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【危険】吐き気を伴う頭痛は我慢せずに受診を!一次性頭痛・二次性頭痛の見分け方
頭痛はありふれた症状であるものの、同時に吐き気を伴って悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
頭痛といってもさまざまなタイプがあり、とくに同時に吐き気の症状が現れるケースには注意が必要です。
この記事では、吐き気を伴う頭痛にはどのような疾患があるのか、どのように対処すべきかをご紹介します。危険な頭痛とそうでない頭痛を知ることで、今の状態にあわせた対策がとれるようになるでしょう。
目次
頭痛と吐き気があるときに注意すべき症状【該当する場合はすぐに受診を】
頭痛にはいくつかの種類があり、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つに分類できます。一次性頭頭痛は、原因となる疾患が特定できない種類の頭痛です。
一方で、二次性頭痛は原因の疾患が特定できる頭痛のことです。
頭痛に加えて吐き気がある場合、二次性頭痛の可能性があり、そのほかにも以下のような特徴があります。
- ・発熱や意識の低下を伴う
- ・がんや免疫不全疾患などを患っている
- ・急激に発症する
- ・今まで経験したことのない痛みがある
- ・50歳以上で初めて経験する
- ・最近発症した新しい頭痛
- ・ろれつが回らない
- ・目が見えにくくなる
このような症状や状態に心当たりがある場合、脳卒中の発症リスクもあるため、医療機関への受診をおすすめします。
頭痛には「吐き気を伴う怖い頭痛」と「怖くない頭痛」がある
頭痛には、吐き気を伴う怖いものと怖くないものがあります。一次性と二次性に当てはまる頭痛の詳細について、以下の表にまとめました。
- ・片頭痛
- ・緊張型頭痛
- ・群発頭痛
※症状によっては命に関わる可能性あり
- ・脳卒中
- ・脳腫瘍
- ・髄膜炎
- ・慢性硬膜下血腫
- ・緑内障
- ・副鼻腔炎
このように、一次性頭痛は厄介な種類が多いものの、二次性頭痛と比べると命に関わることは少ないといえます。とくに多くの方が経験する頭痛は一次性の緊張型頭痛であり、この場合はそこまで心配する必要はありません。
吐き気を伴う怖い頭痛の種類
吐き気を伴う怖い頭痛としては、おもに以下の3つがあげられます。
- ・脳卒中
- ・髄膜炎
- ・片頭痛
ここでは、それぞれの詳細について解説します。
脳卒中
脳卒中とは、脳の血管が破れたり詰まったりすることで起こる疾患の総称です。具体的には、以下の3つに分類されています。
- ・脳梗塞
- ・脳出血
- ・くも膜下出血
脳卒中による頭痛は吐き気を伴うことが多く、脳出血や脳梗塞の場合は、そのほかにも以下のような症状を合併するケースもあります。
- ・意識障害
- ・ろれつの悪さ
- ・視野の狭窄
- ・ふらつき
- ・めまい
くも膜下出血の場合は突然発症し、今までに経験したことがない強い頭痛が現れるのが特徴です。このような症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。
脳卒中の前兆について知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はぜひこちらもご覧ください。
髄膜炎
髄膜炎は、脳や神経を包む「髄膜」という膜に炎症が起きたものです。おもな原因は細菌やウイルスなどですが、がんや薬剤によって発症するケースもあります。
以下のような症状のほか、「髄膜刺激症状」という首を前に曲げると現れる痛みが特徴的です。
- ・頭痛
- ・嘔吐
- ・発熱
- ・下痢
このような症状から、風邪と間違われることも珍しくありません。髄膜炎は子どもでも起こることがあり、頭痛や嘔吐がみられる場合はすぐに医療機関を受診して検査を受けてください。
片頭痛
吐き気を伴う一次性頭痛として割合が多いのが、片頭痛です。片頭痛は20〜40代の女性に多く発症し、こめかみから側頭部にかけてズキズキと脈打つような頭痛が生じます。
また、頭痛が起きる前には閃輝暗点(せんきあんてん)という、視野にギザギザした光がちらつく前兆が現れる場合もあります。
片頭痛を発症した際は光や音、においなどが過敏になる場合があるため、暗く静かな場所で安静にすると良いでしょう。血管が広がって血行がよくなると症状が悪化する恐れがあるので、以下のような行動はなるべく避けてください。
- ・長風呂をする
- ・マッサージを受ける
- ・お酒を飲む
片頭痛がひどい場合は、医療機関を受診して症状をやわらげるための薬を処方してもらいましょう。
怖くはないが厄介な頭痛の種類
命に関わるような症状は現れないものの、厄介な頭痛はいくつかあります。ここでは、そのような頭痛についてご紹介します。
緊張型頭痛
緊張型頭痛とは、身体・精神的なストレスによって起こる頭痛のことです。多くの方が経験する頭痛は、基本的にこの種類とされています。
筋肉の凝りや精神的な問題が関係しているとされていますが、明確な原因はわかっていません。頭が締め付けられるような痛みを伴うものの、問題なく仕事や家事を行えるケースが多い傾向にあります。
しかし、症状が慢性化すると日常生活に悪影響が現れる場合があります。
群発頭痛
群発頭痛とは、目の奥や頭の側方に強い頭痛が起こる種類のものです。頭痛が続く時間は約15〜180分とムラがあり、頻度も2日に1回、多い場合は1日に何度も発症することがあります。
一度発症すると、毎日頭痛による発作が繰り返し起こるのも特徴です。激しい痛みのほかにも、充血や眼瞼下垂(まぶたが下がること)などの症状が現れることがあります。
頭痛の予防法・対処法
ここでは、頭痛の予防法や起きた際の対処法について解説します。頭痛による症状の原因や治し方などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。
医療機関を受診する
頭痛に悩んでいる場合は、まずは医療機関への受診がおすすめです。無視できないような頭痛を放置すると、命に関わる恐れもあります。
なかには頭痛ではなく、別の病気の可能性も考えられます。頭痛は脳卒中や髄膜炎など、脳に関係する病気の症状として現れるケースもあるので、心配な方は脳ドックを受けるのも良いでしょう。
頭痛のパターンを記録する
頭痛のパターンを記録しておくことで、発症のタイミングを把握して対処しやすくなります。頭痛は種類によっては、一定のパターンで起こるものもあります。
たとえば、片頭痛や緊張型頭痛にはパターンがあり、どのタイミングで起こるのかある程度の予測が可能です。頭痛が起きたタイミングを記録しておくことで、いつ薬を服用すべきかがわかるでしょう。
まとめ|吐き気を伴う頭痛は早めの受診を!
頭痛は誰もが経験したことがある一般的な症状で、おもに一次性と二次性の2種類に分かれています。
一次性頭痛は命に関わることは少ないですが、二次性頭痛は種類によっては深刻な状況に陥る可能性があります。とくに吐き気を伴う頭痛は、脳卒中や髄膜炎などの深刻な病気のサインのケースもあるでしょう。
頭痛時に吐き気の症状がある場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。いつもと違う頭痛の症状だと思ったら、医療機関を受診してください。
吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問
ここでは、吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問についてお答えします。頭痛に関して気になることがあれば、ぜひこちらも参考にしてみてください。
Q. 片頭痛持ちですが、食事で気を付けることはありますか?
A. 以下のような食べ物は、片頭痛を誘発する可能性がある「アミン類」を含んでいるため、できるだけ控えたほうが良いとされています。
- ・赤ワイン
- ・チョコレート
- ・チーズ
- ・ピーナッツ
- ・豚肉
また緑茶やコーヒーなどに含まれているカフェインも、摂取しすぎると頭痛を悪化させる原因となるのでこちらも控えましょう。
Q. デスクワークだと頭痛が起こりやすいですか?
A. ストレスや長時間のデスクワークは、「緊張型頭痛」を発症する原因とされています。同じ姿勢が長時間続くと、頭や首の筋肉の緊張が高まりやすくなり、頭が締め付けられるような痛みにつながります。
同じ姿勢を避けるために、30分に1回程度は休憩をとるようにしましょう。また、肩や首などをストレッチして、凝り固まった筋肉をほぐすのもおすすめです。