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アキレス腱炎は、バスケットボールや、陸上、バレー、マラソン、バレエなどスポーツで起こりやすいケガです。ランニングやジャンプを繰り返すことでアキレス腱に繰り返しストレスがかかり、アキレス腱に炎症が発生してしまいます。 症状としては足首を動かしたり、主に歩いたりするときに生じるアキレス腱周辺の痛みや、腫れ、動作障害などがあります。これらの症状が見られる場合は、早めに医師の診断を受けるほかテーピングの使用などで痛みを緩和する方法がおすすめの治療法です。 そこで今回はアキレス腱炎におすすめのテーピング方法として、具体的な巻き方や効果について解説していきます。適切な治療とケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、回復を早められますので、最後までご覧ください。 アキレス腱炎におすすめのテーピング方法 ここでは、アキレス腱炎におすすめのテーピング方法を4つのステップで紹介していきます。 かかとからひざの下までテープを貼る 内側のくるぶしから外側のふくらはぎまでテープを貼る 外側のくるぶしから内側のふくらはぎまでテープを貼る 足首に1周テープを巻く 以下で詳しく説明していきます。 【step1】かかとからひざの下までテープを貼る まずは、かかとからひざの裏まで届く長さのテープを用意してください。テープの両端に1cm程度の切れ目を入れます。1cm程度の切れ目でアキレス腱を覆うようにテープを貼り、少し引っ張りながらふくらはぎの下までテープを貼っていきましょう。 ふくらはぎまで貼り終えたらテープをハサミで切り、ひざの内側と外側に引っ張って貼ります。なるべくテープにシワがよらないよう、肌に密着する形で貼るようにしましょう。 【step2】内側のくるぶしから外側のふくらはぎまでテープを貼る かかとの内側から貼り始め、アキレス腱の上を通してふくらはぎの外側までテープを貼っていきます。 このときにも、テープを引っ張りながら貼るとアキレス腱のサポートが強くなるでしょう。 【step3】外側のくるぶしから内側のふくらはぎまでテープを貼る かかとの外側から貼り始め、アキレス腱の上を通してふくらはぎの内側までテープを貼っていきます。 2本目と同様、テープを引っ張りながら貼ると良いでしょう。 【step4】足首に1周テープを巻く 最後に、3本のテープを固定するよう、テープが交差した場所を覆うように足首に1周テープを巻き付ければ完成です。 立つ・歩くなどの動きをしたときに、アキレス腱が支えられている感覚が得られれば正しくテーピングできています。 アキレス腱を保護するテーピングの効果 アキレス腱を保護するテーピングの効果として、以下の3点が期待できます。 アキレス腱の痛みを軽減する 立つ・歩く動きをサポートする アキレス腱炎の再発を予防する ご自身の悩みと照らし合わせて、期待できる効果を確認してみてください。 アキレス腱の痛みを軽減する テーピングによりアキレス腱にかかる負担を軽くして、痛みを軽減できます。 アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋が合流し、かかとにくっつく部分の腱(けん)です。そのため、ふくらはぎの筋肉が働くとアキレス腱に負担がかかります。具体的には、つま先立ちや足首を下に向けるように動かしたときです。 ランニングやジャンプでは、ふくらはぎの筋肉の働きによりしっかり地面を蹴り出すため、アキレス腱に大きな負担がかかります。 テーピングでふくらはぎの筋肉の働きをサポートし、足首の動きを制限することでアキレス腱の負担は軽減でき、痛みを軽くする効果が期待できるでしょう。 立つ・歩く動きをサポートする アキレス腱炎の影響で立ったり歩いたりしにくい場合でも、テーピングは効果を発揮します。テーピングで痛みを軽減させつつ、筋肉の働きを補助することで、立つ・歩くなどの動きをサポートできます。 アキレス腱炎の原因はアキレス腱に繰り返しかかるストレスです。 スポーツやランニングなどは一時的に休止できますが、立つ、歩くといった動作は日常生活には不可欠で、アキレス腱に負担がかかるからといって行わないわけにはいきません。 そのため、テーピングで少しでも動きやすくなるようにサポートすることが大切です。 アキレス腱炎の再発を予防する テーピングによりアキレス腱にかかる負担を減らし、立ち・歩きなどの動きをサポートすることで、アキレス腱炎の再発予防効果が期待できます。 アキレス腱炎の要因として、足首の関節が不安定なことや足の筋肉の機能不全が挙げられます。そのため、テーピングにより足首の動きを固定し、ふくらはぎの筋肉をサポートすることで、アキレス腱炎の発生・再発を予防することが可能です。 また、アキレス腱炎後にスポーツを再開する場合にもテーピングは有効な治療手段です。炎症により固くなったふくらはぎの筋肉やアキレス腱などの組織にダッシュやジャンプなどの負担をかけると、再発のリスクが高まります。 そこで、テーピングによるサポートをしながら運動を再開することで、アキレス腱に急な負担をかけずに運動を継続できるでしょう。 アキレス腱炎の治療法|テーピング以外の方法とは? アキレス腱を保護するテーピングの効果を解説してきましたが、テーピング自体でアキレス腱の炎症が治るわけではありません。根本的な治療を受けるためにも、まずは整形外科を受診しましょう。 アキレス腱炎に対しては以下のような治療があります。 可能な範囲で安静にする 貼り薬を使用する ストレッチや筋トレを行う 超音波などの物理療法を行う これらの治療方法は、医師や理学療法士などの専門家による指導を受けながらの実施により効果を得られます。手術をしない保存療法が治療の中心となりますので、気になる方は最後まで確認してみてください。 可能な範囲で安静にする アキレス腱炎はアキレス腱に繰り返しかかるストレスがかかることで悪化します。そのため、立つや歩くなど日常生活の中で欠かせない動作以外はなるべく控え、可能な限り安静にするようにしましょう。 ランニングやジャンプなど、アキレス腱に負担のかかる動きやスポーツは一時的に休止するのがおすすめです。 テーピングを使うことでアキレス腱にかかるストレスは軽減できるため、冒頭で紹介したテーピングの巻き方を実践しながら、可能な範囲で安静にするようにしましょう。 貼り薬を使用する アキレス腱の痛みを軽減したい方は貼り薬を使用してみましょう。 有効成分に「ケトプロフェン」や「ロキソプロフェンナトリウム水和物」などが含まれているものがおすすめです。 また、アキレス腱部は歩きや立ち上がるときによく動く場所のため、パップ剤(厚みがあり水分を多く含むもの)よりもテープ剤の方がはがれにくく使用できます。 ただし、汗を多くかく方や皮ふが弱い方はテープ剤でかぶれる可能性があるため、処方してもらう前に塗り薬へ変更してもらうなど医師と相談して使用するか決めましょう。 ストレッチや筋トレを行う アキレス腱炎は、足首の関節が不安定なことや足の筋肉の機能不全が原因で発症します。 普段から運動をあまりせず、急に動かしたことで痛みにつながるケースが多いため、ふくらはぎや足首、足の指の筋肉などのストレッチ・筋トレを行うと良いでしょう。 ストレッチや筋トレの一例は以下の通りです。 ふくらはぎ ストレッチ:アキレス腱伸ばし、ふくらはぎの筋肉を揉む 筋トレ:仰向けに寝て、壁を蹴るように力を入れる 足首 ストレッチ:足首を回す、足の裏を内側・外側に向ける 筋トレ:ストレッチの動きを10回×2セットなど繰り返す 足の指 ストレッチ:足の指を外側に広げる、足の指を1本ずつ持って上下に動かす 筋トレ:タオルやビー玉を指でつかむ、足の指を外側に開くように力を入れる 通院先の理学療法士と相談しつつ、痛みがない範囲で実施するようにしましょう。 超音波などの物理療法を行う アキレス腱炎に対しては、時期に合わせてアイシングや温熱療法、超音波などの物理療法を実施します。 赤く腫れ、炎症反応が強い時期には安静にしながらアイシングが有効です。炎症がある程度落ち着いてくる時期に入ると温熱療法を行い、血流を改善させ筋肉の緊張を和らげるように治療を行なっていきます。 また、表面ではなく深部の炎症を和らげるために超音波療法も有効な手段です。アキレス腱の血流を改善し、回復を早める効果が期待できます。 まとめ|アキレス腱炎に効果的なテーピングの巻き方を実践してみよう アキレス腱炎は、ランニングやジャンプなどの動作によりアキレス腱への過度のストレスや、使い過ぎによって発生するケガです。 痛みや腫れ、動作障害などの症状が見られ、とくに運動時や、朝起きたときにこわばりを感じることもあります。これらの症状に対する有効な対処法の一つがテーピングです。 テーピングは、アキレス腱への負担を軽減し、痛みを和らげる効果があります。ふくらはぎの筋肉をサポートし、足首の動きを制限することで、アキレス腱を支え、そのストレスを緩和します。 また、テーピングは、日常生活における動作のサポートやアキレス腱炎の再発予防にも効果があります。足首の関節の動きを安定させ、ふくらはぎの筋肉を補助することで、アキレス腱にかかる負担を減らせるからです。スポーツ復帰時にもテーピングを利用することで急激な負荷を避け、安全に運動を再開できるでしょう。 しかし、注意したいのはテーピングだけではアキレス腱の炎症を根本的に治すことはできないことです。 根本的に治すには医師の診断を受け、適切な治療を行う必要があります。治療方法には安静、貼り薬、ストレッチ・筋トレ、物理療法などがあり、これらを併用することで症状を改善できます。再発予防のためにも専門家の指導のもと、適切な治療を受けましょう。 テーピングは自分でも可能ですが、もし不安な場合はお近くの整形外科などを受診して、直接指導を受けましょう。この記事がご参考になれば幸いです。 アキレス腱炎についてよくあるQ&A 最後に、アキレス腱炎についてよく聞かれるQ&Aに回答していきます。 アキレス腱炎はマッサージで治せますか? アキレス腱炎は何日で治りますか? アキレス腱炎を予防するための靴選びを知りたい ご自身で疑問に思うことがあれば、ぜひ確認してみてください。 アキレス腱炎はマッサージで治せますか? アキレス腱炎の治療の一環としてマッサージも有効な手段ではありますが、マッサージのみでの完治は難しいです。 テーピングを併用しつつ、安静や貼り薬、ストレッチ、筋トレなど実施していくと良いでしょう。温熱療法や超音波療法を行うと回復が早くなりますので、治療を受けたい方はぜひ受診して相談してみてください。 アキレス腱炎は何日で治りますか? 軽症の場合は全治3カ月程度ですが、6カ月以上痛みが続く場合は、手術療法の検討も必要になってくるかもしれません。 痛みが長く続くようであれば、早急に整形外科を受診してください。 アキレス腱炎を予防するための靴選びを知りたい アキレス腱炎を予防するための靴選びとして、4つのポイントがあります。 靴底、ソールの厚み、踵(カカト)に厚み(薄すぎない)があること 靴底の素材に注目、クッション性が高いこと ヒールのカウンターがしっかりしていること サイズの合ったものを選ぶこと 硬くて薄い、サイズが合わないものを選んでしまうとアキレス腱に負担がかかってしまうため、靴を選ぶ際には履き心地を確認して購入するようにしましょう。
2023.05.08 -
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歩くとアキレス腱にピリッとした痛みが走る。 そのような感覚がふくらはぎ下部やかかとにある場合、アキレス腱炎の初期症状かもしれません。 アキレス腱炎は、激しいスポーツや運動不足・加齢による足の筋力低下が原因で、アキレス腱に過度な負荷がかかり炎症を起こしている状態です。 例え一時的に痛みが引いても放置すると悪化や、アキレス腱断裂のリスクも高まるため、日頃からしっかり予防していく必要があります。 本記事では、アキレス腱炎の痛みを和らげるための、自宅でできるセルフケアを中心に対処法を詳しく解説。 また、アキレス腱炎をはじめとしたスポーツ外傷の治療法として、手術以外の選択肢として注目されている「再生医療」も紹介します。 公式LINEの方でも再生医療の最新情報や、アキレス腱など運動へのケア知識を無料でお届けしているので、合わせてご参考ください。 ▼無料で再生医療の基礎がわかるガイドをLINEで配信中! アキレス腱炎の痛みが出たときの5つの対処法!【セルフケアの方法も伝授】 アキレス腱炎の痛みが出たときの対処法は、下記のとおりです。 安静にしてストレッチをする 軽めの運動でアキレス腱周りの筋肉を強化する テーピングでアキレス腱の動きをサポートする ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布を使用する 整体や整骨院に通い施術する 注意点として、症状に合わない対処法を続けると逆効果になる可能性があります。病院で診断を受け、専門家の指導のもとで治療を進めましょう。 安静にしてストレッチをする 痛みが生じてすぐの場合、強い炎症が起こっています。そのため、原則としてまずは運動を中止して、安静にするようにしましょう。 一般的には2〜6週間程度の安静、スポーツ活動の休止が必要です。 2週間程度安静にしてから再度医師の診察を受けて、スポーツの再開時期について指導を受けるようにしましょう。 ストレッチに関しては、足関節を反らして、アキレス腱を伸ばすように行います。 1. 階段などの段差につま先をかけて、踵をゆっくり下ろします 2. アキレス腱が伸びてきたら、我慢できる程度の痛みまで踵を下ろしてアキレス腱を伸ばしていきます 3. この状態を15秒ほどキープします 15秒ほどキープするのを1回とし、3 回 1セットとして1日2セットを目標に行うようにしましょう。 軽めの運動でアキレス腱周りの筋肉を強化する ストレッチに加えて、 ふくらはぎの筋力訓練が効果的 です。 「カーフレイズ」や「つま先立ち体操」という方法であり、ストレッチと動作が似ていますが、踵を上げる動作によって筋力を強くすることができます。 1. 階段や台の縁に立ち、踵を段の端から出します 2. その状態で、踵をゆっくりと上げ下げさせます 3. この上下運動を10回ほど行います 10回1セットを1日2セットとして、少なくとも3ヶ月程度継続するようにしてください。この運動は痛みが無理なく耐えられる範囲であれば継続を推奨していますが、我慢できないほどの痛みの場合には中止するようにしてください。 テーピングでアキレス腱の動きをサポートする アキレス腱炎の痛みを緩和させるには、テーピングの活用が効果的です。なぜなら、身体の動きを制限させるテーピングの効果によって、アキレス腱にかかる負担を軽減できるためです。 アキレス腱炎に効果的なテーピングの巻き方は、下記の記事にまとめています。テーピングを利用する場合は、記事を参考にしながら巻きましょう。 また、靴にインソールを敷く方法も効果的です。インソールで踵部分を底上げすると、アキレス腱への負担が軽減するため痛みが和らぎます。 ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布を使用する 病院では、ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布などが処方されます。いずれも用法用量を守る必要があります。 特に湿布は貼りっぱなしにしていると湿疹を起こしてしまうこともあるので、効き目が少なくなってきたら一度剥がして、次に貼るまでに時間を空けることが必要です。 薬や湿布は一時的に痛みを和らげる効果はありますが、アキレス腱炎の根本的な解決にはならないこともあります。 当院の公式LINEでは薬や湿布以外の治療法に関する情報も提供していますので、最新の治療方法が知りたい方は当院のLINEからご確認ください。 ▼無料で気になる症状のオンライン診断も受付中 >>公式LINEはこちら 整体や整骨院に通い施術する 安静、運動療法、お薬といった対処法をしっかり行っていただいた上であれば、整体、整骨院、鍼灸院などでのマッサージ、ツボを刺激して痛みを軽減させる電気鍼療法、お灸などは必要に応じて受けていただいて大丈夫です。 病院ではマッサージなどは提供していないため、ご自身でケアが難しい場合には、ご利用いただくことも考えてよいかもしれません。 「紹介されている対処法を試してみたけど、なかなか痛みがひかない…」という方は、再生医療を専門的におこなう『リペアセルクリニック 』にご相談ください。 再生医療は、弱ったり、傷ついたりする細胞を修復する力のある幹細胞の働きを利用して、自然治癒力を活用した医療技術です。 本来なら手術をしなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。 手術による傷跡や後遺症の心配もなく、安心して治療を受けられる再生医療について詳しく知りたい方は、当院の公式LINEからご確認ください。 ▼無料でガイドブックを進呈中! >>公式LINE限定でスポーツ外傷や再生医療の情報を確認する アキレス腱炎の3つの原因 ここでは、アキレス腱炎になる主な原因を3つ解説します。 激しい運動 アキレス腱の柔軟性の低下 フィットしない靴の着用 順番に見ていきましょう。 激しい運動 ダッシュやジャンプといった激しい運動は、アキレス腱に過度な負荷がかかるため、アキレス腱炎を引き起こす原因です。 足を酷使するような運動をした後は、炎症を抑える効果があるアイシングをしましょう。 筋肉 の柔軟性の低下 運動不足や加齢により筋肉 の柔軟性が低下いると、 アキレス腱炎になる傾向があります。 その理由は、筋肉が硬いままだとアキレス腱に負担がかかるためです。 とくに、柔軟性が低下している状態で急な運動をおこなうと、アキレス腱が炎症を起こすリスクを高めます。 唐突に運動を始める際は、ストレッチやウォーミングアップで筋肉をほぐしてから活動しましょう。 足に フィットしない靴の着用 足にフィットしない靴を 履くと、アキレス腱に負担がかかりアキレス腱炎の発症リスクを高めます。 靴の種類やブランドによってサイズ感が異なるので、購入前は必ず試し履きしてフィット感を確かめましょう。 靴専門店で、自分の靴のサイズを改めて測定してもらうのも良いでしょう。 ただし、靴専門店は病状について詳しい訳ではないため、医療専門店で診断を受けたほうが確実です。 下記の記事では、アキレス腱炎の予防につながる正しい靴の選び方と履き方を解説しています。靴選びの正しい知識を身につけたい方は、合わせてご覧ください。 アキレス腱の痛みへの対処に関するよくあるQ&A 1.アキレス腱炎のときにはどのようなサポーターを使えばいいですか? 回答:サポーターには様々な種類がありますが、アキレス腱専用のサポーターの使用がおすすめです。アキレス腱や踵を安定させることで、アキレス腱への負担の軽減や、足首の動きを制限することにより、痛みを抑える効果が期待できます。 2.マッサージはどのように行えばいいですか? 回答:アキレス腱炎に対しては、まずアキレス腱を十分に伸ばすストレッチを行いましょう。 痛みによって体重をかけてストレッチをすることができない時には、座った状態で痛い方の足を持って、ゆっくりと足関節を曲げたり反らしたりすることでアキレス腱をマッサージすることができます。 3.セルフケアや病院での治療をしてもなかなかよくなりません 回答:アキレス腱炎は大部分の方が数ヶ月で自然に改善しますが、中には痛みが続く場合もあります。適切な治療を4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。よくならない場合には注射や手術などの他の治療について病院に問い合わせるようにしましょう。 手術の方法はアキレス腱内部の変性した組織の除去や、腱周囲の癒着剥離、足底筋腱の切離など様々な方法があります。どのような治療を行っているか、事前に病院に確認しておくことがお勧めです。 「手術の傷跡が残るのが嫌だな…」「手術の後遺症のことを考えると不安…」という方には再生医療がおすすめです。人間の自然治癒力を活かした治療法なので、身体への負担が少ないです。 「具体的な治療内容や効果が知りたい!」という方は、再生医療を専門とする 『 リペアセルクリニック 』にご相談ください。症状を詳しく診断し、個々に合った再生医療の進め方をご提案いたします。 アキレス腱炎の痛みを感じたらまずはセルフケアで対処しよう! アキレス腱炎が悪化すると、痛みの増加やアキレス腱断裂など、症状が深刻になるケースがあります。重症化する前に、アキレス腱に痛みや違和感を感じた時点で、病院での受診をおすすめします。 アキレス腱炎の痛みがある場合は、病院での治療以外にも自宅でおこなう日々のケアも大切です。本記事で紹介した対処法を参考に、アキレス腱の痛み軽減を目指してみてください。 スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。
2023.05.04 -
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「最近、なんだかアキレス腱が痛い」 「アキレス腱の痛みがなかなか治らない」 このように、アキレス腱周囲に痛みを感じ、それを不安に思う方はいるのではないでしょうか。その痛みは、もしかしたらアキレス腱炎かもしれません。 アキレス腱に炎症が起こることをアキレス腱炎といい、その多くは自然に軽快します。しかし痛みをほっとくと、場合によっては日常生活に大きな支障をきたす事態になりかねません。 この記事では、アキレス腱の周囲の痛みについての疑問にお答えします。アキレス腱炎の対処法を知ることで、適切な行動をとれるようになるでしょう。 アキレス腱炎をほっとくとどうなる? アキレス腱炎の適切な対応をせずに、そのまま放置すると、症状が長引いて回復が遅れる恐れがあります。それだけでなく、一時的に症状が改善しても再発して、痛みがズルズルと続く可能性もあるのです。 炎症が持続すると瘢痕化(結合組織の増殖)が起こり、足首の動かしにくさや力の入りにくさなどが現れます。 アキレス腱は、多くの動作で重要な役割をしています。そのため、結果的に立ち座りや歩行などのさまざまな動作に悪影響をおよぼすでしょう。 症状が長引いたり悪化したりすると、保存的な改善が望めず、場合によっては手術を受ける必要があります。 悪化する前に知っておきたい対処法 アキレス腱炎と思ったら、またはアキレス腱炎と診断されたら、まずは過度な負荷を避けて安静を優先しましょう。これを知っておくだけでも、アキレス腱炎の治り方に違いが出る可能性があります。 「足をくじいてしまった」「運動をした日から足が痛い」と思うことがあれば、無理に動かすことは避けましょう。 アキレス腱炎を発症した場合にやってはいけないことについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はぜひこちらの記事もご覧ください。 アキレス腱炎かなと思ったら病院に行くべき アキレス腱炎の多くは、保存的な治療によって軽快が期待できる疾患です。たまに痛い気がする、くらいであれば問題なく改善するケースが多いといえます。 しかし運動時に強い痛みがある場合は注意が必要です。 痛みに対する対応に迷った場合は、医療機関の受診をおすすめします。整骨院や接骨院よりも、まずは整形外科を選びましょう。 整形外科であればX線で骨折の程度、MRIやエコー検査で炎症・断裂などの有無を評価できます。痛みに応じて、鎮痛剤の処方や松葉杖の貸し出しもしてくれるでしょう。 そもそもアキレス腱炎とはどのような病気か アキレス腱炎への不安を解消するためには、まずはどのような疾患なのかを知ることが重要です。 筋肉は、腱という硬い組織をまたいで骨にくっついています。筋肉が働くことで骨が動き、関節運動が行えるのです。 アキレス腱は人体のなかでもっとも大きい腱の1つで、「下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)」には足首を下に向ける(底屈)働きがある筋肉がついています。下腿三頭筋は、以下のような動作で重要な役割を担っている筋肉です。 歩行 ダッシュ ジャンプ など アキレス腱炎とは名前のとおり、アキレス腱に炎症が起こることで発症する疾患です。また、アキレス腱の周囲に炎症がおよんでいる状態をアキレス腱周囲炎といい、それぞれ痛みの部位が異なります。 ただし、診断は区別されていても治療法はほとんど同じといえます。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎の原因は、運動やスポーツなどによってアキレス腱に繰り返し負荷がかかることです。明らかな外傷で起こるわけではなく、長期間の微小なダメージが積み重なり、少しずつ症状が悪化します。 以下のようなケースの方は、アキレス腱炎になりやすいといわれています。 運動習慣のない人が急に強い運動を行った アキレス腱に強い負荷を繰り返しかけた 強い扁平足(足裏が平らな状態)がある 適切でない靴を履いている(サイズがあわない、靴底がすり減っているなど) アキレス腱炎の症状 アキレス腱炎のおもな症状は、ふくらはぎから踵にかけての運動時の痛みです。 とくにアキレス腱を圧迫すると痛みが増加し、腫れがみられることもあります。アキレス腱炎が重症になると、歩けないほど痛みが強くなることもあります。 アキレス腱炎の診断 アキレス腱の診断として重要なのが、筋肉の圧痛の有無です。そして超音波(エコー)検査やMRIで腱に損傷や炎症があるかを確認した上で、診断が確定されます。 ちなみに、どの検査も痛みや侵襲を伴うものではありません。 アキレス腱炎の治療 アキレス腱炎の発症時は、基本的に保存療法で経過をみます。保存療法とは、手術(小さなものも含む)を伴わない治療法で、以下のような内容があげられます。 安静 過度な負荷を避ける動作の学習消炎鎮痛剤の外用や内服 アキレス腱炎の多くは保存療法で改善できますが、症状が強い場合は手術が行われることも少なくありません。 明らかな受傷のタイミングがあるケースでは、アキレス腱以外の部位も損傷している可能性があるので注意が必要です。受傷直後の応急処置としては、POLICE処置を行うのが良いでしょう。 POLICE処置とは、以下の単語の頭文字を取ったものです。 アキレス腱炎の治療や原因については、以下の記事でも解説しています。さらに詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。 まとめ|アキレス腱炎をほっとくのはNG!長引く痛みは早めの受診を! この記事では、アキレス腱炎について解説しました。アキレス腱炎は適切な対応をすれば、多くは自然に軽快する疾患です。 しかし、何もせずに放置すると痛みが長引いたり、ふくらはぎに力が入りにくくなったりする恐れがあります。 少しの痛みであれば問題ないケースが多いですが、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。アキレス腱やふくらはぎの痛みが長引くのであれば、迷わず整形外科を受診してください。 「アキレス腱炎をほっとくこと」についてよくある質問 ここでは、アキレス腱炎に関する質問について、お答えします。アキレス腱炎の疑問を解消したい方は、ぜひ参考にしてみてください。 アキレス腱炎のセルフチェック方法はありますか? アキレス腱の部分に痛みを感じる場合は、アキレス腱炎の可能性があります。 ただし、別の疾患を発症している可能性もあるため、正確な診断をするには医師または専門医の診察が必要です。 アキレス腱炎の症状やセルフチェックの方法を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。 アキレス腱炎は完全に治るのでしょうか? アキレス腱炎の大半は、治癒が期待できます。しかし、適切な治療を受けていない場合や重症化している場合は、痛みが長引いて慢性化する恐れがあります。 アキレス腱炎を治したい場合は、早期からの治療が重要です。 アキレス腱炎による痛みが出ている場合の対処法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 アキレス腱炎の湿布の貼り方はどうすれば良いですか? アキレス腱周囲の痛みや腫れがみられている場所を目安に、湿布を貼りましょう。アキレス腱の部分は動きやすいので、はがれにくいテープ型の湿布がおすすめです。 湿布を貼りっぱなしにすると湿疹やかぶれを引き起こすこともあるので、効き目が弱くなったらはがしてください。再度湿布を貼る際は、時間を空けてからにすると良いでしょう。
2023.05.02 -
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アキレス腱炎になってしまっても、痛みを我慢しながら走り続けることが可能なランナーがいます。 この場合、走りながら(長期の休息をしなくても)治すことができるのではないか、と考える方がいるようですが、非常に難しいと言えます。 アキレス腱炎を発症中の過度な運動や負荷は、症状を悪化させる可能性が高いです。 アキレス腱炎を発症した際は、避けるべき行動や注意点を把握し、治療に専念するのが大切です。 この記事では、アキレス腱炎発症中にやってはいけないことや予防のポイントなどを詳しく解説します。 アキレス腱炎を走りながら治すのが困難な理由 アキレス腱炎を発症したまま走ると、患部に負担がかかります。 負担がかかると、患部周辺に傷が入り、完治が遅れます。 「走りながら治せる」と主張する専門家もいるようですが、患部に負担をかけないように走行するのは困難であり、現実的ではありません。 また、患部をかばうために不自然な姿勢で走ることで、正しいフォームが崩れたり、転倒などのリスクも増えます。 以上の理由から、アキレス腱炎を走りながら治すのは困難かつ、危険といえます。 アキレス腱炎における2つの注意点 アキレス腱炎を避けるため、または症状の悪化を防ぐために以下の行動や注意点を確認しましょう。 無理な運動を避ける 自己治療はせずに病院を受診する それぞれ詳しく解説します。 無理な運動を避ける まず、無理な運動は避けましょう。 例えば以下の運動はアキレス腱に負担がかかるため、避ける必要があります。 激しい運動 同じ動作を繰り返す運動 とくに、同じ動作の繰り返しは、軽い運動でも長時間持続すると大きな負荷が生じます。 アキレス腱炎を発症した場合、たいてい2〜6週間の安静が求められます。 この期間に無理な運動をすると、完治が遅れたり、別の障害が起こったりします。 アキレス腱炎発症時は、無理な運動を避け、医師の指示どおり安静にしましょう。 自己治療はせずに病院を受診する アキレス腱部の痛みがあるときには、安易に自己治療を行わず、まずは病院を受診して診断を受けましょう。 また、アキレス腱炎は再発しやすい疾患。理学療法士や医師の指導を受け、適切なリハビリやトレーニングを行うことが大切です。 どのような病気でも言える事ですが、自己治療は、間違った治療により症状が悪化する可能性もあり、おすすめできません。 アキレス腱炎におけるセルフケア アキレス腱炎は、適切なセルフケアによって回復を早め、痛みを和らげられます。 ストレッチのひとつとして、下腿三頭筋を伸ばして挙上させる「つま先立ち体操」をご紹介します。 アキレス腱炎を改善する「つま先立ち体操」 1. 階段や台の縁に立ち、踵を段の端から出した状態で位置をとります 2. ゆっくりとかかとを上下させます(急な動作は避ける) 3. 膝を伸ばした状態での上下(腓腹筋の強化) 4. 膝を軽く曲げた状態での上下(ヒラメ筋の強化) ストレッチを行う際は、以下の点に注意してください。 実施時の注意点 発症直後は避ける 激しい痛みがある場合は中止する 両手で手すりや壁をつかみ、安全に行う 動作はゆっくり行い、反動をつけない 最初は痛みのない範囲で少なめの回数から始める 10回1セットを1日2回、3カ月ほど継続しましょう。 また、アキレス腱炎周囲の筋肉を鍛えて、患部への負担を減らすのも有効です。 例えば、カーフレイズでふくらはぎの筋肉を鍛えれば、アキレス腱にかかる負担を軽減できます。 ストレッチやトレーニングは必ず医師に相談してから開始し、痛みが出たら中止して医師に相談してください。 アキレス腱炎の発症を予防する方法 アキレス腱炎の予防には、以下の取り組みが有効です。 運動強度は少しずつ上げる 適切な靴を選ぶ 日常生活でアキレス腱に負担がかからないようにする テーピングやサポーターで負担を軽減する アキレス腱炎を発症した場合、2〜6週間の安静が必要です。 しばらく、ランニングなど負荷の高い運動はおこなえず、また、日常生活にも不便が生じます。 アキレス腱炎の発症による運動や生活の不便を避けるため、普段からの予防を心がけましょう。 運動強度は少しずつ上げる アキレス腱炎を防ぐには、運動強度を少しずつ上げるのが重要です。 いきなり強度の高い運動に取り組むと、アキレス腱に大きな負荷が生じます。 ウォーミングアップをおこない、筋肉や関節を刺激し、突如大きな負担がかからないようにしましょう。 ウォーミングアップの一例 5〜10分の歩行・ジョギング ラジオ体操 ふくらはぎ周辺を中心としたストレッチ 適切な靴を選ぶ アキレス腱炎の発症を予防するには、適切な靴を選ぶのも重要です。 サイズがちょうど、もしくはやや余裕がある 足の形にフィットする かかとが高すぎず、安定している クッション性がある 足にフィットする靴を選べば、フォームが安定し、アキレス腱炎に余計な負担がかかりません。 また、クッション性があれば、アキレス腱炎含む下半身全体の負荷を落とせます。 一方で、足の形や大きさに合わない靴は、故障を招きます。 アキレス腱炎を防ぐため、靴は慎重に選びましょう。 また、インソールを挟むのも効果的です。最近は、足の形に合わせたオーダーメイドのインソールも発売されています。 日常生活でアキレス腱に負担がかからないようにする アキレス腱は、日常生活でも負荷がかかることがあります。 例えば、長時間の立ち仕事や、ハイヒールの着用は、アキレス腱に負担をかけることがあります。 そのため、できるだけ座ったり、ヒールが低い靴を選んだりすることが予防につながります。 また、アキレス腱の柔軟性の低下が発症につながるので、起床時や入浴後など十分にアキレス腱をストレッチするようにしましょう。 テーピングやサポーターで負担を軽減する テーピングやサポーターの使用も効果的です。 足首の周りの動きが安定し、アキレス腱にかかる負担を軽減できます。 また、足首の可動域が狭まるため、アキレス腱が必要以上に伸縮するのを防ぐことができます。 ただし、テーピングにはある程度の技術や、専門家の指導が必要で、普段から実施するのは困難です。 テーピングが難しい場合は容易に装着できるサポーターを使いましょう。 アキレス腱炎は早期発見・早期治療が重要 アキレス腱炎は初期段階で適切な治療を受ければ、多くの場合、保存治療(手術をしない治療)で改善が見込めます。 しかし、以下のような場合は症状が重症化し、回復までに長期間を要したり、手術が必要になる可能性があります。 痛みを我慢して運動を続ける 自己判断で不適切なストレッチや運動を行う 治療開始が遅れる そのため、アキレス腱周辺の腫れや歩行時の痛みがある場合は、すぐに運動を中止し、整形外科を受診しましょう。 アキレス腱炎についてよくあるQ&A 以下に、アキレス腱炎の治療でよく質問を受ける内容をまとめました。 Q. アキレス腱炎の治療にはどのようなものがありますか。 A. 安静や運動療法のほかに、局所注射療法、PRP(自己多血小板血漿)注入療法、手術治療などの方法があります。 PRP(自己多血小板血漿)注入療法は新しい治療法ですが、保険の適応が十分でないことや実施している施設も限られています。 しかしながら最近ではアスリートが実施するなど、注目を浴びています。 治療を受けるかどうかは、担当の医師と十分に相談してから治療を選択するようにしましょう。 Q. アキレス腱炎に対する注射はどのような方法ですか。 A. 炎症を抑える目的で腱内部や周囲に注射する方法があります。 注射する薬剤は局所麻酔薬、ヒアルロン酸、生理食塩水、ステロイド剤など様々です。 ステロイドは炎症を抑える効果が強いのですが、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。 Q. アキレス腱炎に対する手術はどのようなものがありますか。 A. 保存治療を少なくとも4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。 痛みが長引く方では、手術を実施している施設かどうか受診の前に事前に確認しておくと以降の治療がスムーズとなります。 まとめ:アキレス腱炎は走りながら治すより安静にするのが重要 アキレス腱炎になってしまった場合、無理な運動は症状が悪化してしまう可能性があり、走りながら治すのは困難です。 症状の悪化を防ぐためにも、急激な運動の開始や同じ動作の繰り返しは避け、適度な運動と十分なストレッチを行うことが大切です。 また、アキレス腱炎の予防のためには、適切な靴選びや足の負担を減らすサポーターの使用、日常生活で足に負担をかけない配慮も必要です。 アキレス腱炎は早期発見と早期治療が肝心です。 痛みが出た場合には運動を控え、自己判断で治療せず医療機関を受診してください。 適切な対処を行うことで、アキレス腱炎の症状を軽減し、早期回復を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」ではスポーツ外傷に対する治療として再生医療を行っています。 手術を必要としない治療法で早期復帰を目指したい方は、ぜひ一度ご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2023.04.26 -
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この記事を読んでいるあなたは「アキレス腱炎かどうかセルフチェックしたい」と考えているのではないでしょうか。 病院に行くほどの痛みではなくても、放置していても問題ないか不安になるかもしれません。 結論、アキレス腱炎は「踵(かかと)を上げ下げする」、または「痛みや腫れがないか直接触る」ことでセルフチェックできます。 もしセルフチェックで痛みや違和感がある場合は、早めに整形外科に相談しましょう。 本記事ではアキレス腱炎をセルフチェックする方法や、病院で行う治療法を解説します。 記事を最後まで読めば、アキレス腱炎の疑いがあるかを適切な方法でチェックし、病院に行くべきか正しく判断できるでしょう。 アキレス腱炎をセルフチェックする方法 「なんとなくアキレス腱のあたりが痛むけど、まだ病院に行くほどではないかもしれない」と悩んだ場合は、以下2つの方法でセルフチェックをしてみましょう。 <セルフチェック(1)> 1. 立ち姿勢を取る 2. かかとを浮かせる動作を繰り返す 痛みがある場合は、アキレス腱に軽度の炎症がある可能性があるため、スポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 <セルフチェック(2)> 1. 両手でアキレス腱を触り、痛みや腫れを確認する 2. 左右で比べてみる 腫れや熱感がある場合は炎症を起こしている可能性があるため、この場合もスポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 「アキレス腱炎かなと思って放置していたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折だった」といった場合もあります。これらのセルフチェックで当てはまる項目がある方は、まず整形外科の診察を受けて、正しく診断してもらうことが大切です。 アキレス腱炎は、運動を始めた際には痛みが強くありますが、我慢して運動を続けていると軽減する特徴があります。アキレス腱炎を我慢したまま運動を続けると、難治性になったり、アキレス腱の断裂につながったりするので、無理して続けないことが重要です。 アキレス腱炎とは「過度な負担によりアキレス腱に炎症が起こっている状態」 アキレス腱炎は、過剰な負荷によりアキレス腱に炎症が起こっている状態です。 アキレス腱炎になると、アキレス腱の痛みやふくらはぎのこわばりが生じ、起床後の最初の数歩が痛むのが特徴的です。また、炎症が進行するとアキレス腱の周囲が腫れたり、赤くなったりします。 アキレス腱炎の主な原因は運動や立ち仕事 アキレス腱炎の多くは、運動や立ち仕事が原因で起こります。とくにジャンプを繰り返すスポーツや陸上、剣道などを行う選手での発症が多いです。 ふくらはぎの筋肉下腿三頭筋はつま先立ちや、地面を蹴って歩くなど、足関節の底屈運動と呼ばれる動きに関与します。地面を蹴る動きが多いこれらのスポーツでは、この動きが多くアキレス腱に負荷がかかり続けます。 また、スポーツをしていない場合でも、加齢によるアキレス腱の変性や靴の不適合、偏平足、肥満などが原因で、アキレス腱炎になる方もいます。 急激な運動量の増加や、過度な負担が症状を悪化させることがあるため、痛みを感じたら安静にすることが大切です。 放っておくと日常動作に影響が出ることもある アキレス腱炎を放置すると、痛みが長引き、再発を繰り返す可能性があります。 足首の可動域が狭まり、立ち座りや歩行などの日常生活に支障をきたすことがあるため、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。 また、アキレス腱炎と思っていたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折であったケースも考えられます。アキレス腱の痛みを放置するとどうなるのか、詳細は以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。 アキレス腱炎の治療法 アキレス腱炎の治療法には、以下のような選択肢があります。 安静・アイシング・テーピング 薬物療法 手術療法・血管内療法 自分に合った治療を受けるためにも、整形外科の受診がおすすめです。 整形外科では、痛みの場所や性質、腫れなどを確認します。また、他の疾患と鑑別するために、エコー検査やMRI検査で、腱の状態や変性の程度などを確認するケースもあります。 アキレス腱炎の痛みに悩んでいる方は、医療機関で専門医に相談の上、適切な治療を受けましょう。 安静・アイシング・テーピング 治療の基本は安静です。運動や散歩などアキレス腱に負担がかかる動きは中止し、必要に応じてアイシング・テーピングが行われます。 テーピングを施すことでアキレス腱への負担が減り、足を動かした際の痛みをカバーできる可能性があります。 また、アイシングを行うことで一時的に腫れや痛みが和らぐ場合もあるため、炎症が強いと感じる場合は氷のうや保冷剤などを使ってアキレス腱炎を冷やしてみても良いでしょう。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤やステロイド注射を用いることもあります。 消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンと呼ばれる痛みを増強させる物質を作らせないことで、痛みや炎症を鎮める薬です。 飲み薬を処方しても改善が見られない場合は、ステロイド注射も検討します。ただしステロイド注射は、アキレス腱を痛めて断裂しやすくするリスクがあるため、安易に使用するべきではありません。 消炎鎮痛剤も副作用があるため、医師の判断に従って適切に服用する必要があります。 手術療法・血管内療法 症状の改善がみられない場合は、手術やカテーテルを使った血管内療法を実施する場合もあります。 手術ではアキレス腱が変性した部分や滑液包(かつえきほう)、骨棘(こつきょく)の切除などが一般的です。 滑液包は、関節の周辺にある液体で満たされた袋で、筋肉や靭帯、腱などが骨とぶつかる衝撃を軽減する役割があります。アキレス腱とかかとの間にあり、過度な負荷がかかることで炎症を起こし腫れることがあるため、切除することがあります。 また、骨が変性してできたとげである「骨棘」がアキレス腱まで突き出ていると痛みにつながるため、切除されることが多いです。 さらに、アキレス腱炎は血管や神経の増加が痛みにつながるため、カテーテルを使って薬剤を注入し、炎症で増えた血管を減らす「血管内療法」を実施することもあります。 アキレス腱炎の予防法 アキレス腱炎を予防する方法として、以下3つが挙げられます。 アキレス腱を使い過ぎない アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱炎は、治療だけでなく再発予防を考えることも非常に重要です。 単なるオーバーユースだけでなく、練習環境やシューズ、体幹筋力の低下による姿勢不良なども影響してくるため、足りない部分を補う筋力トレーニングやストレッチ、練習環境の見直しも必要です。 本章の内容を日常生活でも意識し、アキレス腱炎の再発を予防しましょう。 アキレス腱を使い過ぎない 運動や立ち仕事などで、アキレス腱に負荷をかけすぎる動作に注意しましょう。 負荷をかけすぎたと感じた場合は、練習量や質を下げたり十分な休憩を挟んだりして調整してください。 運動開始の際に痛みがあっても、続けているうちに痛みが軽減するため、追い込みすぎないように注意が必要です。 アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 日常生活でアキレス腱炎を予防するなら、アキレス腱への負担を緩和できる靴を選びましょう。 踵(かかと)に厚みがある靴や、アキレス腱への負荷を緩和できる中敷きを入れた靴を選べば、かかとや足の裏にかかる力が分散されやすくなります。 アキレス腱の痛みが気になる場合は、運動靴や仕事靴の見直しから始めてみてください。 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱を伸ばすストレッチやマッサージを習慣にすれば、アキレス腱炎の予防につながります。 アキレス腱は血行が悪いカ所で、年齢を重ねると血流が減少します。また、運動不足や加齢による組織の変性で柔軟性が低下しやすい部位です。 アキレス腱の柔軟性が低下した状態で急に動かすと、アキレス腱炎や怪我を起こすリスクが高くなります。 普段からストレッチやマッサージなどセルフケアを行えば、アキレス腱周辺の柔軟性が良くなり、痛みや炎症の予防になるでしょう。 アキレス腱炎のセルフケアやマッサージの方法は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|アキレス腱炎のセルフチェックをして医療機関の受診を検討しよう アキレス腱炎をセルフチェックするには、立ち姿勢でかかとを上げ下げしたり、両手でアキレス腱を触って痛みや腫れを確認したりする方法があります。 もしセルフチェックで痛みや炎症を感じた場合は、決して無理に運動を続けず、整形外科で診察を受けることも視野に入れましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」ではアキレス腱炎の治療法の1つとして、幹細胞治療やPRP療法といった「再生医療」を行っています。 アキレス腱炎を繰り返している方や、手術以外の療法を探している方は、ぜひ一度当院へのメール相談もしくはオンラインカウンセリングをご検討いただければ幸いです。 この記事を読んだあなたが、アキレス腱炎のセルフチェックをし、病院に行くべきか正しく判断できたのなら嬉しく思います。 アキレス腱炎についてよくある質問 アキレス腱炎のような症状です。整形外科を受診する前に自分でできる応急処置はありますか? アキレス腱の痛みなどの症状が出た場合は、まず運動を中止し、安静にしてください。 また、氷嚢などを使用し、アキレス腱部を冷やすことも有効です。 包帯がある場合は、アキレス腱をふくめて足首を固定すると、痛みを軽減できる可能性があります。 アキレス腱炎で市販薬を使用しても良いですか? 市販の薬にも、鎮痛・抗炎症効果がある湿布や飲み薬があります。薬局で市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談するのも良いでしょう。 ただし、薬の使用は症状の一時的な緩和ですので、薬を使用して痛みが引いたからといって、すぐに運動を再開するのは避けてください。 また、病院を受診している場合は、適切な処方のために市販薬を使用していることを医師に伝えてください。 再発予防のためのストレッチはどのようなものがありますか? ふくらはぎをのばすストレッチが良いといわれています。 階段や段差などに片足のつま先だけかけて、ゆっくりと踵を下ろしながらアキレス腱を伸ばします。最初は無理のない範囲で行いましょう。 座った状態で、つま先にタオルをかけて引っ張るようにしながら、伸ばしていく方法も効果的です。 運動前や運動後にこれらのストレッチを行うことで、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が高まり、アキレス腱の緊張が軽減されます。
2023.04.24 -
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アキレス腱はふくらはぎの筋肉からかかとの骨につながる腱であり、歩行やランニングにおいて重要な役割を果たしています。 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気として、アキレス腱自体に痛みの原因がある「アキレス腱炎」と、腱がかかとの骨に付着する部分に痛みの原因がある「アキレス腱付着部症」があります。どちらも慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技を行うスポーツ愛好家に多く見られますが、どこにどんな痛みがでるのでしょうか。 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状や治療方法と対策について詳しく解説していきますので参考にしてみてください。 アキレス腱炎の症状【押すと痛い】 アキレス腱炎の主な症状は、腱部を押すことで生じる痛みです。安静時の痛みはないことが多く、運動時の痛みや、腫れがみられる疾患です。 痛みの部位はアキレス腱がかかと踵の骨に付着している部分から頭側2~6cmがほとんどで、足関節を反らした際に腱が伸びることで痛みが増幅します。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎の主な原因はスポーツに関連したものが多いです。例えば、自転車などでのオーバーユース(使いすぎ)や、不適切なランニングフォームで行ったランニングなどがあります。誤ったトレーニングによる負担の増加が主な原因です。 また、肉体労働による繰り返し作業で発症する可能性もあります。 上記に当てはまらず原因に心当たりがない場合は、別の病気あるいは合併症の可能性も考えられるため早めの受診が大切です。 アキレス腱炎の診断方法 アキレス腱炎を疑う場合は整形外科を受診しましょう。痛みの部位や症状、発症原因からある程度の診断は可能ですが、補助的に画像検査を行うことがあります。 レントゲン・エコー・MRIによる診断 レントゲン写真ではアキレス腱の内部に石灰化を認めることがあり、エコーではアキレス腱の肥厚と腱周囲の血流の増加を確認できる場合があります。 またMRIが診断に有用であり、アキレス腱の肥厚や、腱の炎症を反映して腱の内部や周囲の異常信号をしめす場合があります。 アキレス腱炎の治療と期間について 初期の治療は基本的に保存治療が行われ、症状が改善しない場合には手術を行うケースもあります。 この項目では、保存療法及び手術療法の内容・期間について詳細に解説します。 保存療法の場合 軽症の場合は全治3ヶ月程度かかります。 治療は整形外科で行うことが多く、以下の療法を用います。 局所安静 アイシング 鎮痛薬の服用や局所への注射 理学療法士によるリハビリ ストレッチングの指導・マッサージなど 局所の安静についてですが、痛みが強い場合には炎症度が高いため、松葉杖を使用するなどして痛い方の足を無理に使わない行動をします。 局所への注射は、アキレス腱と周囲の組織の癒着を剥離する筋膜リリースや炎症を抑えるステロイドの投与などが行われます。 また整骨院の通院についてもおこなっていただいて構いません。整骨院では電気治療や超音波治療・低周波治療器での治療・温める温熱療法などを行う場合があり、医師の指導のもと治療を受けるようにしてください。 手術療法の場合 保存治療をおこなっても6ヶ月以上痛みが続いて効果が実感できない場合など、保存療法での完治が難しい場合には手術治療の方法もあります。 手術では皮膚を切開して、炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除します。さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除を行い、腱の切除部分が多くなった場合には他の部位から腱を移植します。 病気の重症度によって治療内容が異なるため、治療費もさまざまです。詳しい治療費の見込みについては担当医師に確認してください。 押すと痛いアキレス腱炎の緩和方法 安静 痛み発症後2〜6週間程度の安静処置 ストレッチ 足関節を反らしてアキレス腱を伸ばす 運動療法 かかとを上げる動作によって筋力を強くする サポーター・インソールの使用 足関節が反りすぎないように制限・アキレス腱への負担を減らす お薬の使用 安静処置と並行して行い痛みを緩和させる 整体・整骨院などでの治療 マッサージやツボを刺激して痛みを軽減させる 押すと痛いアキレス腱炎の主な緩和方法は上記のとおりです。 具体的な内容は以下の関連記事で紹介しているので確認いただき、現在の症状状況にあわせて実施してみましょう。 アキレス腱炎についてよくある質問 この項目では、アキレス腱炎に関するよくある質問を紹介します。 アキレス腱炎で痛くなる場所はどこ? アキレス腱がかかとの骨に付着している部分から中枢側で腱自体に痛みがある病気を「アキレス腱炎(別名:アキレス腱周囲炎)」と言います。 アキレス腱とかかとの骨の境界部分の痛みは「アキレス腱付着部症」といい、治療方法が多少変わってきます。 アキレス腱炎に対する注射は効果がある? 炎症を抑える目的で腱内部や周囲にステロイドを注射する方法があります。しかし、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので複数回の注射は勧められません。 また、腱の周囲を剥離する目的でヒアルロン酸や生理食塩水などの注射を行う場合もあります。 しかし、病気の状態によってはご本人に適していないケースや、そもそも注射処置を行なっていない施設もあるので事前の確認が望ましいです。 アキレス腱炎に効果的なストレッチはなに? 下腿三頭筋や太ももの裏にあるハムストリングのストレッチは、治療・再発の予防に効果的です。 下腿三頭筋のストレッチは階段や足台などの段差があるところに痛い方の足の先をかけ、かかとをゆっくりと降ろしていきます。我慢できる程度の痛みの範囲で10〜15秒ほど伸ばすのを3回行い、これを朝・夕の1日2回実施してみてください。 夜にストレッチを実施する場合は、入浴後のなど身体が温まっている状態で行うのが効果的です。 まとめ|アキレス腱を押すと痛くなる前に適切なケアを心がけよう アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症と呼ばれるいう病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。 また、アキレス腱炎を防ぐためにも適切な靴の選択・正しいフォームの維持・無理のない運動計画・そして運動前後のストレッチが重要です。痛みや異常を感じた場合は、早期に整形外科を受診し、専門的な診断と治療を受けましょう。
2023.04.21 -
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ストップ&ダッシュが多いスポーツや、ハイヒールで不安定な場所を歩くときなど、捻挫をする場面はさまざまです。 ひどい捻挫だと歩くのも困難で、日常生活に支障をきたすこともあるため「早く治したい」と考える方も多いかもしれません。 結論からいえば、捻挫を早く治すためにはPOLICEと呼ばれる応急処置を行い、早めに医療機関を受診することが大切です。 また、トレーニングで適度に負荷をかけるのも効果的ですが、痛みがあるときは無理をしないようにしましょう。 本記事では捻挫を早く治すための応急処置やトレーニング方法をまとめました。 捻挫を繰り返している人や現在捻挫でお困りの人は、ぜひ最後までチェックしてください。 【結論】捻挫を早く治すためにはPOLICEを実践!正しい応急処置をご紹介 結論からいえば、捻挫をしたときにはPOLICEの概念での応急処置が有効です。 捻挫とは軟骨や関節包(かんせつほう)・靭帯が損傷している状態で、骨折や脱臼以外の関節のケガを指します。 この捻挫に対して有効と考えられている応急処置がPOLICEです。POLICEは6つの処置の頭文字を取った造語であり、スポーツ現場などで積極的におこなわれています。これからこのPOLICEについて詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。 なお、捻挫に関しては以下の記事でも詳しく対処方法をご紹介しています。気になる人はぜひこちらも合わせてご覧ください。 POLICEとは「捻挫などのケガに用いられる応急処置」 捻挫を早く治すには、まずは応急処置と適切な診断が必要です。 捻挫が起きた際の応急処置として「POLICE処置」が良いとされています。 Protection(保護) Optimal Loading(適切な負荷) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) 以前は「RICE(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)処置」が一般的でしたが、近年ではPOLICE処置に置き換わりつつあります。 POLICE処置の具体的な方法 それぞれの具体的な方法は以下のとおりです。 Protection(保護) 装具やシーネ、三角巾、サポーターなどで受傷部位を保護します Optimal Loading(適切な負荷) 痛みのない程度で、無理なく動かします Ice(冷却) 氷嚢や氷を入れた袋などで冷やします Compression(圧迫) 受傷部位の腫れや内出血の増悪を予防するために、テーピングや包帯などで圧迫をします Elevation(挙上) 腫れを防ぐ、軽減するために、心臓よりも上に受傷部位を置きましょう 注意点として、適切な負荷をかけるときには無理は禁物です。負荷量については医師や理学療法士など専門家の判断が必要であるため、早めの受診をおすすめします。 また、冷却するときには氷嚢や袋に入れた氷で冷やすようにしてください。湿布などでは表面が冷える程度で関節の中まで冷やす効果がないため、注意しましょう。 現在は冷やさない応急処置「PEACE&LOVE」も実践されている 実は現在、スポーツ現場を中心に「PEACE&LOVE」という応急処置も実践されています。受傷直後にアイシングを実施するPOLICEと異なり、PEACE&LOVEでは患部へのアイシングを実施しません。また、薬もできるだけ使わず、少しずつ負荷をかけていくという考え方です。 POLICEと同じように、PEACE&LOVEも9つの処置の頭文字をとっています。 Protection 保護 Elevation 挙上 Avoid anti-inflammatories 抗炎症薬を避ける Compression 圧迫 Education 教育 Load 負荷 Optimism 楽観的思考 Vascularisation 血流を増やす Exercise 運動 このように、POLICEと同じ処置も含まれますが抗炎症薬を避けたり患者教育をしたりする点で異なります。 「PEACE&LOVE」のやり方 具体的なPEACE&LOVEのやり方は、以下の表をご参照ください。 Protection(保護) サポーターやテーピングで関節を固定します。 Elevation(挙上) 心臓より高い位置に足を上げ、浮腫や腫れを予防します Avoid anti-inflammatories(抗炎症薬を避ける) 痛みが強くても、痛み止めを過剰に使用しないようにしましょう Compression(圧迫) テーピングや包帯などで患部を圧迫して過剰な腫れを予防します Education(教育) 薬や医療従事者に頼った受け身な姿勢を避け、患者さん自ら治していく意識を促します Load(負荷) 松葉杖などの過剰な保護を可能な限り避け、徐々に患部への負荷を高める Optimism(楽観的思考) 前向きな気持ちで痛みの慢性化を予防します Vascularisation(血流を増やす) 栄養を運んで組織の回復を早めるために血流を促します Exercise(運動) 運動で筋力・可動域・バランスの回復を図ります PEACE&LOVEでは患部を冷やしません。患部を冷やすことで血流が悪くなり、組織の修復が遅れると考えられたためです。 また、可能な限り早く負荷をかけていくために患者教育をおこなう点も新しい考え方といえるでしょう。 患者教育をおこなうことで適切な負荷量を与え、薬や医療従事者に頼らず前向きな治療を促していきます。 捻挫では負荷量を増やした方が治りが早いと考えられているため、患者さんが自ら治療に取り組む姿勢が大切です。 「POLICE」と「PEACE&LOVE」は痛みの強さで使い分けよう POLICEとPEACE&LOVEはどちらも優劣があるわけではなく、痛みの強さで使い分けることが重要です。1番の違いは冷やすかどうかですが、患部を冷やすことに関して賛否が分かれています。 2021年神戸大学の研究によると、「重度の筋損傷に対してアイシングを施行すると、筋肉の回復が遅れると示唆される結果」となりました。(文献1) しかし、2023年に神戸大学でおこなわれた研究では、「軽度の筋損傷であれば回復が早まる可能性が示唆された」ため、逆の結果となったのです(文献2)。 ポイントは筋肉の損傷具合ですが、損傷具合の判断は詳しい検査をしなければわかりません。しかし、アイシングには痛みを軽減させる効果があることがわかっています。 そのため、痛みが強い場合にはアイシングをするPOLICEを、痛みが大きくなければ負荷をかけていくPEACE&LOVEを実施していくことをおすすめします。 とはいえ自分での判断が難しい場合もあるでしょう。そんな時は当院リペアクリニックのオンライン相談をご利用ください。メールでの相談もしくはオンラインカウンセリングが可能なので、気になる人はお気軽にご利用いただけますと幸いです。 \まずは当院にお問い合わせください/ 捻挫を早く治すためには病院の受診がおすすめ 結論からいえば、捻挫を早く治すためには病院の受診がおすすめです。病院であれば捻挫の重症度からアイシングをするべきかどうかや、適切な負荷量のアドバイスがもらえるなど適切な処置が可能です。 以下の記事で病院にいくべき基準を紹介しているため、ぜひ目を通してください。 捻挫を早く治すために自宅でできるトレーニング3選 捻挫を早く治すためには、自宅でのトレーニングも重要なのでぜひ実践してください。とくに重要なトレーニングを3つご紹介します。 なお、捻挫をして歩けるけど痛い場合の対処方法は以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。 足の指の運動 1.タオルを用意して、タオルの上に足を乗せる 2.指でタオルを握り、タオルを手繰り寄せる 3.手繰り寄せたら元に戻し、10回繰り返す ポイントは足の指を大きく動かすことです。また、手繰り寄せるときにつま先が浮いてしまう人が多いため、足の裏全体がタオルから離れないように注意してください。 1セット10回を1日3〜5セットを目安の実施がおすすめです。 軽く体重を乗せる運動 1.肩幅に足を開いて立つ 2.右足にゆっくりと体重を乗せていく 3.胸の中心が右足の上まできたら、左足に体重を乗せていく 4.左右の足へ体重を繰り返し10往復ほど乗せていく ポイントは両肩を水平に保ったまま体重移動をしていくことです。水平に保ったままの体重移動であれば足に過剰な負担がかかりにくくなります。 また、もし痛みがあるようであれば座った状態で足に体重を乗せる方法でもかまいません。足に体重を乗せられるようになれば捻挫も早く治りやすいので、ぜひためしてみてください。 1セット10往復、1日3セット程度を目安に実施すると良いですが、痛みが出るようであれば無理しないようにしましょう。 足首を反らす運動 1.足裏全体が床につくように椅子に座る 2.足首を反らし、つま先を床から浮かす ポイントは指を反らすのでなく、足首全体を動かすことです。足首の力が弱い人は指の力に頼ってしまうので、指を動かしすぎないように注意してください。 また、足首がまっすぐでなく横にねじれながら動く人もいます。まっすぐ反らすことを意識して動かすと、捻挫に対してより効果的です。 1セット10回、1日3〜5回程度を目安の実施がおすすめです。 まとめ|捻挫を早く治すためにはPOLICEの実践!早めの受診も大切 捻挫を早く治すためには適切な応急処置が大切です。応急処置にはPOLICEの考え方を中心に、捻挫した足首に負担がかからないように注意してください。 また、負担を避けるだけでなく適切な負荷をかけていくことも大切です。もし動かせるようであれば、本記事でご紹介したトレーニングを中心にゆっくりと動かしてみましょう。 とはいえどの程度動かして良いかわからない人も多いですよね。そんなときには無理をせず、早めに整形外科を受診してください。病院を受診すればどの程度動かして良いか、適切なアドバイスをもらえるでしょう。 ちなみに当院リペアセルクリニックは、捻挫に対しても再生医療をおこなっています。手術をすることなく治りにくい人体の修復が可能で、身体への負担も少ないおすすめの治療方法です。少しでも気になるという人は、メールでの相談もしくはオンラインカウンセリングが可能でお気軽にご相談ください。 この記事が捻挫でお困りの人に、少しでもお役に立てれば光栄です。 捻挫に関してよくある質問 Q:捻挫とはどのような状態ですか? A:関節に外力が加わって生じた怪我のうち、骨折と脱臼以外のものを指します。X線で骨折、脱臼がないことを確認し、必要があればMRIを撮像します。どうやって怪我をしたかも診断には重要です。 Q:捻挫を早く治すには? A:まずは適切な診断が必要です。応急処置としてはPOLICE処置が良いよいでしょう。炎症が起きている間は消炎鎮痛薬なども併用し、過度な負担がかからないように注意してください。 Q:受診するなら整形外科?整骨院? A:正しく診断をつけるという意味でも、X線やMRIでの検査を行える整形外科をおすすめします。近くに整形外科がない、診察時間外の場合には整骨院でも良いでしょう。自分で判断して自己流で治療をするのはよくありません。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献一覧 文献1 荒川高光 et al アイシングは肉離れなどの筋損傷後の再生を遅らせる神戸大学プレスリリース 2021 文献2 荒川高光 et al 軽微な筋損傷に対するアイシングは筋損傷後の再生を促進する 神戸大学プレスリリース 2023
2023.04.14 -
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「捻挫の痛みがなかなか治らないけど病院に行くべきかわからない」という方も多いのではないでしょうか。 「軽い捻挫だろう」と放置することで捻挫が癖になったり、関節炎になるリスクが高まってしまいます。 本記事では、捻挫した部位別に重症度をチェックする方法を紹介します。 しかし、捻挫は自己判断が難しいケースも多く「実は捻挫ではなく靭帯が断裂していた」という場合も少なくありません。 「捻挫の重症度が自分ではわからない」「手軽に専門家に相談したい」という方は、当院へお気軽にお電話ください! どんな些細な疑問やご不安も無料でご相談いただけます。 >>今すぐ電話してみる また、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、捻挫を始めとするスポーツ外傷に対する再生医療による治療法や症例を公開中です。 【部位別】捻挫の重症度をチェックする方法 捻挫とは、転倒時や段差を踏み外したときなどに、関節に負荷がかかって起こるけがのことです。関節まわりの靱帯や腱、軟骨などを損傷している状態を指します。 軽度の場合はギプスやサポーターで損傷した部位を固定することで治療できますが、重症の場合は手術が必要になるケースもあります。そのため、捻挫をした初期段階で重症度を正しく診断し、早期に適切な治療をおこなうことが大切です。 本章では、捻挫の重症度を以下3つの部位別に解説します。 足首の捻挫の場合 手首の捻挫の場合 指の捻挫(突き指)の場合 自分の捻挫をセルフチェックする際の参考になれば幸いです。また、捻挫を早く治す方法について調べている方は、以下の記事もご覧ください。 足首の捻挫の場合 足首を捻挫した場合は、「Ottawa Ankle Rule(以下、オタワ アンクル ルール)」をもとにセルフチェックをおこないましょう。 オタワ アンクル ルールは5つの項目で構成されており、該当する項目が1つでもあれば骨折の可能性があると判断します。 オタワ アンクル ルールの5項目 腓骨遠位端(外くるぶし)より6cmまでの中心線に圧痛(※)がある 脛骨遠位端(内くるぶし)より6cmまでの中心線に圧痛がある 第5中足骨基部(かかとの小指側の骨の出っ張り付近)の痛み(圧痛) 舟状骨(足背から内側にかけての部分)の痛み(圧痛) 怪我をした側で 4歩以上その足に体重をかけられない/歩けない ※圧痛:皮膚に圧力(押すなど)を与えた際に痛みを感じること もし該当する項目がある場合、早めに整形外科を受診し、レントゲンなど詳しい検査を受けることをおすすめします。 該当項目がない場合でも、違和感や痛み、腫れが続く場合は、早めに受診しましょう。 手首の捻挫の場合 手首の捻挫では、動かしたときの違和感や痛み、熱の有無などによって重症度をチェックできます。 以下の表はあくまでセルフチェックとして利用し、症状が続く場合は整形外科を受診しましょう。 チェック項目 手首の捻挫の重症度 曲げ伸ばし、ひねるなどの動作をすると痛み・違和感がある 軽度 負傷したカ所が腫れており、少しでも動かすと痛み・違和感がある 中度 負傷したカ所を動かさなくても痛みがある。あるいは熱を持っている 重度(骨折の疑いあり) 手首の捻挫は、骨折と見分けるのが難しいケースも多くあります。 1週間以上痛みが引かない場合は整形外科を受診し、レントゲンなどの検査を受けることをおすすめします。 指の捻挫(突き指)の場合 指の捻挫(突き指)をした場合、以下の表をもとに重症度をセルフチェックしてみましょう。 チェック項目 指の捻挫の重症度 ・痛み、違和感がある ・腫れている ・曲げ伸ばしは可能 軽度 ・炎症(痛みや腫れ)が一週間以上続く ・曲げ伸ばしが困難 ・指が変形しているように見える 中度から重度 (腱の損傷や骨折、靱帯損傷の疑いあり) 指の捻挫は、軽度であれば1週間程度で炎症がおさまることが多いですが、症状がある場合は念のため病院に行くことをおすすめします。 整形外科を受診し、レントゲンなどの詳しい検査を受けましょう。 突き指と指の骨折、靱帯損傷について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしていただけると幸いです。 捻挫を放置するリスク 捻挫を治療せず放置した場合、以下のリスクが考えられます。 捻挫を繰り返しやすくなる 痛みが長引く 機能障害が残る(例:関節の可動域が狭くなる) など たとえ軽い捻挫であっても、保存療法など適切な治療をしなかった場合、靱帯が伸びた状態で固定されてしまいます。靱帯が伸び、関節が緩んでいる状態で負荷をかけると、同じ部位の捻挫を繰り返したり、痛みが長引いたりするリスクが高まるでしょう。 また、捻挫した部分が不安定になり、歩行や運動時のパフォーマンスへの影響も考えられます。骨折や変形につながる可能性もあるため、捻挫をした場合は早い段階で保存療法をはじめとする治療をおこないましょう。 捻挫と見分けにくい3つのけが 捻挫と見分けることが難しいけがは、以下の3つが挙げられます。 脱臼 骨折 関節軟骨損傷 捻挫の痛みが続く場合は、本章で紹介した外傷の可能性を考慮し、病院での受診を検討しましょう。 脱臼 脱臼とは、靱帯などの組織が損傷し、関節が外れてしまっている状態を指します。一方、捻挫は靱帯が傷ついてるものの、関節部分は外れておらず、安定性を保っている状態です。 脱臼の治療では「整復」もしくは「固定」を実施します。それぞれの治療法の詳細は以下のとおりです。 治療法 内容 整復 皮膚の上から、もしくは手術により、ずれた骨を元の位置に戻す 固定 ギプス等の器具を装着して脱臼した部位を正しい位置で固定する 部位や重症度によって差はありますが、脱臼の治療期間は、一般的には1カ月前後です。 骨折 捻挫した部位の変形や内出血、強い腫れがみられる場合、骨折をしている可能性があります。骨折の場合は、脱臼と同様「整復」もしくは「固定」をおこないます。 体重をかけることで悪化するリスクもあるため、捻挫か骨折か判断できないときは早めに整形外科を受診しましょう。 関節軟骨損傷 捻挫の痛みや違和感が長期的に継続する場合、関節軟骨損傷が疑われます。 関節軟骨損傷とは、関節の骨端表面にある組織が損傷している状態です。放置すると変形性関節症を引き起こすリスクもあるため、早めに適切な治療をおこなう必要があります。 関節軟骨損傷の場合、ギプスでの固定で治療するのが一般的です。ただし慢性化した場合は手術が必要になるケースもあります。 捻挫の痛みが続く場合は「軽度だから大丈夫」と放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 まとめ|捻挫の重症度をチェックして病院に行くべきか正しく判断しよう 捻挫の重症度をチェックする方法は、捻挫の部位によって異なります。捻挫だと思っていたけがを放置すると、変形性関節症などの病気につながる可能性が高くなります。 痛み・違和感が長期間続く場合や、部位を動かせないほどの炎症が起こっている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、捻挫などの外傷に対する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。 一般的に捻挫の治療では、3〜4週間の固定後、2〜3カ月間のリハビリをおこないます。しかし固定治療によって関節が固まると、リハビリがそれ以上長期化するケースも少なくありません。 再生医療を実施すれば、固定期間・リハビリ期間を短縮し、より早期に社会復帰できる可能性が高まります。捻挫の治療法やリハビリの長期化を懸念している方は、ぜひ一度「リペアセルクリニック」へご相談いただければ幸いです。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、ご活用ください。 この記事を読んだあなたが、捻挫で病院に行くべきか正しく判断し、早期に適切な治療を受けられれば嬉しく思います。 捻挫の重症度チェックについてよくある質問 捻挫をした場合、どうしたら良いですか? まずは痛みの部位を確認して、体重をかけられるか確認しましょう。 痛みの部位は上記のチェックリストを参考にして、「くるぶしの内側」「くるぶしの外側」「かかとの外側」「足背から内側」にかけて押して確認します。押して痛みがある場合や、体重をかけられない場合には、病院受診をお勧めします。 また、捻挫の初期対応として知っておきたいのが、受傷の初期、急性期と言われる時点での対応をまとめた「POLICE」です。 POLICE Protection(保護) Optimal Loading(最適な負荷) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) ※拳上とは 捻挫した患部を心臓より高い位置に保つことで内出血による腫れを防ぐためです。 急性期の傷害対処法は、一般的に受傷後48~72時間以内にPOLICEによる処置を行うことが基本となります。 しかし、急性期を過ぎても患部が腫れている、触ると熱を持っているなどの場合は、引き続き「POLICE」処置を継続し、病院を受診することをおすすめします。 急性期には負荷をかけられないので、怪我をした直後は包帯で圧迫してアイシングを行い、足を挙上しておくようにしましょう。冷感湿布による冷却も、炎症の鎮静に効果的です。 捻挫は、どの程度の期間で治りますか? 軽度の靭帯損傷で、手術が必要ない場合には足関節をシーネやギプスで最低3週間の固定が推奨されており、長い場合には6週間程度固定を行うこともあります。また、スポーツの復帰時期については症状経過によります。 一般的には痛みがなくなった後からサポーターをして、ウォーキング、ジョギングなどの軽いスポーツから復帰し、徐々に元の競技へ復帰とします。 その間にチューブやタオルを使って足関節周囲筋を鍛えておき、必要であれば予防のためのリハビリも行う場合があります。 病院でのアドバイスに従いましょう。 捻挫後、時間が経過したが、痛みが残っている場合はどうしたら良いですか? 捻挫による靭帯損傷は重症度により3段階に分類されます。 このうち最も重症な「靭帯の完全断裂」では手術も検討されますし、治療が適切に行われなかった場合には足関節の不安定性を生じてしまいます。 また、捻挫と思っていても、距骨という骨の軟骨が損傷してしまっていることもあります。 このように、痛みが残っている場合には、足関節の不安定性や軟骨損傷の有無など、原因を詳しく調べる必要があるため早めの病院受診が大切です。 病院を受診する場合は何科を受診すれば良いですか? 捻挫した場合は、整形外科を受診しましょう。
2023.04.03 -
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「足をひねっちゃったけど、なんとか歩ける…」「でも、この痛みは大丈夫なの?」「病院に行くべき?それとも様子見でいいの?」 足をひねった・捻挫したにもかかわらず、痛みを我慢して歩ける程度だから病院に行くかどうか迷っていませんか。 歩けてしまうだけに「もしかしたら病院に行くほどではないのかも」と不安になってしまいますよね。 結論、テーピングなどで応急処置をして、心配なら早めに病院を受診しましょう。 歩けるからといってそのままにしたり無理に動かしたりすれば、痛みの悪化や再発を招く可能性があります。 本記事では、歩けるけど痛い程度の捻挫に対する正しい対処法を解説します。 さらに、「早く治したい」「再発を防ぎたい」という方のために、近年注目されている「再生医療」という選択肢についてもご紹介します。 「もっと詳しく知りたい」「専門家のアドバイスが欲しい」 そう思われた方は、ぜひ当院の公式LINEにご登録ください。 捻挫で歩けるけど痛いときの対処法【現役医師が解説】 捻挫で歩ける場合でも、正しい対処法の実施が大切です。 何もせずに放っておくと、痛みや腫れの症状が悪化したり、捻挫の再発につながったりします。 怪我をしてすぐの対処法として「RICE処置」をしましょう。RICE処置により、捻挫の直後に生じる炎症を抑えて、痛みや腫れ、出血を軽減できます。 RICE処置は以下の4つの方法を言います。 Rest:安静 Icing:冷却 Compression:圧迫 Elevation:挙上 具体的な手順は以下の通りです。 足首に体重がかからないように座ったり、横になったりして安静にする アイスパックなどで冷やして、包帯やテーピングで圧迫する 台などで心臓より足を高くあげるようにして、出血で足首にたまった血液を心臓に戻す RICE処置は、怪我をしてから1〜3日はくり返すのが望ましいです。 万が一、RICE処置ができなかった場合にも、テーピングや捻挫用の足関節サポーターで足首を固定するようにしましょう。 足首を固定しておくと、足首が動かず損傷部位のストレスを軽減させるとともに、捻挫の再発予防につながります。 処置をしても痛みが引かない場合や心配な場合は、靭帯が断裂している可能性があります。 痛くても歩けるからといって放置せずに、お近くの整形外科を受診しましょう。 【捻挫したときの対処法】 足首に体重を掛けない 座ったり、横になって安静にする 台などで心臓より足が高くなるようにする アイスパックなどで冷やす 包帯やテーピングで圧迫する 症状を自己判断せず医療機関を受診する ▼捻挫を早く治したい人は下記の記事をご覧ください。 捻挫を治療する2つの保存療法 捻挫の治療には、手術と手術をしない保存療法があります。手術をするのは重症の場合や、スポーツ選手で活動性の高い場合です。 痛みがあるものの歩ける捻挫の場合は、以下2つの保存療法で治療を進めます。 損傷の重症度や経過に応じて固定 再発を防止する運動療法 具体的な治療方法を知り、積極的に取り組みましょう。 損傷の重症度や経過に応じて固定 RICE処置などの初期治療後には、重症度に応じて固定を行い、靱帯の修復を図るのが大切です。 固定には次のような方法があります。 【初期治療】 損傷が軽度の場合:装具やテーピングによる固定 損傷が重度または複数の靱帯が損傷している場合:ギプスによる固定 軽度の場合は、1週間程度ギプスや装具による固定をしたあと、3週間程度テーピングで固定します。 重症の場合は、3〜6週間のギプス固定が必要です。 再発を防止する運動療法 足首の捻挫は、ほとんどの場合で内側に向かってひねることで起こる内反捻挫です。 内反捻挫の場合、再発を予防するために、足首を外にひねる作用のある腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えましょう。 チューブを使ったトレーニングは負荷を簡単にかけられるため、おすすめです。 具体的な方法は以下の通りです。 【再発防止トレーニング】 両足をくっつけてチューブで縛る かかとを離さず、小指側をあげるような意識で、つま先を外に開く また、固定の期間中に足首の動きが固くなっているため、ストレッチをするのも良いでしょう。 タオルを足のつま先に引っ掛けた状態で、タオルの両端を両手にもって引っ張るようにすれば、足首の柔軟性を高めるストレッチが可能です。 トレーニングやストレッチを行い、内側に足首をひねらないようにするための筋力や柔軟性を保つようにしましょう。 また、捻挫の治療や再発予防には様々な方法があります。 当院の公式LINEではこれらの保存療法に加えて、根本的な改善が期待できる再生医療など最新の治療法に関する情報も提供していますので、再発防止を徹底したい方はガイドブックをご確認ください。 ▼気になる症状がある方はオンライン診断もご利用いただけます >>公式LINEはこちら 捻挫とは?足首をひねって靭帯などが損傷する怪我【症状も解説】 捻挫とは、関節が無理な範囲に強制的に動いてしまうことで、靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう:関節を包む膜)が損傷してしまう怪我です。 足首の捻挫は、足を内側に無理にひねって外側の靭帯を損傷することが多いです。 足首の外側には以下の3つの靱帯があります。 【足首の靭帯】 前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい) 後距腓靱帯(こうきょひじんたい) 踵腓靭帯(しょうひじんたい) この中で、最も多く損傷するのが前距腓靱帯で、後距腓靱帯の損傷はまれです。1つではなく、複数の靱帯が同時に損傷する場合もあります。 捻挫の程度は、靱帯の損傷具合によって次の3つに分けられます。 【捻挫の程度】 1度捻挫:靱帯の損傷がなく、無理に伸ばされた状態 2度捻挫:靱帯が部分的に切れている状態 3度捻挫:靱帯が完全に切れた状態 靱帯の損傷がひどい場合は、靱帯による関節の固定力が弱まり、関節が不安定になってしまいます。その結果、捻挫を再発しやすくなるため注意が必要です。 症状は、捻挫の程度によって異なります。 主な症状は、損傷した部分の腫れや痛みです。痛みは損傷部位を指で押さえたときにみられる圧痛(あっつう)があります。 怪我したときと同じように、内側に足首をひねった動きを再現すると痛みがあります。損傷による内出血が生じていたり、熱をもっていたりするのも症状の1つです。 捻挫の重症度をセルフチェックする方法 歩ける程度の痛みでもすぐに受診すべきかどうか、捻挫の重症度をセルフチェックできます。 以下の5項目のうち、1つでも当てはまる場合は骨折の可能性がありますので、お近くの整形外科を受診しましょう。 【捻挫の重症度のセルフチェック】 外くるぶしを押すと痛みがある 内くるぶしを押すと痛みがある かかとの小指側の骨の出っ張り付近を押すと痛みがある 舟状骨(足背から内側にかけての部分)を押すと痛みがある 怪我をした側で4歩以上その足に体重をかけることができない・歩けない 判断がむずかしい場合や、当てはまる項目がなくても心配な場合は専門医に相談するのが望ましいです。 ▼捻挫で病院に行くべき目安を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。 まとめ|捻挫したときは正しい対処法を行い早めに受診しよう 捻挫をしたら、まずはRICE処置を行いましょう。 歩ける場合でも痛みがあるときは、テーピングやサポーターで足首を固定し、損傷した靭帯に負担をかけないことが大切です。適切に対応することで捻挫の悪化を防ぎ、再発予防にもつながります。 ただし、痛みが強い場合や腫れがひどくて心配な場合は、専門医の診断を受けましょう。 歩けるからといって捻挫を軽視せず、適切な対処法と治療を行えば、早期回復と再発防止がかなうはずです。 また、セルフチェックで不安を感じた方や、再発予防が期待できる治療方法を詳しく知りたい方は、簡易オンライン診断もできる当院の公式LINEにご登録ください。 ▼スポーツ外傷に関する改善症例も配信中 >>公式LINEで限定情報を確認する 捻挫に関するよくある質問 Q.足首や足の甲が腫れていて歩けるけど痛いと感じる場合は捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。捻挫の場合、足首の外側の腫れが最も一般的です。軽度の場合は歩けることもありますので、心配な場合は整形外科を受診しましょう。 Q.腫れていないけど痛いときは捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。捻挫で腫れるのは、傷ついた関節部分に内出血や炎症が起きるためです。特に軽い捻挫の場合は血管や組織の損傷が少なく、腫れないケースがあります。 Q.捻挫はおよそ何日で治りますか? A.重症度によって異なりますが、軽度の捻挫であれば1週間~10日ほどで治ります。中等度なら2週間、重度なら治るのに3週間ほどかかります。歩けるけど痛い場合は軽度~中等度と考えられますが、いずれも適切に処置し、3週間程度は捻挫部位を固定することが大切です。 Q.膝をひねったのですが、これは捻挫ですか? A.膝をひねった場合も捻挫です。捻挫は、関節のある場所なら起こります。膝はもちろん、突き指も捻挫の一種です。 ▼膝を捻挫したときの症状を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。
2023.03.13 -
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「ジョーンズ骨折」と呼ばれる怪我に聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか。しかし、ジョーンズ骨折は意外にもアスリートがよく発症するケガです。 とくに高い負荷がかかる競技において、ジョーンズ骨折は珍しいものではありません。サッカーやバスケットボール、ラグビーなど、急な方向転換や激しい接触を伴うスポーツをしている場合は注意が必要です。 本記事では、ジョーンズ骨折の原因と治療法から、予防法やテーピングのやり方まで詳しく解説します。アスリートだけではなく、日常的に運動をする方や足に負担をかける仕事をしている方は、ぜひご参考にしてください。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ(Jones)骨折とは、第5中足骨の踵寄り(第5中足骨基部)に起こる骨折のことで、骨癒合しにくく、治るのに時間がかかる骨折の一つです。第5中足骨基部に起こる骨折は、以下の3つがあります。 基部裂離骨折 ジョーンズ骨折 骨幹部疲労骨折 いずれも見分けるのが難しいため、まとめてジョーンズ骨折と呼ぶこともあります。 原因|主にスポーツ外傷による骨折 ジョーンズ骨折は、特定のスポーツ動作で頻発する骨折です。 その動作とは、ストップやターンなどの速い動作の切り返しです。ストップやターン(切り返し)によって、急激に第5中足骨に負荷がかかると骨折してしまいます。 しかし、これらの動作だけが骨折の原因ではありません。ほかにも以下のようなあらゆる要素が重なって引き起こされると考えられます。 トレーニング過多による第5中足骨への疲労の蓄積 硬い地面による問題(人工芝、アスファルトなど) 下肢のアライメント異常(足の外側に体重が乗りやすいなど) スパイクのポイントの位置 第5中足骨基部への血流不足 第5中足骨基部への靭帯や腱の付着 つまり、ストップやターンは、最後の引き金に過ぎません。 症状|歩行や運動時の痛み ジョーンズ骨折の症状は骨折の程度によって大きく変わります。発症初期の不全骨折(ヒビ)であれば、運動中に少し痛みを感じる程度で、骨折部分を強く押すとズキっと痛む場合があります。 しかし、そのまま運動を継続すると、徐々に痛みが増していき、歩くのもままならない状態になりかねません。この場合、骨折部の状態は悪化していることが多く、完全骨折となっている可能性も考えられます。 また、捻ったり、ストップやターンの切り返しによって完全骨折となるケースも少なくありません。 ▼ ジョーンズ骨折の症状やついて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 診断|レントゲンやエコー検査 ジョーンズ骨折は、レントゲン画像による診断が可能です。レントゲン撮影は、一方向だけではなく、角度を変えて複数方向からの撮影が有効となります。 しかし、初期の不全骨折の場合はレントゲン画像での判断が難しい場合があるため、必要に応じてMRIや超音波検査も実施します。 ジョーンズ骨折に有効な治療方法 ジョーンズ骨折は、ほかの骨折に比べて骨癒合が得にくい(遷延治癒:せんえんちゆ、偽関節など)とされているケガです。また、骨癒合が得られたとしても再骨折のリスクが高い骨折だといわれています。 そのため、一人ひとりの状況を考慮し、慎重に治療方法を選択する必要があります。 手術療法 激しいスポーツ動作を繰り返すアスリートには、手術療法がおすすめです。早期復帰や再骨折のリスクを減らす効果が期待できるためです。 手術方法は比較的シンプルで、一般的には第5中足骨に対しスクリューを埋め込む「髄内固定術」で行われます。 手術療法は、治療成績も良好で保存療法に比べて再発のリスクが低いことが特徴です。しかし、スクリューの位置を誤ったり、復帰が早過ぎたりした場合には、癒合不良や偽関節を引き起こす可能性もゼロではありません。 手術費用や復帰までの期間などの目安は以下の通りです。 手術費用・入院費用:10〜15万円 入院期間:3日〜2週間 スポーツ復帰目安:2〜3カ月 ※手術・入院費用、入院期間はあくまで目安です。医療機関ごとに違いがあります。 手術後は、医師や看護師、リハビリスタッフの指導に従って過ごすことが大切です。 保存療法 手術療法に抵抗がある方や、なんらかの理由で手術療法が難しい方は保存療法を選択します。 保存療法の場合は、骨が癒合していない状態で無理をしないことが重要です。とくに初期の段階では、骨癒合を第一に考え、骨折部分に体重をかけないようにします。その間に、骨癒合を促進させるような超音波治療器を用いる場合もあります。 骨癒合にかかる期間は個人差がありますが、少なくとも3〜4週間はかかるでしょう。レントゲン画像にて骨癒合が認められたら、少しずつ体重をかけていくことがポイントです。 なお、歩くときに行う踏み返し動作は骨折部に負荷がかかりやすいため注意が必要です。歩行を慎重に進めていき問題なくできるようになったら、少しずつ強度を上げてスポーツの動きを取り入れていきます。 ジョーンズ骨折にテーピングは有効?巻き方のポイント ジョーンズ骨折がまだ完全に治っていない状態でのテーピングは、あまり効果を期待できません。しかし、骨折がしっかり治り、スポーツに復帰する段階でのテーピングは、一定の効果を発揮します。 ジョーンズ骨折のテーピングの巻き方のコツは、足のアーチをサポートすることと、足の外側の補強をすることです。 足首の捻挫のテーピングと似ているところもありますが、そこにプラスして足底部にアーチをサポートするテーピングを巻くとより効果的です。 ジョーンズ骨折のテーピングは、その人の足の使い方によって巻き方が変わります。まずは、専門家に足の使い方をみてもらい、自分に合った巻き方を教えてもらうようにしましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングを始めるタイミングや巻き方についてお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れ ジョーンズ骨折は再発しやすいため、状態を見極めて段階的にスポーツ復帰する必要があります。 骨癒合まで運動を我慢していたのに、復帰を焦ってしまって再骨折してしまう例も少なくありません。際骨折を防ぐためにも、スポーツの復帰には万全を期す必要があります。ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れの例は、下記の通りです。 1.その場でできるスクワットやカーフレイズ(爪先立ち)の運動 2.ランジや片脚スクワット、片脚カーフレイズで片側に体重をかけて行う運動 3.軽いジョギング 4.徐々にスピードを上げたランニングやダッシュ 5.ストップやターン動作の練習 6.ジャンプ動作の練習 7.各スポーツの練習を徐々に復帰 8.競技に完全復帰 上記のような流れを参考に、痛みや違和感が出たら前のメニューに戻るようにしながら、スポーツ復帰を目指します。 ジョーンズ骨折の予防にはサポーターの使用がおすすめ ジョーンズ骨折の再発予防には、足首の捻りを防止するサポーターやアーチを形成するためのインソールなどの使用が十分な効果を発揮します。 とくに、インソールは骨折部の負担を減らす効果が期待できるため、よりおすすめの予防方法です。 再発予防のためのサポーター選び ジョーンズ骨折に有効なのが、左右方向に強いサポーターです。足の力が横の動きに弱いと骨にかかる負担が増えてしまうため、横のぐらつきを押さえるようなサポーターが推奨されます。 注意点として、第5中足骨基部のあたりが厚くなっているサポーターの場合は、体重をかけた際に圧迫し過ぎて痛みを誘発する可能性があります。そのため、装着したときの圧迫具合や患部への当たりを確認した上で、適切なサポーターを選ぶ必要があります。 再発予防のためのインソール選び インソールの調整は、ジョーンズ骨折の再発防止のために非常に有効で、必須ともいえる手段です。 足の内側と外側にある縦アーチと横アーチをサポートしてくれるようなインソールを入れることで、足の機能が上がり負担がかかりにくくなります。 インソールは市販のものもありますが、専門の義肢装具士が作成しているオーダーメイドのインソールの使用がおすすめです。自分の足の型に合わせてインソールを作成するため、より高い効果が期待できます。 ▼ ジョーンズ骨折の予防法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ・ジョーンズ骨折の回復期には適切にテーピングしよう ジョーンズ骨折は再発しやすく、初期の対応や治療開始から復帰までのプランニングが非常に難しいケガです。そのため、焦らず骨の癒合状態を確認しながら、段階的に治療に取り組むことが重要です。 また、回復期には適切なテーピングが重要な役割を果たします。テーピングを用いることで、再発のリスクを減らし、足の安定性を高められます。ただし、間違った方法でテーピングを施すと逆効果になる場合もあるため注意が必要です。 ジョーンズ骨折をしてしまった際は、専門の医師やリハビリスタッフのアドバイスを聞きながら、安全に復帰までの道のりを歩んでいきましょう。 ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問 ここでは、ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問をまとめました。 ジョーンズ骨折は自然に治りますか? ジョーンズ骨折は、自然に治ることもありますが、癒合不全や変形癒合などの合併症につながる危険性があります。そのため、自己判断はおすすめできません。また、再骨折を防ぐためにも、痛みの程度だけではなく、骨が問題なく癒合しているか確認してから運動を再開する必要があります。 ジョーンズ骨折が疑われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師の指示に従って経過を見守りましょう。 テーピングはどのようなものを使用すると良い? ジョーンズ骨折の再発を予防するためには、伸縮性のあるテーピングの使用が効果的です。伸縮性が高いスポーツ用のテーピングは、骨折しやすいブヒを保護しつつ、足の柔軟性を保つために適しています。 また、はがれにくくするため、テーピングの角を丸く切って使用するのもポイントです。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングの選び方や使用方法で迷うことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。
2023.03.06 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
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- スポーツ外傷
「立ち仕事で、足の外側が痛い」「激しいスポーツをしていないのに、足の小指側の側面が痛い」と悩まされていませんか。 その痛み、ジョーンズ骨折という症状かもしれません。 ジョーンズ骨折は、足の骨折の一つで、スポーツをしている方によくみられる症状ですが、立ち仕事をしている人やヒールを履くことの多い若い人にもよくみられます。足は日常的に使うため、今の痛みは早めに解消したいと考える方は多いでしょう。 そこで本記事では、ジョーンズ骨折の症状や原因、すぐにでも取り入れられる4つの予防法を医師が解説します。 骨が完全に折れていると自然治癒が難しくなるので、少しでも痛みがある方は、この記事を最後までご覧ください。 歩くと足の外側・側面が痛いときに考えられるジョーンズ骨折とは? ジョーンズ骨折とは、第5中足骨近位部で発症する疲労骨折です。 発症する原因はさまざまあると言われており、欧米人に比べて日本人に起こりやすいとされています。ジョーンズ骨折について、症状の特徴や原因をできるだけ簡単に説明してまいります。 なお、ジョーンズ骨折は「歩くと足の外側・側面が痛い」と感じますが、足底部の痛みがある場合は、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)の可能性も考えられるので、以下の記事も併せてご覧ください。 ジョーンズ骨折の特徴 ジョーンズ骨折の特徴は、一般的によく見る骨折とは違って症状が出にくいことです。 一般的な骨折は、急に外力が骨にかかることで生じます。その場合、患部がすごく腫れて強い痛みを生じるため、その見た目と症状から診断することは比較的容易なことが多いです。 一方でジョーンズ骨折は、慢性的な負荷により骨が折れるため腫れはあっても軽度なことが多く、見た目ではあまり変化がありません。また、痛みはあっても強くないか、痛みを訴えない方もいらっしゃいます。 そのため、完全に骨が折れてしまうまで、骨折していることに気づかない場合も珍しくありません。 ジョーンズ骨折の原因 ジョーンズ骨折の原因は、慢性的に骨に負荷がかかることです。たとえば、ランニングやジャンプ動作は、足の骨に体重以上の負荷をかけます。 たまに行う程度なら問題ありませんが、日常的に繰り返すことで、足の骨に継続的な負荷がかかり続け、その影響で、軽く踏ん張ったり、少し捻ったりしてしまうだけでも、骨折します。 そのため、陸上競技やサッカー・バスケットボール・ラグビーなどのスポーツをおこなっている選手によく発症するのです。 しかし、ジョーンズ骨折は日常的にスポーツをしない方でも発症します。スポーツをしていない方がジョーンズ骨折を発症してしまう原因は、以下のとおりです。 中足骨(足の甲)に負荷がかかりやすい姿勢をよくとる ヒールをよく履く、しゃがみ込んだ姿勢での作業 立ちっぱなしの仕事をしている 足を酷使することが多い生活をしている これらの条件に当てはまっている場合は、足の骨に負荷がかかるため、スポーツをしていなくても骨折を起こしてしまいます。 立ち仕事をしていて、ある日を境に段々と歩行時の足の痛みが生じてきている場合は発症している可能性があります。 自分だと原因がわからなくて不安な方も多いでしょう。場合によっては自然治癒が見込めない可能性もあるので、心配な方は早めにご相談されることをおすすめします。 当院でも相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。 歩くと足の外側・側面に痛みがでるジョーンズ骨折の予防法 ジョーンズ骨折を予防する方法は、以下の4つです。 シューズの調整をする インソールを活用する 足のストレッチ・マッサージをする 体重のかけ方・足の使い方の訓練をする 私生活や仕事、スポーツなどの際に取り入れやすい方法ですので、参考に読み進めてみてください。 シューズの調整をする 足に合わないシューズを履いていると、きちんと体重が分散できず、ある一定の部位への負荷が増大します。 また、ランニングやサッカー、トレーニング、競技によって足の使い方は異なり、体重のかかり方もそれぞれで変化します。 そのため、ランニングをするならランニングシューズのように競技に沿ったシューズを使用しましょう。 インソールを活用する 人によってはもともとの足の形による影響で、どうしても足に負担がかかりやすくなっている場合があります。 足のアーチが低い扁平足であったり、逆に通常よりアーチが大きかったりする場合は、インソールが効果的です。 普段使用している靴にインソールを入れることで体重が分散されやすくなり、かかる負荷が減少します。自分のアーチにあったインソールがない場合は、テーピングが有効です。 足のストレッチ・マッサージをする 定期的にストレッチを行うことで、筋肉・腱の柔軟性が増します。 柔軟性が高まると関節や骨にかかる負担の軽減が期待でき、ジョーンズ骨折だけでなく、その他の怪我の予防にも効果があります。 また、ストレッチやマッサージを行うことで血流が改善し、疲労が軽減されるため仕事や競技のパフォーマンスも向上するでしょう。 体重のかけ方・足の使い方の訓練をする 立ち方や走り方の癖で、小指側に体重がかかりやすい人はジョーンズ骨折を発症しやすいです。 予防するためには、癖を治すための訓練をする必要があります。日常生活から体重のかけ方や足の使い方を意識し、足にかかる負荷を軽減させましょう。 ジョーンズ骨折は自然に治る? ジョーンズ骨折の患部である第5中足骨は、血流があまり多くないため、一度骨が折れてしまうと治るまでに時間がかかります。 また、骨折が綺麗に治らず、骨癒合していないところがまるで関節のように動いてしまう「偽関節」という状態になる可能性があるのです。 そのため、ジョーンズ骨折で完全に骨が折れている場合は自然治癒は見込めず手術での治療が推奨されます。 しかし、完全には折れていない不全骨折の状態で、かつ症状が日常生活に支障がないくらいの軽症の場合は、患部への負荷軽減や筋力強化、ストレッチを行うことで自然治癒ができる可能性があります。 手術で治療を行う場合、術後数週は足に体重をかけずに生活する必要があり、その後もリハビリの期間を設けなければなりません。そのため、早期にジョーンズ骨折を予防し、発症したとしても早期に発見することが重要です。 まとめ|歩くと足の外側・側面が痛いと感じたら医師に相談を! 本記事では、歩くと足の外側・側面が痛いときに考えられるジョーンズ骨折の症状や原因、予防法について詳しく解説しました。 スポーツ選手などに多く見られる骨折ですが、そうでない人でも発症する可能性があります。一度完全骨折に至ってしまうと、手術や術後のリハビリが必要です。 ジョーンズ骨折における予防法を取り入れながら、早期発見を心がけましょう。 なお、当クリニックではジョーンズ骨折をはじめとするさまざまな病気にお悩みの方を対象に、無料相談を実施しています。お気軽にご相談ください。 この記事がご参考になれば幸いです。
2023.02.03 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
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「サッカーをすると足の外側が痛くなるけどなぜ?」 「バスケットでつま先の外側が痛むけど放置して大丈夫?」 上記のような症状がある場合、ジョーンズ骨折の可能性があります。 今回はスポーツ選手に多いジョーンズ骨折について、特徴や骨折のなりかけで見られる症状を解説します。 チェックリストも紹介するので、早めに整形外科で受診できるよう、ぜひ参考にしてください。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ骨折は小指の骨である第5中足骨の疲労骨折です。 ジョーンズ骨折はサッカーやバスケット、ランニングなどのスポーツで足の外側に繰り返しストレスがかかって生じる疲労骨折です。 第5中足骨は血液の供給が乏しく、骨折する部分の近くは複数の筋肉が付着していて常に牽引力が働くため、一度骨折するとくっつきにくくなります。 骨が離れたままになってしまう偽関節(ぎかんせつ)になりやすいのも特徴です。 ジョーンズ骨折は中足骨の中でもより足首側の端から 1.5〜2cmの部分に骨折が起こります。 主に10代の方がスポーツで発症するケースが大半ですが、運動量によっては成人でも発症するので注意しましょう。 ジョーンズ骨折が発症する原因 ジョーンズ骨折が発症する原因は、スポーツ動作で足の外側に繰り返しかかるストレスです。 人の足裏は体重をうまく分散させるために、たいらではなくアーチ状の形をしています。 第5中足骨はまっすぐな骨ではなく、丸くアーチ状になっており、体重を分散させるためにストレスを受けやすいのです。 とくにサッカーやバスケットボールなど、横への動きが多いスポーツで反復したストレスがかかりやすく、疲労骨折の原因になります。 また、次のような環境や個人の要因も原因としてあげられます。 急な激しい練習 固すぎるグランド(人工芝)でのスポーツ 足の負担が強い不適切なシューズ 不良な姿勢(がに股) 上記のような環境や姿勢でストップやサイドステップなどを繰り返すとストレスがかかりやすくなってしまうのです。 立ち仕事による慢性的な疲労や、しゃがみ込み動作の繰り返しによる疲労骨折など、スポーツをしていない方で発症する場合もあるので注意してください。 ジョーンズ骨折の症状 ジョーンズ骨折は、骨折のなりかけの状態と、完全に骨折した状態で症状が違います。 それぞれの症状について解説します。 ジョーンズ骨折のなりかけの症状の場合 ジョーンズ骨折のなりかけの症状は、痛みや腫れなど一般の骨折に見られるような自覚症状が出にくいのが特徴です。 骨折のなりかけでは、一般的な骨折のように骨が分離するのではなく、ストレスの蓄積により徐々に骨が脆くなっている状態です。この状態では日常生活だけでなくスポーツ中も痛みを感じない場合があります。 また、痛くてもそれほど強くはないため、そのまま競技を続けてしまう場合も少なくありません。その結果、プレー中やプレー後に痛みが増える症状が繰り返します。 なお、歩くと痛いと感じている方は、以下の記事を参考に「ジョーンズ骨折かどうか」、1つの判断基準にしてください。 進行後どこが痛むのか ジョーンズ骨折の痛みは進行後、足の外側が痛みはじめます。 ジョーンズ骨折になりかけの症状では、足の外側に感じる痛みは軽いケースが大半なため、スポーツ復帰する方もいるでしょう。 ジョーンズ骨折は主に、ストレスの蓄積から発症する骨折なので、放置すると完全に骨折する症状へと発展するのです。 完全に骨折してしまうと、強い痛みだけでなく歩行困難へとつながる可能性があります。 足の外側に痛みを感じたら、たとえ軽度であってもすぐに受診するのをおすすめします。 ジョーンズ骨折の診断方法 ジョーンズ骨折か確かめるには、身体所見をした後、CT検査やMRI検査で確定させます。 レントゲン撮影による検査もありますが、早期発見を目的にするならMRI検査がおすすめです。 MRI検査では、レントゲン撮影では判断できない時期でも有用で、筋肉や結合組織の損傷も確認できます。 なお、CT検査では手術が必要な症状で用いられるため、症状に応じた診断方法を選択しましょう。 当院ではメール相談だけでなく、オンラインカウンセリングも実施しています。 来院前に軽く相談しておきたい方は、ぜひ気軽にご利用ください。 ジョーンズ骨折になりやすい環境かチェックリストで確認 ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうかを、チェックするポイントを紹介します。 以下チェックリストで、該当する環境がある方は注意しましょう。 競技しているスポーツが足の外側にストレスのかかるものか 練習場が床・芝・土・人工芝など固い環境か 練習量が多すぎではないか シューズが環境に適しているか キックの利き足か ジャンプの踏切は適切か シューズの底のすり減り方が異常ではないか 足の外側が痛むか 上記のようなチェックをして、足の外側にストレスがかかりやすいかどうかをチェックします。 練習場所が人工芝のように固いグランドである、練習量が多すぎる、足に合わないシューズを使用しているなどは注意が必要です。 また、シューズの底を見たときに、外側ばかりすり減っている場合は、足の外側にストレスがかかりやすい動きをしている結果なので、チェックしてみましょう。 もし、すでに痛みが外側にあり継続する場合は、ジョーンズ骨折の可能性があります。 骨折のなりかけの場合は、痛みが自覚しにくかったり、競技中のときだけだったりするため、放置せず早めに整形外科へ受診をしましょう。 ジョーンズ骨折に悩むアスリートの方は、有効な治療法や予防法などを解説している以下の記事もぜひ参考にしてください。 まとめ・その症状ジョーンズ骨折かも?と思ったら専門機関で適切な診断を! ジョーンズ骨折はストレスが蓄積して徐々に進行する疲労骨折です。 完全に骨折するまでは痛みがない場合もあり、痛みがあってもつい競技を続けてしまう方もいるでしょう。 しかし、放置して競技を続けると、症状が悪化したり、完全に骨折してしまったりするリスクがあります。 なりかけの症状でも放置せず、少しでも気になる症状があれば早めの受診や予防をするのが重要です。 本記事を参考にしてジョーンズ骨折の早期発見、予防をして、好きなスポーツを楽しみましょう。
2023.01.27