脳卒中の種類と原因|発症を予防するため、注意すべき生活目標と修正方法とは
公開日: 2021.12.14更新日: 2024.10.07
目次
脳卒中の種類と原因|発症を予防する生活上の生活目標と修正方法について
脳卒中とは、脳の血管が突然つまったり破れたりすることで脳の血管に障害を起こす病気を総称して「脳卒中」といいます。この脳卒中、いくつか種類に分かれ、それぞれ発症原因も異なります。
そこで、脳卒中を4つの種類に分けて、それぞれの特徴と発症原因、その対策を分かりやすく解説します。その後、脳卒中の原因を提示して、予防できることと、できないことを解説します。
それぞれのリスクを知ることで普段の生活から予防を心がけていただければと思います。
脳卒中の原因 | 脳卒中の種類 |
・脳の血管がつまる | ① 脳梗塞 |
・脳の血管が破れる | ② 脳出血 |
③ くも膜下出血 | |
・一時的に脳の血管がつまる | ④ 一過性脳虚血発作 |
①脳梗塞
脳梗塞とは、脳卒中のなかでも最も患者数が多いとされている病気で、脳の血管が詰まることが原因となって脳に栄養が運ばれなくなり、その結果、脳の組織が壊死(えし)してしまう病気を指します。
脳梗塞では、運動機能を司っている場所が障害を受けると、手足の麻痺が現れるといったように、壊死した部分が司っていた機能に応じた症状が現れるという特徴があります。
②脳出血
脳出血とは、脳の血管が破れることが原因となって出血が起こり、脳の組織が壊されてしまう病気です。脳梗塞と同様、脳の障害された場所が司っている機能に応じた症状が現れる特徴があります。
③くも膜下出血
くも膜下出血とは、血管にできた「こぶ(「脳動脈瘤」と呼ばれる)」が破裂することが原因となって脳の表面に出血が起こる病気です。特徴として、突然、強烈な頭痛を生じることが多く、緊急の処置を必要とするケースが多くみられ注意が必要です。
④一過性脳虚血発作
一過性脳虚血発作とは、脳梗塞に近い病態であり、脳梗塞の前兆として現れることがあります。一時的に脳の血管がつまることで症状が現れますが、24時間以内に症状が消えてなくなる点が特徴的です。
脳卒中の原因
①脳梗塞:動脈硬化や血栓が原因
脳梗塞には、主に「脳血栓症」と「脳塞栓症」があります。脳塞栓症は、脳血栓症と比べて脳の太い血管がつまり、広い範囲で脳梗塞を生じることが原因となって重症化することが多いのが特徴です。
・脳血栓症 | 脳や頸部の血管に動脈硬化による狭窄や閉塞が起こることによって生じるもの。 |
・脳塞栓症 | 心臓や足など全身のどこかにできた血栓(血のかたまり)が、血流に乗って脳に到達することによって生じるもの。 |
特に近年の高齢化に伴い、心房細動という不整脈によって心臓内に血栓が形成され、これが血流に乗って脳に到達して生じる「心原性脳塞栓症」が増加しています。
②脳出血:動脈硬化が原因
脳出血は、脳の血管の動脈硬化が原因で発症します。動脈硬化によってもろくなった血管に高い血圧がかかることで血管が破れ、脳出血が起こると考えられており、運動時や用便時、入浴時など血圧が急激に上昇した際に発症しやすいとされています。
③くも膜下出血:脳動脈瘤の破裂が原因
くも膜下出血は、脳動脈瘤と呼ばれる脳の血管にできたこぶが破裂することが原因となって起こります。脳動脈瘤ができる原因は正確にはわかっていませんが、高血圧や脳血管への血流、ストレス、喫煙や遺伝的要因が関与していると考えられています。
高血圧、喫煙は脳動脈瘤が破裂する危険因子にもなるといわれています。
また、脳動脈瘤が生じやすい体質は遺伝するともいわれており、家族の中に脳動脈瘤が生じたことがある方やくも膜下出血を起こしたことがある方がいる場合は発症しやすいといえます。
脳卒中の原因から理解する予防できること!予防できないこと!
脳卒中の危険因子(原因)は「修正できない危険因子」と生活上で「修正できる危険因子」とがあり、脳卒中を予防するためには「修正できる危険因子」を改善するように日頃から注意していく必要があります。
そこで、修正できない危険因子と、修正できる危険因子を明確にして、修正できる危険因子については、その対策を明示させて頂きました。
(1) 修正できない危険因子(原因)とは
自分ではどうしようもない発症原因となるもの
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(2)修正できる危険因子(原因)とは
修正できる危険因子を知ることは、予防できない危険因子を知った上で、取り組めば脳卒中の発症リスクを下げることが可能になります。意識することで自分でできる対策です。
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①高血圧
高血圧は脳卒中の最大の危険因子であり、血圧が高いほど脳卒中の発生率は高くなります。食生活の乱れやアルコールの飲みすぎ、急激な運動などで血液の粘り気が強くなったり、血液が流れるときの抵抗が大きくなったりすることで血圧が上昇します。
(2009 脳卒中治療ガイドラインより) |
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(カルシウム拮抗剤、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ACE 阻害薬、β遮断薬など) |
②糖尿病(高血糖)
糖尿病は、インスリンの作用不足によって血糖値が上昇する病態で、脳卒中のうち特に脳梗塞の危険因子として重要とされています。
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③脂質異常症
脂質異常症とは、高コレステロール血症(高 LDL-コレステロール血症)、高トリグリセリド血症(高中性脂肪血症)、低 HDL-コレステロール血症を指します。
その中でも、高コレステロール血症が脳卒中のうち、特に脳梗塞の危険因子として重要で、高LDL-コレステロール血症は冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)の危険因子としても知られています。
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④心房細動などの心疾患
心房細動は、脳梗塞(心原性脳塞栓症)の危険因子です。心房細動では心房内の血流が乱れて滞るため、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。血栓が血流に乗って脳に運ばれ脳の血管がつまると、脳梗塞を引き起こします。
治療法として、ワーファリンの内服による抗凝固療法を行うことで、脳梗塞の発症率が低下することが確認されています。
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⑤喫煙
喫煙は、脳卒中のうち特に脳梗塞とクモ膜下出血の危険因子です。タバコは交感神経系を興奮させるため、タバコを吸うと一過性に血圧が上がり、ニコチンは、血管を収縮させて高血圧や動脈硬化を一層悪化させます。
また受動喫煙も、脳卒中の危険因子と考えられています。
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⑥飲酒
飲酒量が増えるほど、脳内出血とクモ膜下出血の発症率は高くなります。脳梗塞の発症率は、少量や中等量の飲酒者ではむしろ低くなりますが、大量飲酒者では高くなるとされています。
大量飲酒は、脱水を誘発し血液が濃くなり、固まりやすく=詰まりやすくなります。
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⑦肥満(メタボリック・シンドローム)・運動不足
肥満やメタボリック・シンドロームは新たな脳卒中の危険因子として注目されています。
- ※メタボリック・シンドロームの診断基準
- ・ウエスト周囲径が男性 85cm以上、女性 90cm 以上
- ・トリグリセリド 150mg/dl 以上かつ/またはHDL-コレステロール 40mg/dl 未満
- ・収縮期血圧 13mmHg 以上かつ/または拡張期血圧 85mmHg 以上
- ・空腹時血糖 110mg/dl 以上
このうちの 2 項目以上が存在すること、とされています。
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まとめ・脳卒中の種類と原因|発症を予防するため、注意すべき生活目標と修正方法
脳卒中は、一旦発症すると命に係わる病です。避けれるものなら避けたい病です。そこで、注意できない事柄を「修正できない危険因子」とし、注意することで避けられるものを「修正できる危険因子」に分けてご説明しました。
ご自身の状態に合わせて取り組むべき課題を見つけて頂ければと思います。以上、脳卒中の種類と原因について記しました。
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脳卒中を発症してしまったら、再生医療という手段もございます。興味ある方は以下もご参考になさってください。
以上、脳卒中の4つの種類と発症原因、脳卒中にならないためにできること!について、記させて頂きました。
参考になれば幸いです。
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