ランナー膝の治し方3選!ストレッチなど保存療法以外の治療法も紹介
投稿日: 2023.08.31更新日: 2024.11.06
「ランナー膝の治し方を知りたい」「ランナー膝の原因って何?」
ランニングなどによって膝の痛みが出るランナー膝ですが、原因や改善策を知りたい方も多いのではないでしょうか。
ランナー膝は、適切な対策を取らないと慢性的な痛みへと発展する恐れがあります。
多くのランナーが悩む症状ですが、実は自宅でも改善できる方法もあります。
この記事では、症状を軽減する方法から、予防対策まで具体的に解説していきます。最後まで読めば、ランナー膝をぜひ最後までお読みください。
目次
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の治し方3選
ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みが生じるスポーツ障害です。とくに長距離ランナーに多く見られ、初期の対処が重要です。治療法は主に以下の3つがあります。
- 保存療法(安静・ストレッチ・リハビリなど)
- 運動環境・フォームの改善療法
- 外科的治療・再生医療
まずは自宅でできる保存療法、次はフォームや運動環境の改善、最後に外科の治療や再生医療といった選択肢です。ここからは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
保存療法(安静・ストレッチ・リハビリなど)
保存療法は、ランナー膝の最も一般的な治療法です。
痛みや炎症がある場合はランナー膝の原因となる運動を中止し、安静にするよう心がけましょう。膝をアイシングしたり、湿布を使ったりするのも効果的です。
炎症が改善したら、大腿筋膜張筋や股関節外側部を中心としたストレッチを行います。
リハビリで筋力を回復させることで、再発予防にもつながります。(文献1)
運動環境・フォームの改善療法
ランナー膝は、走る際のフォームや、履いているシューズを変えることで改善できる場合があります。
上半身が左右に揺れたり、膝が内側に入ったりする走り方は、ランナー膝を悪化させる原因になりかねません。そのため、体幹や股関節、足首などを強化し、膝に負担がかかりにくいフォームに矯正する必要があります。
また、着地時の衝撃を吸収してくれるインソールや、膝の動きを支えるサポーターなどを活用するのも良いでしょう。(文献2)
運動環境やフォームの改善は、ランナー膝の治療だけでなく予防にも効果的です。とくに日常的にランニングをする方は、普段から正しい走り方を意識し、膝の負担を軽減するシューズの使用がおすすめです。
外科的治療・再生医療
症状によっては外科的治療や再生医療も選択肢に含まれます。
ランナー膝の外科的治療は一般的でないものの、保存療法で効果が見られない場合や、難治性と診断された場合は手術を検討します(文献3)。
また、PRP療法をはじめとする再生医療を実施するケースもあります。PRP療法は、自分の血液から抽出した成分を注入し組織の再生を促進する方法であり、炎症の抑制や痛みの軽減が期待できます。
膝の痛みを再生医療を用いて治療する方法は、以下の記事もご覧ください。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)における原因
ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みを引き起こすランニング障害です。
主な原因は以下の2つにわかれます。
ランナー膝の原因 |
詳細 |
選手側の問題 |
筋力のアンバランス 柔軟性の不足 O脚(内反膝) |
練習内容や環境の問題 |
オーバートレーニング 不適切な靴 |
選手側が要因となるO脚では、腸脛靭帯が大腿骨に擦れやすく炎症のリスクを高めます。
また、オーバートレーニングのほか、下り坂・不整地でのランニングも摩擦が増して症状を悪化させる要因です。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の症状
ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みが生じる症状が特徴です。
軽症の場合、スポーツ後に痛みが出る程度ですが、放置すると中等症へ進行し、プレー中にも痛みを感じるようになります。
悪化すると、スポーツをしていないときでも痛みが現れ、日常生活にも影響する可能性があります。
重症化すると手術などの外科的治療が必要になり、入院やリハビリ期間が長引く可能性が高くなるため、膝の痛みを感じたら早めに整形外科に相談しましょう。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の診断
ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、ランニングやジャンプの動作時や日常生活での痛み、膝の外側の圧痛の有無をヒアリングすることで診断されます。
また、レントゲンやMRIなどの画像診断や、「グラスピングテスト」と呼ばれる方法を用いて診断するケースもあります。
まとめ|ランナー膝は保存療法で効果が見られないなら他の治療法も検討しよう
ランナー膝の治療は、保存療法だけでなく、予防対策を意識した運動環境・フォーム改善療法も並行しておこないます。再発を繰り返す場合や難治性と診断された場合は、手術療法や再生医療といった選択肢も検討しましょう。
当院「リペアセルクリニック」では、自己の幹細胞を用いた再生医療を提供しています。膝の靭帯部分に幹細胞を投与することで、手術なしで症状を改善できるケースもあります。
従来の保存療法や運動療法による治療で効果がみられない場合は、ぜひ当院の再生医療もご検討いただければ幸いです。
メールでの無料相談やオンラインカウンセリングも実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
この記事がランナー膝の治療方法の選択肢を知るのに役立ち、治療を受けるきっかけになれば嬉しく思います。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)についてよくある質問
ランナー膝(腸脛靭帯炎)ではどこをほぐすべきですか?
ランナー膝の改善には、腸脛靭帯自体を直接ほぐすのではなく、大腿筋膜張筋や股関節、大腿部前面を重点的にストレッチするのが有効です。
フォームローラーやストレッチを使い、これらの筋肉を柔らかくし、症状の緩和と再発防止につながります。
ランナー膝のストレッチについては以下の記事もご覧ください。
ランナー膝でやってはいけないことは何ですか?
ランナー膝の痛みを感じた際は、無理に動かさずスポーツを中止して安静にしましょう。とくに下り坂や傾斜がきついコースでのランニングは、膝に負担をかけやすいため控えるべきです。
負荷を調整しつつ、適切なストレッチやリハビリを行うことを意識してみてください。
ランナー膝を早く改善するポイントについては以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
No.149
監修:医師 坂本貞範
参考文献一覧
(文献1)
日本スポーツ整形外科学会(JSOA)「スポーツ損傷シリーズ 10.膝の慢性障害」
(文献2)
林優、林典雄ほか.腸脛靭帯炎における臨床的特徴と運動療法成績について.東海北陸理学療法学術大会誌.2006;22 (0), 38-38