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スマホが原因で腱鞘炎?指や手首の痛みに注意!チェック方法・治療法

スマホ腱鞘炎
公開日: 2025.05.30 更新日: 2025.09.03

スマートフォンが生活必需品となった現代では、指や手首の痛みに悩む人が増えています。

その原因のひとつが「スマホ腱鞘炎」です。

腱鞘炎とは、筋肉と骨をつなぐ腱を包む腱鞘に炎症が起こる状態で、痛みや腫れ、動かしにくさを引き起こします。

とくにスマートフォンの操作では、親指を使ったスクロールやフリックなど同じ動作を繰り返すことが多く、腱と腱鞘の摩擦が増え炎症が生じやすいのです。

本記事では、スマホ腱鞘炎の原因や種類、セルフチェック法などを詳しく解説します。

腱鞘炎治療の選択肢の一つにもなっている「再生医療」について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

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スマホの使い過ぎは腱鞘炎の原因になる

スマートフォンの長時間使用は手指や手首に不要な負担をかけ、「スマホ腱鞘炎(けんしょうえん)」と呼ばれる障害の発症リスクを高めます。

腱鞘炎とは、骨と筋肉をつなぐ「腱(けん)」を包む「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起こる状態です。

痛みや腫れ、動かしにくさなどが生じます。

とくにスマートフォンの操作では、親指を使ったスクロールやフリックなど同じ動作を繰り返すため、腱と腱鞘の摩擦が増えて炎症が生じやすくなるのです。

親指を使った反復動作は一般的な腱鞘炎の原因とも重なり、アメリカでは「スマートフォンサム(スマホ親指)」として社会的に注目されました(文献1)。

腱と腱鞘のしくみ

腱と腱鞘は、手の動きをスムーズにする重要な組織です。

腱は、筋肉と骨をつなぐ丈夫な線維組織であり、筋肉が収縮したときにその力を骨に伝える役割を担っています。

一方、腱鞘は腱を包む鞘(さや)のような構造が特徴で、腱の動きをスムーズにし、摩擦を減らすのが役割です。

また、腱鞘の内側には滑液(かつえき)と呼ばれる潤滑液が分泌されており、腱がスムーズに動くのを助けています。

ただし、スマートフォンを操作するとき、親指を曲げたり伸ばしたりする動作を何度も繰り返すことで、親指の付け根に通っている2本の腱と腱鞘の間で摩擦が生じます。

その結果、腱鞘炎が引き起こされるのです。(文献2)

腱鞘炎については、以下の記事で医師が詳しく解説しています。

スマホ腱鞘炎の原因

スマートフォンやパソコンを日常的に使用する現代では、手や指の酷使が当たり前になりつつあります。

その結果、若い世代から高齢者まで、手首や指に痛みを感じる「スマホ腱鞘炎」に悩む人が増加しているのです。

また、単に使いすぎだけでなく、日常生活や体の変化とも深く関係しています。

ここでは、スマホ腱鞘炎を引き起こす代表的な3つの原因を見ていきましょう。

長時間のスマホやパソコンの操作

スマホ腱鞘炎で最も一般的な原因は、長時間にわたるスマートフォンやパソコンの操作です。

とくに、親指や人差し指を頻繁に使う入力動作やスクロール、画面タップなどは、腱に対して繰り返し負荷をかけます。

腱と腱鞘の間に摩擦が起こり、炎症の引き金となるのです。

慢性化すると痛みや腫れが現れ、指の動きがさらに制限されるケースもあります。

指や手首に負担をかけるスポーツ

テニスやゴルフなど、手首をひねる動作が多いスポーツも腱鞘炎の原因になります。

手首に急激な力が加わったり、同じ筋肉を繰り返し使ったりすることで、腱に炎症が起こりやすくなるのです。

スマートフォンの使用と同様に、スポーツの過度な負荷と反復動作がリスクである点を理解しておきましょう。

ホルモンの大きな変化

女性特有のホルモンの変動も、スマホ腱鞘炎の誘因となります。

更年期や妊娠・出産など、ホルモンバランスが大きく変化する時期には、腱や腱鞘の柔軟性が低下し、炎症を起こしやすくなる場合があるのです。

出産後や更年期の女性に多く見られ、エストロゲンなどのホルモン低下により、腱鞘がむくみやすくなるとされています。

スマホ腱鞘炎は主に3種類

スマートフォンの長時間使用によって起こるスマホ腱鞘炎には、いくつかのタイプが存在します。

なかでも、多く見られるのが「ドケルバン病」「バネ指」「変形性関節症」の3種類です。

ここでは、それぞれの疾患について詳しく解説します。

ドケルバン病

ドケルバン病は、親指の使い過ぎによって発症する腱鞘炎の一種です。

手首の親指側にある腱鞘と、そこを通過する短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん)および長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん)の間に摩擦が生じ、炎症が起こります。

スマートフォンの片手操作で親指を繰り返し動かすことが主な原因とされており、子育て中の女性や長時間スマートフォンを操作するデスクワーカーなどに多く見られるのが特徴です。

親指を広げる・反らす動作で痛みが増し、進行すると物を握るのが難しくなる場合もあります。

ドケルバン病については以下の記事でも詳しく取り上げているので、参考にしてみてください。

バネ指

バネ指は、指の付け根に発症する腱鞘炎です。

腱が腫れたり、腱鞘が狭くなったり、腱の滑りが悪くなったりなど、引っかかるような動作が見られます。

症状が進行すると、指を伸ばそうとした際に「カクン」とバネのように弾かれる感覚が現れるのが特徴です。

とくに朝方に症状が強い傾向があり、指を動かす際の痛みや違和感が顕著に現れます。

スマートフォンの操作で指を酷使する生活スタイルが背景にあると、バネ指のリスクは高まるとされているため注意が必要です。

変形性関節症

長期間にわたる指関節への負担や加齢によって関節軟骨がすり減り、炎症や変形を起こすのが変形性関節症です。

スマホ腱鞘炎のように手や指を繰り返し使う動作が長期間続くと、関節への慢性的なストレスが蓄積し、軟骨が摩耗しやすくなります。

関節の変形が進行すると、指の曲げ伸ばしが困難になり、日常生活にも大きな支障をきたすケースも少なくありません。

高齢者に多い疾患ですが、近年では若年層にも増加傾向が見られるため要注意です。

スマホ腱鞘炎はどこが痛いのか

スマートフォンの長時間使用により、手や腕のさまざまな部位に痛みを感じる場合があります。

どの部位が、どのような原因で痛むのかを正しく把握することが、適切な対策や治療への第一歩です。

ここでは、代表的な痛みの部位を4つに分けて解説します。

親指の付け根が痛くなる

スマホ腱鞘炎で最も多いのが、親指の付け根に痛みを感じるケースです。

片手でスマートフォンを持ちながら親指でスクロールや文字入力を繰り返すと、親指を動かす腱と腱鞘が摩擦によって炎症を起こします。

進行すると、ペットボトルのキャップを開ける、物をつかむといった簡単な動作も困難になる恐れがあるため注意しましょう。

小指の付け根が痛くなる

スマートフォンを片手で支える際に、小指を画面の端に引っ掛けて持つ不自然なスタイルを続けると、小指の付け根に負荷が集中し、痛みや関節の違和感を引き起こす場合があります。

「スマホ指」とも呼ばれています。(文献3

小指への過度な圧迫がおもな原因とされ、悪化する前に小指の付け根に負担がかからない持ち方に直しましょう。

手首が痛くなる

スマートフォンやパソコンを長時間使用すると手首にかかる負担が蓄積し、腱鞘炎や関節炎を発症する場合があります。

とくに、手首を反らしたまま固定する姿勢は腱と腱鞘の摩擦を増加させ、炎症や腫れを誘発するため注意が必要です。

痛みが悪化すると手首の可動域が制限され、日常動作に影響を及ぼします。

腕が痛くなる

スマートフォンを長時間使用し続けると、前腕から肘にかけての筋肉や腱にストレスが蓄積して痛みを引き起こすケースがあります。

「スマホ肘」とも呼ばれ、肘の外側または内側に痛みを感じるのが特徴です。(文献4

一般的に、物を掴んだときにズキッとした痛みが出る場合が多く、放置すると慢性化するリスクがあります。

スマホ腱鞘炎かも?自分でできるセルフチェック法

スマホ腱鞘炎が気になる方は、自宅で簡単にできるセルフチェック法を試してみましょう。

ここでは、「フィンケルシュタインテスト」と「アイヒホッフテスト」をご紹介します。

テストで痛みを感じた場合はスマホ腱鞘炎の可能性が高いと考えられます。ただし、あくまでセルフチェックなので、強い痛みや症状が続く場合は必ず専門医を受診しましょう。

フィンケルシュタインテスト

フィンケルシュタインテストは、スマホ腱鞘炎の診断でよく用いられる方法です。

<フィンケルシュタインテストの手順>

手首が小指側に曲がらないようにまっすぐ固定する
反対の手で親指をつかんで曲げる

親指の力を抜いた状態で、反対側の手を使って曲げる方向に引っ張りましょう。

手首の親指側や親指の付け根あたりに、鋭い痛みが生じた場合はスマホ腱鞘炎の可能性があります。

アイヒホッフテスト

アイヒホッフテストは「フィルケルシュタインテスト変法」とも呼ばれ、スマホ腱鞘炎(ドケルバン病)を診断するための有効な方法です。

<アイヒホッフテストの手順>

親指を手のひらの中に入れるように握ります

握った手を、小指側に傾けます

テストの際は無理に力を入れず、自然な動きで行いましょう。

痛みの強さは個人差がありますが、通常は痛みをほとんど感じないため、親指の付け根から手首にかけ痛みを少しでも感じる場合はスマホ腱鞘炎の可能性があります。

強い痛みがある場合は、すぐに専門医を受診しましょう。

なお、フィンケルシュタインテストと併せて行うことで、よりテストの精度を高められます。

スマホ腱鞘炎を悪化させる生活習慣

スマホ腱鞘炎は、日常の何気ない使い方で悪化する場合があります。

とくに注意すべき習慣は、スマートフォンの片手操作と、手首で捻って両手で横持ちする動作です。

間違った持ち方が習慣化すると知らないうちに親指や手首に負担がかかり、腱鞘炎のリスクが高まるため注意しましょう。

では、以下で詳しく解説します。

片手で持って片手で操作

片手でスマートフォンを持ちながら親指で操作すると、腱鞘炎のリスクが高まります。

画面全体に届くように親指を大きく外側に広げる必要があり、親指の付け根に過度な負担がかかるのです。

とくに大画面のスマートフォンを使用している場合、親指を無理に伸ばして操作すると、腱にさらなる負担がかかるので注意しましょう。

また、片手操作でスマートフォンの下に小指を添えると関節をねじってしまい、小指の負担が大きくなります。

両手でスマホを持って両方の親指で操作すると、スマートフォンを支える手や指の重さが分散されて負担を軽減できるので、試してみてください。

両手でスマートフォンを持つのが難しい方は、片手の手のひら全体を使って持ち、両手で操作すれば手指にかかる負担を軽減できます。

手首を捻って両手で横持ち

スマートフォンを横向きに持って操作する「横持ち」も、腱鞘炎のリスクを高める持ち方です。

横持ちして手首を内側にひねる姿勢が続くと、手首の関節に過度な負担がかかります。

とくに、動画視聴やゲームプレイなどで見られる持ち方なので注意しましょう。

スマートフォンをどうしても横持ちで操作したい方は、「小指でスマホを支えない」「画面をできるだけ立てて持つ」を意識してください。

また、長時間の動画視聴やゲームプレイの際は姿勢に気を配るとともに、適度な休憩を取って手首や指への負担を減らしましょう。

スマホ腱鞘炎の症状を軽くするセルフケア

スマホ腱鞘炎は早期に適切なセルフケアを行えば、症状の悪化を防ぎながら回復を目指せる障害です。

ここでは、自宅で取り入れやすい4つのセルフケア方法を紹介します。

マッサージする

手首や指の付け根周辺を優しくマッサージすることで、血行を促進し、炎症部位の回復を助けます。

親指の付け根から手首にかけての筋肉を軽く押し、円を描くようにほぐすと効果的です。

ただし、強く押しすぎると炎症を悪化させる恐れがあるため、痛みがない範囲で行いましょう。

また、入浴後や手を温めた後に行うと、より血流が良くなります。

テーピングする

テーピングは、炎症部位にかかる負担を減らすサポート方法です。

親指や手首を安定させるようにテープを巻いて動きを制限すれば、腱や腱鞘へのストレスを軽減できます。

テーピングは市販の伸縮テープを使用し、関節を曲げ伸ばししやすい程度に貼るのがポイントです。

巻き方を誤ると逆効果になる場合もあるため、わからない場合は専門家の指導を受けましょう。

湿布をする

炎症や腫れがある場合は、冷感タイプの湿布で患部を冷やすと痛みが和らぎます。

また、慢性的なこわばりや疲労感が強いときは、温感タイプの湿布で血流を促進するのも有効です。

ただし、使用時は肌に異常が出ないか確認し、長時間貼り続けないように注意しましょう。

スマホ腱鞘炎が悪化したら?治療法と再生医療の選択肢

セルフチェックの結果、スマホ腱鞘炎の可能性が高いと感じた場合、どのような対処が必要でしょうか。

初期段階では、「保存的療法」と呼ばれる手術を行わない治療法が効果的です。

保存的療法では、まず患部に塗り薬や湿布を塗布し、スマートフォンの使用時間を意識的に減らして親指や手首への負担を軽減します。

スマートフォンを操作する際は、正しい姿勢を保ち腱への過度な負荷を避けましょう。

あわせて、手首や指の柔軟性を保つためのストレッチを定期的に行って腱の柔軟性を維持し、炎症の改善を図ってください。

ただし、保存的療法を行っても症状が続く、もしくは日常生活に支障をきたす場合は、手術が必要になるかもしれません。

一般的な腱鞘炎の手術は症状により異なりますが、腱鞘を切開する方法が取られることがあり、おおよそ30分前後が手術時間とされています。

また、手術をしたくない場合には、自己の幹細胞や血液を利用する治療法「再生医療」の選択肢もあります。

当院「リペアセルクリニック」では、腱鞘炎に対する再生医療を提供しております。再生医療について詳しくは、以下をご覧ください。

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スマホ腱鞘炎に役立つ予防グッズ

スマホ腱鞘炎を防ぐには、手指や手首への負担を軽減するアイテムの活用が効果的です。

スマートフォンの持ちやすさをサポートする「スマホリング」や、滑りを防ぐ「シリコンカバー」などが販売されています。

また、長時間の操作でも手首を固定せずに画面を見られる「スマホホルダー」も便利です。

姿勢の改善にも役立つので、日常的にスマホ腱鞘炎のリスクを下げるためにも試してみてください。

まとめ|スマホ腱鞘炎を予防・改善する習慣を今日から始めよう

スマホ腱鞘炎は、現代社会において誰もが発症する可能性がある障害です。

しかしながら、長時間の連続使用を避ける、操作姿勢を改善する、セルフケアや予防グッズを活用するなど、日々の工夫で発症や悪化のリスクを軽減できる可能性があります。

痛みや違和感を感じたら早めに休養を取り、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

万が一、手術が必要なほど悪化した場合には、再生医療という治療法もあります。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っております。

再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録してぜひ一度ご利用ください。

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スマホ腱鞘炎に関するよくある質問

受診すべきタイミングは?専門医への相談の目安を知りたい

スマホ腱鞘炎は、初期段階では軽い違和感や動かしにくさから始まりますが、放置すると痛みが強くなり、指や手首の動きが制限される場合があります。

以下に当てはまれば、整形外科や手外科などの専門医を早めに受診しましょう。

  • 1週間以上安静にしても痛みや腫れが改善しない
  • 指や手首を動かすと強い痛みが出る
  • 朝起きたときに指がこわばり、曲げ伸ばしが困難
  • 日常生活や仕事に支障が出ている

早期診断と適切な治療により、症状の悪化を防ぎながら回復を早めることも可能です。

腱鞘炎の治し方や予防については、以下の記事でも詳しく解説しています。

腱鞘炎と再生医療の関係は?

腱鞘炎の治療において、近年注目を集めている選択肢の一つが「再生医療」です。

再生医療とは、自分自身の細胞や成分を利用して損傷した組織の修復を促す方法で、慢性化した腱鞘炎や従来の治療で改善が難しいケースの新たな選択肢となっています。

再生医療についてもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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参考文献

(文献1)
スマホの使いすぎによる腱鞘炎(けんしょうえん)|大正製薬

(文献2)
「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)について」2023年 |日本整形外科学会

(文献3)
『スマホ指』に要注意!長時間の利用で手指の痛み・変形が起こる?正しい持ち方を解説|メディエイド

(文献4)
『スマホ肘』になる人が増加中?スマホ肘の原因と症状、予防方法を解説|メディエイド