PELD(経皮的内視鏡下 腰椎椎間板摘出術)の術後にやってはいけないこと
公開日: 2024.03.01更新日: 2024.10.07
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PELD(経皮的内視鏡下 腰椎椎間板摘出術)の術後にやってはいけないこと
椎間板ヘルニアは、背骨のつなぎ目にある椎間板がつぶれて飛び出すことにより、脊髄を圧迫し症状が出現します。椎間板ヘルニアによる腰痛や下肢痛、下肢の痺れを改善するには、脊髄を圧迫しているヘルニアを削り取って圧迫を除去しなくてはなりません。以前は4,5cm皮膚を切開して背骨まで達し、背骨を露出してこのヘルニアを除去する切開法が行われていました。
近年、経皮的内視鏡下 腰椎椎間板摘出術(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy: PELDまたはPED)という内視鏡手術によって、このヘルニアを摘出する方法が多くの医療機関で行われるようになりました。
患者さんへの負担が少なく、非常に良い手術なのですが、手術に「リスクゼロ」はありません。手術中はもちろん、術後の生活の仕方によっても、脊髄損傷など後遺症が生じる可能性があります。
今回は、PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点をお話しします。
PELD(PED)とは?
PELD(PED)は、脊髄を圧迫している状態のヘルニアを、内視鏡で取り除く手術です。従来全身麻酔が主でしたが、局所麻酔で行う施設も多くあります。傷口も従来の方法とは異なり、内視鏡を挿入する穴を作るだけなので、患者さんの身体への負担が非常に小さい手術です。
しかし、神経の束である脊髄に最接近して行う手術ですので、非常に高度な技術が必要です。手術が成功しても術後の生活動作によって脊髄を損傷してしまうこともあり、術後も注意が必要です。
PELD術後にやってはいけないこと、注意点
PELD(PED)は、脊髄の近くを処置する手術です。内視鏡手術のため、傷口はとても小さく済み、術後の痛みも従来と比べると痛みは少ないです。そのため、術後は腰の痛みも軽減し、日常の生活は普通にできます。
しかし、PELDの術後は腰に負担をかけるような運動は、3か月程度は控える必要があります。
まず、術後1週間は、かがむ際には腰を曲げずに、膝など下肢を曲げて姿勢を低くしてください。腰を曲げて床に落ちたものを拾うことなどはやってはいけません。腰の痛みがずいぶん楽になるので動けてしまうと思いますが、気を付けましょう。
腰を曲げる動作だけではなく、腰をひねる動作もやってはいけません。ふいに振り向く時が非常に危険です。足踏みなど足を使って、身体全体で振り向くようにしましょう。
ヘルニアを手術で削るとき、腰の背骨を支えるじん帯にもある程度の障害が起こります。その傷が安定するまでは腰をひねることはPELD(PED)の術後にはやってはいけません。
2週間後から、通学・通勤可と言われるケースが多いのですが、引き続き腰を曲げる動作や腰をひねる動作もしてはいけません。大体3週間後からは通常の日常生活は問題なく行えるようになることが多くあります。
それでも腰を曲げたり、ひねったりする動作は医師と相談をして、気を付けてゆっくり行いましょう。
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手術後3か月経つ頃には、ラグビーなど激しいスポーツも可能となります。
しかし、腰は大切な部分です。今後もヘルニアが起こる可能性や、ぎっくり腰にも注意しつつ、腰に負担をかけないような工夫をして生活しましょう。
PELD(PED)の術後に脊髄損傷が起こってしまったら?
PELDの術後にやってはいけないことや注意点をお話ししてきましたが、術後早期に腰を曲げたり、腰をひねると、脊椎の中を通る神経の束である脊髄が傷ついてしまい、脊髄損傷を起こしてしまうことがあるのです。
脊髄損傷は一度起こってしまうと自然には治りません。現代の通常医学、保険診療などでも損傷を修復することはほぼ不可能です。PELD(PED)の手術後は、腰を大切に行動することが必要なのです。
大切に過ごしていても、脊髄損傷が起こってしまう可能性は十分あります。
PELD(PED)の術後の脊髄損傷の主な症状としては、下肢の知覚低下や、痺れ、麻痺などがあります。PELD(PED)の術後にそのような症状が現れたら、手術をした医療機関に連絡をしましょう。
脊髄損傷に効果的な先進技術!再生医療
一般的に、損傷した大きな神経は修復することができません。PELD(PED)での脊髄損傷は、下肢の麻痺による歩行困難となる可能性があります。この場合、車いすでの生活を余儀なくされる可能性もあります。
脊髄損傷に対して、現在では効果的な最新医療があります。それは、幹細胞を使用した再生医療です。幹細胞とは、体のさまざまな組織に変化をすることができる細胞で、損傷した組織に投与することで、組織の修復を促すのです。
脊髄損傷では、脊髄にその幹細胞が届くように投与し、損傷した脊髄の再生を促します。当院では、脊髄腔内に直接幹細胞を注射するダイレクト注射療法を行っており、脊髄損傷の部位に効果的に幹細胞を投与できる独自の技術を持っています。
脊椎という背骨の中に脊髄は入っているのですが、脊髄は膜に包まれて背骨の中に入っています。髄腔とは、その膜と脊髄の間の空間です。当院では、その髄腔に注射で幹細胞を投与するので、脊髄損傷部位に幹細胞が入っていきやすいのです。
まとめ・PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点
今回は、PELD(PED)の術後にやってはいけないことや注意点を解説しました。
PELD(PED)は、椎間板ヘルニアによる腰痛や下肢痛を改善するための内視鏡を用いた手術です。しかし、手術後には注意が必要で手術の直後から3か月間は、腰に負担をかけるような動作を控えることが重要です。
かがむ際には腰を曲げたり、腰をひねるような動作は避けなければなりません。また術後には、脊髄損傷が起こる可能性もあるため注意が必要です。違和感を感じたら、早めに医療機関に相談してください。
尚、脊髄損傷に対しては再生医療という新しい治療法も注目されています。特に幹細胞は、体のさまざまな組織に変化をする細胞で損傷した組織に働きかけて修復を促します。
PELDの術後の後遺症で悩まれている方は現代医学の最先端である、幹細胞を使った再生医療も選択肢に加えられてはいかがでしょうか。当院は厚生労働省から認可を受けた再生医療専門クリニクですのでお気軽にご相談ください。
腰を守り、健康な生活を送るために、適切なケアを心がけましょう。
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▼以下も参考にしていただけます
椎間板ヘルニアの内視鏡手術|PELD(PED)とMEDの違いとは