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心不全で亡くなる前の症状とは?原因になる主な疾患
心不全は、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出しにくくなる状態です。
進行すると、息苦しさやむくみ、体重増加、強い倦怠感などが現れ、急な悪化では救急対応が必要になるケースもあります。家族が「亡くなる前の症状ではないか」と不安になる場面では、症状の種類や緊急性の目安を知っておくことが大切です。
本記事では、心不全で亡くなる前に現れやすい症状や原因になり得る主な疾患、慢性心不全の治療選択肢について解説します。
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目次
心不全で亡くなる前に現れやすい主な症状
心不全では、心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を十分に送り出しにくくなります。
進行すると、肺や体に水分がたまりやすくなり、呼吸困難やむくみ、強い倦怠感などが現れることがあるため注意しましょう。
症状の出方は個人差がありますが、初期・進行時・亡くなる前に近い時期では、次のような変化が目安です。
| 段階 | 現れやすい症状 |
|---|---|
| 初期 | ・階段や坂道での息切れ ・動悸・疲れやすさ ・手足の冷え ・食欲不振 ・夜間頻尿 |
| 進行時 | ・横になると苦しい ・夜間の咳 ・足首のむくみ・体重増加 ・胸痛 ・めまい・ふらつき |
| 亡くなる前に近い時期 | ・安静時の呼吸困難 ・強い疲労感 ・続く胸痛 ・反応の鈍さ ・意識レベルの低下 |
ただし、上記の症状があるからといって、すぐに亡くなる状態だとは限りません。
以下では、症状別により詳しく見ていきましょう。
息苦しさが続く「呼吸困難」
心不全が進行すると、息苦しさや息切れが目立つようになります。
心臓の働きが低下すると肺に水分がたまりやすくなり、体を動かしたときだけでなく、安静時にも呼吸がつらくなる場合があるのです。
とくに、次のような変化に注意しましょう。
- 少し歩くだけで息が上がる
- 会話の途中で呼吸が苦しくなる
- 横になると息苦しく、座っているほうが楽になる
- 夜間に咳や息苦しさで目が覚める
急性心不全や肺の病気などでも似た症状が出るため、横になれないほど苦しい、唇が紫っぽい、呼吸が浅いなどの変化があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。
足・手・顔・お腹などが腫れる「むくみ・体重増加」
心不全では、足や手、顔、お腹などにむくみが出る場合があります。心臓の働きが低下すると血液の流れが滞り、体内に余分な水分がたまりやすくなるのが原因です。
たとえば、以下のような変化に注意してください。
- 靴下の跡がいつもより深く残る
- 足首を押すとへこみが戻りにくい
- 靴がきつく感じる
食事量が増えていないのに短期間で体重が増えた場合も、水分の貯留が関係している可能性があります。
むくみだけでは緊急性は判断しにくいものの、息苦しさや尿量の減少、急な体重増加を伴う場合は注意が必要です。
いつもと違う「疲労感・倦怠感」
心不全が進行すると、いつもと違う疲労感や倦怠感が現れるのが特徴です。
心臓から全身へ送られる血液が不足すると、筋肉や臓器に酸素が届きにくくなり、少し動いただけでも強い疲れを感じやすくなります。
たとえば、以下のような変化が見られます。
- 着替えやトイレへの移動だけでぐったりする
- 食事中に休みたがる
- 以前より横になっている時間が増える
高齢者では、「年齢のせい」「体力が落ちた」と受け止められ、心不全の悪化に気づきにくい場合も少なくありません。
締めつけられるような「胸の痛み」
心臓に十分な血液や酸素が届きにくくなると、胸が締めつけられる、圧迫される、重く感じるといった症状が現れるケースがあります。
胸の痛みは、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が背景にある場合にも起こるため、以下のような症状を見逃さないようにしましょう。
- 胸の中央が苦しい
- 冷や汗を伴う
- 左肩や背中、あごに痛みが広がっている
また、心不全そのものの進行だけでなく、原因となる心臓病の悪化が関係している可能性もあります。
頭がクラクラする「めまい・動悸」
めまいや動悸も心不全で現れる症状です。
心臓のポンプ機能が低下すると、脳や全身へ送られる血液が不足し、頭がクラクラする、ふらつく、脈が乱れるように感じることがあります。
たとえば、立ち上がったときに強くふらつく、脈が速い・飛ぶように感じる、胸の違和感を伴うなどの変化に注意しましょう。
高齢者の場合、めまいによって転倒し、骨折や寝たきりにつながるリスクもあります。動悸やめまいだけで心不全の末期とは判断できませんが、息苦しさや胸の痛み、失神を伴う場合は緊急性が高い可能性がある点に留意しておきましょう。
呼びかけに反応しないなどの「意識レベルの低下」
心不全が悪化すると、呼びかけへの反応が鈍い、会話がかみ合わない、ぼんやりしているなど、意識レベルの低下が見られるケースがあります。
心臓から全身へ送られる血液が不足し、脳に十分な酸素が届きにくくなることが関係しており、次のような様子が見られます。
- 名前を呼んでも反応が弱い
- 受け答えがいつもより遅い
- 急に眠り込む時間が増えた
- 目線が合わず、ぼんやりしている
意識レベルの低下は、心不全に限らず脳卒中や感染症、脱水、薬の影響などでも起こります。
原因を家庭で見分けるのは難しいため、呼びかけに反応しない、失神した、急に様子が変わった場合は、救急要請を検討しましょう。
心不全で亡くなる確率
心不全で亡くなる確率は、原因となる心臓病の種類や年齢、治療状況、重症度によって変わります。
心不全全体の年間死亡率は7〜8%、NYHA分類Ⅲ度では20〜30%、Ⅳ度では適切な治療を受けなければ2年以内に50%が亡くなるとされています。(文献1)
心不全の重症度を把握する際には、以下のNYHA分類(ニューヨーク心臓協会による重症度の分け方) が用いられています。(文献2)
| 分類 | 状態の目安 |
|---|---|
| Ⅰ度 | 心疾患はあるが、日常的な身体活動で過度な疲労・動悸・息切れ・胸痛は起こらない |
| Ⅱ度 | 身体活動に軽い制限があり、普段の活動で疲労・動悸・息切れ・胸痛が出る |
| Ⅲ度 | 身体活動が大きく制限され、安静時は楽でも、通常より軽い活動で症状が出る |
| Ⅳ度 | 身体活動ができず、安静時にも心不全症状や胸痛が出ることがある |
ただし、心不全では再入院を繰り返しながら、全身状態が低下するケースもあるため、死亡率の数字だけで個別の余命は判断できません。
息切れやむくみ、体重増加などの変化を早めに医師へ伝え、治療や生活管理を続けることが大切です。
高齢者が心不全で亡くなる前の末期症状
高齢者の心不全では、息切れやむくみなどの身体の変化だけでなく、不安や気分の落ち込みなど精神面の変化も見られる場合があります。
ここでは、家族が気づきやすい身体的症状と精神的症状について見ていきましょう。
身体的症状
高齢者が心不全で亡くなる前に近い状態では、心臓の働きが低下し、肺や全身に水分がたまりやすくなるため、呼吸の苦しさやむくみ、強いだるさなどが目立つ場合があります。
たとえば、以下のような症状を見逃さないようにしましょう。
- 横になると息苦しく座って過ごす時間が増える
- 足や顔のむくみが強くなる
- 食事量が減る
- 尿量が少なくなる
また、夜間に咳が続く、会話だけで息が切れる、手足が冷たいなども注意したい症状です。
ただし、症状だけで「亡くなる前」と判断はできません。
急性心不全や感染症、脱水などでも似た変化が起こるため、息苦しさが急に強くなった、呼びかけへの反応が鈍い、動けないほどぐったりしている場合は、医療機関に相談しましょう。
精神的症状
心不全の末期に近い高齢者では、不安や気分の落ち込み、混乱などの精神的な変化が見られるのが特徴です。
息苦しさや強いだるさが続くと、眠れない、会話を避ける、表情が乏しくなるなど、普段と違う様子につながりやすくなります。
また、低酸素や全身状態の悪化、薬の影響などで、時間や場所がわからなくなる、つじつまの合わない話をすることも珍しくありません。
家族は「認知症が急に進んだ」と感じるかもしれませんが、心不全の悪化や別の病気が関係している可能性もあります。
急に受け答えが変わった、呼びかけへの反応が弱い、強い不安で眠れない状態が続く場合は、主治医や医療機関に相談してください。
心不全で亡くなる原因になり得る主な疾患
心不全は単独の病名ではなく、心臓の働きが低下して全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。ここでは、心不全の原因になり得る主な疾患を解説します。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心臓の筋肉へ血液を送る冠動脈が狭くなったり、詰まったりする病気です。
狭心症や心筋梗塞が代表的で、心筋に酸素が届きにくくなると、心臓のポンプ機能が低下し心不全につながる場合があります。胸の痛みや圧迫感、冷や汗、息苦しさを伴うときは早めの受診が必要です。
高血圧性心疾患
高血圧性心疾患は、高い血圧が長く続くことで心臓に負担がかかり、心臓の筋肉が厚くなったり、硬くなったりする病気です。
心臓が血液を送り出すために強い力を必要とする状態が続くと、次第にポンプ機能が低下し、心不全の原因になる場合があります。高血圧は自覚症状が乏しいため、血圧測定や内服治療を継続することが大切です。
弁膜症
弁膜症は、心臓の中で血液の逆流や流れを調整している弁に異常が起こる病気です。
弁が十分に開かない、または閉じきらない状態になると、心臓が血液を送り出すために余分な負担を受けます。進行すると息切れやむくみ、動悸などが現れ、心不全につながる場合があるため、症状が軽くても定期的な検査が必須です。
心筋症
心筋症は、心臓の筋肉そのものに異常が起こり、心臓の働きが低下する病気です。
心筋が厚くなる、広がって薄くなる、硬くなって広がりにくくなるなど、タイプによって心臓への影響は異なります。
進行すると息切れや動悸、むくみ、疲れやすさが出る場合があり、心不全の原因になるケースもあるため、症状が続くときは循環器内科で相談しましょう。
心筋炎
心筋炎は、ウイルス感染などをきっかけに心臓の筋肉へ炎症が起こる病気です。
炎症によって心筋の働きが低下すると、血液を送り出す力が弱まり、心不全を起こす場合があります。風邪のような症状のあとに、強いだるさや息切れ、胸の痛み、動悸などが続くときは要注意です。
先天性心疾患
先天性心疾患は、生まれつき心臓の形や血液の流れに異常がある病気です。
心臓の中に穴がある、血管のつながり方に異常があるなど、種類によって心臓への負担は異なります。
小児期に治療を受けた方でも、年齢を重ねてから息切れや動悸、むくみが出る場合があり、心不全につながることがあります。過去に心臓病を指摘された方は、定期的な診察を受けることが重要です。
不整脈
不整脈は、脈が速くなる、遅くなる、乱れるなど、心臓のリズムに異常が起こる状態です。
不整脈によって心臓が効率よく血液を送り出せなくなると、動悸やめまい、息切れ、失神などが現れ、心不全の原因や悪化のきっかけになる場合があります。
脈の乱れを繰り返す、胸の違和感を伴う、急にふらつくときは循環器内科で相談してください。
更年期の動悸・不整脈の原因と対処法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
肺疾患
肺疾患も、心不全の原因や悪化に関係する場合があります。
肺高血圧症や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで肺や右心系に負担がかかると、右心不全につながることがあるのです。息切れや咳、痰、むくみが続く場合は、心臓と肺の両方を確認する必要があります。
慢性心不全の治療には「再生医療」が選択肢の一つ
慢性心不全の治療では、薬物療法や生活管理、原因疾患への治療を継続することが基本です。
その上で、症状や全身状態によっては、再生医療が選択肢の一つになります。
再生医療とは、自分自身の細胞や血液を用いる治療法です。代表的な方法には、脂肪由来の幹細胞を用いる治療やPRP療法があります。
| 再生医療の種類 | 詳細 |
|---|---|
| 幹細胞治療(かんさいぼうちりょう) | 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 |
| PRP療法 | 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 |
いずれも、注射や点滴を通じて症状のある部位にアプローチする治療法であり、入院や手術を必要とせず、日帰りでの施術が可能です。
以下の記事では、心不全で心房細動や糖尿病などを抱える患者様に対して、幹細胞を点滴投与した当院での症例をご紹介しています。ぜひご覧ください。
まとめ|心不全で亡くなる前の症状を把握しておこう
心不全で亡くなる前に近い時期には、息苦しさやむくみ、体重増加、強い倦怠感、胸の痛み、めまい、意識レベルの低下などが現れる場合があります。
とくに、横になれないほどの呼吸困難や呼びかけへの反応の低下、失神などがある場合は、早めに医療機関や救急へ相談しましょう。
本記事の内容を参考に、ご家族が異変に気づきやすくなっていれば幸いです。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気や後遺症の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。治療の選択肢について知りたい方は、ぜひご利用ください。
参考文献
(文献1)
高齢者の心不全|日本心臓財団
(文献2)
Classification of Functional Capacity and Objective Assessment|Professional Heart Daily|American Heart Association

















