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モートン病は見た目での判断が難しい疾患|症状や見分け方を解説

足先が痛いために、ネット検索などで調べてみて「モートン病かもしれない」と感じる方もいるのではないのでしょうか。同時に「モートン病に見た目でわかる特徴があるのではないのか」と、気になる気持ちや不安が交錯している方もいるかと思います。
モートン病には見た目で判別できる特徴はありません。見た目よりも、むしろ足先などの痛みやしびれなどの症状で見分けるのが一般的です。ただ、セルフチェックの方法や医療機関での診断方法を知っておくと、今後の治療でも役に立ちます。
本記事では、モートン病の特徴について、症状や見分け方とともに徹底解説します。
目次
モートン病に見た目の特徴はある?
足裏の指の付け根付近に痛みやしびれに悩んでいて、ご自身がモートン病なのではないかと疑う方もいるかと思います。
モートン病の疑いがあっても見た目に何の異常も見られないと、「モートン病は見た目で判断できないのか」と思うこともあるのではないのでしょうか。
本章では、モートン病の特徴について解説します。
明確な見た目の特徴はない
モートン病には、見た目で明確にわかる特徴は現れません。
モートン病は足裏の中指や薬指、人差し指の付け根部分に症状が出るのが特徴ですが、該当する部分が赤く腫れたりむくんだりすることがありません。
外見上の異常が特に見られない分、見かけによるモートン病の判別は不可能です。
見た目で異常がわからないことから、長期間放置した結果、症状が進行してから受診するケースもあるため注意を要します。
足指の付け根の痛みやしびれが主な特徴
モートン病を発症した場合、足指の付け根部分の痛みやしびれが主な特徴として現れます。
初期段階でも、歩くだけで足指の付け根が痛む程度の症状が現れるのがポイントです。
さらに症状が進むと、歩いていなくても足裏部分や指の先端に焼けるような痛みやしびれを感じるようになります。
より症状が深刻になると、足の部分だけでなくふくらはぎの部分にまで強い痛みが及ぶケースもあります。
モートン病の見分け方|主に症状でチェック
モートン病が見た目でわかりにくいのなら、判別も難しいと感じる方もいるのではないのでしょうか。
実はモートン病は、症状をもとに見分けることが可能です。
セルフチェックの方法もあるため、ご自宅でも判別できる場合があります。
モートン病の見分け方は以下の通りです。
初期症状からセルフチェックする方法
モートン病は初期症状の段階からセルフチェックで見分ける方法があります。
以下の項目に当てはまるようであれば、モートン病の可能性があるため、注意が必要です。
- 足指の付け根部分に痛みやしびれ、焼けつくような感覚を覚える
- 足指の付け根をつまんだり押したりすると痛い
- 履き物を脱ぐと、痛みやしびれが和らぐ
- 歩いている時や立ち仕事の時に足裏が痛む
- 歩くだけでも痛みやしびれを感じて辛い
セルフチェックで「モートン病なのではないか」と感じたら、整形外科で専門医の診察を受けることをおすすめします。
つま先立ちとモルダーテストで症状の有無を確認
医療機関でモートン病を見分ける際、まず医師はつま先立ちで症状が見られるかどうかを確認するのが一般的です。
モートン病は足裏の指の付け根に痛みやしびれが生じるため、つま先立ちするだけでも症状が出てきます。
加えてモートン病の判別には、「モルダーテスト」と呼ばれる方法も一般的です。
モルダーテストでは、足指の両側を手で包み込む形で圧迫するように握りながら、痛みなど症状の有無を確認します。
モートン病の場合、足指と足指の間を通る神経が腫れているため、圧迫するように握っただけで痛みやしびれが出やすいです。
診断でも複数の手法で確認
モートン病の診断は、原則として複数の手法が使われます。特に病気や症状を正確に確定するための確定診断では、レントゲン検査やMRI検査などが用いられるものの、単体では確定が難しいためです。
レントゲン検査などで調べたうえで、足指の付け根部分の神経に腫れが見られればモートン病の診断が確定します。
モートン病に似た症状や病気はあるのか?
モートン病は似た症状や病気が多いため、見た目や症状から自己診断するのは危険です。
モートン病に似た症状や病気として、次のものが挙げられます。
- 足の関節炎:足指の付け根だけでなく、足の各所に関節痛が発生。
- 足底筋膜炎:足裏にある足底筋膜の炎症で、特にかかとや土踏まず付近に発生。
- 中足骨疲労骨折:足の甲に生じる疲労骨折で、足指の付け根から甲にかけて痛む。
- 足根管症候群:内くるぶしの神経の圧迫で発生。足の指から足裏に至るまで痛みやしびれ。
- 腰椎椎間板ヘルニア:腰椎の圧迫で生じる神経障害。足だけでなく腰に痛み。
- 足の骨折:外傷や強い負荷で発生。軽く押すだけで痛み。青あざや腫れも見られることが多い。
- 神経障害:糖尿病やヘルニアなどが原因。痛みやしびれだけでなく冷えを感じることもある。
多くの病気や症状は、足指の付け根以外の部位に症状が出るため、それによってモートン病と見分けられます。ただし、より詳しい状況を医師に伝えたうえで、医師による正確な診断を受けることが大切です。
モートン病の治療では「再生医療」も1つの選択肢
モートン病の治療としては、再生医療も選択肢となります。
再生医療には、患者様から幹細胞を採取・培養して患部に投与する「幹細胞治療」と、血液を遠心分離器にかけて血小板を濃縮した液体を投与する「PRP療法」があります。
どちらも患者様自身の体内から抽出した幹細胞・血液を用いるため、アレルギー反応や拒絶反応のリスクが低い治療法です。
再生医療について詳細は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。
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まとめ|モートン病は見た目での判断が難しいので症状で見分けよう
モートン病は腫れやあざのように、見た目で判断できる症状がありません。
見た目ではなく、足指の付け根付近の痛みやしびれが主な特徴であるため、症状を見分けるには医師による検査や診断が欠かせません。
モートン病らしき症状や病気にお悩みの方は、ご自身の判断に頼るのではなく、医療機関の受診をおすすめします。
モートン病の見た目に関するよくある質問
モートン病は何科を受診すればいいですか?
モートン病の診断や治療を受けられるのは整形外科です。ただ、痛みが出たときに急ぎで治療しなければいけない病気ではないため、何日か様子を見た後に受診しても問題ありません。
モートン病の原因は何ですか?
モートン病は、足指の付け根が強い圧迫を受けることが直接の原因です。特にハイヒールのようなつま先が圧迫されやすい履物を履く方や、ジョギングや中腰での肉体労働のような前足に負荷のかかる活動が多い方がなる可能性があります。
また、外反母趾や偏平足などによる足の変形で発症するケースもあるため、注意が必要です。
モートン病で歩きすぎは良くないですか?
モートン病になった際、歩きすぎは控えるべきとされています。ただでさえ痛みやしびれが生じているところに、歩くたびに自身の体重で足にさらなる負荷をかけてしまうためです。
その結果、さらに病状が悪化する可能性さえあります。なお、モートン病は歩きすぎで生じることはありません。
モートン病を放置するとどうなりますか?
モートン病を放置した場合、症状はさらに悪化します。モートン病は初期症状の時点では、歩いたり立ったりしているときに限り痛みやしびれが生じるのが特徴です。
しかし症状が進むと、じっとしているだけでも痛みやしびれに悩まされます。加えて、痛みやしびれを感じる範囲も足先だけでなく、足の甲や足首にまで広がります。
痛みが強すぎて歩くことが苦痛に感じられる場合もあるため、なるべく早めの医療機関の受診がおすすめです。
モートン病を緩和するマッサージの方法を教えてください
モートン病の症状を緩和するマッサージには、足指のマッサージや足裏のマッサージがあります。
足指のマッサージは、足指を心地良い指圧で行うもので、甲側と足裏側でそれぞれ30~50回程度が目安です。特に足裏側は丹念に行います。
また、足裏マッサージはテニスボールやマッサージボールを用意したうえで座り、自身の足をボールに乗せます。続いて特に痛みの強い部分にボールが来るように転がすやり方です。その後はつま先からかかとまで一通りマッサージします。
なお、両方とも痛みやしびれが強い場合は、無理にやらないようにしましょう。