• 内科疾患
  • 内科疾患、その他

偽痛風と痛風の違いを徹底比較|それぞれの原因や前兆、発作症状【医師監修】

偽痛風と痛風の違い
公開日: 2026.06.27

「痛風と偽痛風の症状に違いはある?」
「予防方法や日常生活の注意点の違いはある?」

偽痛風は、膝などの大きな関節にピロリン酸カルシウム結晶が沈着して炎症を起こす病気です。生活習慣などが原因になることはほとんどありません。痛風は足の親指の付け根などに尿酸塩結晶が沈着して炎症を起こす病気で、生活習慣が原因になることが多いです。

本記事では、偽痛風と痛風の病態・診断法・治療法・予防法について解説します。見分け方のポイントも解説しているため、自分が偽痛風と痛風のどちらであるのかを判断したい方も参考にしてください。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。膝などの関節の痛みが気になる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

偽痛風と痛風の病態の違い【一覧表で比較】

偽痛風と痛風の病態の違いをまとめると以下のようになります。

項目 偽痛風 痛風
原因物質 ピロリン酸カルシウム 尿酸
メカニズム 原因物質が関節で結晶化して関節内に流出して炎症を起こす
発症原因 加齢や副甲状腺機能亢進症、低マグネシウム血症、利尿薬の投与、遺伝子疾患など 腎機能の低下や食生活の乱れ、過度な飲酒、運動不足、水分不足など
発作の前兆 ほとんどなし チクチクした感覚やしびれ、こわばり
発作の症状 突然の激しい関節の痛みや腫れ、赤み
合併症 慢性的な関節の痛みや動かしにくさ 腎障害や腎結石、尿管結石

それぞれの違いについて詳しく解説します。

発症のメカニズムの違い

偽痛風と痛風は、関節内で炎症が起きるという点は似ていますが、炎症を引き起こす物質が異なります。

偽痛風は、ピロリン酸カルシウムが関節や周囲組織に沈着して、炎症を引き起こす病気の総称です。

一方、痛風は高尿酸血症(血液中の尿酸値が高い状態)が続き、関節内で尿酸塩結晶ができ炎症を引き起こす病気です。これらの結晶が関節内に流出した際に、体を守る免疫細胞(白血球)が異物と判断し攻撃をしてしまい炎症が起きます。この炎症が強い痛みを伴う発作の原因です。

【関連記事】
【医師監修】痛風とは|症状・原因・治療法・予防まで分かりやすく解説
【医師監修】偽痛風とは|症状・原因・再発予防について詳しく解説

原因の違い

偽痛風と痛風では原因物質が沈着する理由もそれぞれ異なります。

沈着する理由 偽痛風 痛風
基礎疾患 副甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症、低マグネシウム血症、鉄過剰症、遺伝子の病気 腎機能障害
生活習慣 ほとんど関係ない プリン体の過剰摂取や過度な飲酒、運動不足、水分不足
その他 加齢や利尿薬の投与、外傷、手術 利尿薬の投与や遺伝的な要因

ピロリン酸カルシウムが沈着する原因は、不明な点が多いのが現状です。一方、痛風は生活習慣の乱れが強く関係しています。

発作の前兆の違い

偽痛風は前兆がなく、突然関節の周囲が赤く腫れて発作を起こす特徴があります。

痛風では、発作前に以下のような前兆を関節に感じることがあります。

  • モヤモヤ・ピクピク・チクチクした感覚
  • しびれ
  • こわばり

これらの前兆を感じた際に頓服薬を服用すると、発作を抑えられることがあります。

発作の症状の違い

偽痛風と痛風の発作の症状は似ています。偽痛風は前兆が現れずに突然発症し、関節またはその周囲が赤く腫れて激しい痛みを伴います。急性発作は数日で落ち着くことが多いです。数週間から数カ月続く場合もあります。(文献1

一方、痛風は、夜間や早朝に突然激しい痛みと関節の腫れで始まることが多いです。発作が起きた部位は熱を持ち赤くなり関節は非常に敏感になります。24時間以内に症状はピークに達し、10日ほどで自然に軽快します。(文献2

好発部位の違いは以下のとおりです。

  好発部位
偽痛風 膝・肩・足・手首・肘・指・首の関節
痛風 足の親指の付け根や足・膝・肩・手の関節

痛風は多くの場合、足の親指の付け根に発作が起きます。偽痛風の主な好発部位は膝で、大きな関節に起こる特徴があります。偽痛風と痛風はどちらも発作を繰り返す特徴があるため、適切な治療を受けることが重要です。

放置することによる合併症の違い

偽痛風を放置すると、慢性的な関節の痛みや動かしにくさが続く状態になることがあります。また、14例の偽痛風患者のうち、10例に変形性関節症の合併が認められたとの報告もあります。(文献3変形性関節症は自然治癒が難しいため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

痛風においては、発作を繰り返すうちに病状が悪化し、以下のような合併症が起きるリスクが高まります。

合併症 詳細
腎障害 腎臓の中に尿酸塩結晶が沈着して腎臓の機能が低下する障害
腎結石 腎臓の中で石ができる病気
尿管結石 腎臓でできた石が尿の通り道である尿管に移動し、激しい痛みを起こす病気

これらの合併症を防ぐためにも、早めに治療を受ける必要があります。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

偽痛風と痛風の見分け方

偽痛風と痛風を見分けるには、複数の要素を組み合わせて判断する必要があります。

偽痛風と痛風の見分け方のポイントをまとめると以下のとおりです。

  偽痛風 痛風
発作の現れ方 突然現れることが多い 夜間や早朝に突然現れることが多い
発症部位 膝関節が多い 足の親指の付け根が多い
好発年齢 高齢者に多い 中高年に多い
男女差 やや女性に多い 男性に多い
前兆 ほとんど見られない あり
血液検査 異常が出ないことが多い 尿酸値が7.0mg/dL以上
生活習慣 ほとんど関係ない 食生活や飲酒の関連が多い

文献2

どちらも発作を繰り返す病気です。疑わしい症状が現れた際は、早めに受診を検討しましょう。

偽痛風と痛風の診断・治療法の違い

偽痛風と痛風の診断に用いる検査内容と治療の方向性は異なります。ここでは、診断方法と治療方法の違いについて詳しく解説します。

診断方法の違い

痛風または偽痛風が疑われる場合は、以下のような検査を行います。

検査内容 偽痛風 痛風
レントゲン検査 関節軟骨の石灰化を確認 痛風以外の所見の確認
関節液検査 ピロリン酸カルシウム結晶を確認 尿酸塩結晶を確認
血液検査 尿酸値や抗CCP抗体(リウマチ特有の物質)などの状態を確認

エコー検査やMRI検査などが行われることもあります。関節の炎症を起こす病気は偽痛風と痛風だけではありません。関節リウマチや化膿性関節炎などと区別するために、複数の検査を組み合わせて鑑別診断が行われます。

治療方法の違い

偽痛風には、現時点では根本的な治療方法がなく、発作が落ち着くまでの対症療法が中心です。痛みや炎症を抑える非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の服用や患部の冷却で対処します。原因と考えられる基礎疾患の治療も重要です。

炎症が強い場合は、副腎皮質ステロイド注射も有効とされています。変形性関節症が合併しており、歩行障害が進行している場合は、手術を検討しなければなりません。

痛風は、薬物療法と生活習慣の改善が中心です。非ステロイド系抗炎症薬に加えて、尿酸値を下げる薬を服用する必要があります。生活面において、プリン体を多く含む食品やアルコール飲料を避けて、適度な有酸素運動を取り入れていきます。

偽痛風と痛風発作の予防法の違い

偽痛風と痛風発作の予防法には大きな違いがあります。偽痛風は現時点では発作の予防方法が確立されていません。手術や外傷が発作のきっかけとなることがあるため、転倒などへの注意は重要です。

痛風は、食生活の乱れや運動不足、過度な飲酒、肥満などの改善が重要です。尿酸の排泄量を増やすために、1日2L程度の水分摂取も有効とされています。(文献2)定期的に健康診断を受けて、体の状態を確認することも大切です。

また、痛風の前兆を感じたときにすぐコルヒチン(発作を抑える薬)を服用することで、発作を予防できる可能性があります。服用方法に関しては医師に確認してください。

【関連記事】
痛風予防の対策8選|生活習慣を見直して尿酸値を下げよう
痛風は歩くと悪化する?それとも治る?症状を緩和させる方法を解説
痛風の食事療法とは?|尿酸値を下げる食材と予防習慣を紹介【医師監修】

偽痛風と痛風の違いを理解して適切な治療につなげよう

偽痛風と痛風はどちらも突然激しい痛みや腫れ、赤みを特徴とする病気です。症状は似ていますが、関節内に沈着する物質や発症原因、好発年齢、発症部位、治療方針などは異なります。

偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶の沈着が原因です。高齢者に多く膝などの大きな関節に発症します。根本的な治療方法はなく痛み止めの薬や冷却などの治療で対処します。関連する基礎疾患がある方は適切に治療を受けましょう。

痛風は高尿酸血症を背景に尿酸塩結晶の沈着が原因です。生活習慣の改善や尿酸値を下げる薬の服用が治療の中心です。いずれも、放置すると合併症を引き起こすリスクがあるため早期に治療を始めましょう。

なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、変形性関節症に対する再生医療の情報を発信しております。膝などの関節の痛みが気になる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

偽痛風と痛風の違いに関するよくある質問

偽痛風と痛風で痛みに違いはありますか?

痛みの違いに明確な差はないとされ、どちらも激しい痛みを伴います。見分ける目安は、偽痛風は膝などの大きい関節に、痛風は足の親指の付け根に発作が起きやすいです。また、痛風は関節に違和感やこわばりなどの前兆が現れることがあります。

発症・発作のきっかけの違いはありますか?

痛風は暴飲暴食や過度な飲酒、激しい運動、脱水などをきっかけに発作が起きます。偽痛風は手術や外傷、長距離歩行、脱水、なんらかの病気をきっかけに発作が起きます。

参考文献

(文献1)
Calcium Pyrophosphate Deposition Disease|National Library of Medicine

(文献2)
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン|日本痛風・核酸代謝学会

(文献3)
炎症性疾患に続発した高齢者偽痛風症例の検討|日本老年医学会雑誌