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膝の痛みでリハビリ中(保存療法)に膝が痛みだしたらどうする?

膝の痛みでリハビリ中(保存療法)に膝が痛みだした場合について

膝関節は日常生活の中で当たり前にしている動き、例えば立ち座り、歩く、走るといった動作を行う上で必要不可欠な関節です。その動作の度に膝へは、体重の何倍もの負荷が掛かっていることをご存知でしょうか?

つまり、膝は痛みが出やすい部位ともいえるのです。ただ、そうした前提であっても膝に痛みが出ると心配になるものです。それが膝のための運動療法中であった場合に膝が痛みだしたら、「膝が痛くても運動は続けて良いのか」「運動を続けても悪化しないか」と不安になって当然です。

そこで今回は、膝に痛みがあった場合でも運動による治療(リハビリ)は行うべきなのか、行うなら、どんな運動を、どう行えば良いのか、加えて痛みが出た時の対処法も併せてご紹介しましょう。

膝に違和感を感じる男性

膝が痛みだしたらリハビリ中でも休む

まず申し上げるべきは、「膝に痛みがある場合」には、重症になることを予防するためにも運動療法であっても休んで欲しいということです。

膝に痛みを感じる原因に、急激な方向転換や、度重なる負担からきた筋肉や靭帯の損傷、骨への衝撃が関節内部まで及ぶことによって膝の故障に加えて半月板損傷や滑液包炎を発症していることが考えられます。また、体の防御反応である「炎症」が起きている可能性もあります。

もしも炎症がある場合、運動療法であっても炎症が回復してから再開されるのが賢明でしょう。では、炎症はどのように判断すれば良いのでしょうか?これを判断する基準は、5つあります。それは腫脹、疼痛、発赤、機能障害、熱感というものです。。

  • 膝の炎症を判断する基準

  • ・腫脹
  • ・疼痛
  • ・発赤
  • ・機能障害
  • ・熱感

炎症が起きると、傷めた箇所の毛細血管が広がり、局所的に血の流れが増大することで発赤や、熱感がみられるようにます。また血液が血管外へ漏れ出すことで組織が腫脹、つまり「腫れ」ます。

組織が腫れると傷めた箇所が圧迫され、痛みを感じます。すると痛みにより思うように体を動かせない機能的な障害が起こります。そして炎症が起きるきっかけとして血管が拡張します。

もちろん、これら判断基準はあくまで、このような状況になった場合の医療機関を受診するキッカケにしていただくものです。炎症を感じたら素人判断せずに医師の診断を受けていただけるようお願いいたします。

膝痛の慢性化に注意

膝を傷めた場合、まずは冷やすことで血管を収縮させ、腫れや炎症の広がりを抑えることが推奨されています。

尚、炎症が起きているのにも関わらず、運動を続けてみたり、治りきっていないのに早すぎる復帰には十分、気をつけたいところです。注意しなければ炎症が長引くだけでなく、傷めた箇所の修復が追いつかず「いつまでたっても痛みが取れない」という痛みの慢性化につながってしまうからです。

膝が痛んだ場合は冷やしますか?温めますか?

ここまで膝を傷め、炎症が起こっている場合は冷やしましょう!と説明してきましたが、どれくらいの間、冷やせばよいのか、また冷やしたあとはどうすれば良いのかみていきましょう。炎症している膝は冷やす

・膝を傷めてすぐの炎症は「冷やして」ください。受傷後、2〜3日間冷やすことで炎症反応(腫れや痛み)を抑えることができます。

・その後はホットパックや、お風呂に浸かるなどし、患部を「温めること」で血流を促し、回復を促進します。

ただ2〜3日経っても痛みが強く残る場合には、大きな怪我の可能性もあることから病院の受診をおすすめします。

中には痛みが慢性化してしまった人や、変形性膝関節症のように、軟骨がすり減り、O脚やX脚などから、膝に痛みが出やすい方もいらっしゃいますよね。

そのような場合には、運動方法の強度を変えることで膝への負担を減らす工夫を行いましょう。

  • 急性期(痛めた当初)炎症(腫れなど)が考えられる:膝を冷やす
  • 慢性期(腫れが引き、炎症が引いた場合):膝を温める

膝の慢性的な痛みに可能な負担をかけない運動

痛みが慢性化してしまった人や、「変形性膝関節症」のように、膝に痛みが出やすい方は無理して運動を続けると、かえって膝の状態を悪化します。運動を行う際には、痛みを我慢しながら行うのではなく、痛みなくできる運動を取り入れることがおすすめです。

いずれの運動も始めるときや、終わりには、ストレッチなどで身体をほぐすことが非常に効果的です。また、運動が不安な場合は、膝へサポーターを着けて支えてやれば不安なく動けるかもしれません。

  • 等尺性収縮の運動で、膝への負担を軽減

  • ・膝に痛みを感じるタイミングのほとんどが、立ち上がる時、動き出しなどの膝に体重をかけた時です。
  • ・そんな方におすすめの運動が、座りながらできる大腿四頭筋を使う運動です。
  • ・椅子に座ったまま片方の膝を伸ばしたままキープします。
  • ・この方法は膝へ体重による負荷をかけずに大腿四頭筋のトレーニングが行えます。

このように関節を曲げ伸ばしせず、筋肉を収縮させる運動方法を「等尺性運動」といい、負担なく行えるのが特徴です。軽度な運動で痛みを感じる方にはおすすめとなる運動方法です。

プールでの歩行運動の図

  • プールの浮力を活かし、膝への負荷を軽減

  • ・プールに入ることで体へ浮力が生まれます。
  • ・浮力は体重による負荷を50%減らせることができます。
  • ・プールでのウォーキングは膝に痛みを抱えている方におすすめの運動方法です。

特に地上でのウォーキングでは痛みを感じるけれど、椅子を使って行う等尺性運動では物足りない。そんな方におすすめの運動方法です。

  • ウォーキング

  • ・膝の筋肉を付けるためにウォーキングが推奨されます。
  • ・ただし、痛みがある中で歩き続けると逆効果で悪化する可能性もあります。
  •  ウォーキングの注意点

  • ・時間や歩数を目標に歩くよりも膝を傷めないような歩行フォームを身につけましょう。
  • ・運動を継続することが何よりも大切です。
  • ・変形性膝関節症の方は、1日に6,000歩程度に抑えましょう。

まとめ・膝の痛みのリハビリ中(運動療法)に膝が痛みだしたらどうする

ここまで膝の痛みを改善する目的でリハビリをしている中、そのための運動療法であっても膝が痛くなってきたという場合の対処法と、そもそも膝に負担をかけない運動について解説しました。

膝に痛みを感じる場合は、炎症が治るまで運動は休みましょう。

炎症が起きているかどうかは5つの徴候をもとに判断し、急性期には2〜3日冷やし、その後は温めることで回復を促進します。

もし2〜3日経過しても強い痛みを感じる場合などは、医療機関、病院等の整形外科を受診し、検査を受けるなど、その指示に従われることをおすすめします。また、その際、運動方法などの助言を得たり、サポーターなどの装具のアドバイスを受けても良いでしょう。

痛みが慢性化していたり、変形性膝関節症の方は、運動の度に痛みを感じたり、痛みが出やすい状態になります。痛みがあるときは無理は禁物です。

それでもで早期回復に向けて運動療法に取り組む場合は、今回紹介した椅子で行う等尺性運動、プールで行う運動、ウォーキングに、ストレッチを取り入れ、膝の痛みと相談しながら適切な強度で運動を選択し、膝への負担を減らして行うようにしてください。

以上、膝の痛みのリハビリ中(保存療法)に痛くなってきたら!どうする?という点についてご説明を致しました。

参考にしていただければ幸いです。

 

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監修:医師 坂本貞範

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