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腰椎分離症でやってはいけないこと5つ!正しい治し方を専門医が解説

腰椎分離症 やってはいけないこと
公開日: 2022.09.23 更新日: 2025.02.12

腰椎分離症は、スポーツをしている成長期の子どもによく見られます。とくに野球やサッカー、バレーボールなど、ボールを打つ・蹴るときに腰をひねったり反ったりするスポーツで起きることが多い疲労骨折です。

周囲に取り残される不安から、「早く競技に復帰したい」「運動しながら治したい」といった気持ちになる方もいるでしょう。しかし、正しい治し方をしなければ症状が悪化する恐れがあります。

今回は腰椎分離症でやってはいけないことについて、治療の流れをあわせて解説します。腰椎分離症でやってはいけないことに関するよくある質問もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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腰椎分離症とは

腰椎分離症は疲労骨折により背骨の骨が分離してしまった状態です。

背骨は椎骨(ついこつ)というブロックのような骨が積み重なってできています。椎骨の背中側には椎弓(ついきゅう)と呼ばれる出っ張りがあり、この椎弓が分離してしまうと、腰から殿部、太ももにかけて痛みが現れることが一般的です。

また、骨折でずれた骨が神経を圧迫するとしびれが見られる場合もあります。

椎弓が分離する主な原因は成長期の過剰なスポーツ活動による疲労骨折で、成長期のスポーツ選手による腰痛の30〜40%を占めるとされています。

一度の衝撃で起こる骨折ではなく、骨が発達しきっていない時期に、繰り返し腰を捻ったりジャンプしたりして、椎弓部分にかかる負担が蓄積して起こります。骨折は発生の初期ほど癒合(※)しやすく、完全に分離してしまうと再び骨がくっつくことはありません。

※癒合(ゆごう)傷が治って離れていた皮膚や筋肉、骨がくっつくこと

▼ 腰椎分離症の症状や診断について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

腰椎分離症の初期症状

腰椎分離症は初期症状を自覚しづらく、骨折していても気づかない場合があります。

腰椎分離症に気がつくきっかけの多くが、運動後に感じる痛みです。ほかにも、無意識のうちに腰をかばうようになり、体をひねったり腰を反らしたりする動作に制限をかけてしまうこともあります。

腰椎分離症の初期症状には気づきにくいものの、早期の発見や適切な対処が回復への近道です。腰に痛みを感じる場合は、無理に運動を続けず、早めに整形外科医などの専門医を受診するようにしてください。

腰椎分離症でやってはいけないこと5つ

腰椎分離症は骨折の早期であるほど骨が癒合しやすいため、正しい時期に無理をしないことが重要です。

そこで、腰椎分離症になった場合に、やってはいけないことを5つ紹介します。

1.無理な運動やスポーツをする

安静が必要な期間に無理な運動をすると、骨折している部分に負担がかかり、分離が悪化したり、骨が治癒するのを妨いだりしてしまいます。

とくにスポーツ活動をしている場合、競技に早く復帰したい焦りから、少しでも体を動かしたい気持ちになるかもしれません。しかし、骨折部に負担がかからないように固定している期間は、腰を無理に曲げ伸ばししたり、捻ったりする動作は禁物です。

そのため、医師に指示されている間は、運動やスポーツを中止しましょう。

2.コルセットの装着を守らない

腰椎分離症の最初の治療として、疲労骨折により分離した部分を守るため、硬いコルセットを装着して動きを制限します。腰痛があるうちは装着を守るものの、痛みが軽くなればコルセットが動きを妨げるため、邪魔な感じがするかもしれません。

しかし、腰椎分離症は骨がしっかり癒合するより先に腰痛がなくなるため、痛みがなくなったからといって治ったわけではないので注意が必要です。そのため、痛みの程度により自己判断でコルセットを外さないようにすることが大切です。

3.痛い部分にマッサージやストレッチをする

腰痛があるからといって、痛い部分を圧迫するようなマッサージや腰をひねるようなストレッチをすると骨折を悪化させる恐れがあります。

そのため、自己判断で痛い部分のマッサージやストレッチをしないようにしましょう。

ただし、腰椎分離症が起こりやすい発育期は、筋肉の柔軟性の低下がさまざまな成長期特有の怪我の要因となります。腰椎分離症による痛みがある場合は、腰に負担がかからないよう、適切な指導のもとで骨折部分以外のストレッチを行いましょう。

4.重いものを持ち上げる

腰椎分離症のときには、重いものを持ち上げることを避けてください。重いものを持ち上げる・押す・引くといった動作は、腰に大きな負担がかかります。

骨折部分に過度なストレスがかかると、分離が進行したり、痛みが強くなったりして回復を遅らせる原因となります。

腰椎分離症のときは、日常生活でも重いものをできるだけ持たないよう心がけましょう。仮に重いものを持つ場合には、意識的に膝を使って腰への負担を減らすことが大切です。

5.長時間同じ姿勢を続ける

腰椎分離症のときには、長時間同じ姿勢を続けないようにしてください。

座ったままや立ったままの姿勢を長時間続けると、腰椎に負担をかけるだけではなく、血流の流れが悪くなり、より痛みや張りを覚える場合があります。

同じ姿勢が長時間続きそうになったら、姿勢を変えたり軽く動いたりして、腰椎にかかる負担を軽減する必要があります。また、座るときには椅子やクッションなどを使用し、背中をまっすぐ伸ばして適切な姿勢を保つことも大切です。

回復を促進するためにも、腰椎分離症のときは長時間同じ姿勢を続けないよう気をつけてください。

腰椎分離症は運動しながら治せる?治療の流れ

腰椎分離症は運動しながら治せるのかと疑問を持つ方もいるでしょう。胸椎分離症は、痛みや状態、治療の段階によって、運動しながら痛みをコントロールしていく場合もあります。

腰椎分離症ではやってはいけないことに関して理解を深めるためにも、治療の流れを理解しておきましょう。

初期から進行期(急性期)の治療

疲労骨折が起こり、進行するまでの間を急性期(きゅうせいき)と呼びます。

急性期に治療を開始すれば、骨が結合する可能性が高いため、できるだけ早期に正しい治療を始めることが大切です。

治療方法としては、硬いコルセットやギプスを着用して腰の動きを制限するとともに、スポーツなどの運動を中止します。

あくまでも骨を癒合させるための治療になるため、痛みがなくなったからといって勝手に治療を中止しないよう注意してください。しっかりと骨が癒合するのを待ち、医師の指示にしたがって運動やスポーツを再開します。

終末期(慢性期)の治療

骨の分離が進んでしまった時期を終末期(しゅうまつき)または慢性期(まんせいき)と呼びます。

慢性期で完全に骨が分離してしまうと、再び癒合することは期待できません。そのため、骨を癒合させる目的での安静は行わず、痛みをコントロールしながら運動やスポーツを再開していきます。

具体的には、柔らかいコルセットを着用したり、痛み止めを服用したりして痛みをコントロールします。

また、腰椎が分離したからといって必ずしも強い痛みがあったり、日常生活に支障をきたしたりするわけではありません。運動をしながら腹筋や背筋などを鍛えていくと、腰痛の予防にもつながるでしょう。

なお、成人に見られる腰椎分離症も骨が癒合することはないので、痛みが軽い場合は必ずしも仕事や運動を中止する必要はありません。

腰椎分離症の主な原因はスポーツ動作によるもの

腰椎分離症は、主に成長期に腰椎に負担がかかるスポーツ動作を繰り返すことが原因で発症します。

骨格が十分に形成されていない成長期では、疲労骨折のリスクが高まるため注意が必要です。ただし、野球やサッカー、バレーボールなどの球技をしていても、必ずしも腰椎分離症になるわけではなく、個人差が大きいといえるでしょう。

なお、遺伝的な要素が原因で発症する腰椎分離症もあります。そのため、スポーツや運動をしないからといって必ずしも無縁ではありません。腰に痛みがある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

リペアセルクリニックでは、メール相談オンラインカウンセリングを実施しています。医療機関を受診すべきか迷うような痛みでも、ぜひ気軽にご相談ください。

まとめ・腰椎分離症でやってはいけないことに気をつけて悪化を防ごう

腰椎分離症は骨折部に負担をかけないようにして、骨が癒合するのを待つことが重要です。そのため、無理な運動や痛みを感じる部位へのマッサージなど、腰椎分離症でやってはいけないことをしっかり守る必要があります。

腰椎分離症は、初期段階で治療ができれば高い確率で骨が癒合する骨折です。腰に痛みを感じたら、無理せず運動を中止しましょう。競技への早期復帰を実現するためにも、早めに整形外科への受診をして、正しい治療を受けることが大切です。

腰椎分離症でやってはいけないことに関するよくある質問

ここでは、腰腰椎分離症でやってはいけないことに関するよくある質問をまとめました。

腰椎分離症が悪化するとどうなる?

腰椎分離症が悪化すると、腰椎すべり症を引き起こす場合があります。

腰椎すべり症とは、腰椎分離症によって腰椎が不安定になり、骨同士がずれてしまう病気です。重度の場合や保存療法で改善が見られない場合には手術が必要になります。

▼ 腰椎すべり症について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

腰椎分離症でもできるストレッチはある?

腰椎分離症でも、骨折部分に負担をかけない範囲で股関節や脚のストレッチができます。

ただし、痛みが悪化したり分離が進行したりしないよう、自己判断によるストレッチや運動は避けたほうが良いでしょう。競技への復帰を早めるためにも、腰椎分離症のときはかかりつけ医や専門医の指示のもとで適切にストレッチすることが大切です。

腰椎分離症の終末期にやってはいけないことはある?

腰椎分離症が進行して、終末期(慢性期)に入った場合でも、痛みがある場合は無理な運動や過度な負担がかかる動作は避けましょう。

終末期では、腰椎を支える筋力を強化するためのリハビリテーションが重要です。痛みがなくなり運動できるようになったからといって、自己判断で無理をするのは禁物です。痛みが長引く場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

なお、リペアセルクリニックでは、メール相談オンラインカウンセリングも実施しているので、ぜひ気軽にご相談ください。

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