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【医師監修】慢性腰痛に使われる薬の種類と効果について詳しく解説
「慢性的な腰痛が辛い」
「市販の鎮痛剤を飲んでいるけれど、このまま飲み続けて良いのだろうか?」
「病院で薬を処方してもらう方が良いような気がする」
慢性腰痛に悩まれている方の中には、さまざまな薬を内服されている方もいらっしゃるでしょう。
慢性腰痛は発症から3か月以上続く腰痛であり、薬が効きにくいとされます。
本記事では、慢性腰痛に使われる主な薬や薬が効きにくい理由を中心に解説します。薬以外のセルフケアや医療機関での治療内容についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
慢性腰痛に使われる薬の種類と効果
本章では、慢性腰痛治療に使われる3種類の薬とそれぞれの効果について解説します。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
抗炎症作用や鎮痛・解熱作用がある薬剤の総称で、広い意味ではステロイド剤以外の抗炎症薬すべてを含みます。一般的には、腰痛をはじめとする体の痛みや発熱の治療に使用される解熱鎮痛薬とほぼ同義語です。(文献1)
薬品名としては、以下のようなものがあげられます。
- アスピリン
- インドメタシン
- イブプロフェン
副作用として多く見られるのが、胃痛や吐き気、嘔吐といった消化器症状および腎機能障害、喘息発作などです。
神経障害性疼痛治療薬
神経や脊髄、または脳の損傷および機能障害による痛み(神経障害性疼痛)を治療するための薬です。これらの薬の中には、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬や三環系抗うつ薬など、うつ病治療に用いられるものもあります。
主な薬としてあげられるものは、以下のとおりです。
- プレガバリン(リリカ)
- デュロキセチン
- ミロガバリン(タリージェ)
- イミプラミン
これらの薬には、眠気やめまい、ふらつきといった副作用があります。
以下の記事ではタリージェについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
麻薬鎮痛薬(オピオイド)
オピオイドは、脳や脊髄、末梢神経にあるオピオイド受容体に結合し、痛みの伝達を抑制する薬剤です。がんによる痛みや、神経損傷後の慢性的な痛みなどに作用します。(文献2)
オピオイドには弱オピオイドと強オピオイドがあり、慢性腰痛治療で用いられるのは主に弱オピオイドです。弱オピオイドは、強オピオイドよりも身体への依存性が低いとされています。
弱オピオイドの主な薬としては、コデインリン酸塩、トラマドールなどがあります。
オピオイドの副作用は便秘や吐き気、体のかゆみ、眠気などです。
慢性腰痛に薬が効きにくい理由
慢性腰痛とは、発症から3か月以上経過した腰痛です。腰痛の慢性化には、筋肉や脳、神経などが関わります。(文献3)
痛みへの不安から必要以上に安静にしたため筋肉が硬直し、かえって腰痛が長引くケースもあります。中枢神経が興奮状態にあり、常に痛みの信号を伝え続けるために腰痛が慢性化する場合も少なくありません。婦人科疾患を含む内臓疾患由来の腰痛や、心因性の腰痛もあります。(文献4)
原因が不明な状況で薬を飲んでいても、その薬が原因と合致するとは限りません。そのため、慢性腰痛は薬が効きにくいとされています。
慢性腰痛の概要や治療法などは、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
慢性腰痛薬の効果を高めるセルフケア
慢性腰痛において薬の内服は、大切な治療の一環です。薬の効果を高めるためには、日常生活面でのケアも必要です。
主なセルフケアを以下に示しました。
- 姿勢の改善
- ストレッチを含む運動
- 充分な睡眠
- ストレスへの対処
セルフケアの中でも、比較的手軽にできるものがストレッチです。仕事や家事の合間に、無理のない範囲で試してみましょう。
下記の記事では、慢性腰痛向けのストレッチを紹介しております。あわせてご覧ください。
慢性腰痛で医療機関を受診すべきサイン
慢性腰痛で薬を飲んでいても、以下のようなサインが生じた場合は、早急に医療機関を受診してください。(文献5)
- 腰から下がしびれる
- 足の力が入りにくい
- 排尿や排便異常を伴う
- 夜間や安静時にも強く痛む
- 発熱や体重減少を伴う
- 薬を飲んでも改善しない、もしくは痛みが増している
- 慢性腰痛発症前に、背中を痛めたことがある
これらの症状がある場合、脊柱管狭窄症や感染性脊椎炎、腰椎圧迫骨折、内臓疾患などが疑われます。
痛みが長引いたり症状が悪化したりする場合は放置せず、整形外科や内科、婦人科などの医療機関を受診しましょう。
慢性腰痛における薬以外の治療
薬の内服で慢性腰痛が回復しない場合の選択肢としては、運動療法や心理療法、手術療法、再生医療などがあげられます。
再生医療とは、けが、もしくは病気で機能が低下した組織や臓器、細胞を元通りにするための治療法です。再生医療のうち、ヒトの体内でいろいろな役割を果たせる幹細胞を活用したものが、幹細胞治療と呼ばれるものです。
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどによる慢性腰痛も、再生医療の対象になります。
当院、リペアセルクリニックでは、脂肪由来の幹細胞を使用した「自己脂肪由来幹細胞治療」を実施しております。
腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの手術後も腰痛に悩む80代の男性が、再生医療により症状が改善した治療実績もございます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。
薬で改善しない慢性腰痛は医療機関を受診しよう
慢性腰痛は、原因やタイプによって効果的な薬が異なります。主な薬としては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や神経障害性疼痛治療薬などがあり、症状に応じて使い分けることが大切です。
ただし、薬は痛みを和らげる手段の1つに過ぎません。慢性腰痛の背景には、筋肉のこわばりや神経過敏、ストレスなど、複数の原因が関係しています。薬の内服と並行して、生活習慣の改善に努めましょう。
薬を飲み続けても良くならない場合や痛みが増している場合は、放置せず早急に医療機関を受診しましょう。適切な診断と治療を選ぶことが慢性腰痛改善の第一歩です。
薬で改善しない慢性腰痛でお悩みの方は、リペアセルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。メール相談やオンラインカウンセリングも行っております。
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慢性腰痛と薬に関するよくある質問
慢性腰痛は病院に行くべきですか?
慢性腰痛は医療機関を受診すべきです。慢性腰痛にはさまざまな原因があり、長く放置していると命に関わる重大な疾患を見逃すこともあります。
受診先の第一候補は整形外科であり、その他には内科や婦人科、心療内科などがあげられます。整形外科で異常が見つからない場合は、腰痛以外の症状を見ながら他の診療科を受診しましょう。
腰痛は痛み止めの薬を飲まない方がいいのですか?
腰痛の場合は、我慢せずに痛み止めを服用してください。痛みを我慢し過ぎると神経が過敏になり、後から薬を飲んでも効果が得られにくくなることがあります。
ただし、痛み止めを服用しても症状が改善しない場合に、自己判断で服用量や回数を増やすことは避けてください。過剰な服用は消化器障害や腎機能障害などのリスクを高めます。
薬を適切に服用しても腰痛が続く場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
参考文献
NSAIDsとは|独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター
腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版|日本整形外科学会日本腰痛学会
















