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くも膜下出血後の生活|手術と入院期間、治療後のリハビリを解説

公開日: 2022.11.30
更新日: 2024.10.07

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くも膜下出血後の生活|手術と入院期間、治療後のリハビリを詳しく解説

「くも膜下出血の手術や入院について詳しく知りたい」

「くも膜下出血の後の生活はどのように送ればいい?」

このような悩みを抱えている方はいませんか?

くも膜下出血は生活習慣病などが原因となり、突然発症する怖い病気です。大切なご家族が突然くも膜下出血になる可能性もゼロではありません。

具体的にどんな治療方法があり、入院期間はどのくらいなのか、治療後のリハビリの方法など気になる方もいることでしょう。

そこで今回は、くも膜下出血後の生活についてリハビリの方法を詳しく解説していきます。

くも膜下出血 手術

くも膜下出血とは?

くも膜下出血は、動脈瘤の破裂または頭部外傷などによって、くも膜と脳を取り囲む軟膜との間の、くも膜下腔と呼ばれる部位に出血が起こることで発症します。

発症すると重い頭痛を訴えますが、今までにないような頭痛を訴えて救急外来を受診した患者のうち、最終的にくも膜下出血を発症するのはわずか 10 %程度です。

関連する症状には、首の痛み、吐き気や嘔吐、羞明-しゅうめい-(異常に眩しさを感じること)などがあります。

脳卒中の治療

くも膜下出血の手術について

くも膜下出血の治療の一つとして手術を選択する場合があり、影響を受けた血管を修復し、動脈瘤が再び破裂するのを防ぐための手術を行います。

主に、「開頭クリッピング術」と「コイル塞栓術」と呼ばれる 2 種類の手術があります。

クリッピングとコイルのどちらを使用するかは、動脈瘤の大きさ、位置、形状などによって異なります。

コイルは、クリッピングよりも発作などの短期的な合併症のリスクが低いため、しばしば好まれる手術ですが、クリッピングよりも長期的な利点があるかは不明です。

①血管内治療 : コイル塞栓術

血管内治療では、カテーテルと呼ばれる細い管を足や鼠径部の動脈に挿入し、血管を通って脳の動脈瘤に導きます。

次に、小さなプラチナコイルをチューブに通して動脈瘤に挿入し、動脈瘤がコイルで満たされると、再び破裂したりするのを防ぐことが可能になります。

血管内治療 : コイル塞栓術

 

②開頭手術 : クリッピング

クリッピングは開頭術とも呼ばれ、頭部に切り込みを入れ、動脈瘤の位置を特定します。そして、小さな金属製のクリップを動脈瘤の基部に取り付け、動脈瘤を密閉します。

時間が経つにつれて、クリップが配置された場所に沿って血管の内側の層が再生し、動脈瘤が永久に密閉され、再び破裂するのを防ぐことができます。

開頭手術 : クリッピング

くも膜下出血の入院期間や費用は?

入院期間や費用に関しては、受ける治療内容や重症度によって左右されます。

治療内容に関しては手術以外にも保存治療もあります。また、コイルによる手術を受けた人は、クリッピング手術を受けた人よりも早く退院し、全体的な回復時間も短くなる可能性があります。

費用に関しては 3 割負担で 50〜70 万円程度と考えていいでしょう。手術内容や保険の内容によって以下のように異なります。

  • ・血管内コイル塞栓術:19〜55 万円
  • ・開頭クリッピング術:22〜65 万円

さらに、これらの種類の手術が緊急治療として行われる場合、入院期間は、受ける手術の種類よりも症状の重症度に大きく依存します。

どちらの治療を受けている場合でも、合併症を避けるために、しばらくの間注意深く監視する必要があり、基本的には、2 週間から 2 ヶ月程度は入院する必要があります。

くも膜下出血後の生活について

くも膜下出血から元の生活に戻るまでの時間は、その重症度によって異なり、手や足の感覚の喪失や言語理解の問題(失語症)などの後遺症があるかどうかにも影響します。

重大な後遺症を残さないためにも早期のリハビリが必要

くも膜下出血後は少なからず後遺症が残るため、早期のリハビリが大切になります。

早期のリハビリ介入によって、くも膜下出血後の脳血管痙攣や再出血の頻度と重症度は軽減され、初期のリハビリテーションがいかに大切なのかわかります。

くも膜下出血のリハビリ方法

それでは具体的なリハビリ方法について以下の 3 つのステップに分けて説明したいと思います。

  • ①急性期
  • ②回復期
  • ③維持期

それぞれ詳しく説明していきます。リハビリ方法

①急性期リハビリ(治療後~14 日程度):廃用症候群の予防など

急性期には、身体の様々な機能がしにくくなり、褥瘡や足の血栓、感染症などさまざまな合併症が起こります。

また、ベッド上で動かず寝たきり状態になることで、筋肉が萎縮し衰え、関節が硬くなり運動機能が低下してしまうことを“廃用症候群”と言います。

この廃用症候群を予防するため、以下のようなリハビリを行います。

膝伸ばし運動 :

座った状態で片足の膝をゆっくり伸ばし、10 秒間保つ。

足の筋力運動 :

椅子に座り、背筋を伸ばして片足をゆっくり上げて下ろす

肩の上げ下げ運動 :

両肩を耳につけるイメージで、あげて下に落とす運動

手足の関節を動かす :

座った状態で手や足の関節を曲げて伸ばす

基本的には、座った状態でできる運動を行います。

②回復期リハビリ: 日常生活動作の自立

急性期を脱し、病態や血圧が安定してきたら、症状の程度に応じて様々な回復期のリハビリに移りましょう。

日常生活を行う上で必要な基本動作が行えるよう運動機能を改善します。

基本動作の自立 :

寝返りをうつ、自力で座る、立つ

歩行訓練 : 

バランスを保つ、車いすへの移動、杖や歩行器などを用いた歩行練習

応用動作の訓練 :

手芸や工作、その他の作業

日常動作 :

食事やトイレ、着替え、入浴動作

さらに、食事ができるように嚥下機能を改善することも必要になります。

口の訓練 :

発声や舌・口・のどの筋肉を動かす運動

顔や首周りの訓練 :

首回りや肩の筋肉を動かす運動

間接的な嚥下訓練 :

水を含ませて凍らせた綿棒で喉の奥を刺激するなど

直接的な嚥下訓練 :

ゼリーや水などの食物を用いる飲み込みの練習

そして、高次機能の改善としては以下のような特殊な訓練を行います。

  • ・風船、積木などの物を用いた訓練
  • ・繰り返し動作の練習
  • ・行動の順序を確認する練習

日常生活の動作に適応するためのリハビリを行っていきます。

③維持期のリハビリ : デイサービス

維持期は、回復期で得た運動機能などを損なわないように機能を維持するために行うリハビリです。

  • ・生活の中の日常動作
  • ・散歩や軽い運動

維持期は生活期とも言われ、日常生活の中で取り戻した運動機能を低下させないように気をつける必要があります。

例えば、食事や着替え、入浴などはなるべく自分で行い、定期的に散歩やストレッチなどを行いましょう。

日帰りでリハビリなどの施設に通う、デイサービスなどもあります。ぜひ活用しましょう。

まとめ・くも膜下出血後の生活にはリハビリが欠かせない

いかがでしたでしょうか。

今回は、くも膜下出血の手術後の生活について詳しく解説しました。くも膜下出血には大きく 2 種類の手術がありますが、重症度や治療内容によって入院期間や費用も異なります。

入院期間を短くして早く元の生活に戻るために欠かせないのが、入院時点で行う早期のリハビリです。完全に元の生活に戻るにはどうしても長期間かかり、なかなか根気強く続けるのが難しいかもしれませんが、続けることが大切です。

今回の記事がご参考になれば幸いです。

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