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動脈硬化の食事療法を解説|おすすめ食品・NG食品と1日3食のメニュー例も

動脈硬化の食事
公開日: 2026.06.30

健康診断でコレステロールや血圧の数値を指摘され、「動脈硬化が気になる」と感じていませんか

動脈硬化は自覚症状がないまま進行することもあり、放置すると心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながる場合があります。しかし、毎日の食事を見直すことで、動脈硬化の予防や進行を抑えることにつながります。

本記事では、動脈硬化の予防に役立つおすすめ食品や控えたい食品、油の選び方から、今日から実践できる1日3食のメニュー例まで解説します。

明日から実践できる食事習慣ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

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そもそも動脈硬化と食事はどう関係している?

動脈硬化とは、血液中のコレステロールなどが血管の壁にたまってプラークと呼ばれるかたまりを作り、血管が狭く硬くなった状態を指します。毎日の食事でとる脂質・糖質・塩分は、血液中の脂質や血圧に直接影響するため、食事の内容は動脈硬化の進行に大きくかかわります。

動脈硬化に関係する生活習慣病はいくつかあり、その中でも食事と深くかかわるものの一つが「脂質異常症」です。

脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が増えすぎたり、HDLコレステロールが減りすぎたりする状態を指します。この状態が続くと血管にプラークができやすくなり、動脈硬化が進みやすくなるのです。

そのため、食事のバランスを整えることは、動脈硬化の予防や進行を抑える上で大切です。本記事の内容を元に、毎日の食事メニューを組み立ててみてください。

脂質異常症について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

動脈硬化の食事療法の考え方

動脈硬化の食事療法の土台となるのが、日本動脈硬化学会が推奨する「The Japan Diet」です。(文献1

The Japan Dietでは、以下5つの原則が推奨されています。

  1. 魚・大豆製品・野菜・海藻・きのこ類を増やす
  2. 肉の脂身や動物性脂肪をとりすぎない
  3. 清涼飲料水・菓子類・アルコールを控えめにする
  4. 白米や白いパン(精製した穀類)に偏らず、玄米・雑穀・麦などを取り入れる
  5. 果物や乳製品は適量にし、塩分を控える

なお、これらの原則を満たしていれば、和食以外の料理でも問題ありません。無理なく続けられる範囲で取り入れてみましょう。

動脈硬化の食事療法|おすすめの食べ物

ここでは、動脈硬化の予防に積極的に取り入れたい食べ物を紹介します

以下の食品は、コレステロールや中性脂肪の管理、血管のプラーク(脂肪などのかたまり)の形成を抑えることに役立つと考えられています。

食品 期待される働き
青背魚(サバ・アジ・イワシなど) EPA・DHAなどの多価不飽和脂肪酸が、LDLコレステロールを減らす働きや血栓リスクの低減につながるとされる
大豆製品(豆腐・納豆・高野豆腐) 飽和脂肪酸が少なくコレステロールを含まない、良質なたんぱく源
・緑黄色野菜
・海藻
・きのこ
・こんにゃく
・食物繊維がコレステロールの吸着・排泄に役立つ
・カリウムが高血圧予防にも役立つ
未精製穀類(玄米・麦飯・雑穀・全粒粉パン・そば) 食物繊維が豊富で、血糖値の急な上昇を抑えやすい

文献1

これらの食品をバランスよく取り入れると、動脈硬化の予防や進行を抑える食事管理につながります。

動脈硬化予防に良い飲み物と果物

飲み物や果物も、選び方を意識することが大切です。動脈硬化に良いものと期待される働きを、以下の表にまとめます。

区分 取り入れたい 期待される働き
飲み物 ・水
・緑茶
・無糖コーヒー(カフェインレス可)
・無糖の麦茶
・無塩トマトジュース
・糖分を抑えながら水分補給ができる
・お茶や水を選ぶことで、甘味飲料による糖分のとりすぎを避けやすい
果物 ・キウイ
・グレープフルーツ
・オレンジ
・みかん
・いちご
・りんご
・ビタミンC・カリウム・食物繊維を補える
・甘味の少ない果物を適量とることで、食事全体のバランスを整えやすい

文献1

なお、水分補給は、水やお茶など糖分を含まない飲み物を中心に、こまめに行いましょう。また、果物は体に良い一方で、食べ過ぎると果糖のとりすぎにつながるため、適度な量を心がけることが大切です。

動脈硬化に悪い食べ物・控えたい食品

ここでは、動脈硬化のリスクを高めやすい、控えたい食品を紹介します。以下の食品はとりすぎに注意し、代替案も参考にしてみましょう。

控えたい食品 代替案
・肉の脂身・霜降り肉
・脂身の多いひき肉
・鶏皮
・動物脂(牛脂・ラード・バター)
・ココナッツ油
・赤身肉
・皮なしの鶏むね肉
・青背魚
・オリーブオイルなど
・ベーコン・脂の多いハム・ソーセージ
・レバーなどの内臓類
・卵黄
・大豆製品
・白身魚
・無塩ナッツ
・菓子類
・砂糖・果糖を含む甘味飲料
・アルコール飲料
・甘味の少ない果物
・無糖の飲み物
・水やお茶

文献1

表にある肉の脂身、鶏皮、バター、ラード、ベーコン、ソーセージなどは、飽和脂肪酸を多く含む食品です。飽和脂肪酸をとりすぎるとLDLコレステロールが上がりやすくなるため、赤身肉や皮なしの鶏むね肉、魚、大豆製品などに置き換えることをおすすめします。

また、コレステロールは卵黄、レバーなどの内臓類、魚卵、肉類、乳製品などの動物性食品に多く含まれます。動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、コレステロールの摂取量は1日200mg未満、アルコールは純アルコール量として1日25g以下が目安とされています。 (文献2

動脈硬化の食事療法での注意点

動脈硬化の食事療法を続ける上で、とくに気をつけたいポイントがあります。

具体的には、以下の3つを意識すると、効果的に取り組みやすくなります。

それぞれ解説します。

動脈硬化の食事では油の選び方に気をつける

油に含まれる脂肪酸は、LDLコレステロールや心血管疾患のリスクに関係します。とくに、肉の脂身やバター、ラードなどに多い飽和脂肪酸は、とりすぎるとLDLコレステロールが上がりやすくなるため注意が必要です。

一方、オリーブオイルや魚油、ナッツなどに含まれる不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸の多い食品と置き換えて取り入れることで、動脈硬化の予防に役立ちます。

なお、油の種類を見分ける目安の一つが、「冷蔵庫で固まりやすいかどうか」です。バターやラードのように冷蔵庫で固まりやすい油は、飽和脂肪酸を多く含む傾向があります。

反対に、オリーブオイルや魚油のように固まりにくい油は、不飽和脂肪酸を多く含む傾向があります。

比較項目 飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸
主な摂取源 ・バター
・ラード
・牛・豚の脂
・肉の脂身
・オリーブオイル
・アボカド
・ナッツ
・魚油
冷蔵庫での変化 固まりやすい 固まりにくい
健康への影響 とりすぎるとLDLコレステロールが上がりやすい 心臓病リスクの低下や動脈硬化予防に役立つとされる
推奨 控えめにとる 飽和脂肪酸の代わりにバランスよくとる

ただし、不飽和脂肪酸を含む油でも、油であることに変わりはありません。とりすぎるとエネルギー過多につながるため、「バターをオリーブオイルに替える」「肉の脂身を魚に替える」など、置き換えを意識しましょう。

よく噛んで食べる(早食いをしない)

早食いは、メタボリックシンドローム(内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質異常が重なった状態)のリスク上昇と関連することが報告されています。29の研究・約46万人を対象にしたメタ解析(複数の研究をまとめたもの)では、早食いの人はメタボリックシンドロームのリスクが約1.5倍高い傾向が示されました。 (文献3

メタボリックシンドロームは動脈硬化のリスクを高めるため、早食いを避けることは予防につながると考えられます。また、よく噛んでゆっくり食べると満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎやすくなります。

食事の際は腹八分目までに抑える

食事は満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目を意識しましょう

食べ過ぎが続くと、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、体重増加や内臓脂肪の蓄積につながります。内臓脂肪が増えると、血糖値・中性脂肪・血圧の上昇に関係し、動脈硬化のリスクを高める要因になるのです。

まずは「もう少し食べられる」と感じるところで箸を置く、主食を大盛りにしない、ゆっくり噛んで食べるなど、食べ過ぎを防ぐ工夫から始めましょう。

動脈硬化の食事|1日3食メニュー例

動脈硬化の予防のための食事は、青背魚・大豆製品・緑黄色野菜・未精製穀類・減塩の5つを意識することが大切です。ここでは、3食ともこれらを満たした1日のメニュー例を紹介します。

少しずつでも良いので、毎日の献立に取り入れてみてください。

【朝食】雑穀ごはんと豆腐の和定食

朝食は、未精製穀類・大豆製品・緑黄色野菜を組み合わせた和定食です。

区分 メニュー
主食 雑穀ごはん(白米+押し麦+もちきび)
汁物 豆腐となめこの減塩味噌汁
副菜 小松菜とじゃこのおひたし
デザート 無糖・低脂肪ヨーグルト

雑穀ごはんで食物繊維を摂取でき、豆腐で良質なたんぱく質を取り入れられる組み合わせです。

【昼食】いわし缶のトマト煮定食

昼食は、青背魚のいわしを主菜にした定食です。

区分 メニュー
主食 十穀米おにぎり(2個)
主菜 いわし缶のトマト・玉ねぎ煮(EPA/DHA+リコピン)
副菜 ひじきと大豆の煮物
汁物 きのこのスープ

いわしのEPA・DHAに、トマトのリコピンや大豆・海藻の食物繊維を組み合わせました。

【夕食】アジ塩焼きと大豆五目煮の定食

夕食は、青背魚のアジと大豆製品を中心にした定食です。

区分 メニュー
主食 麦飯
主菜 アジの塩焼き
副菜 大豆・こんにゃく・ごぼうの五目煮(食物繊維)
副菜 ほうれん草のごま和え(緑黄色野菜+ごま油)
汁物 わかめと豆腐の吸い物(減塩)

五目煮とごま和えで食物繊維と緑黄色野菜を補い、汁物は減塩を意識しています。

なお、すべてのメニューを一度に変える必要はありません。毎日の食事のうち、まずは1品を置き換えるだけでも始められます。無理のない範囲で、少しずつ取り入れてみましょう。

動脈硬化の改善には食事以外に運動・生活習慣も大切

食事療法は動脈硬化対策の中心ですが、食事だけでは改善が難しい場合もあります

そのため、動脈硬化の予防には、食事だけでなく以下の生活習慣の見直しも欠かせません。

  • 1日30分以上の有酸素運動
  • 禁煙
  • ストレス管理
  • 規則正しい生活リズム

なお、食事・運動・生活習慣の整え方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

動脈硬化の食事は毎日の小さな積み重ねが大切

動脈硬化の予防では、毎日の食事を無理なく見直していくことが大切です。青背魚や大豆製品、野菜・海藻・未精製穀類を積極的にとり、肉の脂身や菓子類、甘い飲み物は控えめにしましょう。

また、油は不飽和脂肪酸を中心に選び、よく噛んで腹八分目を心がけることも大切です。ただし、食事だけで数値の改善を目指すのが難しい場合もあります。

健康診断で異常を指摘された方や、気になる症状がある方は、医療機関で相談しながら食事や治療方針を確認しましょう。

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動脈硬化の食事に関するよくある質問

動脈硬化の食事改善に役立つレシピ本はありますか?

動脈硬化の食事改善では、日本動脈硬化学会が公開している「The Japan Diet」が参考になります。(文献1)一般的なレシピ本ではありませんが、動脈硬化予防に役立つ食品の選び方や、献立例、食材の組み合わせ方が紹介されています。

ただし、大切なのは「動脈硬化の予防に役立つ食材を知り、自分で献立を組み立てられるようになること」です。予防に役立つ食材を把握し、毎日のレシピに少しずつ取り入れてみましょう。

血管のプラークや血栓を溶かす食べ物はありますか?

結論として、血管のプラークや血栓を直接溶かす食べ物はありません

プラークは、コレステロールなどが血管の壁にたまってできるかたまりです。また、血栓は血液が固まって血管をふさぐ原因になるものです。どちらも心筋梗塞や脳梗塞などにつながる場合があり、食品だけで対処できるものではありません。

なお、納豆に含まれるナットウキナーゼや、玉ねぎ・にんにくに含まれる成分は、血液や血栓に関する研究で取り上げられることがあります。ただし、食品として食べたときに、血管内のプラークや血栓を溶かす働きが得られるとは確認されていません。

特定の食品に頼るのではなく、魚・大豆製品・野菜・海藻・未精製穀類などを取り入れ、食事全体のバランスを整えることが大切です。

参考文献

(文献1)
動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事(The Japan Diet)|一般社団法人 日本動脈硬化学会

(文献2)
動脈硬化性疾患予防ガイドライン(エッセンス)|公益財団法人 日本心臓財団

(文献3)
Association Between Eating Speed and Metabolic Syndrome|PubMed