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陳旧性脳梗塞は画像診断でわかる!後遺症や再発予防ついて詳しく解説【医師監修】
「陳旧性脳梗塞(ちんきゅうせいのうこうそく)と言われたけど、手術や治療は必要ないの?」「後遺症が出ないか心配……。」
陳旧性脳梗塞という病名が聞き慣れず、治療の必要性や再発リスクについて不安になる方も多いのではないでしょうか。
陳旧性脳梗塞とは「脳梗塞の痕」です。くも膜下出血や急性の脳梗塞のように早急の治療を行うことは少ないものの、再発するリスクが高いため、定期通院が必要となる場合もあります。
本記事では、陳旧性脳梗塞について詳しく解説します。本記事を参考に、陳旧性脳梗塞の診断後も再発予防に努めて健康寿命を延ばしましょう。
当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。
気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
目次
陳旧性脳梗塞とは「脳梗塞になった痕」
陳旧性脳梗塞とは、いわゆる「脳梗塞」が起こった痕跡が脳内にある状態です。
脳梗塞が起こった部位の血管が詰まると、血流が止まります。その結果、脳細胞がダメージを受けて意識障害や麻痺など重篤な症状があらわれるのです。
適切な治療や時間の経過によって血流は回復する可能性もありますが、ダメージを受けた部分は脳内に痕跡として残ります。この状態が画像検査によって確認されるものが「陳旧性脳梗塞」です。
陳旧性脳梗塞は無症状のまま気づかれないケースもあり、健康診断や別の病気の検査中に偶然発見される場合があります。無症状であっても脳梗塞の再発リスクがあるため、注意が必要です。
定期的な検査や予防に努めることで、再発のリスクを低減できるでしょう。
陳旧性脳梗塞はCTとMRIでわかる
陳旧性脳梗塞は、画像診断技術で過去に脳梗塞を発症した痕跡を確認できます。とくにCTやMRIといった画像検査では、陳旧性脳梗塞の有無や程度が把握できるため、定期的な検査が大切です。
どちらにも特徴があり、両方の画像検査を受けることで正確に陳旧性脳梗塞があるかどうかがわかります。
本章で違いを把握し、定期的な検査を受けるようにしましょう。
MRI
MRI(磁気共鳴画像)では、磁場と電波を利用して撮影します。脳内の詳細な構造がわかり、CTでは見逃されやすい小さな病変も検出可能です。
とくに、陳旧性脳梗塞による脳の損傷やその周辺の変化を高解像度で観察できる点が特徴です。MRIは、陳旧性脳梗塞の診断には欠かせないツールと言えるでしょう。
ただし、MRI検査ができる方には制限があります。
- 体内に金属が埋め込まれている
- 閉所恐怖症である
上記に該当する方はMRI診断を受けられないため、必ず医師に申し出ましょう。
CT
CT(コンピュータ断層撮影)は、主にX線を使用して脳の断面を撮影する検査方法です。検査時間が10〜30分前後と比較的短く、高齢者や緊急性の高い状況ではすぐに診断できる手段として活用されています。
陳旧性脳梗塞の痕跡がCT画像に写ることがあるものの、新しい脳梗塞や小さな病変はCTで見つけにくい場合があります。そのため、MRIと併用で使用される場合が多いです。
陳旧性脳梗塞の主な原因は生活習慣病!今からできる予防法3選
陳旧性脳梗塞の主な原因は生活習慣病です。
基礎疾患の治療はもちろんのこと、以下3つの方法で生活習慣病や脳梗塞の予防ができます。
- 禁煙
- 減塩食や低脂質食
- こまめの水分補給
上記を参考にして、今から陳旧性脳梗塞の予防を心がけましょう。
禁煙する
喫煙は脳梗塞の大きなリスク要因のひとつであるため、禁煙してリスクを低減することが大切です。
タバコの煙に含まれる有害物質には血管を傷つけ、血管が硬くなる「動脈硬化」の悪化や血管を狭める作用があります。また、喫煙は血の塊を作りやすい作用があるため、脳梗塞のリスクを高めるのです。
自力での禁煙が難しい方は、専門医に相談の上で禁煙外来の受診を考えましょう。
減塩食・低脂質食を心がける
塩分の過剰摂取は血圧を上昇させ、高血圧や脳梗塞のリスクを高めます。また、高脂質の食事は血中のコレステロール値を上げ、血管内に脂の塊を作る要因です。
脂質の高い食事を繰り返すことで、動脈硬化を進行させ脳梗塞のリスクが高まります。脳梗塞を予防するためには、減塩を意識した食事や脂質を控えた食事を心がけることが大切です。
今から予防できる食生活の改善方法の一例として、以下のような方法があります。
- カリウムが豊富な食材(バナナやホウレン草など)を取り入れる
- 減塩タイプの調味料に切り替える
- 蒸す・ゆでるなど油の使わない方法で調理する
- 脂質の少ない食材(鶏ささみや白身魚など)を取り入れる
食事の改善が脳梗塞の予防につながります。今から食生活を見直してみてください。
こまめに水分補給をする
脱水症状は血液を濃縮させ、血栓ができやすい状態を作ります。そのため、こまめな水分補給を行うことで、血液の循環を促進して血栓の予防につながります。
とくに高齢者や糖尿病の方は脱水になりやすいため、意識的に水分を摂りましょう。
水分補給のポイントは、一日を通して少量ずつ水を飲むことです。飲み物としては水や無糖のお茶を選ぶようにしましょう。
陳旧性脳梗塞における病院での治療法
陳旧性脳梗塞の診断を受けた後は、以下のような脳梗塞の再発予防のための治療を行う場合があります。
- 定期的な検査
- 抗凝固薬の使用
- リハビリ
専門医の指導のもと、適切な治療を受けて脳梗塞の再発予防に努めましょう。
1. 定期的な検査
陳旧性脳梗塞は、無症状であっても新たな脳梗塞や脳出血を引き起こすリスクを伴います。そのため、定期的な検査を受けて脳の状態を確認することが予防のポイントです。
継続して再発がないか定期的に検査することで、新しい症状やリスク因子を早期に発見・治療を行えます。
医師の指示があった際は、定期的な検査を怠らないように注意が必要です。
2. 抗凝固薬の使用
血管が再び詰まるのを防ぐために、必要に応じて抗凝固薬が処方されることがあります。
抗凝固薬は血液を固まりにくくして血栓の形成を防ぎ、脳梗塞の再発リスクを低減する効果が期待できます。
ただし、抗凝固薬の使用により副作用が出るリスクも否定できません。そのため、治療は医師の指示に基づいて行われ、副作用の有無を確認しながら調整される場合が多いです。
抗凝固薬が処方された際は用法を守って服用し、副作用があらわれたら早めに医師へ相談するようにしましょう。
3. リハビリ
陳旧性脳梗塞の後遺症が残っている場合、以下のようなリハビリが必要となります。
リハビリの方法 | 内容 |
---|---|
運動療法 | 麻痺した部分を動かせるようになるための訓練 |
言語療法 | 発症前のように会話ができるようになるための訓練 |
作業療法 | 日常生活で必要な行動をひとりで行えるようになるための訓練 |
リハビリをつづけることで、後遺症を最小限に抑えられることが期待されます。
脳梗塞の後遺症を改善するリハビリについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしていただければ幸いです。
まとめ|陳旧性脳梗塞後は病院の治療や検査で再発予防しましょう
陳旧性脳梗塞は過去に発症した脳梗塞の痕跡であることを解説しました。
無症状であっても脳梗塞の再発は伴うため、予防に努めることが大切です。
専門医の指導のもと、定期的な検査や適切な治療・生活習慣の見直しで脳梗塞の再発を予防しましょう。
当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。
気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
陳旧性脳梗塞についてよくある質問
脳梗塞でも長生きできますか?
脳梗塞を経験しても、適切な治療と予防を行うことで、健康寿命を延ばすことが期待できます。
とくに早期の治療や定期的なリハビリの継続により、症状が改善するケースが多いです。
脳梗塞の診断を受けた後は定期的な通院とリハビリを欠かせないようにしましょう。
また、脳梗塞と似ている脳の病気として、くも膜下出血が知られています。
くも膜下出血の10年後の生存率について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。
再検査や大きな治療は必要ですか?
陳旧性脳梗塞そのものに対して手術などの大きな治療が行われることは少ないものの、再発予防のために定期的な通院が大切です。
脳の状態を継続的に確認することで、新たにできた脳梗塞を早めに発見・治療ができます。
また、生活習慣病の治療も脳梗塞の再発防止に重要です。
生活習慣病を患っている方は、持病の治療に専念して脳梗塞の予防に努めましょう。