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ロコモティブシンドロームを防げ!ロコチェックとロコトレとは?
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目次
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を防ぐロコチェックとロコトレとは?
ロコモティブシンドロームは、「運動器症候群」というもので身体を動かす機能の衰えにより、歩く、移動するといった身体の能力が衰えたり、不足している状態を指し、寝たきりや、要介護になる危険の高い状態をいいます。
このロコモティブシンドロームは短縮して「ロコモ」とも言われています。そこで以下、「ロコモ」という表記でご説明してまいります。
ロコモは、身体を動かす機能の重要性を分かりやすい形で広く啓蒙することを目的としています。また将来、要介護になることを防ぐことにもつながります。
自分の運動機能がロコモに当てはまり、寝たきりや、要介護になる危険性があるか確認できるチェック項目を「ロコチェック」といい、身体の動作、移動に適した下半身の筋力を得たり、バランスを整えるために行うロコモ対策のトレーニングを「ロコトレ」と呼び、ロコモにならないため、それをケアする「ロコモケア」として推奨されています。
- ロコモ:ロコモティブシンドロームの略で「運動器症候群」のこと
- ロコモケア:ロコモにならないため、それをケアする
- ロコチェック:寝たきりや、要介護になる危険性があるか確認するチェック項目
- ロコトレ:身体の動作、移動に適した下半身の筋力を得たり、バランスを整えるためのトレーニング
具体的な症状や特徴(注意点
ロコモ(ロコモティブシンドローム、locomotive syndrome)は、高齢者の身体機能の低下や運動能力の低下により、日常生活動作や歩行に制限が生じる状態を指す医学的な概念を表しています。
ロコモティブシンドロームは、高齢者の健康と生活機能を保つために重要な概念であり、早期発見と予防が重要です。
適切な運動や筋力トレーニング、栄養バランスの良い食事などの取り組みが、ロコモティブシンドロームの予防や改善に役立つとされています。定期的な健康チェックや医師の指導のもとでの適切なケアが重要です。
ロコモティブシンドロームの症状と特徴
- 筋力の低下1: 筋肉量や筋力の減少により日常生活動作の遂行が困難になります。
- 筋力の低下2: 階段の上り下りや荷物の持ち上げなどが難しくなることがあります。
- 骨密度の低下: 骨密度の減少により、骨折や転倒のリスクが高まります。
- 姿勢の変化: 猫背や体の前かがみ姿勢が増え、バランスや歩行の安定性が損なわれます。
- 歩行困難: 歩行速度や歩行距離の減少、歩行中のバランスの崩れなどが見られます。
年齢に関わらず注意が必要
ロコモは、高齢者になってから、いきなり始まるのではありません。実は、40~50代からでも徐々に兆候が現れます。年齢が若くても長時間歩けない、歩くスピードが遅くなったという人は特に注意が必要です。
例えば、立っている時どこかに、つかまっていないと身体がグラグラしたり、歩いたりするとスグに疲れてしまって、座りたくなるという人は、ぜひ本記事を参考にして自分の運動習慣を見直してみましょう。
現代社会は、鉄道はもとより、車社会で施設にはエスカレーター、エレベーターなどが備わっていることで移動手段が非常に便利になりました。
このように日常生活に支障が起こらないことで既にロコモになっていても、そのことに気が付くことができません。また、生活習慣病や高血圧といった症状がある場合は、若年層であってもロコモに気を付けなければなりません。
ロコモの特徴的な症状
- 筋力が低下している
- 骨や関節などの機能が低下している
- 持久力が低下している
- 身体のバランスを取るための力が低下している
- 膝や腰の病気が隠れている
ロコチェックしてみましょう!
ロコチェックは、ロコモになっていないかご自身でチェックしていただけます。以下のチェック項目(ロコチェック)を使って、自分の身体の状態を確認してみましょう。
この「ロコチェック」は無理にその場でやってみる必要はなく、普段の生活を思い返してみるだけで大丈夫です。
ロコチェック(何個チェックがつきますか)
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 屋内で躓いたり、滑ったりする
- 階段の上り下りに、手すりが必要である
- 横断歩道で青信号になってから赤に変わるまでの間に渡りきれないことがある
- 15分間続けて歩けない
- 2㎏程度(1Ⅼの牛乳パック2本)の買い物をして、持ち帰るのが困難である
- 家の中で、やや重い家事(掃除機をかける、布団の上げ下ろし)が困難である
実は、上記の7項目のうち、実は、1つでも当てはまるものがあれば「ロコモ」の疑いがあります。
ちなみに、横断歩道の青信号の点灯時間は、1秒間に1m歩く速さをもとに赤に変わるよう設定されているため、青信号で渡りきれない場合は、歩く時間がそれ以下だと考えられます。
ロコチェック(テスト)
更に、次の片足立ち上がりテストに挑戦してみてください!
上記の「ロコチェック」の項目で問題なかったら、以下の「片足立ち上がりテスト」にも挑戦してみましょう。
「片足立ち上がりテスト」の手順(両足でやってみましょう)
- ・椅子に浅めに座ります
- ・両手を胸の前で交差させて上体をやや前に傾けましょう
- ・そのまま、片方の膝を伸ばします
- → 手や上体の反動の力を使わずに、片足の力だけで立ち上がれますか?!
片足立ち上がりテストの結果はいかがでしたか?以下のようならロコモ状態が始まりかけている「ロコモ予備軍(将来、要介護予備軍の危険性)」の可能性があります。
- 以下の症状に注意
- 手を使わないと立ち上げれない
- ぐらつく
- 転んでしまう
ロコモの疑いがあるなら「ロコトレ」に挑戦!
ロコモの予防や、ロコモの改善には、筋力やバランス能力を上げるトレーニングが必要です。
そのためにはロコモを効率的に改善するためのトレーニングとして、「ロコトレ」が推奨されています。
「ロコトレ」ロコモの予防や改善を目指す
▼片脚立ち
- バランス能力をつける運動です。
- 足の筋力を鍛えて寝たきりの原因となる転倒の予防にも効果があります。
- 左右1分間ずつ、1日3回行うと効果的です。
- 支えが必要であれば、机などに手や指をついて無理の無いように行います。
▼スクワット
- 足腰の筋力をつける運動です。
- 太ももやお尻の筋力を上げ、体幹を鍛えることにも繋がります。
- 深呼吸をするペースで5~6回繰り返し、1日3回行うと効果的です。
- 椅子に腰掛けて机に手をついて「立つ」「座る」といった動作を繰り返す方法でも大丈夫です。
ロコトレは「ながらトレーニング」でも効果的
ロコモが気になり予防する意識があっても、運動習慣を作るのは思ったより難しいものです。
忙しくてなかなか運動が実践できない人や、運動が苦手な人は、日常生活の動きに取り入れやすいロコトレである「ながらトレーニング」をやってみるだけでも、要介護に対する予防として効果があります。
「ながらトレーニング」には、例えば次のような方法があります。
ロコモを予防し、簡単にできる「ながらロコトレ!」とは
▼料理をしながら片足立ち
- キッチンのシンクのふちなどを支えにする
- 食材を鍋で煮込んでいる間などに片脚立ちをする
注意点
- 片足立ちでふらついたときのため
- 周りに障害物が無いか確認
- 刃物や火の近くで行わないように気を付ける
▼テレビを観ながらスクワット
- テレビやスマホ、PCを同じ姿勢で見続けてると身体がこわばる
- 肩こりや腰痛の原因にもなります
- CMが流れている間に行えば時間的に丁度良いトレーニングが可能
- お風呂に入る前にロコトレを行うなど(生活の場面にトレーニングのタイミングを作る)
継続した予防には「ロコトレ仲間」を作ろう
運動習慣がない人にとって「ロコモ」の予防になるとはいえ、一人きりでロコトレをコツコツと続けていくのは、なかなか大変なものです。
ロコトレは、継続することで予防力を発揮します。そのためには、家族に励ましてもらったり、友人や「ロコトレ仲間」と一緒に、声がけしたり、励ましたりすることで楽しく続けていくことができるものです。
自治体によっては、地域ぐるみでロコトレを行っているところもあるのでこうしたイベントに積極的に参加するのも有効です。
まとめ・ロコモティブシンドロームを防ぐロコチェックとロコトレとは?
ロコモティブシンドロームは、ロコモと訳すことが多く、寝たきりや、要介護になる危険の高い状態を表しています。
普段身体に痛みや自覚症状がない人でも、ロコチェックに当てはまるものがある場合は運動機能が落ちている可能性があります。その場合は、ロコトレなどを取り入れて運動習慣を持つことでロコモを予防することが可能になります。ロコトレは、できるだけ継続することが大切です。
ロコチェックで気付いたことを参考に、周りの人とも協力して身体を動かす習慣をつくっていきましょう。そうすることで、いつまでも自分の足で歩くことができ活き活き!とした生活を送ることができるようになります。
また、関節や腰の痛みなどが酷い場合は、無理な運動をすることなく、ロコチェックやロコトレの前に病院等、医療機関で医師の診察を受けるようにしましょう。
以上、ロコモティブシンドローム(ロコモ)、運動器症候群についてご説明させて頂きました。要介護にならなうためにも参考にしていただければ幸いです。