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肝臓の数値異常を改善する方法|薬が負担に?原因と対処を解説

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公開日: 2022.03.25 更新日: 2025.04.28

「健康診断で肝臓の数値が高いと言われて不安になった…」
「肝臓の数値異常は薬のせい?」

このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出にくいため、健康診断の結果で初めて異常を指摘される人も多いとされています。

数値が悪化する原因はさまざまですが、日常的に服用している薬が肝臓に負担をかけている可能性もあります。

本記事では、肝臓の数値が悪化する原因やそれを改善するための対策について解説します。

肝臓の数値を改善し、健康な状態を維持するためのポイントを押さえていきましょう。

薬による肝臓への負担と薬物性肝障害

私たちが薬を服用すると、その成分は体内で吸収され、血液を通じて全身に運ばれます。

その過程で重要な役割を担うのが「肝臓」です。

肝臓は、薬の成分を分解・代謝し、体にとって不要なものを無毒化する働きをしています。

しかし、薬の種類や飲み合わせ、服用量によっては、この代謝過程が肝臓にとって大きな負担になる場合があり、肝臓の数値に影響を与え、基準値より高くなることがあります。

肝臓の数値が上昇している場合、薬が原因となっている「薬物性肝障害」の可能性が考えられます。

自覚症状がないケースも多いため、定期的に肝機能をチェックし、薬の影響で肝臓に負担がかかっていないかを確認することが大切です。

薬物性肝障害とは?

薬物性肝障害とは、薬の影響によって肝臓の細胞が傷つき、肝機能に異常が生じる状態を指します。

薬そのものだけでなく、代謝の過程で発生する物質が肝細胞にダメージを与えることもあります。

症状には倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(おうだん)などがありますが、自覚症状がまったく現れないケースも少なくありません。

そのため、体調に異変がなくても、定期的に血液検査で肝臓の数値(AST・ALTなど)を確認することが大切です。

とくに、複数の薬を同時に服用している方や、長期間薬を使っている方は、知らず知らずのうちに肝臓に負担がかかっている可能性があります。

数値の異常が見つかった場合は、薬の中止や変更を検討する必要があるため、早期発見と医師のフォローが重要です。

肝機能を示す主な検査数値と薬が与える負担について

肝臓の状態を把握するには、血液検査で得られる肝機能の数値をチェックすることが重要です。

肝臓への薬の負担を把握するうえでも注目すべき指標は次の3つです。

  • AST(GOT)
  • ALT(GPT)
  • γ-GTP

それぞれの数値の役割と、どのような薬が影響を及ぼすのか、詳しく解説します。

AST(GOT)とは?

AST(GOT)は、肝臓に関するトラブルの初期発見に役立つ指標のひとつです。

主に肝臓や心臓、筋肉などに存在する酵素で、細胞がダメージを受けると血液中に漏れ出し、その数値が上昇します。

  • 正常値の目安 :男性でおおよそ10~40 U/L、女性で10~35 U/L
  • 上昇するケース:肝炎、アルコール性肝障害、筋肉疾患など

ASTは、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)や抗生物質、抗てんかん薬などの使用によって上昇することがあります。

とくに高用量の解熱鎮痛薬は、肝臓への代謝負担が大きく、ASTが一時的に高くなる場合があります。

ALT(GPT)とは?

ALT(GPT)は、主に肝臓に多く含まれている酵素で、肝細胞が損傷を受けた際に血中に放出されます。

ASTよりも肝臓に特化した指標とされており、肝機能をダイレクトに反映する重要な数値です。

  • 正常値の目安:男性で10~45 U/L、女性で7~30 U/L
  • 上昇するケース:脂肪肝、薬物性肝障害、ウイルス性肝炎など

ALTは、脂質異常症の治療薬(スタチン系)や糖尿病治療薬(メトホルミン)、一部の抗生物質などで上昇することがあります。

また、サプリメントの過剰摂取もALT上昇の原因になる可能性があり、「健康のために摂ったつもり」が肝臓に負担をかけるケースもあります。

γ-GTPとは?

γ-GTP(ガンマグルタミルトランスぺプチダーゼ)は、肝臓や胆道に関係する酵素で、アルコール摂取や薬物、胆道系の異常によって上昇しやすい数値です。

とくに、アルコール性肝障害との関連が深い指標です。

  • 正常値の目安:男性で10~70 U/L、女性で10~40 U/L(施設によってやや異なる)
  • 上昇するケース:アルコール性肝障害、胆道閉塞、脂肪肝など

γ-GTPは、抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)や精神安定剤(バルビツール酸系)、一部の抗菌薬などで上昇することがあります。

また、鎮静剤や睡眠薬の長期使用でもγ-GTPが高くなる場合があります。

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薬による肝臓の負担を軽減する方法

薬は正しく使えば健康の回復や症状の改善に大きな力を発揮しますが、使い方を誤ると肝臓に負担をかけてしまうこともあります。

本章では、薬の服用による肝臓への負担をできるだけ軽減するため、次の3つの方法を紹介します。

  • 医師・薬剤師に相談しながら服用する
  • 用法・用量を守る(過剰摂取しない)
  • アルコールと併用しない

医師・薬剤師に相談しながら服用する

複数の薬を同時に使うことで、肝臓に過度な負担がかかることがあります。

薬を服用する際は、自己判断で市販薬やサプリメントを追加するのではなく、必ず医師や薬剤師に相談することが大切です。

とくに持病がある方や長期間薬を使用している方は、定期的な血液検査で肝臓の数値を確認しながら、服薬を見直すことも検討しましょう。

用法・用量を守る(過剰摂取しない)

「早く治したいから」と、決められた用量を超えて薬を飲むことは非常に危険です。

解熱鎮痛薬や風邪薬などは市販でも手軽に手に入りますが、過剰摂取すると肝臓に強いダメージを与えることがあります。

薬は決められた量・タイミングで飲むことが、肝臓の負担を最小限に抑える基本です。

アルコールと併用しない

アルコールは肝臓で分解されるため、薬と一緒に摂取すると肝臓への負担がさらに大きくなります。

解熱鎮痛剤や抗生物質など、肝臓に影響を与えやすい薬を服用している場合のアルコールの摂取は、数値異常や薬物性肝障害のリスクを高めることになります。

薬を服用中は、なるべくアルコールは控えるようにしましょう。

薬以外で肝臓に負荷がかかる要因

薬の服用だけでなく、日常生活の中にも肝臓に負担をかける要因は多く存在します。

代表的な要因は次のとおりです。

  • アルコールの過剰摂取
  • 脂肪肝や肥満
  • 睡眠不足や過労
  • サプリメント・健康食品の過剰摂取

上記の要因が重なることで、肝臓が処理しきれず、薬による影響がより強く出る可能性もあるため注意が必要です。

肝臓は自覚症状が出にくい「沈黙の臓器」ともいわれているため、気づかないうちにダメージが蓄積していることも少なくありません。

薬を安全に使うためにも、日常的に肝臓への負担を減らす意識を持つことが大切です。

肝臓の数値を正常化するためにできること

肝臓の機能は体全体の健康に大きな影響を与えるため、定期的に肝臓の状態をチェックし、必要な対策を講じることが重要です。

本章では、肝臓の数値を正常化するためにできることとして次の2つがあります。

  • 肝臓の状態を定期的にチェックする
  • 肝臓に優しい生活習慣を継続する

それぞれについて、詳しく解説します。

肝臓の状態を定期的にチェックする

肝臓の数値を正常化するための第一歩は、健康診断で定期的に肝機能をチェックすることです。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、多少ダメージを受けていても自覚症状が出にくいため、異常があっても気づかないことがよくあります。

健康診断では、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの数値が肝臓の状態を把握する指標として確認されます。

もし検査結果で数値が基準値を超えていた場合は、原因の特定が重要です。

たとえば、薬の服用歴や飲酒の習慣、肥満の有無などを医師と一緒に振り返り、生活習慣や薬の見直し、再検査などの対策がとられます。

健康診断の結果は「見て終わり」にせず、早期に対策を講じることが大切です。

とくに、薬を継続して服用している人や肝臓に負担をかける生活習慣がある人は、年に一度の健康診断を習慣にすることで、肝機能の異常を早期にキャッチしやすくなります。

肝臓に優しい生活習慣を継続する

肝臓の数値を正常化するためには、生活習慣の改善が不可欠です。

まず、バランスの取れた食事を心がけ、肝臓に負担をかける脂肪分やアルコールの摂取を控えましょう。

脂肪肝や肥満は肝臓に大きな負担をかけるため、適度な運動を取り入れて体重管理を行うことも大切です。

また、睡眠は肝臓の修復を助けるため、質の良い睡眠を十分にとることもポイントです。

生活習慣を改善することにより、肝臓の機能が回復し、数値が正常範囲に戻ることが期待できます。

肝臓は自己修復力がある臓器なので、日々のケアを続けることで、肝機能が向上しやすくなります。

まとめ|肝臓の負担が少ない適切な食事・運動で異常数値を防ごう

肝臓は私たちの体内で薬やアルコール、老廃物の処理などを担う重要な臓器ですが、知らず知らずのうちに負担がかかっていることも少なくありません。

薬を服用している場合、肝臓はその成分を代謝・分解するために大きく働くことになり、負担が蓄積すると数値異常や薬物性肝障害のリスクも高まります。

肝機能の異常を防ぐためには、日々の生活習慣の見直しが何より大切です。

バランスの良い食事と脂肪・糖分・アルコールの過剰摂取を避けることで肝臓負担を軽減できます。

定期的な健康診断での数値チェックと異常時の早期受診も大切です。薬との付き合い方を見直し、肝臓に優しい生活を心がけましょう。

肝臓健康に不安がある方は、当院「リペアセルクリニック」での再生医療もご検討ください。専門医が個別に合わせた治療をご提案しています。ぜひご相談ください。

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