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【医師監修】急性散在性脳脊髄炎は完治までにどれくらいかかる?回復の経過や治療法まで解説

急性散在性脳脊髄炎 完治まで
公開日: 2026.06.30

「急性散在性脳脊髄炎と診断されたが、いつ治るのだろう」

「後遺症が出ないか、心配でたまらない」

このような不安を抱える方は、多くいます。

急性散在性脳脊髄炎はまれな病気で、情報が限られているため、回復の見通しが立たないことに不安を感じるのは当然です。とくにお子さんが発症した場合は、なおさら心配も大きくなります。

しかし、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は、適切な治療によって数週間〜数カ月で回復が見込めます。まずは、その経過や見通しを正しく知ることが大切です。

そこで本記事では、現役医師が急性散在性脳脊髄炎の完治までの経過・症状・治療法・後遺症や再発の可能性を詳しく解説します。記事の後半にはよくある質問もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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急性散在性脳脊髄炎が完治するまでの経過と期間の目安

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は、脳や脊髄の神経を覆う「髄鞘(ずいしょう)」に炎症が起こる病気です。この炎症で髄鞘が壊れることを「脱髄(だつずい)」といいます。

急性散在性脳脊髄炎は、ウイルス感染やワクチン接種のあとに発症することが多い病気です。(文献1

適切な治療を受けた場合、数週間〜数カ月での完全回復が55〜95%と報告されています。時間の経過とともに、症状が改善していくケースがほとんどです。(文献2

ただし、炎症が起きた部位や程度によって、回復までの期間には個人差があります。完治までの大まかな経過は、以下のとおりです。

時期 状態・対応
急性期(発症〜数週間) さまざまな神経症状が現れる。ステロイドパルス療法などで炎症を抑える。
回復期(数週間〜数カ月) 症状が徐々に改善する。必要に応じてリハビリを行う。
経過観察期 多くの場合は、後遺症なく回復する。再発がないか、経過を見守る。

このように、段階を追って回復へと向かっていきます。

【まず知っておきたい】急性散在性脳脊髄炎の主な症状

完治までの経過を理解する前提として、どのような症状が出るのかを部位別に紹介します。

急性散在性脳脊髄炎は、炎症が起きた部位によって症状が異なる点が特徴です。

脳に炎症が起きたときの症状

脳に炎症が起きると、発熱、頭痛、吐き気・嘔吐、けいれん、意識障害(ぼんやりする・呼びかけに反応しにくい)などが現れます。(文献1

症状は突発的に出て、進行が速い場合が多いため、早期の診断と治療が必要です。

脊髄に炎症が起きたときの症状

脊髄に炎症が起きると、手足の麻痺(力が入らない)やしびれ、歩きにくさ、排尿の障害(尿が出にくい)などが見られます。

また、視神経に炎症が及ぶと、視力が低下することもあります。文献1

急性散在性脳脊髄炎の治療法

急性散在性脳脊髄炎の治療は、大きく2つに分かれます。急性期に炎症を抑える治療機能回復のためのリハビリです。

各治療について、順番に解説します。

ステロイドパルス療法(急性期の中心的な治療)

急性期にまず行うのは、ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロンの大量点滴)です。強い炎症を抑え、症状の改善を目指します。(文献1

点滴のあとは、飲み薬のステロイドに切り替えます。ステロイドを急にやめると体に負担がかかるため、数週間かけて少しずつ薬の量を減らしていくのが一般的です。

効果が不十分なときに検討される治療

ステロイドパルス療法で十分な効果が得られない場合は、別の治療を検討します。具体的には、血漿交換療法(血液中の原因物質を取り除く治療)や、免疫グロブリン大量静注療法です。(文献2

けいれんが強い場合は抗けいれん薬、呼吸の障害が強い場合は呼吸管理など、症状に応じた治療も並行して行います。

回復期のリハビリテーション

回復期には、残った症状の改善や回復を促すためにリハビリを行います。症状によっては、リハビリ専門の病院へ移ることもあります。

リハビリの内容は、残った症状によってさまざまです。歩く・立つといった動作には理学療法、着替えや食事などの生活動作には作業療法、言葉や飲み込みには言語聴覚療法を用います。

急性散在性脳脊髄炎における後遺症と再発の可能性

急性散在性脳脊髄炎は多くの場合、後遺症なく回復する病気です。

ただし、まれに症状が残ったり再発したりするため、正しく理解しておくことが重要です。

項目 内容
後遺症 多くの場合は、後遺症なく回復する。炎症の程度により、麻痺などが残ることもある。
再発 通常は一度きり(単相性)で、再発は比較的少ない。
回復の見通し 数週間〜数カ月での完全回復が55〜95%と報告されている。

後遺症が出るかどうかや、その程度には個人差があります。これは、炎症が脳や脊髄のどこに、どの程度で起きたかによって変わるためです。(文献2

後遺症の代表的な例は、手足の麻痺や、注意力・記憶力の低下などです。

回復のしやすさは、年齢によって変わります。お子さんは比較的よく回復する一方、成人は重症化する例もあるため、慎重な経過観察が欠かせません。

急性散在性脳脊髄炎の完治までを正しく理解し回復に向き合おう

急性散在性脳脊髄炎は、適切な治療によって数週間〜数カ月で回復が見込める病気です。多くの場合は、後遺症なく治ります。(文献2

一方で、症状が残るケースもあります。その際は、リハビリや専門医への相談を通じて、焦らず回復を目指していきましょう。

当院リペアセルクリニックでは、急性散在性脳脊髄炎の後遺症など、治療後も続く神経の症状に対応しています。再生医療には、神経の障害による症状の改善を目指す治療もあります。

現在の治療にお悩みの方や再生医療について興味のある方は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」からお気軽にご相談ください。

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急性散在性脳脊髄炎の完治に関するよくある質問

急性散在性脳脊髄炎は完治しますか?

多くの場合、適切な治療によって数週間〜数カ月で回復が見込めます。後遺症なく治るケースも多いです。

ただし、炎症の程度によっては、麻痺などが残ることもあります。回復の経過は人それぞれです。

今後の見通しが気になる場合は、主治医に確認しましょう。

急性散在性脳脊髄炎は再発しますか?

通常は一度の発症だけで終わり、再び発症することは比較的少ない病気です。ただし、まれに症状がぶり返すこともあります。

再発が心配な場合は、定期的に受診して経過を見てもらうことが大切です。

急性散在性脳脊髄炎の後遺症にはどのようなものがありますか?

主な後遺症は、手足の麻痺や、注意力・記憶力の低下などです。ただし、多くの場合は後遺症なく治り、麻痺などの症状が残るのは炎症が強かった場合などに限られます。

後遺症が出る場合は、リハビリテーションを通じて機能の回復を目指していきます。

参考文献

(文献1)

重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性散在性脳脊髄炎|厚生労働省

(文献2)

神経疾患領域 急性散在性脳脊髄炎|日本アフェレシス学会雑誌