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狭心症の症状チェック|やってはいけない生活習慣を解説
胸の痛みや圧迫感、息苦しさがあると「狭心症かもしれない」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
狭心症は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の血流が一時的に悪くなり、胸の締め付け感や痛みなどが現れる病気です。階段や坂道、早歩きなどで症状が出て、休むと軽くなる場合もあれば、夜間や早朝の安静時に胸の違和感が起こるケースもあります。
痛みは胸だけに限らず、左肩・腕・背中・顎・みぞおちなどに広がることもあり、肩こりや胃の不調などが心臓のサインとして現れるケースもあるため注意が必要です。
本記事では、狭心症の症状チェックリストをもとに、初期症状や病院へ行くタイミングを解説します。緊急性の高い症状や狭心症の種類、やってはいけない生活習慣、治療法まで紹介しますので、参考にしてみてください。
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目次
狭心症のセルフチェックリスト
狭心症が疑われる症状は、胸の痛みだけではありません。胸の圧迫感や締め付け感、息苦しさ、左肩や顎への痛みの広がりなども、受診を検討する目安です。
以下の項目に、当てはまるものがないか確認してみましょう。
- 胸の中央からみぞおちにかけて、締め付けられるような痛みがある
- 坂道や階段を上がると、胸が圧迫される感じがある
- 小走りや早歩きのときに、胸が苦しくなる
- 胸の痛みに吐き気や冷や汗を伴うことがある
- 胸の痛みが顎・のど・左肩などに広がる
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されたことがある
- たばこを吸っている
- 急に息切れしたり、呼吸が苦しくなったりすることがある
ただし、当てはまる項目がある場合でも、セルフチェックだけで狭心症かどうかは判断できません。
運動時に胸が苦しくなって休むと治まる、胸の痛みに冷や汗や吐き気を伴う、肩や顎まで痛みが広がるといった症状がある場合は、循環器内科に相談してください。
狭心症の初期症状と特徴
狭心症の代表的な初期症状は、胸の痛みや胸が締め付けられるような圧迫感です。
胸の中央あたりが重苦しい、胸を押さえつけられる、息が詰まるように感じるなど、痛み以外の違和感として現れる場合もあります。
症状は、運動時や階段を上ったとき、急いで歩いたときなどに出やすく、安静にすると多くの場合は数分以内、長くても15分程度で治まることが多いとされています。(文献1)
したがって、「少し休めば落ち着くから大丈夫」と考え、受診せずに様子を見てしまう方も少なくありません。胸の違和感や軽い痛みであっても、心臓に血液を送る冠動脈の血流が悪くなっている可能性があります。
狭心症で病院に行くタイミング|受診が必要な症状
胸の痛みや息苦しさが一時的に治まると、病院へ行くべきか迷いやすいものです。
ここでは、早めに受診したほうが良い症状と、救急対応を考えるべき症状の目安を解説します。
早めに受診したほうが良い症状
胸の痛みや圧迫感が繰り返し出る場合は、症状が短時間で治まっても早めに循環器内科を受診しましょう。
狭心症では、階段を上る、坂道を歩く、重い荷物を持つなど、心臓に負担がかかったときに胸の苦しさが出ることがあります。
以下のような症状がある場合は、注意が必要です。
- 運動時や早歩きで胸が苦しくなる
- 休むと数分で症状が軽くなる
- 胸の痛みが左肩・腕・背中・顎に広がっている
- 息切れや動悸を伴っている
- 以前より症状が出やすくなっている
疲れや年齢が原因と考えて放置すると、症状の変化に気づきにくくなります。
胸の違和感が一度でも気になった場合は、症状が出た場面や続いた時間をメモし、医師に相談してください。
緊急性の高い症状
胸の痛みが強い、安静にしても治まらない、冷や汗や吐き気を伴う場合は、救急要請を検討する必要があります。
狭心症に似た症状でも、心筋梗塞など緊急性の高い病気が隠れているケースがあるのです。
次のような症状がある場合は、迷わず119番通報を検討してください。
- 胸の痛みや圧迫感が15分以上続く
- 安静にしても胸の苦しさが軽くならない
- 冷や汗、吐き気、息苦しさを伴う
- 胸の痛みが左肩・腕・背中・顎まで広がっている
- 意識がぼんやりする、強い不安感がある
- これまでにない強い胸の痛みが突然出た
「少し休めば治るかもしれない」と様子を見る間に、状態が悪化する場合もあります。
医師に伝えるべき情報
狭心症が疑われるときは、症状そのものだけでなく「いつ・どのような場面で・どのくらい続いたか」を医師に伝えると、診察時の判断材料になります。
伝えておきたい内容は、以下のとおりです。
- 胸の痛みや圧迫感が出た時間帯
- 階段・坂道・早歩き・安静時など、症状が出た場面
- 痛みが続いた時間
- 休むと症状が軽くなったか
- 左肩・腕・背中・顎・みぞおちへの痛みの広がり
- 冷や汗・吐き気・息苦しさ・動悸の有無
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの持病
- 喫煙歴や服用中の薬
症状が出たあとに記憶だけで説明しようとすると、痛みの時間や程度があいまいになる可能性があります。
受診前に症状をメモに記録しておくと、医師への説明がスムーズになります。
狭心症の主な3つの種類
狭心症は、症状が出るタイミングによって特徴が異なります。
ここでは、運動時に起こりやすいタイプと安静時にも起こるタイプ、夜間から早朝に多いタイプに分けて特徴を見ていきましょう。
運動時に発症しやすい「労作時狭心症」
労作時狭心症は、階段の上り下りや坂道、早歩き、運動などで心臓に負担がかかったときに起こりやすいタイプです。
心臓の筋肉に必要な血液が一時的に足りなくなり、たとえば、駅の階段を上ったときだけ胸が苦しくなる、急いで歩くと胸が締め付けられる、といった症状が現れます。
体を動かしているときに症状が出て、安静にすると数分で治まりやすいのが特徴です。
夜間就寝時や安静時に起こる「安静時狭心症」
安静時狭心症は、体を動かしていないときにも胸の痛みや圧迫感が出るタイプです。
夜間の就寝中や明け方、椅子に座っているときなど、心臓に大きな負荷がかかっていない場面でも症状が現れるケースがあります。
労作時狭心症のように「階段を上ったから苦しい」と原因を結びつけにくく、胃の不調や寝不足と勘違いされることも少なくありません。
胸が締め付けられる、息苦しい、冷や汗を伴うなど、いつもと違う症状があれば見逃さないようにしましょう。
夜間から早朝に多い「冠攣縮性狭心症(異型狭心症)」
冠攣縮性狭心症は、心臓に血液を送る冠動脈が一時的にけいれんし、血管の内側が狭くなることで起こるタイプです。
夜間から早朝の安静時に発作が出やすく、睡眠中や明け方に胸の痛みや圧迫感で目が覚める場合があります。胸の中央が締め付けられる、息苦しい、冷や汗を伴うなど、症状の出方は労作時狭心症と似ています。
ただし、運動していない時間帯に起こるため、胃の不調や寝不足と勘違いしやすい点に要注意です。また、喫煙や飲酒、ストレス、寒暖差などが関係するケースもあります。
狭心症の主な検査方法
狭心症が疑われる場合は、症状の出方だけで判断せず、心臓の動きや冠動脈の状態を検査で確認します。
ここでは、外来で行う基本検査から、日常生活中の心電図を調べる検査、冠動脈を詳しく見る精密検査まで、詳しく解説します。
外来でできる基本検査
狭心症が疑われる場合、外来では安静時心電図、運動負荷心電図、心臓エコーなどの基本検査を行います。心電図で確認するのは、心臓の電気的な動きや、心臓に負担がかかっているサインの有無です。
安静時の心電図で異常が出にくい場合は、ベルトコンベアや自転車型の装置で体に負荷をかけながら、心電図の変化を記録することがあります。階段や坂道で胸が苦しくなる方の場合、運動中の変化を調べる検査が診断の手がかりになるのです。
心臓エコーでは、心臓の動きや弁の状態、心臓全体の働きを画像で確認します。
日常生活の中で調べる検査
24時間ホルター心電図は、小型の心電図装置を体に付けたまま普段通りに過ごし、日常生活中の心電図を記録する検査です。
診察室で行う心電図だけでは捉えにくい、発作がない時間帯の異常も記録できます。
睡眠中や明け方の症状、家事や通勤中の胸の違和感など、外来の短い検査ではわかりにくい変化を調べやすい点が特徴です。
とくに、夜間から早朝に胸が苦しくなる方や、安静時に症状が出る方では、発作時の心電図変化を確認することが手がかりになります。
精密検査
冠動脈CTや心臓カテーテル検査は、心臓に血液を送る冠動脈の狭さや血管の状態を詳しく調べる検査です。基本検査だけでは判断しにくい場合や、狭心症の可能性が高い場合に検討されます。
冠動脈CTは、冠動脈の走り方や血管が狭くなっている程度を画像で確認するのが特徴です。
心臓カテーテル検査は、脚の付け根や手首などから細い管を入れ、心臓の血管の状態を調べます。
狭心症を防ぐためにやってはいけない生活習慣
狭心症が疑われる場合は、症状のチェックだけでなく、心臓に負担をかける生活習慣を見直すことも欠かせません。
ここでは、食事・運動・入浴・ストレス・喫煙や飲酒など、日常生活で注意したい行動について解説します。
心臓に負担をかける食品や食べ方
狭心症の予防では、塩分・脂質・糖質を摂りすぎない食事を意識することが大切です。塩分の多い食事は血圧を上げやすく、心臓に負担がかかります。
たとえば、以下のような食品や食べ方に気を付けてください。
- インスタント食品や加工食品を頻繁に食べる
- 漬物・干物・麺類のスープなどで塩分を摂りすぎる
- 脂身の多い肉や揚げ物をよく食べる
- 甘い飲み物や菓子類が多い
- 満腹になるまで食べる習慣がある
食事は毎日の積み重ねなので、急にすべてを変える必要はありません。
まずは、麺類のスープを残す、醤油を直接かけず小皿につける、揚げ物の回数を減らすなど、続けやすい工夫から始めてみましょう。
心臓に負荷をかける激しい運動
狭心症が疑われる場合、息が上がるほどの激しい運動を急に始めるのは避けましょう。
運動そのものは生活習慣病の予防に役立ちますが、胸の痛みや圧迫感がある状態で無理をすると、心臓への負荷が大きくなります。
なかでも、全力で走る、重い荷物を何度も持ち上げる、急な坂道を休まず上るなどの動作には注意しなければなりません。
寒い朝に準備運動をせず外へ出て、早歩きやランニングを始める行動も、胸の苦しさにつながる場合があるため避けてください。
お風呂の温度や室温に注意
狭心症が疑われる方は、熱すぎるお風呂や急な温度差に注意が必要です。
高温の湯船や長湯では血圧が変動しやすく、発汗で体の水分が失われると、心臓や血管に負担がかかる場合があります。
冬場は、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると、血管が収縮して血圧が上がりやすくなるため気を付けましょう。
入
浴前に脱衣所や浴室を暖める、湯温を熱くしすぎない、長時間の入浴を避けるなど、温度差を小さくするように工夫してください。体調がすぐれない日はシャワーで済ませるなど、心臓への負担を減らしましょう。
過度なストレスや睡眠不足
過度なストレスや睡眠不足は、血圧や自律神経の乱れにつながり、心臓に負担をかける要因になります。仕事や家庭の悩みで緊張が続くと、胸の圧迫感や動悸を感じやすくなる方もいるのです。
たとえば、忙しさが続いて睡眠時間が短い、休日も十分に休めない、強い不安を抱えたまま過ごしている場合は注意しましょう。疲労が重なると、胸の違和感があっても「寝不足のせい」と考えて受診が遅れてしまう場合もあり得ます。
ストレスを完全になくすのは難しいため、まずは睡眠時間を確保し、深呼吸や軽い散歩などで緊張をゆるめる時間を作りましょう。
喫煙・飲酒
喫煙は血管に負担をかけ、狭心症のリスクを高める要因になります。
たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させやすく、心臓へ送られる血液の流れにも影響するため、胸の症状がある方は禁煙を検討しましょう。飲酒も量が多くなると、血圧の上昇や生活習慣の乱れにつながります。
とくに、深酒をした翌朝に胸の違和感が出る、飲酒後に動悸や息苦しさを感じる場合は要注意です。
狭心症の治し方
狭心症の治療では、胸の痛みを抑えるだけでなく、冠動脈の血流を保ち、心筋梗塞へ進むリスクを下げることを目指します。
ここでは、薬物治療と手術による治療について詳しく見ていきましょう。
薬物治療
狭心症の薬物治療では、以下のような発作を抑える薬や、冠動脈の血流を保つ薬などが使われます。
- 血管を広げる硝酸薬
- 心臓の負担を減らすβ遮断薬
- 血管のけいれんを防ぐカルシウム拮抗薬
- 血栓をできにくくする抗血小板薬
薬の処方は、狭心症のタイプや症状の出方によって異なります。
たとえば、夜間から早朝に胸の痛みが出る冠攣縮性狭心症では、血管のけいれんを抑える薬が検討されることがあります。
カテーテル治療・手術
薬物治療で症状のコントロールが難しい場合や、冠動脈の狭窄が強いケースでは、カテーテル治療や冠動脈バイパス手術が検討されます。
カテーテル治療は、手首や足の付け根などから細い管を入れ、狭くなった血管を内側から広げる治療です。必要に応じて、ステントと呼ばれる筒状の器具を留置し、血流を保ちます。
冠動脈バイパス手術は、狭くなった血管を迂回する新しい血液の通り道を作る方法です。複数の血管に病変がある場合などに検討されます。
まとめ|狭心症は早めに症状をチェックしよう
狭心症は、胸の痛みや圧迫感だけでなく、息苦しさや冷や汗、吐き気、左肩・腕・背中・顎・みぞおちの痛みとして現れる場合があります。
たとえば、階段や坂道、早歩きで胸が苦しくなり、休むと軽くなる症状がある場合は、狭心症の可能性も考えて早めに循環器内科へ相談しましょう。
安静にしても胸の痛みが治まらない、15分以上続く、冷や汗や吐き気を伴う場合は、心筋梗塞など緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。これらの症状があるときは、自己判断で車を運転して病院へ向かうことは避け、119番通報を検討してください。
また、狭心症の予防・再発防止には、塩分・脂質の摂りすぎや喫煙・過度な飲酒など、心臓に負担をかける生活習慣を見直すことも大切です。
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狭心症の症状チェックに関するよくある質問
肩こりは狭心症の前兆ですか?
肩こりの多くは、肩周辺の筋肉の緊張や血行不良によって起こります。
ただし狭心症では、心臓の痛みが脳に伝わる際に、他の神経に刺激が移る「放散痛」により、心臓から離れた左肩に痛みやこりのような違和感が出る場合があります。
肩の症状だけだからと放置せず、気になる場合は循環器内科に相談しましょう。
肩がズキズキと痛い原因や対処法については、以下の記事もご覧ください。
軽度の症状なら問題ないですか?
症状が軽いからといって、狭心症の心配がないとは判断できません。
狭心症は胸の強い痛みだけでなく、軽い違和感や息苦しさとして現れる場合があります。
なかには無症状で進行し、検査ではじめて冠動脈(心臓に血液を送る血管)が狭くなっていることが見つかるケースもあるのです。
参考文献


















