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寒い時期に膝が痛い理由|年代別の原因・対処法・予防法
寒い冬になると、膝の痛みを訴える方が多くなります。
気温の低下により血行が悪くなり、筋肉や関節に負担がかかることで、既存の膝疾患が悪化しやすくなるのが原因です。
本記事では、寒さによる膝痛のメカニズムをはじめ、年代別の原因や悪化しやすい疾患、予防と対処法を詳しく解説します。
この記事を読むことで、ご自身の年代や症状に合った対策を知り、冬でも快適に過ごすためのヒントが得られます。
寒い時期の膝の痛みでお悩身の方は、ぜひ参考にしてください。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、膝の治療の選択肢である再生医療の情報の提供と簡易オンライン診断を行っていますので、ぜひご登録ください。
目次
寒い時期に膝が痛いのはなぜ?
気温の低下は身体にさまざまな影響を与え、寒い時期になると膝に痛みを感じる方も少なくありません。
ここでは、寒さで膝が痛くなる主な3つの要因について解説します。
血行不良で痛くなる
寒さが厳しくなると、体温を保とうとして血管が収縮して血液の流れが滞り、膝関節やその周囲の筋肉・靭帯に十分な酸素や栄養を届けられなくなります。
さらに、老廃物が蓄積されやすくなるため、神経を刺激して痛みの原因となるのです。
とくに慢性的な膝痛を抱える方は、血行不良によって痛みが悪化するリスクが高まります。
寒い時期に膝が痛くなるなら、暖かい服装や入浴によって体を温め、血流を促進するように心がけましょう。
筋肉が硬くなって痛くなる
低温環境では、筋肉の柔軟性が低下します。
寒さによって筋肉が収縮し硬直すると、関節の動きが制限され、膝に負担がかかりやすくなるのです。
とくに、太ももやふくらはぎなど膝を支える筋肉の柔軟性が失われると、日常の動作で膝関節にかかる衝撃を吸収できず、痛みにつながります。
冷え対策としてストレッチや軽い運動を日常的に取り入れるなど、筋肉の柔軟性を維持しましょう。
膝関節への負担が増えて痛くなる
筋肉の硬直と血行不良が重なると、膝関節にかかる負担がさらに大きくなります。
寒さで可動域が狭くなり、歩行や階段の昇降といった動作一つひとつが膝関節への負荷を増やしてしまうのです。
また、寒さによって姿勢が悪くなったり、体を縮こませて動くようになったりすることも、関節の使い方に偏りが生じて痛みを助長する要因となります。
膝を冷やさないようにサポーターなどを活用し、関節への負荷を軽減する工夫が必要です。
【年代別】寒い時に膝が痛くなる原因
寒い季節になると膝の痛みを訴える人が増えますが、原因は年齢によって異なります。
ここでは、10代から50代以上までの年代別に、寒さで膝が痛くなる原因を見ていきましょう。
10~20歳代で膝が痛む原因
10代から20代にかけての若年層が寒い時期に膝が痛くなる原因の多くは、運動によるオーバーユース(使いすぎ)や成長期特有の関節の不安定さにあります。
寒さによって筋肉が硬直しやすくなると、運動時に膝関節への負荷が増加し、関節の不安定さとあいまって炎症を起こしやすくなるのです。
とくに、部活動でスポーツをしている学生は、寒い中での準備運動不足が原因で痛みを訴えるケースが多く見られます。
ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うなど、関節と筋肉を冷やさない工夫が大切です。
30~40歳代で膝が痛む原因
30代から40代では、仕事や育児による身体的負担と運動不足が重なり、膝への慢性的なストレスが蓄積されやすい年代です。
筋力の低下が始まる時期でもあり、寒さによって筋肉の柔軟性が失われると、膝関節にかかる負担が増大します。
さらに、体重の増加や姿勢の乱れも膝の痛みを引き起こす要因です。
日頃からの体調管理とストレッチ、膝周囲の筋肉強化を心がけましょう。
50歳以上で膝が痛む原因
50歳以上の方は、加齢に伴う関節軟骨のすり減りや、変形性膝関節症が寒さによってさらに悪化する傾向にあります。
血行不良により関節周囲の代謝が低下し、痛みが顕著に出やすくなるのです。
また、長年の膝への負荷や運動不足により、関節の動きが制限されると同時に、冷えによって神経が過敏になって痛みを感じやすくなります。
関節を温めるだけで不十分な場合は、整形外科での検査を受けるなど早期の対処が重要です。
なお、50歳以上の方に多く見られる変形性膝関節症に対しては、再生医療が治療法の選択肢となるケースがあります。変形性膝関節症における再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。
寒くて膝が痛いと悪化しやすい疾患
寒さが厳しい時期には、ただの膝の冷えや違和感では済まされない場合があります。
冬の寒さが原因で、膝の痛みを誘発・悪化させる疾患があるため注意が必要です。
ここでは、主な膝の疾患別に、寒さで悪化する理由と対処法を解説します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や膝の酷使によって関節の軟骨がすり減ることで、炎症や痛みを伴う疾患です。
寒さにより血管が収縮すると関節周囲の血行が悪化し、軟骨の修復が進まず炎症が慢性化しやすくなります。
また、冷えによって筋肉や靭帯が硬くなると関節への負荷が高まるため、痛みが強まりやすいのです。
予防には、膝周囲の筋力維持と膝を冷やさない防寒対策が有効とされています。
以下の記事では、変形性膝関節症に対する再生医療の体験談をご紹介していますので、膝の痛みで悩んでいる方は参考にしてみてください。
関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患の一種で、関節を包む膜の内側にある滑膜(かつまく)に炎症が起こり、進行すると関節が変形する病気です。
寒さによって血流が低下すると、関節の腫れや痛みが悪化するリスクが高まります。
リウマチの症状は朝のこわばりや気温差によっても左右されやすいため、とくに冬場は注意が必要です。
体温を保ち、冷えを避けることが日常の管理において重要なポイントとなります。
関節リウマチの初期症状・原因・診断・治療に関しては、以下の記事でも解説しているのでご覧ください。
半月板損傷・靭帯損傷
半月板や靭帯の損傷は、スポーツや転倒による外傷が主な原因ですが、寒さが痛みを強めるケースがあるため注意しなければなりません。
とくに、冬季は筋肉が硬直しやすく膝関節の可動域が狭まるため、既存の損傷部位への負担が大きくなります。
また、寒さにより神経の過敏性が高まると、軽度の損傷でも痛みを強く感じるケースが少なくありません。
患部の保温と、リハビリの継続が再発予防につながります。
半月板損傷の原因や症状、治療法については以下の記事で詳しく解説しています。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)
ベーカー嚢腫とは膝裏にできる袋状の腫れで、膝関節内の滑液が関節包の後方にたまって生じます。
寒さによって血流が低下すると滑液の循環も滞りやすくなり、嚢腫が大きくなるリスクが高まるため注意が必要です。
また、寒冷によって関節周囲の筋肉や靭帯が硬くなると、膝裏に圧迫感や違和感を感じやすくなり、嚢腫による痛みや可動域制限が顕著になります。
ベーカー嚢腫は変形性膝関節症や関節リウマチと併発しやすいため、寒い時期はそれらとの関連性も踏まえた管理が必要です。
温熱療法や弾性包帯による圧迫など、医師の診断に基づく対処が推奨されます。
寒い時期に膝が痛い場合の対処方法
冬になると冷えや筋肉の緊張、血行不良などが原因で膝関節や周囲の組織に負担がかかりやすく、膝の痛みが強くなるという方が少なくありません。
ここでは、寒さによる膝の痛みに対して効果的な5つの対処法をご紹介します。
冷やす・温める
膝の痛みに対しては、症状に応じた冷却と温熱の使い分けが重要です。
急性の炎症がある場合には、まず冷やすことで腫れや熱感を抑えましょう。
寒さによる筋肉のこわばりや血行不良が原因の場合には、温めることが有効です。
とくに冬場は、温熱療法を中心に入浴や温湿布、電気毛布などで膝を温め、痛みを緩和しましょう。
湿布で痛みを緩和する
湿布は、膝の痛みや違和感を効果的に緩和するのに役立ちます。
冷感タイプの湿布は炎症が強い急性期に、温感タイプの湿布は慢性的な血行不良や筋肉のこわばりがあるときに有効です。
湿布に含まれる消炎鎮痛成分が皮膚から浸透し、痛みの原因物質を抑える作用を発揮します。
ただし、膝の痛みで通院しているなら、市販品を使用する場合でも自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
ストレッチする
寒さで筋肉が緊張すると、関節の可動域が狭まり膝への負担が増加します。
痛みが慢性化するのを防ぐには、ストレッチを行って筋肉を柔らかく保つことが効果的です。
太ももの前側(大腿四頭筋)や裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉を中心に、毎日少しずつ無理のない範囲で伸ばしましょう。
太ももとふくらはぎのストレッチの一例をご紹介します。
【太もものストレッチ】
1.横向きに寝て姿勢をまっすぐに保つ
2.下の腕で枕を作る
3.上側の膝を曲げ、手で足首をつかむ
4.かかとをおしりに近づけて太ももの前を伸ばす
5.20秒キープ。左右入れ替えで合計2セットが目安
【ふくらはぎのストレッチ】
1.壁の前に立ち、両手を壁につける
2.伸ばしたい方の脚を後ろに引く
3.後ろ脚の膝を伸ばしたまま、かかとを床にしっかりつける
4.前脚の膝を曲げながら、体重を前にかける
5.後ろ脚のふくらはぎが伸びるのを感じながら20〜30秒キープ
これらのストレッチは、筋肉の柔軟性を高めて血行促進にも寄与します。
サポーターで膝を安定させる
サポーターは膝関節の動きを安定させ、関節への過度な負担を軽減する効果があります。
寒い日は筋肉が硬くなって関節が不安定になりやすいため、物理的な支えとして有効です。
また、サポーターには保温効果もあるため、冷え対策としても活用できます。
ただし、長時間の装着は血流を妨げる恐れがあるため、使用時間やフィット感の調節に注意が必要です。
テーピングで固定する
テーピングは、膝関節を保護する方法として有効です。
膝周囲の筋肉や靭帯の動きを補助し、不安定な動作を抑えて痛みを軽減する効果が期待されます。
また、関節の動きを制限することで無意識のうちに負担が集中するのを防ぎ、再発防止にもつながります。
ただし、正しい巻き方を習得する必要があるため、はじめて使用する際は理学療法士や整骨院など専門家の指導を受けると良いでしょう。
寒い時期に膝の痛みを予防する方法
冬になると膝の痛みが悪化しやすくなりますが、日常生活の中で意識的に対策を講じることで予防可能です。
ここでは、寒い季節に膝の痛みを防ぐために有効な方法を6つの視点から解説します。
関節を冷やさないように気を付ける
膝関節が冷えると血流が滞り、筋肉や靭帯が硬くなって痛みやすくなります。
とくに冬場は、外出時に膝を露出する服装や素足で過ごすのを避けるべきです。
保温性の高いレッグウォーマーや膝用サポーターを着用するほか、就寝中の冷え対策として膝掛けや毛布を活用しましょう。
関節の冷えを防げば、炎症の悪化や慢性的な痛みのリスクを大きく減らせます。
入浴で筋肉の緊張を和らげる
寒さによって筋肉が収縮すると膝関節にかかる負担が増し、痛みが生じやすくなります。
毎日の入浴は筋肉を温めて緊張をほぐすだけでなく、血行を促進して膝痛の予防に有効です。
とくに、湯船にゆっくりと浸かると副交感神経が優位になり、リラックス効果も得られます。
10~15分ほどを目安に、湯船に浸かる習慣を取り入れてみましょう。
適度に運動する
運動不足になると膝を支える筋力が低下し、関節に直接的な負担がかかりやすくなります。
ウォーキングや軽いスクワットなどの運動を習慣化すると、血流も促進されて関節の健康が保たれます。
運動前後にストレッチを取り入れるなど、筋肉を柔軟に保つ工夫も大切です。
無理のない範囲で継続し、膝痛の予防につなげていきましょう。
長時間同じ姿勢を続けない
デスクワークやテレビの視聴などで、長時間同じ姿勢を続けると血流が悪くなり、関節や筋肉に疲労が蓄積されやすくなります。
膝の痛みやこわばりにつながる原因となるため、1時間に1回は立ち上がって体を動かしましょう。
冬場は室内でも冷えを感じやすいため、意識的に姿勢を変えたり、軽い屈伸運動を取り入れたりすると効果的です。
締め付けの強い下着を身に着けない
冬の寒さ対策として着用する防寒下着やタイツが、かえって膝周囲の血流を妨げている場合があります。
締め付けの強い衣類は膝関節に圧迫を与え、筋肉や神経の働きを阻害する恐れがあるため注意が必要です。
防寒性と通気性のバランスを考慮し、膝にやさしい素材と適度なフィット感を備えた衣類が適しています。
日常の衣服選びにも注意を払い、痛みの予防につなげましょう。
バランスの取れた食生活を心がける
膝の健康を保つためには、関節や筋肉の組織を構成する栄養素の摂取が欠かせません。
ビタミンCやビタミンD、カルシウム、たんぱく質などは、軟骨や骨の維持、免疫力の強化に関わる栄養素です。
意識的に栄養バランスの良い食事を心がけることで、膝の炎症や劣化を防ぐ効果が期待できます。
膝が痛む疾患に「再生医療」という選択肢
膝の痛みを引き起こす疾患には変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどがあり、いずれも関節や軟骨の損傷・炎症が主な原因です。
これらの疾患に対しては、保存療法や手術以外に「再生医療」という選択肢があります。
再生医療は、自己の幹細胞やPRP(多血小板血漿)を活用し、組織の修復機能や炎症反応に働きかける治療法です。
低侵襲で体への負担が少なく。手術に抵抗がある方や他の治療で効果が得られなかった方の治療法のひとつとなっています。
膝の疾患で悩んでいる方は、再生医療も治療法としてご検討ください。
以下のページでは、再生医療の詳細や症例が確認できます。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
まとめ|膝痛を悪化させないように注意しよう
寒い季節は膝関節に負担がかかりやすく、痛みが悪化する原因が多く潜んでいます。
日常生活での冷え対策や適度な運動、食事管理を意識し、膝の健康を保つ心がけが大切です。
すでに痛みがある場合には早めに医療機関を受診し、悪化する前に対処しましょう。
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