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足の動脈硬化の改善方法を解説|5つのセルフケアや治療方法を紹介
「足が冷えてなかなか温まらない」「歩いているとふくらはぎが痛くなり、休むとまた歩ける」といった症状に、不安を感じていませんか。
こうした症状は、足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)のサインの場合があります。
本記事では、自宅でできる5つのセルフケアから、検査・薬・カテーテル治療・バイパス手術といった医療の選択肢、何科を受診すべきかまで、医師の視点でわかりやすく解説します。足の冷えやしびれが気になる方は、最後までご覧ください。
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目次
足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)とは
足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)とは、足の動脈が動脈硬化によって細くなったり詰まったりし、足への血流が悪くなる病気です。(文献1)
主な原因には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣が関係します。初期には歩いたときの足の違和感や痛みが出やすく、進行すると安静時の痛みや傷の治りにくさ、皮膚の変色、潰瘍(かいよう)などが起こります。
重症化すると足の組織が壊死し、切断が必要になる場合もあるため、足に違和感がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
閉塞性動脈硬化症の原因や受診の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
足の動脈硬化の主な症状と進行ステージ
片足のしびれや足先の冷え、長く歩いたときの片足の痛みは、閉塞性動脈硬化症の可能性があります。片足の皮膚が青白い、紫色になる、安静時にも足が痛い、夜に痛みで眠れないといった場合も注意が必要です。
進行すると感覚が鈍くなり、感染や壊疽によって、最悪の場合は切断が必要になるケースもあります。
なお、足の動脈硬化は、症状の重さによって以下の4つのステージに分けられます。
| ステージ | 主な症状 |
|---|---|
| Ⅰ度 | 足の冷えやしびれを感じる |
| Ⅱ度 (間欠性跛行) |
一定の距離を歩くと痛みで歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩ける |
| Ⅲ度 | 安静にしていても痛みが現れる(とくに夜間に多い) |
| Ⅳ度 | ・皮膚がじくじくする(潰瘍) ・足先が変色したり壊死したりする(壊疽:えそ) |
症状に心あたりがある方は、循環器内科などの専門医に相談しましょう。また、足に現れるサインのセルフチェックについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
足の動脈硬化を改善する5つのセルフケア
足の動脈硬化は、進行を防ぐために生活習慣の見直しが重要です。手術や薬に頼る前に、まずは自宅でできるセルフケアから始めてみましょう。
おすすめのセルフケアは、以下の5つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.無理のない歩行運動を続ける
足の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)の初期治療では、まず運動療法が行われます。
運動療法の目的は、血流が不足している足への血流を増やし、血液中の酸素を効率よく利用できる状態を目指すことです。また、運動は高血圧、脂質異常症、糖尿病などの管理にも効果的とされています。
身体的な問題がない場合は、積極的かつ定期的に運動を続け、習慣にしましょう。
なお、食事や運動を含めた生活習慣全体の整え方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
2.食事を見直して脂質をためこまない
動脈硬化と食事には深い関連があるため、日々の食事メニューの見直しは動脈硬化の進行予防に役立ちます。
実際に、日本動脈硬化学会が推奨する食事「The Japan Diet」では、次のような食品の取り入れ方がすすめられています。
| 分類 | 食品の例 |
|---|---|
| 積極的に取り入れたい食品 | ・未精製穀類・雑穀(玄米、麦飯、そばなど) ・青背の魚、大豆・大豆製品 ・緑黄色野菜 ・海藻・きのこ・こんにゃく ・甘味の少ない果物 |
| なるべく控えたい食品 | ・脂身の多い肉・動物脂 ・肉加工品・内臓類 ・卵黄 ・生クリーム・菓子類 ・甘い飲み物・アルコール |
(文献2)
上記の表を参考に、脂質をためこまない食事を意識し、無理のない範囲で続けてみましょう。
なお、動脈硬化を改善する食事の詳しいポイントについては、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
3.足を冷やさず血流を促す
足が冷えると毛細血管が収縮し、血行がさらに悪くなるため、閉塞性動脈硬化症では足の保温が大切です。
そのため、冬季は無理に屋外で運動せず、室内運動に切り替えることが推奨されます。また、夏季も冷房による足の冷えに注意し、冷たい廊下を素足で歩かないようにしましょう。
なお、きつい靴下は血行を悪くするため避け、暖かい靴下やスリッパ、防寒靴などの活用が大切です。
4.禁煙して血管への負担を減らす
たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。喫煙は中性脂肪の増加や高血圧、動脈硬化の原因になるため、閉塞性動脈硬化症では禁煙が重要です。
たとえば、喫煙に慣れていない方がたばこを吸ったときに、頭痛やめまい、目の前が暗くなるような症状を感じることがあります。これは、ニコチンによる血管収縮で、脳への血流が一時的に変化することが関係していると考えられます。
同じような血流の低下は足の血管にも起こるため、症状の悪化を防ぐためにも禁煙が重要です。
5.足を清潔に保ち毎日観察する
血行が悪い足は、小さな傷でも治りにくく、悪化しやすい状態です。傷口から細菌が入ると、炎症や潰瘍につながるおそれがあるため、日頃から足を清潔に保ち、異変がないか毎日確認しましょう。
また、足は毎日洗い、洗ったあとは指の間まで水分を残さないようによく乾かしてください。
さらに、深爪をすると皮膚を傷つけ、爪の周囲に炎症や潰瘍が起こる原因になります。爪のケアをする際は注意しましょう。
足の動脈硬化の検査・診断方法
閉塞性動脈硬化症が疑われる症状がある場合は、医療機関で必要に応じた検査を受けることが大切です。主な検査には、次のような方法があります。
それぞれ解説します。
ABI(足関節上腕血圧比)検査
足の動脈硬化が疑われるときに、まず行われることが多いのがABI(足関節上腕血圧比)検査です。
ABI検査では、足首の血圧を腕の血圧で割って求める数値をもとに、足への血流が保たれているかを調べます。1.0以上であれば正常とされ、0.9以下の場合は足の動脈に病変がある可能性が高く、数値が低いほど重症とされます。
なお、ABI検査は痛みが少なく短時間で受けられるため、最初のふるい分けとして広く用いられています。ただし、糖尿病や透析を受けている方では、数値が1.0以上でも正常とは限らないため、ほかの検査とあわせた評価が大切です。
画像で血管を調べる検査(エコー・造影CTなど)
ABI検査で足の動脈硬化が疑われた場合は、画像検査で血管の状態をさらに詳しく調べます。画像検査では、血管のどの部分が、どの程度狭くなっているのかを確認できます。
主に用いられる検査は、以下の検査方法です。
| 検査方法 | 特徴 |
|---|---|
| 下肢動脈エコー検査 | ・超音波で血管や血流の状態を確認 ・体への負担が少ない ・狭くなった部分や血流の変化を確認しやすい |
| 造影CT検査 | ・造影剤(血管や臓器を画像に映りやすくする薬剤)を使って足の血管の形を確認 ・広い範囲の血管を調べやすい ・造影剤アレルギーや腎機能低下がある場合は注意が必要 |
| 下肢動脈造影検査 | ・カテーテルを使って血管の状態を詳しく確認 ・狭窄や閉塞の位置を把握しやすい ・治療方針の決定に役立つ ・検査内容によっては入院が必要な場合がある |
まずは体への負担が少ない下肢動脈エコー検査で確認し、必要に応じて造影CT検査や下肢動脈造影検査を行います。なお、どの検査を行うかは、症状や腎機能、治療方針などを踏まえて医師が判断します。
足の動脈硬化を改善するための治療方法
セルフケアだけでは十分に改善しない場合や、症状が進行している場合は、医療機関での治療が検討されます。主な治療方法は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
薬物療法
下肢閉塞性動脈硬化症に対する薬物療法として、抗血小板剤や血管拡張剤、抗凝固剤が用いられます。(文献1)具体的には、血小板が固まるのを抑える薬や、血管を広げて血流を改善しやすくする薬などです。
また、薬だけで改善を目指すのではなく、症状や重症度に応じて、運動療法や食事の見直し、禁煙などもあわせて行うことが一般的です。
ただし、一定期間治療を続けても十分に改善しない場合や、症状が悪化した場合は、血流を回復させる血行再建術が検討されます。
血行を再建するカテーテル治療
血管内治療(カテーテル治療)は、局所麻酔のもとで足の付け根などの動脈からカテーテルを入れて行う治療です。
細くなった血管にワイヤーを通し、バルーン(風船)で広げたり、ステントと呼ばれる金属の網を置いたりして血流を改善します。
主に狭くなった血管に有効ですが、閉塞した血管に対して行われる場合もあります。体への負担が少なく、数日の入院で治療できる点が特徴です。
血管をつなぐバイパス手術
バイパス手術は、自家静脈(自分の静脈)や人工血管を使って、詰まった血管の前後をつなぎ、足先までの血流を確保する治療法です。
完全に閉塞した血管や、長い範囲で狭窄・閉塞している血管では、カテーテル治療よりバイパス手術が有効な場合があります。ただし、全身麻酔や複数箇所の皮膚切開が必要なため、カテーテル治療より体への負担は大きくなります。
一方で、足先への血流を大きく改善できるため、重症下肢虚血の方にも有効な術式とされています。
再生医療
再生医療は、薬や手術で改善が難しい場合に検討される治療です。患者様自身の幹細胞を用いて、新たな血管がつくられる働きを利用します。
名古屋大学大学院の報告によると、血管内治療やバイパス手術が難しい末期の方でも、再生医療によって血流が改善し、足の切断を回避できたケースが報告されています。(文献3)
なお、内服治療や生活習慣の改善を続けても症状が改善しなかった方が、再生医療で回復した実際の症例もあります。詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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足の動脈硬化は何科を受診するべきか
足の冷えやしびれ、歩行時の違和感、足の色が悪いなどの症状がある場合は、早期の受診が大切です。
受診先の目安は、以下のとおりです。
| 受診先 | 役割 |
|---|---|
| 循環器内科 | ・血流や動脈硬化を総合的に評価・管理する ・足の症状があれば最優先で受診したい科 |
| 血管外科 | 動脈の狭窄・閉塞の検査や、カテーテル治療などの手術に対応する |
| 内科(かかりつけ医) | 専門科がない場合にまず相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう |
なお、閉塞性動脈硬化症が疑われる場合は、まず循環器内科または血管外科の受診が推奨されます。自覚症状がある場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。
足の動脈硬化を改善するには血流を保つ習慣を継続しよう
足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)は、早めの対策で進行を抑えやすくなります。歩行運動や食事の見直し・足の保温・禁煙・フットケアといった5つのセルフケアを、今日から無理のない範囲で続けてみましょう。
ただし、セルフケアだけでは十分でない場合もあります。歩くと足が痛む、安静時にも痛む、足の色が悪いといった症状があるときは、循環器内科や血管外科などへの早めの受診が大切です。運動やフットケア、食事で血流を保つ習慣を継続しながら、必要に応じて医療の力も借りましょう。
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足の動脈硬化改善方法に関するよくある質問
足の動脈硬化はマッサージで改善できますか?
足の動脈硬化が疑われる場合、自己流のマッサージはおすすめできません。下肢閉塞性動脈硬化症の状態によっては、マッサージが症状を悪化させるおそれがあるためです。
たとえば、血栓がある状態で足を強く揉むと、血栓が血流に乗って移動し、重い合併症につながる危険があります。また、潰瘍や炎症、安静時の痛みがある場合も、マッサージは避け、医療機関に相談しましょう。
なお、下肢閉塞性動脈硬化症におけるマッサージが禁忌となるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
足の動脈硬化はどのくらいの症状で受診すべきですか?
足の冷えやしびれ、長く歩いたときの片足の痛みなどがある場合は、早めの受診を検討しましょう。
とくに、以下の症状は、症状が進行しているサインの可能性があります。
- 安静にしていても足が痛い
- 夜に痛みで眠れない
- 足の皮膚が青白い・紫色になる
- 傷がなかなか治らない
これらは末梢動脈疾患が進んでいる場合に現れやすいため、早めに循環器内科や血管外科を受診しましょう。また、足の症状は全身の動脈硬化のサインにもなり得るため、気になる変化があれば放置せず、医師への相談をおすすめします。
参考文献
(文献1)
下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療法の評価とQOL|日本血管外科学会





















