膝を捻挫して歩けるけど痛い!ひねった時の対処法を現役医師が解説
公開日: 2023.08.28更新日: 2024.11.06
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- ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)の原因を特定したい
- ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)を早く治したい
上記のようなお悩みを抱えている方の一助となるべく、本記事では「膝関節捻挫」について解説します。
捻挫は適切な治療を行えば、問題なく日常生活に復帰できる怪我です。裏に潜む重大な怪我を見逃さないように、記事の内容をご確認いただき適切な医療機関を受診しましょう。
目次
膝関節捻挫とは?原因・症状・治療法を解説
膝の曲げ伸ばしを安定して行うために重要な働きをしているのが、関節を包む袋である「関節包」と関節を支える組織である「靭帯」です。
関節包と靭帯がしっかりと機能しているおかげで、私たちの膝は本来動かない方向へ曲がらないように制御されており、体重をかけても安定して歩けます。しかし、運動中や転倒などにより、関節が通常の範囲を越えて動いてしまうことがあります。
この「関節包」や「靭帯」を痛めてしまった状態を捻挫といいます。ただし、「捻挫」と診断されるのは軽症の場合に限ります。損傷が強く、関節が不安定になった場合は捻挫ではなく靭帯損傷という診断になります。
膝関節捻挫の原因
膝関節捻挫の発症原因の多くは走っているときに膝をひねったり、相手と接触して転倒してしまったりとスポーツ(運動)中に引き起こされます。また、普段の生活でも階段やちょっとした段差などで思いがけず膝をひねってしまい、受傷することがあります。
上記のように、相手との接触などで発症する「直接的な原因」と、つまずき・着地などにより発症する「間接的な原因」があることを覚えておきましょう。
膝関節捻挫の症状
受傷直後は痛みが強いですが、機能は比較的保たれている事が多く、その後も痛みを我慢して普通に生活できる方もいます。ですが、徐々に内出血とむくみが出てきて、膝全体が腫れてきます。
膝全体が腫れると、膝を動かす際に痛みが生じます。また、左右を比較すると動かせる範囲が狭くなる「可動域制限」がでてきます。ひどい場合は痛みで足が地面につかないケースも。
ただし、「捻挫」であれば一時的な症状なので、数日で改善するケースが多いです。いつまでたっても痛みが引かない、腫れがひどくなってきたという場合は「靭帯損傷」のレベルまで症状が悪化している可能性があります。注意しましょう。
「歩けるけど痛い」「膝がぐらぐらして不安定」は要注意!
「「ただひねっただけだと思って様子を見ていたら、実は靭帯損傷だった。」という事例は意外に多いです。
膝には主に4つの重要な靭帯があります。
前後方向の安定性を保つ前十字靭帯・後十字靭帯、左右方向の安定性を保つ内側側副靭帯・外側側副靭帯です。これらはバスケットボールやサッカーなどのスポーツはもちろん、転倒などでも痛めるケースがあります。
「歩けるけれども痛みが続く」や「膝がぐらぐらして不安定」と感じるときは、これらの靭帯を痛めている可能性があります。また、靭帯を痛めていると関節の中に血が溜まることが多いです。
「もしかしたら当てはまるかも」と思った場合は、自己判断せずに病院を受診しましょう。
歩けるけど痛い | 膝がぐらぐらして不安定 |
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「靭帯」や「半月板」を損傷している恐れがあります。自己判断はせず、病院を受診しましょう! |
また、膝のクッションや安定性を保つ役割をしている組織に半月板が存在します。半月板は左右に1つずつありますが、こちらも膝をひねって痛めた際に損傷してしまうことがあります。
年を取ると徐々にすり減って切れやすくなります。特に、高齢の方はバスの乗り降りなど少しの段差を下りただけでも半月板が切れてしまう恐れも。「ブチッ」という感覚を伴うのが特徴的です。半月板損傷は検査しないと判明せず、病院でMRIなどを撮影しなければなりません。
一口に「捻挫」と言っても、紹介したような損傷が隠れている可能性もあります。ちょっとでも違和感があるなら、病院に受診するようにしてみてください。
膝関節捻挫の治療
膝をひねってしまった受傷直後は、RICE処置を行いましょう。
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スポーツはすぐに中止し、歩行もできればしない方が望ましいです。氷や保冷材などを使って膝を冷やしながら、包帯などがあれば圧迫してください。
また、寝ているときは心臓より高い位置に足をあげておくと、膝が腫れてくるのを予防できます。その後は、なるべく早期に整形外科医の診察を受けてください。
膝関節捻挫の診断
問診と身体診察で、どのような怪我が疑わしいのか予想がつく場合もあります。
基本的には、まずレントゲンで骨折がないかどうか確認します。レントゲンだけではわからない場合は、骨をより詳しく見るためにCT検査を行うこともあります。その後、靭帯損傷や半月板損傷が疑われる場合にはMRI撮影を実施します。
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検査の結果、手術が必要な靭帯損傷などの疑いがなければ保存療法になります。
損傷した関節包や靱帯が修復する期間は、通常3週間前後です。この期間は激しい運動や重労働などはせず、安静にしていましょう。安静を保つ目的で、一定期間添木や松葉杖などの使用を指定するケースもあります。
痛みが強い場合は、飲み薬や湿布を処方する場合もあります。ただし、鎮痛薬は痛みを止めるだけで治ったわけではないので、一番大事なのは膝の安静です。
そのまま通常の生活に戻れる場合は、晴れて治療終了です。しかしながら、安静にしていた影響で筋力が低下したり、動きが悪くなることがあります。
その際はリハビリテーションを実施して膝関節の機能を戻すとともに、次の怪我の予防も同時に行うことが大切です。
膝関節捻挫についてのQ&A
膝関節を含む捻挫の予防法や対処法はありますか?
運動をされる場合は、適切なストレッチやウォーミングアップが大切です。筋肉の柔軟性を保ち、温めてしっかりと動かせる状態にしてから運動を始めることで、関節に負担がかかりにくくなります。
また、普段から下肢の筋力が衰えないように意識してトレーニングをしておくことも重要です。さらに、自分の足に合った靴を選ぶことも転倒の予防になります。
膝関節捻挫を引き起こしてからスポーツに復帰できる目安は?
スポーツ復帰には、痛みがなくなっていることが大前提です。痛みがあるまま再開すると、膝をさらに痛めたり、かばって別の部位の怪我を引き起こしかねません。
一般的に、通常の捻挫であれば2〜3週間で痛みが落ち着くので、軽い運動から再開するように指導します。
膝に過度な負担をかけないよう、サポーターなどの補助具を使用することも勧められます。
膝関節捻挫は何科を受診すればよいですか?
膝関節捻挫は外傷により発症します。よって、整形外科を受診しましょう。
とはいえ、受傷した時間が深夜や早朝だと、最寄りの整形外科医が受診の時間外の場合もあるでしょう。このような場合は、整形外科のある最寄りの大きな病院に問い合わせるか、厚生労働省が推奨している「♯7119」に電話で相談してみてください。
あきらかに緊急性がない場合は当院へご相談ください。国内で8,000以上ある実績を元に、親身に対応いたします。
まとめ|膝関節捻挫の症状が長引く場合はご相談ください
この記事では、膝関節捻挫について解説しました。
膝関節捻挫は直接的・間接的な原因から発症し、受傷直後に強い痛みを伴います。病院を受診せずに痛みを我慢しその後も様子をみてしまう方も多いのが現状です。しかし、裏側に潜む靭帯や半月板の損傷も考えられます。
自己判断で無理せず、最寄りの医療機関を受診するよう心がけましょう。