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ジョーンズ骨折で悩むアスリートへ!有効な治療方法と復帰、予防法について

公開日: 2023.03.06
更新日: 2024.10.07

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ジョーンズ骨折で悩むアスリートへ!有効な治療方法と復帰、予防法について

ジョーンズ骨折、なかなか聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか?

しかし、意外にもジョーンズ骨折になってしまったアスリートは少なくありません。海外でも活躍する某有名サッカー選手もこのケガに悩まされていました。

本記事では、そんなジョーンズ骨折の原因と治療法、予防法やテーピングについてなど、詳しく解説していきます。ぜひご参考にされてください。

ジョーンズ骨折

ジョーンズ骨折とは?

ジョーンズ(Jones)骨折とは、第五中足骨の踵寄り(第五中足骨基部)に起こる骨折のことで、骨癒合しにくく、治るのに時間がかかる骨折の一つです。第五中足骨基部に起こる骨折は、以下の 3 つがあります。いずれも見分けるのが難しいため、ひとまとめにジョーンズ骨折と呼ぶことも多いです。

  • ・基部裂離骨折
  • ・ジョーンズ骨折
  • ・骨幹部疲労骨折

ジョーンズ骨折の原因と症状

ジョーンズ骨折が発症する原因と、その後に生じる症状を説明します。

発症初期では気づかれないケースもあるジョーンズ骨折ですが、痛みや違和感がある場合はチェックしてみましょう。

原因|スポーツ外傷で多発

ジョーンズ骨折は、あるスポーツ動作で頻発する骨折です。

その動作とは、「ストップ」や「ターン」などの速い動作の切り返しです。このストップ、ターン(切り返し)によって、急激に第五中足骨に負荷がかかり骨折してしまいます。

しかし、これらの動作だけが骨折の原因ではありません。他にも以下のようなあらゆる要素が重なって引き起こされるのです。

  • ・トレーニング過多による第五中足骨への疲労の蓄積
  • ・硬いサーフェースの問題(人工芝、アスファルトなど)
  • ・下肢のアライメント異常(例;足の外側に体重が乗りやすい)
  • ・スパイクのポイントの位置
  • ・第五中足骨基部への血流が乏しい
  • ・第五中足骨基部に靭帯や腱が多数付着している

ストップやターンは、最後の引き金に過ぎません。

症状|痛みの出方は?

症状は骨折の程度によって大きく変わってきます。

発症初期の不全骨折(ヒビ)であれば、運動中に少し痛みを感じる程度で、骨折部分を強く押すとズキっと痛みを感じる場合があります。

そのまま運動を継続すると、徐々に痛みが増していき、歩くのもままならない状態になってしまいます。その時には、骨折部の状態は悪化していることが多く、完全骨折となっている可能性もあるでしょう。

捻ったり、ストップやターンの切り返しで完全骨折となることも多いです。

診断|レントゲンやエコー検査が有効

診断にはレントゲン画像によって判断が可能です。レントゲン撮影は、一方向だけでなく、角度を変えて複数方向からの撮影が有効となります。

しかし、初期の不全骨折の場合はレントゲン画像での判断が難しいケースもあるため、MRIや超音波検査も有用です。

スポーツ医療の治療

ジョーンズ骨折に有効な治療方法

ジョーンズ骨折は、他の骨折に比べ骨癒合が得にくい(遷延治癒:せんえんちゆ、偽関節など)、骨癒合が得られたとしても再骨折のリスクが高い骨折と言われています。

そのため、治療方法にはその人の置かれた状況を考慮し、慎重に選択する必要があります。

スポーツ選手なら手術療法を推奨

激しいスポーツ動作を繰り返すアスリートは、手術療法を推奨します。早期復帰や再骨折のリスクを減らす効果があるからです。

手術方法は割とシンプルで、第五中足骨に対しスクリューを埋め込む「髄内固定術」が一般的に行われています。

手術療法は、治療成績も良好で保存療法に比べ再発のリスクも低いですが、スクリューの位置を誤ったり、復帰が早過ぎたりした場合に、癒合不良や偽関節を引き起こす可能性もあります。

手術を受ける際の費用や、復帰までの期間の目安は以下です。

  • 手術費用・入院費用:10〜15万円
  • 入院期間:3日〜2週間
  • スポーツ復帰目安:2〜3ヶ月

※手術・入院費用、入院期間はあくまで目安です。医療機関ごとに違いがあります。

手術後は、医師や看護師、リハビリスタッフの指導を守って過ごすことが大切です。

保存療法を選ぶならムリは禁物

手術療法に抵抗がある方や、何らかの理由で手術療法が難しい方は保存療法を選択します。

保存療法では、骨が癒合していない状態で絶対に無理をしないということが重要です。特に初期の段階では、骨癒合を第一に考え、体重をかけないようにします。その間に、骨癒合を促進させるような超音波治療器を用いる場合もあります。

骨癒合にかかる期間は個人差がありますが、少なくとも3〜4週間はかかります。レントゲン画像にて骨癒合が認められたら、少しずつ体重をかけていくようにしましょう。

歩く時に行う踏み返し動作は骨折部に負荷がかかりやすいため、慎重に進めることを推奨しています。歩行が問題なくできるようになったら、少しずつ強度を上げてスポーツの動きを入れていきます。

また、後で述べますがインソールやサポーターも再骨折予防のためには有効な手段です。

ジョーンズ骨折後のスポーツ復帰と予防

ジョーンズ骨折は再発しやすいため、状態を見極めて段階的に復帰することが大切です。

復帰までの流れや、復帰する際に準備したいテーピングやサポーター、インソールについて紹介します。

スポーツ復帰までは慎重に進めることが大切

骨癒合がみられ、歩行が許可されました。では、スポーツも徐々に・・・というわけにはいきません。

骨癒合まで我慢していたのに、復帰を焦ってしまって再骨折してしまう例は少なくないのです。そうならないためにも、スポーツの復帰には万全を期す必要があります。

【スポーツ復帰までの流れの例】

  • ①その場でできるスクワットやカーフレイズ(爪先立ち)の運動
  • ②ランジや片脚スクワット、片脚カーフレイズで片側に体重をかけて行う運動
  • ③軽いジョギング
  • ④徐々にスピードを上げたランニング、ダッシュ
  • ⑤ストップやターン動作の練習
  • ⑥ジャンプ動作の練習
  • ⑦各スポーツの練習を徐々に復帰
  • ⑧競技に完全復帰

段階的に上記のようなメニューを行い、痛みや違和感が出たら前のメニューに戻るようにします。

ジョーンズ骨折にテーピングは有効?

ジョーンズ骨折がまだ完全に治っていない状態でのテーピングは、あまり効果を期待できません。しかし、骨折がしっかり治り、スポーツに復帰する段階でのテーピングは、一定の効果を発揮します。

ジョーンズ骨折のテーピングの巻き方のコツは、足のアーチをサポートすることと、足の外側の補強をすることです。

足首の捻挫のテーピングと似ているところもありますが、そこにプラスして足底部にアーチをサポートするテーピングを巻くとより効果的です。

ジョーンズ骨折のテーピングは、その人の足の使い方によって巻き方が変わります。まずは、専門家に足の使い方をみてもらい、あなたに合った巻き方を教えてもらうようにしましょう。

サポーターやインソールで再発予防

足首の捻りを防止するサポーターや、アーチを形成するためのインソールも、再発防止に十分な効果を発揮します。

特に、インソールは骨折部の負担を減らす効果が期待でき、よりオススメな予防方法です。

ジョーンズ骨折予防のサポーター

ジョーンズ骨折に有効なサポーターとして考えられるのが、左右方向に強いサポーターです。足の力が横の動きに弱い場合、骨にかかる負担が増えてしまうため、横のぐらつきを押さえるようなサポーターを推奨しています。

一つ注意点として、第五中足骨基部のあたりが厚くなっているサポーターであれば、体重をかけた際に圧迫し過ぎて痛みを誘発することもあります。そのため、装着した時の圧迫具合や、患部への当たりを確認する必要があります。

ジョーンズ骨折予防のインソール

インソールの調整は、ジョーンズ骨折再発防止のためには非常に有効な手段であり、必須と言ってもいいでしょう。

足には内側、外側の縦アーチと横アーチがあり、そのアーチをサポートしてくれるようなインソールを入れることで、足の機能が上がり負担がかかりにくくなります。

インソールは市販のものもありますが、専門の義肢装具士が作成しているオーダーメイドのインソールを推奨しています。自分の足の型に合わせて作成するため、より高い効果を発揮します。

まとめ・ジョーンズ骨折で悩むアスリートへ!有効な治療方法と復帰、予防法について

ジョーンズ骨折は再発しやすいケガのため、初期の対応や治療開始から復帰までのプランニングが非常に難しいです。焦らず骨の癒合状態を確認しながら、段階的に治療に取り組むことが重要となります。

専門の医師やリハビリスタッフのアドバイスを聞きながら、安全に復帰までの道のりを歩んでいきましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

スポーツ医療の治療

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