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クローン病の治療薬一覧!副作用や医療費助成・服用時の注意点を解説【医師監修】
「クローン病の薬の服用について不安がある」
「クローン病の薬の効果を知りたい」
このように、クローン病と診断されたばかりの方は薬の服用や副作用などに不安を抱きやすいものです。
クローン病の治療薬は種類が多く、それぞれの効果や違いがわかりにくいため、どの薬を選べば良いのか悩む方もいます。
本記事では、クローン病の治療薬を一覧で紹介し、効果の違いに加えて副作用や服用時の注意点も解説します。記事の最後には、クローン病の治療薬に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
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目次
クローン病の治療薬一覧
| 治療薬 | 詳細 |
|---|---|
| 5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸) | 腸の炎症を抑える薬 |
| ステロイド | 強い炎症を短期間で抑える薬 |
| 免疫調節薬・免疫抑制薬 | 免疫反応を抑えて炎症を抑える薬 |
| 生物学的製剤 | 炎症に関わる物質を標的にする薬 |
| JAK阻害剤 | 炎症の伝達経路を抑える内服薬 |
| 抗菌薬 | 感染や合併症の治療に用いる薬 |
クローン病の薬は、それぞれ炎症を抑える・免疫の過剰反応を整える・再燃を防ぐなど目的が異なります。
軽い炎症では腸の炎症を抑える薬から始まり、症状・内視鏡所見・合併症の有無でステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤、JAK阻害剤へ段階的に検討します。
肛門病変や膿瘍などを伴う場合は、抗菌薬を併用することもあります。薬の種類が増えるほど副作用や感染症のリスクも高まるため、服用は必ず医師の指示に従うことが大切です。
5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸)
| 治療上の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 副作用が比較的少ない | 免疫抑制が強すぎない治療の選択肢 |
| 軽症例で選択されやすい | 診断初期や病勢が落ち着いている場合の選択肢 |
| 一部の患者で効果が期待できる | 一定数の患者に効果が期待できる薬剤の位置づけ |
| 他治療と併用しやすい | 栄養療法などと組み合わせるベース薬としての活用 |
5-ASA製剤は、腸の炎症を抑える目的で用いられる薬です。潰瘍性大腸炎では中心的な治療薬として使われますが、クローン病における有効性は限定的とされています。代表的な有効成分にはメサラジン、サラゾスルファピリジンなどがあり、製品名としてはペンタサ、サラゾピリンなどがあります。
一部の軽症例や診断初期で使用されることはありますが、効果には個人差が大きく、すべての患者に有効とは限りません。また、近年の研究では、生物学的製剤との併用による追加効果が明確に認められない場合もあります。
そのため、クローン病の治療では、病状や炎症の程度に応じて、ステロイドや生物学的製剤など他の治療薬が選択されることもあります。
クローン病と潰瘍性大腸炎では、症状が現れる部位や治療法などに違いがあります。両者の違いについて詳しく知りたい方は、「クローン病と潰瘍性大腸炎の違い」の記事も参考にしてください。
5-ASA製剤の副作用
5-ASA製剤(メサラジンなど)は、比較的副作用が少ない薬とされていますが、胃の不快感・吐き気・下痢などの消化器症状、頭痛、発疹・かゆみといった症状がみられる場合があります。
多くは軽度で調整により落ち着くこともありますが、自己判断で治療薬を中止せず医師に相談しましょう。
まれに腎障害(間質性腎炎)が生じることがあります。初期は症状が出にくいため、定期的な腎機能チェック(採血・尿検査)が欠かせません。
頻度は低いものの急性膵炎もあり、上腹部の強い痛み・吐き気・背中への放散痛があれば、早めに医療機関を受診することが大切です。
ステロイド
| 治療上の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 炎症を速やかに抑えやすい | 活動期の強い炎症を短期間で鎮める寛解導入薬としての位置づけ |
| 長期使用を基本としない | 副作用リスクを踏まえた短期使用前提の治療の選択肢 |
| 病変に応じた使い分け | 全身型と腸管作用型(例:ブデソニド)を選べる薬剤特性 |
| 維持療法へつなぐ役割 | 免疫調節薬・生物学的製剤などが効くまでの橋渡しとしての活用 |
ステロイド(副腎皮質ステロイド)は抗炎症作用が強い薬です。クローン病の活動期に起きる強い炎症を速やかに抑えます。腹痛・下痢・発熱などの症状を短期間で改善し、寛解導入を目的に用いられます。
ステロイドは炎症を抑える力が強い一方で、副作用が増えやすいため、長期使用には向いていません。海外の診療ガイドラインでも、維持療法には推奨されていません。(文献2)
ステロイドには、全身に作用するプレドニゾロン(製品名:プレドニン等)や、腸管で作用しやすいブデソニド(製品名:ゼンタコート)などがあります。軽〜中等症の回盲部病変では、ブデソニド9mg/日が寛解導入に推奨されています。(文献3)
ステロイドの副作用
ステロイド(副腎皮質ステロイド)は炎症を強力に抑える一方で、副作用が出やすい薬です。
服用開始後の早い段階からみられやすい症状には、次のようなものがあります。
- 食欲増加・体重増加
- むくみ
- 胃の不快感
- にきび
- 不眠
- 気分の変化(イライラ・不安感など)
高用量・長期使用では、感染症や骨粗鬆症などのリスクが高まります。
- 免疫が抑えられて感染症にかかりやすくなる
- 骨粗鬆症
- 血糖上昇(糖尿病の悪化・発症)
- 白内障・緑内障
高熱・息苦しさ・強い抑うつ・視力変化・黒色便などがあれば、早急に医療機関を受診しましょう。
ステロイドは抗炎症作用が強い薬であるため、副作用が疑われる症状が出た場合でも自己判断で中断せず、医師と相談しながら調整することが基本です。
免疫調節薬・免疫抑制薬
| 治療上の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 再燃予防と寛解維持 | 炎症が落ち着いた後の再燃を防ぐ維持療法としての位置づけ |
| ステロイド依存の回避 | ステロイド減量・中止を支えるステロイドスパリング薬としての役割 |
| 生物学的製剤の補助 | 併用による効果安定化や治療効果低下リスクの軽減 |
| 中長期の病勢コントロールに向いている | 効果発現が緩やかな維持療法向け薬剤特性 |
免疫調節薬・免疫抑制薬は、免疫反応を調整して炎症を抑える薬です。代表的なものにチオプリン製剤があり、有効成分としてはアザチオプリン(製品名:イムラン、アザニン等)、6-MP(製品名:ロイケリン)などがあります。クローン病では、いったん炎症が落ち着いた後に、再燃を防いで寛解を長く保つ「寛解維持」を目的として用いられることが多い治療薬です。
ステロイドは寛解導入に有効です。一方で、長期使用では副作用が増えるため、減量・中止を目指す必要があります。免疫調節薬はステロイドの減量・中止を支える役割として重要です。
また、効果はすぐに出る薬ではなく、安定するまで時間がかかるため、中長期の病勢コントロールに向く薬として位置づけられます。
免疫調節薬・免疫抑制薬の副作用
免疫調節薬・免疫抑制薬(アザチオプリン、6-MPなど)は、再燃予防を目的に中長期で用いられる薬ですが、次のような副作用がみられる場合があります。
- 吐き気・下痢などの消化器症状
- だるさ
- 発疹・かゆみ
- 軽度の脱毛
重い副作用としては、骨髄抑制や肝機能障害があり、自覚症状が乏しいこともあるため定期的な採血が欠かせません。
免疫低下に伴う感染症にも注意し、高熱や咳が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
まれに膵炎も起こり得るため、上腹部の強い痛みと吐き気があれば受診が必要です。
長期使用では、悪性腫瘍(皮膚がん・リンパ腫など)のリスクにも注意が必要です。ただし、リスクは高いものではないため、定期的な診察で確認しながら治療を続けます。
生物学的製剤
| 治療上の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 炎症の原因を標的にできる | TNF-αやIL-12/23などを狙って炎症を抑える治療機序 |
| 中等症〜重症の中心治療 | 難治例や病勢が強い場合に検討される治療の選択肢 |
| ステロイド依存の回避 | 寛解導入から維持まで見据えた治療設計とステロイドスパリング |
| 合併症への治療選択肢 | 瘻孔や肛門病変など腸管合併症への治療成績が期待される薬剤群 |
| 寛解維持と将来リスク低減 | 再燃予防とQOL(生活の質)維持、入院・手術リスク低減を目指す治療目的 |
生物学的製剤は、炎症に関わる物質を狙って働きを抑えて腸の炎症を改善する治療薬です。主に中等症〜重症のクローン病や、ほかの治療で十分な効果が得られない場合に使用されます。(文献1)
代表的な薬には、以下のようなものがあります。
- インフリキシマブ(製品名:レミケード)
- アダリムマブ(製品名:ヒュミラ)
- ウステキヌマブ(製品名:ステラーラ)
- ベドリズマブ(製品名:エンタイビオ)
これらは症状を落ち着かせるだけでなく、その状態を維持して再燃を防ぐ目的でも使用されます。(文献4)
また、肛門周辺に膿がたまったり、膿の通り道ができたりするクローン病特有の合併症に対しても、治療の選択肢になる場合があります。(文献5)
近年は、リサンキズマブ(製品名:スキリージ)など新しい薬も登場しており、これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合にも選択肢が広がっています。(文献13)
どの薬を使用するかは、症状やこれまでの治療歴、副作用のリスクなどを踏まえて医師が判断します。
生物学的製剤の副作用
生物学的製剤は、炎症に関わる物質(TNF-α、IL-12/23など)を標的として腸の炎症を抑える治療薬ですが、免疫に影響するため副作用として感染症に注意が必要です。
比較的起こりやすい症状として、感染症に関連する症状などがみられます。
- かぜ症状(鼻水・のどの痛み・咳)
- 発熱
- だるさ
- 頭痛
- 注射部位の赤みや腫れ(皮下注)
- 点滴中の違和感(点滴製剤)
重い感染症として肺炎などがあり、抗TNF製剤では潜在性結核の再活性化、B型肝炎などの再活性化に注意が必要です。点滴中の息苦しさやじんましんなどアレルギー反応が起こる場合もあります。
薬ごとにリスク傾向が異なるため、体調変化があれば自己判断で中断せず医師へ相談することが大切です。
JAK阻害剤
| 治療上の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 内服で治療できる選択肢 | JAK-STAT経路を抑えて炎症シグナルを制御する分子標的薬 |
| 既存治療で効果不十分な場合に検討 | 中等症〜重症で5-ASA・免疫調節薬・生物学的製剤などが十分効かないケースの治療選択肢 |
| 寛解導入と維持の両面で使用 | 活動期の症状改善と再燃予防を視野に入れた治療設計 |
JAK阻害剤は、炎症に関わるサイトカインの情報伝達(JAK-STAT経路)を抑える分子標的薬(低分子化合物)で、注射や点滴の生物学的製剤とは異なり内服で治療できる選択肢です。
クローン病で用いられるJAK阻害剤には、ウパダシチニブ(製品名:リンヴォック)などがあります。寛解導入と寛解維持の両面を想定した治療として位置づけられています。
日本でも既存治療で効果不十分な中等症〜重症の活動期クローン病に対し、導入・維持療法として適応追加承認が取得されました。(文献6)
JAK阻害剤の副作用
JAK阻害剤(例:ウパダシチニブ)は内服で炎症を抑える一方、免疫に影響するため副作用に注意が必要です。
実際に、ウパダシチニブ(RINVOQ)の米国添付文書では、クローン病の導入試験において、上気道感染がプラセボ群より高い頻度(13% vs 8%)で示されています。(文献7)
JAK阻害剤は帯状疱疹のリスクが高いことが指摘されており、重い感染症や血栓症にも注意が必要です。高熱や息苦しさ、片脚の腫れ・痛み、胸痛がある場合は早めに医療機関へ連絡し、自己判断で中断せず医師へ相談して対応する必要があります。
抗菌薬
抗菌薬は、肛門病変や感染が疑われる合併症に応じて併用される補助療法です。代表的な有効成分にはメトロニダゾール、シプロフロキサシンなどがあり、製品名としてはフラジール、シプロキサンなどがあります。
とくに腸管の炎症が強いと膿瘍を形成する場合があり、この場合は抗菌薬が治療に組み込まれ、必要に応じてドレナージや手術も検討されます。
難病情報センターでも、治療の一部として抗菌薬投与が行われることがあると記載されています。(文献1)
肛門瘻孔では、生物学的製剤に加えて抗菌薬を併用することがあります。(文献8)
一方で完全治癒に至らないことも多く、期間を決めて使うことが重要です。
抗菌薬の副作用
抗菌薬(メトロニダゾール、シプロフロキサシン等)は一定期間の併用が多い一方、次のような消化器症状がみられる場合があります。
- 吐き気
- 腹部不快感
- 下痢
- 食欲低下
メトロニダゾールでは口の苦み(金属味)が出ることもあります。まれに末梢神経障害(しびれ・ピリピリ感)に注意が必要です。
フルオロキノロン系(シプロフロキサシン等)では、非常にまれですが腱炎や腱断裂が報告されており、英国MHRAも腱痛など重大な副作用が疑われる場合は早期中止と医師への相談を推奨しています。(文献9)
また、メトロニダゾール服用中はアルコールを避けることが重要です。(文献10)
クローン病の治療薬を服用する際の注意点
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 自己判断で中断しない(飲み忘れ含む) | 中断や飲み忘れによる再燃リスク増加と治療効果低下の可能性 |
| 副作用と併用薬の注意点を知っておく | 副作用の早期発見と相互作用回避のための事前把握 |
| 発熱・咳・強いだるさがあるときは早めに医療機関へ連絡する | 感染症の重症化予防と早期対応の必要性 |
| 治療前後の検査と予防接種を確認する(結核・肝炎など) | 潜在感染の評価と再活性化予防のための検査・ワクチン確認 |
| 薬の費用・医療費助成制度を確認しておく | 高額になりやすい治療費の負担軽減策の把握 |
薬の効果を十分に引き出すには、治療を継続し、体調の変化を早めに医師へ共有することが大切です。
クローン病は症状が落ち着いていても腸の炎症が残る場合があり、自己判断で中断したり飲み忘れたりすると再燃につながる可能性があります。
副作用の兆候を見逃さず早めに相談し、併用薬・ワクチン・感染症リスクは薬剤により異なるため治療前後の検査も含めて確認しましょう。
自己判断で中断しない(飲み忘れ含む)
クローン病は症状が落ち着いていても、腸の炎症が残ることがあります。自己判断で薬を中断したり飲み忘れたりすると、寛解維持が崩れやすくなります。薬の種類によっては、中断後に50%以上が再燃する可能性も示されています。(文献11)
いったん再燃するとステロイド導入や生物学的製剤・JAK阻害剤への切り替え、入院などより強い治療が必要になりやすい点にも注意が必要です。
副作用と併用薬の注意点を知っておく
クローン病の治療薬には、免疫に作用する薬もあるため、副作用やほかの薬との組み合わせに注意が必要です。
発熱や強いだるさ、下痢、腹痛などの体調変化がみられた場合は、副作用だけでなく感染症やクローン病の再燃が原因となっている可能性もあります。自己判断で薬を中断せず、気になる症状があれば早めに医師へ相談しましょう。
また、処方薬だけでなく、市販薬や予防接種、飲酒などにも注意が必要です。主な例は以下のとおりです。
| 注意したいもの | 注意点 |
|---|---|
| NSAIDs(ロキソニン、イブプロフェンなど) | 腸の症状を悪化させる可能性があるため、自己判断で使用せず医師・薬剤師に相談する |
| 生ワクチン | 生物学的製剤やJAK阻害剤などの治療中は、接種できない場合がある |
| アルコール | メトロニダゾールの服用中は飲酒を避ける |
| 市販薬・サプリメント | 治療薬との相互作用が生じる可能性があるため、使用前に確認する |
とくに痛み止めが必要な場合は、自己判断でNSAIDsを使用せず、医師に相談してください。症状や治療内容によっては、アセトアミノフェンなど別の薬が検討される場合があります。
注意すべき薬や組み合わせは治療内容によって異なるため、新しく薬やサプリメントを使用するときは、主治医や薬剤師に確認することが大切です。
発熱・咳・強いだるさがあるときは早めに医療機関へ連絡する
クローン病の治療では、ステロイド・免疫調節薬・生物学的製剤・JAK阻害剤など免疫反応を抑える薬が用いられるため、感染症が重症化しやすい点に注意が必要です。
通常なら軽く済む風邪でも肺炎などへ進行する場合があり、発熱・咳・強いだるさが出た場合は医療機関を受診しましょう。
これらの症状は感染症だけでなく、副作用や再燃でも起こり得るため、自己判断で様子見や薬の中断をしないことが大切です。
早期に相談することで、投与の延期可否・採血や画像検査の必要性・抗菌薬や抗ウイルス薬の要否を迅速に判断できます。
とくに結核など見逃したくない感染症もあるため、咳が長引く場合は放置しないことが重要です。
治療前後の検査と予防接種を確認する(結核・肝炎など)
生物学的製剤やJAK阻害剤など免疫を抑える治療では、体内に潜んでいた感染症が再活性化する場合があるため、治療前後の検査と予防接種の確認が欠かせません。
とくに潜在性結核やB型肝炎は、発症後に気づくと重症化しやすく、治療開始前にスクリーニングしておくことで予防治療や専門医との連携を含めた治療計画につながります。
結核では問診に加え、胸部X線やIGRA(血液検査で結核感染を調べる検査)などを用い、肝炎はHBs抗原・抗体などで確認します。
治療開始後は生ワクチンが接種できなかったり効果が弱まったりする可能性があるため事前に接種計画を立て、治療後も採血や感染兆候の確認を続けて副作用や感染を早期に把握しましょう。
薬の費用・医療費助成制度を確認しておく
生物学的製剤やJAK阻害剤などの治療薬は費用負担が大きくなりやすいため、事前に医療費の助成制度を確認しておくことも大切です。
クローン病は国の指定難病に指定されており、重症度基準を満たす場合や、直近1年間の医療費が一定期間・一定額を超える場合(軽症高額該当)には、「特定医療費(指定難病)受給者証」による医療費助成の対象になることがあります。(文献12)
受給者証が交付されると、医療機関・薬局での自己負担割合が軽減され、世帯の所得に応じた自己負担上限月額が設定されます。具体的な負担額は毎年の制度改定や世帯状況によって変わるため、最新の情報はお住まいの自治体窓口や難病情報センターでご確認ください。
申請には、難病指定医による診断書(臨床調査個人票)や住民票、所得を確認できる書類などが必要です。手続きについて不明な点があれば、通院先の医療機関の医療相談窓口(医療ソーシャルワーカー等)に相談すると案内を受けられます。
クローン病の治療薬と併用して行われる治療法
| 治療法 | 詳細 |
|---|---|
| 栄養療法 | 腸管負担軽減と低栄養是正を目的とした栄養補給 |
| 精神療法 | 不安やストレスの軽減による療養継続とQOL(生活の質)支援 |
| 外科治療 | 狭窄・穿孔・膿瘍・瘻孔など合併症への根治的対応 |
| 再生医療 | 既存治療で十分な効果が得られない場合の補助的選択肢検討 |
クローン病は薬だけで完結しない病気であり、栄養状態の立て直し・ストレス対策・合併症への外科的対応などを組み合わせて、再燃を減らしQOL(生活の質)を保ちます。
併用療法は薬の効果を支える・合併症を減らす・治療を続けやすくする目的で選び、とくに体重減少や貧血がある場合は栄養面の介入が回復の土台になります。
症状が落ち着かないときも、併用療法の見直しが欠かせません。なお、再生医療は適用できる医療機関が限られており、すべての症状に適用できるわけではないため、事前に医師と相談が必要です。
栄養療法
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 腸の負担を減らしつつ栄養確保 | 腸管刺激の回避と必要栄養の補給 |
| 低栄養・体重減少の改善 | 回復力維持と治療基盤の安定化 |
| 活動期の症状改善を補助 | 薬効支援と腸管負担軽減の併用 |
| 狭窄など合併症への対応 | 腸閉塞リスク回避と適切なエネルギー確保 |
| 再燃予防の補助 | 寛解維持に向けた補助的介入 |
栄養療法は、腸を休ませながら必要な栄養を確保し、薬物療法の効果を支える治療です。
活動期の体重減少や低栄養を整えることで回復力が保たれ、合併症リスクの低減にもつながります。
狭窄が疑われる場合にも有用ですが、自己流の食事制限は低栄養を招きやすいため、医師・管理栄養士と相談して進めることが大切です。
クローン病では、症状や病状に合わせて食事内容を調整することも大切です。食べてよいものや控えたい食品については、「クローン病の食事」の記事も参考にしてください。
精神療法
クローン病は慢性疾患で、再燃への不安や食事・仕事への影響が続きやすく、不安や抑うつなど心理的負担を抱えやすい病気です。
クローン病はストレスが直接の原因ではありませんが、心理的負担が強いと腹部症状が増したように感じたり睡眠が乱れたりして、QOL(生活の質)の低下や療養継続の難しさにつながることがあります。
精神療法(心理的サポート)は炎症を直接治す治療ではないものの、不安の整理や対処を支え、服薬・通院の中断を防いで治療を継続させる点で有用です。
外科治療
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 狭窄・閉塞への対応 | 瘢痕主体の狭窄や腸閉塞リスクに対する通過障害の改善 |
| 膿瘍・瘻孔などの合併症 | 排膿(ドレナージ)や切除を含む外科的介入の必要性 |
| 薬で抑えきれない限局病変 | 再燃を繰り返す病変部の切除による症状の安定化 |
| 肛門病変の治療 | 痔瘻や肛門周囲膿瘍に対する薬物療法と外科治療の併用 |
| 手術の位置づけ | QOL(生活の質)を守るための治療選択肢 |
クローン病の手術は、薬で治しにくい狭窄や閉塞、膿瘍・瘻孔などの合併症に対して有効な選択肢です。
病変が限局して再燃を繰り返す場合は、切除により生活が改善することもあります。
とくに肛門病変は薬と外科の併用が基本となりやすく、手術は病状の悪化ではなく生活の質を守るための治療計画の一部です。
再生医療
再生医療は、クローン病治療の基本である薬物療法に代わる標準治療ではなく、病状や合併症によっては併用療法の選択肢として検討される治療法のひとつです。
とくに、肛門周辺に膿の通り道ができる病態などでは、脂肪由来の細胞を用いた治療が検討されることがあります。
適応は既往・合併症・検査結果などで判断するため、自己判断で薬を中断せず医師との相談の上で検討します。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
治療薬で改善しないクローン病は当院へご相談ください
薬を継続していても下痢や腹部症状が改善しない、再燃を繰り返す、副作用がつらいといった場合は、治療方針の見直しによって改善の糸口が見つかる可能性があります。
背景には、炎症の残存に加え、狭窄や膿瘍などの合併症、薬剤反応の個人差、服薬不良(飲み忘れを含む)、感染症の併発など、複数の要因が関与する場合があります。検査結果も踏まえた評価が重要です。
薬物療法を続けても症状が改善しない場合や、副作用などにより治療の継続に不安がある場合は、現在の治療方針を見直すことが大切です。
クローン病の治療では、症状や炎症の程度、合併症の有無などを踏まえて、薬物療法や栄養療法、手術などが検討されます。自己判断で薬を中止せず、検査結果も含めて医師に相談しましょう。
クローン病の治療について不安がある方や、現在の治療で症状が改善せずお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。
ご質問やご相談は、当院の公式LINEを通してメールやオンラインカウンセリングで受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
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クローン病の治療薬に関するよくある質問
クローン病の治療薬の服用は一生続きますか?
クローン病の治療薬は、基本的に再燃を防ぎ寛解を維持するため、長期的な継続が必要です。
症状が落ち着いていても腸に炎症が残ることがあるため、自己判断で中断しないことが重要です。
しかし、病状に応じて薬は減量・変更できる場合があります。
クローン病に対して治療薬が効かないときはどうすれば良いですか?
クローン病の治療薬が効かないときは、自己判断で中止せず医師へ相談しましょう。
検査で再燃や炎症を確認した上で内服状況・投与条件・薬剤調整や変更、必要なら合併症治療も検討します。
生物学的製剤は、使い始めてから一定期間は効果があったのに、その後だんだん効きにくくなることがあり、これを「二次無効」と呼びます。体の中で薬に対する抗体ができてしまうことなどが主な原因のひとつと考えられています。
二次無効が疑われる場合は、血液検査で薬の血中濃度や抗体の有無を調べる「TDM(治療薬物モニタリング)」という検査を行い、その結果をもとに薬の量や投与間隔の調整、別の薬への変更などを検討します。自己判断で薬をやめたり量を調整したりせず、効きが悪いと感じたら早めに主治医へ相談しましょう。
クローン病は治療薬なしでも改善しますか?
クローン病は寛解と再燃を繰り返しやすい慢性疾患であり、市販薬だけで長期的に炎症をコントロールすることは期待しにくいと考えられます。
自然に症状が落ち着くケースもありますが、例外的です。自己判断で処方薬を中止したり市販薬で様子を見続けたりせず、医師と治療方針を相談しましょう。
クローン病は市販薬で改善しますか?
市販薬だけでクローン病の腸の炎症を改善することは難しいです。
クローン病は慢性炎症性腸疾患であり、治療の中心は処方薬(ステロイド・免疫調節薬・生物学的製剤など)です。
市販薬は症状を一時的に和らげる目的で役立つ場合がありますが、使用前に医師へ相談する必要があります。
参考文献
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Discontinuation of therapy in inflammatory bowel disease: Current views|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information
(文献12)
指定難病患者への医療費助成制度のご案内|難病情報センター
(文献13)
Risankizumab is Superior to Ustekinumab for Induction and Maintenance of Crohn’s disease: The SEQUENCE Trial|ACG – Evidence-Based GI



















