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【医師監修】心房細動と心不全の違いとは?関係性・併発リスク・治療の注意点を解説

「心房細動と心不全はどう違うのだろう」
「片方の病気が、もう一方を引き起こすことはあるのだろうか」
動悸・息切れで受診したことをきっかけに、心房細動や心不全が見つかる方は多くいます。
どちらも心臓の病気であるため、違いや関係がわかりにくいものです。
別々の病気でありながら、互いを引き起こす関係にあり、併発すると脳梗塞や入院のリスクが高まります。(文献1)(文献2)
そこで本記事では、現役医師が両者の違い・併発リスク・それぞれの症状・治療の注意点を詳しく解説します。
記事の後半にはよくある質問もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
心房細動と心不全の違い
心房細動とは、心臓の上の部屋(心房)が小刻みに震えて脈が乱れる不整脈の一種です。
一方で心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。
それぞれの特徴を比較・整理したものが、次の表です。
| 項目 | 心房細動 | 心不全 |
| 症状 | 動悸・脈の乱れ・めまい(無症状のこともある) | 息切れ・むくみ・倦怠感 |
| 主な原因 | 加齢・高血圧・糖尿病・弁膜症など | 高血圧・虚血性心疾患・弁膜症・心房細動など |
| 発症のしかた | 発作的~持続的な不整脈 | 徐々に進行(急性型を除く) |
心房細動と心不全は併発する可能性がある
心房細動と心不全は別の病気ですが、互いを引き起こし、悪化させる関係にあります。
ここでは、その具体的な関係性を見ていきましょう。
心房細動が心不全を招くことがある(頻脈誘発性心筋症)
心房細動で脈が速い状態(頻脈)が続くと、心臓は休みなく働き続けて疲弊します。
その結果、ポンプ機能が低下して心不全に至るのです。
このようにして起こる心不全を「頻脈誘発性心筋症」と呼びます。
この心不全は、速い脈を落ち着かせて心臓を休ませると回復に向かうと報告されています。(文献1)
心不全が心房細動を招くこともある
心不全によって心臓に負担がかかると、心房が引き伸ばされて、壁が硬くなります。
心臓は電気信号によって規則正しく動いていますが、変化した心房では、その信号が乱れがちです。
その結果、心房細動が起こりやすくなります。
もともと心不全や心筋梗塞などの持病がある方には、心房細動が多くみられると報告されています。(文献2)
併発すると悪循環に陥りやすい
心不全が悪化すると心房細動の発作が増え、心房細動が続くとさらに心不全が悪化します。
こうして両者が互いを進行させる悪循環に陥るのです。
併発すると脳梗塞や入院のリスクも高まるため、早めの治療が欠かせません。(文献1)(文献2)
心房細動・心不全でみられる症状
両者には息切れなどの共通する症状もあれば、異なる特徴もあります。
ここでは、その違いを順に見ていきましょう。
心房細動の症状
心房細動は、心房が1分間に400〜600回のペースで小刻みに震え、脈が乱れる病気です。
動悸、脈が抜ける感じ、めまい、息切れなどが現れます。
ただし自覚症状がなく、健康診断で偶然見つかることもよくあります。(文献2)
心不全の症状
心臓のポンプ機能が低下すると、体を動かしたときの息切れ、足のむくみ、倦怠感、急な体重増加などが起こります。
さらに進行した場合は、安静時にも息苦しさが出てきます。(文献3)
心房細動と心不全が併発したときの治療・注意点
併発している場合は、両方に配慮した治療と自己管理が必要です。
ここでは、押さえておきたい4つのポイントを順に解説します。
脈を整える治療(レートコントロール・リズムコントロール・アブレーション)
心房細動の治療の柱は、脈拍を抑えるレートコントロールと、正常なリズムに戻すリズムコントロールの2つです。
薬で脈が十分に整わない場合は、脈の乱れのもとになる部分を焼灼するカテーテルアブレーションが検討されます。
アブレーションは、発作的な心房細動に対して早い段階で行うほど、再発を抑える効果が高いと報告されています。(文献2)
脳梗塞を防ぐ抗凝固療法
心房細動になると、心房の中に血のかたまり(血栓)ができやすく、脳梗塞のリスクが高まります。
とくに心不全・高血圧・高齢・糖尿病・脳梗塞の既往のいずれかに当てはまる場合は、血を固まりにくくする薬(抗凝固薬)による予防が欠かせません。(文献2)
心不全の基本治療を並行する
併発時には心房細動の治療と並行して、心不全の基本治療(薬物療法・生活管理)を継続して行います。
心不全の薬物療法では、心臓のポンプ機能が低下したタイプ(駆出率が低下した心不全)に対して、ファンタスティック4と呼ばれる4つの基本薬が使われます。(文献1)
自己判断で薬を中断しない
症状が落ち着いても、自己判断で薬をやめると、心房細動の再発や心不全の急な悪化を招くことがあります。
これらは、動悸・息切れ・むくみ・急な体重増加として現れます。
気になる症状がある場合は、早めに受診してください。(文献3)
心房細動と心不全を正しく理解し治療を続けよう
心房細動と心不全は、片方がもう一方を招く関係にあり、併発すると互いを進行させます。
早めの治療と継続的な自己管理が、悪循環を断ち切るカギです。
とはいえ、治療や自己管理を続けていても、症状が安定しないケースもあります。
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心房細動と心不全に関するよくある質問
心房細動を放置すると心不全になりますか?
心房細動を放置して脈の速い状態が続くと、心臓が疲れて心不全に至ることがあります。
自覚症状がなくても、脳梗塞になるリスクがあるため、健康診断などで見つかったら早めに受診してください。
心房細動と心不全はどちらが危険ですか?
一概には言えません。
心房細動は脳梗塞、心不全は突然死につながることがあります。
さらに、併発すると互いを悪化させるため、片方が見つかったら、もう一方の有無も併せて調べるようにしましょう。
併発している場合、運動はしても良いですか?
状態が安定していれば、可能です。
適度な運動を続けることは、体力の維持に役立ちます。
ただし、運動の可否や強度は個人差が大きいため、始める前に主治医へ相談しましょう。
心房細動と心不全は治りますか?
完全に元に戻すことは難しいです。
ただし、心房細動はアブレーションによる改善が報告されており、心不全も治療の継続で症状を抑えられます。
早めに治療を開始し、継続することが、これまでどおりの生活を送ることにつながります。
参考文献





















