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側弯症でやってはいけないこと!ストレッチや筋トレなどで注意すべきこと

側弯症でやってはいけないこと!ストレッチや筋トレなどでの注意点

「側弯症でどのようなストレッチをしたらいいの?」

「側弯症でスポーツをしても大丈夫なのか不安…」

側弯症において、このような疑問がある方はいませんか?

今回は側弯症の場合にストレッチや筋トレ、スポーツで注意するポイントを紹介します。

正しい知識を持てば、側弯症でも運動が可能ですので、しっかり確認しましょう。

側弯症とは?症状や原因、種類について紹介

側弯症は背骨が左右に弯曲する状態です。

側弯症にはさまざまな原因があり、原因や特徴によって分類されます。

やってはいけないことについて理解をしやすくするために、ここでは側弯症の種類や原因、症状について解説します。

側弯症の原因や症状

側弯で最も多い突発性側弯は、発症原因がよくわかっていないのが特徴です。

変性側弯も加齢による変形が原因ですが、なぜ変形するのか根本的な原因は不明な点も多いです。側弯があっても痛みなどの症状がない場合が多く、進行すると左右で非対称な見た目で変形がわかります。

子どもの側弯は学校の運動器健診の 1 つとして義務化されており、そこで指摘されて初めてわかることも少なくありません。

具体的には、次のような部分で非対称が確認できます。

側弯症

  • ・肩の高さの左右差
  • ・片方の肩甲骨が突出している
  • ・ウエストラインが非対称
  • ・前屈みになると片側が盛り上がって見える

変形の程度は人によってさまざまで、軽度の場合は定期的な経過観察で進行の有無を見逃さないようにするのが大切です。中度〜重度になると専用の装具や手術の検討も必要になります。

また、側弯が悪化すると腰や背中の痛みがでたり、背骨にある神経を圧迫して、しびれなどの神経症状がみられたりします。

側弯症の種類

背骨の変形を伴うものを「構築性側弯」、背骨の変形を伴わないものを「機能性側弯」といいます。

機能性側弯

機能性側弯は痛みをかばったり、足の長さの違いを補ったりするために起こる側弯です。

つまり、見かけ上は背骨が弯曲していても、原因を取り除けば側弯は解消されます。

構築性側弯

一方、背骨の変形を伴う構築性側弯には以下のような種類があります。

疾患名

特徴

特発生側弯

全体の80%前後を占める最も多い側弯。多くが思春期に発症して、女子に多い。原因は不明。

先天性側弯

先天的な背骨の変形などにより生じる側弯。

症候性側弯

神経や筋肉の病気により生じる側弯。

変性側弯

加齢に伴う背骨の変形による側弯。

一般的に側弯と呼ばれる疾患は構築性側弯で、多くは突発性側弯です。

再生医療とは

側弯症の日常生活でやってはいけないこと

通学鞄の種類や寝る姿勢、ベッドか布団かといったような生活習慣は、側弯症と関係ないといった研究があります。そのため、日常生活では特別やってはいけないことというのは明確には分かっていません。

ただし、側弯症の場合、片側に姿勢が傾きやすかったり、腰を痛めたりといった点で日常生活に影響を及ぼす場合があります。長時間の崩れた姿勢は、見た目上の問題や腰痛につながることになります。

また、腰痛がある場合に、重いものをもったり、無理な運動をしたりするのは症状の悪化を招きかねません。

そのため、できるだけまっすぐな姿勢を保つ、痛みがあるのに無理な運動をしないといった点には気をつけましょう。

側弯症の筋トレやストレッチでやってはいけないこと

側弯症では弯曲した姿勢を修正するため、弱った筋肉を筋トレで鍛えたり、硬くなった筋肉をストレッチで伸ばしたりといった運動をよく耳にするかもしれません。

しかし、注意しなければ症状を悪化させる危険性があります。

そこで、筋トレやストレッチの注意点を解説します。

筋トレで注意すること

側弯症に対する筋トレの基本は、弯曲の凸側の筋力強化をして、凸になっている姿勢を修正することとされています。そのため、誤って凹側の筋力強化をしてしまうと、背骨をゆがみを強める力を働かせてしまうので注意が必要です。

また、凸側を鍛えると分かっていても、動きのコツをうまく理解していないと鍛えたい筋肉がうまく働きません。

例えば、腰の部分が右凸に変形しており、右側の骨盤が下がっている場合、右側の骨盤を持ち上げるようにしてトレーニングする方法があります。

この場合、 骨盤を持ち上げるのに合わせて上半身を一緒に左に傾けてしまうと、うまく腰回りの筋力を鍛えることができません。

このように、筋トレには側弯の状態に合わせた方法をオーダーメイドで考えることが大切です。

整形外科などで姿勢を評価してもらい、専門家の助言を受けるようにしましょう。

ストレッチで注意すること

側弯のストレッチでは以下の 3 点に注意が必要です。

  • ・適当な方法で行わない
  • ・痛みが出るまで無理をしない
  • ・反動や勢いをつけない

筋トレと同様にストレッチでも正しい方法でストレッチをしなければ、より姿勢を悪化させる原因になりかねません。

また、痛みが出るまで伸ばしたり、反動や勢いをつけたりすると変形をした背骨に負荷がかかってしまいますので注意しましょう。

側弯症でスポーツをする場合の注意点

側弯症だからといって、運動をすべて制限するのではなく、適度な運動を続けることは心身の機能を保つために必要なことです。

また、特定のスポーツであればクラシックバレエの経験がある女子に側弯が発生しやすいという研究があります。ただし、バレエが側弯に影響していたのか、側弯になりやすい体型の子がバレエをやっていることが多いのかは分かっていません。

そのほかのスポーツに関しても、側弯症の発症が増えるという科学的な根拠は明らかになっていません。しかし、腰痛のような症状が悪化するような無理な運動はしないようにしましょう。

また、痩せ型の女子に側弯が多いというデータがあり、スポーツのために無理な減量やダイエットをするのは控えた方がよいでしょう。

側弯症でも注意点を守れば運動は可能!気をつけて悪化を防ごう

側弯症で筋トレやストレッチをする場合は、正しい方法で行わなければ、症状を悪化させる危険性があります。そのため、側弯の程度や弯曲の仕方をチェックして、一人ひとりに合わせた方法で実施するのが大切です。

トレーニングやストレッチが適応かどうかは、整形外科を受診して医師に確認するようにしましょう。

運動を続けることは、心身の健康を保つためには必要なことですので、症状のない範囲で行いましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.S103

監修:医師 加藤 秀一

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