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捻挫を早く治すためには応急処置が大事!その方法や自宅でできる運動も【医師監修】

捻挫の応急処置
公開日: 2023.04.14 更新日: 2025.01.15

ストップ&ダッシュが多いスポーツや、ハイヒールで不安定な場所を歩くときなど、捻挫をする場面はさまざまです。
ひどい捻挫だと歩くのも困難で、日常生活に支障をきたすこともあるため「早く治したい」と考える方も多いかもしれません。

結論からいえば、捻挫を早く治すためにはPOLICEと呼ばれる応急処置を行い、早めに医療機関を受診することが大切です。
また、トレーニングで適度に負荷をかけるのも効果的ですが、痛みがあるときは無理をしないようにしましょう。

本記事では捻挫を早く治すための応急処置やトレーニング方法をまとめました。
捻挫を繰り返している人や現在捻挫でお困りの人は、ぜひ最後までチェックしてください。

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【結論】捻挫を早く治すためにはPOLICEを実践!正しい応急処置をご紹介

結論からいえば、捻挫をしたときにはPOLICEの概念での応急処置が有効です。

捻挫とは軟骨や関節包(かんせつほう)・靭帯が損傷している状態で、骨折や脱臼以外の関節のケガを指します。

この捻挫に対して有効と考えられている応急処置がPOLICEです。POLICEは6つの処置の頭文字を取った造語であり、スポーツ現場などで積極的におこなわれています。これからこのPOLICEについて詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。

なお、捻挫に関しては以下の記事でも詳しく対処方法をご紹介しています。気になる人はぜひこちらも合わせてご覧ください。

POLICEとは「捻挫などのケガに用いられる応急処置」

捻挫を早く治すには、まずは応急処置と適切な診断が必要です。

捻挫が起きた際の応急処置として「POLICE処置」が良いとされています。

Protection(保護)
Optimal Loading(適切な負荷)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)

以前は「RICE(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)処置」が一般的でしたが、近年ではPOLICE処置に置き換わりつつあります。

POLICE処置の具体的な方法

それぞれの具体的な方法は以下のとおりです。

Protection(保護) 装具やシーネ、三角巾、サポーターなどで受傷部位を保護します
Optimal Loading(適切な負荷) 痛みのない程度で、無理なく動かします
Ice(冷却) 氷嚢や氷を入れた袋などで冷やします
Compression(圧迫) 受傷部位の腫れや内出血の増悪を予防するために、テーピングや包帯などで圧迫をします
Elevation(挙上) 腫れを防ぐ、軽減するために、心臓よりも上に受傷部位を置きましょう

注意点として、適切な負荷をかけるときには無理は禁物です。負荷量については医師や理学療法士など専門家の判断が必要であるため、早めの受診をおすすめします。

また、冷却するときには氷嚢や袋に入れた氷で冷やすようにしてください。湿布などでは表面が冷える程度で関節の中まで冷やす効果がないため、注意しましょう。

現在は冷やさない応急処置「PEACE&LOVE」も実践されている

実は現在、スポーツ現場を中心に「PEACE&LOVE」という応急処置も実践されています。受傷直後にアイシングを実施するPOLICEと異なり、PEACE&LOVEでは患部へのアイシングを実施しません。また、薬もできるだけ使わず、少しずつ負荷をかけていくという考え方です。

POLICEと同じように、PEACE&LOVEも9つの処置の頭文字をとっています。

Protection 保護
Elevation 挙上
Avoid anti-inflammatories 抗炎症薬を避ける
Compression 圧迫
Education 教育
Load 負荷
Optimism 楽観的思考
Vascularisation  血流を増やす
Exercise 運動

このように、POLICEと同じ処置も含まれますが抗炎症薬を避けたり患者教育をしたりする点で異なります。

「PEACE&LOVE」のやり方

具体的なPEACE&LOVEのやり方は、以下の表をご参照ください。

Protection(保護) サポーターやテーピングで関節を固定します。
Elevation(挙上) 心臓より高い位置に足を上げ、浮腫や腫れを予防します
Avoid anti-inflammatories(抗炎症薬を避ける) 痛みが強くても、痛み止めを過剰に使用しないようにしましょう
Compression(圧迫) テーピングや包帯などで患部を圧迫して過剰な腫れを予防します
Education(教育) 薬や医療従事者に頼った受け身な姿勢を避け、患者さん自ら治していく意識を促します
Load(負荷) 松葉杖などの過剰な保護を可能な限り避け、徐々に患部への負荷を高める
Optimism(楽観的思考) 前向きな気持ちで痛みの慢性化を予防します
Vascularisation(血流を増やす) 栄養を運んで組織の回復を早めるために血流を促します
Exercise(運動) 運動で筋力・可動域・バランスの回復を図ります

PEACE&LOVEでは患部を冷やしません。患部を冷やすことで血流が悪くなり、組織の修復が遅れると考えられたためです。

また、可能な限り早く負荷をかけていくために患者教育をおこなう点も新しい考え方といえるでしょう。

患者教育をおこなうことで適切な負荷量を与え、薬や医療従事者に頼らず前向きな治療を促していきます。

捻挫では負荷量を増やした方が治りが早いと考えられているため、患者さんが自ら治療に取り組む姿勢が大切です。

「POLICE」と「PEACE&LOVE」は痛みの強さで使い分けよう

POLICEとPEACE&LOVEはどちらも優劣があるわけではなく、痛みの強さで使い分けることが重要です。1番の違いは冷やすかどうかですが、患部を冷やすことに関して賛否が分かれています。

2021年神戸大学の研究によると、「重度の筋損傷に対してアイシングを施行すると、筋肉の回復が遅れると示唆される結果」となりました。(文献1

しかし、2023年に神戸大学でおこなわれた研究では、「軽度の筋損傷であれば回復が早まる可能性が示唆された」ため、逆の結果となったのです(文献2)。

ポイントは筋肉の損傷具合ですが、損傷具合の判断は詳しい検査をしなければわかりません。しかし、アイシングには痛みを軽減させる効果があることがわかっています。

そのため、痛みが強い場合にはアイシングをするPOLICEを、痛みが大きくなければ負荷をかけていくPEACE&LOVEを実施していくことをおすすめします。

とはいえ自分での判断が難しい場合もあるでしょう。そんな時は当院リペアクリニックのオンライン相談をご利用ください。メールでの相談もしくはオンラインカウンセリングが可能なので、気になる人はお気軽にご利用いただけますと幸いです。

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捻挫を早く治すためには病院の受診がおすすめ

結論からいえば、捻挫を早く治すためには病院の受診がおすすめです。病院であれば捻挫の重症度からアイシングをするべきかどうかや、適切な負荷量のアドバイスがもらえるなど適切な処置が可能です。

以下の記事で病院にいくべき基準を紹介しているため、ぜひ目を通してください。

捻挫を早く治すために自宅でできるトレーニング3選

捻挫を早く治すためには、自宅でのトレーニングも重要なのでぜひ実践してください。とくに重要なトレーニングを3つご紹介します。

なお、捻挫をして歩けるけど痛い場合の対処方法は以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

足の指の運動

  • 1.タオルを用意して、タオルの上に足を乗せる
  • 2.指でタオルを握り、タオルを手繰り寄せる
  • 3.手繰り寄せたら元に戻し、10回繰り返す

ポイントは足の指を大きく動かすことです。また、手繰り寄せるときにつま先が浮いてしまう人が多いため、足の裏全体がタオルから離れないように注意してください。

1セット10回を1日3〜5セットを目安の実施がおすすめです。

軽く体重を乗せる運動

  • 1.肩幅に足を開いて立つ
  • 2.右足にゆっくりと体重を乗せていく
  • 3.胸の中心が右足の上まできたら、左足に体重を乗せていく
  • 4.左右の足へ体重を繰り返し10往復ほど乗せていく

ポイントは両肩を水平に保ったまま体重移動をしていくことです。水平に保ったままの体重移動であれば足に過剰な負担がかかりにくくなります。

また、もし痛みがあるようであれば座った状態で足に体重を乗せる方法でもかまいません。足に体重を乗せられるようになれば捻挫も早く治りやすいので、ぜひためしてみてください。

1セット10往復、1日3セット程度を目安に実施すると良いですが、痛みが出るようであれば無理しないようにしましょう。

足首を反らす運動

  • 1.足裏全体が床につくように椅子に座る
  • 2.足首を反らし、つま先を床から浮かす

ポイントは指を反らすのでなく、足首全体を動かすことです。足首の力が弱い人は指の力に頼ってしまうので、指を動かしすぎないように注意してください。

また、足首がまっすぐでなく横にねじれながら動く人もいます。まっすぐ反らすことを意識して動かすと、捻挫に対してより効果的です。

1セット10回、1日3〜5回程度を目安の実施がおすすめです。

まとめ|捻挫を早く治すためにはPOLICEの実践!早めの受診も大切

捻挫を早く治すためには適切な応急処置が大切です。応急処置にはPOLICEの考え方を中心に、捻挫した足首に負担がかからないように注意してください。

また、負担を避けるだけでなく適切な負荷をかけていくことも大切です。もし動かせるようであれば、本記事でご紹介したトレーニングを中心にゆっくりと動かしてみましょう。

とはいえどの程度動かして良いかわからない人も多いですよね。そんなときには無理をせず、早めに整形外科を受診してください。病院を受診すればどの程度動かして良いか、適切なアドバイスをもらえるでしょう。

ちなみに当院リペアセルクリニックは、捻挫に対しても再生医療をおこなっています。手術をすることなく治りにくい人体の修復が可能で、身体への負担も少ないおすすめの治療方法です。少しでも気になるという人は、メールでの相談もしくはオンラインカウンセリングが可能でお気軽にご相談ください。

この記事が捻挫でお困りの人に、少しでもお役に立てれば光栄です。

捻挫に関してよくある質問

Q:捻挫とはどのような状態ですか?

A:関節に外力が加わって生じた怪我のうち、骨折と脱臼以外のものを指します。X線で骨折、脱臼がないことを確認し、必要があればMRIを撮像します。どうやって怪我をしたかも診断には重要です。

Q:捻挫を早く治すには?

A:まずは適切な診断が必要です。応急処置としてはPOLICE処置が良いよいでしょう。炎症が起きている間は消炎鎮痛薬なども併用し、過度な負担がかからないように注意してください。

Q:受診するなら整形外科?整骨院?

A:正しく診断をつけるという意味でも、X線やMRIでの検査を行える整形外科をおすすめします。近くに整形外科がない、診察時間外の場合には整骨院でも良いでしょう。自分で判断して自己流で治療をするのはよくありません。

 

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参考文献一覧

文献1
荒川高光 et al アイシングは肉離れなどの筋損傷後の再生を遅らせる神戸大学プレスリリース 2021

文献2
荒川高光 et al 軽微な筋損傷に対するアイシングは筋損傷後の再生を促進する 神戸大学プレスリリース 2023

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