【胸郭出口症候群】自分で分かる!症状をチェックできるテストのやり方
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【胸郭出口症候群】自分で分かる!症状をチェックできる方法をご紹介!
胸郭出口症候群とは、腕を上げる動作を行った時に腕の痺れや、肩周りの痛みが生じる疾患です。日本人の女性に多く見られ、症状が強いと日常生活に影響が出ることもあります。
この記事では、そんな胸郭出口症候群の原因や、症状を疑った際に確かめられるセルフテストのやり方とチェックリストをご紹介します。
胸郭出口症候群の原因
肩甲骨周りから腕にかけての、運動と感覚を支配する神経の集まりを、腕神経叢(わんしんけいそう)と言います。
この腕神経叢と、同部位に血流を送る鎖骨下動脈は、同じ筋肉や骨の間を通ります。その間で圧迫され、神経障害や血流障害が生じるため痺れや痛みの症状が起こるのです。
具体的には「前斜角筋と中斜角筋の間」「鎖骨と第一肋間の間」「小胸筋の肩甲骨烏口突起 停止部の後方」を走行し、圧迫される部位により名前は異なりますが、総称して”胸郭出口症候群”と呼びます。
なで肩の女性や、重いものを持ち上げることが多い人、野球やバスケット、バドミントンなど腕を上げる動作が多いスポーツをよくおこなう方になりやすい疾患です。そのため、スポーツ障害の一種ともされています。
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また、「※頚肋(けいろく)」の方も胸郭出口症候群になりやすいとされています。生まれつき人の頚椎には、横突起という側方に出っ張るような構造があります。
※頚肋とは、第 7 頚椎の横突起が発達して、まるで短い肋骨のように側面まで伸びてきてしまっているもののことを言います。
胸郭出口症候群の症状
胸郭出口症候群の主な症状は、神経や血管が圧迫されることによる神経症状や血行障害によるものです。
神経症状は、肩周りから腕にかけてのビリビリとした痺れや感覚障害があります。
血行障害は、動脈が腕に行き届かず白くみえたり、逆に静脈がきちんと帰っていかず、鬱血状態になってしまうことで青紫色のように見えてしまうなどです。
それ以外に、腕のだるさや肩凝りのような肩の重い感じ、腕の冷えを訴える方も多くおられ、症状は人によってさまざまです。
上記のような神経症状や血管症状が持続し進行すると、手の握力低下や細かい動作がしにくくなる、といった指の運動障害を認めることがあります。この運動障害がある場合、手の筋肉が萎縮してしまうため手の甲の骨の間がへこんでしまいます。
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胸郭出口症候群の治療
胸郭出口症候群の治療は、原則保存療法です。痛み止めや血流を改善させる薬を用いつつ、リハビリを行い症状の軽減を目指します。頚肋が原因の場合や症状がとても強い場合などは手術で骨の遺残を取り除く手術を行うことがあります。
胸郭出口症候群のセルフテストのやり方とセルフチェックリスト
前述したように胸郭出口症候群は症状が人によってさまざまであるため、診断することが難しくきちんと治療を受けることができない場合があります。
そんな時に活用できる、ご自身で胸郭出口症候群かどうか疑うためのチェックリストと、より明確なセルフテスト方法を紹介します。
以下のチェックリストにある症状のうち、 1 つでもある場合は、胸郭出口症候群の可能性があります。
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胸郭出口症候群セルフテストと、そのやり方
胸郭出口症候群を疑うかどうかを判断するためのテスト方法があります。
ご自身で簡単に行うことができるため、紹介します。そこで、胸郭出口症候群のセルフテストの代表的なもので 4 種類のテスト方法があり、以下にご紹介します。
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これらのテストが陽性であった場合、胸郭出口症候群の可能性が高まります。
まとめ・【胸郭出口症候群】自分でできる症状チェック方法を紹介!
胸郭出口症候群やそのセルフチェックに関して紹介しました。この記事で述べたようにこの疾患は、腕を上げるなど日常的に行う動作で痛みや痺れが生じるため日々の生活に支障をきたします。
治療は基本的に保存療法となりますが、発見と治療介入が遅れると症状緩和のために手術を行わなければならなくなる場合もあります。早期にリハビリなどを始めることで少しでも症状を和らげましょう。
そんな時にこの記事で紹介した「チェックリスト」や「セルフテスト」が有効です。
違和感をはじめ、少しでも疑う症状があった場合は、ぜひ一度確認してみられてはいかがでしょうか。
症状があるのであれば、整形外科を受診しましょう。
この記事がご参考になれば幸いです。
No.S112
監修:医師 加藤 秀一
▼以下にも胸郭出口症候群の情報を記しました
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