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ストレスが原因の狭心症とは?検査・診断・治療法を解説

ストレス狭心症
公開日: 2026.05.30

ストレスが続く中で胸の締め付けや息苦しさを感じると、「狭心症ではないか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

狭心症は、心臓へ血液を送る冠動脈の血流が不足し、胸の痛みや圧迫感などが起こる病気です。

ストレスそのものだけで狭心症と決まるわけではありませんが、精神的な緊張や過労、睡眠不足、寒冷刺激などが発作のきっかけになる場合があるため注意しましょう。

本記事では、ストレスが関係する狭心症の種類や症状、検査・診断、治療法を解説します。あわせて、狭心症が疑われる方が控えたい生活習慣も紹介するので、受診や生活改善の判断にお役立てください。

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ストレスが原因になる狭心症とは

狭心症は、心臓へ血液を送る冠動脈の血流が不足し、胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどが起こる病気です。

ストレスだけで冠動脈が狭くなるとは限りませんが、心拍数や血圧が上がり、心臓に負担がかかることが発作のきっかけになる場合があります。

とくに、もともと高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙習慣などがある方は、冠動脈に動脈硬化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。

動脈硬化が進んでいる状態で、強い緊張や過労、睡眠不足が重なると、階段を上ったときや急いで歩いたときに胸が締め付けられるような症状が出るケースがあります。

ストレスによる胸の違和感だと思っていても、胸の圧迫感、冷や汗、息苦しさ、肩・腕・あごへの痛みを伴う場合は、循環器内科で医師に相談しましょう。

ストレスが疑われる狭心症の種類・症状

ストレスが関係する狭心症は、症状が出る時間帯やきっかけによって疑われる種類が異なります。

ここでは、冠攣縮性狭心症・労作性狭心症・微小血管狭心症の特徴と症状を見ていきましょう。

冠攣縮性狭心症(異型狭心症)

冠攣縮性狭心症は、冠動脈が一時的にけいれんして狭くなり、心臓の筋肉に届く血液が不足するタイプの狭心症です。

動脈硬化で血管が狭くなる労作性狭心症とは異なり、安静時にも発作が起こることがあります。症状は、胸の圧迫感や締め付け感が中心です。

また、左肩や腕、奥歯に痛みが広がる場合もあり、夜間から早朝にかけて起こりやすく、数分から15分程度で治まるケースが多いとされています。

以下のような状態や習慣が発作のきっかけです。

  • 精神的ストレス
  • 睡眠不足
  • 喫煙
  • 寒冷刺激
  • 飲酒

就寝中や朝方に胸が苦しくなる症状を繰り返す場合は、疲れや自律神経の乱れだけで判断せず、循環器内科で相談しましょう。

労作性狭心症

労作性狭心症は、階段を上る、急いで歩く、重い荷物を持つなど、体を動かしたときに胸の痛みや圧迫感が出やすいタイプです。

冠動脈が動脈硬化などで狭くなっており、運動や精神的ストレスで心臓が多くの血液を必要とした際に、十分な血流を確保しにくくなります。

症状は、胸の中央が締め付けられる、押される、息苦しいといった感覚が中心です。左肩・腕・首・背中・あごなどにも、痛みが広がる場合もあります。

多くは安静にすると数分程度で落ち着きますが、発作の頻度が増える、軽い動作でも症状が出る、安静時にも胸痛が起こる場合は注意が必要です。通勤中の坂道や家事中に胸の違和感を繰り返す場合、体力低下や疲労だけでは説明できないことがあります。

症状が出た動作や、休むと治まるかどうかを整理しておき、診察時に状況を的確に伝えましょう。

微小血管狭心症

微小血管狭心症は、太い冠動脈に明らかな狭窄が見つからないにもかかわらず、胸の痛みや圧迫感が起こるタイプです。

心臓の筋肉の中にある細い血管の働きが低下し、心筋に十分な血液が届きにくくなることで症状が出ると考えられています。

胸の締め付け感や息切れ、胸の不快感などが主な症状です。体を動かしたときだけでなく安静時に出る場合もあるほか、比較的女性に多く、閉経前後の年代で見られるケースがあります。

ストレスや疲労で症状が強くなることもあり、通常の検査で「冠動脈に大きな異常はない」と言われても、胸の違和感が続く場合は注意が必要です。

ストレスが原因で起こる狭心症の検査・診断

ストレスが関係しているように見える胸痛でも、狭心症かどうかは症状だけでは判断できません。

ここでは、胸痛があるときに行われる主な検査と、冠攣縮性狭心症の診断が難しい理由を解説します。

主な検査の流れ

ストレスがきっかけのように感じる胸痛でも、診断ではまず症状の出方を詳しく確認します。

胸が痛くなった時間帯や持続時間、安静で治まるか、肩・腕・あごへの痛みや冷や汗を伴うかなどが判断材料です。

主な検査には、以下のようなものがあります。

  • 問診:症状の時間帯や頻度、持続時間、喫煙歴、脂質異常症などを確認する
  • 心電図:発作による心臓への影響を調べる
  • 血液検査:脂質異常症などのリスクや全身状態を確認する
  • 心臓超音波検査:心臓の動きや弁の異常を調べる
  • 24時間ホルター心電図:心臓の拍動リズムなどの変化を捉える

問診に続いて心電図や血液検査、心臓超音波検査などにより、心臓への負担やほかの病気の可能性を調べます。

発作が夜間や早朝に起こる場合は、24時間ホルター心電図で日常生活中の心電図変化を確認したり、必要に応じて冠動脈CTや冠動脈造影検査を検討したりします。

冠攣縮性は診断が難しい

冠攣縮性狭心症は、発作が出ていない時間帯の検査で異常が見つかりにくいことがあります。夜間や早朝、安静時に胸痛が起こりやすい一方で、受診する頃には症状が治まっているケースがあるのです。

外来では心電図や血液検査、心臓超音波検査などを行いますが、発作時の変化を捉えられなければ、検査結果だけでは判断しづらい場合があります。24時間ホルター心電図を装着しても、その間に発作が起きなければ異常を確認できない事態もあり得ます。

診断の手がかりを増やすには、胸痛が起きた時間帯や持続時間、冷や汗や息苦しさの有無、飲酒・喫煙・睡眠不足との関係を記録しておくことが大切です。

検査で異常がないと言われても、夜間や明け方の胸の締め付けを繰り返す場合は、症状の経過を整理して医師に相談する準備をしておきましょう。

ストレスが原因で起こる狭心症の治療

ストレスが関係する狭心症の治療では、発作を抑える薬物療法と、発作のきっかけを減らす生活習慣の見直しを組み合わせるのが一般的です。

胸痛の原因が冠動脈の狭窄なのか、冠動脈のけいれんなのかによって、治療方針は変わります。

冠動脈に明らかな狭窄がない冠攣縮性狭心症では、血管のけいれんを抑えるカルシウム拮抗薬や硝酸薬などの内服治療が中心です。胸痛発作が起きたときには、医師の指示に沿ってニトログリセリンなどを使用する場合もあります。

一方、動脈硬化による狭窄が強い場合は、薬だけでなくカテーテル治療や手術が選択肢になります。

生活面では、喫煙、過度な飲酒、睡眠不足、寒冷刺激、過労などを避けることが大切です。ストレスを完全になくすのは難しくても、睡眠時間を確保する、仕事量を調整する、寒い朝の外出時に体を冷やさないといった、発作のきっかけを減らすように工夫しましょう。

ストレスが原因の狭心症でやってはいけないこと

狭心症の発作を防ぐには、薬だけでなく日常生活で心臓に負担をかける行動を減らすことも欠かせません。

ここでは、食事・運動・温度差・ストレス・嗜好品など、狭心症が疑われる方が注意したい生活習慣について解説します。

塩分・脂質・糖質の摂り過ぎ

塩分・脂質・糖質の摂り過ぎは、狭心症の背景にある高血圧や動脈硬化、脂質異常症などに関わります。

塩分が多い食事は血圧上昇につながり、脂質や糖質の過剰摂取は悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす要因になります。

たとえば、以下のような食べものをよく摂る方は注意が必要です。

  • 加工食品
  • インスタント食品
  • 揚げ物
  • 脂身の多い肉
  • 甘い飲み物

忙しい日ほど手軽な食事に偏りやすいため、麺類の汁を残す、揚げ物の頻度を減らす、甘い飲料を水やお茶に変えるなど、続けやすい工夫から始めましょう。

激しい運動

狭心症が疑われる場合、息が大きく切れるほどの激しい運動は避けましょう。急に強い負荷がかかると、心臓が多くの酸素を必要とする一方で、冠動脈の血流が追いつかず、胸の痛みや圧迫感が出る場合があります。

とくに、運動不足の状態から急にランニングを始める、重い荷物を一気に運ぶ、寒い朝に準備運動なしで体を動かすといった行動は避けてください。

運動そのものを避けるのではなく、医師に相談した上で、ウォーキングのような軽い運動から始めるのが基本です。また、胸の違和感や息苦しさ、冷や汗を伴う場合は無理をせず、その場で休んで症状の変化を確認しましょう。

急激な温度変化

急激な温度変化は、狭心症が疑われる方にとって心臓への負担になりやすい要素です。

寒い場所へ出ると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなり、結果として心臓が必要とする血液や酸素のバランスが崩れ、胸の痛みや圧迫感につながります。

たとえば、以下のような場面に注意してください。

  • 冬の朝に暖かい布団から寒い廊下へ出る
  • 脱衣所からいきなり熱い浴槽に入る
  • 暖房の効いた室内から屋外へ急に出る

とくに冠攣縮性狭心症では、寒冷刺激が発作の誘因になるケースもあります。

寒い季節は、起床後すぐに動き出さず、上着やマフラーで首元を温めてから外出しましょう。入浴時は脱衣所や浴室を先に暖めておくと、温度差による負担を抑えやすくなります。

強いストレス・過労・睡眠不足

強いストレスや過労、睡眠不足は、狭心症の発作につながる要因の一つです。

精神的な緊張が続くと交感神経が優位になり、血圧や心拍数が上がりやすくなります。心臓の働きが活発になる一方で、冠動脈の血流が十分に追いつかないと、胸の圧迫感や息苦しさが症状として現れます。

たとえば、以下のような生活が続いて十分な休息がとれていないときは注意が必要です。

  • 仕事の締め切りが続く
  • 家族の介護で休めない
  • 睡眠時間が短い状態が続く

冠攣縮性狭心症では、ストレスや睡眠不足が夜間・早朝の発作に関わるおそれもあります。

ストレスを完全になくすのは難しいため、睡眠時間を削り続けない、休憩を予定に入れる、胸の違和感がある日は無理に予定を詰め込まないなど、負担を減らす行動から見直しましょう。

喫煙・飲酒の習慣

喫煙は、狭心症が疑われる方にとって避けたい習慣です。たばこは血管に負担をかけ、動脈硬化の進行に関わります。

本人が吸わない場合でも、家族や職場での受動喫煙が心臓への負担になるため、周囲の環境にも配慮してください。また、過度な飲酒は血圧や中性脂肪に影響し、冠攣縮性狭心症の発作に関わる場合もあります。

禁煙や節酒は、一人で続けにくいこともあります。必要に応じて主治医や禁煙外来に相談しながら、心臓に過度な負担をかけない生活へ切り替えていきましょう。

まとめ|ストレスに注意して狭心症を防ごう

ストレスは、狭心症の直接的な原因と断定できるものではありませんが、発作のきっかけになる場合があります。

胸の締め付けや息苦しさ、肩・腕・あごへの痛み、冷や汗などを繰り返す場合は、疲労や緊張などと決めつけないことが大切です。

狭心症が疑われるときは、症状が出た時間帯や持続時間、運動・寒さ・飲酒・喫煙・睡眠不足との関係を記録しておくと、受診時に状況を的確に伝えられます。

ストレスによる胸の違和感が気になる方は、自己判断で様子を見続けず、循環器内科で相談しましょう。

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ストレス性狭心症に関するよくある質問

ストレスで狭心症を発症したら労災認定されますか?

狭心症は、脳・心臓疾患の労災認定基準における対象疾病に含まれています

ただし、「ストレスがあった」「仕事が忙しかった」という理由だけで、必ず労災認定されるわけではありません。

労災として認められるには、仕事による明らかな過重負荷が、発症の有力な原因と判断される必要があります。

判断材料になるのは、以下のような状況です。

  • 発症前おおむね6カ月間の長時間労働や精神的負荷
  • 発症前おおむね1週間以内のとくに過重な業務
  • 発症直前から前日までの異常な出来事など(文献1

残業時間や勤務表、業務内容、上司とのやり取り、発症前後の体調変化などは、認定判断の資料になります。

労災の可能性がある場合は、勤務先や労働基準監督署、社会保険労務士などに相談して、記録を整理しておきましょう。

狭心症の初期症状は?

狭心症の初期症状では、動悸や胸の痛み、胸が締め付けられるような圧迫感が見られる場合があります。

急に歩いたり、階段を上ったりした後に症状が出る場合は、動脈硬化などで冠動脈が狭くなり、心臓へ十分な酸素を送れなくなっているおそれがあります。

一方で、睡眠中やソファで休んでいるときなどに、突然胸の痛みや動悸が出るケースも見逃せません。

「運動していないから心臓ではない」と決めつけず、息苦しさや冷や汗、めまい、肩・腕・あごへの痛みを伴う場合は注意が必要です。

参考文献

(文献1)
脳・心臓疾患の労災認定|厚生労働省