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スマホ腱鞘炎とは?現代人に急増する手首・親指の痛みを解説!

スマホ腱鞘炎
公開日: 2025.05.30

「スマホを使うたびに親指が痛む」「手首をひねるとズキッとした痛みが走る」「朝起きると手がこわばって動かしにくい」

このような症状に心当たりはありませんか?実はこれらの症状は、現代人に急増している「スマホ腱鞘炎」のサインかもしれません。

現代では、スマホは私たちの生活に欠かせないツールとなっています。しかし、その便利さと引き換えに、知らないうちに体に負担をかけているかもしれません。

本記事では、スマホ腱鞘炎について、症状やメカニズムから、悪化させてしまう生活習慣、治療法まで詳しく解説します。

この記事を読むことで、スマホ生活を続けながらも痛みを軽減し、快適に過ごすヒントを見つけていただければ幸いです。

スマホ腱鞘炎とは?症状について解説

スマホ腱鞘炎は、医学的には「ドケルバン病」や「狭窄性腱鞘炎」と呼ばれる疾患の一種で、症状は親指の付け根から手首にかけての部分に痛みやはれが生じるのが特徴です。

スマートフォンの画面操作を繰り返すことで、親指を動かす腱(けん)に炎症が起こり、痛みを引き起こすため、片手でスマホを持ち、親指だけで操作する習慣がある方は注意が必要です。

また、長時間のスマホ使用だけでなく、妊娠出産後や更年期の女性にも多く、家事や育児での繰り返し動作でも腱鞘炎のリスクを高めます。

腱鞘炎は決して重篤な疾患ではありませんが、放置すると日常生活での動作である、ものを持ち上げたり、握る、ねじるといった動作に支障をきたすことがあります。

たとえば、ペットボトルのふたが開けられない、鍵が回せない、ドアノブがつかめないなど、日常のちょっとした動作に痛みを感じてしまいますので、生活の質が低下します。

早期に適切な対処を行うことで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻しましょう。

腱と腱鞘のしくみ

腱(けん)と腱鞘(けんしょう)は、手の動きをスムーズにするための重要な組織です。

腱とは、筋肉と骨をつなぐ丈夫な線維組織のことで、筋肉が収縮したときにその力を骨に伝える役割を担っています。

一方、腱鞘は腱を包む鞘(さや)のような構造で、腱の動きをスムーズにし、摩擦を減らす役割があります。

腱鞘の内側には滑液(かつえき)と呼ばれる潤滑液が分泌されており、腱がスムーズに動くのを助けています。

スマホを操作するとき、親指を曲げたり伸ばしたりする動作を何度も繰り返すことで、親指の付け根に通っている2本の腱と腱鞘の間で摩擦が生じます。その結果、腱鞘炎が引き起こされます。(文献1)

スマホ腱鞘炎を悪化させる生活習慣

スマホ腱鞘炎は、日常の何気ない使い方で悪化する場合があります。

とくに注意すべき習慣は片手で持って片手で操作と、手首で捻って両手で横持ちの二つです。

これらの習慣が続くと、知らないうちに親指や手首に負担がかかり、腱鞘炎のリスクが高まりますので、日々のスマホ利用方法を少し見直して、腱鞘炎の予防や症状の軽減につなげましょう。

片手で持って片手で操作

片手でスマホを持ちながら親指で操作する方法は、腱鞘炎のリスクが高くなります。

この姿勢では親指が画面全体に届くよう大きく外側に広がる必要があり、親指の付け根に過度な負担がかかります。

とくに大画面のスマホを使用している場合、親指を無理に伸ばして操作すると、腱にさらなる負担がかかってしまいますので、注意しましょう。

また、片手操作でスマホの下に小指を添える持ち方は関節をねじってしまい、小指の負担が大きくなってしまいますので改善が必要です。

改善策として、両手でスマホを持ち、両方の親指で操作するとスマホを支える手や指の重さを分散できるため、負担を軽減できます。

両手でスマホを持つのが難しい方は、片手の手のひら全体を使ってスマホを持ち、両手で操作しても手指にかかる負担を軽減できます。

このように、持ち方を工夫すると親指や手首への負担を軽減し、腱鞘炎の予防や改善につながります。

手首を捻って両手で横持ち

スマホを横向きに持って操作する横持ちも、腱鞘炎のリスクが高い使い方です。

とくに動画視聴やゲームプレイなどで見られる持ち方ですので、横持ちが多い方は注意しましょう。

横持ちの際、手首を内側にひねる姿勢が続くと、手首の関節に過度な負担がかかります。

そのため、スマホをどうしても横持ちで操作したい方は小指でスマホを支えないことと、画面をできるだけ立てて持つことを意識してください。

長時間の動画視聴やゲームプレイの際は、姿勢に気を配るとともに、適度な休憩を取って手首や指への負担を減らしましょう。

スマホ腱鞘炎かも?自分でできるセルフチェック法

スマホ腱鞘炎が気になる方は、自宅で簡単にできるセルフチェック法を試してみましょう。

ここでは、フィンケルシュタインテストとアイヒホッフテストをご紹介します。これらのテストで痛みを感じた場合は、スマホ腱鞘炎の可能性が高いと考えられます。

ただし、これはあくまでセルフチェックですので、強い痛みがある場合や、症状が続く場合は、専門医へ受診しましょう。

フィンケルシュタインテスト

フィンケルシュタインテストは、スマホ腱鞘炎を診断する際によく用いられる方法です。

フィンケルシュタインテストの手順

  • 手首が小指側に曲がらないようにまっすぐ固定する
  • 反対の手で親指をつかんで曲げる

このとき、手首の親指側や親指の付け根あたりに鋭い痛みが生じた場合はスマホ腱鞘炎の可能性があります。

親指に力を入れて自分で曲げるのではありません。親指の力を抜いた状態で、反対側の手を使って曲げる方向に引っ張りましょう

アイヒホッフテスト

アイヒホッフテストも、スマホ腱鞘炎(ドケルバン病)を診断するための有効な方法です。

フィルケンシュタインテスト変法とも呼ばれ、フィンケルシュタインテストとは少し異なる方法で簡単に行えます。

アイヒホッフテストの手順

  • 親指を手のひらの中に入れるように握ります
  • 握った手を、小指側に傾けます

このとき、親指の付け根から手首にかけて痛みがあればスマホ腱鞘炎の可能性があります。

このテストでは、親指を動かす2本の腱が引っ張られ、炎症があると痛みが生じます。

フィンケルシュタインテストと併せて行うことで、より確実にスマホ腱鞘炎の可能性を確認できます。

痛みの強さは個人差がありますが、健康な状態では痛みはほとんど感じないため、痛みを少しでも感じる場合はスマホ腱鞘炎の可能性があります。

テストの際は無理に力を入れず、自然な動きで行いましょう。

強い痛みがある場合は、すぐに専門医への受診をおすすめします。

スマホ腱鞘炎が悪化したら?治療法と再生医療の選択肢

セルフチェックの結果、スマホ腱鞘炎の可能性が高いと感じた場合、どのような対処が必要でしょうか。

初期段階では、保存的療法と呼ばれる手術を行わない治療法が効果的です。

保存的療法では、まず患部に塗り薬や湿布を塗布し、スマホの使用時間を意識的に減らして親指や手首への負担を軽減します。

また、操作する際は、正しい姿勢でスマホを操作して腱への過度な負荷を避けましょう。

さらに、手首や指の柔軟性を保つためのストレッチを定期的に行うことで、腱の柔軟性を維持し、炎症の改善を図ります。

しかし、これらの保存的療法を行っても症状が続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、手術が必要になるかもしれません。

手首の皮膚を切開し、腱鞘を切り開く手術ですが、30分ほどで完了します。

他に手術を必要としない治療法として、再生医療の選択肢もあります。再生医療とは、自己の幹細胞や血液を利用する治療法で、副作用のリスクが低い治療法です

再生医療をご検討の際は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。

\無料相談受付中/

通話料無料/受付時間 09:00~18:00

受診すべきタイミングは?専門医への相談の目安とは

スマホ腱鞘炎の症状がある場合、どのようなタイミングで専門医に相談すべきでしょうか。

以下のような状況がある場合は、整形外科やリハビリテーション科の受診を検討しましょう。

  • 痛みが2週間以上続く
  • 日常生活や仕事に支障をきたす痛みがある
  • 夜間に痛みで目が覚める
  • セルフケアをしても症状が改善しない
  • 手の握力が弱くなった
  • 親指の付け根に腫れや熱感がある

医療機関では、問診や触診、場合によってはレントゲン検査や超音波検査などを行い、腱鞘炎の程度を診断します。

診断結果に基づいて、以下のような治療が行われることがあります。

  • 消炎鎮痛剤の処方
  • サポーターや固定具による安静
  • ステロイド注射
  • 物理療法(超音波治療、電気治療など)
  • 手術療法(重症例の場合)

治療法は症状の程度や期間、生活環境によって異なりますが、医師と相談しながら、自分に合った治療法を選択することが大切です。

早めに医療機関を受診して症状の悪化を防ぎ、早期回復につなげましょう。

腱鞘炎と再生医療について

腱鞘炎に対する再生医療には、主に以下の二つがあります。

再生医療の種類 説明
PRP(多血小板血漿)

療法自己の血液から血小板を濃縮し、成長因子を豊富に含む血漿を作製して患部に注入する治療法です。

血小板から放出されるさまざまな成長因子が、炎症を抑制し、組織の修復を促進します。

幹細胞治療

自己の脂肪組織や骨髄から採取した幹細胞を患部に注入し、組織の再生を促進する治療法です。

幹細胞は抗炎症作用や組織修復促進作用を持つため、腱鞘炎の改善に効果が期待されています。

再生医療には、多くのメリットがあります。

まず、自己の細胞を使用するため、他人の組織を移植する際に問題となる拒絶反応のリスクが極めて低いことが挙げられます。

また、メスを使った手術と比較して体への負担が少なく、治療後の痛みや腫れも軽微で回復期間が短く、多くの場合、治療翌日から日常生活に復帰が可能です。

とくに仕事や育児で長期間の休養が取りにくい現代人にとって大きなメリットといえるでしょう。

当院は再生医療のプロフェッショナルとして、多くの実績がございます。

再生医療について詳細は、以下の記事もご覧ください。

まとめ|スマホ腱鞘炎を予防・改善する習慣を今日から始めよう

スマホ腱鞘炎は、現代社会において誰もが発症する可能性のある症状です。ITやクリエイティブ職、そして子育て中の方など、日常的にスマホを多用する方は注意が必要です。

この記事では、スマホ腱鞘炎の症状から原因、セルフチェック方法、そして治療法まで幅広く解説してきました。スマホは私たちの生活に欠かせないツールとなっています。

スマホを使わない選択肢はなかなか現実的ではないので、スマホとの付き合い方を少し見直し、体に負担をかけない使い方を心がけましょう。

今日からできる小さな習慣の変化が、将来の大きな痛みを予防につながります。もし症状が気になる場合は、早めの対処と専門医への相談を検討してください。

健康な手で、快適なスマホライフを送りましょう。

 

参考文献

(文献1)日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)について」2023年 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/de_quervain_disease.html (最終アクセス:2025年5月20日)

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