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手根管症候群とはどんな病気?症状と治療法をわかりやすく解説!

手根管症候群とはどんな病気?症状と治療法をわかりやすく解説!

手根管症候群をご存知でしょうか?

手根管症候群は、手のしびれを訴えて病院を受診する人の中で最も多い病気です。手根管症候群の可能性があるのは以下のような症状がある人です。

  • ・しびれや痛みは親指、人差し指、中指、そして薬指の半分(親指側)の範囲に現れます。
  • ・朝起きたときに症状が強く現れ、手をぶらぶらと振ると症状が軽くなります。
  • ・手のひらを上にして机の上に腕を置き、手首を上向きに90度程度曲げると、指の痛みやしびれが現れます。

手根管症候群は放置すると親指の付け根の筋肉が痩せてしまい、小さいものをつまんだりする動作ができなくなります。

 

手根管症候群とはどんな病気?症状と治療法
症状:親指と人差し指でOKサインがつくれない

初期であれば飲み薬や手首の安静などで改善することが多いのですが、筋肉が痩せてからでは手術が必要なこともある為、手根管症候群を疑う所見がある方は、早めに整形外科で受診してもらいましょう。

手根管とは

手根管は手のひら側の手首の部分にあります。具体的には手の骨(手根骨)の手のひら側に横手根靱帯という靱帯が横向きにあり、この手根骨と横手根靭帯の間のすき間を正中神経という神経と、指を動かすための9本の腱が通り抜けています。

手根管とはこの正中神経と9本の腱が通り抜けるトンネルのような部分です。

手根管症候群では横手根靭帯が浮腫んだり厚みが増すことで、トンネル部分が狭くなり、正中神経を圧迫することによって症状が現れます。またまれですが手根管にコブができて正中神経を圧迫することもあります。

正中神経とは

正中神経は腕にある主要な3本の神経(正中神経・橈骨神経・尺骨神経)のうちの1つです。
正中神経には痛みや物に触れた感じを伝える感覚神経と、筋肉を動かす運動神経が混ざっています。

感覚神経

親指、人差し指、中指、そして薬指の親指側半分の領域を担っています。

運動神経

手の範囲では、主に親指を動かす母指球筋を担当しています。

(正中神経は手根管よりも肩側ではその他に前腕の回内や手首を曲げるといった役割も担っています)

手根管症候群になる可能性のある病気

手根管症候群になる可能性のある病気としては、以下のようなものが挙げられます

  • ・手首の骨折
  • ・手根管内の腫瘍
  • ・リウマチによる滑膜炎
  • ・アミロイドーシス
  • ・甲状腺機能低下症
  • ・痛風
  • ・透析患者

しかし、手根管症候群になったら、上記のようないずれかの病気が必ずあるわけではなく、むしろ手根管症候群で最も多いのは、原因不明の「特発性」です。

手根管症候群は、妊娠や出産時期、更年期の女性にも多くみられます。これは女性ホルモンの乱れによって手根管部が浮腫み、正中神経を圧迫するためと考えられています。

その他に仕事などで手を酷使する人などに多いという説もあり、例えば以下のようなものです。

  • ・パソコンをよく使う人
  • ・工具のドライバーをよく使用する人
  • ・振動する機械をよく使う人

 

手根管症候群の症状

手根管症候群の初期には人差し指、中指がしびれたり痛くなります。進行すると親指から薬指の半分(親指側)までしびれます。同じ範囲の感覚が鈍くなることもあります。

これは正中神経の範囲です。

しびれや痛みは明け方に強く感じることが多く、手を振ったり、指の曲げ伸ばしをすると症状が軽くなります。人によっては手がこわばる、と表現する人もいます。

手根管症候群の初期症状があらわれているにもかかわらず、この症状を放置すると親指の付け根にある筋肉(母指球筋)がしぼんで、親指の動きに制限がでてきます。

たとえば小さなものを親指と人差し指でつまみにくくなる、親指と人差し指で〇をつくることができない、などです。

例えば、こんな症状はありませんか?

  • ・ボタンがつまみにくい
  • ・小銭を拾いにくい
  • ・物をよく落とす
  • ・親指と人差し指でOKサインがつくれない
  • ・親指の付け根部分の筋肉のふくらみが減ってきた

このような症状を自覚したら、医療機関にて相談してみることをお勧めします。その際に行われる検査について以下で見て行きましょう。

手根管症候群の検査

整形外科を受診すると、手首や手を動かして正中神経障害の症状が現れるかどうかを調べます。

・ティネルサイン

手首を打腱器などで叩いて、正中神経の範囲の指にしびれや痛みを感じるかどうか調べる。

・ファレンテスト

左右の手の甲を合わせて、手首を90°曲げたままにし、1分以内に正中神経の領域にしびれや痛みが現れるかをみる。これらの検査で確定診断できない場合は筋電図検査を行うこともあります。

・筋電図検査

正中神経に電気を流して電気の伝わる速度を調べる。また、手根管にコブができている可能性がある場合は画像検査を追加します。

・超音波検査/MRI

手根管部の腫瘤の有無を確認します。

手根管症候群の治療

手根管症候群と診断されたら、消炎鎮痛剤やビタミンB12、シップや塗り薬などの薬物療法、その他に手首を固定する装具の着用や運動制限などを行います。

炎症が強い場合には手根管内に炎症を抑えるステロイドなどの注射を行うこともあります。

これらの治療で改善しない場合や腫瘤がある場合、母指球筋が痩せている場合には手術療法が必要なこともあります。最近はできるだけ傷が小さくて済むような、カメラを用いた鏡視下手根管開放術や直視下手根管開放術などが主流です。

母指球筋の萎縮が強い場合は別の場所から腱を移動する母指対立再建術を行なうこともあります。

まとめ・手根管症候群とはどんな病気?症状と治療法をわかりやすく解説!

今回は、手根管症候群についてご紹介しました。

手のしびれを感じた場合に多くみられる症状が手根管症候群です。特に指先が上手く使えないことが多くあり、色々な病気が疑われるところですが、実際は突発性、原因が不明なことが多くなります。いずれにしても手にシビレや、指先が思うように動かせないなどこちらで記した症状やそれ以外でも何か疑われることが1つでも感じた場合は、医療機関、整形外科等にて早めの診断が重要です。

比較的初期であれば飲み薬や、手首の安静などで症状が改善することが多くありますが、症状が進むと手術が必要になることもあり、重々注意しなければなりません。

以上、手根管症候群について記しました、参考になれば幸いです。

 

No.087

監修:医師 坂本貞範

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