腸脛靭帯炎|原因と早く治す改善ポイントについて
目次
腸脛靭帯炎|原因と早く治す改善ポイントとは
「ランニングすると膝の外側が痛い…」
その症状、もしかすると、その痛みの原因は腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)かもしれません。今回はランニングで起こりやすい腸脛靱帯炎について、できるだけ早く治すための改善ポイントを解説します。
腸脛靱帯炎とは?特徴や症状
腸脛靱帯は、太ももの外側を通る靱帯です。ランニングなどで膝の屈伸を繰り返すと膝の外側の骨と靱帯が摩擦を起こします。この摩擦が刺激となり靱帯に炎症が生じてしまい、腸脛靱帯炎を発症してしまいます。
症状は膝の外側の痛みで、走り始めでは痛みが出ないものの、ランニングやサイクリングの距離が増えると痛みが現れます。また、膝の外側を押さえたときに痛みがみられ、軽く腫れる場合もあります。
腸脛靱帯炎の原因
腸脛靱帯炎の原因は大きく分けて「体の要因」「環境の要因」「トレーニングの要因」の3つに分けられます。
体の要因
腸脛靱帯が硬くなると、膝の外側の骨と靱帯の摩擦が強くなってしまうため、靱帯の炎症が起こりやすくなります。また、O脚(膝が外側にカーブした状態)やおしりの外側の筋力が低下することで、骨盤が傾きやすくなります。
そうすると、体の左右への安定性が低下してしまい、膝の外側にかかる負担が増えてしまいます。結果的に腸脛靱帯にかかる負担が増加して炎症を生じやすくなります。
環境の要因
ランニングをする環境も靱帯の炎症を引き起こす大きな原因です。
例えば、アスファルトなどの固い地面や舗装されていない路面を走ることで腸脛靱帯に負担がかかってしまいます。傾斜があったり、下り坂だったりといった環境も靱帯に悪影響を及ぼします。
また、ランニングで使用するシューズも腸脛靱帯炎の発生と関係があります。シューズのサイズがあっていなかったり、クッション性の低いシューズを使ったりすることで人体にかかる負担が増えて炎症の原因になります。
トレーニングの要因
ランニングの時間が増加したり、距離が長くなったりすると、膝の屈伸をたくさん繰り返すことになるため、脛靱帯炎を引き起こすリスクが高くなります。
また、トラックなど同じ場所を周回するようなケースでは、同じ方向を繰り返し走ることで、常に一定の負荷が腸脛靱帯にかかり炎症を起こす原因になります。
腸脛靱帯炎を早く改善する「4つのポイント!」
腸脛靱帯炎を改善させるには、「安静」「ストレッチ」「筋力トレーニング」「適切な環境の調整」です。
1.痛みの出始めは安静に
痛みが出はじめた時期は炎症が起こっているので、ランニングやスポーツを中断して安静にしましょう。痛みが強い場合は、整形外科を受診して、炎症や痛みを抑える薬などの使用も必要です。
また、無理をして痛みが出た場合は、温めるのではなく、太ももの横をアイシングするようにしましょう。
2.おしりや太ももの外側やふくらはぎのストレッチ
腸脛靱帯にかかる負担を減少させるため、おしりや太ももの外側の硬さを改善するストレッチをしましょう。
まずは、おしりや、太ももの外側を伸ばすストレッチの方法を紹介します。
腸脛靱帯炎が改善した後でも、ストレッチを継続して柔軟性を保つことで再発の予防につながります。
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3.おしりの横の筋力トレーニング
おしりの横の筋肉を鍛えることで、腸脛靱帯にかかる負担を減らします。
オススメのトレーニングを紹介します。
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4.適切な環境の調整
痛みが徐々に緩和してランニングができるようになった場合も、長い距離や時間のランニングは再発や悪化を招きかねません。痛みが出ないように加減しながらランニングを再開しましょう。
また、原因のところで解説したように、固い地面や不整地は出来るだけ避け、下り坂が多い場所や傾斜のきつい場所でのランニングも行わないようにしましょう。
新調したばかりの馴染まない靴や靴底が薄くクッション性の少ない靴などは避け、ランニングやウォーキング用のシューズで、しっかり足のサイズを合わせたものを使いましょう。
まとめ・腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)早く治すポイント
今回は、腸脛靭帯の原因や症状、早く治すためのポイントをお伝えしました。
腸脛靱帯炎は無理な負荷を減らして、炎症を早く治すとともに、運動や環境調整で負担がかからないようにすることが重要です。また、痛みが出た場合に早めに整形外科を受診することで、他の病気との判別をして適切な治療を受けることが大切です。
ランニングは誰でも気軽に体を動かせるオススメの運動です。ぜひ、腸脛靱帯炎に対する正しい知識を持ち、安静・運動・環境調整で腸脛靱帯炎を早く治して、いつまでも楽しくランニングを続けましょう!
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