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【医師監修】アキレス腱断裂の予防方法とは?再断裂を防ぐコツも解説
「久しぶりに運動を再開したいけれど、アキレス腱を切ったら仕事や生活に支障が出そうで不安」と感じていませんか。
アキレス腱断裂はスポーツ中に起こることが多い一方、加齢などによる腱の変性を背景に、日常の動作でも起こり得ます。しかし、正しい知識を身につけ、運動前の準備や日頃のケアを行うと、断裂のリスクを抑えながら運動再開を目指せます。
本記事では、アキレス腱断裂の予防法やストレッチ・筋トレ、断裂が起きやすいスポーツ、前兆、再断裂を防ぐポイントまでを、医師が解説します。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。アキレス腱に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。
目次
アキレス腱断裂を予防する5つのポイント
アキレス腱断裂を防ぐために、日頃から取り入れたいポイントは以下の5つです。
- 運動前にウォームアップを行う
- 適切な運動習慣でアキレス腱を鍛える
- アキレス腱に負担をかけない靴・インソールを選ぶ
- サポーター・テーピングでアキレス腱を保護する
- 運動後はアイシング・マッサージでケアする
なお、いずれの方法も、断裂を完全に防げるものではありません。アキレス腱に痛みや違和感がある場合は、無理に運動を続けないようにしましょう。
運動前にウォームアップを行う
アキレス腱断裂を防ぐ上では、ウォームアップの一環として運動前のストレッチが大切です。冷えて硬いままの状態で急に体を動かすと、腱に強い負荷がかかりやすくなります。
なお、運動前のストレッチには、以下のような働きが期待できます。
- アキレス腱まわりの柔軟性を高める
- ふくらはぎの筋肉をほぐす
- 血流を促す
運動前のウォームアップを取り入れることで、アキレス腱への負担が軽減され、けがのリスクを抑える効果が期待できます。ただし、痛みや違和感があるときは無理に伸ばさず、運動を中止してください。
適切な運動習慣でアキレス腱を鍛える
日頃から適度に体を動かし、アキレス腱やふくらはぎの筋肉を運動の負荷に慣らしておくことが大切です。また、久しぶりに運動する場合は、ウォーキングや軽いジョギングから始め、時間や強度を少しずつ高めていきましょう。
なお、継続的な運動や後述するカーフレイズなどの筋力トレーニングは、ふくらはぎの筋肉を鍛え、アキレス腱にかかる負担を抑えられます。
無理なく続けられる頻度で運動習慣を心がけ、アキレス腱断裂を予防しましょう。
アキレス腱に負担をかけない靴・インソールを選ぶ
足に合わない靴は、アキレス腱への負担を増やす原因になります。靴を選ぶときは、以下のポイントを意識しましょう。
- かかとが安定して支えられる
- 自分の足に合ったサイズである
- 運動に適したクッション性がある
- 蒸れにくい通気性がある
また、必要に応じてインソールを取り入れる方法も、アキレス腱断裂の予防に有効です。インソールは、かかとへの衝撃を和らげたり、足元のバランスを整えたりする効果があります。
ただし、適した靴やインソールは、足の形や競技の種類によって異なります。選び方に迷う場合は、スポーツ用品専門店のスタッフなどに相談しましょう。
サポーター・テーピングでアキレス腱を保護する
テーピングは、貼り方によって足首の動きを補助したり、動く範囲を調整したりする目的で用いられます。また、サポーターも足首を安定させ、運動時にアキレス腱へかかる負担を軽減できます。
ただし、強く固定しすぎたり、巻き方を誤ったりすると、皮膚や血流に負担がかかることがあります。しびれや皮膚の色の変化、痛みの強まりを感じたときは、すぐに外してください。
運動後はアイシング・マッサージでケアする
運動後のアキレス腱は疲労し、炎症が起きていることがあります。運動後に痛みや腫れ、熱っぽさ(熱感)を感じるときは、運動量を見直し、必要に応じてマッサージやアイシングをしましょう。
なお、アイシングの時間や頻度は、症状や体質によって適切な範囲が異なります。一律に時間を決めず、皮膚の状態を確認しながら行いましょう。また、凍傷を防ぐため、氷はタオルなどで包み、皮膚へ直接当てないようにしてください。
さらに、マッサージを行う場合は、アキレス腱そのものを強く揉むのは避け、ふくらはぎを軽くほぐす程度にとどめましょう。
運動後の状態を確認しながら適切にケアすると、アキレス腱への負担の蓄積を抑えられ、けがの予防につながります。
アキレス腱断裂の予防に効果的なストレッチ・トレーニング
アキレス腱断裂を予防するには、日頃からストレッチやトレーニングを取り入れ、アキレス腱周りの筋肉を柔らかく保つことが大切です。
とくに、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼ばれるふくらはぎの筋肉のストレッチ・トレーニングは、アキレス腱断裂の予防に効果的です。
本章では、アキレス腱強化に役立つ2つのストレッチ・トレーニングを紹介します。
これらを正しく実践し、けがのリスクを減らしましょう。
下腿三頭筋のストレッチ
アキレス腱の負担を減らすには、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)をストレッチで柔らかくすることが重要です。
下腿三頭筋は、腓腹筋とヒラメ筋という二つの筋肉が合わさってできています。
ストレッチの方法も筋肉によって違うので、それぞれ適切な方法で行いましょう。
まずは、腓腹筋のストレッチ方法から紹介します。
腓腹筋のストレッチ
- 立った状態で左足を後ろに引く
- 右足の膝を曲げながら体重を前にかけていく
- 左足の膝は伸ばしてかかとを地面から離さないようにする
- 左足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープする
- 脚を左右に変えて同じようにする
次にヒラメ筋のストレッチ方法です。
ヒラメ筋のストレッチ
- しゃがんだ状態で左脚を立てて片膝立ちになる
- 左足に体重をかけるように前に重心を移動させる
- 左足のかかとが地面から離れないようにする
- 左足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープする
- 脚を左右に変えて同じようにする
ヒラメ筋は、膝を曲げながらストレッチをかけるのがポイントです。膝を曲げると腓腹筋が緩んだ状態になるので、ヒラメ筋を単独でストレッチできます。
下腿三頭筋の筋力トレーニング
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)のトレーニングでは、立った状態でゆっくりかかとの上げ下ろしをする「カーフレイズ」が有名です。また、膝を伸ばした状態と曲げた状態の両方で行うと、腓腹筋、ヒラメ筋を両方鍛えられます。バランスがとりづらい方は椅子やテーブルを持って行ってください。
10回を最初の目標にして、無理のない範囲で取り組みましょう。
アキレス腱断裂が起きやすい人・スポーツの特徴
アキレス腱断裂は誰にでも起こりうるけがですが、とくにアキレス腱断裂のリスクが高い人の特徴は以下のとおりです。
1つでも当てはまる方は、日頃からアキレス腱をケアし、断裂予防を心がけるようにしましょう。
40代以上の運動不足の方
40代以上で運動不足の方は、アキレス腱断裂のリスクが高まります。
年齢を重ねると、アキレス腱の柔軟性や強度が低下していくためです。
また、運動不足によって下腿三頭筋(かたいさんとうきん)が衰えると、アキレス腱への負担が増加し、断裂しやすくなります。
40代以上で運動不足の人は、定期的にストレッチや軽い屈伸運動を行い、アキレス腱を鍛えるよう意識しましょう。
急な運動再開を予定している方
運動不足の人が急に激しい運動を始めると、アキレス腱断裂のリスクが高まります。
アキレス腱は、日頃から使われていないと急な負荷に対応できません。
そのため、久しぶりに運動を再開する際は、準備運動をしっかり行い、徐々に運動強度を上げていく意識が大切です。
いきなり激しい運動をするのではなく、ウォーキングや軽いジョギングなどから始めて体を慣らしていきましょう。
立ち仕事が多い方
立ち仕事が多い人も、アキレス腱断裂に注意が必要です。
長時間立ち続けると、ふくらはぎなど下肢の筋肉が疲れ、アキレス腱周辺への負担が増える場合があります。
また、立ち仕事は同じ体勢を続ける場合が多いため、アキレス腱が硬くなり、柔軟性が低下する傾向があります。
そのため、立ち仕事の人はこまめな休憩を挟んだり、習慣的にストレッチを行ったりして、アキレス腱への負担をできるだけ軽減しましょう。
バスケ・バレーなどジャンプの多いスポーツをする方
ダッシュやジャンプ、着地、急加速、方向転換の動作では、ふくらはぎが急に縮んだり、強く引き伸ばされたりして、アキレス腱に瞬間的な強い張力が加わります。バスケットボールやバレーボール、テニス、サッカーなどは、こうした動きが多い競技です。
運動前には十分にウォームアップを行い、運動量や強度を段階的に高める意識を持ちましょう。
アキレス腱が切れる前兆・予兆に注意する
アキレス腱断裂は、明らかな前兆がないまま突然起こることが多い一方、断裂前にアキレス腱周辺の痛みや違和感などがみられる場合もあります。
主な前兆・予兆は以下のとおりです。
- アキレス腱に違和感がある・腫れている
- ふくらはぎやかかとが痛む
- 足のむくみがひどい
なお、これらが必ず断裂の前に現れるわけではない点に注意してください。こうした症状は、アキレス腱炎やその周囲の炎症の可能性もあります。
アキレス腱に違和感がある場合は、無理をせず運動量を調整し、症状が続くときは整形外科を受診しましょう。前兆について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
アキレス腱の再断裂を予防する3つのポイント
アキレス腱断裂から回復するまでの過程で再断裂してしまうと、治療期間がさらに長引いてしまう可能性があります。
再断裂を防ぐために注意すべきポイントは以下の3つです。
本章を参考に再断裂のリスクを減らし、日常生活へのスムーズな復帰を目指しましょう。
医師の指示どおりにリハビリを続ける
アキレス腱断裂の回復には、医師の指導に基づいたリハビリが欠かせません。
リハビリでは、負荷を徐々に上げていく計画が重要ですが、焦って無理をすると回復が遅れるだけでなく再断裂のリスクが高まります。
したがって、ストレッチや筋力トレーニングで徐々に強化し、柔軟性を保つように心がけましょう。
医師のアドバイスを守り、地道に取り組む姿勢がアキレス腱の再断裂を防ぐポイントです。
アキレス腱断裂のリハビリについては、以下の記事も参考にしてください。
運動復帰時は軽い動きから始める
アキレス腱の再断裂を防ぐために、運動復帰時は軽い動きから始めるのがポイントです。
急な負荷や激しい運動はアキレス腱に大きな負担をかけ、再断裂につながる可能性が高まります。
ウォーキングや軽いストレッチからスタートし、段階的に運動強度を上げるのが理想です。
ただし、違和感や痛みがある場合は無理をせず、すぐに医師に相談するようにしましょう。
なお、アキレス腱断裂の治療法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。アキレス腱断裂後、運動への復帰を予定している方は参考にしてください。
アキレス腱断裂の治療と予防に再生医療という選択肢
どれだけ予防に努めても、アキレス腱が断裂する可能性はゼロにはなりません。断裂した場合の治療には、大きく分けて、ギプスなどで固定する保存療法と、腱を縫い合わせる手術療法があります。
どちらの治療法を選ぶかは、断裂の状態や年齢、活動量などを踏まえて検討されます。アキレス腱の状態によっては、手術療法が選択されることもあるのです。
「どうしても手術は避けたい」とお考えの方は、組織の修復を目指す再生医療も検討してみてください。再生医療は、患者様自身の細胞などを用いて、損傷した組織修復を支えることを目指す治療です。
再生医療について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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アキレス腱断裂の予防は日々のストレッチとケアから
アキレス腱断裂を予防するには、日頃の適度な運動によりアキレス腱を鍛えておくことが大切です。
ストレッチや軽いトレーニングを通じて、アキレス腱を少しずつ丈夫にしていきましょう。
また、運動前には準備運動を怠らず、運動時は必ずクッション性の高い靴を選び、運動後のケアも忘れずに行ってください。
さらに、アキレス腱だけでなく、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋を柔軟に保つことで、アキレス腱への負担も軽減できます。
この記事を参考に、ぜひアキレス腱断裂の予防に取り組んでみてください。
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アキレス腱断裂の予防に関してよくある質問
アキレス腱を柔らかくするには何をすればいいですか?
アキレス腱そのものを無理に伸ばすのではなく、ふくらはぎ(下腿三頭筋)や足首まわりの柔軟性・動かしやすさを整えることが大切です。ストレッチやウォームアップを習慣にし、運動は低強度から段階的に進めましょう。
また、腱や筋肉が温まっていない状態で強く伸ばすと、かえって痛める原因になります。痛みがあるときは強く伸ばさず、心地良く伸びる範囲で行ってください。
アキレス腱が切れる確率はどのくらいですか?
個人が断裂する確率を、一律に示すことはできません。断裂のなりやすさは、年齢や性別、行う競技、運動習慣、腱の状態、これまでのけがの経験などによって変わるためです。
本記事で紹介した予防策を取り入れ、前兆となる症状があるときは早めに医療機関を受診しましょう。
アキレス腱断裂してから完治するまでどのくらいの期間がかかりますか?
アキレス腱断裂の治療期間は、保存療法か手術療法によって異なります。
ギプスなどによる固定期間と、スポーツ復帰できるまでの完治期間は以下のとおりです。
| 治療方法 | 保存療法 | 手術療法 |
|---|---|---|
| ギプスなどの固定期間 | 6〜10週間 | 4〜8週間 |
| スポーツ復帰までの期間 | 7〜9カ月程度 | 6〜9カ月程度 |
(文献1)
ただし、スポーツの種目によっても復帰時期は異なるため、主治医と相談することが大切です。
アキレス腱断裂後の癒着をほぐす方法はありますか?
アキレス腱断裂後に受傷箇所周辺の硬さや動かしにくさがある場合は、まず医師や理学療法士に相談しましょう。回復の段階に応じて、足首を動かす練習やストレッチ、アキレス腱周辺のマッサージなどが行われる場合があります。
なお、ストレッチやマッサージを開始する時期は、保存療法か手術療法か、腱の回復状態などによって異なります。自己判断でアキレス腱を強く揉んだり、無理に伸ばしたりせず、医師や理学療法士の指示に沿って進めてください。
参考文献
(文献1)
アキレス腱断裂|伊佐整形外科
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