-
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
痛風の予防や再発防止には、日々の食事内容が大きく関係しています。 プリン体を多く含む食品やアルコールの摂りすぎは尿酸値を上昇させ、痛風の発作を引き起こす原因となります。 しかし、食事を少し見直すだけで、尿酸値を安定させて痛風を予防・改善することが可能です。 本記事では、痛風と食事の関係についての解説と、プリン体を減らす食習慣や無理なく続けられる食事法を紹介します。 薬に頼りすぎず、食生活から体を整えたい方は、ぜひ参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 痛風について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 痛風と食事の深い関係|尿酸値を左右するのは毎日の食生活 痛風は、毎日の生活習慣が大きく影響する病気です。 とくに、食事は尿酸値の変動に深く関わっているため、日々の食生活を整えることが痛風の予防や改善につながります。 ここでは、日々の食事がどのように痛風の発症や悪化に関わっているのか解説します。 痛風は「尿酸」が関係する生活習慣病の一つ 痛風は、血中の尿酸が増え、関節内に結晶ができて炎症を起こす「代謝異常による関節炎」の一種で、とくに足の親指など末端部に強い痛みが生じるのが特徴です。 尿酸は、食事から摂取した「プリン体」という成分が体内で分解されてできる老廃物の一つで、本来は尿として体外に排出されます。 しかし、プリン体を多く含む食品を摂りすぎたり、水分不足で排出が追いつかなくなったりすると、尿酸が血液中にたまりやすくなります。 これは「高尿酸血症」と呼ばれる状態で、放置すると関節に尿酸結晶が沈着し、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。 乱れた食習慣は痛風を悪化させる最大の要因 痛風を悪化させる要因には、日常的な「食習慣の乱れ」が大きく関係しています。 たとえば、脂っこい食事やアルコールの摂りすぎ、水分不足、不規則な食事時間などは、尿酸の生成や排出バランスを乱します。 とくにアルコールは、体内で尿酸を増やすだけでなく、腎臓からの排出を妨げるため、痛風発作の引き金になりやすいとされています。 また、食事を抜いたり、極端なダイエットも、代謝バランスを崩し尿酸値を上昇させる要因です。 無理な制限をするよりも、日々の食事を少しずつ整えることが、痛風の予防につながります。 プリン体の摂りすぎが尿酸値を上げる理由 尿酸は、体内でプリン体が分解されることで生成されます。 プリン体自体はエネルギー代謝に欠かせない成分ですが、摂りすぎるとその分だけ尿酸が過剰に生成され、血液中の尿酸値が上昇します。 プリン体を多く含む食事を頻繁に摂ると、尿酸が増加しやすく、関節内に結晶として蓄積しやすくなり、痛風発作の原因となります。(文献1) 痛風を発症している場合は、プリン体を含む食品の摂取量を意識したバランスの良い食事を心がけましょう。 痛風の食事で避けるべき食品・飲み物 日々の食事は健康を支える基本ですが、知らないうちに痛風を悪化させる食習慣が身についている場合もあります。 痛風を悪化させないためには、尿酸をためやすい食べ物や飲み物を理解しておくことが重要です。 ここでは、痛風の悪化を防ぐために控えたい食品や飲み物の種類について詳しくみていきましょう。 プリン体を多く含む食品 プリン体は体内で尿酸に分解されるため、摂りすぎると血液中の尿酸値を上昇させます。 とくに、肉類・魚卵・レバーなどの内臓類・乾物類などに多く含まれており、過剰摂取は痛風発作の引き金になります。 以下の表は、食品100g中のプリン体含有量の一例です。 【食品100g中のプリン体含有量】(文献2) 食品名 プリン体含有量(mg/100g) 鶏レバー マイワシ(干物) タラ・ふぐ(白子) あんこう(肝酒蒸し) 健康食品(DNA/RNAなど) 約300mg~ 豚・牛レバー カツオ マイワシ マアジ・サンマ(干物) エビ 約200~300mg 肉類(豚・牛・鶏)の多くの部位 魚類 ブロッコリースプラウト ほうれんそう(芽) 約100~200mg 肉類(豚・牛・羊)の一部 魚類の一部 カリフラワー ほうれんそう(葉) 約50~100mg ※数値は一般的な成分表をもとにしたおおよその目安です。 上記の数値を目安に、プリン体の摂りすぎを防ぐよう意識しましょう。 アルコールの過剰摂取は要注意 アルコールは、体内で尿酸を増やすだけでなく、腎臓からの尿酸の排出を妨げる働きもあります。 とくにビールや日本酒はプリン体を多く含み、日常的に飲みすぎると尿酸値が上昇しやすくなります。 一方、焼酎・ウイスキーなどの蒸留酒はプリン体が少ないものの、アルコールそのものが尿酸の排出を阻害するため、過剰摂取は禁物です。 飲酒をする場合は、週に2日以上の休肝日を設けたり、水や炭酸水などで割って飲むことがポイントです。 飲み方を少し工夫するだけでも、痛風発作のリスクを抑えることができます。 外食・コンビニで避けたいメニュー例 外食やコンビニ食品は手軽で便利な反面、脂質や塩分、プリン体が多く含まれているものが多い傾向があります。 なかでも唐揚げ・ハンバーグ・ラーメン・カレーライスなどは、肉類や油を多く使用しており、尿酸値を上げやすい代表的なメニューです。 また、丼ものやセットメニューも炭水化物や動物性たんぱく質が多く、バランスを崩しやすくなります。 外食の際は、野菜や海藻の小鉢を追加する、主菜を魚や豆腐料理に置き換えるなど、少しの工夫で栄養バランスを整えられます。 コンビニ食品では、サラダ・ゆで卵・おにぎり(鮭や梅など)を選ぶなど、無理なく続けられる工夫を意識しましょう。 糖質・果糖の多い飲み物にも注意 清涼飲料水やフルーツジュース、エナジードリンクなどに含まれる「果糖」は、体内で分解される際に尿酸を生成します。 そのため、糖分の多い飲み物を頻繁に摂ると、知らず知らずのうちに尿酸値を上げてしまう可能性があります。 また、スポーツドリンクや加糖コーヒー、缶入りの紅茶飲料なども注意が必要です。 どうしても甘い飲み物が欲しいときは、果汁100%ジュースを少量に抑える、ノンカロリー飲料を選ぶなど、上手にコントロールしていきましょう。 尿酸を下げる効果が期待できる食材 痛風の改善には、尿酸値を上げにくい食材を選び、体の代謝をサポートすることが大切です。 とくに野菜や果物、乳製品には、尿酸をため込みにくくしたり、炎症をやわらげる働きを持つ成分が含まれています。 ここでは、尿酸値のコントロールに役立つ食材と、その栄養成分の特徴を紹介します。 フルーツ|バナナ・さくらんぼ・ベリー系 果物の中でも、バナナやさくらんぼ、ブルーベリーなどのベリー系はカリウムを豊富に含んでおり、体内の塩分バランスを整えて尿酸の排出を促します。 さらに、さくらんぼやベリー類に含まれるアントシアニンには抗酸化作用があり、炎症を和らげる働きが期待できます。 ただし、果物でもブドウやマンゴーなどの果糖が多いものは、尿酸を増やす可能性があるため、1日1〜2皿を目安に適量を守って摂取することが大切です。 野菜|トマト・玉ねぎ トマトや玉ねぎには、尿酸値を安定させる効果が期待できる成分が含まれています。 トマトに多いリコピンには抗酸化作用があり、炎症や血流の悪化を防ぐことで体内環境を整えます。 また、玉ねぎに含まれるケルセチンは、尿酸の生成を抑える作用を持つとされており、動物性食品と組み合わせることでよりバランスの良い食事になります。 日々の食卓では、サラダやスープ、炒め物に取り入れるなど、無理なく続けられる形で摂ることを意識しましょう。 きのこ類|しめじ・しいたけ・えのき きのこ類はプリン体が比較的少なく、安心して摂取できる食材です。 なかでも、しめじ・しいたけ・えのきなどは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えると同時に尿酸の排出もサポートします。 また、カロリーが低いため、食べすぎによる体重増加を防ぐ効果も期待できます。 炒め物や味噌汁、鍋料理など、日常のメニューに取り入れやすいのも魅力です。 肉や魚の代わりに一部をきのこに置き換えると、プリン体を抑えつつ満足感のある食事ができます。 乳製品|低脂肪ヨーグルト・低脂肪牛乳 低脂肪のヨーグルトや牛乳には、カゼインやラクトアルブミンなどのたんぱく質が含まれており、尿酸の排出を促す働きがあるとされています。 さらに、乳製品はプリン体をほとんど含まないため、痛風の方でも安心して摂れる食品です。 カルシウムの補給にもつながり、骨や筋肉の健康維持にも役立ちます。 毎日の習慣として、朝食や間食に低脂肪ヨーグルトを取り入れるなど、無理なく続けられる方法を意識すると良いでしょう。 痛風の予防・改善に役立つ栄養素と食事のポイント 痛風の予防・改善には、プリン体を控えるだけでなく、尿酸の排出を促す栄養素を意識的に取り入れることも大切です。 また、日々の食事の組み合わせや水分摂取の工夫からでも、尿酸値の安定をサポートできます。 ここでは、尿酸値を下げる効果が期待できる栄養素と、食事で無理なく摂取するポイントについて解説します。 尿酸の排出を助ける栄養素 尿酸の排出を促すためには、体内の代謝を整える栄養素を積極的に摂ることが大切です。 なかでもカリウム・ビタミンC・マグネシウムは、痛風の予防や再発防止を支える栄養素で、次のような効果が期待できます。 以下のように表にまとめました。 栄養素 効果・特徴 カリウム ・体内の塩分バランスを整え、尿の排出を促して尿酸を体外に排出しやすくする ・野菜・果物・海藻類に豊富に含まれる ビタミンC ・尿酸値を下げる作用があるとされている ・果物やブロッコリー・ピーマンなどに多く含まれる マグネシウム ・細胞のエネルギー代謝を助け、腎臓の働きをサポートする ・ナッツ類・大豆製品・全粒穀物に多く含まれる 上記の栄養素を日常的に摂取すると、体の中で尿酸をためにくくする習慣をつくることができます。 プリン体の少ない食材を使って主菜・副菜を組み合わせる 痛風を予防するためには、食材の組み合わせ方も重要です。 たとえば、次のようなプリン体が少ない食材を中心とした主菜・副菜の組み合わせは、満足感を保ちながら尿酸の上昇を防ぐことができます。 【おすすめの食材組み合わせ例】 鶏むね肉+豆腐+野菜の炒め物 白身魚+きのこ+海藻サラダ 豚しゃぶ+冷やしトマト+お浸し また調理方法も、揚げ物よりも茹でる・蒸す・焼くなどの方法を選ぶとさらに効果的です。 こまめな水分摂取で尿酸を排出 尿酸は尿として体外に排出されるため、水分摂取が欠かせません。水分が不足すると尿量が減り、尿酸が体にたまりやすくなります。 そのため、1日あたり1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分摂取が大切です。飲み物は、水・麦茶・炭酸水などのカフェインや糖分を含まないものがおすすめです。 起床時・食事中・入浴後など、少しずつ分けて飲むと、体に負担をかけずに尿酸の排出を促せます。 とくに痛風を繰り返している方は、「喉が渇いたと感じる前に飲む」習慣を意識しましょう。 尿酸値を安定させるための1日の理想的な食事メニュー(献立) 食材の選び方や食べるタイミングを少し意識するだけでも、尿酸値の安定や発作の予防につながります。 ここでは、尿酸値を安定させるための理想的なメニュー例を朝・昼・夜・間食のタイミング別に紹介します。 朝食 朝食は、寝ている間に低下した代謝を整え、尿酸の排出をスムーズにするために欠かせません。 おすすめは、和食スタイルで栄養バランスを整えることです。 【メニュー例】 主食 :ごはん 主菜・副菜:納豆や野菜の小鉢 汁物 :味噌汁 その他 :牛乳・ヨーグルトなど 納豆は、植物性たんぱく質が豊富でプリン体が少なく、痛風対策に適しています。 また、朝の一杯の水や牛乳で尿酸排出を促すとより効果的です。 昼食 昼食が外食やコンビニ食品が多い場合でも、選び方次第で尿酸値の上昇を抑える工夫ができます。 揚げ物や肉中心のメニューを避け、バランスの取れた定食を選びましょう。 【メニュー例】 場所 おすすめメニュー 外食 そば+野菜+豆腐 定食 焼き魚定食(冷奴付き) コンビニ おにぎり(鮭・梅)+サラダ+味噌汁 夕食 夕食は一日の疲れを癒す時間ですが、食べすぎやアルコールの飲みすぎは尿酸値を上げる原因になります。 肉や魚は控えめにし、野菜や海藻・豆腐でかさ増しするなど、食事のボリュームを抑えつつ、満足感を両立する工夫が大切です。 【メニュー例】 主菜 :豚しゃぶ(少量) 副菜 :豆腐・わかめと野菜のサラダ 汁物 :野菜たっぷりの味噌汁 飲み物:麦茶・炭酸水 間食・飲み物 間食や飲み物の選び方も、尿酸コントロールに大きく関係します。 糖分を多く含むお菓子や清涼飲料水は尿酸を上げやすいため控えましょう。 【おすすめ食品・飲み物】 無糖ヨーグルト ナッツ(無塩アーモンド・くるみなど) 果物(バナナ・さくらんぼ・ベリー類など) 飲み物:水・麦茶・炭酸水・牛乳 水分は1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに摂るようにしましょう。 痛風の再発を防ぐために見直したい食習慣と生活リズム 痛風は一度発症すると、再発を繰り返しやすい傾向があります。 再発を繰り返さないためには、日々の生活リズムや飲酒習慣を整え、尿酸値の安定を維持することが大切です。 ここでは、痛風の再発を防ぐために見直したい食習慣と生活のポイントを紹介します。 1日3食をバランスよく摂る 食事を抜いたり、まとめて摂ると、体内の代謝バランスが崩れ、尿酸値が急上昇しやすくなります。 とくに、空腹状態が長く続いたあとに高たんぱく・高脂質の食事をとると、尿酸の生成が一気に増える可能性があります。 1日3食を規則正しく摂ることで、血糖値と尿酸値の変動を安定させることができます。 朝食・昼食・夕食をなるべく同じ時間にとり、間食を上手に活用しながらエネルギーを分散させましょう。 アルコール休肝日を週2日以上設ける 毎日のように飲酒していると、肝臓や腎臓への負担が蓄積し、痛風の再発リスクが高まります。 痛風の再発を防ぐためには、週に2日以上の休肝日を設けて肝臓を休ませることが大切です。 どうしても飲酒をする場合は、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選び、水や炭酸水で割るなど、飲み方を工夫して負担を減らすようにしましょう。 食べる順番を意識する 同じ食事内容でも、食べる順番によって体への影響が変わります。 とくに、野菜やきのこ類などの食物繊維を最初に食べる「ベジファースト」は、血糖値の上昇をゆるやかにし、尿酸の過剰生成を防ぐ効果が期待できます。 ベジファーストを意識して食事する際は、野菜→たんぱく質(肉・魚・豆腐など)→ごはんやパンの順に食べるようにしましょう。 この食べ方は満腹感を得やすく、食べすぎの防止にもつながります。 塩分や脂質の摂りすぎに注意する 塩分や脂質を摂りすぎると、腎臓や肝臓に負担がかかり、尿酸を排出する力が弱まります。 加工食品や外食メニューには塩分や脂質が多く含まれているため、味付けを控えめにする工夫が重要です。 調理の際は、出汁やレモン汁・香味野菜などを活用して風味で満足感を出すとよいでしょう。 また、脂質は揚げ物ではなく、オリーブオイルや青魚などの良質な脂を少量取り入れるのがおすすめです。 痛風の新しい選択肢「再生医療」という考え方 痛風の管理には尿酸値のコントロールが重要です。 食事でのプリン体制限に加えて、再生医療による治療も選択肢の一つとなる場合があります。 再生医療では、自己の幹細胞を採取・培養して点滴にて投与します。 幹細胞が持つ、他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用する治療法です。 以下は糖尿病に対する当院の症例です。治療前の尿酸値は8.1mg/dL、治療後は3.1mg/dLでした。 詳しい治療の経過については、以下の症例記事をご参照ください。 まとめ|食事と生活習慣の改善で痛風は予防・改善できる 痛風は、食事内容や生活リズムの見直しによって予防・改善が十分に可能な病気です。 プリン体を多く含む食品やアルコールの摂取を控え、野菜や乳製品など尿酸の排出を助ける食材を積極的に取り入れることで、再発を防ぎやすくなります。 また、1日3食をバランスよく摂ることや、十分な水分補給、適度な運動など、日常の小さな習慣も尿酸値の安定に大きく関わります。 もし食事や生活を見直しても痛みが続く場合は、医師や専門機関へ相談し、適切な治療を受けましょう。 痛風と上手に付き合っていくには、自分の体と向き合いながら、無理のない範囲で生活を整えることが大切です。 痛風の食事治療に関するよくある質問 痛風でもコーヒーやアルコールを飲んでも問題ありませんか? 痛風でも適量であれば、コーヒーの摂取は問題ありません。 一般的に推奨されるコーヒーの摂取量は1日3〜4杯(カフェイン摂取量400mg未満)が目安とされています。 ただし、痛風の重症度や体質によってはカフェインの影響を受けやすい場合もあるため、体調を見ながら調整することが大切です。 一方、アルコールは尿酸値を上昇させる要因となるため注意が必要です。 尿酸値への影響を最低限にするため、以下の摂取量を目安に、週2日以上の休肝日を設けて節度ある飲酒を心がけましょう。 日本酒1合 ビール350mL~500mL(販売元によって異なる) ウイスキー60mL ワイン148mL まで 尿酸値を下げる食品の一覧はありますか? 株式会社三和化学研究所が公開している「プリン体の摂りすぎに注意!」では、食品に含まれるプリン体の一覧表が掲載されています。(文献2) また、野菜や豆類、きのこ類、海藻類は低カロリーで、尿酸の排泄を促す食物繊維を多く含みます。 これらの食品には尿をアルカリ性に傾ける働きがあり、尿酸が尿に溶けやすくなることで、尿酸結石の予防にも役立ちます。 より具体的な食事管理については、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。 痛風のときに肉を食べても大丈夫ですか? 肉に含まれるたんぱく質は、体の修復に欠かせない栄養素のため、摂取量と頻度を調整すれば問題ありません。 たとえば、鶏むね肉・ささみ・豚もも肉などを選び、1食あたり80〜100g程度を目安にすると良いでしょう。 また、炒める・揚げるよりも「茹でる・蒸す」など脂質を落とす調理法を選ぶと、体への負担を減らせます。 肉だけでなく豆腐や魚、野菜などを組み合わせて栄養バランスを整えることが再発予防につながります。 参考文献 (文献1) 「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」2018年12月|日本痛風・核酸代謝学会 (文献2) プリン体の摂りすぎに注意!|株式会社三和化学研究所
2024.09.09 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
甲状腺を半分摘出手術の予定があり「手術したら後遺症は出るのだろうか」と不安に感じている人もいるかもしれません。 実際、甲状腺を半分摘出する手術のあと、声かれやホルモンバランスの乱れ、体調不良といった症状が現れるケースがあります。 この記事では、甲状腺半分摘出で起こりうる後遺症や合併症、具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。 本記事で適切な知識と対処法を知ることで、甲状腺の手術の不安が少しでも和らげられれば幸いです。 甲状腺手術後の後遺症に対し、お悩みの方は再生医療というもご検討ください。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後の「声がれ」がなかなか元に戻らない ホルモンバランスの乱れや、原因のわからない体調不良が続いている 薬物療法やリハビリ以外の治療法を探している 「この不調と、いつまで付き合えばいいのか」 「後遺症が残ったらどうしよう」と悩まれる前に、ご自身の細胞を使った根本的な治療の選択肢として、まずは当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談にて、お気軽にご相談ください。 甲状腺の半分摘出したときに現れる主な後遺症 甲状腺を半分摘出する手術を受けた後、声や体調に変化を感じる方がいます。 これは手術が声帯やホルモン分泌、カルシウム吸収に影響を与えるためです。 術後の起こりうる主な後遺症は以下のとおりです。 声がかすれるなどの声帯への影響 ホルモンバランスの乱れ カルシウム不足が引き起こす体調不良 手術による傷跡の痛みや違和感 ここでは、手術後に起こりやすい後遺症について、わかりやすく説明します。 声がかすれるなどの声帯への影響 甲状腺の近くには、声帯を動かすための神経(反回神経)が通っています。 手術でこの神経が傷つくと、声がかすれたり、出にくくなったりする場合があります。 これは「反回神経麻痺」と呼ばれる後遺症です。(文献1) 程度には個人差があり、一時的なものから長引くものまでさまざまです。 また、声が低くなる、話し続けると疲れるなどの症状も後遺症として挙げられます。 ホルモンバランスの乱れ 甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌する臓器です。 半分摘出すると、ホルモンの分泌量が減少しホルモンバランスが乱れるケースがあります。 女性の場合は、月経不順や更年期障害のような症状が現れることもあるでしょう。 また、甲状腺ホルモンが不足すると、全身の倦怠感やむくみ、体重増加などが起こる可能性もあります。 カルシウム不足が引き起こす体調不良 甲状腺の裏側には、カルシウムのバランスを調整する副甲状腺があります。 手術で副甲状腺が傷つくと、カルシウム不足に陥り、手足のしびれや筋肉のけいれんが起こる場合があります。 また、長期的には骨がもろくなるなどのリスクも考えられますので、日常的にカルシウムを含む食品を意識して摂取するのも大切です。 手術による傷跡の痛みや違和感 甲状腺の手術では、首元に切開を行うため傷跡が残ります。 傷跡は時間の経過とともに薄くなっていきますが、体質によっては、赤く盛り上がったり、痛みやかゆみを感じたりするケースもあるでしょう。 また、傷跡が気になって首元を隠す服装ばかりになってしまうなど、精神的なストレスを感じる可能性もあります。 甲状腺摘出で起こりやすい合併症・後遺症 甲状腺の摘出手術は、以下のような術後に特有の合併症や後遺症が発生する可能性があります。 反回神経麻痺 甲状腺機能低下症 副甲状腺機能低下症 乳糜漏(にゅうびろう) ここでは、4つの合併症や後遺症について、手術後に起こりやすい主な症状と特徴を詳しく説明します。 反回神経麻痺 反回神経は甲状腺の裏側を通り、声帯を動かす筋肉を支配する重要な神経です。 左右に1本ずつ存在し、片側が損傷すると声帯が動きにくくなり、声がかすれる反回神経麻痺が生じます。 手術中のわずかな刺激でも麻痺を引き起こす可能性があり、多くは半年以内に改善しますが、まれに永続的に残る場合もあります。 また、左右両方の反回神経が損傷した場合、声を出せないだけでなく呼吸困難に陥り、命に関わる危険性があるため、迅速な対応が必要です。 反回神経麻痺の治療法 反回神経麻痺によるかすれ声が改善しない場合は、声帯に対する手術で症状を和らげる方法があります。 また、両側の反回神経麻痺で呼吸が困難な場合には、喉仏の下に空気の通り道を作る気管切開が必要になる場合もあります。 甲状腺機能低下症 甲状腺がんの手術では、甲状腺を摘出する必要があります。 とくに半分以上を摘出すると、甲状腺ホルモンの分泌が低下する可能性があります。 また、ホルモンが不足すると代謝バランスが乱れ、体調を崩しやすくなるのが特徴です。 この状態を甲状腺機能低下症と呼びます。 甲状腺機能低下症の治療法 治療には甲状腺ホルモン剤の内服が必要です。 この薬で不足したホルモンを補充しますが、基本的に生涯にわたって服用を続ける必要があります。 副甲状腺機能低下症 副甲状腺は甲状腺の裏にくっついており、左右2個ずつ存在する臓器です。 非常に小さな臓器ですが、副甲状腺ホルモンという物質を分泌して血液中のカルシウムやリン濃度を調節する働きがあります。 甲状腺がんの手術で甲状腺を摘出する際に副甲状腺も一緒に摘出されたり、副甲状腺を栄養する血流の低下などにより、術後に副甲状腺機能低下症を起こす可能性があります。 副甲状腺機能低下によって副甲状腺ホルモンが不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下し、手や口のしびれやけいれんを引き起こすテタニーと呼ばれる症状が生じる可能性があります。 副甲状腺機能低下症の治療法 治療には、カルシウム製剤の内服と、カルシウム吸収を助けるビタミンDの補充が行われます。 副甲状腺をすべて摘出した場合は、生涯にわたり服用が必要です。 一方、副甲状腺が一部でも残されている場合、機能が回復し補充が不要になるケースも少なくありません。 乳糜漏(にゅうびろう) 乳糜漏(にゅうびろう)は、リンパ液が漏れ出す稀な合併症です。 手術後に首元の腫れや液体が滲み出るような症状が見られる場合に疑われます。 発症すると治療が必要となるため、早期の診断が重要です。 乳糜漏の治療法 多くの場合は安静や圧迫によりリンパ液の漏出を止められますが、まれに再手術が必要となり、漏れている箇所を閉じる処置を行うケースもあります。 甲状腺半分摘出後の後遺症を和らげるには? 甲状腺の半分を摘出した後、後遺症の発生や生活の変化に不安を感じる方は少なくありません。 しかし、適切なケアを行えば症状を和らげ、生活の質を保つことができます。 本章では、後遺症を軽減するための具体的な方法を4つ紹介します。 医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う 規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る 術後後遺症に対する再生医療を検討 術後の不安解消のためにも、チェックしておきましょう。 医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う 手術後、甲状腺ホルモンの不足や声の変化が現れる場合があります。 これらの症状に対処するためには、医師が処方する薬を服用したり、音声リハビリなどが効果的です。 とくにホルモン補充療法は、甲状腺ホルモンのバランスを維持するために重要です。 医師の指導に従い治療を継続していけば症状が改善する可能性が高まります。 規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける ホルモンバランスを整えるためには、生活習慣の見直しが必要です。 栄養バランスの良い食事を意識し、カルシウムやビタミンDを多く含む食品を取り入れるのがおすすめです。 また、十分な睡眠を確保し、生活リズムを整えると体調の安定が期待できます。 健康的な生活習慣が後遺症の軽減に役立つでしょう。 ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る 術後のストレスは体調を悪化させる要因となるため、適度な運動やリラクゼーションが重要です。 たとえば、軽いウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かしていると、ストレスの軽減が期待できます。 さらに、心の健康を保つためには、休息やリフレッシュの時間を積極的に取り入れていくのも効果的です。 術後後遺症に対する再生医療を検討 近年、術後の後遺症治療の選択肢として注目されているのが「再生医療」です。 たとえば、損傷した声帯や甲状腺組織の再生を促す治療法が研究されています。 再生医療はまだ一般的ではありませんが、興味のある方は医療機関や専門医に相談して治療法を検討してみるのも良いでしょう。 まとめ|甲状腺摘出後の後遺症と対策は理解しておこう! 甲状腺の半分を摘出すると、声の変化や体調の変化といった後遺症が起こる可能性があります。 ただし、適切な治療や生活習慣の見直しによって症状を和らげられます。 本記事で紹介した対策を活用し、不安を減らしながら術後の生活を前向きに過ごしていきましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症に対して再生医療を行っております。 新しい治療法に興味がある方は、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。 甲状腺を半分摘出した際の後遺症に関する質問 甲状腺摘出後に疲れやすいのはなぜですか? 甲状腺摘出後に疲れやすくなる理由は、甲状腺ホルモンの不足が関係しています。 分泌量が減るとエネルギーの生産が低下し、倦怠感や疲労感を感じやすくなるのです。 しかし、適切なホルモン補充療法を行えば、これらの症状を改善できる可能性がありますので、気になる方は早めに医師に相談してみましょう。 甲状腺手術のデメリットはありますか? 甲状腺手術には、後遺症や合併症が発生するリスクがあります。 具体的には、声がかすれる反回神経麻痺や、ホルモンバランスの乱れ、副甲状腺の機能低下などが挙げられます。 ただし、事前にリスクを把握し、術後のケアをしっかり行えば多くの症状を予防・軽減することが可能です。 また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症が気になる方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。 まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献 (文献1) 小川真.甲状腺術後嗄声の頻度およびリスク因子と音声改善手術の問題点.日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌2016(33,4) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/33/4/33_224/_html/-char/ja
2024.09.03 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「乳がんの手術後の痛みはいつまで続くの?」 「受診すべき痛みやその他の注意すべき症状はある?」 手術の傷の痛みに関しては、数日から数週間で落ち着きます。しかし、手術により静脈や神経を損傷していた場合は、数カ月以上にわたり痛みが長引くこともあります。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みや、手術側だけの腫れを伴う痛みは、感染症やリンパ浮腫のおそれがあるため注意が必要です。 本記事で、乳がんの手術後の痛みをはじめとして、以下を解説します。 放射線治療による痛み 受診すべき痛み 痛みを引き起こす合併症 痛みを軽減する方法 再発・転移が疑われる症状に関しても解説しています。乳がんの手術後の痛みに関して詳しく知りたい方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 がんの再発予防に関する再生医療について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 乳がんの手術後の痛み【経過別】 乳がんの手術後の痛みは、以下のような経過をたどります。 経過 痛みの主な原因 手術直後から3日 切開による痛み 手術後3〜20日 感覚の回復による痛み それぞれについて詳しく解説します。 手術直後から3日|切開による痛み 手術直後は、手術時に切開した傷の痛みが目立ちます。傷の痛みのピークは3日程度です。(文献1)感覚が鈍くなっていることもあり、3日を過ぎると少し治まります。痛みの他にも赤みや腫れ、熱感などの症状が現れます。 手術後3〜20日|感覚の回復による痛み 手術後3〜20日は、傷の修復が進み突っ張り感が現れます。2〜3週間経過すると、感覚が戻ってくるため痛みも少し現れてきます。(文献1) この時期に、摩擦や伸展による刺激、テープを剥がすときの刺激などを傷に与えてしまうと、傷がきれいに治らないおそれがあるため注意が必要です。また、紫外線は避けてください。 刺激を与え続けてしまうと、傷跡の組織が過剰に増殖して、外に盛り上がってしまうケロイドと呼ばれる状態になるおそれがあります。ケロイドになってしまうと痛みやかゆみが増強します。ケロイドを予防するためにも、傷のケアは医師や看護師の指示に従って丁寧に行ってください。 乳がんの手術後の放射線治療による痛み 乳がんの手術後は、残っている可能性のある微細ながん細胞を消滅させるために放射線治療を行います。通常、照射中に痛みは現れません。 首の付け根辺りに照射する場合は、食道の一部に放射線が当たるため、飲み込む際に一時的な痛みが現れることがあります。乳房温存手術後の照射は、乳房の痛みや軽度の腫れなどの副作用が現れることがあります。 乳がんの手術後の受診すべき痛み|感染症や再発・転移 乳がんの手術後に注意すべきは、感染症やリンパ浮腫、再発・転移です。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みがある場合は感染症を疑ってください。 手術側だけ腫れて痛みが伴う場合は、リンパ浮腫のおそれがあります。再発・転移が疑われる痛みは、腰痛や関節痛、骨の痛みなどです。 再発・転移は、痛みだけで判断するのは難しいため、以下のような項目を確認してください。 乳房の一部に盛り上がりがないか 乳房に赤みや腫れ、へこみ、ひきつれはないか 乳頭に陥没やただれはないか 乳頭から透明、茶色、赤色の分泌物は出ていないか 疑われる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 【関連記事】 乳がんかもしれない12の症状を医師が解説|早期発見のポイントもあわせて紹介 【医師監修】乳がんセルフチェックのやり方を解説|やりすぎNGな理由や受診の目安も紹介 再発予防のための再生医療 がんの再発予防の治療方法の一つとして再生医療があります。再生医療とは、自己の細胞を特定の部位に投与して、体が持つ自然治癒力を引き出す治療方法です。 がん予防または再発予防を目的とした高活性NK細胞免疫療法という治療方法があります。NK細胞(ナチュラルキラー)とは、体内に潜む細菌やウイルス、がん細胞を発見して攻撃する白血球の一種です。 高活性NK細胞免疫療法では、培養をして数を増やしたNK細胞を投与することで、免疫力を高めることができます。 がん予防に関する再生医療について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。 乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症 乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症として、以下が挙げられます。 乳房切除後疼痛症候群 Mondor病(モンドール) リンパ浮腫 それぞれの合併症について詳しく解説します。 乳房切除後疼痛症候群 乳房切除後疼痛症候群とは、手術による神経損傷が原因で長期間痛みが続く合併症です。乳房や脇、上腕の内側にピリピリチクチクとした痛みやしびれが、数カ月から数年にわたり続く場合があります。 乳房切除後疼痛症候群は以下の割合で出現しており、まれな合併症ではありません。 国内報告:術後2年以内で30% 海外報告:術後6カ月で52%、術後9年でも48%(文献2) なお、上記の出現割合は、脇の下にあるリンパ節とその周囲の脂肪組織を切除する腋窩郭清(えきかかくせい)を実施した場合です。日常生活を妨げるほどの痛みが現れる場合は、痛み止めの薬で対応するのが一般的です。 Mondor病 Mondor病とは、静脈に炎症と閉塞が起きる合併症です。乳がんの手術が原因で発生することがあります。主な症状は、脇の下から上腕の内側にかけて現れる、線状のつっぱり感や痛みです。通常は1〜3カ月ほどで改善する良性の合併症です。 術後1年ほど続くこともありますが、乳がんの再発とは関係ありません。Mondor病が現れている時期の上肢のリハビリは、医師と相談しながら無理のない程度に続けてください。 リンパ浮腫 リンパ浮腫とは、リンパ液が過剰に溜まった状態のことです。乳がんの手術で、リンパ節を切除したことにより起きる場合があります。脇の下に放射線治療を行うと、リンパの流れが悪くなってリンパ浮腫が起きることもあります。 リンパ浮腫の主な特徴は以下のとおりです。 手術側の腕や脇の下がむくむ 炎症が起きやすい 痛みが現れないことが多い 皮膚の変色はない 悪化すると治りにくい特徴があります。「上腕に左右差がある」「腕がだるい、重たい、腫れている」などの症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 乳がんの手術後の痛みを軽減する方法 乳がんの手術後の痛みを軽減する主な方法は以下のとおりです。 痛み止めを服用する 圧迫しない衣類を選ぶ それぞれについて詳しく解説します。 痛み止めを服用する 乳がんの手術後の痛みをできるだけ和らげることは重要です。最初に痛みを我慢すると、後々まで痛みが残ってしまうことがあるためです。 手術後に使用する痛み止めには、以下のような種類があります。 痛み止めの種類 特徴 非ステロイド性抗炎症薬 体内の炎症や痛みに関わる物質の合成を阻害して痛みを鎮める アセトアミノフェン製剤 脳の中枢神経に作用して痛みを鎮める 副作用の観点から痛み止めの服用に抵抗がある方もいます。しかし、術後の痛み止めの服用は一時的なものです。短期間の痛み止めの服用で副作用が現れることは少ないです。 圧迫しない衣類を選ぶ 乳がんの手術後に締め付けの強い衣類を着ると、痛みやむくみの原因になります。 とくに下着は以下を参考にして選択してください。 圧迫されないゆったりサイズ 肌にやさしく伸縮性のある素材 ワイヤーの入っていないタイプ 着脱や留め外しがしやすいもの 肩ひもが食い込みにくい幅広いもの パッドの取り外しが可能なもの 乳がん用の補整下着も販売されています。ワイヤー入りの下着の着用は、医師に確認してからにしましょう。 まとめ|乳がんの手術後の痛みが急激に悪化した場合は医療機関に受診しよう 乳がんの手術直後の痛みは、通常は数週間で落ち着きます。慢性の痛みは、乳房切除後疼痛症候群やMondor病などにより起きることがありますが、出現の有無や痛みの持続期間には個人差があります。 注意すべき症状は「傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛み」「手術側だけの腫れを伴う痛み」「急激な痛みの悪化」などです。これらは、感染症やリンパ浮腫などなんらかの合併症が起きている疑いがあります。 腰痛や関節痛、骨の痛みなどに加えて、乳房にへこみやひきつれなどが現れている場合に関しては、再発・転移のおそれがあります。気になる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的とした免疫細胞療法を行っております。詳しくは以下をご覧ください。 乳がんの手術後の痛みに関するよくある質問 一般的にいつまで痛みは続く? 手術後の急性期の痛みは数週間で改善します。一方、慢性の痛みについては、出現の有無や痛みの持続期間に個人差があります。 術後1〜2年続く痛みの原因は? 神経損傷による乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。まずは痛みの原因を調べるために医療機関を受診してください。 チクチクする痛みは問題ない? チクチクする痛みは、神経の損傷が原因で起こる乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。再発に関連のない痛みですが、適切な対応をするために医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 乳癌手術後の傷のケアについて|総合南東北病院 (文献2) ペインクリニックにおける加療により乳房切除後疼痛症候群の症状が改善した2症例|日本ペインクリニック学会誌
2024.08.28 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
胃がんは、日本で罹患数が多いがんのひとつです。 手術によって治療を行うケースも多いですが、術後はダンピング症候群や下痢、栄養障害、胆石症、骨粗鬆症などさまざまな後遺症が起こる可能性があります。 症状に応じて食事療法や栄養補助食品の使用、手術などが行われます。 また、近年では長く続く痛みや長期的ながん予防には再生医療といった新しい選択肢もあります。 この記事では、胃がんの症状や原因、診断や治療法の他、術後の後遺症の種類や後遺症に対する対処法、また、再生医療の可能性について詳しく解説していきます。 胃がんの手術をこれから受ける予定で術後について不安がある方、また術後後遺症でお悩みの方はぜひ参考にしてください。 胃がん手術後の後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 胃がん手術後の後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 胃がん手術後の後遺症と対処法 胃がんの手術後には「胃切除後症候群」と呼ばれるさまざまな後遺症があらわれることがあります。 代表的な後遺症として、以下が挙げられます。 ダンピング症候群 貧血 消化・吸収不良(体重減少) 骨粗鬆症 胆石症・胆嚢炎 これらの後遺症は症状の内容や程度によって対応方法が異なります。 たとえば、食事の摂り方を工夫したり、薬物療法や栄養補助食品を取り入れることで改善を目指すことが可能です。 なかには時間の経過とともに軽快するものもありますが、長引く症状は放置せずに医師へ相談することが大切です。 ①ダンピング症候群 胃を切除すると食べ物を一時的にためる容量が減り、胃酸の分泌も少なくなります。 その結果、通常よりも濃い内容物が一気に腸内へ流れ込み、ダンピング症候群が起こります。 食後すぐに動悸・立ちくらみ・めまい・吐き気・発汗などが出るのを「早期ダンピング症候群」、食後2~3時間後に疲労感・失神・手の震えなどが出るのを「後期ダンピング症候群」と呼びます。 対処法 1時間以上かけてゆっくり食べる 1回の食事量を減らして1日5~6回に分けて食事する よく噛んでから飲み込む 食事中の水分摂取を減らす ②貧血 胃酸の分泌が減ることで胃からの鉄の吸収が妨げられ、胃の切除から数カ月で鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。 さらに数年経つと、胃の壁から分泌される内因子というビタミンB12の吸収を助ける糖たんぱく質が減り、ビタミンB12欠乏による貧血が生じることもあります。 対処法 鉄剤の内服 ビタミンB12注射補充 ③消化・吸収不良(体重減少) 胃酸や消化酵素の働きが低下し、さらに手術で迷走神経を切除すると消化管の動きも弱くなります。 その結果、栄養をうまく吸収できず体重が減少してしまいます。 対処法 一度に多く食べず、少しずつ時間をかけて食べる 医師や栄養士に相談しながら食事の調整を行う 少量で効率よく栄養が取れる補助食品を活用する ④骨粗鬆症(こつそしょうしょう) 胃を切除すると胃酸分泌の減少や腸内細菌の変化が起き、カルシウムの吸収が低下します。 その結果、骨がもろくなり骨粗鬆症のリスクが高まります。 対処法 カルシウムやビタミンD製剤の服用 骨密度を上げる薬の使用 ⑤胆石症・胆嚢炎 胃切除後は胆嚢の動きが弱まり、胆石ができやすくなります。 胃切除後の患者様の、2〜3割にみられます。 対処法 無症状の場合は経過観察 発作や胆嚢炎を起こした場合は治療が必要 根治的には胆嚢摘出術(場合によっては胃切除と同時に行うこともある) 胃がん手術後の生活と注意点|食事・仕事復帰・痛みのケア 胃がんの手術後は、後遺症だけでなく日常生活の工夫や体調管理が大切です。 食事の取り方や復職のタイミング、さらに長引く痛みやしびれへの対処について理解しておくことで、術後の生活をより快適に過ごすことができます。 ここでは、生活上のポイントを3つの観点から解説します。 食事の工夫(食べ方・避けたい食品・おすすめ食品) 手術後は胃の容量が減り、消化や吸収がスムーズにいかなくなります。 そのため、少量をゆっくり、回数を分けて食べることが基本です。 1日3食ではなく、5〜6回に分けて摂取する よく噛んでゆっくり食べる 食事中や直後の水分は控えめにする 避けたい食品には、高脂肪・刺激物・アルコールなどがあります。 一方で、消化に良い白身魚や豆腐、柔らかい野菜スープなどはおすすめです。 栄養士のアドバイスを受けながら、自分に合った食生活を整えると安心です。 日常生活と仕事復帰の目安 退院後すぐに無理をすると体力の回復が遅れてしまうため、段階的に日常生活に戻ることが大切です。 軽い散歩などから始めて体力を徐々に回復させる 車の運転や重い荷物の持ち運びは医師に相談してから 仕事復帰はデスクワークであれば数週間〜1カ月程度、肉体労働ではさらに時間がかかるケースが多い 個人差はありますが、医師の診断を受けながら無理のない復帰スケジュールを立てましょう。 痛みやしびれが長引く場合の対処 手術後に感じる痛みやしびれは、通常は時間とともに改善します。 しかし、3カ月以上続く場合は「遷延性術後痛」の可能性があります。 これは手術による神経障害や心理的要因などが関係しており、自己判断で我慢するのは危険です。 医療機関での適切な検査・治療を受ける 鎮痛薬や神経障害に対応した薬の使用 必要に応じてリハビリや心理的サポート 症状を早期に医師へ相談することで、回復を早めることができます。 胃がんとは【基礎知識】 胃がんは、胃の内壁を覆う粘膜の細胞が異常に増殖し、がん化することで発生します。 日本では比較的多くみられるがんの一つで、早期発見が治療の鍵となります。 胃がんの症状 胃がんは初期段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。 そのため、検診で偶然見つかるケースも多くあります。 初期 無症状 進行すると 吐き気や嘔吐 貧血によるふらつき 吐血 腹痛 など 胃がんの原因 胃がんの発生にはいくつかの要因が関わっています。 代表的なものは次の通りです。 ヘリコバクター・ピロリ菌感染 高塩分食 喫煙 ストレス アルコール 刺激物 これらの要因が複合的に作用し、胃の粘膜にダメージを与えることで発症リスクが高まります。 胃がんの診断 診断には次のような検査を組み合わせて行います。 胃内視鏡検査(胃カメラ) 内視鏡で採取した組織の病理診断 血液検査 CT検査 胃X線検査 これらを総合的に判断して確定診断がなされます。 胃がんの治療法 胃がんの治療には以下の方法があります。 内視鏡治療(早期がんに有効) 外科的手術(胃を部分的またはすべて切除) 化学療法(抗がん剤治療) 放射線療法 進行度(ステージ)に応じて適切な治療法が選ばれます。 とくに外科的手術では胃を一部またはすべて切除することが多く、その結果として「胃切除後症候群」と呼ばれる後遺症が発生する場合があります。 長く続く胃がん手術後の痛みと再生医療の可能性 胃がんの手術後、時間が経っても傷跡の痛みや周囲のしびれが続くことがあります。 これが3カ月以上続く場合、「遷延性術後痛」の可能性があり注意が必要です。(文献1) 遷延性術後痛の原因は複雑で、手術による神経障害だけでなく、精神的・心理的因子や遺伝的素因、生活環境などが絡み合って生じることがあります。検査をしても原因が特定できないケースも少なくありません。 手術の後遺症に対しては、再生医療という治療法があります。 当院では、再生医療の「自己脂肪由来幹細胞治療」と「PRP(多血小板血漿)療法」を行っています。 治療法 方法 特徴 所要時間・治療時間 自己脂肪由来幹細胞治療 脂肪から幹細胞を採取・培養し、点滴で投与する 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用した治療法 入院・手術を必要とせず日帰りの施術が可能 脂肪の採取(約30分) 細胞培養(約1カ月) 特定細胞加工物の投与 静脈点滴投与(約80分)/ 局所投与(約5分~) PRP(多血小板血漿)療法 血液を遠心分離して血小板を濃縮し、患部に投与 血小板の成長因子が持つ「炎症を抑える働き」を活用した治療法 入院・手術を必要とせず日帰りの施術が可能 ・採血・加工・投与(約30分~) 長期にわたる痛みやしびれは、身体的なつらさだけでなく、気分の落ち込みやうつ状態を引き起こすこともあります。 症状が改善すると、活動範囲が広がり、精神的・社会的にも患者様の満足度が上がります。 ▼実際に当院では、乳がん術後の化学療法で末梢神経が障害され、長い間足のしびれと原因不明の胃腸症状・倦怠感に悩まされていた患者様が、幹細胞治療によって改善した症例を経験しています。 また、再生医療のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞免疫療法は、がんの予防に有効とされています。 自己の血液中にある免疫細胞の一種、NK細胞と呼ばれるものを血液から採取し、培養後に点滴でまた体内に戻す治療です。 当院「リペアセルクリニック」の免疫細胞療法については、以下をご覧ください。 まとめ|胃がん手術後の後遺症は生活習慣の工夫で改善できる 胃がんは初期に症状が出にくく、腹痛や嘔吐などの症状が出たときには手術が必要な状態になっていることも少なくありません。 手術後は胃切除後症候群と呼ばれる後遺症が生じることがあり、代表的なものにはダンピング症候群、消化・吸収不良、貧血、骨粗鬆症、胆石症などがあります。 これらの症状は、食事の摂り方を工夫したり、不足する栄養素を補ったりすることで改善を目指すことが可能です。 また、手術後に長く痛みやしびれが続く「遷延性術後痛」に悩まされる場合もあり、身体的・精神的なサポートが必要となります。 再生医療は、末梢神経障害を根本的に治療できる手立てとして注目されており、今後ますます普及していくことが予想されます。 胃がん手術後の後遺症は一人ひとり症状の現れ方が異なるため、気になる症状がある場合は早めに医師に相談し、生活習慣の工夫と適切な治療を組み合わせて改善を目指すことが大切です。 再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 胃がんに関してよくある質問 胃がんは日本人に多いがんの一つであり、手術後の生活や再発の可能性など、患者様やご家族にとって気になる点は少なくありません。 ここでは、よく寄せられる質問をピックアップし、わかりやすく解説します。 胃がんの罹患者数や死亡率は他のがんと比べてどれくらい多いの? 2021年の部位別がん罹患数では、男性の胃がんは前立腺がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に多く、女性の胃がんは乳がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に位置しています。 また、2023年の部位別がん死亡数では、胃がんは肺がん、大腸がんに次いで3番目に多く、男女別でみると男性は3番目、女性は5番目という結果でした。(文献2) 胃がんは依然として日本における主要ながんの一つといえます。 若年者に多くて進行も早い胃がんの種類があるって本当? 胃がんは内視鏡やX線の所見から、以下のように分類されます。 表在型(0型) 腫瘤型(1型) 潰瘍限局型(2型) 潰瘍浸潤型(3型) びまん浸潤型(4型) この中で、びまん浸潤型(4型)にあたるスキルス性胃がんは、若年者や女性に多くみられるタイプです。 胃の壁が硬く厚くなり、進行が速く、腹膜転移が起こりやすい特徴があります。 そのため早期発見・早期治療が非常に重要です。 参考文献 (文献1)遷延性術後痛の対策|日本ペインクリニック学会誌 (文献2)がんの部位別統計|公益財団法人 日本対がん協会
2024.08.22 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
大腸癌の手術を終えた後、多くの方が「これからの生活はどうなるのだろう」「再発のリスクは?」と不安を抱きます。 実際には、排便リズムの乱れや体力低下、合併症のリスクなど、手術後ならではの課題があります。 しかし、手術後に起こりやすい症状や生活上の工夫を理解しておけば、不安を軽減し安心して回復へと進むことが可能です。 本記事では、大腸癌手術後の後遺症や合併症による体の変化、そして日常生活で取り入れたい工夫についてわかりやすく解説します。 また、大腸癌手術後の合併症や後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 手術後の体調変化や生活面でのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に関心のある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお気軽にお問い合わせください。 大腸癌手術後の体の変化 大腸癌の手術後は、身体的負担で体力が落ちたり、腸の動きが一時的に乱れて排便リズムが変化するなど、体にさまざまな変化が起こります。 さらに、回復過程での不安や気持ちの揺れから、精神的な負担を感じる方も少なくありません。 ここでは、大腸癌手術後に起こる主な3つの体の変化について解説します。 体力の低下 大腸癌手術後は、体力が落ちて「少し歩くだけで疲れる」「家事が思ったよりもつらい」と感じることが多くあります。 体力の回復には個人差がありますが、退院後すぐに以前のように動ける人は少なく、日常生活に無理なく戻れるようになるまでには数週間から数カ月かかるといわれています。 無理をせず、短い散歩や軽い活動から少しずつ体を慣らしていくことが、焦らず回復を進めるコツです。 担当の医師やリハビリの専門家と相談しながら、ゆっくりと生活のリズムを取り戻していきましょう。 排便リズムや便の状態の変化 大腸癌の手術後、腸の一部を切除した影響から、排便リズムや便の状態が大きく変わる場合があります。 下痢や便秘、頻便、残便感、ガスがたまりやすい状態、お腹の張りなどが起こりやすく、手術後数週間から数カ月間は排便の不安定さを感じる方が多いです。 これは腸が新しい状態に慣れるまでの自然な経過で、徐々に落ち着いてくることがほとんどです。 また、症状を和らげるための工夫として、水分補給や消化に良い食事、腹部マッサージなども役立ちます。 ただし、排便やガスが全く出ない、強い腹痛や嘔気、血便などの症状がみられる場合は、腸閉塞や他の合併症の可能性があるため、速やかに医療機関への相談が必要です。 心理的な不安や落ち込み 大腸癌の手術後、体の回復と同時に「再発の不安」や「これからの生活がどうなるか」といった将来への不安を抱える方が多く、気持ちが沈んだり落ち込んだりする場合があります。 これは「手術後うつ」と呼ばれることもあり、誰にでも起こりうる自然な反応です。 沈んだ気持ちをそのままにしておくと、眠れなかったり、食欲が減るなど、普段の生活や対人関係にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの対処が大切です。 一人で抱え込まずに家族や友人、医療スタッフなど、信頼できる相手に気持ちを話すだけでも心の負担が軽くなる場合もあるため、必要に応じて、精神的なサポートを受けることを検討しましょう。 大腸癌手術後に起こりやすい3つの後遺症 大腸癌手術後、長期的に続く後遺症が起こることがあります。 代表的な後遺症として、次の3つが挙げられます。 排尿・性機能への影響 排便障害 人工肛門(ストーマ)造設による生活の変化 それぞれの後遺症について、詳しくみていきましょう。 排尿・性機能への影響 大腸癌手術や治療の影響により、以下のような排尿や性機能に関する症状が現れる場合があります。 排尿がスムーズにできない 尿意を感じにくい・残尿感が続く 勃起機能の低下や射精の変化 性欲の減退 上記症状は、時間の経過とともに回復するケースが多いですが、場合によっては薬やカテーテルの使用が必要になることもあります。 また、症状の程度や回復の速さは個人差が大きいため、手術前から医師と十分に相談し、必要に応じて泌尿器科など専門医のサポートを受けることが大切です。 排便障害 大腸癌の手術によって、大腸の一部を切除したり、手術の影響で腸や臓器同士がくっつく「癒着」が生じたりすると、長期的な排便障害が残る場合があります。 代表的な症状は、次の3つです。 便失禁 頻便 残便感 排便障害は腸の切除範囲や神経への影響によって起こりやすく、時間がたっても改善しにくいケースがあります。 生活の質に大きく関わるため、上記のような症状が続く場合は我慢せず医師に相談し、薬の使用や骨盤底筋トレーニングなどのリハビリを取り入れることが大切です。 人工肛門(ストーマ)造設による生活の変化 人工肛門(ストーマ)とは、手術で腸の一部をお腹の表面に出し、そこから便を排泄できるようにした出口のことです。 腸の切除範囲が大きい場合や、縫合部を安静に保つ必要がある場合に、一時的または永久的に造設されます。 ストーマを造設すると、専用の袋で便を受け止める排便方法になるため、生活習慣が大きく変わります。 最初は管理や外出に不安を感じる方も多いですが、正しいケア方法を身につければ、入浴や旅行、仕事など日常生活をこれまで通り送ることも可能です。 また、皮膚のトラブル予防や、身体イメージの変化に伴う心理的な負担への対応も大切です。 専門の看護師やサポートを活用すると、安心してストーマと向き合う生活を続けることができます。 大腸癌手術後に注意すべき3つの合併症 大腸癌の手術後には、後遺症のほかにも合併症が起こることがあります。 ここでは、大腸癌手術後に起こりうる以下3つの合併症について解説します。 感染症や創部トラブル 縫合不全 腸閉塞・イレウス それぞれ、詳しくみていきましょう。 感染症や創部トラブル 大腸癌手術後は、縫合部分(創部)やお腹の内部で細菌が感染を引き起こし、次のような症状が現れることがあります。 発熱 傷口の赤みや強い痛み 膿(うみ)が出る 腹部の張りや痛みが続く 上記の症状がみられたら、創部感染や腹腔内感染を疑う必要があります。 こうした症状を放置すると、炎症が広がったり、全身状態が悪化したりする可能性があるため、速やかに医療機関に相談しましょう。 縫合不全 大腸癌の手術では、癌を含む腸の一部を切除したあとに、残った腸同士をつなぎ合わせる「吻合(ふんごう)」 という処置を行います。 この腸管を再びつなぎ合わせた部分(つなぎ目)がうまくくっつかず、接合部が開いてしまう状態を「縫合不全」と言います。 縫合不全になると腹腔内で炎症や感染が起こり、次のような症状が現れ、重症化すると腹膜炎や敗血症など命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。 発熱 吐き気や腹痛 腹水(お腹の中の水) 下痢や下血 縫合不全は早期発見と治療が重要なため、違和感や異変を感じた場合はすぐに医師の診察が必要です。 腸閉塞・イレウス 腸閉塞とは、腸の中で物理的なつまりが起こることで、食べ物やガスが通れなくなる状態を指します。 一方で、イレウスは腸の動きが麻痺したり痙攣(けいれん)し、内容物の通過がうまくいかない「機能的な通り道の障害」です。 どちらの場合も、次のような症状が現れます。 激しい腹痛 吐き気・嘔吐 お腹の張り 便やガスが全く出ない 上記症状は放置すると重篤になる可能性があるため、早めの医療機関への受診が必要です。 大腸癌手術後の生活で気をつけたいこと 大腸癌手術後は、体力や腸の働きが少しずつ回復していくため、生活の中でいくつかの工夫が必要になります。 ここでは、運動、食事、社会復帰の3つの視点から大腸癌手術後の生活について解説します。 運動とリハビリの進め方 大腸癌の手術後すぐは体力が落ちているため、無理に動くと体に負担がかかります。 まずはベッドの上で体を動かすところから始め、退院後は短時間の散歩など軽い運動を取り入れると良いでしょう。 目安としては、手術から1カ月ほど経ち、医師の許可が得られればウォーキングなどの有酸素運動を少しずつ再開できるケースが多いです。 無理のない範囲での継続が、体力回復や気分のリフレッシュにつながります。 食事の工夫と栄養管理 大腸の一部を切除すると、消化や排便のリズムが乱れやすくなります。 そのため、消化に良い食材を中心に選び、油っこい料理や香辛料の強い食品は控えることが大切です。 一度にたくさん食べるのではなく、少量を数回に分けて食べる「少量頻回食」を意識すると、腸への負担を軽減できます。 また、たんぱく質やビタミンなど体の回復に必要な栄養素をバランスよく摂ることも重要です。 仕事や日常生活への復帰目安 大腸癌手術後は、体力や体調が安定するまでに時間がかかるため、社会復帰にはある程度の時間が必要です。 一般的には手術後1〜3カ月ほどで職場や日常生活に少しずつ復帰できる人が多いですが、最初のうちは短時間勤務や在宅勤務を取り入れるなど、無理をしないことが大切です。 また、肉体労働や長時間の勤務は体に負担をかけやすいため、医師の判断を参考にしながら段階的に生活を整えていきましょう。 大腸癌手術後の予後・再発率について 大腸癌の手術後の予後や再発率は、癌の進行度(ステージ)によって大きく異なります。 大腸癌の再発は、手術後の経過の中でもとくに注意が必要で、ステージが早いほど再発のリスクは低く、進行している場合ほど再発や転移の可能性が高まります。 以下表は、5年生存率や手術後再発率をステージごとにまとめたものです。(文献1,2,3) ステージ 5年生存率の目安 手術後再発率の目安 0期 (上皮内がん・粘膜内がん) 非常に高く、ほぼ再発なし ごくわずか (再発は極めて稀) I期 約90〜95% 約3~6%程度 II期 約80~85% 約13~15% III期 約60~70%程度 約30%前後 IV期 (遠隔転移あり) 大幅に低下 (進行具合や治療内容によって大きな差がある) 再発率・転移の可能性が高い (統計値はさらにばらつきがある) ※数値は過去の臨床研究やがん情報サイトによる平均値であり、実際のリスクは年齢・癌の場所(結腸か直腸かなど)、手術後の治療内容、遺伝的要因、術中の状況などによって個人差があります。 統計的には、再発の8〜9割が手術後3年以内に起こり、およそ95%は手術後5年以内に確認されているため、手術後5年間の定期的な経過観察が非常に重要とされています。(文献4) 経過観察は再発や転移を早期に見つけるため、腫瘍マーカーを調べる血液検査やCT・MRIなどの画像検査、大腸内視鏡検査を組み合わせて行います。 再発が見つかった場合でも、その広がり方や部位によっては再手術や化学療法によって治癒や長期的なコントロールを目指せる可能性があります。 再発リスクを少しでも減らすためには、手術後の生活習慣改善や必要に応じた追加治療を取り入れることが大切です。 大腸癌手術後の再発予防と長期的なケア 大腸癌の手術後は、生活習慣の見直しや家族や支援サービスの利用、そして定期的な検査による経過観察が予後を左右します。 ここでは、再発予防と安心して生活を送るための具体的なポイントを紹介します。 生活習慣の改善 大腸癌手術後の再発リスクを下げるためには、日々の生活習慣を整えることが重要です。 野菜や魚を中心としたバランスの良い食事を心がけ、脂っこい食べ物や加工肉の摂取は控えめにしましょう。 また、禁煙も癌の再発予防に直結する大切な習慣であり、アルコールのとりすぎにも注意が必要です。 さらに、無理のない範囲でウォーキングなどの適度な運動を続けることは、体力回復だけでなく免疫力の維持にも役立ちます。 免疫細胞療法 免疫細胞療法は、自分の免疫細胞を活性化させてガン細胞を攻撃する力を高める治療法で、癌の再発予防や補助療法の一つとして注目されています。 手術や抗がん剤治療と併用されることもあり、副作用が比較的少ない点が特徴です。 まだ新しい治療法ではありますが、再発への不安を抱える方にとっては、今後の治療選択肢の一つとなり得ます。 詳細は専門の医療機関で相談し、適応があるかどうかの確認が大切です。 家族や福祉などサポート体制の活用 大腸癌の手術後は、体調や気持ちの面で不安が続くこともあり、家族や身近な人のサポートが非常に大切です。 全国に設置されている「がん相談支援センター」では、医療や生活に関する相談を無料で受けられるため、必要に応じて活用しましょう。 また、福祉サービスや地域のサポート団体を利用することで、経済面や生活面の負担の軽減も可能です。 定期的な検査・通院の重要性 大腸癌手術後は、再発を早期に見つけるために定期的な検査と通院が欠かせません。 検査の頻度は、癌のステージや受けた治療内容によって異なりますが、手術後5年間は特に丁寧な経過観察が行われます。 医師の診察を定期的に受ける習慣が、手術後を安心して過ごすことにつながります。 まとめ|大腸癌手術後も笑顔で毎日を送れる生活を 大腸癌の手術後は、体力の低下や排便の乱れ、合併症や後遺症など、さまざまな変化に直面します。 しかし、手術後に起こりやすい症状や注意点を知っておけば、不安を必要以上に抱えずに過ごすことができます。 食生活や運動など日常の工夫を取り入れることは、体の回復を促し、再発のリスク軽減にもつながります。 また、定期的な検査や通院を続け、少しでも気になる症状がみられた場合は医師へ早めに相談するのも、安心した生活を送るための大切なポイントです。 前向きに工夫を重ねながら、一日一日を大切に過ごしていきましょう。 参考文献 (文献1) 大腸がん(結腸がん・直腸がん)|国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ (文献2) 7.大腸癌手術後について|日本臨床外科学会 (文献3) 1.4 大腸がんの病期分類と予後|国立がん研究センター がん対策研究所 (文献4) 大腸がんの術後の経過観察と再発・転移 / 再発・転移|大腸がんを学ぶ
2024.08.19 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
血友病は、生まれつき血液を固める力が弱い「先天性の出血性疾患」です。 放置すると、関節障害や日常生活への支障をきたす恐れもあります。 しかし、近年は治療法が進歩し、早期発見と適切な管理によって健常な人とほとんど変わらない生活を送ることが可能です。 本記事では、血友病の基礎知識から検査・治療法、日常生活での注意点をわかりやすく解説します。 正しい知識を身につけ、安心して向き合うための第一歩として参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEで情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療について知りたいことや不明な点があれば、ぜひご利用ください。 血友病とは|出血が止まりにくくなる病気 血友病とは、血液の凝固因子が生まれつき不足または欠損しているため、出血した際に血が止まりにくくなる遺伝性の疾患です。 通常の止血機能が働かないため、軽い打撲やけがでも出血が長引く場合があります。 血友病には主に2つのタイプがあり、治療方針も異なる場合があるため、正確な診断が重要です。 血友病の種類と特徴は以下のとおりです。 血友病A:第VIII因子(抗血友病因子A)が欠乏しているタイプ。全体の約80%を占める。(文献1) 血友病B:第IX因子(抗血友病因子B)が不足しているタイプ。 血友病は先天性が大半を占めますが、まれに後天的に発症する「後天性血友病A」というタイプもあります。 自己免疫の異常により体内で凝固因子に対する抗体が作られ、血が固まらなくなるのが特徴です。 いずれにおいても、日常生活で注意が必要な疾患であり、早期の診断と適切な治療が出血のリスクを減らす鍵となります。 血友病の症状 血友病では血液が固まりにくいため、皮膚表面だけでなく体の深部でも出血が起こりやすくなります。 とくに、筋肉や関節内での出血が特徴的で、日常生活に支障をきたす場合もあるため注意が必要です。 以下に、血友病でよく見られる代表的な症状をまとめました。 症状の種類 具体的な内容 筋肉内出血 腕や脚などの筋肉が腫れて痛む 関節内出血 膝や肘などの関節に腫れ・熱感・痛みが出る 皮下出血 ぶつけていないのに青あざができる 鼻出血・口腔内出血 鼻や口の中からの出血が止まりにくい 手術・抜歯後の出血 通常よりも長時間にわたって出血が続く 関節拘縮 出血により関節が固まり、動かしづらくなる また、以下のような症状が日常的に見られる場合も、血友病の可能性があるため、早めの医療機関を受診しましょう。 明らかな外傷がないのにあざができる 関節が腫れて痛み、動かしづらくなる 歯ぐきや鼻からの出血が長引く 以前より関節の可動域が狭くなってきた 症状が進行すると生活の質を大きく損なうため、早期発見と適切な管理が重要です。 血友病の検査・診断 血友病の診断では、まず血液がどれくらいの時間で固まるかを調べる「血液凝固検査」が行われます。 血が固まりにくい状態が確認された場合、さらに詳細な「凝固因子活性検査」に進み、第VIII因子または第IX因子の働きがどれほどあるかを評価し、病型と重症度を判定します。 凝固因子活性の値に応じた分類は以下の通りです。(文献2) 病型 凝固因子活性値 割合(目安) 特徴 重症型 1%以下 約50~60% 自発的出血が頻繁に起こる 中等症型 1~5% 約20% 軽い打撲でも出血することがある 軽症型 5%以上 約20% 手術やけがの際に出血しやすい 凝固因子の働きに基づいて重症度を把握することで、適切な治療方針を決定します。 とくに、重症型では無症候でも体内で出血している場合があるため、早期の診断が重要です。 血友病の治療法 血友病の治療では、不足している凝固因子を補充する「補充療法」が基本です。 重症度や出血頻度に応じて、以下の治療法を組み合わせて使い分けます。 定期補充療法 予備的補充療法 出血時補充療法(オンデマンド療法) それぞれ詳しく見ていきましょう。 定期補充療法 定期補充療法は、出血が起きる前から定期的に凝固因子製剤を静脈投与する治療法です。 重症型の血友病患者様に対しての標準治療ですが、軽中等症でも予防を目的に投与するケースがあります。 製剤によって週2〜3回、または2週間に1回の注射を継続的に行うことで、関節内出血や筋肉内出血などの出血リスクを未然に防げます。 定期補充療法の最大の利点は、日常生活の質(QOL)の向上です。 出血に対する不安を軽減し、学校や職場での活動を安心して行えるようになり、とくに小児期からの早期導入が関節障害の予防につながるとされています。 予備的補充療法 予備的補充療法とはスポーツや旅行、歯科治療など、出血リスクが予測される特定の場面に限定して、事前に凝固因子製剤を投与する方法です。 重症型以外の患者様や、日常的に出血の頻度が少ない方に適しています。 必要なときだけ補充を行うため、治療の負担を軽減できるのがメリットです。 ただし、タイミングを逃すと出血を防げない可能性があるため、患者様自身や家族が状況を正確に判断しながら適切な対処が求められます。 出血時補充療法(オンデマンド療法) 出血時補充療法は、実際に出血が起きたときに凝固因子製剤を投与する方法です。 軽症型や中等症型の患者様を対象とし、出血頻度が少ない場合に選択される場合があります。 出血が確認された段階で速やかに製剤を使用することが重要で、出血の進行を最小限に抑え、症状の悪化を防ぐのが目的です。 ただし、関節や筋肉の深部出血は初期症状がわかりにくいため、早期対応が難しいという課題もあります。 血友病の方が日常生活を送る上での注意点 血友病のある方が安全に日常生活を送るためには、出血を防ぐ工夫と周囲の理解が大切です。 とくに、外傷や薬の使用、医療機関との連携など、あらかじめ注意しておくべき点を理解しておくと、万が一の際にも迅速に対応できるでしょう。 ここでは、日常生活のうえで押さえておきたい具体的なポイントを紹介します。 外傷・ケガの予防意識を持つ 血友病の方は出血が止まりにくいだけでなく、関節や筋肉内での深部出血が起きやすいため、日常生活でも以下のような予防を意識しましょう。 段差の多い場所や滑りやすい床では慎重に歩行する ひじやひざなどの関節を保護するプロテクターを活用する スポーツは出血リスクを考慮し、事前に医師と相談する とくに、転倒しやすい場所では注意が必要です 予防する意識を持つように心がけて不要な出血のリスクを避け、安心して生活を送るための環境を整えましょう。 緊急時患者カードを携帯する 血友病の方は、外出時や災害・事故時に備えて「緊急時患者カード」の携帯が推奨されています。 緊急時患者カードは、血液凝固異常症の方がかかりつけ以外の医療機関を緊急で受診したり、救急車で搬送されたりした際に、医療関係者へ必要な情報を迅速かつ正確に伝えるためのカードです。 血友病の種類や使用している治療薬、投与量、かかりつけ医療機関などの情報が記載されています。 万が一の事故や意識障害などで本人が説明できない状況でも、周囲の医療関係者に正確な対応を促すことが可能です。 日常的に財布やスマートフォンケースに入れておくなど、常時携帯する習慣をつけましょう。 成人の場合は、各自治体から医療費助成の関連書類とともに、小児は患者会や製薬会社を通じて配布されています。 血友病の方でカードがまだ手元にない方は、「一般社団法人日本血液凝固異常症調査研究機構(JBDRO)」にお問い合わせください。 解熱剤・鎮痛剤の使用は避ける 血友病の方は、一般的な解熱剤や鎮痛剤の使用に注意が必要です。 とくに、アスピリンやインドメタシンなどの成分には血液を固まりにくくする作用があり、出血を助長する恐れがあります。 市販薬の中にも、これらの成分が含まれている可能性があるため、以下の点に注意しましょう。 解熱・鎮痛薬の購入時は、薬剤師に成分を確認する 医師の処方がない薬は使用しない 歯科や他科の受診時にも、血友病であることを必ず申告する 安全な薬物治療を行うためには自己判断を避け、医療従事者の指導のもとで薬を選びましょう。 口腔ケアを怠らない 口腔内は出血しやすい部位のひとつであり、血友病の方にとっては日々の口腔ケアがとても大切です。 虫歯や歯周病を予防すれば、歯ぐきからの出血を減らせます。 日常の歯磨きでは、以下の点に注意しましょう。 柔らかめの歯ブラシを使用し、歯ぐきを傷つけない 歯と歯ぐきの境目の汚れを丁寧に除去する 継続してケアを行う 定期的な歯科受診も欠かさずに、出血のリスクを最小限に抑えるよう心がけましょう。 なお、歯ぐきは適切にケアされていれば出血を抑えられますが、少量の出血が見られても問題ありません。 保育園や学校に出血が起きた際の対処法を共有する 小さい子どもの血友病患者様が安心して学校生活を送るには、保育園や学校側との情報共有が不可欠です。 以下のように、外傷や出血時の対応方法などを事前に伝えておくと、迅速かつ適切な対応が可能になります。 緊急時の連絡先と対応方法を文書で共有する 保管している凝固因子製剤の使い方を説明する 生活の中で注意すべき動作や活動を明確に伝える 子どもが血友病であっても、適切な治療と計画で多くの活動に参加できます。 以下のサイトのページでは、血友病の子どもを担当する先生向けに対応を説明しているので、情報共有時に参考にしてください。 学校・保育園などの先生方へ|ヘモフィリアTODAY 血友病の子どもさんを担当する学校の先生方へ|ヘモフィリアステーション まとめ|血友病は正しい知識と治療で管理できる病気 血友病は先天的に血液が固まりにくくなる疾患で、出血しやすい体質が特徴です。 完治は困難ですが、定期的な補充療法や生活上の注意によって、健常な人と変わらない生活を送れます。 早期診断と適切な治療の継続により、合併症の予防や生活の質の維持につなげていきましょう。 また、出血リスクへの理解に加え、周囲の協力や医療機関との連携も欠かせません。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEにて再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。 血友病に関してよくある質問 血友病は治りますか? 現時点で、血友病を根本的に治す治療法は確立されていません。 しかし、定期的な補充療法によって不足している凝固因子を補うことで、出血を予防し、健常な人とほとんど変わらない生活を送れます。 とくに、早期の治療開始が関節障害の予防や生活の質の維持に大きく貢献する点に留意しておきましょう。 血友病Aと血友病Bの違いはなんですか? 血友病は主に2つのタイプに分類されており、それぞれの違いは次の通りです。 血友病A:第VIII因子(抗血友病因子A)が欠乏しているタイプ 血友病B:第IX因子(抗血友病因子B)が不足しているタイプ 両者の出血症状や経過は似ていますが、治療に用いる凝固因子製剤が異なるため、正確な診断が重要です。 血友病は予防できますか? 現在のところ、血友病そのものを予防する方法は存在しません。 しかし、出血による合併症を防ぐことはできるため、以下のような早期対応が重要です。 出血が起きた際は、速やかに凝固因子製剤を補充する あざや関節痛などの初期症状を見逃さない とくに乳児期後半にみられる皮下出血に注意する 症状を発見した場合には、医療機関での早めの相談が重症化を防ぐための第一歩となります。 参考文献 (文献1) Hemophilia ‒ Hematology and Oncology | Coagulation Disorders ‒ Merck Manual Professional Version|Merck Manual Professional Version (文献2) 血友病 (けつゆうびょう)とは | 恩賜財団 済生会
2024.07.10 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹の合併症の中で最も頻度が高いといわれています。「触れただけで痛みを感じる」「ピリピリと電気が走るような痛みが続く」などの症状が現れるため、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 この記事では、帯状疱疹後神経痛や治療法などについて解説します。 病院で行う治療はもちろん、自分でできるケア方法についても説明していますので、自分に合った痛みの緩和方法を見つけ、生活の質を下げないようにしていきましょう。 \帯状疱疹後神経痛に対する再生医療という選択肢/ また帯状疱疹後神経痛に対して、既存の治療で改善が難しい場合、再生医療が新たな選択肢となることがあります。 再生医療は、患者さまご自身の細胞を活用し、損傷した神経の修復環境を整えたり、炎症を抑えることを目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても痛みが改善しない 神経ブロックや内服治療でも十分な効果が得られない 薬の副作用がつらい これ以上薬を増やしたくない 慢性的な痛みで生活の質が低下している >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 痛みの症状だけでなく、神経のダメージそのものにアプローチする効果が期待できます。 治療法については以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=-Kvk7EX-xDZ2ABYK 「薬を飲み続ける以外の選択肢」として、まずは具体的な治療法について、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、お気軽にご相談ください。 まずは無料相談! 帯状疱疹後神経痛とは帯状疱疹の後遺症の一種 帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹を発症した後、皮膚の症状が治まったにもかかわらず痛みが残ってしまう病気です。(文献1) ここでは、以下の帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴や、主な原因・症状について解説します。 帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気 帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴 帯状疱疹後神経痛の原因と主な症状 帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気 帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した場合、「水ぼうそう」として発症します。 この水痘・帯状疱疹ウイルスは厄介であり、水ぼうそうが治ったあともウイルスが体の中から消えることはありません。神経節と呼ばれる神経細胞が集まっている部分に身を潜め、再び活発になる機会をうかがっています。このとき、症状が現れることはありません。 そして、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が下がると、潜んでいたウイルスが表に出てしまい、帯状疱疹を発症します。そのため、水ぼうそうに一度でもかかった人は、帯状疱疹になる可能性があります。 帯状疱疹の症状は、ピリピリとした痛みや小さな水ぶくれ(水疱)、皮膚の赤みなどです。皮膚の症状が出てからすぐに治療を開始するのが望ましく、早めに病院を受診する必要があります。治療は抗ウイルス薬の投与が主です。また、痛みがあれば鎮痛剤を服用する場合もあります。 帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴 帯状疱疹後神経痛は、加齢や初期症状の重さなどにより発症リスクが高まるとされています。以下のような特徴を持つ方はとくに注意が必要です。 50歳以上の高齢者 女性 発疹の前から痛みや異常感覚がある方 発疹や痛みの程度が重度な方 これらに該当する場合は、帯状疱疹の初期段階から適切な治療を講じましょう。 帯状疱疹後神経痛の原因と主な症状 帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の合併症の中で最も多いといわれています。合 併しやすい人は、高齢者や女性、帯状疱疹を発症しているときに痛みが強かった人などです。 帯状疱疹後神経痛の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化したときに神経が傷つけられることで発症すると考えられています。そのため、痛みを感じやすくなったり、神経の過剰な興奮によって痛みが現れたりする場合があります。 帯状疱疹後神経痛の症状は、下記の通りです。 持続的な痛みがある ヒリヒリと焼けるような痛みがある ピリピリと電気が走るような痛みがある 触れるだけで痛みを感じることがある(アロディニア) 痛みがある部分の皮膚の感覚が鈍くなる 痛みの程度は個人差があります。そのため、痛みによって眠りが浅くなったり、動くと衣服が擦れて痛かったりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 痛みは1~2カ月程度で治まってくることが多いですが、長い場合は1年以上続くこともあります。また、高齢であればあるほど痛みが続きやすいといわれています。 このように帯状疱疹後神経痛は、神経そのものが傷ついていることが痛みの根本的な原因です。 痛み止めや神経ブロック注射で一時的に症状を抑えても、傷ついた神経が修復されなければ、痛みが長引いたり再発したりするケースがあります。 こうした神経のダメージに対して、損傷した神経の修復・再生を目指す再生医療が新たな選択肢となります。 「痛み止めを飲み続けているが改善しない」「神経の痛みがいつまで続くのか不安」という方は、まずは当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 まずは無料相談! 帯状疱疹後神経痛の治療(解消法) 帯状疱疹後神経痛の治療では薬物療法が基本とされますが、痛みの強さや日常生活への影響によっては、より専門的な治療が検討されます。 以下で主な治療法を紹介します。 薬物療法 神経ブロック注射 脊髄刺激療法(SCS) イオントフォレーシス 低出力レーザー照射療法 運動療法 薬物療法 薬物療法は、痛みや神経の興奮を薬でコントロールする治療法です。 帯状疱疹後神経痛は神経の痛みであり、適切な薬を医師に処方してもらう必要があります。 薬物療法で主に使われる薬は、以下の通りです。(文献2) 抗うつ薬 抗てんかん薬 神経障害疼痛に用いる鎮痛薬 オピオイド鎮痛薬 帯状疱疹後神経痛の痛みに対し、使われる薬は効果や副作用などのバランスによって第一選択薬、第二選択薬、第三選択薬と分かれています。 まずは、抗うつ薬や抗てんかん薬、神経障害に用いる鎮痛薬の服用で様子をみます。痛みの緩和が見られない場合は徐々に選択範囲を広げ、より強い鎮痛効果を示す薬を使用します。 たとえば、第一選択薬と挙げられるのは、抗てんかん薬の「プレガバリン(リリカ®)」や「ミロガバリン(タリージェ®)」、抗うつ薬の「三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)」や「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(サインバルタ®)」などです。 効果が不十分な場合には、第二選択薬として「ノイロトロピン®」、第三選択薬としてオピオイド鎮痛薬の「トラマール®」や「トラムセット®」を使用するケースもあります。(文献3) とくに、オピオイド鎮痛薬は効果が強い薬です。オピオイド鎮痛薬以外の薬では痛みの緩和ができない場合に使用され、適応条件もあります。注意点として、腎機能が悪い人には使用できません。 神経ブロック注射 神経ブロック注射とは、痛みを感じる神経やその周囲に局所麻酔薬を注射する治療です。(文献4) 痛い部位がはっきりとわかっている場合は、注射後すぐに効果を実感できます。また、内服薬とは違い直接的に痛みに効くため、より痛みの緩和につながります。 神経ブロック注射にはいくつかの種類があります。たとえば、顔や首、腕など上半身の帯状疱疹後神経痛には「星状神経節ブロック」が使われます。交感神経の働きを抑えて血流を改善すれば、痛みの軽減が期待できます。 また、首から足先まで、体のあらゆる部位に対応できる「硬膜外ブロック」もあります。これは脊髄の周囲にある硬膜外腔に局所麻酔薬を注入する方法で、神経を一時的にブロックし、強い痛みを緩和するのに有効です。 なお、神経ブロック注射の持続効果は、人によって異なります。1日しか効かない人もいれば、数日効果が持続する人もいます。しかし、早めに神経ブロックを行うと、治療の効果が高まるといわれています。 神経ブロック注射の治療は入院の必要がなく、外来で受けられます。注意点として、血をサラサラにする薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を使用している場合は、針を刺したときに出血が止まらないことがあるため、行えないことがあります。 脊髄刺激療法(SCS) 脊髄刺激療法(SCS)は、脊髄に微弱な電流を与え、脳に伝わる痛みを妨げる治療法です。(文献5) 通常、体に痛みを感じると神経を通じて痛みの信号が脊髄から脳に伝わります。この神経路に微弱な電流を流すと脳に痛みが伝わりにくく、痛みの緩和につながります。 体の中に脊髄刺激リードと刺激発生装置を埋め込む手術が必要になるため、入院が必要です。手術は局所麻酔で行われ、一度の入院期間もそこまで長くありません。 イオントフォレーシス イオントフォレーシスは薬をより深い部分に浸透させて痛みを和らげる治療です。 局所麻酔薬を浸透させたパットを痛みのある部分に貼り付け、微弱の電流を流します。電流によって薬がイオン化すると皮膚の深い部分へと浸透し、痛みを和らげます。 皮膚表面だけではなく、神経を伝達する深い部分にまで薬が浸透するため、脳に痛みを伝えにくくする効果もあります。治療時間は15分程度であり、外来で行えます。また、痛みを伴わない治療であり、注射に抵抗のある人にも行えます。 一度の治療で痛みを和らげることは難しく、根気よく治療を続けることが必要です。 低出力レーザー照射療法 低出力レーザー照射療法は痛みがある部分にレーザーを当て、痛みを和らげる治療法です。 レーザーによって血行がよくなると痛みを感じにくくなります。また、痛みによって興奮している気持ちを落ち着ける効果もあります。 痛みをほとんど伴わない治療であるため、注射に抵抗がある人にもおすすめです。痛みがより強い人向けに、通常の治療に追加して実施されやすいです。 運動療法(マッサージ・エクササイズ等) マッサージ・エクササイズ等の運動療法は、痛みによって過度に活動が制限された場合に行われます。 マッサージやストレッチ、エクササイズなどを理学療法士と一緒に行うことで、筋肉や関節のこわばりを和らげ、血流の改善や緊張の緩和が期待できます。 また痛みの軽減だけでなく、痛みに対する恐怖心を和らげ、日常生活の活動範囲を少しずつ広げていく効果も見込めます。 帯状疱疹後神経痛を治療する上での注意点 帯状疱疹後神経痛を治療する際は、以下のいくつか注意すべき点があります。 帯状疱疹後神経痛の治療で副作用が出る場合がある 保険適用外の治療法もあり費用の負担がかさみやすい 帯状疱疹後神経痛のほかにも後遺症が出る可能性がある 帯状疱疹後神経痛の治療で副作用が出る場合がある 帯状疱疹後神経痛の治療法別の副作用と対処法について、以下にまとめました。 治療方法 副作用 副作用への対処 鎮痛剤 オピオイド鎮痛薬の場合、吐き気や便秘、眠気など ・薬の処方時に副作用を確認 ・症状が出たらすぐ医師に相談 神経ブロック注射 副作用は、飲み薬と比べて少ない。まれに下記が現れる場合がある ・注射部位の痛みや出血、感染 ・投与する薬に対するアレルギー ・症状が出たらすぐ医師に相談 イオントフォレーシス 副作用はほとんどなし ー 脊髄刺激療法(SCS) 脊髄刺激装置は、IH調理器や金属探知機などの強い電磁波に反応し、刺激が変化する場合がある。体内に埋め込む装置のため、使用状況によっては破損ややけどのリスクもある ・IH調理器や金属探知機の使用時は、できるだけ距離を取り一時的に電源を切る ・刺激装置に強い衝撃を与えない。 ・埋め込み手術直後は装置が動きやすいため注意する 低出力レーザー照射療法 副作用はほぼないが、照射部位の乾燥や軽度のかゆみが現れることがある ・症状が出たらすぐ医師に相談 治療法にはそれぞれ副作用が伴う可能性があります。治療を選択する際は、効果だけでなくリスクも理解した上で、医師と相談しながら進めることが大切です。 保険適用外の治療法もあり費用の負担がかさみやすい 帯状疱疹後神経痛にはさまざまな治療法がありますが、保険で行えるものと保険適応外のものがあります。 薬物療法や神経ブロック、脊髄刺激療法は保険が適応されます。一方、レーザー治療、イオントフォレーシスは比較的新しい治療法であり、保険は適応外です。 保険適応外の治療法は、金銭的な負担が大きくなりやすいのが現状です。医師とも相談しながら金銭的な面も含めて、適切な治療法を選択してください。 帯状疱疹後神経痛のほかにも後遺症が出る可能性がある 帯状疱疹の後遺症は神経痛だけではありません。発症部位によっては、顔面神経麻痺や耳鳴り、めまい、難聴などを引き起こすラムゼイ・ハント症候群や、角膜炎・結膜炎などの目の疾患が残ることもあります。 これらは視力や聴力に影響を与えることもあるため、日常生活への支障が大きいのが特徴です。また、強いストレスによって頭痛が悪化するケースも見られます。 こうした症状が長引くと、心身ともに大きな負担となり、一般的な治療では改善しにくい場合もあります。 帯状疱疹後神経痛をはじめ後遺症の解消には再生医療をご検討ください 帯状疱疹の後に残る神経の痛みやしびれ、顔面麻痺、めまいなどは、症状の程度や回復の経過に個人差があるため、一般的な治療だけでは十分な対応が難しいと感じるケースもあります。 そのような場合は、神経の損傷修復を促す新しいアプローチとして、細胞や血液を活用した再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療とは、細胞や血液成分の働きを活用し、傷ついた組織の修復環境を整えることを目指す治療法です。 「帯状疱疹後の痛みが数か月以上続いている」「しびれや感覚異常が改善せず、日常生活に支障がある」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 帯状疱疹後神経痛の解消にはセルフケアも大切 帯状疱疹後神経痛は、治療とあわせて日々のセルフケアも重要です。症状の緩和をめざして、以下の生活習慣を見直してみましょう。 日常生活での工夫 自分でできる日常生活での工夫は以下の通りです。 体を温める、冷やさない 痛みのある部位を刺激しない 痛み以外のことを考える 生活リズムを整える 体を温める・冷やさない 体を温めると血行がよくなり、痛みが軽くなることがあります。温かい湯船にゆっくりつかり、全身を温めましょう。入浴はリラックス効果も期待できるため、おすすめです。 また、患部にホットタオルを当てるのも有効です。ただし、感覚が鈍くなっている場合もあるので、熱くなりすぎないよう注意しましょう。 患部を刺激しない 患部への刺激は、痛みの悪化につながります。チクチクとした素材や金属などが付いている服は着用を避けてください。服は肌に優しい素材を選び、装飾がないシンプルなものを選ぶと刺激が少ないです。 それでも服が擦れて痛い場合は、さらしや包帯を巻く方法もあります。注意点として、さらしなどがずれてしまうと刺激の原因となります。きつめに巻き、緩んだら締め直しましょう。 痛み以外のことを考える 痛みは精神面との関連が深く、帯状疱疹後神経痛の患者さんは不安や抑うつ傾向の方が多いといわれています。 そのため、痛みを考え続けるのではなく、自分の好きな仕事や趣味などを積極的に取り入れ、痛み以外に意識を向ける時間を作りましょう。 また、痛みを回避しようと行動を制限してしまい、活動の幅が狭くなることも多いです。痛みに対する恐怖や不安を抱えている方もいるでしょうが、じっとしていることで筋肉が固まり、痛みを感じる原因となります。 少しでも痛み以外のことを考えられるよう、外の空気を感じながら散歩するのもおすすめです。 生活リズムを整える 帯状疱疹後神経痛の痛みは、疲労やストレス、睡眠不足などで悪化しやすいといわれています。 日頃から規則正しい生活を送り、免疫力が低下しないよう体の調子を整えましょう。しんどいと感じたら、すぐに休息を取れるようにしておくことも大切です。 心理的サポートの重要性 帯状疱疹後神経痛の患者の中には不安などを抱えている方が多くいます。(文献6) 痛みを感じ続けると何をするにも億劫になり、気持ちが塞ぎ込みやすくなります。また、痛みばかり考えていると精神的につらくなり、精神疾患を発症しやすいです。 ペインクリニックでは、メンタルケアを含めた治療を行っています。もし精神的なつらさを感じているのであれば、一般的なクリニックではなくペインクリニックの受診をおすすめします。 帯状疱疹後神経痛は適切な治療を選択して痛みを解消しましょう 帯状疱疹後神経痛は、早期からの適切な治療が非常に重要です。 薬物療法や神経ブロック注射などの治療法から、症状に合わせて適切に選択するのが痛みの解消への近道です。諦めずに専門医と相談し、多角的なアプローチで痛みの緩和を目指しましょう。 当院リペアセルクリニックでは、帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛みに対し、再生医療の選択肢を提供しております。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても痛みが改善しない 神経ブロックや内服治療でも十分な効果が得られない 薬の副作用がつらい これ以上薬を増やしたくない 慢性的な痛みで生活の質が低下している >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なカウンセリングを実施し、症状の原因にアプローチする治療をご提案します。 長引く神経の痛みが気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。 (文献1) 帯状疱疹予防.JP「帯状疱疹の合併症(後遺症)」 https://taijouhoushin-yobou.jp/sequela.html (最終アクセス:2025年6月12日) (文献2)日本ペインクリニック学会「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版」 https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/kaiin_guideline06.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献3) 日本ペインクリニック学会「オピオイド」 https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keyopioid.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献4) 日本ペインクリニック学会「発症 3 カ月以内の帯状疱疹関連痛に神経ブロックは有効である」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/26/4/26_18-0046/_pdf(最終アクセス:2025年6月12日) (文献5) 一般社団法人 日本定位・機能神経外科学会「脊髄刺激療法(SCS)」 https://jssfn.org/patient/treatment/scs.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献6) 日本ペインクリニック学会「帯状疱疹後神経痛患者の精神・心理的評価」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc1994/14/4/14_4_401/_article/-char/ja/(最終アクセス:2025年6月12日)
2024.06.24 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
肝嚢胞とは、肝臓の組織に液体がたまって袋状になったものです。 健康診断や人間ドックで発見されるケースが多く、実際に約5人に1人の割合で健康診断の検査項目に含まれる腹部超音波検査で肝嚢胞が見つかるデータもあります。(文献1) そのため、診断後に放っておいて大丈夫か、家族として何かできることはないかと心配になって情報を探していらっしゃるのではないでしょうか。 突然聞かされると驚かれるかもしれませんが、肝嚢胞は比較的よく見られるもので、多くは良性で特に症状がないケースがほとんどです。 しかし、まれに大きくなって痛みが出たり、他の病気が隠れていたりする可能性もゼロではありません。 本記事では、肝嚢胞の原因や症状などを詳しく解説します。 治療法も紹介しているので、肝嚢胞の診断を受けて不安を感じている方は参考にしてみてください。 しかし、肝嚢胞の治療では、嚢胞が大きくなった場合に外科的な穿刺や切除手術が行われることがありますが、手術を避けたいという方は再生医療も選択肢の一つになります。 \再生医療という新しい選択肢/ 再生医療は、患者さまご自身の細胞を用いて肝臓の修復力を高めて、損傷や炎症を起こした肝組織の再生を促し、肝機能の改善を目指す治療法です。 「早く痛みから解放されたい」「機能を取り戻したい」という方は、まずは当院の無料カウンセリングをご利用ください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞(肝のう胞)とは 肝嚢胞とは、肝臓にできる液体がたまった袋状のものを指します。 肝嚢胞の種類は、大きくわけて以下の2つです。 孤発性肝嚢胞 多発肝嚢胞 孤発性肝嚢胞 「孤発性肝嚢胞」は、肝嚢胞の数が1〜3個程度で単発的に発生する肝嚢胞です。 肝嚢胞の大きさが5cm以下程度の小さいものであれば無症状のケースが多くなります。 まれにサイズが5〜10cmを超えるような大きい肝嚢胞もできます。 このサイズになると、周りの臓器が圧迫されてお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があるので覚えておきましょう。 ただし、肝臓自体への影響は少なく、血液検査で肝機能の異常が見つかるケースはほとんどありません。 多発肝嚢胞 「多発肝嚢胞症」は、肝嚢胞が肝臓に多発する病気です。 こちらは孤発性とは異なり、嚢胞の数が増えたり大きくなったりするケースが多く、それによる周囲への圧迫症状が見られやすくなります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症を引き起こし発熱や肝機能異常をおよぼす可能性もあります。 肝嚢胞以外の脂肪肝や肝硬変、肝炎といった肝臓の病気には「再生医療」の治療法が効果的です。 再生医療とは、人間の自然治癒力を活用し、損傷した肝臓の組織を修復する最新の医療技術です。 詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の記事では、肝臓の働きや肝臓の病気について解説しています。詳細が気になる方は、参考にしてみてください。 肝嚢胞の原因 肝嚢胞の発生原因は、現時点では明確にわかっていません。 肝嚢胞ができるのは40歳から60歳の女性に多いことから、女性ホルモンの1種であるエストロゲンが関連しているという説があります。 以下の記事では、女性に多い肝臓の病気を解説しています。検査方法や合併症に関する情報も紹介しているので、詳細が気になる方はあわせてご覧ください。 なお、肝嚢胞は、エキノコックスという寄生虫の感染によって肝嚢胞ができるケースがあります。エキノコックスは、キツネやイヌの糞に含まれており、口を介して感染します。 肝嚢胞の症状 くりかえしですが、肝嚢胞はほとんどが良性なので、肝嚢胞そのものが体に悪い影響をおよぼす可能性は高くありません。 肝嚢胞が5cm以下ほど小さめのサイズであれば、無症状のケースが大半です。 5〜10cmを超えるような大きいサイズの肝嚢胞になると、周りの臓器を圧迫してお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症が起これば、発熱や肝機能異常を引き起こす可能性があります。症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 もしもご家族の方で肝嚢胞の疑いがある場合や、まずは相談先を必要としている場合などは、当クリニックでも無料相談を受け付けております。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞の検査 冒頭で述べた通り、肝嚢胞は健康診断や人間ドックの腹部超音波検査検診で見つかるケースが多い傾向にあります。つまり、腹部超音波検査検診は肝嚢胞を発見する有効な検査といえるでしょう。 ほかには、腹部CTやMRIによっても確認できます。 CTやMRIでは、嚢胞の壁や嚢胞液の性状を詳しく調べられる検査です。超音波検査で嚢胞の性状が通常と異なっている場合や、嚢胞に対して治療を検討する場合にさらに詳しい情報を得るための検査としておこなわれます。 肝嚢胞の治療法 肝嚢胞は、圧迫症状がなければ治療はおこなわず、経過観察で良いものになります。 肝嚢胞のサイズが大きく圧迫による腹部症状をきたしている場合や、嚢胞内感染などを起こしている場合には治療をおこないます。 治療方法は、注射で嚢胞内の液を吸引して肝嚢胞を縮小させる方法です。超音波で嚢胞を確認しながらおこないます。その後、エタノールを注入して嚢胞内に再び液体がたまらないようにします。 根本的な治療としては、嚢胞を切開、切除する手術です。近年では腹腔鏡による手術もおこなわれ、より体に負担の少ない治療方法が広まっています。 傷付いた肝臓組織を修復する治療法の1つに「再生医療」があります。 リペアセルクリニックでは、ご自身の脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を提供しています。 この治療は幹細胞が持つ組織修復能力を利用し、手術のような大きな負担なく、弱った肝臓の働きを根本からサポートすることを目指します。 治療法については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=w-r5Q9YGiwpb_Yfv 根本的な改善を期待したい方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 まとめ|肝嚢胞への理解を深めて適切な対応をとろう 肝嚢胞は多くの場合、無症状で偶然見つかるもので、症状がなければ経過観察で良いものになります。したがって、肝嚢胞と診断されても極端に心配する必要はありません。 しかし、大きい嚢胞では腹痛やお腹の圧迫感の症状が現れることがあるほか、まれにがん化する事例も報告されています。気になる症状があれば早めに専門の医療機関に相談しましょう。 損傷した肝臓組織を修復を模索するなら、手術を必要としない「再生医療」がおすすめです。本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。 ご自身の細胞を用いる再生医療は薬や手術とは異なるアプローチで、慢性的な肝臓のダメージや機能低下に悩む方に新たな希望をもたらす可能性があります。 ご本人だけでなくご家族も一緒に最善の道を探るために、ぜひこの情報をご活用ください。 ▼まずは肝嚢胞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞に関するよくある質問 最後に肝嚢胞に関するよくある質問と回答を以下で回答しています。 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 手術の必要性を判断する明確なサイズの基準はありません。 嚢胞のサイズよりも、症状の有無や生活への影響が重要な判断材料となります。たとえば、嚢胞が腹部を圧迫して腹痛が生じたり、胃を圧迫して食欲不振になったりするなどです。 注射で肝嚢胞の液体を吸引する治療法もあるので、専門医と相談して自分の状態に合った治療法を選択していくのが良いでしょう。 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞と診断を受けた時点で、担当医に今後の治療方針を相談しましょう。 無症状であれば、定期的な経過観察を推奨される可能性があります。肝嚢胞がほかの臓器を圧迫して圧迫感や痛みを感じる場合は、注射吸引による液体の除去や肝嚢胞を切開・切除する手術などが進められます。 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が、がん化した事例も報告されています。(文献2) がんの場合、早期発見が重要になります。体調不良や身体の違和感が長期間続く場合は、迷わず医療機関で検査を受けましょう。 参考文献 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamt/65/1/65_15-10/_pdf 文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/68/3/68_3_654/_article/-char/ja/
2024.05.09 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
高血圧で医師から降圧剤をすすめられたものの、「薬の違いがわからない」「副作用が不安」と感じている方は少なくありません。 高血圧は放置すると、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクが高まるため、適切な治療が必要です。 まずは食事の見直しや運動など生活習慣の改善が基本ですが、それだけでは十分に血圧が下がらない場合に、降圧剤が使用されます。 降圧剤には複数の種類があり、血圧を下げる仕組みが薬ごとに異なるため、体質に合う薬を選ぶことが大切です。 この記事では医師監修のもと、降圧剤の種類と特徴、副作用、そして薬と併用して血圧を下げる生活改善のポイントを解説します。 不安を取り除き、納得して治療を続けられるよう、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を実施しています。 高血圧について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 降圧剤(高血圧の薬)とは? 降圧剤とは、血圧を適切な範囲に保ち、高血圧による病気のリスクを抑えるために使われる薬です。 生活習慣の見直しだけでは血圧の改善が難しい場合に、治療の一環として用いられます。 ここでは、高血圧が起こる原因と、降圧剤が必要になる理由について解説します。 血圧が上がる原因と降圧剤が必要な理由 血圧が上がる原因には、次のような背景があります。 加齢による血管の硬化 塩分の多い食事 運動不足 肥満 ストレスの蓄積 遺伝的な体質 上記の影響が重なると血管に負担がかかり、血圧が高い状態が続きやすくなります。 高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、「少し高いだけだから」と放置してしまう方も少なくありません。 血圧が高い状態をそのままにしておくと、体に負担が蓄積され、将来的な健康リスクが高まります。 そのため、必要に応じて降圧剤を用いた治療が重要になります。 降圧剤の役割は「合併症リスクの回避」 降圧剤の目的は「今ある症状を和らげること」よりも、「将来的に起こり得る病気を防ぐこと」にあります。 高血圧の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎臓病などの合併症を引き起こすリスクが高まります。 こうした背景から、医師は血圧を適切にコントロールし、合併症を防ぐ目的で降圧剤の使用を提案します。 降圧剤は「血圧を下げるための薬」というよりも、「将来の重大な病気を予防するための治療の一部」と理解しておくと安心です。 降圧剤が必要になる血圧の基準値とは? 現在のガイドラインでは、最高血圧が120mmHg未満、最低血圧が80mmHg未満の状態を「正常血圧」としています。(文献1) 一方で、最高血圧が130〜139mmHg、または最低血圧が80〜89mmHgの場合は「高値血圧」とされ、将来的に高血圧へ進行する可能性が高い状態です。 さらに、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上になると、「高血圧症」と診断され、薬物治療を含めた対策が検討されます。 ただし、降圧剤を使うかどうかは血圧の数値だけで決まるわけではありません。 年齢や持病の有無、生活習慣などを総合的に考慮したうえで診断されるため、自己判断せず、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。 降圧剤(高血圧の薬)の種類と副作用 降圧剤にはいくつかの種類があり、血圧を下げる仕組みや副作用の出やすさがそれぞれ異なります。 代表的な降圧剤は、以下表のとおりです。 【代表的な降圧剤の種類】 薬の種類 主な作用 カルシウム拮抗薬 末梢の血管を拡張させて血圧を下げる作用の薬 ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) 血管収縮を抑えて血圧を下げる作用の薬 ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) アンジオテンシンⅡの産生を抑えて血圧を下げる薬 利尿薬 体内の水分と塩分を排出して血圧を下げる薬 β(ベータ)遮断薬 心拍数や心臓の負担を抑えて血圧を下げる薬 α(アルファ)遮断薬 交感神経の働きを抑えて血管を広げる薬 MR拮抗薬 ホルモンの作用を抑えて体液量を調整する薬 次に、それぞれの特徴と副作用について詳しく解説します。 カルシウム拮抗薬 カルシウム拮抗薬は、末梢の血管を拡張させることで血圧を下げる作用を持つ降圧剤です。 副作用が比較的少なく使いやすいため、現在の高血圧治療では最も多く処方されています。 また、高血圧の治療を始める際に、第一選択として選ばれることが多い薬でもあります。 一方で、血圧が下がりすぎた場合には、次のような症状が出る場合があります。 めまい感 動悸 頭痛 ほてり感 顔面紅潮 むくみ 歯茎の肥厚(歯肉肥大) など 【主なカルシウム拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アダラート アムロジピン アムロジン ノルバスク ランデル アテレック カルブロック コニール など ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、カルシウム拮抗薬に次いで多く使用されている降圧剤です。 血管に作用する「アンジオテンシンⅡ」という物質の働きを抑え、血管収縮を防ぐことで血圧を下げます。 副作用が少なく、治療の第一選択として使われることもあり、カルシウム拮抗薬だけでは十分な効果が得られない場合に、併用されるケースも少なくありません。 注意点として、副作用の一つに、服用中に血中カリウム値が上昇する可能性があります。 腎機能が低下している方が服用する場合、定期的に腎機能やカリウム濃度等をチェックする必要があります。 また、妊娠中や授乳中の方は服用できません。 【主なARBの商品名(後発品含む)】 オルメテック オルメサルタン アジルバ アジルサルタン ミカルディス テルミサルタン など ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)は、ARBと同じアンジオテンシン系に作用する降圧剤です。 アンジオテンシンⅡの産生そのものを抑えることで、血管収縮を防ぎ、血圧を下げます。 ACE阻害薬の副作用として知られているのが「空咳(からせき)」です。 これは体内物質であるブラジキニンの影響によるもので、日本人を含むアジア人に出やすい傾向があります。 妊娠中や授乳中の方は、ARBと同様に服用できません。 【主なACE阻害薬の商品名(後発品含む)】 レニベース エナラプリルマレイン酸塩 エースコール テモカプリル塩酸塩 タナトリル イミダプリル塩酸塩 など 利尿薬 利尿薬は、体内の余分な水分や塩分(ナトリウム)を尿として排出し、血液量を減らすことで血圧を下げる薬です。 とくに、塩分摂取量が多い日本人にとって、効果が期待できる薬の一つです。 また、利尿薬は高血圧だけでなく、むくみを伴う心不全がある場合や、他の降圧剤で効果が不十分な場合に併用されます。 副作用としては、電解質異常やトイレの回数増加などが起こる場合があります。 【主な利尿薬の商品名(後発品含む)】 ヒドロクロロチアジド フルイトラン トリクロルメチアジド フロセミド ラシックス アゾセミド ダイアート など β(ベータ)遮断薬 β遮断薬は、心臓の働きを抑えて心拍数や心臓の負担を軽くすることで血圧を下げる薬です。 高血圧治療の第一選択になることは多くありませんが、特定の病気を合併している場合に使用されます。 心筋梗塞後や脈が速いタイプの高血圧では、他の降圧剤と併用されることもあります。 喘息などの呼吸器疾患を持病に持ち、吸入を行っている方が使用する場合は、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。 【主なβ遮断薬の商品名(後発品含む)】 インデラル プロプラノロール メインテート ビソプロロール アーチスト カルベジロール など α(アルファ)遮断薬 α遮断薬は、交感神経の働きを抑えて血管を拡張し、血圧を下げる薬です。 交感神経が活性化しやすい早朝に血圧が上昇するタイプの方の場合、就寝前に服用することで効果が期待されます。 α遮断薬は自律神経に働きかける薬のため、交感神経の作用を抑えることで以下のような副作用が起こる可能性があります。 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がる状態) めまい 失神 α遮断薬を服用する場合は少量から開始し、副作用に注意しながら徐々に増やしましょう。 【主なα遮断薬の商品名(後発品含む)】 カルデナリン ドキサゾシン ミニプレス プラゾシン など MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬) MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)は、アルドステロンというホルモンの働きを抑え、体内の水分量を調整することで血圧を下げる薬です。 心臓を保護する作用も期待でき、心不全を合併する高血圧で使用されることがあります。 一方で、MR拮抗薬は体液バランスを調節する薬のため、高カリウム血症などの電解質異常に注意が必要です。 とくに、腎機能障害がある方や糖尿病性腎症がある方では、使用できない場合があります。 【主なMR拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アルダクトン スピロノラクトン セララ エプレレノン ミネブロ など 降圧剤(高血圧の薬)の配合剤とは? 高血圧の治療において、1種類の降圧剤では血圧が十分に下がらない場合、複数の降圧剤を1つにまとめた「配合剤」を服用するケースがあります。 降圧剤の配合剤は、異なる作用を持つ薬を組み合わせることで、より安定した血圧管理を目指す治療法です。 ここでは、配合剤の仕組みや特徴、代表的な配合パターンについて解説します。 複数の作用を一度に得られる治療薬 配合剤とは、血圧を下げる仕組みが異なる降圧剤を1錠にまとめた薬です。 たとえば、血管を広げる薬と、体内のホルモンの働きを抑える薬を組み合わせることで、それぞれの作用を補い合いながら血圧をコントロールできます。 高血圧の治療が進むにつれて薬の種類が増えると、「飲み忘れが心配」「管理が大変」と感じる方も少なくありません。 配合剤は、薬が増えることへの不安を軽減しやすい治療の選択肢として用いられています。 配合剤のメリットとデメリット 配合剤は、作用の異なる複数の降圧剤を1錠にまとめた薬で、服用する錠数を減らしながら血圧管理を行える点が特徴です。 薬の数が増えると飲み忘れが起こりやすくなりますが、配合剤を用いることで服薬管理がシンプルになり、治療を継続しやすくなる効果が期待できます。 一方で、配合剤には複数の成分が含まれているため、副作用が現れた場合に、どの成分が影響しているのかを判断しにくいという側面があります。 そのため、めまいや体調不良など、これまでと異なる症状を感じた際には、自己判断で服用を中止せず、医師に相談しながら調整を行うことが重要です。 降圧剤の主な配合パターンと代表的な薬剤 現在国内で処方可能な降圧薬の配合剤は、大きく分けて3種類です。 降圧薬の配合剤 詳細 カルシウム拮抗薬+ARB ザクラス アイミクス ミカムロ レザルタス エックスフォージなど ARB+利尿薬 イルトラ エカード プレミネント ミコンビなど カルシウム拮抗薬+ARB+利尿薬 ミカトリオ 配合剤を使用する際は、それぞれの降圧薬の副作用に注意してください。 配合剤の場合、名前だけでどの薬が配合されているかがわかりにくいため、注意が必要です。 降圧剤(高血圧の薬)を安全に服用するための注意点 降圧剤は、飲み合わせや服用方法を誤ると、思わぬ副作用につながる場合があります。 ここでは、降圧剤を安全に服用するために知っておきたい注意点を解説します。 グレープフルーツなどの柑橘類を避ける 降圧剤を服用している場合、グレープフルーツを含む柑橘類の摂取は避けるようにしましょう。 グレープフルーツには「フラノクマリン類」と呼ばれる成分が含まれており、体内で薬を分解する酵素の働きを妨げます。 この酵素の働きが阻害されると、薬の成分が体内に通常より長く残り、作用が強く出すぎることで、かえって副作用のリスクを高める恐れがあります。 これは降圧剤に限らず、コレステロール低下薬や抗不安薬など、さまざまな薬で起こる可能性があります。 降圧剤を服用している間は、柑橘類の摂取にも意識し、少しでも気になる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。 自己判断で降圧剤の服用をやめるのは危険 血圧が落ち着いてくると、「もう治ったのではないか」と感じ、自己判断で薬をやめてしまう方もいます。 しかし、血圧が下がった状態は、薬によってコントロールされている結果であり、高血圧そのものが治ったわけではありません。 途中で降圧剤の服用を中止すると、再び血圧が上昇し、高血圧の状態に戻ってしまう可能性があります。 そのため、薬の減量や中止を考える場合は、必ず医師と相談しながら進めることが重要です。 また、降圧剤を一生飲み続けなければならないのか不安に感じる方もいるでしょう。 血圧を下げるには薬の服用が重要ですが、中には生活習慣が改善したことで徐々に減量し、降圧薬をやめられた方もいます。 そのため、治療が順調であれば、薬を中止できる可能性は十分にあります。 降圧剤の飲み忘れに気づいたらどうする? 降圧剤を飲み忘れた場合の対応は、薬の種類や服用タイミングによって異なります。 そのため、自己判断で対応せず、あらかじめ医師や薬剤師から指示を受けておくことが大切です。 一般的には、飲み忘れに気づいた時点で時間をずらして服用する場合がありますが、1度に2回分をまとめて飲むことは避けましょう。 まとめて服用すると、血圧が下がりすぎたり、副作用が出やすくなる恐れがあります。 飲み忘れが続く場合や、対応に迷った場合は、早めに医師や薬剤師へ相談しましょう。 降圧剤(高血圧の薬)だけに頼らない!血圧を下げる生活習慣 降圧剤は血圧をコントロールするうえで重要な役割を果たしますが、生活習慣の見直しも同じくらい大切です。 毎日の食事や運動、過ごし方を少し見直すだけでも、血圧に良い影響を与える場合があります。 ここでは、血圧管理に役立つ生活習慣の改善方法について解説します。 食事の改善|食塩を減らす工夫 高血圧の改善には、食事内容の見直しが重要です。 なかでも塩分の摂りすぎは血圧を上げる大きな要因となるため、意識的に減塩を心がけましょう。 日本人は、もともと塩分摂取量が多い傾向にあり、高血圧の方では1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。(文献2) 家庭の食事だけでなく、外食や加工食品にも多くの塩分が含まれている点にも注意が必要です。 減塩を続けるためには、次のような工夫が役立ちます。 香味野菜や香辛料を活用して薄味でも満足感を高める 外食や加工食品の利用を控えめにする 食べすぎを防ぎ、適量を意識する 麺類はスープを残す また、アルコールの飲みすぎも血圧を上げる原因になります。 1日の純アルコール摂取量の目安は約20g程度とされており、ビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ワイン1杯(120ml)程度に相当します。(文献3) お酒を飲む習慣がある方は、量と頻度を意識することが大切です。 運動習慣の改善|有酸素運動・体重管理 食事とあわせて、運動習慣を見直すことも血圧管理に役立ちます。 高血圧の改善を目的とした運動では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がすすめられています。 運動の強さは、「ややきつい」と感じる程度で十分です。 激しい運動を行うと、かえって血圧が上がる場合があるため、無理のないペースを心がけましょう。 目安としては、1日20分以上、週200分程度の運動が推奨されています。(文献2) ただし、急に長時間の運動を始めると体への負担が大きくなるため、まずは短時間から少しずつ習慣化することが大切です。 まとまった運動時間を確保しにくい場合は、次のような日常生活の中で体を動かす機会を増やす工夫も効果的です。 エレベーターではなく階段を使う 近い距離は歩いたり自転車を利用したりする 長時間座り続けないよう、こまめに立ち上がる こうした積み重ねが、体重管理や血圧の安定につながります。 ストレスケアと睡眠リズムの整備 ストレスや睡眠不足も、血圧に影響を与える要因のひとつです。 強いストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、血圧が上がりやすくなる場合があります。 自律神経の安定には、十分な睡眠の確保と就寝・起床のリズムを整えることが重要です。 また、趣味の時間を持つ、深呼吸や軽いストレッチを行うなど、自分なりのリラックス方法を見つけることも、血圧管理に役立ちます。(文献2) 降圧剤(高血圧の薬)に関するよくある質問 降圧剤を服用する中で「一生続くのか」「体に合わなかったらどうするのか」など、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。 治療を続けるうえでは、正しい知識を持ち、必要に応じて医師と相談することが大切です。 ここでは、降圧剤に関してよく寄せられる質問をもとに解説します。 降圧剤は一生飲み続ける? 降圧剤は、必ずしも一生同じ薬を飲み続けなければならないものではありません。 血圧の状態や年齢、体質、生活習慣の改善状況によって、薬の量や種類が調整される場合があります。 また、治療が順調に進み、食事や運動などの生活習慣が整ってくると、医師の判断で減量や中止を検討できる場合もあります。 自己判断で薬をやめるのではなく、定期的な診察を受けながら医師と相談して進めることが大切です。 降圧剤で血圧が下がりすぎた際の対処法は? 降圧剤の影響で血圧が下がりすぎると、めまい、立ちくらみ、ふらつき、倦怠感などの症状が出る場合があります。 とくに立ち上がったときに症状が出やすい場合は、注意が必要です。 こうした症状が続く場合や、日常生活に支障を感じる場合は、早めに医師へ相談しましょう。 薬の量や種類を調整することで、症状が改善するケースも少なくありません。 サプリメントと併用しても大丈夫? サプリメントの中には、降圧剤の作用に影響を与えるものがあります。 とくに、カリウムを多く含むサプリメントや健康食品は、薬との組み合わせによって体に負担がかかる可能性があります。 自己判断で併用するのではなく、サプリメントを使用している場合や新たに取り入れたい場合は、事前に医師や薬剤師へ相談すると安心です。 安全に治療を続けるためにも、服用しているものはすべて伝えるようにしましょう。 まとめ|降圧剤(高血圧の薬)と生活習慣の両立で血圧を安定させる 降圧剤は、高血圧による脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を防ぐために、血圧を適切な範囲に保つ重要な治療方法です。 降圧剤にはさまざまな種類があり、それぞれ作用の仕組みや副作用が異なるため、自分の体質や状態に合ったものを選ぶことが大切になります。 一方で、高血圧の治療は薬だけで完結するものではありません。 食事の減塩や運動習慣の見直し、十分な睡眠やストレスケアといった生活習慣の改善を併せて行うことで、血圧の安定につながりやすくなります。 また、降圧剤の服用を続ける中で不安や疑問が生じた場合は、自己判断せず、医師や薬剤師に相談することが重要です。 降圧剤と生活習慣の両立を意識しながら、自分に合った血圧管理を続けていきましょう。 参考文献 (文献1) 高血圧治療ガイドライン・エッセンス|日本心臓財団 (文献2) 血圧を適切に保つための10のヒント|日本高血圧学会 (文献3) アルコール|厚生労働省
2024.05.02 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「高血圧だと腎臓に影響するって聞いたけど、血圧の高さはどう改善すればいいの?」 「そもそも両者にはどんな関係性があるのか知りたい」 このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。 結論、高血圧の場合、腎臓に悪影響を及ぼします。血圧が高いと腎臓に負担がかかり腎機能が低下するほか、腎炎や慢性腎臓病などの病気を発症するリスクも高まります。 腎機能を健康な状態に保つには、高血圧を改善するための取り組みを日頃から継続することが大切です。 本記事では、腎臓と高血圧の関係や血圧の高さを改善する方法を解説します。高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病についても紹介しているので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 「高血圧と関連のある腎臓病」について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【基礎知識】腎臓と高血圧の関係 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる怖い病気を引き起こすことをご存じの方は多いかもしれません。 高血圧はそれだけでなく、腎臓にも負担を与え、徐々に腎臓の機能を低下させていきます。 この章では、高血圧と腎臓の働きについて解説した上で、高血圧が腎臓に与える影響を詳しく説明します。 高血圧とは 高血圧とは、一般的に「最高血圧が140mmHg以上もしくは最低血圧が90mmHg以上、またはその両方」である状態を指します。 血圧は変動しやすいため一時的にこの値を上回ることはよくあり、その場合は問題とはなりません。 腎臓の働き 腎臓は、尿を作る働きがあり、老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出してくれます。尿の量を調整する機能もあり、体内の水分量を適切な状態に保ちます。 また、ホルモンを分泌し、血圧の調整を図るのも腎臓の重要な役割です。そのほかにも血液を作るホルモンも分泌しており、貧血にならないように体をサポートしています。 高血圧が腎臓に与える影響 高血圧の状態が長期間続くと、腎臓に負担を与え、腎機能の低下を引き起こします。 腎臓の機能が低下すると、腎炎(腎臓の炎症)を発症しやすくなります。また、慢性的な機能障害を引き起こし、慢性腎臓病と診断される方も少なくありません。 腎臓から血圧への逆の影響もあります。腎臓は血圧を調整するホルモンを分泌する働きがあるため、腎臓の機能が低下すると高血圧になりやすいです。 このように、腎臓と高血圧は密接な関係にあり、互いに影響し合って悪循環を招くことがあります。 高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について ここでは、高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について、さらに詳しく解説します。 慢性腎臓病とは、腎機能の障害が慢性的に続いている状態です。 具体的には、機能異常による腎障害が3カ月以上持続または糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)の数値が60mL/min/1.73m²未満に低下した状態が3カ月持続している方を指します。(文献1) 健康な方の糸球体濾過量は100mL/min/1.73m²程度ですので、慢性腎臓病の方では正常値の60%ほどまで機能が低下している状態です。 国内に1330万人の慢性腎臓病患者が存在すると推定されています。これは成人の約8人に1人の割合であり、どなたでも発症しうる身近な疾患です。(文献2) 慢性腎臓病の原因 慢性腎臓病の原因にはさまざまなものがありますが、とくに高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病と深く関係しています。 また、加齢による腎機能低下も大きな原因の1つです。 高血圧 脂質異常症 糖尿病 加齢 慢性腎臓病の症状 慢性腎臓病の初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると息切れや倦怠感、むくみといった症状が現れます。 息切れ 倦怠感 むくみ このような症状がみられた場合、腎臓が正常に機能していない可能性があるため治療が必要になります。 慢性腎臓病の治療 残念ながら慢性腎臓病で徐々に低下してしまった腎機能を完全に元に戻す治療法はありません。 慢性腎臓病と診断された場合に行う治療には大きく分けて、進行を抑える治療、そして悪化した腎機能を人工的に維持する治療の2つになります。 治療方法 治療内容 投薬治療 進行を抑える治療 慢性腎臓病の原因となった生活習慣病に対する投薬治療になります。 具体的には、高血圧をお持ちの方であれば降圧薬の内服が一般的です。 腎代替療法 腎機能を人工的に維持する治療 腎代替療法(血液透析や腹膜透析など)と呼ばれる治療になります。 先ほど紹介したような息切れや倦怠感、むくみといった症状を伴う場合にこのような治療が必要になる可能性があります。 高血圧患者が腎臓の機能を改善する方法 高血圧患者が腎臓の機能を改善させるには、日頃の生活習慣や、血圧の状態を適切に管理することが大切です。 具体的な改善策は主に以下の5つです。 食生活を見直す 禁煙する 糖尿病の治療を進める 血圧計測で目標値内にコントロールする 健康診断を受ける 順番に見ていきましょう。 食生活を見直す 高血圧を予防するために最も大切なことは、バランスの取れた食生活を送ることです。 日々の食事では炭水化物、たんぱく質、脂質といった三大栄養素が大部分を占めており、現代の日本人は特に、炭水化物や脂質を摂りすぎる傾向にあります。 このような食生活を続けてしまうと、血圧が上昇し、腎臓に負担がかかります。さらに、高血圧を防ぐためには、塩分を控えた食事も大切です。高血圧や慢性腎臓病を予防するための適切な塩分量は1日当たり6g未満とされています。 ところが、厚生労働省の調査報告書によると日本人が1日に摂取している塩分量の平均値は9.8gです。(文献3)平均すると1日当たり3.8gの減塩が必要となります。 禁煙する 喫煙は血圧を上げる要因となります。たばこに含まれる成分が血管の収縮や柔軟性の低下を引き起こすためです。 そのため、腎機能の改善を図るには、禁煙をして高血圧にならないようにする意識が大切です。 以下の方法が禁煙に役立ちます。 禁煙外来を受診する ニコチンパッチやガムを使う 無理のないペースで、たばこの本数を少しずつ減らしていきましょう。 糖尿病の治療を進める 高血圧と糖尿病は併発しやすく、国内にいる糖尿病合併高血圧患者は約90万人です。実際には、糖尿病患者の半数以上は高血圧を併発しています。(文献4) 糖尿病を発症している方は、糖尿病の治療に専念することで高血圧の改善につながり、ひいては腎臓機能の改善も期待できます。 糖尿病の主な治療は、糖質の量や血糖値の上昇をコントロールする食事療法と、インスリンを注射で投与する薬物療法です。 そのほかにも再生医療の選択肢があります。再生医療は患者様ご自身の細胞を活用した治療方法で、当院では脂肪由来の幹細胞を投与する治療を提供しています。 メール相談、オンラインカウンセリングを承っておりますので、詳しい治療方法を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 血圧計測で目標値内にコントロールする 血圧は家庭用の血圧計で簡単にチェックできるため、日ごろから計測する習慣を付けましょう。 日々血圧を意識しつつ、生活習慣の改善だけで下がりきらない場合には内科のある病院を受診してください。 降圧薬を服用しながら適切な値にコントロールする必要があります。 健康診断を受ける 慢性腎臓病を早期発見するには、定期的に健康診断を受けることが大切です。 慢性腎臓病の初期段階では、腎機能の低下を生じていても自覚症状がみられない場合がほとんどです。 そのため、早期発見のためには健康診断の血液検査で血清クレアチニン値や血中尿素窒素など、腎臓の機能に関わる項目をチェックしましょう。 これらの項目が異常と判定された場合には慢性腎臓病の可能性がありますので、早めに内科を受診し、早期の検査をおすすめします。 腎臓機能と高血圧の改善策を知って日々の過ごし方を見直そう 血圧と腎臓は密接な関係にあるため、それぞれの状態を良好に保つ意識が健康維持に繋がります。 高血圧は日頃の食生活の改善、喫煙習慣、運動習慣、定期的な血圧チェックにより、早期発見と適切な対策が可能です。 本記事で紹介した改善策を参考に、腎機能の向上を目指しましょう。 腎臓と高血圧の改善に関するよくある質問 腎不全と高血圧に関連のあるレニンとはなんですか? レニンは、血圧を上げる働きのあるホルモンを作るために必要な酵素です。つまり、レニンの分泌量が増えると、高血圧になりやすいです。 高血圧の状態が長期間続くと、腎機能が著しく低下し、正常に機能しなくなる腎不全に進行する可能性があります。 高血圧患者が腎臓を検査する方法は? 高血圧患者の腎臓状態をチェックする代表的な検査は以下のとおりです。 検査の種類 内容 尿検査 尿に含まれる成分を検査 たんぱく質や血液などが混入し、異常が認められると腎機能低下の可能性があります 血液検査 クレアチニン(老廃物の一種)の濃度を検査 クレアチニン値の濃度が高いと腎臓の機能低下が疑われます 画像検査 腎臓の形・大きさを画像で検査 腎臓の萎縮や腫瘍が確認できます 腎生検 腎臓の組織を採取する検査 尿検査・血液検査・画像検査では判断困難な場合に正確に診断します 検査は状態の進行具合や医師の判断によって選択されます。 低血圧の場合も腎臓に負担がかかりますか? 低血圧の状態が長く続くと、体内に酸素や栄養が行き届かなくなり腎臓にも負担を与えます。 参考文献 (文献1) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献2) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献3) 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省 (文献4) 糖尿病の病態と高血圧一なぜ糖尿病では高血圧合併例が多いのか一|内分泌·尿病科
2024.04.30 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
高血圧の薬とグレープフルーツなどの柑橘類は、相互作用によって薬の効き目が強まってしまうため注意が必要です。 本記事では、高血圧の薬との飲み合わせに注意したい『柑橘類』について紹介します。 ご家族の中に高血圧の方がいる場合、「脳梗塞」や「脳出血」などの発症すると命に関わる病気につながらないように注意しましょう。 「高血圧の治療で効果が見られない」「別の治療法があれば知りたい」という場合、傷付いた血管の改善が期待できる再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は傷付いた血管や高血圧によって発症する脳梗塞の症状改善が期待できる治療法です。 ご家族に高血圧の方がいるなら患者さまの将来のためにも、手遅れになる前に公式LINEの情報をぜひご参考ください! \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼ご家族族の肝硬変が悪化して手遅れになる前に! >>【公式LINE限定】再生医療の治療法や症例を今すぐ見てみる 高血圧薬とグレープフルーツをいっしょに食べてはいけない理由は「フラノクマリンが含まれるため」 グレープフルーツと一部の薬を一緒に摂取することは避けるべきとされています。 理由としては、グレープフルーツに含まれる特定の化学成分(主にフラノクマリン類)は、人体内で薬物を分解する酵素(とくにCYP3A4というシトクロムP450酵素)の働きを阻害するからです。 この酵素は、薬物をより無害な形に分解し、体外へ排出するために重要です。しかしこの酵素の阻害は、薬物の体内での濃度を予期せず増加させ、副作用が起こるリスクを高めてしまいます。 血圧を下げる作用を持つ薬剤(降圧薬)の一群に『カルシウムチャネル拮抗薬』がありますが、こちらを一例としてご紹介します。 カルシウムチャネル拮抗薬の薬効は、血管を拡張させることで血圧を下げることです。しかし、フラノクマリン類との相互作用により、これら薬剤の効果が強まり、低血圧やめまい、倦怠感などの副作用を引き起こすリスクが高まってしまいます。 高血圧の薬にはカルシウムチャネル拮抗薬だけでなく、さまざまな作用の仕方、成分がありますが、グレープフルーツを含む柑橘類は同じく避けましょう。 これが降圧薬とグレープフルーツを一緒に摂ってはいけない理由です。 さらに、高血圧の薬以外にもグレープフルーツが影響を及ぼす薬剤として、以下のようなものが挙げられます。 高血圧治療薬(例:カルシウムチャネル拮抗薬 フェロジピン) コレステロール低下薬(例:スタチン類) 抗不安薬 免疫抑制剤 抗アレルギー薬 これらの薬剤も、CYP3A4酵素によって代謝されるため、グレープフルーツやグレープフルーツジュースとの同時摂取はとくに注意が必要です。 健康を守るためにも、薬を服用している場合は、柑橘類の摂取に関して医師や薬剤師と相談しましょう。 また、高血圧については以下の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。 グレープフルーツ以外のフラノクマリン含有量の高い果物(柑橘類)一覧 グレープフルーツ以外にも、高血圧治療薬と相互作用を起こしやすい柑橘類の一覧は以下の通りです。 出典:酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング それぞれ「果汁」と「果皮」でフラノクマリン類含有量が異なることもあるため、上記の柑橘類には注意しましょう。 当院の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例を公開しております。 再生医療は高血圧で傷ついた血管に対しても改善が期待できる治療方法なので、将来的な不安がある方はこの機会にぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる 果汁の場合 果汁ではスウィーティー、メロゴールド、バンペイユがグレープフルーツと同程度の結果でした。 そして、フラノクマリンの量が増えるとCYP3A4の活性が阻害(働きが妨げられること)される強さの度合いはほぼ比例すると報告されています。 そのため、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユおよびレッドポメロはグレープフルーツと同様に、フラノクマリン類による相互作用に注意が必要であると考えられます。 ダイダイ、ブンタン(ザボン)についてはやや少ないですが、これらも注意が必要です。 なお、スウィーティーとレッドポメロはすでに生物の体内でもグレープフルーツと同様にCYP3A4の働きを妨げることが報告されていますが、メロゴールドについてはまだ報告されていません。 果皮の場合 また、果皮についてはメロゴールドとスウィーティー、甘夏みかんおよびサワーポメロがグレープフルーツに近い結果でした。さらに、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で、果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかりました。 レモン・オレンジは相互作用の心配が少ない柑橘類 一方で、レモンや日向夏、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、温州みかん、ポンカン、イヨカン、デコポン、ゆず、カボス、すだち、キンカン、バレンシアオレンジといった柑橘類については、少なくとも果汁にフラノクマリンはほぼ含まれていない(N.D.:未検出)ので、CYP3A4との相互作用の心配は少ないのではないかと考えられます。 しかし前述したように、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については、注意が必要です。 高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの4つの注意点 高血圧の薬と柑橘類を一緒に食べるときは、以下4つのポイントに注意する必要があります。 フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 果物漬けやマーマレードなど加工食品にも注意を払う どうしても食べたいときは医師や薬剤師へ相談する フラノクマリンが多い果物を食べた場合は安静にし体調の変化がないか確認する フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 柑橘類のなかには、フラノクマリンの含有量が少ないものもあります。 ミカンやオレンジなどの柑橘類で、食べたいと感じる気持ちを落ち着かせましょう。 また、先述したように皮は含有量が高い場合もあります。含有量をあらかじめ調べておくと良いでしょう。 果物漬けやマーマレードなど加工品にも注意を払う 先ほど述べたように、柑橘類の果汁よりも「果皮」にフラノクマリンが多く含まれていることがわ分かっています。そのため、果皮の果物漬けや、マーマレードなどの加工食品を食べる際にも、十分な注意が必要です。 ただし、グレープフルーツ由来のフラノクマリンなどの成分は小腸のCYP3A4に数日間影響を与えます。 そのため、降圧薬を飲む場合には、グレープフルーツジュースで薬を飲むことを避けるだけでは不十分と考えられます。 日常生活の中で、グレープフルーツジュースだけでなく、果汁やサワー、マーマレードなどの加工食品を摂取するのは避けた方が良いでしょう。 ミックスフルーツジュースを飲む際も、グレープフルーツが含まれているかどうかを確認する必要があります。 どうしても食べたいときは医師や薬剤師の意見を参考にしよう 薬剤師や医師は、高血圧薬との飲み合わせに関する専門的な知識を持っています。 薬を服用中の患者は、新しい食品やサプリメントを摂取する前に必ず医療の専門家に相談しましょう。 たとえば、主治医である血圧の診療に長けている医師や、治療薬に精通した薬剤師などは、自分の状況に合ったアドバイスをくれるでしょう。 高血圧の治療中に、自己判断で、新しいサプリメントなどを飲み始めることはあまり勧められません。 摂取すべきでない食品や飲み物、サプリメントを避けることで、高血圧の治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小化できるでしょう。 代替となる安全な飲み物や食品 グレープフルーツや特定の柑橘類が持つ特定の薬剤との相互作用は、高血圧治療薬を含むさまざまな薬の効果に影響を及ぼす可能性があります。 しかし、柑橘類にはビタミンCをはじめとする、健康的な食生活にとって大切な食品であるという側面もあります。 そこで、柑橘類のように高血圧の薬との相互作用を避けるため、他のビタミンCが豊富な食品への代替が推奨されます。 ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポートやコラーゲンの生成に必要な栄養素です。 おすすめの代替食品 キウイ:キウイはビタミンCが豊富であり、1個のキウイで1日のビタミンC推奨量のほぼ100%を提供します。また、抗酸化物質、食物繊維、ビタミンKも豊富に含まれています。 赤ピーマン: 野菜の中でもとくにビタミンCが豊富で、グレープフルーツや柑橘類を避ける必要がある人にとって優れた選択肢です。サラダや料理の彩りも良くしてくれ、栄養も豊富なためおすすめです。 フラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には安静にし体調の変化を確認する もしも知らずにフラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には、急激な体調の変化が起こる可能性があります。 軽度のめまいや頭痛から、血圧が下がるとショック症状や心臓にかかわる症状が出るおそれもあります。 そのため、運動や外出などは避け、座ったり休んだりしながら様子を見ましょう。 明らかな体調の変化が起こった場合には、受診し医師の指示を仰ぐ必要があります。 まとめ|フラノクマリンの多い果物(柑橘類)には要注意 薬との飲み合わせが気になるけど、それでも柑橘が食べたいという時があると思います。 グレープフルーツ以外にも相互作用を起こしやすい柑橘類もありますが、その心配の少ない柑橘類もあります。 しかし、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。 果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については注意が必要しましょう。 柑橘類を選ぶ際には、この記事の内容をご参考にしていただければ幸いです。 また、当院(リペセルクリニック)の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例をご覧いただけます! できなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる また、高血圧の薬の種類や副作用については以下の記事でも解説しておりますのでチェックしてください。 参考文献 Bailey, D. G., Malcolm, J., Arnold, O., & Spence, J. D. (1998). Grapefruit juice-drug interactions. British Journal of Clinical Pharmacology, 46(2), 101-110. 酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング.医療薬学.2006;32(7):693-699. p696 3.高血圧 | 薬事情報センター | 一般社団法人 愛知県薬剤師会 グレープフルーツと薬物の相互作用 – 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「Q2 グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか。」 Chambial S, Dwivedi S, Shukla KK, John PJ, Sharma P. Vitamin C in disease prevention and cure: an overview. Indian J Clin Biochem. 2013 Oct;28(4):314-28.
2024.04.25 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
40代、50代になってから急に血圧が高くなったのはなぜ? 血圧とホルモンバランスには関連はあるの? このような悩みを持つ女性も多いのではないでしょうか。 高血圧は生活習慣病の一つとして広く知られていますが、女性の場合は更年期障害が原因のケースもあります。 女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、血圧が下がりにくくなるためです。 本記事では、女性に多い高血圧の原因や、自分でできる対処法について解説します。 記事を最後まで読めば、女性由来の高血圧について正しい知識が身につくでしょう。 また、高血圧の改善について、専門科に相談したいという方はぜひ当院「リペアセルクリニック」の「メール相談」「オンラインカウンセリング」をご活用ください。 40代・50代女性の高血圧は「更年期による女性ホルモン減少」が原因 更年期の変化によって生じる高血圧を「更年期高血圧」と呼びます。 高血圧を放置しておくと、心臓病や脳血管障害につながることもあります。 本章を参考に、なぜ更年期になると高血圧が起こるのかを理解し、きちんと対策をしましょう。 女性ホルモンの減少によって生じる更年期障害 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。このうちエストロゲンの減少が、更年期障害の発症に大きく関わっていると考えられています。 更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。 ホルモンバランスを保てなくなったことに対して、脳がそれを補おうと必死に身体にさまざまな命令を送り、それが更年期症状として現れてしまうのです。 多岐にわたる更年期症状ですが、高血圧以外には以下のようなものが挙げられます。 血管運動に関わる症状(ほてり、のぼせ、発汗、動悸、息切れ、むくみなど) 精神症状(頭痛、不眠、不安感、イライラ、抑うつ、無気力など) 消化器症状(便秘、下痢、胃の不快感、胸焼け、吐き気など) 皮膚症状(かゆみ、湿疹など) 運動器に関わる症状(肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛など) そのほか(疲労感、排尿トラブル、不正出血など) 症状が軽度で済む人もいれば、日常生活に支障が出るくらい重い症状が出る人もいます。軽度の場合は更年期症状、症状が重くなると更年期障害となります。(文献1) 主にエストロゲンの減少が高血圧を招く 私たちの身体は、常に一定の血圧を保持できるよう機能しており、高くなりすぎず、低くなりすぎないように調整されています。 エストロゲンは、その調整因子の一つであり、血管を広げて血圧を下げる働きをしています。更年期による卵巣機能の低下によってエストロゲンが減少すると、血圧が下がりにくくなってしまうのです。 また、自律神経の乱れも更年期高血圧に大きく関わる因子です。 自律神経には、交感神経と副交感神経があります。活発な時や緊張状態の時には交感神経が優位となり、血管が収縮して血圧が上昇します。 逆に休んでいる時や就寝中は副交感神経が優位となり、血管は拡張して血圧が下がります。 このように血圧調整にとても大切な自律神経ですが、女性ホルモン低下に追いつけないことでパニックになった脳は、さまざまな命令を身体に送る中で、自律神経も乱してしまうのです。 自律神経の乱れは血圧変動のみならず、上記に述べたような精神症状や身体症状の原因にもなっています。 このようにエストロゲンの減少と自律神経の乱れは、本来私たちに備わっている血圧調整の歯車を狂わせ、結果的に更年期高血圧を引き起こすのです。 更年期の女性がやるべき高血圧の対策7選 今日からご自身で始められる、更年期高血圧の対策は以下の7つです。 血圧測定を習慣化する 塩分を控える 体重管理を行う 運動習慣を取り入れる 睡眠時間を十分に取る ストレスを溜めない イソフラボンを摂取する 本章では、各項目について解説します。 血圧測定を習慣化する 血圧は普段の状態と、高くなっているときの違いを探すことが大切です。 以下のポイントを意識して、血圧の測定を行いましょう。 血圧上昇が一時的なものなのか 血圧が高い状態がずっと続いているのか どのような時に高くなるのか 外出時は精神的・身体的・環境的因子が血圧に影響することも多いため、自宅での血圧測定を推奨します。 なお「高血圧治療ガイドライン2019」では、血圧測定は、手首型の機器よりも二の腕で測るタイプを勧めています。(文献2) 定期測定は起床時と就寝前の2回、そしてめまいや動悸など、上記の更年期症状が出た際にも血圧を測定し、血圧の推移とともにどのような状況で血圧が上がったのかを書き留めておくと良いでしょう。 自分の状況を把握するだけでなく、医師からの診察の際にも役立ちます。 塩分を控える 塩分過多は高血圧の原因として最も多いとされています。 塩分を多く摂ると、血液中の塩分濃度が上がるため、それを薄めようと血管内の水分が増えます。そのため、血管を押し拡げる力が強くなり、血圧が上がってしまうのです。 近年はとくに、インスタント・冷凍食品の改良化や食事のデリバリー事業などが進み、便利な時代となりました。しかし、既製品や外食は塩分量とカロリーが高くなる傾向にあります。減塩調味料の使用や野菜多めの食事を心がけるようにしましょう。 体重管理を行う 血圧の管理には、体重管理も大切です。 肥満の人は食べ過ぎによるインスリンの出過ぎから、交感神経が刺激されカテコールアミンという物質が分泌され、血圧を上げてしまいます。さらに、脂肪細胞が肥大してアンギオテンシノーゲンという物質が出ることでも血圧上昇を引き起こします。 食事や運動を組み合わせてカロリーを調整し、BMI25以下を目指すようにしましょう。 また、食べ過ぎで塩分を過剰摂取してしまい、血圧上昇につながっている可能性もあります。日頃から減塩を意識して食事を摂りましょう。 運動習慣を取り入れる 仕事や家事に追われて、なかなか運動の時間をとるのが難しい方もいらっしゃいます。 1日の中で、少し早起きしてウォーキングをしてみる、10分のエクササイズ動画を真似してみる、休日にスポーツセンターに行ってみる、一駅分歩いてみる、など小さなことで構いません。自分のできる範囲内で何か始めてみましょう。運動するとイライラした気持ちも収まり、身も心もスッキリします。 睡眠時間を十分に取る 睡眠不足は交感神経を刺激し、高血圧を引き起こします。 しかし更年期障害の一つに不眠もあり、夜なかなか寝付けない人もいるかと思います。 具体的な方法は以下の通りです。 就寝時間の2時間前までに食事を摂り終える 布団に入ったらスマートフォンはいじらない 夜にカフェインやお酒は控える リラックス効果のある香りや音楽をつける ここまでの対策は自身でできることですが、やはり重症化予防の鍵は早期受診となります。 高血圧を適切に治療しなかった場合、心臓や脳の血管に障害を生じ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がります。こうならないためにも、適切な治療を受けることが必要です。 ストレスを溜めない 体や心にかかるストレスは交感神経を興奮させ、血圧を上昇させます。 ストレスが強い、長く続いているという方は要注意です。 自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスを溜めないことも血圧管理には大切です。 ストレス解消法の一例は、以下の通りです。 体を動かす 趣味に没頭する 日光を浴びる 好きな音楽を聴く 動物と触れあう 自分なりのストレス解消法を見つけ、高血圧を予防・改善させましょう。 イソフラボンを摂取する イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。そのため、イソフラボンを摂取すると、更年期障害による心や体の症状の改善が期待できます。 イソフラボンは大豆、豆腐、納豆などのマメ類に多く含まれます。 さらに、LDLコレステロールを下げる働きもあり、動脈効果を防ぎます。そのため、動脈硬化による血圧上昇の予防にもなるのです。(文献3) まとめ|更年期女性の高血圧はエストロゲン減少が原因!医療機関の受診も検討しよう 更年期高血圧は、更年期を迎える女性の身体の変化に伴って生じるものです。 更年期を過ぎると血圧が元に戻ることもありますが、多くの場合は加齢の変化と相まって高血圧のままとなります。命を脅かす病気に発展しないよう、血圧のコントロールを行うことが大切です。 毎日の生活習慣を改善し、早期に病院を受診しましょう。このコラムがご参考になれば幸いです。 血圧が高くなってきて悩んでいる方は、当院の「メール相談」「オンラインカウンセリング」もぜひご活用ください。 また、高血圧とストレスについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。 参考文献 (文献1) 公益社団法人 日本産科婦人科学会,更年期障害 (文献2) 日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン2019. (文献3) 久保田芳郎 ほか. 大豆イソフラボンアグリコンの更年期障害に対する効果について. 公益社団法人 日本人間ドック学会. 2002:17(2), p172-177
2024.04.22







