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動脈硬化改善ストレッチを医師が解説|30秒でできる血管の若返り習慣や注意点も紹介
健康診断で血圧やコレステロール、血糖値を指摘され、「血管年齢が気になる」「薬や激しい運動に頼らず血管をいたわりたい」と感じていませんか。
血圧や脂質、血糖値の乱れは、血管が硬くなる動脈硬化と深く関係しています。動脈硬化が進むと血管のしなやかさが失われ、将来的に心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高める要因になります。
血管を健康に保つには、食事や運動習慣の見直しが基本です。一方で、運動が苦手な方や体が硬い方にとって、「いきなり本格的な運動を始めるのはハードルが高い」と感じることも少なくありません。
本記事では、動脈硬化改善に役立つ部位別ストレッチのやり方から、ストレッチの効果を高めるコツ、運動や食事での改善方法まで、医師の視点で解説します。一日数分でできる方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
動脈硬化の改善におすすめのストレッチ
ストレッチそのものが動脈硬化を直接改善するわけではありませんが、体の柔軟性と血管の硬さには関連があると考えられています。ある研究でも、中高年では体が硬い人ほど血管の硬さを示す数値が高い傾向が示されました。(文献1)
※関連を示した研究であり、効果を保証するものではありません。
血管のしなやかさを保つ習慣として、まずは次の部位のストレッチから始めてみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
お尻ともも裏(ハムストリングス)ストレッチ
お尻からもも裏にかけては、大きな筋肉が集まっている部位です。ストレッチで日常的にほぐすことで、血管をしなやかに保ちやすくなります。
具体的な手順は、以下を参考にしてください。
- 仰向けになり、片方の膝を両手で抱える
- 抱えた膝を、顔や胸の方向に向かってゆっくり引き寄せる
- お尻からもも裏が伸びているところで止め、痛気持ち良い程度に20秒ほどキープする
- 反対側も同じように行い、左右のお尻ともも裏を均等に伸ばす
呼吸を止めず、伸びている部分を意識しながら、ゆっくり引き寄せるのがポイントです。
太もも前側ストレッチ
太ももの前側は、日常生活で硬くなりやすい部位です。左右で硬さに差が出やすいため、両側を丁寧に伸ばしましょう。
無理のない範囲で、以下の手順を実施してみてください。
- 床に座り、片方の足を後ろに折り曲げ、つま先をピンと伸ばす
- 折り曲げた足の太もも前側が伸びる姿勢をつくる
- 無理のない範囲で体勢を保ち、20秒ほどキープする
- 反対側も同じように行い、左右の太もも前側を均等に伸ばす
左右どちらかだけ硬いと感じる方は、毎日続けて左右差を整えていきましょう。
膝裏ストレッチ
膝裏には太い血管が通っています。そのため、膝裏から太もも裏にかけての柔軟性は、下半身の血流や血管のしなやかさを考える上で無視できない部位です。
以下の手順に従い、膝裏のストレッチを実施してみてください。
- 右膝を曲げ、左足をまっすぐ前に伸ばす(中腰のような体勢)
- 重心をゆっくり下ろし、左足の裏側から膝裏、もも裏を伸ばす
- 深呼吸をしながら、20秒ほどキープする
- 反対側も同じように行い、左右の膝裏を均等に伸ばす
勢いをつけず、重心をゆっくり下ろすのがポイントです。なお、立ったまま行うのが難しい場合は、椅子に腰掛けながら実施してみてください。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身に溜まった血液を心臓へ送り出すポンプの役割を担っています。下半身の血流を促すためにも、丁寧に伸ばしましょう。
具体的なストレッチの手順は、以下を参考にしてください。
- 正座の姿勢から片膝を立て、足裏全体を床につける
- 立てた膝に両手を添え、反対の脚は外側へ大きく開く
- 上半身を前に倒し、立てた脚に体重をのせてふくらはぎを伸ばす
- 痛気持ち良い程度に片脚15〜30秒ずつ、左右両方を伸ばす
ふくらはぎの筋肉に働きかけることで、血管をしなやかにする効果が期待できます。
椅子に座ったままできるストレッチ
立った姿勢が不安な方や、ご高齢の方には、椅子に座ったままできるストレッチがおすすめです。
以下のストレッチでは、お尻まわりの筋肉を無理なく伸ばせます。
- 椅子に腰掛け、片足を反対の足の膝の上に乗せる
- 乗せた側の膝を、上から下に向かってやさしく押す
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりとお辞儀をする
- お尻の筋肉が伸びているのを意識して、30秒間キープする
- 反対側も同じように行う
痛みが出ない範囲で、伸びている部分を意識しながら行いましょう。
動脈硬化の改善にストレッチが効果的な理由
ストレッチで筋肉を伸ばしてゆるめる動きを繰り返すと、血液の流れにも変化が生じます。この血流の変化が、血管の内側を覆う「内皮細胞」を刺激し、血管を広げる一酸化窒素(NO)の産生を促すと考えられているのです。
実際に、健康な中年男性を対象にした研究では、週5回・1回30分の静的ストレッチを4週間続けたところ、血管の硬さの指標であるbaPWVとCAVIが低下したと報告されています。(文献2)
ただし、動脈硬化はストレッチだけで改善できるものではありません。食事や運動、必要に応じた治療とあわせて、血管をいたわる生活習慣の一つとして取り入れることが大切です。
ストレッチの効果を高めて安全に続けるポイント
ストレッチは、やり方を少し意識するだけで、効果を高めながらより安全に続けやすくなります。ここでは、次の3つのポイントを紹介します。
順番に見ていきましょう。
呼吸を止めずにゆっくり伸ばす
ストレッチは、呼吸を止めず、普段どおりに呼吸しながら行いましょう。息を止めると体に力が入りやすく、血圧が上がりやすくなるためです。
なお、伸ばす姿勢に集中すると、無意識に息を止めてしまう方もいます。慣れないうちは、しっかり呼吸することを意識しながら、ゆっくり伸ばしましょう。
また、反動をつけて急に伸ばすと、筋肉に余計な負担がかかります。痛みを我慢して伸ばすのではなく、心地良く伸びる範囲で、20〜30秒ほど姿勢を保つのがポイントです。
ストレッチ間のインターバルをしっかり取る
ストレッチを行うときは、伸ばしたあとに休息(インターバル)を入れることも大切です。
実際に家光素行氏が行った研究では、ストレッチ後の休息期に血流が増え、その血流による刺激が動脈の硬さを下げる作用に関係している可能性が示されています。(文献3)
一方で、インターバルが短すぎると、血流の増加が十分に得られにくく、動脈の硬さを下げる効果が弱まる可能性があります。
5秒ほどの短い休息で急いで次の動作に移るのではなく、ストレッチの間は10〜20秒ほど休み、呼吸を整えながら無理なく続けましょう。
無理をせず毎日の習慣として続ける
ストレッチで血管のしなやかさ改善を意識するなら、何より大切なのは継続です。数回行っただけで大きな変化を期待するのではなく、無理のない範囲で続けることを意識しましょう。
実際に、明らかな慢性疾患のない中年男性を対象にした研究では、週5回・1回30分の静的ストレッチを4週間続けたところ、血管の硬さの指標であるbaPWVとCAVIが低下したと報告されています。(文献2)
なお、最初から長時間のストレッチを行おうとすると、負担に感じて続かなくなることがあります。まずは1回20〜30秒のストレッチから始め、慣れてきたら無理のない範囲で部位や回数を増やしていきましょう。
ストレッチと合わせて取り入れたい動脈硬化対策
ストレッチは手軽な習慣ですが、それだけで動脈硬化のすべてに対応できるわけではありません。血管のしなやかさを保つには、日々の生活習慣を整えることが大切です。
ストレッチと合わせて、次の3つの対策も取り入れてみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
適度な運動で血流を促す
運動不足は血圧の上昇を招き、血管の老化を進めやすくなります。とくに、普段からデスクワークが多い方は、意識して体を動かす習慣を取り入れましょう。
なお、本格的な筋トレやスポーツでなくても問題ありません。軽い散歩やストレッチ、体を大きく動かす家事などでも、血行を促し、血管の内皮細胞を活発にする働きが期待できます。
まずは、こまめに立ち上がってふくらはぎを動かすなど、できるところから始めてみましょう。
バランスの整った食事で血管をいたわる
動脈硬化と食事には深い関連があるため、日々の食事の見直しが血管をいたわる対策につながります。
日本動脈硬化学会が推奨する食事「The Japan Diet」では、以下のような食品を積極的に取り入れることがすすめられています。(文献4)
| 取り入れたい食品 | 具体例 |
|---|---|
| 未精製穀類・雑穀 | 玄米、七分づき米、麦飯、雑穀、ライ麦パン、全粒粉パン、そば |
| 魚 | サバ、イワシ、アジ、サンマなどの青背の魚 |
| 大豆・大豆製品 | 納豆、豆腐、高野豆腐 |
| 緑黄色野菜・その他の野菜 | にんじん、ピーマン、トマト、キャベツなど |
| 海藻・きのこ・こんにゃく | わかめ、きのこ類、こんにゃくなど |
| 甘味の少ない果物 | グレープフルーツ、キウイ、オレンジなど |
一方で、肉の脂身や動物脂、菓子類、甘い飲み物、アルコールなどは、なるべく控えたい食品として挙げられています。肉類は脂身を避けて赤身を選び、魚料理を週2回ほど取り入れるなど、無理のない範囲で工夫してみましょう。
動脈硬化改善に効果がある食事のポイントは、以下の記事で詳細に解説しています。ぜひ参考にしてください。
自律神経を乱す習慣を見直す
血管の収縮や拡張は、自律神経によって調整されています。そのため、自律神経のバランスが乱れると、血管の老化が進みやすくなると考えられているのです。
なお、自律神経の乱れにつながる主な要因は、以下のとおりです。
- 慢性的なストレス
- 喫煙
- 睡眠不足
対策として、まずは睡眠の質を下げる習慣を見直しましょう。たとえば、就寝前のカフェインやアルコール、スマートフォンの使用を控える習慣が大切です。
あわせて、散歩や読書、ヨガなど、自分に合うリラックス方法を取り入れると、ストレスをため込みにくくなります。
動脈硬化の改善にはストレッチを習慣にして続けよう
体の柔軟性と血管の硬さには関連があると考えられており、手軽なストレッチは血管のしなやかさを保つ習慣として取り入れやすい方法です。お尻・もも裏・太もも前側・膝裏・ふくらはぎのストレッチや、椅子に座ったままできるストレッチを、毎日の習慣にしてみましょう。
なお、動脈硬化に不安がある方は、ストレッチだけでなく、運動・食事・自律神経を整える習慣も合わせて取り組み、医療機関への相談も検討してみましょう。
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動脈硬化改善ストレッチに関するよくある質問
動脈硬化はマッサージでも改善できますか?
動脈硬化の改善を目的に、自己判断でマッサージを行うことはおすすめできません。病状によってはマッサージが血管や皮膚に負担をかけ、症状を悪化させるおそれがあります。
動脈硬化の改善を目指すには、マッサージよりも、医師の指導に基づいた運動や食事の見直しが大切です。動脈硬化が疑われる場合は、自己流で対処せず、まずは医療機関に相談しましょう。
なお、以下の記事では、足の動脈硬化に対するマッサージについて、詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
動脈硬化のストレッチはどのくらいで効果が出ますか?
個人差はありますが、「4週間ほど続けることで、血管の硬さに変化が期待できる」という報告があります。
中年男性16名を対象にした研究では、週5回・1回30分の静的ストレッチを4週間続けた結果、動脈の硬さの指標であるbaPWVとCAVIが低下しました。(文献2)
ただし、ストレッチだけで動脈硬化が改善できるわけではありません。継続的な運動や食事の見直し・禁煙などと組み合わせて取り組むことが大切です。
参考文献
(文献1)
Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening|PubMed
(文献2)
Four weeks of regular static stretching reduces arterial stiffness in middle-aged men|PMC

















