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腱鞘炎とは、その原因、治療と予防法について

腱鞘炎とは、その原因、治療と予防法について

腱鞘炎の痛みで「お箸も持てない」「ドアノブもつかめない」などと、悩んでいる人はいませんか?腱鞘炎になると手首や手の指に激痛が走り、日常生活にも支障を来たすようになります。このまま痛みが続いたらどうしようかと心配になりますよね。

しかし、腱鞘炎は適切に対応すれば、早期の回復も可能です。ここでは腱鞘炎の種類と症状、原因と予防について解説します。

腱鞘炎の女性

腱鞘炎の種類と原因

腱鞘炎は、指を動かし過ぎるために、腱の通り道にあるトンネル状の腱鞘が炎症のために厚くなることや、腱鞘の中を通っているロープ状の腱が腫れることで起きます。

以前は楽器の演奏者、ラケットを使う競技、テニスやバドミントン、ゴルフなどのスポーツ選手、作家や重い鍋を振る料理人など一部の人に多く現れるため、職業病とされていました。

ただ、最近では、パソコンやスマホで手指を長時間使用することから一般の人にも増えています。

その他、スーパーなどでレジの操作、子供の抱きおろしなど育児でも起こったり、編み物を頻繁にするなど普段手指をよく使うなど、手を頻繁に使う人に起こりやすい傾向があります。

またホルモン分泌の変化に伴い、妊婦や更年期の女性にもよく見られます。糖尿病やリウマチの患者にも多く生じています。腱鞘炎は痛みが生じるので仕事や日常生活にも支障をきたします。

  • 腱鞘炎の原因(頻繁に繰り返される動作により起こる)

  • ・スポーツ選手:ラケット競技の多い(テニス、バドミントン、ゴルフほか)
  • ・事務:パソコンをはじめとしたキーボードを頻繁に使う職務
  • ・料理人:中華等で重い鍋を繰り返し使う職務
  • ・育児:乳児の抱きおろしなど
  • ・その他:作家(文筆業)、一般人(スマホを頻繁に使う)
  • ・ホルモンの関係で妊婦や更年期の女性に多い
  • ・糖尿病やリウマチへの罹患

腱鞘炎の種類

腱鞘炎は、2種類に分けられます。一つは、手首に症状が現れる「ドケルバン病」と言われるものと、指に症状が現れる「ばね指」というものです。

ドケルバン病は、狭窄性腱鞘炎といい、親指側の手首の腫れや力が入らなくなるという症状が主な特徴です。これは指と手首を繋いでいる2本の腱と、その2本の腱を覆ってトンネル状になっている腱鞘といわれる部分が炎症を起こして痛みが生じます。

また圧倒的に女性に多いという特徴があります。

ばね指は、指に現れる腱鞘炎です。指を曲げたり、伸ばす場合に痛みが出たり、動きにくくなるなどの症状が起こります。これは指の手のひら側にある腱をカバーするように覆っているトンネル状の腱鞘と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。

腱鞘炎が発症すると指を上手く動かせなくなります。症状が進むと急に指が伸びるようなバネ現象が起こる特徴があるため、ばね指と言われています。

いずれの症状も仕事や日常の動作が関係しているので、慢性化することもあり、中には腱鞘炎が原因で、やむを得ず転職するはめになったという方もいます。

手首や指に痛みや違和感を感じたら放置せずに、安静にし、それでも痛みなどが残る場合は、軽いうちに治すよう整形外科等の病院、医療機関を受診してください。

腱鞘炎の種類
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎) 手首に起こる、女性に多い
ばね指 指に起こる

腱鞘炎の治療法

腱鞘炎の原因は手の使いすぎですから、軽症であれば一定期間手の使用を控えるようにしていれば治ることがあります。手に違和感がある場合は、湿布で冷やすことや、テーピングにも効果が期待できます。

  • 保存的治療

  • まずは、親指や手首を休ませることです。添え木を用いて手首を固定し、安静にする場合もあります。湿布で冷やしたり、痛み止め、テーピング、痛み止めの内服などの使用が保存療法的な主な治療法です
  • ステロイド注射トリアムシノロン

  • 投薬治療をしても改善されない場合は、ステロイドの注射をする方法もあります。
  • 手術

  • 腱鞘炎の再発を繰り返し、改善がみられない場合は、手術という選択が必要になる場合もあります。手術は、局所麻酔による日帰り手術が可能です。
  • 手指をよく使う腱鞘炎のリスクが高い職種の方は、日頃から手や指のストレッチや、マッサージなどのケアをしっかり行い予防を行うことが大切でしょう。

腱鞘炎の予防策

腱鞘炎の予防は、日頃からのケアが大事です。腱鞘炎は、手の使い過ぎだけでなく、血行不足でも生じることがあります。その予防策について以下を参照してください。

  • ・手と手首のストレッチをして血流を良くしましょう > 仕事の前、合間、後に行うことをお勧めします
  • ・手や指、手首に違和感や痛みがある > 熱めのお湯と冷水を交互に30秒ずつ5セット、あたため、冷却を繰り返す
  • ・スマートフォンの操作は、両手で操作する > 片手操作は、親指と手首に負担がかかります

普段から長時間同じ作業を続けないように意識しましょう。

ときどき休憩を挟んで手を休ませることが必要です。作業の前後にストレッチを取り入れるのも有効です。パソコンであれば、強くキーボードを叩かないなどの工夫をしてみることも興亜があります。

そして、症状が軽いうちにケアをして、痛みを長引かせないことが大切です。

痛みが続くようなら病院等、医療機関を受診してください。症状に合わせて塗り薬を使う、炎症を抑えるステロイド薬を注射をする、またリハビリを行うなどの治療方法があります。

それでも改善が見られない場合は手術になることもあります。また、近年は、スポーツ医療の分野でも話題になっている「再生医療」で治療するという方法を検討することもできます。

まとめ/腱鞘炎とは、その原因、治療と予防法について

腱鞘炎は、スポーツをはじめとして手や指を使う職業、そして育児など子供の抱きおろしでも発症します。

一度発症すると治るまでに時間がかかってしまう場合がありますが、治らない疾患ではありません。悪化する前に早めに対応してください。また、手を酷使しないように、定期的に休憩をして手を休ませるなどして予防に努めましょう。

腱鞘炎は手や指を頻繁に使う仕事に起こりやすい症状です。腱鞘炎というものを意識して日頃から予防をすれば避けることができます。治療法については、保存的治療、注射、手術の3つの治療を説明しました。

近年は再生医療による治療を選択することもできます。手術以外の選択肢として、この治療法は、患者さんの負担を抑えることができ、副作用も少ないため、注目を集めている治療方法のひとつです。

慢性化した腱鞘炎の治療としては、薬物療法やリハビリテーション、手術、再生医療など、さまざまな方法があります。痛みや違和感が長く続く場合は、整形外科をはじめ専門の医療機関で相談してください。

以上、腱鞘炎とは、その原因、治療と予防法についてと題してご説明させていただきました。この記事が参考になれば幸いです。

 

No.S047

監修:医師 加藤 秀一

 

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