空機のパイロット、宇宙飛行士にも起こる可能性があります。 減圧症になるメカニズム 私たちの体は呼吸を通じて酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。空気の約78%を占める窒素は、通常であれば体内で利用されずに排出される気体です。 しかし、水中に深く潜ると水圧によって周囲の圧力が高まるため、気体の液体への溶解度は、その気体の分圧に比例するヘンリーの法則に基づき、高圧下ではより多くの窒素が血液や組織に溶け込むのです。(文献2) 体内に多くの窒素が溶け込んだ状態で急激に浮上すると、体にかかる圧力が一気に下がり、溶け込んでいた窒素が気化して小さな泡を形成します。 形成された窒素の気泡が血流に乗って全身を巡り、血管を塞いだり組織を圧迫して減圧症特有の症状を引き起こすのです。 このメカニズムは、たとえば炭酸飲料のペットボトルの炭酸が吹き出す現象によく似ています。 フタが閉まっている高圧の状態では、炭酸ガスは液体に溶け込んでいますが、フタを開けて圧力が急に下がると、シュワシュワと音を立ててガスが気泡となって一気に飛び出してきます。 炭酸飲料のガスが気泡となって飛び出すのと同じ現象が、体内で起こっているのが減圧症です。 I型減圧症(関節・筋肉症状中心) I型減圧症は、比較的軽症とされ、主に皮膚、関節、筋肉に症状が現れるタイプです。(文献3) ダイバーの間では、体を折り曲げるほどの痛みが出ることからベンズとも呼ばれています。 症状はダイビング後数時間以内に現れることが多いですが、24時間以上経過してから発症するケースもあります。 代表的な症状は、肩、肘、膝などの関節に生じる鈍い痛みです。 関節の痛みは時間とともに増していくことがあり、動かすと悪化してしまうのも特徴です。 また、皮膚に現れる症状としては、かゆみ、発疹などがあります。 軽症とはいえ、関節痛や皮膚の発疹といった症状は、体内で窒素の気泡が形成された明確なサインです。 とくに、皮膚症状がより重篤な神経症状の前兆である可能性も指摘されています。 自己判断でただの筋肉痛やじんましんと片付けず、専門家に相談しましょう。 主な症状 症状が現れる部位 重症度 緊急性 後遺症のリスク 関節痛(ベンズ) 肩、肘、手首、膝などの関節 軽症 低い 低い(早期治療で回復) 筋肉痛・だるさ 全身の筋肉 軽症 低い 低い(早期治療で回復) 皮膚症状 上半身、肩、胸部などのかゆみ、発疹、むくみ 軽症 低い 低い(早期治療で回復) II型減圧症(神経・循環器症状) II型減圧症は、神経系、循環器系、呼吸器系に気泡が影響を及ぼす重篤なタイプです。(文献3) 生命に関わる危険性があり、緊急の治療を必要とします。 とくに頻度が高いのが、脊髄に気泡が詰まる脊髄型減圧症です。 脊髄型減圧症は手足のしびれや麻痺感覚の鈍化、排尿・排便障害などを引き起こします。脳に影響が及べば、意識障害、視覚異常、めまいなどを起こすこともあります。 また、肺の血管に多数の気泡が詰まると、チョークス(呼吸循環器型減圧症)と呼ばれる激しい胸の痛みや咳、呼吸困難に陥り、非常に危険な状態となります。 一度、脊髄のような中枢神経系が損傷を受けると、完全な回復が難しく、後遺症が出る可能性が高まります。 しびれ、めまい、呼吸の苦しさといった症状は、減圧症における最も危険なサインと認識してください。 主な症状 症状が現れる部位 重症度 緊急性 後遺症のリスク 神経症状 脊髄、脳、末梢神経 重症 高い 高い 呼吸器症状 肺(胸の痛み、咳、呼吸困難) 重症 高い 中程度 減圧症の原因 減圧症の主な原因は、水中で起こる急激な圧力の低下です。水圧が高い環境では、体内に窒素が溶け込みます。 急激に浮上して水圧が下がると、この溶け込んでいたガスが気化して気泡となり、血管や組織を塞いでさまざまな症状を引き起こします。 窒素が気泡になるというメカニズムに加え、発症には以下の要因が複合的に影響します。(文献4) 主な要因 なぜリスクとなるのか 急速な浮上 体内の窒素ガスが気化するスピードが速くなり、気泡ができやすくなるため。 潜水深度と時間 深く、長時間潜るほど、体内に溶け込む窒素量が増加するため。 反復潜水 前回の潜水で体内に残った窒素が蓄積されるため。 脱水・疲労・睡眠不足 血行不良を引き起こし、窒素の排出を妨げるため。 肥満 窒素は脂肪組織に溶け込みやすいため。 寒冷 水中で体が冷えると、血管が収縮し血行が悪くなるため。 飲酒・喫煙 脱水症状や血行不良を招くため。 上記の要因は、それぞれが単独で減圧症のリスクを高めるだけでなく、複数組み合わさることでさらに危険性が増します。 たとえば、疲労した状態で深くまで潜り、かつ急いで浮上するようなケースは、減圧症を発症するリスクが極めて高いと言えます。 安全なダイビングのためには、ダイブプランの遵守に加え、体調管理も非常に重要です。 減圧症の症状|どんな症状が現れる? 減圧症の症状は多岐にわたりますが、中でも神経症状はとくに重症度を判断する上で重要です。 症状の現れ方は、気泡が詰まる場所によって大きく変わってきます。 損傷部位によって変わる症状の特徴 脊髄は脳と全身をつなぐ神経の束であり、体の各部位に神経をつないでいるため、気泡が詰まる場所によって症状が異なります。 損傷部位 主な症状・影響範囲 頸髄(首) 腕や足を含む四肢すべてに麻痺やしびれなどの症状が及びます。 胸髄(胸) 主に下半身に影響が及び、両足が麻痺する対麻痺の状態になることがあります。 腰髄(腰) 足のしびれや脱力、排尿・排便障害といった症状が現れやすくなります。 損傷部位の中でも、減圧症では胸髄の下位から腰髄の上位にかけての損傷が最も多いとされています。 症状が現れた場合は、一刻も早く専門の医療機関を受診してください。 軽症・重症の見分け方と後遺症のリスク 症状の重症度は、生活にどれだけ支障が出るかで大まかに判断できます。 軽度のしびれや一時的な筋力低下であれば軽症に分類されることが多いですが、歩行が困難になったり、排尿・排便に異常が出たりした場合は重症と考え、一刻も早く専門医療機関を受診する必要があります。 しかし、どんな症状であっても自己判断で、軽症だから大丈夫と放置してはいけません。 減圧症は早期治療が予後を大きく左右する疾患です。 神経組織は一度損傷すると自然な回復が難しいため、発症後いかに早く治療を開始するかが、その後の人生を左右する鍵となるのです。 減圧症の治療法 減圧症の治療は、時間との勝負です。 症状の発症が疑われた時点ですぐに応急処置を開始し、根本的な治療である高気圧酸素治療へとつなげることが、後遺症のリスクを最小限に抑える上で極めて重要になります。 治療の目的は、体内で気泡化した窒素を排出し、気泡によって酸素不足に陥った組織を回復させることです。治療は段階的に行われ、まずは現場での応急処置、次に専門施設での高気圧酸素治療が中心となります。 自己判断で様子を見たり、医学的根拠のない民間療法に頼ると回復の機会を逃すことになりかねません。症状の重さにかかわらず、必ず専門の医療機関を受診してください。 発症直後の応急処置 減圧症が疑われる症状が現れたら、パニックにならず、まずは安全を確保して応急処置を開始します。 発症直後の応急処置が、その後の治療効果に大きく影響します。 【対応すべきこと】 安静を保つ:水平に寝かせ、体を動かさない 純酸素の吸入:医療用純酸素(100%)を吸入 水分補給:水かスポーツドリンク(カフェイン・アルコール不可) 保温:濡れたウェットスーツを脱がせ、タオルや毛布で保温 緊急連絡:118番/119番に連絡、ダイビング後の減圧症と伝える 医師に情報を伝えるため、発症時刻、ダイビングの深度・時間、症状の詳細をメモしておくと診断・治療に役立ちます。 【やってはいけないこと】 自己判断で放置:軽症に見えても重症化する可能性あり マッサージや激しい運動:窒素の気泡が全身に広がる 入浴やシャワー:血管拡張により症状悪化リスクあり 症状が軽い場合も、自己判断で様子を見るのではなく、必ず専門医療機関を受診してください。 応急処置は搬送までの症状悪化を防ぐためのものであり、適切な治療には医師の診断が必要です。 高気圧酸素治療 減圧症の標準的な治療法が、高気圧酸素治療です。 高気圧酸素治療は、専用の装置の中で2.8気圧程度まで気圧を高めた環境に入り、100%の純酸素を吸入する治療法です。(文献5) この治療は、物理学の法則を利用して減圧症の根本原因にアプローチします。 1.気泡の収縮・溶解(再圧) まず、チャンバー内の気圧を上げることで、体内の気泡を物理的に小さく圧縮し、再び血液や組織に溶け込ませます。これは、水中に深く潜っていくのと同じ状態を人工的に作り出します。 2.窒素の排出と組織への酸素供給 高い圧力下で純酸素を吸入すると、血液中に溶け込む酸素の量が通常の10〜20倍に増加します。これにより、体内の窒素分圧が相対的に下がり、窒素の排出が効率的に行われます。同時に、気泡で血流が滞っていた組織の隅々まで酸素が供給され、細胞の機能回復が強力に促されます。 治療は症状に応じて数時間にわたり、複数回行われることもあります。後遺症を残さないためには、いかに早くこの治療を開始できるかが最も重要です。 減圧症の予防法 減圧症を予防するためには、ダイビングにおける安全ルールを徹底して守ることが最も重要です。 ルールの一つひとつが、科学的根拠に基づいて体への負担を減らすために作られています。 安全なダイビングのためのルールと注意点 減圧症を予防するためには、ダイビングにおける安全ルールを徹底して守ることが重要です。ルールの一つひとつが、科学的根拠に基づいて体への負担を減らすために作られています。 減圧症を予防するために、以下のポイントを必ず守りましょう。 十分な睡眠をとる 疲労を避ける 飲酒後のダイビングは厳禁 ダイビング前後に十分な水分補給 潜水深度、時間、休憩時間を含むダイブプランを作成 万全の体調を整えた上で、事前に潜水深度、休憩時間などを盛り込んだダイブプランをもとにダイビングを楽しみましょう。 潜水中、とくに重要なのが浮上時の行動です。ダイブコンピューターが示す安全な浮上速度を厳守し、急浮上を避けることで、体内の窒素が急激に気泡化するのを防ぎます。 さらに浮上の最後には、減圧症予防の要となる安全停止を水深5メートル付近で最低3分間必ず行い、体内に溶け込んだ窒素を呼吸によって穏やかに排出させましょう。 そして、ダイビング後の行動も予防には欠かせません。体内に残った窒素が、気圧の低い場所で膨張するのを防ぐためです。 ダイビング後、最低でも18時間から24時間は、飛行機への搭乗や登山、峠越えといった高所への移動は避けてください。 まとめ|減圧症は早期治療が大切!症状を感じたら迷わず受診しよう 減圧症は、ダイビングなどの圧力環境の変化によって誰にでも起こりうる疾患です。 正しい知識を持ち、予防策を徹底すればそのリスクを大幅に減らします。ダイブプランの遵守と、日頃からの体調管理を常に心がけてください。 もし万が一、ダイビング後に体に少しでも異変を感じた場合は、軽症だから気のせいだろうと自己判断してはいけません。早期に高気圧酸素治療を受けることで、後遺症のリスクを最小限に抑え、健やかな生活に戻れる可能性が大きく高まります。 症状を感じたら迷わず、直ちに医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 減圧症 – 25. 外傷と中毒 | MSDマニュアル家庭版 (文献2) 減圧症 - 22. 外傷と中毒 | MSDマニュアル プロフェッショナル版 (文献3) 潜水による障害 再圧治療|高気圧酸素治療法入門第6版 (文献4) 減圧症にならない潜り方|日本高気圧環境・潜水医学会雑誌 vol.45 (文献5) 減圧障害の最新治療|日本高気圧環境・潜水医学会雑誌 vol.43 No.2
2024.01.18 -
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「水中世界を楽しみたいけれど、ダイビング後の体調不良が心配……」 「高地登山は魅力的だけど、体調が悪くなったらどのように対処したら良いの?」 ダイビングや登山などのレジャーに伴う体調変化について、不安や疑問を感じている方もいるでしょう。 減圧症は、潜水や高地登山などで急激な気圧変化が起きた際に発症する場合があり、放置すると深刻な後遺症を残すケースも珍しくありません。 本記事では、減圧症を発症する仕組みや症状について解説します。誰にでもできる予防法も紹介するので、正しい知識を身につけ、安心してアウトドアを楽しみましょう。 減圧症とは?発症する仕組み 減圧症とは、周囲の気圧が急激に低下する環境において、体内に吸収されていた窒素などの不活性ガスが気泡となり、体内組織や血管内で問題を引き起こす現象です。 急激な気圧変化が起こる状況としてよく挙げられるのは、スキューバダイビングや急激に18,000ft(約5,500m)以上まで上昇する高地登山などです。 私たちの体は呼吸を通じて空気中の窒素ガスを取り込みますが、気圧や水圧が高い場所では、通常よりも多くの窒素ガスが血液や体組織に溶け込みます。 急激に気圧や水圧が低い場所へ移動すると、体内に溶け込んでいた窒素を気体の状態に戻し、気泡を発生させる原因へとつながります。 気圧変化によって発生した気泡は、血管を塞いだり神経を圧迫したりするため、しびれやめまいなどの症状を引き起こすケースも少なくありません。 気圧変化の大きいスキューバダイビングや高地登山をする際には、適切な知識と慎重な行動が求められます。減圧症を予防できるよう、発症のメカニズムを理解しておきましょう。 減圧症の症状と分類をわかりやすく解説 軽度の減圧症で発症する症状は、以下のとおりです。 関節や筋肉の痛み 皮膚の湿疹やかゆみ 疲労感 吐き気や頭痛 注意力散漫 ただし、減圧症は症状の現れ方や重症度によってⅠ型とⅡ型に分類されます。重症度で影響を受ける部位や対処法が異なるため、症状の特徴を理解するのが重要です。 ここでは「Ⅰ型減圧症」と「Ⅱ型減圧症」について、具体的な症状を交えながら詳しくみていきましょう。 減圧症の症状については、こちらの記事も参考にしてください。 Ⅰ型減圧症 Ⅰ型減圧症は比較的軽度の症状が中心で、主に筋肉や関節、皮膚およびリンパ管に異常が現れます。典型的な症状は、以下のとおりです。 関節の痛みや筋肉痛 かゆみ 皮膚の斑点や発疹 腕のむくみ 胸部や腹部の腫れ 極度の疲労 Ⅰ型減圧症の場合、腕や脚の関節・背中・筋肉に痛みを感じます。痛みが出る部位をはっきりと特定できないケースも珍しくありません。 初期段階での痛みは軽く断続的ですが、徐々に強く感じるようになり、動かすと悪化します。また、リンパ系が影響を受けると、腕や脚の腫れが見られるケースがあるのも事実です。 Ⅰ型は一見すると疲労や打撲に似た軽い違和感から始まるため、見逃されやすい傾向がありますが、早期に発見すれば大きな後遺症は残りません。 症状が軽度であっても放置せず、潜水・登山歴や行動内容と照らし合わせて慎重に評価する必要があります。 Ⅱ型減圧症 Ⅱ型減圧症はⅠ型よりも重篤で、神経系や呼吸器系、循環器系に深刻な影響を及ぼす可能性がある危険な状態です。具体的な症状は以下のとおりです。 めまい ろれつが回らない 手足のしびれや麻痺 視覚障害 聴覚障害 記憶障害 胸の痛みや咳と 不整脈 ショック状態 上記をはじめとするII型減圧症の症状は、脊髄や脳、心臓、肺などの重要な器官の血管が気泡によって閉塞したり、組織が圧迫されたりすると引き起こされます。 また、減圧症の長期的な影響として、減圧性骨壊死という骨の障害を引き起こすケースもあります。骨障害は、肩関節や股関節に起こる症例が多いのも事実です。なかでも、大腿骨頭壊死が起こると歩行障害などの影響が出るだけでなく、重症な場合には手術が必要となるケースも珍しくありません。 Ⅱ型減圧症は、迅速かつ専門的な治療を必要とする病気です。後遺症が出るリスクもあるため、疑わしい場合は直ちに医療機関を受診しましょう。 減圧症の治し方 減圧症を発症した場合、体内で生じた気泡を縮小させ、組織への酸素供給を改善する治療が基本です。症状の重症度や種類に応じて治療法は異なりますが、主に専門的な医療機関での処置が必要です。 ここでは、減圧症の代表的な治療法である「高気圧酸素療法」と「再圧治療」について、特徴と効果を詳しく解説します。 減圧症の応急処置や治療方法については、こちらの記事も参考にしてください。 また、後遺症でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 高気圧酸素療法 高気圧酸素療法は、患者様を「高気圧酸素治療装置(チャンパー)」と呼ばれる装置内に入れ、大気圧よりも高い気圧環境下で高濃度の酸素を吸入させる治療方法です。 高い気圧によって、体内の気泡は物理的に圧縮され小さくなります。また、高濃度の酸素を吸入すると血液中に溶け込む酸素量が増加し、気泡によって酸素不足に陥った組織への酸素供給を促進します。 高気圧酸素療法は、Ⅰ型減圧症からⅡ型減圧症まで、幅広い症状に対して有効性が認められており、多くの医療機関で採用されている治療方法です。治療は早期に実施するほど効果が高く、神経症状の改善や回復時間の短縮が期待できるでしょう。 再圧治療 再圧治療は、とくに重症なⅡ型減圧症や高気圧酸素療法だけでは十分な改善が見られない場合に選択される、より強力な治療方法です。 症状が消失するか大幅に軽減する気圧を「再圧チャンパー」と呼ばれる治療装置内で再現し、ゆっくりとした速度で慎重に減圧していきます。徐々に減圧すると、体内に残る気泡を確実に縮小させ、再度溶解させる効果が期待できます。 再圧治療を実施できる施設は限られていますが、重篤な神経症状や意識障害を伴うケースでは、救命や後遺症軽減のために重要な治療方法です。 減圧症の予防ポイント6つ 減圧症は正しい知識と行動で十分に予防できる疾患です。とくに、ダイビングや高地登山などの気圧差の大きな環境下では、事前準備と行動の工夫が減圧症発症のリスクを大きく左右します。 ここでは、減圧症を予防するためのポイントを6つに分けて解説するので、ダイビングや登山の予定がある方はぜひチェックしてください。 ①潜水前の注意 潜水前には体調を整え、十分な睡眠を取るのが大切です。前日はアルコールを控え、疲労を残さないように注意してください。 風邪や鼻づまりがあると、周囲の水圧と体の圧力を同じに保つための耳ぬきをはじめとする圧平衡(あつへいこう)が上手くできず、気圧変化の影響を強く受けるため、無理な潜水は避けることをおすすめします。 また、以下のリスクがある方は、医師に事前に潜水をして良いか、確認しましょう。 卵円孔開存(らんえんこうかいぞん)や心房中隔欠損などの心臓の病気 疲労 肥満 高齢 経験やスキルレベルに見合った無理のない深度や潜水時間で潜水を計画するのが大切です。 ②潜水時の注意 急激な深さへの潜水や長時間の潜水は避け、適切な休憩を取りましょう。 潜水中はゆっくりとした下降と浮上を心がけ、急激な圧力変化を防ぐのが重要です。浮上する際は、ダイビングの種類によって1分間に9~18メートルを最大浮上速度とします。さらに、水深3~4m地点で3~5分間の安全停止時間を設けるのも、水圧の平衡を保つために推奨されています。 深く長く潜るほどリスクは高まるため、無理のない計画が必要です。体調に異変を感じたら、無理せず速やかに安全な方法で潜水を中止し、バディやインストラクターに知らせてください。 ③潜水後の注意 潜水直後は激しい運動や高所への移動を避け、身体を休ませる時間を確保します。 潜水回数や深度によって異なりますが、潜水後12〜24時間以内に飛行機に乗ると、減圧症のリスクが高まるといわれています。潜水後、飛行機に乗る予定がある場合は、12〜24時間ほど海抜0mの場所にとどまり、一定期間の休息が取れるようにしましょう。 潜水後は体調変化に十分注意を払い、万が一、関節痛や皮膚のかゆみ、しびれ、めまいなどの減圧症を疑う症状が現れた場合は、速やかに専門の医療機関に相談してください。 ④高地登山の適切な計画 登山前には、適切な標高への適応期間を確保し、急激な標高の変化を避けるよう計画しましょう。 登山中に急激な標高の変化があると、大気中の酸素濃度が減少し、減圧症が引き起こされるケースがあります。急激に標高を上げるのではなく、数日かけて徐々に体を高地の気圧に慣らしましょう。 登山中も、常にゆっくりとしたペースを心がけ、呼吸が乱れないように注意しましょう。十分な睡眠と休息も、高所での体調管理には欠かせません。 万が一、頭痛や吐き気、めまい、息切れなどの高山病の初期症状や、減圧症を疑う症状が現れた場合は、無理をせず直ちに下山を開始するのも重要な対処法です。 ⑤十分な水分摂取 十分な水分摂取は、体内の水分バランスを整えるだけでなく、減圧症の予防において重要です。 脱水状態に陥ると、血液のねばり気が高まります。血液がドロドロになると血流が悪化し、体内に溶け込んだ窒素ガスが気泡となった際に体外へ排出されにくくなったり、血管内で詰まりやすくなったりする減圧症のリスクが高まります。 活動中だけでなく、活動前後も意識的に水分を摂取するのが大切です。とくに、活動中はこまめに水分補給を行い、喉の渇きを感じる前に飲むように心がけましょう。 摂取する飲み物は、水やスポーツドリンクがおすすめです。アルコールやカフェインを多く含む飲料は利尿作用があり、かえって脱水を引き起こす可能性があるため、控えるようにしてください。 ⑥専門家のアドバイスを仰ぐ 潜水や高地登山などの活動前には、専門の医師や指導者・ガイドなどに相談し、適切なアドバイスを受けましょう。個人の体調や経験値に応じたアドバイスを受けられるため、より確実な予防が可能です。 以下の条件に当てはまる方は、潜水や高地登山前に潜水医学や高山医学に詳しい医師の診察を受けるのをおすすめします。 健康状態に不安がある方 循環器系や呼吸器系に持病がある方 過去に減圧症を発症した経験がある方 また、経験豊富な指導者やガイドは、個々のスキルレベルや経験に応じた安全な計画と、現地状況や特有のリスクに関する情報を提供してくれます。 自己判断に頼らず、専門家のアドバイスを受ける行動が重要です。 まとめ|減圧症の予防ポイントを押さえて安全なダイビング・登山をしよう 減圧症は、体内に溶け込んだ窒素が急激な気圧変化で気泡化することで起こる病気です。 Ⅰ型は関節痛や皮膚の異常など比較的軽度な症状が多く、Ⅱ型は神経や呼吸器に深刻な影響を及ぼします。治療には高気圧酸素療法や再圧治療が用いられますが、いずれも早期対応が重要です。 減圧症予防には、活動前後の体調管理や水分補給、安全な活動計画などを徹底しましょう。 しかし、適切な予防法を心がけても、減圧症による脊髄障害や脳障害によって麻痺などの症状が残ってしまう場合もあります。 減圧症による脊髄損傷に対しては、リハビリテーションやステロイドなどの薬物治療が一般的ですが、根本的な治療方法はありませんでした。 当院では、幹細胞治療として、ご自身の脂肪から培養した脂肪由来間葉系幹細胞治療を行っています。 減圧症などで脊髄損傷を起こしてしまった方で、再生医療にご興味のある方は、ぜひ1度当院までご相談ください。
2024.01.17 -
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「ヘルニアと診断されたが手術は避けたい」 「手術後も続く痛みやしびれを何とかしたい」 このような悩みを持つ方にとって、ご自身の細胞が持つ治癒能力を利用する再生医療は、新しい治療の選択肢です。 手術・入院を必要とせず身体への負担が少ないため、手術に不安を感じる方や、術後の後遺症にお悩みの方に適しています。 本記事では、ヘルニアに対する再生医療の仕組みや、どのような方が治療の対象となるのかを、当院の具体的な取り組みを交えて詳しく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度ご登録ください。 ヘルニアに対する再生医療とは 再生医療は、椎間板ヘルニアなどが原因のつらい症状に対する新しい治療の選択肢です。 手術を伴わない治療法で、身体が持つ自然治癒力を利用して、症状の緩和を目指します 。 具体的には、以下の2つの治療法があり、患者様の症状や状態に合わせた方法が選択されます。 幹細胞治療:脂肪組織から採取した幹細胞を利用し、損傷した組織の修復を促す治療法 PRP療法:血液から血小板を抽出し、その働きで炎症を抑え痛みを和らげる治療法 次の項目から、それぞれの治療法がどのような仕組みで症状にアプローチするのかを解説します。 幹細胞治療の仕組み 幹細胞治療は、患者様自身の脂肪組織から採取した幹細胞を活用する再生医療の一つの方法です。 この幹細胞は、さまざまな細胞に変化する能力「分化能」を持ち、過剰な炎症を鎮めたり、自然治癒力を高める働きがあります。 当院「リペアセルクリニック」では、この幹細胞を損傷している患部へ届ける「分化誘導」を行っています。 椎間板ヘルニアでは、神経が長期間圧迫されることで、慢性的な炎症や損傷が起きていることも少なくありません。(文献1) この神経周辺に幹細胞を直接投与し、痛みの原因となっている炎症を抑え、傷ついた神経の機能的な回復を促します。 手術のように原因を物理的に取り除くのではなく、身体が本来持つ再生能力を高めることで症状の改善を図るのが、この治療法の考え方です。 治療にはご自身の細胞を用いるため、アレルギー反応や拒絶反応のリスクも低いのが特徴です。 PRP療法の仕組み PRP療法は、患者様自身の血液を活用する再生医療の一つの方法です。 血液を特殊な遠心分離機にかけ、組織の修復を促す働きを持つ血小板の成分だけを濃縮して抽出します。 この血小板を豊富に含んだ血漿成分が、PRP(多血小板血漿)です。 血小板には、炎症を抑える働きを持つ成長因子が多く含まれています。 ヘルニアによる痛みは、神経の圧迫と神経周辺の炎症が主な原因であるため、PRPを痛みの原因となっている患部に直接注射します。 PRPに含まれる成長因子の作用によって神経周辺の炎症を鎮め、つらい痛みを和らげるのが、この治療の目的となります。(文献2) 患者様自身の血液を使用するため、アレルギー反応や拒絶反応が起こるリスクが低い治療法です。 また、採血から治療の実施までが最短30分と短時間で完了し、入院の必要なく日帰りで受けられます。 ヘルニアのどのような症状に用いられるか 再生医療が用いられるのは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で起こる、長引く痛みやしびれといった症状です。 たとえば、腰から足にかけての痛み(坐骨神経痛)に悩んでいるケースや、首から腕に広がるつらいしびれを感じている場合などが挙げられます。 薬やリハビリといった保存療法を続けても症状が十分に改善しない、または痛みが何度もぶり返してしまう場合にも、再生医療は選択肢の一つです。 また、手術でヘルニアによる神経の圧迫を取り除いた後も、後遺症として痛みやしびれが残るケースも少なくありません。 こうした手術後の症状に対しても、神経周辺の慢性的な炎症を抑え、損傷した組織の修復を促すことを目的として再生医療は用いられます。(文献3) 根本原因へアプローチし、症状の緩和を図る治療法といえます。 ヘルニアで再生医療が適している3つのケース 再生医療は、とくに以下のようなお悩みを持つ方にとって、新しい治療の選択肢となり得ます。 持病やご年齢を理由に手術が難しいと診断された方 ヘルニアの手術を受けたが痛みやしびれが改善されない方 身体への負担や後遺症のリスクを考え手術を避けたいと強く希望されている方 再生医療は、身体に優しいアプローチで、こうしたお悩みに応えることを目指します。 当院のヘルニアに対する再生医療の3つの特徴 当院の再生医療には、ヘルニア治療の効果を高め、患者様の安全性を追求するための3つの大きな特徴があります。 損傷箇所へ直接アプローチする「脊髄腔内投与」 細胞の質を保つ「非冷凍での培養」 安全性を高める「自己血液を用いた培養」 続く項目で、これらの特徴を詳しく解説していきます。 特徴1:損傷箇所へ直接アプローチする「脊髄腔内投与」 一般的な幹細胞治療では、腕などから点滴で投与する方法が主流です。 点滴で投与された幹細胞は血液の流れに乗って全身を巡り、その一部が損傷した患部へとたどり着きます。 しかし、この方法では幹細胞が全身に分散してしまうため、患部に到達できる細胞の数が限られてしまう課題がありました。 そこで当院では、ヘルニアで傷ついた神経の周辺(脊髄腔内)へ、注射によって幹細胞を直接届ける脊髄腔内投与を採用しています。 この方法により、より多くの幹細胞を患部に届けることができます。 特徴2:細胞の質を保つ「非冷凍での培養」 幹細胞は、冷凍と解凍の過程で少なからずダメージを受け、質が低下してしまう可能性があります。 そこで当院では、患者様からお預かりした大切な細胞の質を最大限に保つため、一度も冷凍保存しません。 採取した脂肪からすぐに幹細胞を分離し、常に新鮮な状態で培養を開始することで、高い活動率をもった幹細胞の投与を実現しています。 このこだわりが、治療の効果を引き出す上で重要だと考えています。 患者様への負担を減らし、より良い結果を目指すための培養方法です。 特徴3:安全性を高める「自己血液を用いた培養」 幹細胞を培養する際には、栄養源として動物由来の血清が用いられることがあります。 しかし、動物由来の成分は、アレルギー反応や未知の感染症といったリスクを否定できません。 そこで当院では、これらのリスクを徹底的に排除するため、患者様ご自身の血液のみを用いた培養方法を採用しています。 まず、患者様の血液から細胞の成長に必要な成分だけを抽出し、それを使用して幹細胞を育てます。 この自己血液を用いた培養により、アレルギー反応や感染症のリスクは限りなく低く抑えられます。患者様に安心して治療に専念していただくための、当院の徹底した安全管理の一環です。 ヘルニアの症状や再生医療に関するご相談・ご質問は、お気軽にお電話ください。専門のスタッフが丁寧にお答えします。 ヘルニアの再生医療における治療の流れとリスク 再生医療を受ける際の具体的な流れと、事前に知っておくべきリスクや副作用についてご説明します。 治療は、まず専門医によるカウンセリングで治療への理解を深めることから始まります。 その後、細胞の採取、培養を経て実際の投与へと進みますので、治療期間や注意点などを事前に把握しておくことが大切です。 ここからは、治療の具体的な流れをステップごとに解説します。 初診から治療までの流れ 治療は、まず専門医によるカウンセリングから始まります。 現在の症状やMRIなどの検査結果を詳しく確認し、再生医療が適しているかを慎重に判断します。 治療の実施が決まれば、次にお腹からごく少量の脂肪を採取します。 その脂肪から幹細胞を取り出して専門の培養施設へ送り、約1カ月の時間をかけて細胞を培養し、数を増やします。 最後に、培養した幹細胞を患部へ注射で投与すれば治療は完了です。 治療後は、経過を観察するために通院が必要になる場合があります。 治療期間と通院について 幹細胞治療では、細胞を培養するための期間が必要となるため、治療全体の期間は1カ月以上が目安です。 まず初診日にカウンセリングと脂肪の採取を行い、その後、専門の施設で約1カ月かけて幹細胞を培養します。 培養が完了したら、幹細胞を投与するため再度ご来院いただく流れとなり、通院は最低でも2回以上必要です。 治療が完了した後も、症状の経過を観察するために定期的な通院をお願いする場合があります。 一方、PRP療法の場合は採血から投与までが1日で完了するため、入院の必要なく日帰りでの治療が可能です。 ご自身の症状やライフスタイルに合わせた治療計画を、医師と一緒に立てていきましょう。 考えられるリスクや副作用 再生医療は、ご自身の細胞や血液を用いるため安全性を重視した治療法ですが、どのような医療行為にもリスクや副作用の可能性はゼロではありません。 脂肪を採取する際や、幹細胞を投与する注射の際に痛みを感じることがあります。 また、治療後数日間は処置した箇所に腫れや赤み、内出血が見られる場合がありますが、これらの症状は一時的で、多くは時間の経過とともに自然に治まります。 ご自身の細胞を使う治療の大きな利点は、アレルギーや拒絶反応の心配がほとんどないことです。(文献4) 治療を開始する前には、担当の医師が考えられるリスクについて丁寧に説明しますので、ご不安な点がなくなるまで、しっかりとご相談ください。 ヘルニアの再生医療における症例紹介 当院では、ヘルニアや脊柱管狭窄症に対する幹細胞治療の実績が数多くあります。ここでは、実際に治療を受けられた方の症例をご紹介します。 腰椎椎間板ヘルニアの症例 1年前からの腰痛と右足の痛み・しびれに対し手術を勧められましたが、入院や麻酔への不安から手術以外の治療法を希望され幹細胞治療を選択された方の症例です。 頚椎椎間板ヘルニアの症例 7年前に頚椎症性脊髄症の手術を受けたものの症状が改善せず、手のしびれの悪化を防ぎたい思いで幹細胞治療を選択された方の症例です。 脊柱管狭窄症の症例 10年以上続く腰椎脊柱管狭窄症の痛みとしびれにお悩みで、手術を避けたい思いから幹細胞治療を受けられた方の症例です。 まとめ|ヘルニアの種類と再生医療の適応について 本記事では、ヘルニアの症状に対する再生医療の仕組みや特徴について解説しました。 手術を避けたいと考えている方や、手術後の後遺症に悩んでいる方にとって、再生医療は有効な選択肢の一つとなり得ます。 ご自身の細胞が持つ治癒能力を活かすこの治療法は、身体への負担が少ない大きな利点があるからです。 もちろん、すべての症状に適応となるわけではありませんが、これまで改善が難しかった症状への新しいアプローチとして期待されています。 ご自身の症状が再生医療の対象となるか、まずは一度、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 ヘルニアの再生医療に関するよくある質問 治療に痛みはありますか? 治療に伴う痛みは、主に脂肪を採取する際と幹細胞を投与する際の2つの場面で考えられます。 脂肪の採取は局所麻酔を使用して丁寧に行うため、処置中に強い痛みを感じることはほとんどありません。 幹細胞の投与も注射で行うため痛みは軽度で、通常の採血や点滴と同じくらいの感覚とお考えください。 再生医療に公的医療保険は適用されますか? 現在、ヘルニアに対する再生医療は公的医療保険の適用外であり、自由診療となります。 費用に関する詳細は、カウンセリングの際に医師へお尋ねください。 誰でも治療を受けられますか? 再生医療は身体への負担が少ない治療法ですが、悪性腫瘍の治療中の方や重い感染症をお持ちの方など、すべての方に適応となるわけではありません。 治療が受けられるかどうかは、現在の症状やこれまでの治療歴などを基にした専門医による診察と判断が不可欠です。 まずは一度、専門のクリニックへご相談ください。 参考文献 (文献1) 椎間板ヘルニア - 08. 骨、関節、筋肉の病気 (文献2) 多血小板血漿(PRP) | 再生医療ポータル (文献3) Review of Recent Treatment Strategies for Lumbar Disc Herniation (LDH) Focusing on Nonsurgical and Regenerative Therapies (文献4) 再生医療等の安全性の確保等に関する法律改正について|厚生労働省
2023.11.20 -
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「椎間板ヘルニアの手術に後遺症はある?」 上記のように、椎間板ヘルニアの術後による後遺症に対して不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 結論、椎間板ヘルニアの術後には、主に痛みやしびれ、筋力低下、神経疾患の合併などの後遺症が考えられます。 本記事では、椎間板ヘルニアの手術による後遺症リスクと治療法について詳しく解説します。 椎間板ヘルニアの後遺症を手術せずに治療できる可能性がある再生医療についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 \ヘルニア治療に効果的な再生医療とは/ 再生医療は、従来の治療では難しかった損傷した神経にもアプローチできるため、痛みやしびれの原因となっている神経の根本的な改善が期待できます。 「椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「術後の後遺症を悩まされている」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、手術後の後遺症に悩まされていた患者様の症例を紹介しています。 https://youtu.be/GcUDE6GCblE?si=45rhQ2E6NtEJ27OR 【こんな方は再生医療をご検討ください】 椎間板ヘルニアの痛みやしびれに手術せずに治したい ヘルニアを治したいけど手術は避けたい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 当院リペアセルクリニックの「脊髄腔内ダイレクト注射療法」は、従来の点滴では届きにくかった損傷部位へ幹細胞を直接届ける治療法で、手術後のしびれや再発などに対しても高い回復効果が期待されています。 「自分に適した治療法を知りたい」「再生医療の効果や費用が気になる」という方は、無料カウンセリングにてご相談ください。 ▼まずはヘルニアの治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 椎間板ヘルニアの手術による後遺症とは 椎間板ヘルニアの手術による後遺症として、痛みやしびれだけでなく、神経疾患の合併やヘルニアが再発する可能性があります。 術後は神経の治癒に時間がかかるため、一時的な症状のケースもあれば、長期的に治療が必要になるケースもゼロではありません。 そのため、椎間板ヘルニアを手術したからといって必ずしも痛みが消失するわけではないことを覚えておくことが重要です。 従来の治療では、術後の後遺症に対してリハビリテーションなどの対症療法が中心でしたが、近年では再生医療(幹細胞治療)を用いた治療が注目されており、損傷した神経の改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 椎間板ヘルニアの痛みやしびれに手術せずに治したい 椎間板ヘルニアの手術後の後遺症に悩まされている 椎間板ヘルニアの手術を受けたけど症状が改善しない 再生医療は、「椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「術後の後遺症を悩まされている」という方の新たな治療の選択肢になる可能性があります。 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずはヘルニアの治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 椎間板ヘルニアの手術後の後遺症によって痛みを感じる原因 椎間板ヘルニアの手術後の後遺症によって痛みを感じる原因は、以下の通りです。 それぞれの原因について詳しく解説していきます。 椎間板ヘルニア以外の疾患を合併している 椎間板ヘルニアの手術後に痛みを感じる原因として、以下のような疾患を合併している可能性があります。 梨状筋症候群:お尻にある梨状筋という筋肉が硬くなり神経が圧迫させる 脊柱管狭窄症:神経の通り道である脊柱管が狭くなることで神経が圧迫される 椎間孔狭窄症:神経の通り道である椎間孔が狭くなることで神経が圧迫される 術後椎間板炎:創部感染あるいは椎間板に炎症がみられる 手術で椎間板ヘルニアの痛みを改善できても、合併している疾患の痛みが完全に取れていない場合は術後でも痛みを感じるケースがあります。 疾患によっては神経の圧迫を取り除くだけでなく、固定手術や長期的なリハビリを継続する必要があります。 椎間板ヘルニアの再発 椎間板ヘルニアの手術後に痛みを感じる原因として、再発している場合や別の箇所で神経の圧迫が発生している可能性があります。 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)によれば、症状の有無にかかわらず、手術を受けた患者の23.1%(25/108)が、2年後に再発していたとのこと。 もちろん、ヘルニアを発症した場所によって再発率は異なりますが、どの場所でも再発リスクがあるのは同じです。 再発すると、また保存療法などに取り組むので、日常生活や仕事での活動が制限されるでしょう。 また再手術が必要でも、以前の手術の影響で難易度が高くなり、実施できない、できても十分な効果が得られないなどの問題が生じます。 手術時に起きた神経損傷 椎間板ヘルニアの手術後に痛みを感じる原因として、手術時に起きた神経損傷による後遺症が出る可能性があります。 事例として多くはありませんが、手術の際に予期せず脊髄神経を傷つけてしまう可能性もゼロではありません。 神経損傷による後遺症出た場合、以下の症状が長く続く可能性があります。 下半身などの麻痺 感覚の鈍麻 患部を中心とした痛みや痺れ 背骨の変形 姿勢を保つための筋肉の硬直 排尿困難 後遺症を出さないためにも、適切な治療や再発防止に取り組むのが重要です。 瘢痕組織(はんこんそしき) 椎間板ヘルニア手術後の傷が治る際に生じる瘢痕組織によって、神経根の可動性が制限されることで痛みを感じるケースもあります。 瘢痕組織は時間の経過とともに柔らかくなるため、徐々に痛みが引く可能性があります。 椎間板ヘルニアの主な原因と症状 人間の背骨は、脊椎といわれる骨とその間にある椎間板から構成されます。 脊椎は場所により名称が変わり、頸椎・胸椎・腰椎・仙椎に分類されます。 また、椎間板は脊椎が柔軟に動くためのクッションの役割を果たしています。 椎間板ヘルニアとは、なんらかの原因で椎間板が変形してしまい後ろに飛び出してしまっている状態のことです。 椎間板ヘルニアは先述したどの脊椎にも起こる可能性があり、生じた部位により名称が変わります。 椎間板ヘルニアの原因 原因は、加齢による椎間板の変性や、外力により椎間板に過度な負担がかかることがあげられています。 脊椎のなかでも腰椎が最も外力による負担が大きいため、腰椎椎間板ヘルニアが最も多いです。 椎間板ヘルニアの症状 椎間板ヘルニアの症状としては、椎間板の脱出により脊椎内を通過している脊髄などの神経を刺激し痛みや痺れが生じます。 どの部位の神経が刺激されるかにより、症状が生じる部位も変わります。 たとえば、頚椎では首や肩、手の痺れや痛みが主に生じますが、腰椎では坐骨神経痛と呼ばれる足の痺れや痛みが生じます。 椎間板ヘルニアの後遺症である足腰のしびれや痛みの治療法 椎間板ヘルニア手術後の後遺症に対する治療法は保存療法と手術療法とがあり、多くの場合、まずは保存療法がおこなわれます。 保存療法 保存療法としては、椎間板にかかる負担が少なくなるように安静を保つことや、痺れや痛みを抑えるために鎮痛薬の内服や神経ブロック、リハビリをメインとした理学療法がおこなわれます。 椎間板ヘルニア治療、保存療法の種類 鎮痛薬の内服 神経ブロック リハビリテーション これらの保存療法をおこなっても症状の改善が乏しい場合や症状が強い場合は手術を検討します。 手術療法 椎間板ヘルニアで多い手術には、「顕微鏡下椎間板摘出術」や、「内視鏡下ヘルニア摘出術」、「経皮的髄核摘出術」があります。 椎間板ヘルニアの手術療法 顕微鏡下椎間板摘出術 内視鏡下ヘルニア摘出術 経皮的髄核摘出術 経皮的レーザー椎間板減圧術 また、「経皮的レーザー椎間板減圧術」と呼ばれる治療法もあります。 これは神経を圧迫しているヘルニアにレーザーを照射し、ヘルニア内に空洞を形成することにより神経への圧迫を減らします。 各々アプローチは異なりますが、どの手術も脱出している椎間板を取り除くことで神経への刺激を軽減するのが目的です。 再生医療は、「椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「術後の後遺症を悩まされている」という方の新たな治療の選択肢になる可能性があります。 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずはヘルニアの治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 椎間板ヘルニアの後遺症を治療するなら再生医療による治療も選択肢の一つ 椎間板ヘルニアの後遺症治療には、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療とは、病気や外傷により失われた臓器や機能を正常な状態に回復させる医療技術のことです。 椎間板ヘルニアに対しては、損傷した神経の再生を促し、失った神経の機能を回復させるのを目的とします。 従来の治療では手術によって神経の圧迫を取り除くことが一般的でしたが、手術せずに根本的な治療法になりえる再生医療が注目されています。 椎間板ヘルニアの後遺症の改善にも期待できる治療法なので、ぜひ検討してみましょう。 【まとめ】椎間板ヘルニアの後遺症である足腰のしびれや痛みの治療には再生医療を検討しよう 今回は椎間板ヘルニアの術後後遺症と治療方法に関してお話しました。 再生医療の1つである幹細胞療法は、椎間板ヘルニアの後遺症を根本的に改善させる可能性があるため、期待されている治療法です。 「椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「術後の後遺症を悩まされている」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 椎間板ヘルニアの痛みやしびれに手術せずに治したい ヘルニアを治したいけど手術は避けたい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 当院リペアセルクリニックの「脊髄腔内ダイレクト注射療法」は、従来の点滴では届きにくかった損傷部位へ幹細胞を直接届ける治療法で、手術後のしびれや再発などに対しても高い回復効果が期待されています。 「自分に適した治療法を知りたい」「再生医療の効果や費用が気になる」という方は、無料カウンセリングにてご相談ください。 ▼まずはヘルニアの治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる
2023.11.16 -
- 幹細胞治療
- 脊椎
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 再生治療
「腰椎椎間板ヘルニアの症状とはどのようなものか?」 「どの程度で手術が必要になるのか?」 このように疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。 腰椎椎間板ヘルニアは、非常によく見かけるヘルニアの一種であり、症状やその重さは人によってさまざまです。場合によっては手術が必要となるケースもあります。 本記事では、腰椎椎間板ヘルニアの具体的な症状や程度、さらに治療法について詳しく解説します。 腰椎椎間板ヘルニアとは? 腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の各骨と骨の間に存在する椎間板と言われる部位が膨隆(膨らんで高くなった状態)や外へ飛び出して神経を圧迫することで、痛みや痺れといった症状が生じることもあります。 次章より、腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルや治療、そして再生医療の可能性についても触れていきます。 腰椎椎間板ヘルニアの種類(分類) 腰椎とは、腰のあたりにある背骨のことで、5つの骨(椎体:ついたい)から成り立っています。 そもそも背骨は、椎体という骨が上下に積み重なっているような構造をしています。 この椎体と椎体の間には、椎間板(ついかんばん)というクッションのようなものがあり、衝撃を和らげるなどの働きをしています。 椎間板ヘルニアは、この椎間板の中身(髄核:ずいかく)やその中身を包む袋のようなもの(線維輪:せんいりん)が膨らんだり、また外に脱出、飛び出したりすることで、神経を圧迫した状態です。症状が出ていない場合でもヘルニアと診断されることもあります。 人口の約1%(100万人〜120万人)がこの腰椎椎間板ヘルニアに悩んでいるという報告もあり、決して珍しいヘルニアではありません。 男女比はやや男性の方が多く(約2〜3:1)、好発年齢は20〜40才代、好発部位はL4-L5、L5-S1(※)とされています。(※L=腰椎 S=仙椎) 椎間板ヘルニアは、椎間板がどの程度飛び出しているかによって、正中型ヘルニア・傍正中ヘルニア・外側ヘルニアの3種類に分類されます。 それぞれがどのようなヘルニアなのか詳しくみていきましょう。 正中型(せいちゅうがた)ヘルニア 正中型ヘルニアでは、椎間板の中央部で、脊柱の正中、つまり背骨に対してほぼ垂直に飛び出します。(脊柱管の内側に飛び出す) 正中型ヘルニアになると、脊髄や馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されます。 症状としては、まず腰痛があるでしょう。そのほか、両足の痺れや歩行障害、馬尾神経にまで影響があった場合には、排泄障害が伴う可能性があります。 傍正中(ぼうせいちゅう)ヘルニア 傍正中ヘルニアは、正中型よりもやや左右どちらかの外側にずれた方向へ、椎間板が突出する状態です。(脊柱管の内側に飛び出した状態) 症状として、腰の痛みが挙げられます。ただ、それ以外の症状が、正中型と異なる点に注意しましょう。 傍正中ヘルニアは、左右どちらかに寄っているだけあり、左右片方だけで症状が現れやすいです。 たとえば、片足だけが痺れる、痛むといった症状が現れます。 外側(がいそく)ヘルニア 外側ヘルニアは、椎間板が脊柱管の外側に飛び出すことを意味します。 上記ふたつは、背骨の方向、つまり脊柱管に収まる範囲で起こるヘルニアでした。 しかし外側ヘルニアは、脊柱管の外、つまり傍正中ヘルニアよりもさらに左右に偏った方向へ飛び出します。 症状として、左右どちらかの神経圧迫により、片足だけの痺れや痛みを感じやすいでしょう。また筋力低下や、坐骨神経痛なども伴いやすい傾向があります。 オンラインで相談する 腰椎椎間板ヘルニアの症状レベル 腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板の変性などの度合いによって症状を段階分けできます。 具体的には以下のようなレベル、段階があります。 軽度レベル 中程度レベル 重症レベル(手術するレベル) それぞれがどういうものか見ていきましょう。 軽症レベル 椎間板がわずかに飛び出しているものの、神経を圧迫するほどではない段階です。 この時の症状として、軽度の腰痛などが挙げられます。また、首にわずかな痛みを感じるケースもあるでしょう。 しかし軽症レベルでは、痺れや筋力低下などの症状はほとんど見られません。あったとしても、本人がほとんど知覚できない程度です。 軽症レベルでは、簡単な工夫による改善が期待できます。 たとえば簡単なストレッチや姿勢の改善によって、症状が楽になるかもしれません。 中等度レベル 中等度では、椎間板の突出が進み、神経が圧迫され始めます。さらに繊維輪を断裂するようになります。 この段階では以下の症状が表れるでしょう。 強い腰痛 両足または片足の痛み 首周辺の痛み 手足の痺れ 坐骨神経痛 筋力の低下 中等度レベルでは、症状がより強くなります。 場合によっては、普段の仕事や家事がこなせなくなることもあります。 また特に痛みが強いため、状況に応じて痛み止めなどの服用が必要になるでしょう。もちろん根本的な解決を図るための治療も進めていく必要があります。 重症レベル 重度レベルになると、椎間板が大きく飛び出し、より強く神経を圧迫します。この状況を「脱出」あるいは「遊離」といいます。 症状として以下が挙げられるでしょう。 激しい腰痛や首の痛み 足に限らない、幅広い部分での痺れ 感覚の鈍麻 筋力の低下と麻痺 歩行困難 排泄障害 馬尾症候群 重症レベルでは、かなり重い症状が現れます。この段階で、通常通りの生活を送るのはほぼ不可能でしょう。 いわゆる「手術するレベル」の症状です。 このような状態になる前に、治療や改善を図るのが重要となるでしょう。 オンラインで相談する 腰椎椎間板ヘルニアの治療(治し方) 腰椎椎間板ヘルニアを治すためには、まずは画像検査が必要で、それにはMRIが最も有用です。 変性してしまった椎間板は正常なものと異なっているように写し出されるため、脱出した椎間板の部位や分類診断についても役立ちます。 椎間板ヘルニアは、自然治癒する可能性もあります。 時間の経過により、飛び出した椎間板が体の中に吸収され、外へ排出される場合があります。 そのため、排尿や排便にも影響が出るような膀胱直腸障害など重い神経障害がある場合を除いて、まずは保存療法が選択されます。 保存療法による改善が期待できない場合、手術療法や再生医療が選択されます。それぞれ治療法の詳細を見ていきましょう。 保存療法 保存療法としては、非副腎皮質ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬を使用するケースが多いです。 その他、神経ブロック注射も選択肢にあがるでしょう。 また、体を柔らかくするストレッチやリハビリもとても効果的です。 手術療法 膀胱直腸障害や運動麻痺などの重い神経症状がある場合や、保存療法でも強い痛みが続く場合には、手術療法が行われます。 その場合は、症状の原因となっている椎間板を摘出するような方法が取られます。 手術の仕方によっていろいろな種類があり、内視鏡を使った最小侵襲の手術が今は主流となっています。 関連記事:ヘルニア治療のPLDD手術|失敗しないためのポイントとは 関連記事:椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いとは 再生医療 再生医療では幹細胞を用いて、傷ついた椎間板の修復や再生を目指します。腰椎椎間板ヘルニアの治療法としては最新のもの。 ヘルニアになった場合、脊髄が損傷している、炎症を起こしているケースが多々あります。そのままだと、痛みや痺れなどの症状が現れます。 しかし保存および手術療法では、十分な治療効果が得られないかもしれません。 そこで再生医療によって脊髄を再生させ、根本的な治療を図ります。 私たちは再生医療として、効果を高めるため「脊髄腔内ダイレクト注射療法」などを実施しています。 オンラインで相談する https://fuelcells.org/treatment/spinal_cord/ 腰椎椎間板ヘルニア|よくある質問 腰椎椎間板ヘルニアについて、よくご質問頂くことについて記しました。その他ご質問、再生医療の可能性などはお問い合わせください。 Q1:椎間板ヘルニアの際は安静にした方が良いですか? A1:絶対安静が必要ということではありません。 腰の痛みや足の痛み、痺れ感がある場合には安静にしておく方が良いといわれることも多いかと思います。 しかし、自宅で安静にした方が早く治るという科学的な根拠はありません。 痛みが強すぎて動けない場合は自宅で安静にしている他ありませんが、動けるのであれば腰や足の筋力が弱くならないように、少しずつ動くようにすると良いでしょう。 Q2:保存療法としてコルセットは効果がありますか? A2:試してみる価値はあると考えられます。 腰椎椎間板ヘルニアの患者さんは、立っている方が座った姿勢よりも痛みが楽に感じるケースが多いようです。それは立っている状態の方が姿勢を保持しやすいのが理由です。 コルセットを着用して姿勢の保持をしやすくするのは痛みを和らげるために効果があると言えます。 ただし、コルセットに頼りすぎると筋力が低下してしまい、コルセットがなければ生活ができないということもあるので注意が必要です。 コルセットをするなら必ず筋力トレーニングは必要となります。 まとめ・腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルを把握して最善の治療を 今回は腰椎椎間板ヘルニアの症状や治療法などを解説しました。 腰椎椎間板ヘルニアで症状が重い方には手術療法が選択されます。 しかし、手術をおこなっても圧迫され続けた脊髄や神経根の損傷が完全に修復されないこともあります。すると、痺れや痛みといった症状が残るかもしれません。 そのような場合、当院の再生医療、幹細胞で治療するという方法をご検討ください。 脊髄腔内ダイレクト注射で投与という当院独自の方法を用いて、傷ついた神経の再生を試みます。これまで多くの症例を経験し、症状の改善がみられています。詳しくは以下の動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=4AOGsB-m63Y&t=132s
2023.11.02 -
- 幹細胞治療
- 大腿骨骨頭壊死
- 股関節
- 再生治療
「大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)」と診断され、先の見えない不安や股関節の痛みに悩んでいませんか? とくに働き盛りの世代に多いこの病気は、今後の仕事や生活に大きな影響を与えかねません。(文献1) 「手術は避けたいけれど、何もしないで悪化するのは怖い」「保存療法とは言うけれど、具体的に何をすればいいの?」 この記事では、そんな疑問や不安に寄り添い、手術をせずに股関節の機能を温存する「保存療法」についてわかりやすく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは大腿骨頭壊死の治療法の一つ、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 大腿骨頭壊死でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録いただき再生医療についてご確認ください。 大腿骨頭壊死の保存療法とは 大腿骨頭壊死とは、股関節にある大腿骨頭が壊死してしまい潰れることで痛みを生じる疾患です。 一度壊死が起こってしまうと、壊死した骨組織そのものを元の状態に戻すことは極めて困難です。 発症原因は明確ではありませんが、大腿骨頭を栄養している血管が障害されることや、免疫を抑えるステロイドやアルコールが危険因子とされています。(文献2) 骨頭壊死の治療法は、保存療法と手術療法に大きく分けられます。 大腿骨頭壊死の保存療法とは、手術以外で股関節への負担を減らしながら、痛みや進行の様子を見ていく治療のことです。 壊死の範囲が小さい場合や、痛みなどの症状がほとんどないときには、まずこの方法が選ばれます。 日常生活では、股関節にかかる重さを減らす工夫として以下のことを意識します。 杖で体重を分散する 体重を大きく増やさない 長く歩き続けない、 重い荷物は持たない 痛みが強い時期は、無理に動かず休む 痛みや炎症に対しては、医師と相談のうえで鎮痛薬を使います。 ただし、これらの対処だけで骨のつぶれ(圧潰)の進行を強く止められるとは限りません。 圧潰が進みそうなタイプでは、骨頭の形を保つことを目的に、手術に切り替える時期を逃さないことが大切です。 大腿骨頭壊死の病期(ステージ)分類 保存療法の方針を決める上で重要なのが、壊死がどのくらい進行しているかを示す「病期(ステージ)」です。 国際的によく使われる「ARCO分類」では、MRIやX線(レントゲン)の画像所見から、Stage1~4までの4つのステージに分類します。 この分類は、病気の進行度や治療方針を決定するための重要な指標です。 (文献3) ここでは、病期(ステージ)別に画像所見の特徴と主な症状について解説します。 Stage 1 MRIやX線(レントゲン) 画像所見の特徴 主な症状 X線では異常なし MRIで初めて壊死が確認できる 症状がないことが多い 軽い違和感を感じる程度 X線ではまだ変化が見られず、MRIで初めて骨内部の壊死が確認される段階です。 痛みは軽度〜中等度で、長距離歩行や階段の上り下りなどに違和感を覚えることがあります。 Stage 2 MRIやX線(レントゲン) 画像所見の特徴 主な症状 X線で骨硬化像(骨が白く見える) 骨頭の丸みは保たれている。 軽い痛み だるさを感じ始めることがある 骨内部の構造変化が進み、X線で骨密度の不均一や境界線が現れます。 この段階では骨頭の形はまだ保たれていますが、放置すると次の圧潰期に移行するリスクが高まります。 Stage 3A、3B MRIやX線(レントゲン) 画像所見の特徴 主な症状 骨頭の圧潰(あっかい:つぶれること)が始まる 圧潰が2mm未満が「3A」 圧潰が2mm以上が「3B」 痛みが強くなる 歩行に支障が出始める 骨頭が部分的につぶれ(圧潰)、関節の形が少しずつ変わっていきます。 X線でも明確な扁平化が確認でき、歩行時の痛みが強くなることが多いです。 症状が続く場合や圧潰の進行が見られる場合は、骨切り術(骨頭の壊死した部分へかかる負荷を抑えるため、骨の一部を切って角度を変える手術)を専門医と検討します。 Stage 4 MRIやX線(レントゲン) 画像所見の特徴 主な症状 骨頭の圧潰が進行 関節の隙間が狭くなる 痛みが強くなる 日常生活が大きく制限される 軟骨がすり減り、変形性股関節症となっている 関節軟骨のすり減りや関節の変形が生じる時期とされ、骨頭のつぶれがさらに進み、股関節全体に変形が及びます。(文献4) 軟骨のすり減りによって骨同士が直接触れ合うようになり、強い痛みや可動域の制限が生じます。 【病期別】保存療法で「やるべきこと」「避けるべきこと」 大腿骨頭壊死の保存療法の目的は、骨頭の圧潰を防ぎ、痛みをコントロールすることです。 特に圧潰が起きていない、あるいは軽度なStage 1〜3Aが保存療法の主な対象となります。 Stage 1〜2 (圧潰前) やるべきこと 避けるべきこと 手術への切り替えを 検討する目安 免荷(めんか)※ 薬物療法(消炎鎮痛剤) 筋力維持、可動域訓練 薬物療法 衝撃の強い動作 ランニング ジャンプ 重い物を持つ作業 長時間の歩行・立ち仕事 股関節に大きな負担がかかる姿勢 あぐら しゃがみこむ 飲酒、喫煙 痛みが改善しない 圧潰が進行(Stage 3Bへ移行)した場合 ※免荷とは、杖などを使って患部への体重負担を減らすこと。 圧潰前は、骨頭の形が保たれており、早期の保存療法が有効とされます。 痛みや炎症がある患者様には、症状を緩和させるために、消炎鎮痛薬(内服薬や外用薬)を使用することもあります。 運動では、痛みが出ない範囲で関節可動域を維持し、股関節に体重をかけない方法で筋力維持に努めます。 股関節の負担が少ない運動として、エルゴメーター(自転車こぎ)や、横になった状態での足上げ、水中ウォーキングなどがあります。無理のない範囲で毎日運動を続けましょう。 また、アルコール摂取と喫煙にも注意が必要です。 アルコールの過剰摂取は骨の代謝や血流に悪影響を与え、骨密度の低下を招きます。喫煙は血管を収縮させ、骨への酸素・栄養供給を阻害します。 どちらも壊死の進行に関わる要因とされているため、控えましょう。 Stage 3A 〜4 (圧潰初期〜圧潰進行期) やるべきこと 避けるべきこと 手術への切り替えを 検討する目安 免荷(めんか) 薬物療法(消炎鎮痛剤) 手術に向けた相談 自己判断でのリハビリ 痛みを我慢しての運動 圧潰を助長する危険性があり 体重増加 股関節への負担が増える 飲酒、喫煙 痛みが日常生活に支障をきたす 圧潰が進行(Stage 3Bへ移行)した場合 この段階では、更なる圧潰を防ぐためにも体重管理を徹底します。ただし、痛みを我慢しての自己判断による運動は、かえって圧潰を進行させる危険性があるため避けてください。 骨頭の圧潰が始まっている場合や、保存療法でも症状の改善がみられない場合には、手術による治療へ移行する判断がなされます。 関節軟骨が残っており、関節の隙間が保たれている段階では、骨切り術が選択肢となります。 一方で、壊死の範囲が広い場合や圧潰が進行している場合には、人工関節置換術(股関節を人工関節に置き換える手術)が行われることがあります。 他、運動方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。 痛みを悪化させない日常生活のコツ 痛みを悪化させず、圧潰の進行を防ぐためには、日常生活での工夫が欠かせません。 日常生活の工夫 ポイント 杖をつかう 患肢と反対側で杖を持つと、痛みが軽減できます 股関節を曲げる動作を避ける 長距離を歩く、しゃがむ、階段昇降などの動作を避けます 重い荷物を持つのを避ける 患肢と反対側で荷物持つと、関節を保護できます 生活様式を洋式に変更する 床座りやふとん、和式トイレは避けます。 椅子やベッド、洋式トイレを使用しましょう。 高い椅子を使用 台所などでの立ち仕事では高い椅子を使用し、腰掛けることで股関節への負荷を減らすことができます これらの工夫を日常生活に取り入れることで、股関節への負担を軽減できます。ご自身の病期や症状に応じて、担当医と相談しながら実践してください。 再生医療という選択肢 大腿骨頭壊死の治療の選択肢の一つに、再生医療の選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、大腿骨頭壊死に直接注射で幹細胞を届ける治療を行っております。患者様自身の幹細胞を採取・培養して用いるため、拒否反応のリスクが低い治療法です。 手術以外の治療法をお探しの方、人工関節にすることに抵抗がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 当院では、検査結果や生活状況を踏まえ、再生医療を含む複数の選択肢を説明した上で治療計画をご提案いたします。 大腿骨頭壊死の再生医療について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご確認ください。 まとめ|痛みをコントロールしながら前向きな一歩を 大腿骨頭壊死の保存療法では、病期(Stage 1〜4)に応じた適切な対応が必要です。 圧潰前(Stage 1〜2)では、免荷や体重管理、股関節に負担をかけない運動により、圧潰の進行を防ぐことが目標となります。 圧潰初期以降(Stage 3A〜4)では、より厳格な免荷と体重管理を徹底し、保存療法で改善が見られない場合は、骨切り術や人工関節置換術などの手術療法への移行を検討します。 日常生活では、杖の使用、股関節を深く曲げる動作の回避、生活様式の洋式化などの工夫により、股関節への負担を軽減できます。また、アルコールと喫煙は壊死の進行に関わる要因とされているため、控えることが推奨されます。 保存療法は、ご自身の体の状態を正しく理解し、痛みをコントロールしながら、今後の治療方針を考えるための重要な期間です。 一人で抱え込まず、定期的な検診を受けながら専門医と相談し、ご自身に合った治療計画を立てていきましょう。 大腿骨頭壊死の保存療法に関するよくある質問 保存療法で壊死は治りますか? 一度壊死した骨組織が保存療法で元通りになることはないといえるでしょう。 保存療法の目的は、壊死した部分が潰れてしまう「圧潰」を防ぎ、痛みをコントロールして、自分の関節をできるだけ長く温存することにあります。 自転車に乗っていいですか? 自転車の利用自体は可能ですが、転倒しないこと、そして転びそうになった際に無理に踏ん張らないことが前提になります。 走行するなら、平坦で人通りが少なく、接触の危険が少ない道を選びましょう。 一方で、坂道で立ちこぎが必要な場面や、人や車が多く衝突のリスクが高い場所では自転車の使用は控えた方がいいでしょう。 食生活で気をつけることはありますか? 食べ物の規制は特にありませんが、股関節の負担を減らす上で体重管理は非常に効果的です。 栄養バランスを考えた食事を意識しながら、適正体重を心がけましょう。 また、危険因子としてアルコール飲料は骨頭壊死の進行リスクを高めるといわれており、国際的な基準も定められています。過剰な摂取は避けてください。 参考文献 (文献1) 特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)|難病情報センター (文献2) Osteonecrosis of the Femoral Head: an Updated Review of ARCO on Pathogenesis, Staging and Treatment|PMC (文献3) Guidelines for clinical diagnosis and treatment of osteonecrosis of the femoral head in adults (2019 version)|PMC. (文献4) 71 特発性大腿骨頭壊死症|厚生労働省
2023.10.19 -
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- 股関節
- 再生治療
大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)は、太ももの先端部分である大腿骨頭と呼ばれる部位の血流が悪くなり骨が壊死してしまう病気です。 大腿骨頭壊死は、再生医療の治療対象です。再生医療は手術や入院をせずに治療できる可能性があるため、人工関節の置換を避けたい方にも選ばれています。 この記事では、大腿骨頭壊死の再生医療について詳しく知りたい方に向けて、治療の特徴や流れなどを解説します。 大腿骨頭壊死の治療法をお探しの方は参考にしてください。 大腿骨頭壊死の治療と再生医療について 大腿骨頭壊死は、太ももの付け根にある骨の先端部分である大腿骨頭の血流が滞ることで、骨の組織が壊死する疾患です。 初期症状がほとんど現れず静かに進行する場合が多く、突然の強い痛みや歩行困難をもたらし、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。そのため、大腿骨頭壊死は早期に発見し適切な治療を受けるのが重要です。 大腿骨頭壊死の治療は、保存療法や手術、再生医療などが挙げられ、患者様の症状や年齢、生活状況に応じて選択されます。とくに、再生医療は手術や入院を必要とせず、通院のみで治療できる場合もあるため、身体への負担が少ない点が特徴です。 大腿骨頭壊死に対する再生医療の可能性 大腿骨頭壊死の再生医療は、薬物療法や手術などの一般的な治療法とは異なるアプローチが可能です。 壊死した部位は、自然に回復することは難しいとされていますが、再生医療は患者様の細胞や血液を利用して、損傷した組織にアプローチします。また、治療には少量の細胞の採取や採血、点滴によって行われることが多く、手術や入院が不要で身体の負担が少ないのが特徴です。 手術に抵抗がある方や、できるだけ日常生活への影響を抑えたい方にとって、再生医療は有力な選択肢です。 再生医療の詳細については、上記の動画をご覧ください。 再生医療の治療法|幹細胞治療とは? 再生医療の一つである幹細胞治療は、他の細胞に変化する「分化能」という幹細胞の働きを活かした治療法です。 当院「リペアセルクリニック」における、大腿骨頭壊死に対する幹細胞治療の一例を紹介します。 1.患者様から米粒2~3粒程度の脂肪組織を採取する 2.脂肪から幹細胞を抽出し、培養によって数を増やす 3.培養した幹細胞を股関節の損傷部位に注射で投与する 幹細胞治療では、患者様自身の細胞を使用するので、アレルギーのリスクが低い点も特徴です。 手術以外の治療法をお探しの方や、再生医療に関心をお持ちの方は、当院へご相談ください。 大腿骨頭壊死の一般的な治療法 大腿骨頭壊死の一般的な治療法は、主に以下の2つです。 保存療法 手術 治療方法は、患者様の症状や生活スタイルなどに応じて検討されます。 順番にみていきましょう。 保存療法 大腿骨頭壊死が初期段階で発見された場合、保存療法が用いられます。 保存療法の主な内容は、以下の通りです。 杖や歩行器などを使用して股関節に体重をかけないようにする 鎮痛剤を服用して痛みをコントロールする ストレッチや軽い筋力トレーニングなどのリハビリを行い、股関節への負担を和らげる 大腿骨頭壊死の保存療法では、日常生活を送る中で症状が進行しないように股関節の負担を軽減するのが重要です。 大腿骨頭壊死のリハビリについて詳細は、以下の記事をご覧ください。 手術 大腿骨頭壊死が進行し、大腿骨頭の形が潰れて本来の球形が失われている場合は、手術が検討されます。患者様の年齢や症状の進行によって手術の方法は異なります。 大腿骨頭壊死に対する主な手術は、以下の通りです。 対象の方 手術名 内容 中等症の方 若年~中年の方 大腿骨内反骨切り術 股関節の骨を一部切除して角度を変え、痛みの少ない部分に体重がかかるようにする 大腿骨頭回転骨切術 股関節の骨を一部切り、大腿骨頭を回転させて、まだ傷んでいない部分で体重を支えるように調整する 血管柄付き骨移植 血流を促すために、血管がついた自分の骨を別の場所から取り、大腿骨に移植する 症状が重い方 高齢の方 人工関節置換術 損傷や変形した股関節の骨を取り除き、人工の関節に置き換える 症状が中程度の方や中年までの方は、自身の関節を残した手術を行うのが一般的です。一方、高齢の方や重症の方は、損傷した部位を切除して人工関節に置き換える方法が検討されます。 大腿骨頭壊死の手術について詳細は、以下の記事をご覧ください。 まとめ|大腿骨頭壊死に対しては再生医療も治療の選択肢 大腿骨頭壊死に対しては、再生医療も治療の選択肢の一つです。再生医療の幹細胞治療は、患者様自身の細胞を用いて、損傷した組織にアプローチする治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療について以下のような方にご相談いただいております。 股関節の症状があり、手術を検討されている方 入院や手術以外の選択肢をお探しの方 人工関節以外の治療をご希望の方 保存療法や手術とは異なる治療法をお考えの方 再生医療について詳しく知りたい方は、当院までお気軽にお問い合わせください。 大腿骨頭壊死の治療法についてよくある質問 大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことは? 大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことは、以下の通りです。 ジョギングやジャンプなどの激しい運動 重量物の運搬 長時間の立ち仕事 喫煙 飲酒 大腿骨頭壊死と診断された場合、症状の進行を防ぐため、股関節に負担をかけないことが重要です。 日常生活では、しゃがみ込む動作や深く前かがみになる動きなどが股関節に負担がかかりやすいので注意が必要です。また、喫煙や飲酒は血流を悪化させるため、大腿骨頭壊死のリスク要因の一つと考えられています。禁煙・禁酒を心掛けましょう。 以下の記事では、大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことについてまとめていますので参考にしてください。 大腿骨頭壊死になってしまったら、必ず手術が必要? 大腿骨頭壊死には、手術が必要とは限りません。症状の程度や進行具合によって、手術以外の治療法が選ばれることもあります。 手術しない治療法は、以下の通りです 痛み止めの服用やリハビリなどの保存療法 損傷した組織に幹細胞を投与する再生医療 保存療法は、大腿骨頭壊死が早期に発見された場合に用いられます。一方、再生医療は、大腿骨頭壊死の症状が進行しても受けられる可能性があるため、再生医療クリニックへご相談ください。 症状の程度やライフスタイルによって、最適な治療法は異なるので、医師に相談して自分に合った治療方法を見つけましょう。 大腿骨頭壊死に対する再生医療にはどのようなものがありますか? 大腿骨頭壊死に対する主な再生医療は、以下の2つです。 治療法 特徴 当院(リペアセルクリニック)の治療手順 幹細胞治療 様々な細胞に分化する能力を持つ幹細胞を用いた治療法 患者様から採取した幹細胞を注射で投与する PRP療法 成長因子を含む血小板を用いた治療法 患者様自身の血液から血小板を多く含む血漿を抽出し、患部に注射する 再生医療は、手術に抵抗がある方や回復を早めたい方にとって新たな治療の選択肢となります。どちらの治療が適しているかは症状や年齢などによって異なるため、専門医にご相談ください。
2023.10.12 -
- 大腿骨骨頭壊死
- 股関節
- 再生治療
大腿骨頭壊死とは、股関節を構成している大腿骨頭の血流がなんらかの理由で途絶えてしまい、骨が壊死してしまう原因不明の難病です。 主に以下のような初期症状が見られた場合は、要注意です。 骨頭壊死による初期症状は、壊死した骨が潰れることで痛みとして現れるため、痛みを感じた時にはある程度進行している可能性が高いです。 壊死した骨は自然治癒しないため、範囲が今以上に拡大する前に適切な治療を受ける必要があります。 当院リペアセルクリニックでは、手術をせずに大腿骨頭壊死の改善を目指せる再生医療による治療をご提供しています。 壊死した骨の切除や人工関節手術を避けられる治療法として注目されている治療法なので、手術を避けたい方は、ぜひ当院までご相談ください。 ▼再生医療に関するお問い合わせはこちら >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 大腿骨頭壊死とは 大腿骨頭壊死とは大腿骨頭の一部が、なんらかの原因で血流が途絶えてしまい、骨組織が壊死してしまう病気です。 大腿骨頭壊死の中でも、脱臼や骨折などで理由が明らかになっていれば「特発性大腿骨頭壊死症」と認められています。 特発性大腿骨頭壊死症に認められると、治療が長期化するだけでなく、働く能力も落ちてしまう症状も出るため、早期発見が推奨されています。 日本でも毎年2,000〜3,000人ほど特発性大腿骨頭壊死症に発症し、中でも30〜50歳の方が起こりやすい病気です。 大腿骨頭壊死の初期症状 大腿骨頭壊死の初期症状は、足の付け根が痛み、股関節の関節可動域が制限される症状が出ます。 それぞれの初期症状について、詳しく解説していきます。 足の付け根が痛む 大腿骨頭壊死の初期症状は、足の付け根が痛みはじめます。 注意点として血流が途絶えて壊死が起きるごく最初の段階では痛みは起こりません。 壊死に陥った部分に負荷が加わり、骨が潰れてくれて、徐々に痛みが出現します。 たとえば、関節に体重を乗せたり動かしたりすると、鋭い痛みを感じるケースがあります。 また、骨頭壊死が起こると痛みが出現するタイミングには時間的に差がある点に注意が必要です。 骨頭壊死はあっても、壊死の範囲が小さい場合などでは痛みを起こさない症例もありえます。 股関節の関節可動域が制限される 大腿骨頭壊死の症状が進行していくと、壊死した部分が潰れて大腿骨頭が変形します。 変形した結果、陥没した部分に関節の不適合や不安定性から軟骨のすり減りが進行してしまいます。 結果として「変形性関節症」を生じ、放置したままだと軟骨がなくなってしまうので注意が必要です。 骨同士がぶつかり、変形性関節症が悪化してしまいます。 変形性関節症が進行すると、痛みだけでなく、股関節の関節可動域が悪くなります。 股関節は曲げ伸ばしだけでなく、内旋、外旋などの動きがあるので、病気が進行すると日常生活で、以下のような困難さを感じるので注意しましょう。 大腿骨頭壊死で困難になる症状 胡座(あぐら) 爪切り 和式トイレ 階段の上り下り 筋力低下による歩行困難 起き上がりなどの起居動作 大腿骨頭壊死は、初期症状である「足の付け根の痛み」がある段階で早めに病院で診察を受けましょう。 「どんな痛みがあるの?」「どこが痛むの?」など、より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 大腿骨頭壊死が発症する原因 大腿骨頭壊死が発症する原因は、股関節の脱臼や骨折に続いて発症するケースがあります。 他にも以下のような症例から発症するケースもあるので、該当する病名がある方は注意してください。 糖尿病 鎌状赤血球貧血 腎臓病 アルコール依存症 痛風 ステロイド投与による副作用や喫煙が関連する可能性もあるため、強い衝撃による損傷のような痛みから発症するわけではありません。 なお、ステロイド投与やアルコールに関しては、国際的な基準が設けられています。 詳しくは以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。 大腿骨頭壊死になったらやってはいけないこと 大腿骨頭壊死が発症した場合、大腿骨頭を圧迫させないのが重要です。 股関節に体重がかからないよう、杖を使ったり長距離の歩行を控えたりするのが大切です。 大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことを以下にまとめたので、症状を患っている方はチェックしてみてください。 【大腿骨頭壊死になったらやってはいけないこと】 激しい運動 階段の昇り降り 重量物の運搬 長時間の立ち仕事 体重の増加 しゃがみこみ 前屈動作 飲酒 喫煙 とくに飲酒と喫煙は、壊死した骨を弱らせてしまうため、大腿骨頭壊死の進行度を早める原因になってしまいます。 大腿骨頭壊死になったら、股関節への負荷と飲酒・喫煙を控えるのが大切です。 以下の記事では、より詳しく「大腿骨頭壊死になったらやってはいけないこと」をまとめているので、ぜひご一読ください。 大腿骨頭壊死の診断方法 大腿骨頭壊死における画像検査にはレントゲンとMRI検査が有効です。 それぞれの特徴について解説していきます。 レントゲン撮影 大腿骨頭壊死でレントゲン撮影をするのは一般的な診断手法です。 大腿骨頭壊死の評価にも使用される診断方法です。 レントゲンは骨の形状や変化を評価でき、簡便なので最初の検査として行われるケースが多い傾向にあります。 しかし、大腿骨頭壊死の初期の段階ではレントゲンだけでは診断が難しいケースもあるため、医師と相談の上決めていきましょう。 MRI検査 MRI検査は大腿骨頭壊死の診断に役立ちます。 壊死の範囲を評価するだけではなく、骨折や関節炎など別の病気も診断可能になるからです。 大腿骨頭壊死の診断は、早期発見が重要になるものの、レントゲン撮影では変化が見られないケースもあるため、MRI検査が無難でしょう。 手術が必要な場合では、CT検査も必要になります。 なお、レントゲン撮影でも大腿骨頭壊死と判断つくケースもあるため、症状の進行度とともに医師と相談して判断していきましょう。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、気になる症状がある方は気軽にご連絡ください。 大腿骨頭壊死の治療法 大腿骨頭壊死の治療法は年齢や本人の状態、病気の範囲、部位など総合的に判断して決定されます。 ここからは大腿骨頭壊死の治療法や入院期間について解説していきます。 保存療法 軽度の大腿骨頭壊死では、痛みを緩和するために安静や杖による免荷、身体活動の制限、重量物の運搬禁止などを行います。 初期症状の範囲では、関節症変化へと進まず可動域の制限も比較的保たれるため、生活指導が主な治療法です。 痛みに対しては消炎鎮痛薬の内服や湿布などを行います。 しかし、保存療法で病気の進行は防げません。 進行が考えられる状態や、進行しつつある状態のときには変形が進む前に手術を受ける方が改善する可能性は高くなります。 手術療法 手術は大きく骨を切って関節を温存する骨切り術と、壊死した骨を切除して金属に置き換える人工関節置換術に分けられます。 骨を切る手術では壊死した部分に体重がかからないように大体骨頭を弯曲させたり、回転させる手術が行われます。 骨を切った後は専用の金属で固定をするため、一定期間の安静が必要ですが、病気が進行する可能性はゼロではありません。 人工関節手術では大腿骨頭だけを置き換える人工骨頭置換術、骨盤側にも金属をいれる人工股関節全置換術があります。 基本的には手術翌日から歩行訓練が可能で、リハビリが早いメリットがありますが、人工関節のためスポーツは制限が必要であり、将来的な再手術の可能性もあります。 入院期間 大腿骨頭壊死で手術をした場合、以下の期間入院する必要があります。 手術法 入院期間 骨切り術 1〜2カ月 人工関節 2週間〜1カ月 大腿骨頭壊死は、骨への栄養補給する血流が途絶えて発症する病気ですが、詳しい原因は未だ不明です。 医療が進歩し、原因が判明すれば入院期間も変動する可能性もあるでしょう。 再生医療なら手術をせずに効果が期待できる! 大腿骨頭壊死は、骨切り術や人工関節手術など手術を避けたい方は、先端医療である「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療とは、人間の持つ再生力を活用し、損傷した骨組織の再生・修復を目指す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでも、手術をせずに大腿骨頭壊死の改善を目指せる再生医療をご提供しています。 また、当院では患者さまから採取した細胞や血液のみを使用するため、アレルギー反応や拒絶反応のリスクが少ない治療を実施しています。 「手術を避けたい」という方は、ぜひ当院の再生医療をご検討ください。 ▼再生医療に関するお問い合わせはこちら >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる まとめ・大腿骨頭壊死は早期の発見と治療が大切! 大腿骨頭壊死症は骨を栄養している血流が途絶えて発症する、現時点でも原因が不明の難病です。 初期症状は足の付け根の痛みであり、病気が進行すると人工関節手術を受けられなくなってしまうかもしれません。 当院の再生治療は幹細胞を股関節内に投与し、軟骨の修復が可能な治療法です。 痛みでお困りの際にはいつでも気軽にご相談ください。
2023.10.05 -
- 幹細胞治療
- PRP治療
- 肘関節
- 再生治療
テニス肘の痛みは日常生活に影響を与えやすく、長期間にわたって悩まされるケースも少なくありません。 テニス肘の治療法は保存療法・手術療法、そして近年は「再生医療」が選択肢のひとつになっています。 再生医療は、保存療法で改善が見られず、手術は避けたいという方の選択肢となる、患者様自身の細胞を活用する新しい治療法です。 本記事では、テニス肘に対して再生医療を選択する上で知っておきたい、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。 テニス肘の治療を検討している方は、参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を行っています。ぜひ登録いただき、ご確認ください。 テニス肘の治療の新しい選択肢「再生医療」とは テニス肘の治療では、保存療法や手術に加え、「再生医療」が新たな選択肢となっています。 再生医療の代表的な方法としては、「幹細胞治療」と「PRP療法」があります。 いずれも、注射や点滴を通じて症状のある部位にアプローチする治療法で、入院や手術を必要とせず、日帰りでの施術が可能です。 以下では、幹細胞治療とPRP療法それぞれの特徴について、詳しく解説します。 細胞の力を利用する幹細胞治療 幹細胞治療とは、患者様自身から採取した幹細胞を用いる再生医療のひとつです。 幹細胞が、さまざまな種類の細胞に変化する「分化能」という能力を活かします。 再生医療は皮膚や筋膜の表面ではなく、関節内や腱付着部などへ静脈点滴または局所注入によってアプローチします。 脂肪由来の幹細胞治療を行う当院「リペアセルクリニック」での治療の流れは以下のとおりです。 1. 初診・問診・血液検査で適合確認 2.局所麻酔下で脂肪の採取(米粒2~3粒ほどの量) 3.細胞培養・加工 4.投与(静脈点滴または局所注入) 5.定期的な経過観察 投与自体は日帰りで対応可能です。 ただし、細胞培養には約1カ月を要し、通院が複数回にわたる場合があります。 また、幹細胞治療は痛みや組織の損傷が重度である場合に適用されるケースが多く、治療の適応については医師による慎重な判断が求められます。 テニス肘に対するPRP療法の原理 PRP療法とは、患者様自身の血液から血小板を高濃度に抽出し、患部に注射する再生医療のひとつです。 血小板は、ケガをしたときに出血を止めるとともに「成長因子」という物質を放出して組織の修復プロセスを促進します。 PRP療法を行っている当院「リペアセルクリニック」での治療は、以下の手順で進められます。 1.採血 2.採血した血液を遠心分離し、血漿成分を抽出 3.高濃度の血漿成分を患部へ注射 PRP療法は注射によって行われ、入院や手術を必要とせず、施術時間も比較的短いのが特徴です。 また、軽度な症状に対して適応になるケースが多い傾向があります。 テニス肘で再生医療を選ぶメリット 再生医療は、肘の腱・靱帯などに負担がかかるテニス肘に対する、身体への負担が少ない治療法として選択肢になっています。 では、どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。 身体への負担が少ない 再生医療は、身体にかかる負担を抑えられる点がメリットのひとつです。 手術では皮膚を切開し、場合によっては腱や靱帯の再接合・固定、人工物の挿入などを伴うケースがあります。 一方で、再生医療は注射または点滴で細胞や血液成分を投与するため、全身麻酔や長時間の手術を必要とせず、治療当日の身体的な負担を少なくできるのが特徴です。 とくに、早期の職場復帰やスポーツ活動の継続を望む方にとって、有力な選択肢のひとつになっています。 アレルギー反応や合併症のリスクが少ない 再生医療は、患者様本人の細胞を利用するため、免疫拒絶・アレルギー反応が起こるリスクが低い治療法です。 他人の組織を移植する場合と異なり、自己の細胞を使用することで、身体が異物として認識する可能性が極めて低くなります。 また、針を使った注射や点滴が中心で、大きな切開を伴わないため、術中・術後の出血や感染症などのリスクも抑えられます。 入院する必要がない 再生医療では入院を必要とせず、日帰りで治療ができる点も大きなメリットです。 手術を必要とする治療では、術前検査・麻酔・術後管理・痛みや腫れのケア・退院までのフォローが必要です。 一方、再生医療では脂肪採取・血液採取・細胞処理・注入という工程を、比較的短時間で済ませられます。 日帰りまたは短時間の通院で対応できることから、日常生活への影響を抑えられるのです。 仕事や日常生活への影響を心配せずに治療をスタートできるという点は、ライフスタイルを重視する方にとって有力な選択肢となります。 治療後の日常生活への影響が少ない 再生医療を用いたテニス肘の治療では、治療後に日常生活や軽度な動作への制限が手術ほど大きくない点もメリットです。 手術をした場合には、術後の固定・制限・リハビリテーションが長期間に及ぶことがあります。 注射や点滴で治療する再生医療では、治療直後から比較的早期に通常の生活に戻ることが可能です。 また、採取や注入する際のダメージも少ないため、術後の腫れ・痛み・回復期間も短く済みます。 趣味のスポーツや家事・仕事を継続しながら、これまでどおりに過ごしたいというニーズに応えられる治療法なのです。 テニス肘で再生医療を選ぶデメリット 再生医療に限らず、どのような治療にも留意すべき点があります。 ここでは、テニス肘に対して再生医療を検討する際に知っておきたい、主なデメリットについて見ていきましょう。 すべての人に効果があるとは限らない 再生医療の治療を受けたすべての人に明確な改善が現れるとは限りません。 症状の進行度や炎症の範囲、既存の腱や靱帯の損傷状態、年齢や基礎疾患の有無などが治療の影響に関わります。 さらに、再生医療は個々の細胞の状態に依存するため、期待される組織修復のプロセスが十分に働かないケースもあります。 したがって、医師による詳細な診察や検査をもとに、適応や治療目的を慎重に確認することが大切です。 施術できるクリニックが限られる 再生医療は、専門的な知識と技術、厚生労働省への届出が必要とされる高度な医療行為です。 一般的な整形外科や接骨院などでは取り扱っていないケースが多く、施術を受けられる医療機関は限られています。 とくに、自己脂肪由来の幹細胞治療は、脂肪の採取・細胞の培養・加工・管理など、厳密な手続きと設備が求められるため、実施できるクリニックはごく一部なのです。 また、医療機関によって対応できる症状や、治療法の内容が異なる場合もあります。 治療を受けられないケースがある 再生医療は、すべての患者に適用できるわけではありません。 たとえば、すでに肘の関節に人工関節を挿入している場合には適用不可となっています。 また、以下のケースも安全性の観点から治療が見送られる場合があります。 重度の全身疾患がある方 感染症の有無が確認された方 妊娠中や授乳中の方 自己免疫疾患のある方 ただし、適応については医療機関ごとに異なる基準が設けられているため、事前に治療の可否や制限事項を確認しましょう。 再生医療が適応となる主な症状|テニス肘・ゴルフ肘について 再生医療では、おもに以下の症状が適応となります。 半月板損傷:膝の関節内にある軟骨組織が切れたり、裂けたりする状態 膝靭帯損傷:膝を安定させる靭帯が伸びたり、切れたりして不安定になるケガ 肘内側上顆炎(ゴルフ肘):肘の内側に痛みが出る、繰り返しの動作で起こる炎症 肘外側上顆炎(テニス肘):肘の外側に痛みが出る、前腕の使い過ぎによる障害 手首の靭帯損傷:手首の靭帯が伸びるなど部分的に断裂し、痛みや不安定感が生じる状態 TFCC損傷:手首の小指側にある軟骨や靭帯が損傷し、回す動作で痛みが出る状態 足底腱膜炎:かかとの骨から足の裏にかけての腱に炎症が起き、歩くと痛みが出る症状 肩腱板損傷:肩を動かす筋肉や腱が損傷し、腕を上げにくくなったり痛みが出る状態 膝蓋腱炎(ジャンパー膝):膝の皿の下の腱に炎症が起き、跳んだり走ったりで痛む症状 オスグッド・シュラッター病:成長期に膝の下が出っ張って痛くなるスポーツ障害です。 肉離れ(筋断裂):筋肉が強く伸ばされた際に、部分的に切れて痛みや腫れが起こる症状 アキレス腱炎:かかとの上あたりのアキレス腱に炎症が起こり、歩行や運動時に痛む症状 足首靭帯損傷:足首の捻挫によって靭帯が損傷し、腫れや不安定感が生じる状態 腱鞘炎:指や手首を使いすぎることで腱の通り道に炎症が起き、動かすと痛む状態 以下では、テニス肘とゴルフ肘について詳しく解説します。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) テニス肘は、前腕の伸筋群に繰り返しの負荷がかかることで、肘の外側にある腱の付着部に炎症や微細な損傷が生じる疾患です。 とくに、テニスのバックハンド動作で痛みが出やすいため、通称として広くテニス肘と呼ばれています。 実際には、タオルを絞る・ペットボトルのフタを開けるといった動作やパソコン操作、調理など、スポーツに限らず日常のシーンで痛みが現れるのが特徴です。 発症は、加齢による腱の変性が見られる中高年層に多く、悪化すると安静時にも痛みが続く場合があります。 軽度であれば保存療法が中心ですが、長期にわたって痛みが続く場合には、再生医療も治療の選択肢のひとつです。 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) ゴルフ肘は、肘の内側に痛みが出る疾患です。 ゴルフのスイング動作で痛むため「ゴルフ肘」と呼ばれていますが、実際にはスポーツに限らず、手首を内側に曲げる・物を握る・ロープを引く・ドアノブをひねるといった動作でも痛みが誘発されます。 肘の上腕骨内側の骨の出っ張り「上顆(じょうか)」に繰り返しの負荷がかかり、腱に微細な損傷や炎症が起こるのが原因です。 主に、手作業を行う職業やスポーツ選手、家事を担う方にも多く見られる障害であり、放置すると慢性化するケースもあります。 保存療法で改善しない場合には、再生医療の適応が検討されます。 まとめ|再生医療でテニス肘の痛みを治療しよう テニス肘は、日常の動作やスポーツの繰り返しによって肘の腱に負担がかかり、痛みを生じる疾患です。 保存療法などで改善が見られない場合、再生医療が選択肢になります。 再生医療は身体への負担を軽減し、手術を避けたい方や日常生活への影響をできるだけ抑えたい方の治療法のひとつです。 テニス肘は、早期の対応が痛みの悪化や長期化を防ぐ鍵になります。 医師と相談しながら、自分の症状に合った治療法を見つけていきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。 肘の痛みでお悩みなら、ぜひご登録ください。
2023.03.20 -
- PRP治療
- 免疫細胞療法
PRP療法(多血小板血漿療法)とは、患者様自身から採取した血液から『多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma:PRP)』を抽出し、損傷部位に注射して治療を行う再生医療の一種です。 PRP療法の対象は、関節や筋肉、腱、靭帯の疾患・外傷をはじめ、骨治癒の促進や手術創部の治療補助、美容医療における肌のシワ・たるみまで多岐に渡ります。侵襲の少なさから世界的にも注目されている治療法です。 さまざまな分野で行われるPRP療法ですが、以下の疑問を持つ方もいるでしょう。 「良い話ばかり見るけれど、デメリットはないの?」 「本当に効果はあるの?痛みはどれくらい?」 「実は費用が高いのでは?」 この記事では、PRP療法の6つのメリットと4つのデメリットを解説します。治療に不安のある方は、ぜひ参考にしてください。 PRP療法のメリット|患者様の声も合わせて紹介 最初にPRP療法のメリットを見てみましょう。 認可を受けたクリニックだけが施術できるから安心 施術できる部位(肩・肘・膝・手首・足首など)が多い 副作用(アレルギー反応・合併症など)のリスクが少ない 手術を行わないので最短30分で施術が完了 通院だけで治療でき日常生活に復帰しやすい プロアスリートの成功症例も多数あるので信頼がおける 患者様の声も交えて、この6項目について紹介します。 1.認可を受けたクリニックだけが施術できるから安心 再生医療の一種であるPRP療法は、厚生労働省の認可を受けたクリニックだけが行える治療法です。「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」によって、「再生医療等提供計画(治療)」を作成して審査を受け、厚生労働大臣へ提出するよう定められています。 リペアセルクリニックも「第二種・第三種再生医療提供計画」を厚生労働省に届出し、受理されています。PRP療法は第三種に分類されており、以下のページで届出内容を確認可能です。 参照:届出された再生医療等提供計画(治療)の一覧|厚生労働省 2.施術できる部位(肩・肘・膝・手首・足首など)が多い PRP療法は、以下のように幅広い部位・疾患に対応できるのが特徴です。これらは一例であり、書かれていない疾患や、難治性の疾患にも対応可能な場合があります。 部位 疾患 肩 四十肩・五十肩 肩腱板損傷 インピンジメント症候群 肘 肘内側(ゴルフ肘)上顆炎 肘外側(テニス肘)上顆炎 手首 手首の靭帯損傷 TFCC損傷 股関節 変形性股関節症 膝 変形性膝関節症 半月板損傷 膝靭帯損傷 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) オスグッド・シュラッター病 足首 アキレス腱炎 足首靭帯損傷 足底腱膜炎 筋肉 肉離れ(筋断裂) またPRP療法は、肌の再生作用にも効果があります。PRPに含まれる成長因子が皮膚組織の修復や再生にはたらくため、美肌治療としても受けていただけます。 3.副作用(アレルギー反応・合併症など)のリスクが少ない PRP療法は、患者様自身から採取した組織・細胞で自分を治す方法です。 ワクチン接種のような身体に異物を注射するものとは異なり、アレルギー症状などの拒絶反応は引き起こしにくく、副作用は非常に少ないとされています。 また、PRP療法は手術を伴わないため、全身麻酔によるアレルギー症状や手術部の感染など合併症の心配もありません。PRP療法は手術と比較し、安全性の観点でメリットが多い治療法です。 患者様からも、以下のメリットを感じるとの声が挙げられています。 手術自体のリスクや、感染症の不安が無い 副作用が少ない 4.手術を行わないので最短30分で施術が完了 PRP療法において、患者様の体への負担は「血液の採取」と「患部への注射」だけです。手術を行わないため、施術は最短30分で完了します。 身体にメスを入れて切ったり、開いたりといった複雑な操作をしないため、安全に配慮した処置ができます。処置の痕が残りにくいことも特徴です。 実際にPRP治療を行った患者様からは、以下の感想をいただくことがあります。 注射だけの処置で、処置の痛みも一瞬だった 処置がすごく短時間で簡単に終わったのでびっくりした 5.通院だけで治療でき日常生活に復帰しやすい PRP療法は通院による治療が可能です。さらに、PRP療法は実施後から日常生活に戻れるため、患者様への負担が非常に少ない治療法です。 処置当日は、施術部位の感染予防のために入浴やシャワーなどを控えていただくことが多いですが、翌日からは入浴やシャワーも可能になります。激しい運動は数日間控える必要はありますが、軽い動作は問題ありません。 手術を行う場合は、数日から数週間の入院期間に加え、リハビリ期間も必要なことから、日常生活への負担も大きくなりがちです。一方PRP療法では、日常生活への影響を最低限に抑えて治療できます。実際に治療を受けた患者様からは、以下のような声も多く聞かれます。 入院の必要が無い 通院だけで処置を終えることができ、家族の心配や仕事に支障をきたさない 学生の場合は、入院による学業の遅れや、単位の不足など進学や留年の心配がない 家族や友人との時間を犠牲にしない 6.プロアスリートの成功症例も多数あるので信頼がおける PRP療法は、けがをしたプロアスリートにも選ばれています。 プロアスリートは、治療の効果だけでなく、治療後にパフォーマンスを維持できるかも重視しています。彼らに選ばれるPRP療法は、信頼できる治療法といえるでしょう。プロアスリートとPRP療法について興味のある方は、以下の記事をご覧ください。 PRP療法のデメリット ここからは、PRP療法のデメリットを紹介します。以下の順で確認していきます。 効果の程度・現れるまでの期間に個人差がある 処置部位に腫れ・痛みが出ることがある 治療にかかる費用負担が大きくなりやすい 一部の条件に該当する方は治療を受けられない 1.効果の程度・現れるまでの期間に個人差がある PRP療法の効果の程度や現れる時期、効果の持続時間には個人差が見られます。 ただ、個人差自体はどのような治療にも存在しており、PRP療法に特有のデメリットではありません。むしろ、PRP療法は患者様自身の血液を利用するため、この個人差は副作用のリスクが少ないメリットの裏返しとも考えられます。 2.処置部位に腫れ・痛みが出ることがある PRP療法を実施した後の数日間は、処置した部位に痛みや腫れ、発赤などの症状が出ることがあります。この痛みや腫れについても個人差があり、まったく腫れや痛みを実感しない方もいれば、数日間腫れが続く方もいます。もっとも、腫れや痛みは一過性のものであり、抗生物質などの治療を行わなくても自然経過によって改善するケースが多いといわれています。 まれに処置部位が感染するケースもあり、抗生物質による加療が必要なこともあります。ただし、このリスクはPRP療法に限らず、ワクチン接種などの注射を伴う医療行為全般に共通するものです。 腫れや痛みが出る可能性はありますが、PRP療法は手術を伴わないため、手術療法で起こり得る再手術や入院期間の延長といったリスクがありません。この点から、腫れや痛みはデメリットではあるものの、手術の副作用と比べると軽微です。 3.治療にかかる費用負担が大きくなりやすい 再生医療であるPRP療法は、まだ新しい治療法であるため、現在の日本では健康保険の適応がない疾患が多いです。PRP療法の処置のほか、処置後にリハビリテーションを行う場合も自費負担になることもしばしばあります。 例としてリペアセルクリニックの治療費用を見てみましょう。すべて自由診療で治療しており、PRP療法を1回行った場合の費用は165,000円(税込)です。このほか、専門医による初回診察や感染予防のための血液検査にも費用がかかります。 しかし、PRP療法は入院しなくても処置ができます。保険適用の手術でも、入院費用も含めると高額になる傾向があります。それらを踏まえると、保険適用の手術よりPRP療法の処置費用の方が安く済むケースもあります。 4.一部の条件に該当する方は治療を受けられない PRP療法は安全性の高い治療法ですが、すべての方が受けられるわけではありません。以下に当てはまる方は、治療を受けられない場合があります。 心臓や肝臓に疾患がある方 感染症や血液疾患がある方 妊娠をされている方 その他、カウンセリングで医師が不適当と判断した方 最終的には、患者さん一人ひとりの状態を慎重に見極め、医師が判断します。気になることがありましたら、遠慮なく担当医へご相談ください。 まとめ|PRP療法のメリット・デメリットが気になる方はお気軽にお問い合わせください PRP療法は、手術と比べて合併症や副作用のリスクが少なく、安全性が高い点が大きなメリットです。入院不要で施術時間も短いため、日常生活への影響も最小限で済みます。 一方で、効果の個人差や費用面など、PRP療法にもデメリットがあります。どんな治療法でもいえることですが、受診した医療機関や主治医から十分な説明を受けて、自分なりに理解した上で決めていきましょう。 リペアセルクリニックでも、PRP療法に関するご相談を受け付けています。患者様ごとのメリット・デメリットについても丁寧にご説明しますので、お気軽にお問い合わせください。
2022.06.08







