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【医師監修】くも膜下出血の再発率は?生存率や再発時の前兆も紹介

くも膜下出血 再発率
公開日: 2022.03.14 更新日: 2026.03.31

「くも膜下出血から一命を取り留め、幸い後遺症もなく退院できた」

その喜びの一方で、「いつか再発するのではないか」という拭いきれない不安を抱き続ける方もいるのではないでしょうか。

くも膜下出血は、発症後1カ月以内の急性期だけでなく、10年、20年という長期にわたって再発のリスクが継続する疾患で、正しい知識に基づいた予防が欠かせません。

本記事では、くも膜下出血後の時期別の再発率や、見逃してはいけない再発の前兆、そして再発を防ぐための具体的な生活習慣について解説します。

また、従来の予防法に加え、注目されている「再生医療」という新しい選択肢についても紹介します。

くも膜下出血に関するお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。

くも膜下出血の再発率

くも膜下出血は、発症後の時期によって再発リスクが大きく異なります。

とくに治療直後の急性期は再出血のリスクが高く、発症から1カ月までの初期に最も再発しやすいのが特徴です。その後は時間の経過とともにリスクは低下しますが、長期にわたってゼロにはなりません。

各時期のデータを正確に把握しておくことが、退院後の生活管理において重要です。

くも膜下出血の後遺症について、詳しくは以下をご参照ください。

急性期(術後1カ月以内)

くも膜下出血の発症から1カ月以内は、最も再発(再出血)の危険性が高い時期です。

脳動脈瘤が未治療の状態では、発症初日の再出血率は3〜4%、その後4週間は1日あたり1〜2%の割合で再出血が起きるとされています。また、発症から1カ月では20〜30%、3カ月以降は年に3%の患者に再出血が生じるとの報告もあります。(文献1

手術(クリッピング術やコイル塞栓術)によって、破裂した動脈瘤が適切に処置された場合、再出血リスクは大幅に低下します。

術後1カ月間を合併症なく経過することが、予後を左右する最初の目安となります。

長期(10年・20年)

手術が成功し、後遺症がない状態で退院した場合でも、長期的な再発リスクはゼロにはなりません。

クリッピング術後に3年以上生存した患者を追跡した研究では、術後10年時点での再出血累積率は2.2%、20年時点では9.0%と報告されています。(文献2

再出血が起きる主な原因は、治療した動脈瘤の再発や、別の場所への新たな動脈瘤の形成です。

術後10年、20年と経過しても、定期的な画像検査と血圧管理を継続し、長期フォローアップを怠らないことが、再出血予防の観点から重要です。

後遺症なしでくも膜下出血が再発する理由

くも膜下出血を発症し、適切な治療を経て後遺症なく回復した場合でも、再発のリスクが消えるわけではありません。後遺症がない状態は、脳へのダメージが少なかったことを意味しますが、脳血管の脆さが解消されたわけではないからです。

脳動脈瘤が形成される背景には、血管壁の弱さがあります。血管壁は内膜・中膜・外膜の3層で構成されますが、動脈瘤ができやすい人では中膜の筋層が部分的に欠損していることが多く、治療後も変わりません。

強い血流により、血管に圧力が繰り返しかかることで、治療した部位とは別の場所に、新たな動脈瘤が形成される可能性があります。

そのため、治療で破裂した動脈瘤を処置できても、未破裂の動脈瘤が残存している場合や、新たに形成された動脈瘤が破裂するリスクは残ります。

後遺症の有無にかかわらず、定期的な検査と生活習慣の管理が欠かせない理由です。

くも膜下出血が再発しやすい人の特徴

くも膜下出血の再発リスクは、個人の生活習慣や基礎疾患の状態に大きく左右されます。

以下の危険因子を多く持つ人ほど、新たな動脈瘤の形成や破裂リスクが上昇します。文献3

危険因子

内容

高血圧

血圧が高い状態は常に脳血管へ強い圧力をかけ続けるため、動脈瘤の形成や破裂を直接的に誘発します。

喫煙

喫煙は血管壁を傷つけ、動脈硬化を進行させる大きな要因です。

非喫煙者と比較して発症リスクが約2〜3倍に上昇するとされています。

過度な飲酒

血管の収縮や血圧の変動を招き、再発リスクを高めます。

家族歴

1親等以内に2人以上の発症者がいる場合、リスクが約4倍に上昇すると報告されています。

多発性動脈瘤

発症時に複数の動脈瘤を持つ場合、未処置の動脈瘤が将来破裂するリスクがあります。

女性・50〜60代

発症頻度が高い年代・性別であり、閉経後の女性はとくに注意が必要です。

高血圧・喫煙・過度な飲酒は、生活習慣の改善によって自分でコントロールできる因子です。

一方、家族歴・性別・年齢は変えられないため、これらに該当する方は医療機関での定期検査を欠かさず行う必要があります。

くも膜下出血が再発する前兆

くも膜下出血は前触れなく起こる印象が強い疾患ですが、再発(再破裂)の前には、動脈瘤が拡大することで周囲の神経を圧迫し、特定のサインが現れることがあります。代表例は目の症状と頭痛です。

脳動脈瘤が破裂する前に受診できれば、早期の治療で再発を防げる可能性があります。また、再発のごく初期で気付ければ、治療が成功する可能性も高まります。

くも膜下出血を経験した方は再発の前兆を知っておき、日ごろから注意する意識が大切です。

動眼神経麻痺

代表的な前兆の一つが、動脈瘤が大きくなる過程で、眼球の動きやまぶたの開閉を制御する「動眼神経」が圧迫されて起こる動眼神経麻痺です。

以下のような目の症状が代表的です。

  • 物が二重に見える
  • 片側のまぶたが下がり、開きにくくなる
  • 視力の低下や視野の一部が欠ける

これらの症状は、動脈瘤が破裂する前のサインの可能性があります。

脳動脈瘤が破裂してしまうと、くも膜下出血の再発につながる可能性があるため、速やかに脳外科や脳神経外科を受診してください。

頭痛

注意すべき二つ目の症状は「頭痛」です。

本格的な破裂が起こる前に、動脈瘤からごく微量の出血が生じると頭痛が起こることがあり、「警告頭痛(センチネル頭痛)」といいます。

痛みの程度は必ずしも「激痛」とは限らず、数日で治まる程度の軽い痛みとして自覚されるケースも少なくありません。

一度くも膜下出血を経験した方が「いつもと違う痛み」を感じた場合は、すでに再発の予兆である可能性を考慮し、速やかな検査が必要です。

なお、受診の際は、単なる風邪などと診断されてしまう恐れがあるため、くも膜下出血の経験があることを必ず医師に伝えましょう。

くも膜下出血再発時の生存率と予後

くも膜下出血が再発した場合、予後は初回発症時よりもさらに厳しくなる傾向にあります。

これは、一度目の出血や手術によって脳組織が少なからずダメージを受けていることや、再発時の出血量が初回を上回ることが多いためです。

再出血時の致死率は約50〜80%と報告されており、生存した場合でも重篤な神経障害が残る可能性が高いとされています。文献4

ただし、前兆症状の段階で受診し、動脈瘤が破裂する前に処置できた場合は、予後が大きく改善します。

警告頭痛や目の症状といった前兆を見逃さず、早期に対処することで生存率と回復の可能性が高まります。

長期的な生存率や予後については、以下の記事でより詳しく解説しています。

くも膜下出血の再発を防ぐためのポイント

くも膜下出血の再発防止のために、自分でコントロールできることは大きく3つあります。生活習慣の改善、定期的な検査、そして必要に応じた医療の活用です。

生活習慣の改善

日常生活で注意すべきポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • 処方薬は指示通りに服用する
  • 定期的に血圧を測り、記録する
  • 減塩を心がける
  • 禁煙する
  • 飲酒は適量にとどめる
  • 規則正しい生活を送り、過度なストレスを避ける

降圧薬や糖尿病治療薬などを処方されている場合、指示通りに服用してください。

また、ストレス管理や減塩は、血圧のコントロールに有用です。

自宅で血圧を測り、血圧手帳に記録しておけば、医師が状態を判断する助けとなります。

これらを習慣化することで、動脈瘤の破裂を回避しやすくなります。

生活上の注意点は、以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

定期的な検査

くも膜下出血の再発防止には、定期的に検査を受けることも非常に重要です。新たな動脈瘤の形成や、既存の動脈瘤の変化を早期に確認できるためです。

脳動脈瘤を破裂する前に発見できれば、予防的な処置が可能となります。

くも膜下出血の術後10年ほど経過したのち、治療した脳動脈瘤が再び大きくなったり、新しい脳動脈瘤が形成されたりする可能性もあります。

一度検査して問題なかったからと安心せずに、定期的に検査を受けましょう。

再生医療という選択肢

くも膜下出血の再発防止や、後遺症改善の新しい選択肢として「再生医療」が注目されています。

再生医療は、患者さん自身の脂肪由来の幹細胞を用いて、傷ついた組織の修復を促す治療法です。

損傷した血管内皮の修復を促す働きが期待されており、従来の治療では対応が難しかった脳血管障害の再発予防や機能改善への応用が注目されています。

脂肪の採取はごく小さな切開のみのため、身体への負担は最小限ですみます。

手術を避けたい方の選択肢の一つとしてご検討ください。

手術しなくても治療できる時代です。

脳卒中のお悩みに対する新しい治療法があります。

くも膜下出血を発症し、後遺症がある患者様に再生医療によって改善が見られた症例は、以下ご参照ください。

 

正しい知識と習慣でくも膜下出血の再発率を下げよう

くも膜下出血は、後遺症がなく回復した場合でも、再発リスクがゼロになるわけではありません。

急性期(術後1カ月以内)の再出血率は20〜30%と高く、長期的にみても術後20年で9.0%の再出血リスクが報告されています。

再発予防のために、高血圧の管理・禁煙・節度ある飲酒という生活習慣の改善、定期検査の継続が重要です。

また、目の異常や頭痛といった前兆症状を見逃さず、体に異変を感じた際は、ためらわずに脳外科や脳神経外科などを受診してください。早期の対応により再発を防げる可能性が高まります。

なお、くも膜下出血の後遺症でお困りの方は、再生医療という選択肢もあります。日常生活に大きな支障がない症状でも、再生医療で改善する可能性があります。

再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。

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くも膜下出血の再発率に関するよくある質問

くも膜下出血の再発は何度も繰り返しますか?

開頭クリッピング術やコイル塞栓術によって、破裂した動脈瘤からの再出血リスクは大幅に低下します。

適切な治療が行われた動脈瘤が再び破裂する可能性は低いとされています。

ただし、治療した動脈瘤とは別の場所に、新たな動脈瘤が形成される可能性があります。

術後20年の長期追跡データでも、新規動脈瘤の形成による再出血リスクが継続することが示されています。

「治療が終わったから安心」ではなく、定期的な検査を継続することが、繰り返しの発症を防ぐために重要です。

再発したら再手術はできますか?

再出血が起きた場合でも、状態・出血部位・以前の術式によっては、再手術が可能です。

たとえばコイル塞栓術後に動脈瘤が再発した場合は、追加のコイル留置や開頭クリッピング術への変更が検討されることがあります。

ただし、再手術は初回手術と比較して難易度が上がる場合があります。

そのため、手術が必要な状態になる前に、再出血そのものを防ぐことが重要です。

参考文献

(文献1)

脳卒中治療ガイドライン2009 Ⅳ.クモ膜下出血|日本脳卒中学会

(文献2)

Risk of recurrent subarachnoid hemorrhage after complete obliteration of cerebral aneurysms|Stroke

(文献3)

Risk Factors for Subarachnoid Hemorrhage: An Updated Systematic Review of Epidemiological Studies|Stroke

(文献4)

Incidence and Significance of Early Aneurysmal Rebleeding Before Neurosurgical or Neurological Management|Stroke