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前十字靱帯断裂後のサッカー選手の復帰はいつ?受傷の原因や放置するリスクを解説

前十字靱帯断裂 サッカー
公開日: 2026.02.15

「前十字靱帯を断裂したサッカー選手はいつ復帰できる?」
「放置したままにするとどうなる?」
「適切な治療方法やリハビリスケジュールを知りたい」

前十字靱帯断裂後のスポーツ復帰の目安は平均8カ月後です。ただし、ケガの程度や手術の方法などによって目安は異なります。

本記事では、前十字靱帯断裂に関する以下のことをサッカーに焦点を当てて解説します。

  • 受傷の原因
  • 放置するリスク
  • 治療方法
  • リハビリスケジュール
  • 復帰の目安
  • 予防エクササイズ

再断裂のリスクを下げるための評価方法についても解説しています。サッカーにおける前十字靱帯断裂について、理解を深めるために本記事を参考にしてください。

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サッカーは前十字靱帯断裂が多いスポーツ

サッカーは以下のような特性があることから、前十字靱帯断裂が多いスポーツです。
  • プレイ中に900回前後の方向転換に加えて、さまざまな動作を繰り返す
  • 急激な加速や減速、別方向への加速など緩急が激しい
  • キックやトラップなど片足立ちになる場面が多い

受傷する男女比は女性に多い傾向です。前十字靱帯を損傷した有名なサッカー選手には、元日本代表の城彰二選手や小野伸二選手などが挙げられます。

サッカー選手によくある前十字靱帯断裂の受傷の原因

サッカーでは、以下のようなプレイにより前十字靱帯断裂を受傷することが多いです。

  • ディフェンス時のプレッシング動作
  • ボールに対するキック動作
  • ジャンプからの着地

受傷状況には、接触プレーと非接触プレーがあります。接触プレーでは「相手からタックルが入った」「ジャンプの着地時に相手の足が絡んだ」などの状況で受傷する場合があります。

一方、非接触プレーでは「急に方向転換をしたとき」「ジャンプの着地時に足をひねった」などの状況です。接触プレーよりも、非接触プレーのほうが受傷する割合が多いとの報告があります。文献1

前十字靱帯断裂後の症状と放置するリスク

前十字靱帯を断裂した直後は「ブチッ」と切れたような音や、膝が外れたような感覚が現れます。この状態は、前十字靱帯に緊張がない状態です。

この状態のままだと、スポーツの動作だけでなく日常生活の動作でも「ガクッ」と膝くずれのような現象が生じるようになります。さらに放置していると、関節の中にある半月板や軟骨を損傷してしまうおそれがあり、変形性膝関節症を引き起こしてしまうリスクがあります。

変形性膝関節症は高齢者に多い病気です。しかし、前十字靱帯の断裂や損傷により、若い人でも引き起こすことがあります。

サッカー選手における前十字靱帯断裂の治療方法

前十字靱帯断裂が自然治癒することはほぼありません。そのため、多くの場合に再建術という手術療法を行う必要があります。再建術とは、自分の体にある腱を採取して断裂部位に移植する治療方法です。とくに前十字靱帯断裂を受傷したサッカー選手は、運動能力を回復させるためにも再建術が必要です。

再建術には、以下のようにいくつか種類があります。

  • ハムストリング腱を用いた再建術
  • 骨付き膝蓋腱を用いた再建術

以下では再建術の一例を解説します。

ハムストリング腱を用いた再建術

再建術の中で最も多く用いられる、膝のハムストリング腱を用いた方法です。
ハムストリング腱を用いて行われる関節鏡視下再建術では、切開は最小にでき、合併症も少ないとされています。術後の経過も安定しており、有効な手術療法として確立しています。

骨付き膝蓋腱を用いた再建術

膝の骨付きの腱を用いた再建術です。復帰を目指すアスリートや膝の安定性を重視する場合、また再建術後に再断裂した場合などに適応となることがあります。

膝の骨付きの腱を用いるメリットは、腱の移植後、骨癒合(こつゆごう:骨がくっ付くこと)までの期間が短く、腱が固定するのが早いことです

また、正常の前十字靱帯より強い引っ張り強度があるとされています。主なデメリットとしては、傷が大きく術後早期の痛みが強いことです。加えて、腱を採取した部位の骨折や感染、断裂のリスクなどが高まってしまいます。

自身の細胞を用いた再生医療

前十字靱帯断裂の治療において、再生医療も選択肢の1つです。再生医療とは、患者様自身の細胞を用いて、体の自然治癒力を高める治療方法です。

再生医療には、主に幹細胞治療とPRP療法の二つがあります。

幹細胞治療は、自己の幹細胞を採取・培養して患部に投与する治療法です。一方、PRP療法は、自己の血液から血小板を濃縮した液体を作製し、患部に注射する治療法です。血小板に含まれる成長因子などには、組織の修復を促し、炎症を抑える働きがあります。

再生医療は前十字靱帯断裂だけなく、半月板損傷やテニス肘、ゴルフ肘など、さまざまなスポーツ外傷に活用されています。

手術しなくても治療できる時代です。

スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。

前十字靱帯再建後のサッカー選手のリハビリスケジュール

前十字靱帯再建後のサッカー選手のリハビリスケジュールの一例は、以下の通りです。

時期 リハビリメニュー
手術翌日 足関節運動
1〜2週目〜 足上げ(股関節屈曲)、足の横上げ(股関節外転)、足の後ろ上げ(股関節伸展)
3週目〜 膝の伸展運動、静止スケーティング
5週目〜 レッグカール、ハーフスクワット
7週目〜 静止自転車、カーフレイズ、踏み台昇降
9週目〜 膝伸展運動、階段昇降、速歩
13週目〜

ハーフスクワット、片足スクワット、レッグプレス、レッグカール、水中歩行

以上のように経過に応じて徐々にリハビリの強度を上げていきます。ただし、以上のリハビリの時期はあくまでも一例です。手術の方法や状態によって異なります。

また、時期に応じて膝の可動域やかけてもよい体重などの制限があります。医師の指示通りにリハビリを進めてください。

前十字靱帯断裂を受傷したサッカー選手の復帰目安

前十字靱帯断裂後に再建術を実施したサッカー選手の競技復帰の目安は、平均8カ月後です。(文献2)個人差があり5〜12カ月と幅があります。再建術後の再断裂のリスクは、2年以内が最も高いとされています。(文献3

そのため、期間よりも以下のような機能にもとづいた復帰の判断が重要です。

  • 片足ジャンプの左右差が10%未満
  • 健康な方の脚と比較して筋肉の出力が90%を超える
  • ケガをした脚に不安感がない

復帰を焦らず経過に応じたリハビリを進めていきましょう。

サッカー選手が前十字靱帯断裂を予防するエクササイズ

サッカーの外傷や障害予防プログラムとして「FIFA11+」が推奨されています。

例えば、以下のようなエクササイズを動画で紹介しています。

  • ベンチスタティック
  • サンドイッチスタティック
  • スクワット+トゥレイズ

ここでは、エクササイズの一例の詳細を解説します。

ベンチスタティック

ベンチスタティックは体幹の筋肉を強化するエクササイズです。体幹の筋肉を強化するとあらゆる動きの安定性の向上につながります。

ベンチスタティックの手順は以下の通りです。

  • うつ伏せになる
  • 脇を閉じて前腕が地面に付くようにする
  • 肘は肩の真下にする
  • 足先と前腕で体を持ち上げる
  • 上体、骨盤、脚を上げて頭から脚を一直線にする

この体勢を20〜30秒間維持します。頭を後ろに反らしたり、背中が丸まったりしないように注意してください。3セットを目安に行いましょう。

サンドイッチスタティック

サンドイッチスタティックは、体幹の側面の筋力を強化するエクササイズです。体幹の側面の筋肉を強化すると、横方向への動きや回転動作の安定性の向上につながります。

サンドイッチスタティックの手順は以下の通りです。

  • 横向きに寝て下側の膝を90°に曲げる
  • 下側の前腕と脚で体を支える
  • 肘は肩の真下にする
  • 骨盤と上側の脚を上げる
  • 上側の肩、骨盤、脚を一直線にする

この体勢を20〜30秒間維持します。肩と骨盤を前後に傾けないようにしてください。両側を各3セットずつ行いましょう。

スクワット+トゥレイズ

スクワット+トゥレイズは、ハムストリングや下腿の筋肉の強化に加えて、膝や足首の動きのコントロール能力の向上を期待できます。

  • 両足を肩幅に合わせてまっすぐ立ち、両手を腰に当てる
  • ゆっくりと腰を下ろし、膝が90°になるまで曲げる
  • そこから上体、股関節、膝を伸ばして立位に戻していく
  • 膝が完全に伸びたらつま先立ちになる
  • 再びゆっくりと曲げていく

この動作を30秒間続けます。膝を内側に入れず、頭を後ろに反らさないようにしてください。2セットを目安に行いましょう。

まとめ|前十字靱帯再建後は復帰を焦らずリハビリに取り組もう

サッカーはプレイ内容の特性上、前十字靱帯断裂を受傷しやすいスポーツです。接触プレーよりも「急に方向転換をしたとき」「ジャンプの着地時に足をひねった」などの非接触プレーのほうが、受傷原因として多いと報告があります。

復帰までの期間は平均8カ月ほどです。再建術後2年以内は再断裂のリスクが高いといわれています。再断裂のリスクを下げるためには、両足の筋力や機能の左右差がほとんどなくなるまで、リハビリに取り組むことが重要です。焦らずに医師やリハビリスタッフと相談しながら、回復の時期に応じたリハビリを行いましょう。

前十字靱帯断裂などスポーツ外傷の治療方法として、再生医療という選択肢もあります。再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご確認ください。

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サッカーにおける前十字靱帯断裂に関するよくある質問

前十字靱帯断裂したままスポーツは可能?

前十字靱帯を断裂したままのスポーツは困難であり危険です。

関節の安定性が損なわれており容易に膝くずれが起きてしまうためです。適切な治療を受け、医師の許可が出てからスポーツを再開しましょう。

前十字靱帯断裂したらサッカーは引退?

前十字靱帯断裂が必ずしも引退につながるわけではありません。

適切な治療とリハビリにより復帰しているサッカー選手はいます。

参考文献

(文献1)
膝前十字靱帯損傷のリハビリテーション|中外医学社

(文献2)
Jリーグ選手の膝前十字靱帯再建後の復帰について~膝最大伸展位での移植腱固定による靱帯再建術~|日本臨床スポーツ医学会誌

(文献3)
前十字靱帯断裂〜スポーツ復帰までの道のり〜|佐賀大学医学部附属病院