- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
【医師監修】関節リウマチの初期症状とは|チェックリストを交えて解説

「朝起きたときに、手の指がこわばっている」
「関節が腫れたり痛んだりしている」
「インターネットで調べてみると、関節リウマチの初期症状に近かった」
関節にさまざまな症状が現れると、関節リウマチではないかと不安を持たれる方も多いことでしょう。
関節リウマチの初期症状として、手指関節の腫れやこわばり、微熱や倦怠感などが現れます。ただし、これらの症状は関節リウマチ特有のものではなく、他の疾患でも現れるため注意が必要です。
どちらにしても、気になる症状が現れたときは、医療機関受診が必要です。
本記事では、関節リウマチの初期症状についてチェックリストを交えて解説します。初期症状を放置するリスクや、関節リウマチの治療などについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
関節リウマチが疑われる症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。
目次
関節リウマチの初期症状
関節リウマチの主な初期症状は、以下のとおりです。
- 関節のこわばり
- 関節痛
- 関節の腫れ
- 関節の機能障害
関節のこわばりとは、関節が思うように動かせない状況です。
関節痛は、全身のあらゆる場所で生じる可能性があります。その中でも手首や指の関節で生じることが多いとされています。しかし関節痛が生じる部位は1か所だけではありません。複数の関節で痛みが生じることも多い状況です。
関節の炎症が長期間にわたって継続されると、関節軟骨や骨組織が少しずつ破壊されていきます。
病状が進行すると関節の変形や脱臼、硬直などが起こり、曲げ伸ばしが困難になるほどの変化が生じる可能性があります。
さらに、炎症が強くなると、発熱や全身の倦怠感、体重減少、食欲不振といった全身症状を伴うため、日常生活に著しい支障をきたしかねません。
「初期症状かもしれない」と感じたときは、早い段階で医療機関を受診しましょう。
関節リウマチの初期症状や原因、発症のメカニズムなどの詳しい情報は、下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
【チェックリスト】関節リウマチの初期症状に当てはまる方は要注意!
関節リウマチの主な初期症状をチェックリストにまとめました。
当てはまるものがある場合は、関節リウマチの可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
全身の症状 |
・倦怠感や疲労感 ・微熱が続く ・食欲の低下 ・体重の減少 ・貧血気味 |
---|---|
関節の症状 |
・朝の両手のこわばり感 ・手指における関節の腫れ ・関節の痛み |
日常生活での症状 |
・朝食を作る際の動作に違和感がある ・歯ブラシが使いづらい ・お箸をうまく使えない ・ドアノブが回しづらい ・家のカギが開けづらい ・靴ひもが結びづらい ・パソコン入力がしづらい |
その他の症状 |
・眼や口の渇き ・口内炎 |
関節リウマチの初期症状と似ている病気
関節リウマチの主な初期症状は、関節のこわばりや腫れ、関節痛などです。この章では、関節リウマチの初期症状と似ている病気を紹介します。
関節のこわばりや腫れ
関節のこわばりや腫れが生じる病気としては、変形性関節症や乾癬性関節炎、ウイルス性関節炎などがあげられます。
変形性関節症とは、関節内の軟骨と周囲の損傷を引き起こす病気です。関節痛や腫れといった症状が現れるほか、関節が動かしにくくなるケースもあります。
乾癬性関節炎とは、乾癬と呼ばれる皮膚の病気による関節炎です。アキレス腱や膝蓋腱(しつがいけん)など腱付着部、指などに炎症を起こします。乾癬の症状としては、大きく盛り上がった発疹と、ふけのような白くて小さいかけらの付着などがあります。好発部位は、髪の生え際や肘、膝、臀部などです。
ウイルス性関節炎は、文字どおりウイルスによる関節炎です。原因となる主なウイルスを、以下に示しました。
- C型肝炎ウイルス
- B型肝炎ウイルス
- ヒトパルボウイルスB19
- HIVウイルス
関節のこわばりや腫れに加えて、関節痛を伴うものもあります。
ウイルス性関節炎の中には、関節リウマチの診断基準を満たすケースも存在します。関節リウマチの診断基準については下記の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
関節痛
関節痛を伴う病気としては、更年期関節痛や線維筋痛症、痛風などがあげられます。
更年期関節痛は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌減少により生じる関節痛です。へバーデン結節やブシャール結節、ばね指、手根管症候群など、さまざまな種類があります。手指以外でも関節痛が見られることがあります。
線維筋痛症とは、3か月以上の長期にわたって、身体の広範囲に痛みが持続する病気です。(文献1)一度治っても再発するケースもあります。関節痛のほかに、身体の強いこわばりや、激しい疲労感、不眠、頭痛などさまざまな症状を伴います。
痛風とは、血液中の尿酸値が高くなることで、尿酸が結晶化し蓄積する病気です。蓄積された結晶により、関節及び周辺部が断続的に痛みます。
関節痛を伴う病気については、以下の2記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
\無料オンライン診断実施中!/
【関連記事】
更年期関節痛とリウマチの違いは?見分けるポイントや治療法を医師が解説
リウマチではない関節痛とは|主な疾患やセルフチェック方法を医師が解説
関節リウマチの初期症状を放置するリスク
関節リウマチは慢性的に進行します。初期症状を放置すると次第に悪化し、さまざまな合併症を引き起こします。主な合併症は以下のとおりです。(文献2)(文献3)
- 関節の変形や破壊による身体機能の低下
- 骨粗しょう症
- ウイルス感染
- 心臓や腎機能の障害
- うつ状態や不安感といった精神症状
適切な治療が、合併症予防につながります。関節リウマチの症状がある方や、無症状であるものの関節リウマチと診断されている方は、放置せずに医療機関で治療を受けましょう。
関節リウマチの合併症については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関節リウマチの治療方法と日常生活のポイント
この章では、関節リウマチの治療方法と日常生活のポイントについて解説します。
治療方法
関節リウマチの主な治療方法は、以下の3種類です。
- 薬物療法
- 手術療法
- リハビリ療法
薬物療法
薬物療法では用いられる主な薬物は、以下のとおりです。
- 抗リウマチ薬
- 生物学的製剤
- JAK阻害剤
- 消炎鎮痛剤
- 副腎皮質ステロイド剤
抗リウマチ薬の第一選択肢がメトトレキサートです。抗リウマチ薬の効果が不十分な場合は、生物学的製剤やJAK阻害剤が用いられます。それでも効果が見られない場合は、他の生物学的製剤やJAK阻害剤に変更して治療を続けます。(文献4)
関節リウマチの薬については、下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
手術療法
関節リウマチにおける主な手術は、以下の4種類です。(文献5)
- 滑膜切除術
- 人工関節置換術
- 関節固定術
- 関節形成術
薬物療法の進化により、手術が必要になるまでの期間は延びています。しかし、関節変形を予防する意味で、早期に手術を行うケースも少なくありません。
病気が進行すると手術の選択肢も減り、術後も完全な回復が難しくなります。
関節リウマチの症状で日常生活に支障をきたしているときは、手術について主治医に相談しましょう。
リハビリ療法
主なリハビリ療法は以下のとおりです。(文献6)
- 物理療法(温熱療法や寒冷療法など)
- 運動療法(関節可動域訓練、リウマチ体操など)
- 作業療法
- 装具療法
リハビリを始める時期や方法は、医師や理学療法士、作業療法士などと相談しながら決めることが一般的です。
日常生活のポイント
日常生活のポイントとしては、関節を冷やさないことや、適度な安静と運動のバランスをとることなどがあげられます。
関節に負担をかけない動作も心がけましょう。両手で物を持つと、関節への負担が軽減されます。料理や洗濯、掃除といった家事のときは、途中で椅子に座り、身体と関節を休ませましょう。
ストレスをためない、規則正しい生活を心がける、うがいや手洗いで感染症を予防するなどの行動も大切なポイントです。
関節リウマチの初期症状があるときは早めに医療機関を受診しよう
関節リウマチの初期症状としては、関節痛や腫れ、こわばりのほかにも、微熱や倦怠感といった身体症状があげられます。しかし、関節痛や腫れ、こわばりは他の病気でも起こりうるため、症状だけでは関節リウマチとは判別しにくいものです。
関節リウマチの初期症状が現れたら、早いうちに医療機関を受診しましょう。リウマチ科や膠原病科、整形外科などが受診先です。自宅近くに専門の医療機関がない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
関節リウマチは進行性の病気であり、症状を放置するとさまざまな合併症を引き起こします。決して放置せず、医療機関で適切な治療を受けましょう。
当院、リペアセルクリニックではメール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。関節リウマチの初期症状が現れて気がかりを感じている方は、お気軽にお問い合わせください。
\無料オンライン診断実施中!/
関節リウマチの初期症状に関するよくある質問
関節リウマチでしてはいけないことは何ですか
以下の10項目があげられます。
- 症状を悪化させる食事(砂糖や加工食品は要注意)
- 激しい運動(適度であればOK)
- 体や関節を冷やす
- 首に負担をかける行動
- 肥満の状態
- 同じ姿勢を長時間とる
- 重いものを持つ
- 正座をする
- 喫煙をする
- ストレスを溜める
関節リウマチでしてはいけない10項目の詳細は、以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
関節リウマチは血液検査で判断できますか
血液検査では、免疫に関する指標(リウマトイド因子や抗CCP抗体)や炎症に関する指標(CRP値や赤血球沈降速度など)を判断します。
しかし、関節リウマチは血液検査だけで判断するのが難しい病気です。X線検査やMRI検査、超音波検査といった画像検査や医師の診察など、総合的な診断が必要です。
関節リウマチの血液検査に関する詳細は、下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
参考文献
Early Diagnosis and Treatment of Rheumatoid Arthritis|HSS
Rheumatoid Arthritis|Cleveland Clinic
関節リウマチの治療 – 薬物療法|公益財団法人日本リウマチ財団