LINEポップアップ
  • HOME
  • トピックス
  • 頭皮マッサージと脳出血の関係|再出血を防ぐための禁忌を医師が解説
  • 脳卒中
  • 脳出血
  • 頭部

頭皮マッサージと脳出血の関係|再出血を防ぐための禁忌を医師が解説

頭皮マッサージ脳出血
公開日: 2025.06.29

「頭皮マッサージは再出血のリスクにつながらないか」

「頭皮マッサージを受けるのはやめるべきなのか」

脳出血を経験したことのある方にとって、血流を刺激する施術には少なからず警戒心があるはずです。とくに美容院や整体で頭皮マッサージを普段から受けている人であれば、なおさら再発に対する不安や疑問があることでしょう。

本記事では、頭皮マッサージと脳出血の関係や以下の内容について医師が詳しく解説します。

  • 脳出血後に頭皮マッサージを行う際の禁忌事項
  • 脳出血の既往がある方が頭皮マッサージを行う際の注意点
  • 再出血を防ぐために気を付けるべきこと

頭皮マッサージがすべての人にリスクがあるとは限りませんが、状態によっては避けるべきケースもあります。記事の最後には、頭皮マッサージと脳出血の関係に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

頭皮マッサージと脳出血の関係

リスク要因 対策
高血圧の管理が不十分 血圧コントロールを優先し、安定後に医師の許可を得る
抗凝固薬(血液サラサラ薬)服用中 マッサージ前の出血傾向チェック
脳動脈瘤・血管異常の既往歴 マッサージが禁止となる場合もあるため、自己判断では行わないこと
脳出血発症後3カ月未満 原則マッサージ禁止

頭皮マッサージが脳出血を直接引き起こすことは、医学的にほとんどありません。頭皮マッサージは頭皮表面の血行促進を目的としており、脳内の血管に直接影響を与えるものではないため、通常の強さで行う分には心配いりません。ただし、脳出血を経験されている方は注意が必要です。

出血後間もない時期や血圧が不安定な場合、強い刺激は再出血につながるおそれがあるため、自己判断でマッサージを行うのは避けましょう。

マッサージを希望される場合は、医師の指導のもと、優しい力加減で行うことが大切です。気になることがあれば、遠慮なく医師に相談しましょう。

脳出血後に頭皮マッサージを行う際の禁忌事項

禁忌事項 詳細
強い刺激・圧迫 強い力でのマッサージや頭部への過度な圧力は、デリケートな血管に負担をかけ出血リスクを高める
頭部の腫れや血管異常が残っている場合 動脈瘤や血管などの異常や脳の腫れ(浮腫)が残っている場合、マッサージで状態悪化や再出血のリスクがある
発症後間もない時期(急性期) 脳出血発症直後は脳の状態が非常に不安定で、マッサージが血圧変動や脳への負担となるため、医師の許可が出るまで実施しない

脳出血後の頭皮マッサージは、誤った方法で行うとリスクを伴う場合があります。再出血などの合併症を防ぐため、強い刺激や頭部の腫れや、血管異常が残っている場合は頭皮マッサージを行ってはいけません。

強い刺激・圧迫

禁忌事項 詳細
脳内血管への影響 脳出血後の脆弱な血管への再出血リスク増加
頭皮毛細血管への影響 頭皮の毛細血管損傷による内出血や炎症発生
感覚障害によるリスク 感覚低下による過度な刺激の継続と皮膚・血管損傷リスク

一般的な頭皮マッサージが直接脳出血を引き起こす可能性は低いと考えられています。脳出血の主な原因は高血圧や脳動脈瘤の破裂などです。

脳出血は血管そのものの状態によるため、頭皮の血行を促す頭皮マッサージで、脳出血が再発する可能性は低いと考えられます。ただし、強い刺激や圧迫を加えると、脳内血管に負担がかかり、再出血のリスクが高まるおそれがあります。

脳出血に限らず、頭皮への強い刺激は血管損傷や炎症を発生させる可能性があるため、控えるようにしましょう。

頭部の腫れや血管異常が残っている場合

項目 説明
脳浮腫 出血周囲の炎症による水分貯留と脳組織の腫れ
頭蓋内圧亢進 脳浮腫による頭蓋骨内圧の上昇と脳血流障害の危険性
頭部のむくみ 外見上のむくみが脳内浮腫の残存を示唆し、マッサージによる圧力変化で悪化リスク
血管異常(動脈瘤・奇形) 脆弱で破裂しやすい血管異常の存在とマッサージによる血流変動での負担増加リスク
回復期の脳組織のデリケートさ 修復途中の脳組織への不必要な刺激による回復阻害や合併症リスクの増加

脳出血後は脳にむくみ(脳浮腫)が生じやすく、脳を圧迫して頭蓋内圧が上昇し、血流障害や脳損傷のリスクが高まります。外見上、頭や顔にむくみがある場合は脳内にも浮腫が残っている可能性があり、頭皮マッサージによる血流やリンパの変化で状態が悪化するケースもあります。

また、脳動脈瘤などの血管異常が残っている場合、わずかな刺激でも再出血の危険性があるため、注意が必要です。脳は回復期に非常にデリケートなため、頭部の腫れや血管異常がある間はマッサージを控え、医師の指示に従うようにしましょう。

発症後間もない時期(急性期)

禁忌事項 理由
再出血リスク 出血部位の血管が脆弱なため、刺激や血流変化で再出血の危険性増加
頭蓋内圧上昇 血流増加による頭蓋内圧の上昇で脳損傷悪化の可能性
血圧変動 マッサージによる血圧変動で再出血リスク増加

脳出血後の急性期(発症から1〜2週間)は、脳や血管が非常に不安定な状態のため、頭皮マッサージを行うと、血管が修復されておらず、再出血のリスクが高まります。

マッサージによって血流や血圧が変動し、結果的に頭蓋内圧が上昇する可能性もあります。急性期のマッサージは禁忌であり、安静と医師の管理のもとで治療を受けるようにしましょう。

脳出血の既往がある方が頭皮マッサージを行う際の注意点

注意点 詳細
体調不良時は頭皮マッサージを行わない 発熱やだるさ、血圧が高いときなど体調が悪い場合は、マッサージを控える
脳に強い圧迫や刺激を与えない 強い力や圧迫は脳や血管への負担になるため、優しい力加減で実施する
体調に異変を感じたらすぐに中止する 頭痛、めまい、吐き気などの異変を感じた場合は、すぐにマッサージを中止し医師に相談する

脳出血の既往がある方は、体調不良時の頭皮マッサージや脳への強い圧迫は危険です。頭皮マッサージを行う際は自己判断ではなく、医師に相談したうえで実施するようにしましょう。

体調不良時は頭皮マッサージを行わない

理由 解説
全身状態の不安定化 発熱や倦怠感などで体力・免疫力が低下し、血圧や血流の変動が起こりやすい状態
血圧・脳圧の変動リスク 自律神経の乱れやマッサージ刺激による血圧・脳圧の急激な変動
回復力低下による合併症リスク 体調不良時は回復力・抵抗力が落ち、軽微な刺激でも頭痛や吐き気などの合併症が生じやすい状態
症状悪化や見逃しのリスク 体調不良時は体調変化に気づきにくく、症状悪化や異常の見逃しにつながる危険性

熱、頭痛、めまい、吐き気など、体調が優れない時は頭皮マッサージを控えましょう。体調不良時は血圧が不安定になりやすく、再出血や脳圧上昇などのリスクを招く可能性があります。倦怠感や疲労を感じる際も無理はせず、まずは体調の回復を優先しましょう。

脳に強い圧迫や刺激を与えない

理由 説明
再出血リスク 急性期の脆弱な血管への負担増加による再出血の危険性
頭蓋内圧上昇 マッサージ刺激による頭蓋内圧の上昇と脳損傷悪化の可能性
血圧変動による影響 血圧の急激な変動による再出血や脳血管障害のリスク

脳出血の既往がある方が頭皮マッサージを行う際は、脳に強い圧迫や刺激を与えないことが重要です。とくに発症後24〜48時間の急性期は再出血のリスクが非常に高く、この時期に頭部へ刺激が加わると、脆弱な血管に負担がかかり再出血を引き起こす恐れがあります。

再出血は初回より広範囲な脳損傷や重篤な後遺症、生命の危険を伴うこともあります。頭皮マッサージの刺激は頭蓋内圧の上昇や血圧変動を招き、脳損傷や再出血リスクを高める要因です。

頭皮マッサージを行う場合は医師の許可を得て、軽い刺激で短時間にとどめ、体調変化に注意しましょう。また、頭皮マッサージ中に少しでも違和感があれば、すぐに中止し医師に相談してください。

体調に異変を感じたらすぐに中止する

理由 説明
再出血や脳圧上昇の早期察知 頭痛・めまい・吐き気など異変は再出血や脳圧上昇の兆候である可能性
血圧変動による再出血リスク防止 マッサージによる血圧変動が再出血や脳血管障害の引き金となる危険性
神経系への過度な刺激回避 マッサージ刺激による神経系の過剰反応や血流変化による症状悪化の危険性

脳出血の既往がある方は、頭皮マッサージ中や後に頭痛、めまい、吐き気など体調に異変を感じた場合、すぐに中止し、医師に相談する必要があります。これらの症状は再出血や脳圧上昇の兆候の可能性があります。

また、マッサージは血圧変動を引き起こしやすく、その中でも、高血圧や血圧管理が必要な方は再出血リスクが高く危険な状態です。さらに、神経系への過度な刺激も症状悪化の原因となります。異変を感じたら無理せず中止し、必要に応じて速やかに医療機関へ相談しましょう。

再出血を防ぐために気を付けるべきこと

気を付けるべきこと 詳細
血圧と服薬の管理を徹底する 血圧測定とコントロールの継続、降圧薬の指示通りの服用、自己判断での服薬中止や変更の厳禁
健康的な生活習慣を実践する バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、塩分・脂肪控えめ、禁煙・節酒、ストレス管理の徹底
定期的な医師の診察を受ける 定期受診と検査の継続、医師によるリスク評価と指導、症状がなくてもスケジュール通りの受診

再出血を防ぐためには、毎日血圧を測定し、降圧薬を医師の指示通りに服用することが大切です。バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠、禁煙・節酒、ストレス管理も心がけましょう。また、症状がなくても定期的に医師の診察や検査を受け、リスク管理や指導を受けることが重要です。

以下の記事では、脳出血の再発率や血圧管理を含む予防法を詳しく解説しています。

血圧と服薬の管理を徹底する

理由・有効性 解説
高血圧は再出血の最大リスク要因 血圧上昇による脳血管への負担増加と再出血リスクの直結
血圧管理で再出血のリスク大幅低減 毎日の血圧測定と目標値維持による再出血予防効果
服薬管理は血圧安定のカギ 降圧薬の継続服用による血圧コントロールと再出血リスク低減
服薬継続と血圧測定が予防に直結 定期的な血圧測定と指示通りの服薬の継続による再発予防の実証
具体的な管理方法 家庭での血圧測定・記録、降圧薬の毎日服用、自己判断せず医師相談、定期的な診察・検査の実施

文献1

脳出血の再出血を防ぐ上で、血圧管理と服薬継続は最も重要なことです。高血圧は再出血の最大リスク要因であり、血圧が高いと脳の血管に大きな負担がかかります。毎日血圧を測定し、医師が目標とする血圧値、130/80mmHg未満(75歳以上では140/90mmHg未満)を維持できるよう努めましょう。

降圧薬は血圧を安定させるために不可欠であり、中断や変更を自己判断で行わず、医師の指示通りに服用することで、再出血予防が期待できます。

健康的な生活習慣を実践する

生活習慣 内容 効果
食事 減塩・栄養バランスの取れた食事 高血圧予防・血管の健康維持
運動 ウォーキングやストレッチの習慣化 血圧低下・ストレス軽減
睡眠 規則正しい生活と十分な睡眠時間 血圧安定・自律神経の調整
禁煙 たばこを控え、禁煙外来の活用 血管収縮の防止・再発リスク低減
節酒 飲酒量を適正に保つよう意識する 血圧の上昇抑制・肝機能保護
ストレス管理 趣味やリラックス法の導入 血圧変動の抑制・心身の安定

文献2

脳出血の再発を防ぐためには、健康的な生活習慣の実践が欠かせません。とくに塩分を控えた食事や、軽めの運動習慣は、血圧の安定に大きく寄与します。また、睡眠の質を保つことで自律神経が整い、血圧の変動も抑えられます。喫煙や過度の飲酒は血管に強い負担をかけるため、禁煙や節酒を心がけましょう。

さらに、趣味やリラックス法を取り入れてストレスをコントロールすることで、再出血のリスクを軽減し、健康的な日常を維持しやすくなります。

以下の記事では脳出血の退院後の生活習慣について詳しく解説しています。

定期的な医師の診察を受ける

有効性 解説
血圧管理の徹底 定期的な血圧測定と降圧薬調整による血圧コントロールと再出血リスク低減
再発リスク因子の早期発見と対応 高血圧・糖尿病・高脂血症などリスク因子の早期発見と治療による再発予防
薬物療法の適正な管理 薬剤の効果・副作用の評価と必要に応じた薬剤調整による効果的な治療の実現

脳出血の再発予防には、定期的な医師の診察が不可欠です。診察では血圧や再発リスク因子を細かくチェックし、必要に応じて薬の調整や生活習慣の指導を受けられます。

薬の効果や副作用も定期的に確認することで、状態に合わせた処方が可能です。症状がなくても受診を続けることで、再出血リスクを大きく減らせます。

脳出血後の頭皮マッサージは医師と相談したうえで実施しよう

脳出血の既往がある方が頭皮マッサージを実施する場合は自己判断は避け、医師に相談した上で正しく行うようにしましょう。脳出血は再発すると最悪の場合、命に危険が及ぶ可能性がある病気です。頭皮マッサージだけでなく、生活習慣を見直すなどの再発防止にも努めましょう。

脳出血の後遺症に関するお悩みは、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では脳出血に対する頭皮マッサージに加えて、後遺症や生活習慣の改善についても丁寧にアドバイスいたします。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

\無料相談受付中/

通話料無料/受付時間 09:00~18:00

頭皮マッサージと脳出血の関係に関するよくある質問

頭皮マッサージで死亡した事例はありますか?

2025年6月現在、ヘッドマッサージやヘッドスパによる死亡事例は報告されていません。しかし、いくつかの状況下では重篤な健康被害が発生する可能性があるため注意が必要です。

たとえば、美容院で首を後ろに反らせたまま長時間過ごすと、椎骨動脈が圧迫され美容院脳卒中症候群を起こすことがあります。飲酒後は血管が拡張しやすく、マッサージによる刺激で血圧が急変し、脳出血や心筋梗塞のリスクが高まります。

ヘッドスパは脳出血の直接的な原因になりますか?

ヘッドスパが脳出血の直接的な原因になることは、まずありません。通常のヘッドスパや頭皮マッサージで脳出血が起こることは極めて稀であり、多少力を入れても脳出血につながるケースは考えにくいとされています。

ただし、美容院で首を後ろに反らせた姿勢が長時間続くなどで、椎骨動脈が圧迫されて脳への血流が低下し、美容院脳卒中症候群と呼ばれる脳卒中を引き起こす可能性があります。

既往症がある方や首への負担が大きい姿勢を長時間続ける場合は体調の変化に気を付けましょう。

頭皮マッサージで血管が切れることはありますか?

通常の頭皮マッサージによって血管が切れることはほとんどありません。ただし、強い力でマッサージを行うと、頭皮の毛細血管が損傷し、炎症や出血を引き起こす可能性があります。また、飲酒後は血管が拡張しているため、マッサージの刺激で血管が破れやすくなるリスクがあるため、注意が必要です。

過去に頭部の外傷や脳出血などの既往がある方は、頭皮マッサージによる再出血が懸念されるため、事前に医師に相談するようにしましょう。

参考資料

(文献1)

佐藤祥一郎.「脳出血の血圧管理」『脳卒中 J-STAGE 早期公開 2018年 2月 27日』, pp.1-5, 2017年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/advpub/0/advpub_10605/_pdf(最終アクセス:2025年06月10
日)

(文献2)

「Ⅲ.脳出血」 pp.1-51

https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_03.pdf(最終アクセス:2025年06月10日)

イメージ画像トップ