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椎間板ヘルニア手術後の生活|リハビリや仕事復帰までの期間・注意点

「椎間板ヘルニア手術を受ける予定だけど、手術後の生活のイメージが掴めない」「仕事復帰できるのはいつ頃から?」
このような不安や疑問を抱えていませんか?
本記事では、椎間板ヘルニア手術後のリハビリや仕事の再開時期を解説します。
手術後の生活で気をつけることや注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。
痛みやしびれの回復具合に合わせてリハビリを続け、医師の指示を受けながら徐々に日常生活へと戻していきましょう。
目次
椎間板ヘルニア手術後の生活|仕事復帰までのステップ
椎間板ヘルニア手術後の生活はどのように変化するのでしょうか。
ここでは、リハビリや仕事復帰、運転などの再開までの流れや期間を解説します。
- 痛み・しびれ
- リハビリ期間
- 仕事復帰
- 運転
- 性行為
手術後の生活プランを立てる際の参考にしてみてください。
痛み・しびれは手術後1カ月ほど続く
手術後は、神経の修復に時間がかかるため、痛みやしびれが1カ月ほど続く可能性があります。
痛みやしびれが出ているときは、神経が敏感な状態にあるため、生活のなかで不便さを感じる場面があるでしょう。
そこで、無理に体を動かすと、症状を悪化させたり、再発につなげたりしかねません。
症状が落ち着くまでは安静に過ごす意識をもつようにしてください。
リハビリを始めるのは手術後1カ月ほど
リハビリは、手術後1カ月ほどから開始します。
リハビリは手術後すぐに取り組むものというイメージがあるかもしれませんが、実際には手術後すぐにリハビリに取り組む必要性は認められていません。(文献1)
椎間板ヘルニア手術後におけるリハビリの目的は、腰回りの筋肉を強化して再発を防ぎ、日常生活への円滑な復帰を促すことです。
以下に効果的なリハビリの運動例を紹介します。
【お腹を鍛える運動】
- お腹を意識しながら腹式呼吸
- 仰向けになって膝を立て、首を軽く起こしてお腹をのぞき込む腹筋運動 など
【お尻を鍛える運動】
- 仰向けになって膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げるブリッジに似た運動
- うつ伏せになり曲げた片足をゆっくり上げ下げする運動 など
動作中に強い痛みがあるときは、回数や力の入れ方を調整しましょう。
仕事復帰できるのは手術後から1.5カ月ほど
手術後、仕事復帰までの期間は、受けた手術の種類や仕事内容によって異なりますが、平均すると1.5カ月程度です。
背中の患部付近を切開する従来の手術法の場合、傷口の完全な回復を待つ必要があるため、復帰までの期間が長くなる傾向にあります。一方で、小さな切開で済む内視鏡手術法の場合は、手術の回復が比較的早く、仕事復帰までの期間が短縮しやすいです。
仕事内容においては、腰を使う重労働業務の場合は、復帰までに時間がかかるケースがあります。
ある調査では、重労働業務における復職までの平均期間は44日ほどと報告されています。(文献2)
運転できるのは手術後2週間ほど
短い距離の運転なら手術後2週間ほどで、運転を再開できます。
ただし、以下のように特殊な状況がある場合は、運転の再開時期が遅れる可能性があります。
- 旅行や出張など長距離の運転をする場合
- バスやタクシーのドライバー
- 農業や工事現場の重機操縦者
自己判断で運転を再開してしまうと、腰に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります。
安全に運転を再開するためにも、医師と相談しながら慎重に復帰の時期を決めましょう。
性行為は手術後2週間ほど控える
性行為は、手術後2週間ほどは控えたほうが安心とされています。
手術後は、傷口の修復や、腰まわりの痛み・しびれが落ち着いていない場合があるためです。
少しでも違和感や痛みがあるうちは、無理をしないことが大切です。腰に負担がかかる動きは、回復を遅らせるほか、再発してしまう恐れもあります。
体の回復を優先し、無理のない範囲で行動を選びましょう。
椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点
椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点を解説します。
主に以下3つの行動は、回復を遅らせたり、再発リスクを高めたりする可能性があります。
- リハビリの中断
- 腰に負担がかかる運動
- 腰に負荷がかかる姿勢や動作
順番に見ていきましょう。
リハビリの中断
椎間板ヘルニアの手術後にやってはいけないことは、リハビリの中断です。
手術後は安静にする時間が長くなり、体を支える筋肉が弱まりやすくなります。
続けてきたリハビリを中断してしまうと、再び体に負担がかかりやすくなり、症状の悪化や再発の原因になりかねません。
痛みが和らいだとしても、自分で判断してリハビリを中断せず、医師の指示に従って継続する意識が大切です。
なお「仕事やスポーツでリハビリの時間を確保するのが難しい」という方は、再生医療の治療を検討してみてください。主に注射または点滴を使った治療なので、手術後のリハビリや後遺症の心配はいりません。
腰に負担がかかる運動
手術後3カ月ほどは、腰に強い負担がかかる運動はしばらく控える必要があります。
無理をすると、傷口が開いたり、再発したりする恐れがあるためです。
具体的には以下のような運動は控えましょう。
- 腰をひねる体操
- ダッシュやジャンプなどの衝撃が強い運動
- ゴルフやテニスなど腰をひねる動きが多いスポーツ
これらは腰部への負担が大きく、早期の復帰はリスクが高いといえます。
ただし、まったく体を動かさないのも良くありません。軽いストレッチや簡単な体操など、筋力を保つ適度な運動は回復に役立つため、医師の指導のもとで取り入れましょう。
腰に負荷がかかる姿勢や動作
椎間板ヘルニアの手術後1週間ほどは、腰に負荷がかかる姿勢や動作は避けるようにしてください。
たとえば、落ちた物を拾うときに腰を曲げてかがむのは負荷のかかる姿勢です。物を拾う際は、膝を曲げてしゃがむようにすれば、腰への負担を減らせます。
また、腰をひねる動きも症状悪化や再発のきっかけになります。
たとえば、後ろに振り向く動作は、腰にねじれの動きが入り負荷がかかります。後ろを振り向きたいときは、足を使って身体ごと向きを変えると腰への負担が少ないです。
日常生活を振り返り、腰に負荷のかかる姿勢や動作があれば、改善していきましょう。
椎間板ヘルニア手術後の生活で脊髄損傷が起こるリスク
椎間板ヘルニア手術後にやってはいけないことや注意点をお話ししてきましたが、手術後早期に腰を曲げたり、腰をひねったりすると、脊椎の中を通る神経の束である脊髄が傷ついてしまい、脊髄損傷を起こしてしまうリスクがあります。
脊髄損傷の主な症状は以下のとおりです。
- 知覚鈍麻
- 痛みや痺れ
麻痺脊髄損傷は一度起こってしまうと自然には治りません。手術後に脊髄損傷が疑われる症状が現れたら、すぐに手術をした医療機関に連絡をしましょう。
椎間板ヘルニア・脊髄損傷でお悩みの方へ「再生医療」を紹介
一般的に、損傷した大きな神経は修復することができません。
椎間板ヘルニア手術で脊髄損傷した場合、下肢の麻痺により、歩行困難や車いすでの生活が余儀なくされる可能性もあります。
そんな脊髄損傷の治療法の一つに、幹細胞を用いる「再生医療」があります。
幹細胞とは、体のさまざまな組織に変化できる細胞です。
当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の脂肪を採取・培養した幹細胞を用いる治療を提供しております。
再生医療について気になる点などございましたら、お気軽にご相談ください。
\まずは当院にお問い合わせください/
まとめ|椎間板ヘルニア手術後はリハビリを継続して仕事復帰を目指そう
手術後の生活では、リハビリを続けて、日常生活で無理な姿勢や動作をしない意識を持つことが回復への近道です。
腰への負担を避け、正しいリハビリを継続すれば、再発リスクを抑えながら仕事復帰を目指せます。
本記事で紹介した注意点やリハビリ内容を参考に、ご自身のペースで回復に向けた生活習慣を整えていきましょう。
なお、椎間板ヘルニアや手術後の脊髄損傷に対しては「再生医療」という治療法もあります。
再生医療の幹細胞を使った治療では、体のさまざまな組織に変化をする幹細胞を損傷した患部に投与します。再生医療をご検討、あるいは気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
(文献1)
宮本 雅史,中嶋 隆夫.「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版」日本内科学会雑誌 105 巻 11 号pp1〜5 2016年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/11/105_2210/_pdf/-char/ja
(最終アクセス:2025年4月16日)
(文献2)
廣田 勝也, 島﨑 功一.「腰椎椎間板ヘルニア術後における重労働者のホームエクササイズ実施状況と復職状況との関連因子の検討」日本理学療法士協会 2019年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-207_2/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com
(最終アクセス:2025年4月16日)