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骨粗鬆症を予防するには?年代別の対策・食事・運動のポイントをわかりやすく解説

骨粗鬆症を予防
公開日: 2025.12.13

「骨がもろくなってきた気がする」

「親が骨粗鬆症だったから、自分も将来が心配」

このような不安を抱えていませんか。

病院に行くほどではなくても、まずは自分でできる対策があるのか知りたいと考えている方もいるかもしれません。

骨粗鬆症は、年齢とともに骨密度が低下し、軽い転倒でも骨折しやすくなる病気です。進行を抑えるためには、普段の食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。

この記事では、骨粗鬆症の予防法を解説し、年代別の対策や日々の工夫、薬によるサポートまで紹介します。

当院リペアセルクリニックでは、骨粗鬆症に関するご相談や再生医療に関するご質問を公式LINEで受け付けています。

不安や疑問の解消にお役立ていただければ幸いです。

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骨粗鬆症を予防する3つの方法

骨粗鬆症の予防には、骨を丈夫にする生活習慣が大切です。なかでも重要なのが、食事・運動・日光浴の3つです。順番にみていきましょう。

なお、骨粗しょう症の原因についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

食事|カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を意識

私たちの骨は、食べたものから作られています。

なかでも骨の主成分であるカルシウムは、不足すると骨粗鬆症のリスクが高まります。(文献1

これをサポートするのが、ビタミンDやビタミンK、そしてたんぱく質です。

意識したい栄養素と、多く含む食品を以下にまとめました。

栄養素

多く含む食品

カルシウム

乳製品・魚介類・大豆製品など

ビタミンD

魚介類・きのこ類・卵など

ビタミンK

納豆・葉物野菜など

たんぱく質

肉類・魚介類・卵・大豆製品など

特定の食品に偏らず、さまざまな食材を組み合わせて摂取しましょう。(文献2

運動|骨に適度な負荷をかけることが大切

骨は刺激を受けることで強くなる性質があります。そのため、骨粗鬆症の予防には運動が大切です。(文献2)とくに、継続的に骨に負荷がかかる以下のような運動が効果的です。(文献3

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • 筋力トレーニング

筋力がつくと骨の負担が減り、転倒予防にもつながります。医師や理学療法士のアドバイスも参考にしながら、運動を心がけましょう。

骨粗鬆症におすすめの運動についてはこちらの記事をご覧ください。

日光浴|直接浴びてビタミンDを合成

骨の健康を守るには、日光にあたってビタミンDをつくることも欠かせません。

ビタミンDは、食事から摂るほかに、日光に含まれる「紫外線」を浴びたときに皮膚でもつくられる栄養素です。海外では必要量の7〜8割を日光浴でまかなえるともいわれますが、皮膚でつくられる量は季節や住む地域による紫外線量の違いや年齢、日焼け止め使用の有無などによっても異なります。

なお、晴れた日に、顔や手などの小さな範囲でも10~20分ほど日光に当たると、ビタミンDの合成に役立つとされています。(文献4

長時間の日焼けは避けつつ、負担のない範囲で取り入れると良いでしょう。(文献5

たとえば買い物や運動など、歩くついでに日光を浴びるように意識すると、運動と日光浴、どちらも一石二鳥で取り組めます。

【年代別】骨粗鬆症を予防する具体的な対策

年齢に応じて、骨の状態や骨粗鬆症の予防に必要なケアも変わります。ここからは、年代別に骨粗鬆症の予防につながるポイントをみていきましょう。

10〜30代|骨をしっかりと育てる時期

人生における最大の骨量が決まるのは、10代の「成長期」です。10代~20代にかけて最大となった骨量は、代謝を繰り返しながら30代になってからも維持されます。

将来の骨粗鬆症リスクを減らすには、この時期にしっかりと骨を育て、維持することが重要です。

過度なダイエットや栄養不足、日光を避けすぎる生活、喫煙などは骨の成長や維持を妨げます。

若いうちこそ、バランスの取れた食事と適切な運動を習慣化し、骨の健康を意識し続けることが大切です。(文献6

40〜50代|運動や食事を意識し始める時期

40代を過ぎると骨密度は少しずつ低下します。とくに女性は、閉経後のホルモンバランスの変化により、骨量が急激に減ることがあります。(文献2

必要な栄養をしっかり摂取する、筋力維持を目的とした運動を習慣にするなど、これまでの生活を見直しましょう。

また、1年に1回程度は骨密度検査を受けて、自分の骨の状態を知っておくことも予防の一環になります。(文献6

年齢に応じた対策については、骨粗鬆症の運動・注意点もチェックしてみてください。

60代以降|転倒・骨折対策を始める時期

60代を過ぎると「骨を強くすること」に加えて「転倒して骨折しないように備えること」がより大切になります。

筋力やバランス感覚が少しずつ落ちてきたり、視力や認知機能の変化が重なったりすることで、つまずきやすくなるためです。

転倒により骨折すると、活動量が減って骨への刺激が失われ、さらに骨密度が低下するという悪循環に陥ります。

ふらつきを防ぐには、無理のない範囲でウォーキングや軽い筋力トレーニングを続け、筋力をつけることが効果的です。

また、背中や腰に痛みがあれば早めに受診しましょう。骨の状態を知るために、定期的な骨量測定を受けることも、安心につながります。(文献6

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骨粗鬆症の予防のために意識したい生活の工夫

骨粗鬆症予防のためには、骨に負担をかけず、かつ刺激を与える工夫ができると理想的です。具体的には、以下2つを意識してみましょう。

  • ながら運動や姿勢改善で骨への刺激を意識
  • ストレス・睡眠不足も骨の健康に影響

毎日の生活の中で、ぜひ取り入れてみてください。

ながら運動や姿勢改善で骨への刺激を意識

運動が大切とわかっていても、忙しい毎日のなかでは時間を取るのが難しいという方も多いのではないでしょうか。

そのような方でも取り入れやすいのが、「何かをしながら運動する(ながら運動)」習慣です。

たとえば、以下のような運動があります。

  • 歯みがき中に片足立ち
  • バス停で待つ間かかと落としをする
  • テレビを見ながらスクワットする

こうした「ながら運動」であれば、忙しい方や運動するのを忘れがちな方でも無理なく続けられます

また、猫背や前かがみといった姿勢は背骨に負担がかかるため、日常生活でも良い姿勢を意識するようにしましょう。

運動についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

ストレス・睡眠不足も骨の健康に影響

骨の健康というと、食事や運動ばかりに目が向きがちですが、実は「心と体のコンディション」も大切です。

たとえば、強いストレスが続いたり、睡眠不足が積み重なったりすると、体内で「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されます。

コルチゾールには骨の形成を妨げる働きがあり、骨の健康に悪影響を与えることがあるのです。

ストレスや睡眠不足をできるだけ避け、心身のバランスを整えることも、骨粗鬆症の予防につながります。

夜はスマートフォンの使用を控える、決まった時間に起床する、リラックスできる音楽や香りを取り入れるなど、日常生活でできる小さな工夫を積み重ねてみてください。

「骨を守る生活」は、特別なことを頑張るよりも、心地良い習慣を続けていくことが大切です。

骨粗鬆症を予防する薬の種類

骨密度の低下が進み骨折のリスクが高い方(骨粗鬆症と診断された方)は、薬による治療も選択肢のひとつです。

骨粗鬆症の薬には、以下のような種類があります。

  • 骨吸収を抑える薬剤
  • 骨をつくる薬剤
  • 補助的な薬

これらは骨粗鬆症の「治療薬」ですが、結果として骨折による体力や筋力低下を防ぎ、骨粗鬆症の進行を予防する効果も期待できます。

薬を使わずに骨粗鬆症を予防したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

骨を守る薬剤

骨粗鬆症薬の主体は、壊す力(骨吸収)を抑えるタイプの薬です。(文献2

私たちの骨は、常に「壊す(骨吸収)」と「作る(骨形成)」をくり返していますが、加齢やホルモンの変化により骨吸収が優位になると、骨密度が低下します。

この流れを食い止めるのが、ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸・ミノドロン酸など)や抗RANKL抗体(デノスマブ)といった薬です。どちらも広く使用されており、効果が認められています。

なお、どの薬が合うかは、現在の骨密度や生活状況、体調などによっても異なります。服用方法に注意が必要だったり、定期的な検査が必要だったりもするため、現在の状況を医師へ伝えて相談してみましょう。

骨をつくる薬剤

骨が壊れるのを抑えるだけでなく、新しくつくる力(骨形成)を高める薬もあります。これは、骨密度が著しく低く、骨折リスクが高い方によく用いられる治療薬です。

「副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド)」や「抗スクレロスチン抗体薬(ロモソズマブ)」などがあります。なお、ロモソズマブには、骨吸収を抑える効果もあるため、「作る」「守る」の両方の効果があります。(文献7

ただし、これらの薬は使用期間に上限があり、使用には条件もあるため医師の慎重な判断が必要です。

骨粗鬆症の注射については、以下の記事でも解説しています。

補助的な薬

主に食事や生活習慣を補うのに使われるのが、補助的な薬です。

単独で骨粗鬆症を治すものではありませんが、他の薬や生活改善と組み合わせることで、骨密度低下の予防効果を高められます。補助的な薬には「活性型ビタミンD3薬」や「カルシウム製剤」などがあります。(文献7

骨粗鬆症の薬物治療は継続が重要です。効果を実感しにくいため途中でやめてしまう方もいますが、自己判断で中断せず医師の指示に従って服用を続けましょう。

骨粗鬆症を予防するには日々の工夫と医療機関のサポートが大切

骨粗鬆症は、自覚症状がないまま進行し、ある日突然の骨折で気づくケースも少なくありません。「今は大丈夫」と感じていても、日々の積み重ねと早めの対策がとても大切です。

まずは、栄養・運動・生活習慣を整えることから始めましょう。そして必要であれば、検査や治療について医療機関に相談してみましょう。

一人で悩むのではなく、専門家のサポートを受けることで、自分に合った予防法を見つけやすくなります。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や、簡単なオンライン診断も実施しています。

「自分の骨の状態が気になる」「どこから対策すれば良いかわからない」などのお悩みがあれば、ぜひお気軽にご登録ください。

また、骨粗鬆症の治療については、以下の記事もあわせてご覧ください。

骨粗鬆症を予防することに関するよくある質問

骨粗鬆症を予防するには日光浴は何分必要ですか?

骨の健康維持に欠かせないビタミンDは、皮膚が日光(紫外線)を浴びることによって体内でも生成できる栄養素です。

国際骨粗鬆症財団の資料によると、晴れた日に1日10~20分程度、顔や手、腕などを日光に当てることで、多くの人が必要量を合成できると報告されています。(文献4

ただし、以下のようなケースにおいては、日光からのビタミンD合成が不十分になりかねません。

  • 冬場や曇りの日が続いているとき
  • 日焼け止めをしっかり塗っているとき
  • 大気が汚染されていて紫外線が十分届かないとき

さらに、季節によっても得られる紫外線量には差が生じます。過度な日焼けや熱中症に気を付けながら、無理のない範囲で日光浴を取り入れてみてください。

骨粗鬆症を予防する上で食べてはいけないものはありますか?

骨に良い食べ物を意識するのも大事ですが「骨の健康を損なう可能性があるもの」を控える意識もとても大切です。

とくに以下のような食品や習慣には注意しましょう。(文献8)(文献9

注意が必要なもの

理由やポイント

塩分

・摂りすぎると尿と一緒にカルシウムが排泄されやすくなり、骨のカルシウムが失われる可能性がある

・加工食品や漬け物、外食のスープなどには意外と多くの塩分が含まれているため、注意が必要

リン

・肉や魚、牛乳に多く含まれ、カルシウムの吸収を妨げるといわれている

・加工食品や清涼飲料水の添加物として使用されていることもあるため、過剰摂取しないよう注意する

カフェイン

・カルシウムの排出を促進したり、骨の代謝に影響を与える可能性がある

これらを絶対に食べてはいけないと考える必要はありませんが、摂取の頻度や量の見直しが骨を守る第一歩になります。

参考文献

(文献1)

骨粗鬆症の予防のための食生活|厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~

(文献2)

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版|骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会

(文献3)

骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を|厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~

(文献4)

Vitamin D|International Osteoporosis Foundation

(文献5)

体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-|国立研究開発法人国立環境研究所

(文献6)

年代別予防のポイント|公益財団法人骨粗鬆症財団

(文献7)

治療の基本方針|公益財団法人骨粗鬆症財団

(文献8)

予防について|公益財団法人骨粗鬆症財団

(文献9)

リンの働きと1日の摂取量|公益社団法人長寿科学振興財団