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【医師監修】女性がくも膜下出血を発症する2つの原因や予防策を解説

くも膜下出血
公開日: 2022.11.23 更新日: 2025.01.15

くも膜下出血とは、脳と周囲の膜との間の空間(くも膜下腔)で出血が伴う病気です。

くも膜下出血は女性の方がなりやすい傾向にあり、発症率は男性のおよそ2倍との報告もあります。発症原因には、女性ホルモンの減少や、育児・家事と仕事の両立といったストレスが大きく関係しているとされています。

本記事では、くも膜下出血の性別による発症率の違いを詳しく解説します。女性特有の発症原因や予防法も紹介しているので、くも膜下出血と女性の関係性を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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女性のくも膜下出血の発症率は男性の2倍【20代・30代の若さで発症するケースも】

くも膜下出血の男女別における発症率は、男性よりも女性のほうが高い傾向にあります。比率としてはおよそ2倍であると示す報告書もあります。(文献1

女性のくも膜下出血の発症年齢も見ていきましょう。

以下のグラフは、日本脳卒中データバンクの報告書に掲載されている、男女別のくも膜下出血の発症時年齢を示したものです。

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出典:日本脳卒中データバンク|「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」報告書2023年(発症時年齢・脳梗塞)

女性がくも膜下出血を発症する年齢は、50〜70代に多く、ピークは70歳後半です。一方で男性のピークは50歳代で、女性のほうが発症年齢が高い傾向にあります。

また、男女問わずですが、くも膜下出血は20代・30代の若さで発症するケースもあります。(文献2

くも膜下出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。

これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、くも膜下出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。

詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。

再生医療とは

くも膜下出血における女性特有の2つの原因

ここでは、くも膜下出血を発症する女性特有の原因を解説します。

主な原因は以下の2つです。

・女性ホルモンが減少するから
・ストレスがかかりやすい生活環境にいるから

順番に見ていきましょう。

なお、くも膜出血は脳疾患の中でも症状が重いと言われており、早期の治療が大切です。以下の記事では、くも膜下出血の10年後の生存率や治療法について解説しているので、詳細が気になる方はぜひあわせてご覧ください。

女性ホルモンが減少するから

くも膜下出血のにおける女性特有の要因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。

とくにエストロゲンという女性ホルモンは、血管を健康に保つ働きがあります。しかし、女性は年齢とともに閉経を迎え、50歳以上になるとエストロゲンの分泌量が大幅に減少します。エストロゲンが減ると、血管を保護する力が弱まり、血管が傷つきやすくなるのです。

結果として、動脈瘤と呼ばれるこぶのようなものが血管にできやすくなり、それが破裂することでくも膜下出血が起こるリスクが高まります。(文献3

ストレスがかかりやすい生活環境にいるから

ストレスには、血圧を上昇させたり、血管を傷つけたりする作用があります。くも膜下出血の原因の1つは高血圧であるため、慢性的なストレスは発症率を高める可能性があります。(文献4

現代社会において女性は、仕事と家庭の両立で多重役割によるストレスを抱えやすい立場にいるといえるでしょう。このような状況が、女性のくも膜下出血発症率の上昇につながっているとも考えられます。

なお、くも膜下出血の前兆には首の痛みがあります。以下の記事では、具体的な症状を解説しているので、早期発見の知識を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。

男女共通のくも膜下出血の原因

くも膜下出血の原因は複数ありますが、とくに気をつけたいのが高血圧です。血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり破裂しやすくなるためです。

そのほかにも、くも膜下出血の可能性を高めるリスク要因には以下のようなものがあります。

・喫煙
・動脈瘤の家族歴
・多発性嚢胞腎の病歴
・過度のアルコール飲酒歴
・以前に破裂した脳動脈瘤の病歴
・ワーファリンなどの血液希釈剤の使用
・脳または体の他の場所にある未破裂の動脈瘤
・線維筋性異形成(FMD)などの結合組織状態

くも膜下出血を予防するには、日頃から血圧管理を心がけ、定期的に健康診断を受ける意識が大切です。

【女性必見】くも膜下出血に対する5つの予防法

原因を把握したあとは、くも膜下出血の予防法について解説します。

女性に焦点を当てた内容となっていますが、男性にも該当する予防法が含まれます。

・女性ホルモンのバランスを整える
・ストレスケアをおこなう
・定期的に運動する
・コーヒーを含むカフェインを飲みすぎないようにする
・禁煙する

順番に見ていきましょう。

女性ホルモンのバランスを整える

女性ホルモン(エストロゲン)は血管の健康維持に不可欠です。ホルモンバランスが崩れると、血管が弱くなり、くも膜下出血のリスクが高まります。

以下は、女性ホルモンのバランスを整えるために有効な方法です。

・適度な運動
・十分な睡眠時間の確保
・栄養バランスの良い食事

食事の際は、大豆製品やイソフラボンを含む食品を積極的に食べるのが良いとされています。これらには女性ホルモンに似た成分が含まれており、ホルモンバランスの改善に役立ちます。

ストレスケアをおこなう

ストレスは、血管を傷つけ、くも膜下出血のリスクを高める要因の1つです。そのため、ストレスケアがくも膜下出血の予防につながります。

以下は、ストレスケアに有効な取り組みです。

・十分な睡眠
・適度な運動
・趣味の時間に没頭
・ヨガ・ストレッチ

自分に合ったストレスケア方法を見つけ、日常的に実践していきましょう。

定期的に運動する

運動を習慣化すれば血圧の安定化が期待でき、くも膜下出血の予防にもつながります。

以下は、無理なくはじめられる運動メニューです。

・ストレッチや体操
・軽い筋力トレーニング
・家庭菜園やガーデニングなどの日常活動
・早歩きやサイクリングなどの有酸素運動

運動には血圧の安定化とストレス解消の二重効果があります。無理のない範囲で継続的に体を動かして、健康的な血圧水準を維持しましょう。

コーヒーを含むカフェインを飲みすぎないようにする

カフェインの過剰摂取は血圧上昇を引き起こします。以下は、カフェインを含む飲み物なので、飲みすぎないようにしましょう。

・紅茶
・コーラ
・コーヒー
・エナジードリンク

適度な量であれば、大きな問題はありません。コーヒーの場合は1日4杯以上飲むと、血圧が上昇する可能性があるといわれているので、3杯を目安に抑えるのが良いでしょう。

禁煙する

たばこの煙には、血管を傷つけたり、狭くしたりする有害な物質が含まれています。そのため、喫煙の習慣があると、くも膜下出血のリスクを高めてしまいます。

禁煙を考えている方は、以下のような手段でタバコを吸う機会を減らしてみてください。

・禁煙外来の利用
・ニコチンガムの活用
・ニコチンパッチの使用
・禁煙イベントの参加

タバコを吸うとくも膜下出血の発症リスクが高まるだけでなく、肺がんや心疾患といった別の病気を引き起こす原因になります。健康的な生活を送るためにも、タバコを断つ努力をするのが良いでしょう。

まとめ|くも膜下出血における女性特有の原因を知って予防に努めよう

くも膜下出血は、女性の方が男性よりもなりやすい病気です。女性ホルモンの低下や育児・家事といった女性ならではのストレスなど、性別特有の要因でくも膜下出血を発症するケースもあります。

そのほかにも、くも膜下出血の原因には、カフェインの過剰摂取や運動不足、喫煙などの生活習慣が大きく関係しています。

くも膜下出血の発症リスクを軽減させるためにも、男女問わず、生活習慣の改善と定期的な健康診断を心がけましょう。とくに女性はホルモンバランスが崩れやすい更年期以降、より意識的な健康管理が必要です。

なお、くも膜下出血の治療には「再生医療」が有効です。

再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。

具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。

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【参考文献】

文献1:https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_04.pdf
文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/scs/38/3/38_3_186/_pdf
文献3:出典|国立医学図書館https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16381192/
Jamous MA, Nagahiro S, Kitazato KT, Tamura T, Kuwayama K, Satoh K. Role of estrogen deficiency in the formation and progression of cerebral aneurysms. Part II: experimental study of the effects of hormone replacement therapy in rats. J Neurosurg. 2005 Dec;103(6):1052-7. doi: 10.3171/jns.2005.103.6.1052. PMID: 16381192.
文献4:https://www.jstage.jst.go.jp/article/joh1995/37/3/37_3_169/_pdf

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