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股関節の大腿骨頭壊死は治るのか?症状と治療法

股関節の大腿骨頭壊死は治るのか?

皆さんは、これまでに「股関節の大腿骨頭壊死」という言葉を耳にしたことはありませんか。あまり馴染みは無いと思いますが、これは股関節に現れる病名で非常に大きな病です。

股関節の痛み

大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭部の阻血性(血行障害)疾患であり、日本での年間発生者はおよそ2200人程度と推定されています。この疾患を発症するリスクとしては、ステロイドによる治療歴や、アルコール、つまり飲酒との関連性が報告されています。

大腿骨頭壊死とは、人体で一番大きな球状の関節である股関節を構成する大腿骨頭の一部に血流が通わなくなることで、その結果として悲しいことに骨組織が壊死してその部分が死んでしまうような状態を指します。

大腿骨頭壊死症になると、保存的な治療以外にも手術による治療を薦められることもあります。

基本は、患者さん自身の股関節を温存することを優先的に考えますが、症状や重症度によっては人工物で股関節を置き換える人工関節置換という手術療法を選択しなければなりません。

今回は、股関節に現れる大腿骨頭壊死の正体とその治療法について解説しましょう。

股関節の大腿骨頭壊死の原因や症状とは?

足の付け根部分にある関節、その中でも大腿骨の先、大腿骨頭は、股関節を形成する部位としてとても重要な役割を果たしています。大腿骨頭は丸みを帯びた形状をしていて、この大腿骨頭が股関節の中の臼蓋といわれるくぼんだ部分にはまり込むことで股関節が形成されています。

大腿骨頭壊死は、大腿骨頭への血流が十分な量が循環されなくなり骨組織が死んでしまうことで起こります。そして、大腿骨頭壊死症を発症すると大腿骨頭が正常な場合の丸みのある形が変形してしまい、そうなると正常な股関節としての機能を果たせなくなります。

大腿骨頭壊死は、血流障害から発生する病気ですが、いくつかの危険因子がこれまでの研究によって指摘されています。

例えば、「膠原病」の合併症として発生するケースが多いと報告されています。膠原病のなかでも特に大腿骨頭壊死と関連性が深いのは、全身性エリテマトーデスという病気で、実際に、15歳以上の全身性エリテマトーデスを罹患している患者さんでは、大腿骨頭壊死の発生数が急増することが分かっています。

また、「ステロイド」の大量服薬なども本疾患、発生の危険因子であると考えられています。

ステロイドは膠原病や白血病などの数多くの病気で使用される重要な薬剤ですが、1日に40㎎以上を服用し続けると大腿骨頭壊死を患うリスクが上昇するという研究結果があります。

その他に大腿骨頭壊死の原因としてあげられるのがアルコールの過剰摂取、年齢、性別、凝固異常などが考えられています。尚、性別については、男性が女性よりも発生しやすいという統計になっているので男性は注意が必要です。

さらに、発症の危険因子ではありませんが、症状が悪化すると壊死した骨へ体重が過剰に掛かると潰れやすくなることも指摘されていて、これも注意しなければなりません。

大腿骨頭壊死は、大腿骨頭の壊死が生じた段階では明らかな症状はありません。骨頭部の壊死が発生してから股関節の症状が出現するまでには時間差があるからです。

本症では、病理学的には骨細胞と骨髄細胞が壊死に陥る特徴があります。骨頭壊死部は、主に壊死した層、修復反応層、健常な層といった 3 つの層に分かれていて壊死した層が壊れることで大腿骨頭の形に変化が生じ、股関節の機能に障害が起こるります。

 

股関節の大腿骨頭壊死の治療法

さてここからは、股関節の大腿骨頭壊死は治るのかと題して、骨頭壊死に対する治療法についてご紹介していきましょう。

まず大腿骨頭壊死の診断は、レントゲン写真やMRI検査、シンチグラムといった画像検査が主体になります。特に、MRI検査では大腿骨頭が潰れるという大きな変化を起こす前段階の時点、画像で異常を発見することが可能になります。

大腿骨頭壊死では、保存的療法と手術療法が存在しますが、病状の進行度や症状などに応じて治療方針が決定されます。もし、壊死範囲がごく小さい場合や経過が悪くないと判断されるケースでは、手術を選択せずに保存的な治療で様子をみることになります。

通常の保存的な治療では、体重を過度に増やさず肥満を防止したり、歩行では杖を使用して体重が股関節に賭ける負担を無くしたり、また長距離歩行を出来る限り控えることが必要です。また、重いものを持ち上げることも禁止される場合が多いと思われます。

疼痛(痛み)症状に対しては、消炎鎮痛剤が使用されます。

そして、大腿骨頭壊死の手術療法としては、「自分自身の股関節を温存する方法」と、「人工股関節への置き換える方法」があります。

仮に壊死部分に過剰な体重がかかってしまうと大腿骨頭の潰れが進行してしまうため、大腿骨頭回転骨切り術と言われる手法や、大腿骨内反骨切り術という手術の実施を考えることになります。

自分自身の股関節を温存する手術とは、手術で大腿骨の形を変えることによって体重のかかる部分に健常な関節面が当たるようにします。これによって大腿骨頭の変形の進行を抑えていきます。

また、大腿骨に大きな変形が生じている症例では、人工関節への置換手術を行います。

この場合に、注意しておきたいのは股関節を人工物に置き換えるということは、人工物と骨を結合する必要から、その結合状況の耐久性にはおのずと限界があることです。そのため、人工関節置換術という手術は、将来的に再手術が必要となる可能性があることを考慮した上で慎重に検討しなければなりません。

大腿骨頭壊死は治るのか?まとめ

股関節は、自分自身の体重を支える非常に重要な関節です。大腿骨頭壊死は、股関節を構成する大腿骨頭という部分に血流が行き渡らなくなることで、骨の組織が壊死してしまった状態です。

壊死しただけでは疼痛症状(痛み)を自覚しませんが、壊死部分が圧迫されて潰れると痛みが生じます。

特に、大腿骨頭壊死の発症にはステロイドとの関連性が指摘されており、治療にあたり、ステロイドの服用に関しては慎重な管理が必要とされます。

かつては、股関節の大腿骨頭壊死症は「一度壊死が起きたら治らない」と言われていた時代がありましたが、上手に治療して壊死部分が圧潰しなければ改善する可能性があります。

早めに信頼できる医師に相談して改善を目指しましょう。

 

No.s018

監修:医師 加藤 秀一

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