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血管年齢はあてにならない?正確な測定法と若返り習慣を医師が徹底解説
ショッピングモールや薬局で気軽に測れる血管年齢測定器で「実年齢より10歳以上高い」と表示され、本当に自分の血管はそんなに老化しているのかと不安になっている方もいるのではないでしょうか。
実は、指先で測るタイプの血管年齢測定器には、仕組み上どうしても誤差が生じやすい特性があります。数値だけを見て一喜一憂する必要はありません。
血管年齢とは、動脈の硬さや弾力性をもとに血管の状態を年齢で表した指標です。実年齢が同じでも生活習慣や体質によって個人差があり、日々の習慣を整えることで血管への負担を減らし、状態の改善が期待できます。
本記事では、指先式測定器があてにならないと言われる理由から、医療機関での正確な測定方法、血管年齢を若返らせる3つの習慣までを医師の視点でわかりやすく解説します。最後まで読むことで、数値に振り回されることなく、自分の血管のために何をすべきかを具体的に知ることができます。
血管年齢の数値が気になっている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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目次
血管年齢があてにならないと言われる2つの理由
ショッピングモールなどに設置された無料の血管年齢測定器(指先式)は手軽に使えますが、医療用の診断検査ではないため、数値に誤差が生じやすい特性があります。あてにならないと言われる理由は、以下の2つです。
それぞれ詳しく解説します。
1.測定機器によって精度に差がある
指先式の血管年齢測定器は、フォトプレチスモグラフィ(指先に光を当てて脈波を読み取る方式)で測定した脈波をもとに、加速度脈波を解析する仕組みが用いられています。読み取った波形データを、各メーカー独自の換算式で「血管年齢」に置き換えて表示する仕組みです。
ここでポイントとなるのが、換算式がメーカーや機種によって異なる点です。そのため、同一人物でも同じ日に別の機器で測定すると、表示される血管年齢が大きく変わることもあります。
また、指先の毛細血管は細く、血圧カフ(腕に巻く帯)を使う医療機器と比べると、構造上どうしても誤差が出やすいです。
指先式の測定器は、あくまで「血管年齢の目安」として参考にする程度に留めておきましょう。
2.測定時の体調や環境で数値が変わる
指先の細い血管で脈を測る加速度脈波計は、測定時の体調や周辺環境の影響を受けやすい特性があります。数値に影響を与える主な要因は、次のとおりです。
- 緊張
- 運動の直後
- 飲酒
- 指先の冷え
- 測定クリップの圧のかかり方
- 環境光(屋外や強い照明下)
ショッピングモールでの測定は、歩き回った直後や知らない空間での緊張、冷暖房の効いた環境など、測定条件が整いにくい状況が重なりやすい場面です。条件が悪い状態で測定すると、実際よりも数値が高く出てしまう場合があります。
なお、測定前には5〜10分ほど安静にし、カフェイン・喫煙・激しい運動直後は避けると数値が安定しやすくなります。ただし、それでも指先式は医療機器ほどの精度は出ないことを理解しておきましょう。
血管年齢を測る方法
より正確な血管年齢を知るには、医療機関での検査がおすすめです。血管年齢の測定には、主に血圧脈波検査(ABI検査・CAVI検査)が用いられます。
血圧脈波検査は、内科・循環器内科・人間ドックで受けられる検査です。仰向けに寝た状態で両腕と両足首に血圧カフを装着し、胸元に心音マイクをつけて血圧と脈波を同時に測定します。
検査時間は約5〜10分で、痛みや体への負担が少ない検査です。また、結果はその日のうちに医師から説明を受けられます。
血圧脈波検査でわかる2つの指標は、以下のとおりです。
| 指標 | 読み方 | 内容 | 正常値の目安 |
|---|---|---|---|
| CAVI | キャビィ | 心臓から足首までの動脈の硬さ(動脈硬化の進行度) | 8.0未満が正常 |
| ABI | エービーアイ | 足首と上腕の血圧比で足の動脈の詰まりを確認 | 0.9以上が正常 |
なお、血圧脈波検査の費用は医療機関によって異なります。健康診断目的で受ける場合は自由診療となることが多く、2,000〜5,000円程度が目安です。
ただし、医師が「動脈硬化や血管疾患のリスクを評価する必要がある」と判断した場合は、保険適用となる可能性があります。
血管年齢が高くなる要因と動脈硬化が招くリスク
血管年齢が高い状態は、動脈硬化が進んでいるサインのひとつです。放置すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まるおそれがあります。
ここでは血管年齢が高くなる要因と、放置した場合に起こりうる病気について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
血管年齢が高くなる要因
血管年齢を高くする主な要因は、以下の4つです。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 自律神経バランスの乱れ | 交感神経が優位な状態が続き、血管が収縮し続けて老化が進む |
| 運動不足 | 血圧の上昇を招き、血管の弾力性が失われていく |
| 脂質・糖質・塩分の摂りすぎ | 中性脂肪やコレステロールが増え、血管に負担がかかりやすくなる |
| 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病) | 複数重なるほど、動脈硬化のリスクが高まりやすい |
これらの要因が複数重なるほど、動脈硬化のリスクは高まります。心当たりがある方は、生活習慣の見直しを始めてみましょう。
動脈硬化が招くリスク
動脈硬化が進行すると、以下のような深刻な病気を発症する場合があります。突然命に関わるケースもあるため、注意が必要です。
| 疾患 | 内容 |
|---|---|
| 脳梗塞 | ・脳の血管が詰まって脳細胞が壊死する ・手足の麻痺や記憶障害が残るリスクがある |
| 脳出血 | ・脳の血管が破れて出血する ・出血によって周囲の脳細胞がダメージを受けるため、障害が残りやすい |
| 心筋梗塞 | ・心臓の筋肉(心筋)への血流が止まり、心臓の組織が壊死する ・突然死に至るケースもある |
| 狭心症 | ・心筋への血流が阻害され、胸の圧迫感や発作が起こる ・深刻化すると心筋梗塞につながる |
日本人の死因第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患であり、その多くに動脈硬化が関与しているとされています。(文献1)実年齢より血管年齢が10〜20歳高い方は、上記の疾患リスクが上昇する傾向にあるため油断は禁物です。
ただし、悲観する必要はありません。次項では、血管年齢の改善が期待できる3つの習慣を紹介します。
血管年齢を若返らせる3つの習慣
血管年齢を若く保つ上で意識したいポイントは、食事・運動・自律神経の3つです。
以下の習慣を意識してみてください。
| 習慣 | 取り組みのポイント |
|---|---|
| ①バランスの整った食事 | ・塩分は1日6g未満が目安 ・青魚(EPA)・大豆・緑黄色野菜・海藻類を意識して取り入れる(文献2) |
| ②血流を促進する適度な運動 | ・週4〜5日、1回30〜60分の有酸素運動が目安 ・1駅分歩く・階段を使うなど日常動作の工夫でも良い |
| ③自律神経を整える生活リズム | ・質の良い睡眠のため、就寝前のカフェイン・飲酒・スマホ使用を控える ・禁煙も有効 |
すべてを一度に始める必要はありません。無理をせず、一つずつ習慣化していきましょう。
なお、血管年齢を若く保つための食事法や生活習慣については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。https://fuelcells.org/topics/85816/
まとめ|血管年齢の数値を正しく測定して生活習慣改善を心がけよう
本記事では、血管年齢の正確な測定方法や若返り習慣について解説しました。本記事の要点は、以下の3つです。
- ショッピングモールの指先式測定器は「目安」であり、誤差が出やすい仕組みがある
- 正確な測定は医療機関のABI・CAVI検査で受けられる
- 血管年齢の若返りには食事・運動・自律神経の3つを少しずつ整えることが基本
血管年齢の測定結果に一喜一憂するよりも、日々の生活習慣の見直しが大切です。指先式測定器で高い数値が出て不安な方は、まず医療機関で検査を受け、現在の血管の状態を確認してみましょう。
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血管年齢に関するよくある質問
血管年齢の平均はどれくらいですか?
血管年齢は、同性・同年齢の健康な人のCAVI平均値と比較して算出されます。CAVIとは「血管の硬さ」を評価する指標で、基準値は以下のとおりです。
| CAVI値 | 評価 |
|---|---|
| 8.0未満 | 正常範囲 |
| 8.0以上9.0未満 | 境界域 |
| 9.0以上 | 動脈硬化が疑われる |
(文献3)
CAVIが9.0以上の場合、動脈硬化が進んでいる可能性があり、心血管疾患などのリスクにおいて注意が必要とされています。(文献3)
ただし、検査結果が正常範囲内でも、血管の状態は数値だけで判断できません。検査結果の見方については、医師に確認しましょう。
自宅で使える血管年齢測定器などはありますか?
市販の加速度脈波計を使えば、自宅でも血管年齢を測定できます。医療機関の検査ほど精度は高くありませんが、定期的な測定で数値の推移(傾向)を把握する目安にはなります。
価格帯は数千~数万円程度の製品が中心です。
なお、自宅測定で高い値が出た場合や気になる変化があった場合は、医療機関で精密検査を受けましょう。
血管年齢が80〜90歳と出たらどうしたらいいですか?
ショッピングモールなどの無料診断で血管年齢が80〜90歳と表示された場合、測定誤差の可能性があるため、まず医療機関で正確な数値の測定をおすすめします。
仮に医療機関の検査でも血管年齢が高いと判定された場合、実年齢より10〜20歳高い状態が続くと脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが上昇します。
医師の指示に従いながら、食事や運動習慣を見直し、自律神経のバランスを整える生活を心がけましょう。
参考文献
(文献1)
死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合|厚生労働省
(文献2)
動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事|一般社団法人 日本動脈硬化学会
(文献3)
動脈硬化の臨床診断|日本動脈硬化学会


















